この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命 又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項 及び第二十八条の二において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律
前文
我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が行われている。
ところが、配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかった。また、配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている。
このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るためには、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための施策を講ずることが必要である。このことは、女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取組にも沿うものである。
ここに、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する。
第一章 総則
この法律において「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者をいう。
この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「離婚」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入ることを含むものとする。
国 及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の保護(被害者の自立を支援することを含む。以下同じ。)を図る責務を有する。
第一章の二 基本方針及び都道府県基本計画等
内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣 及び厚生労働大臣(以下この条 及び次条第五項において「主務大臣」という。)は、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針(以下この条 並びに次条第一項 及び第三項において「基本方針」という。)を定めなければならない。
基本方針においては、次に掲げる事項につき、次条第一項の都道府県基本計画 及び同条第三項の市町村基本計画の指針となるべきものを定めるものとする。
配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護に関する基本的な事項
配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策の内容に関する事項
配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策を実施するために必要な国、地方公共団体 及び民間の団体の連携 及び協力に関する事項
前三号に掲げるもののほか、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策に関する重要事項
主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県における配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条において「都道府県基本計画」という。)を定めなければならない。
都道府県基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護に関する基本的な方針
配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策の実施内容に関する事項
配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策を実施するために必要な当該都道府県、関係地方公共団体 及び民間の団体の連携 及び協力に関する事項
前三号に掲げるもののほか、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項
市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、基本方針に即し、かつ、都道府県基本計画を勘案して、当該市町村における配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条において「市町村基本計画」という。)を定めるよう努めなければならない。
都道府県 又は市町村は、都道府県基本計画 又は市町村基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
主務大臣は、都道府県 又は市町村に対し、都道府県基本計画 又は市町村基本計画の作成のために必要な助言 その他の援助を行うよう努めなければならない。
第二章 配偶者暴力相談支援センター等
都道府県は、当該都道府県が設置する女性相談支援センター その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするものとする。
市町村は、当該市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするよう努めるものとする。
配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護のため、次に掲げる業務を行うものとする。
被害者に関する各般の問題について、相談に応ずること 又は女性相談支援員 若しくは相談を行う機関を紹介すること。
被害者の心身の健康を回復させるため、医学的 又は心理学的な指導 その他の必要な指導を行うこと。
被害者(被害者がその家族を同伴する場合にあっては、被害者 及びその同伴する家族。次号、第六号、第五条、第八条の三 及び第九条において同じ。)の緊急時における安全の確保 及び一時保護を行うこと。
被害者が自立して生活することを促進するため、就業の促進、住宅の確保、援護等に関する制度の利用等について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整 その他の援助を行うこと。
第四章に定める保護命令の制度の利用について、情報の提供、助言、関係機関への連絡 その他の援助を行うこと。
被害者を居住させ保護する施設の利用について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整 その他の援助を行うこと。
前項第三号の一時保護は、女性相談支援センターが、自ら行い、又は厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行うものとする。
前項の規定による委託を受けた者 若しくはその役員 若しくは職員 又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、その委託を受けた業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体との連携に努めるものとする。
女性相談支援員は、被害者の相談に応じ、必要な援助を行うことができる。
都道府県は、女性自立支援施設において被害者の保護を行うことができる。
都道府県は、単独で 又は共同して、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護を図るため、関係機関、関係団体、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護に関連する職務に従事する者 その他の関係者(第五項において「関係機関等」という。)により構成される協議会(以下「協議会」という。)を組織するよう努めなければならない。
市町村は、単独で 又は共同して、協議会を組織することができる。
協議会は、被害者に関する情報 その他被害者の保護を図るために必要な情報の交換を行うとともに、被害者に対する支援の内容に関する協議を行うものとする。
協議会が組織されたときは、当該地方公共団体は、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。
協議会は、第三項に規定する情報の交換 及び協議を行うため必要があると認めるときは、関係機関等に対し、資料 又は情報の提供、意見の開陳 その他必要な協力を求めることができる。
協議会の事務に従事する者 又は従事していた者は、正当な理由がなく、協議会の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
前二条に定めるもののほか、協議会の組織 及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第三章 被害者の保護
配偶者からの暴力(配偶者 又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る。以下この章において同じ。)を受けている者を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センター 又は警察官に通報するよう努めなければならない。
医師 その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し 又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その旨を配偶者暴力相談支援センター 又は警察官に通報することができる。
この場合において、その者の意思を尊重するよう努めるものとする。
刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定 その他の守秘義務に関する法律の規定は、前二項の規定により通報することを妨げるものと解釈してはならない。
医師 その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し 又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その者に対し、配偶者暴力相談支援センター等の利用について、その有する情報を提供するよう努めなければならない。
配偶者暴力相談支援センターは、被害者に関する通報 又は相談を受けた場合には、必要に応じ、被害者に対し、第三条第三項の規定により配偶者暴力相談支援センターが行う業務の内容について説明 及び助言を行うとともに、必要な保護を受けることを勧奨するものとする。
警察官は、通報等により配偶者からの暴力が行われていると認めるときは、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)、警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)その他の法令の定めるところにより、暴力の制止、被害者の保護 その他の配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
警視総監 若しくは道府県警察本部長(道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面については、方面本部長。第十五条第三項において同じ。)又は警察署長は、配偶者からの暴力を受けている者から、配偶者からの暴力による被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該配偶者からの暴力を受けている者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該被害を自ら防止するための措置の教示 その他配偶者からの暴力による被害の発生を防止するために必要な援助を行うものとする。
社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所(次条において「福祉事務所」という。)は、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)、母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)その他の法令の定めるところにより、被害者の自立を支援するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所、児童相談所 その他の都道府県 又は市町村の関係機関その他の関係機関は、被害者の保護を行うに当たっては、その適切な保護が行われるよう、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。
前条の関係機関は、被害者の保護に係る職員の職務の執行に関して被害者から苦情の申出を受けたときは、適切かつ迅速にこれを処理するよう努めるものとする。
第四章 保護命令
被害者(配偶者からの身体に対する暴力 又は生命、身体、自由、名誉 若しくは財産に対し害を加える旨を告知してする脅迫(以下この章において「身体に対する暴力等」という。)を受けた者に限る。以下この条 並びに第十二条第一項第三号 及び第四号において同じ。)が、配偶者(配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者。以下この条 及び第十二条第一項第二号から第四号までにおいて同じ。)からの更なる身体に対する暴力等により、その生命 又は心身に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日から起算して一年間、被害者の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)その他の場所において被害者の身辺につきまとい、又は被害者の住居、勤務先 その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。
前項の場合において、同項の規定による命令(以下「接近禁止命令」という。)を発する裁判所 又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、接近禁止命令の効力が生じた日から起算して一年を経過する日までの間、被害者に対して次に掲げる行為をしてはならないことを命ずるものとする。
その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
電話をかけて何も告げず、又は緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、文書を送付し、通信文 その他の情報(電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下この号 及び第六項第一号において同じ。)の送信元、送信先、通信日時 その他の電気通信を行うために必要な情報を含む。以下この条において「通信文等」という。)をファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
緊急やむを得ない場合を除き、午後十時から午前六時までの間に、電話をかけ、通信文等をファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールの送信等をすること。
汚物、動物の死体 その他の著しく不快 又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体 その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録 その他の記録を送信し、若しくはその知り得る状態に置くこと。
その承諾を得ないで、その所持する位置情報記録・送信装置(当該装置の位置に係る位置情報(地理空間情報活用推進基本法(平成十九年法律第六十三号)第二条第一項第一号に規定する位置情報をいう。以下この号において同じ。)を記録し、又は送信する機能を有する装置で政令で定めるものをいう。以下この号 及び次号において同じ。)(同号に規定する行為がされた位置情報記録・送信装置を含む。)により記録され、又は送信される当該位置情報記録・送信装置の位置に係る位置情報を政令で定める方法により取得すること。
第一項の場合において、被害者がその成年に達しない子(以下この項 及び次項 並びに第十二条第一項第三号において単に「子」という。)と同居しているときであって、配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていること その他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、接近禁止命令を発する裁判所 又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、接近禁止命令の効力が生じた日から起算して一年を経過する日までの間、当該子の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)、就学する学校 その他の場所において当該子の身辺につきまとい、又は当該子の住居、就学する学校 その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないこと 及び当該子に対して前項第二号から第十号までに掲げる行為(同項第五号に掲げる行為にあっては、電話をかけること 及び通信文等をファクシミリ装置を用いて送信することに限る。)をしてはならないことを命ずるものとする。
ただし、当該子が十五歳以上であるときは、その同意がある場合に限る。
第一項の場合において、配偶者が被害者の親族 その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者(被害者と同居している子 及び配偶者と同居している者を除く。以下この項 及び次項 並びに第十二条第一項第四号において「親族等」という。)の住居に押し掛けて著しく粗野 又は乱暴な言動を行っていること その他の事情があることから被害者がその親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、接近禁止命令を発する裁判所 又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、接近禁止命令の効力が生じた日から起算して一年を経過する日までの間、当該親族等の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)その他の場所において当該親族等の身辺につきまとい、又は当該親族等の住居、勤務先 その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。
前項の申立ては、当該親族等(被害者の十五歳未満の子を除く。以下この項において同じ。)の同意(当該親族等が十五歳未満の者 又は成年被後見人である場合にあっては、その法定代理人の同意)がある場合に限り、することができる。
第二項第四号 及び第五号の「電子メールの送信等」とは、次の各号のいずれかに掲げる行為(電話をかけること 及び通信文等をファクシミリ装置を用いて送信することを除く。)をいう。
電子メール(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成十四年法律第二十六号)第二条第一号に規定する電子メールをいう。)その他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信を行うこと。
前号に掲げるもののほか、電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であって、内閣府令で定めるものを用いて通信文等の送信を行うこと。
被害者(配偶者からの身体に対する暴力 又は生命等に対する脅迫(被害者の生命 又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫をいう。以下この章において同じ。)を受けた者に限る。以下この条 及び第十八条第一項において同じ。)が、配偶者(配偶者からの身体に対する暴力 又は生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者。以下この条、第十二条第二項第二号 及び第十八条第一項において同じ。)から更に身体に対する暴力を受けることにより、その生命 又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てにより、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日から起算して二月間(被害者 及び当該配偶者が生活の本拠として使用する建物 又は区分建物(不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第二条第二十二号に規定する区分建物をいう。)の所有者 又は賃借人が被害者のみである場合において、被害者の申立てがあったときは、六月間)、被害者と共に生活の本拠としている住居から退去すること 及び当該住居の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。
ただし、申立ての時において被害者 及び当該配偶者が生活の本拠を共にする場合に限る。
接近禁止命令 及び前条の規定による命令(以下「退去等命令」という。)の申立てに係る事件は、相手方の住所(日本国内に住所がないとき 又は住所が知れないときは居所)の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
接近禁止命令の申立ては、次の各号に掲げる地を管轄する地方裁判所にもすることができる。
当該申立てに係る配偶者からの身体に対する暴力等が行われた地
退去等命令の申立ては、次の各号に掲げる地を管轄する地方裁判所にもすることができる。
接近禁止命令 及び第十条第二項から第四項までの規定による命令の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
配偶者からの身体に対する暴力等を受けた状況(当該身体に対する暴力等を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合であって、当該配偶者であった者からの身体に対する暴力等を受けたときにあっては、当該配偶者であった者からの身体に対する暴力等を受けた状況を含む。)
前号に掲げるもののほか、配偶者からの更なる身体に対する暴力等により、生命 又は心身に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる申立ての時における事情
第十条第三項の規定による命令(以下この号 並びに第十七条第三項 及び第四項において「三項命令」という。)の申立てをする場合にあっては、被害者が当該同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため当該三項命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情
第十条第四項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情
配偶者暴力相談支援センターの職員 又は警察職員に対し、前各号に掲げる事項について相談し、又は援助 若しくは保護を求めた事実の有無 及びその事実があるときは、次に掲げる事項
当該配偶者暴力相談支援センター 又は当該警察職員の所属官署の名称
相談し、又は援助 若しくは保護を求めた日時 及び場所
相談 又は申立人の求めに対して執られた措置の内容
退去等命令の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
配偶者からの身体に対する暴力 又は生命等に対する脅迫を受けた状況(当該身体に対する暴力 又は生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合であって、当該配偶者であった者からの身体に対する暴力 又は生命等に対する脅迫を受けたときにあっては、当該配偶者であった者からの身体に対する暴力 又は生命等に対する脅迫を受けた状況を含む。)
前号に掲げるもののほか、配偶者から更に身体に対する暴力を受けることにより、生命 又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる申立ての時における事情
配偶者暴力相談支援センターの職員 又は警察職員に対し、前二号に掲げる事項について相談し、又は援助 若しくは保護を求めた事実の有無 及びその事実があるときは、次に掲げる事項
当該配偶者暴力相談支援センター 又は当該警察職員の所属官署の名称
相談し、又は援助 若しくは保護を求めた日時 及び場所
相談 又は求めた援助 若しくは保護の内容
相談 又は申立人の求めに対して執られた措置の内容
前二項の書面(以下「申立書」という。)に第一項第五号イからニまで 又は前項第三号イからニまでに掲げる事項の記載がない場合には、申立書には、第一項第一号から第四号まで 又は前項第一号 及び第二号に掲げる事項についての申立人の供述を記載した書面で公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第五十八条ノ二第一項の認証を受けたものを添付しなければならない。
裁判所は、接近禁止命令、第十条第二項から第四項までの規定による命令 及び退去等命令(以下「保護命令」という。)の申立てに係る事件については、速やかに裁判をするものとする。
保護命令は、口頭弁論 又は相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。
ただし、その期日を経ることにより保護命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。
申立書に第十二条第一項第五号イからニまで 又は同条第二項第三号イからニまでに掲げる事項の記載がある場合には、裁判所は、当該配偶者暴力相談支援センター 又は当該所属官署の長に対し、申立人が相談し、又は援助 若しくは保護を求めた際の状況 及びこれに対して執られた措置の内容を記載した書面の提出を求めるものとする。
この場合において、当該配偶者暴力相談支援センター 又は当該所属官署の長は、これに速やかに応ずるものとする。
裁判所は、必要があると認める場合には、前項の配偶者暴力相談支援センター 若しくは所属官署の長 又は申立人から相談を受け、若しくは援助 若しくは保護を求められた職員に対し、同項の規定により書面の提出を求めた事項に関して更に説明を求めることができる。
保護命令に関する手続における期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知 その他相当と認める方法によってする。
呼出状の送達 及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法による期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない者に対し、法律上の制裁 その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。
ただし、その者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。
保護命令に関する手続における公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。
保護命令に関する手続における申立て その他の申述(以下この条において「申立て等」という。)のうち、当該申立て等に関するこの法律 その他の法令の規定により書面等(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本 その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙 その他の有体物をいう。次項 及び第四項において同じ。)をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするもの(当該裁判所の裁判長、受命裁判官、受託裁判官 又は裁判所書記官に対してするものを含む。)については、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織(裁判所の使用に係る電子計算機(入出力装置を含む。以下この項 及び第三項において同じ。)と申立て等をする者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を用いてすることができる。
前項の規定によりされた申立て等については、当該申立て等を書面等をもってするものとして規定した申立て等に関する法令の規定に規定する書面等をもってされたものとみなして、当該申立て等に関する法令の規定を適用する。
第一項の規定によりされた申立て等は、同項の裁判所の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に、当該裁判所に到達したものとみなす。
第一項の場合において、当該申立て等に関する他の法令の規定により署名等(署名、記名、押印 その他氏名 又は名称を書面等に記載することをいう。以下この項において同じ。)をすることとされているものについては、当該申立て等をする者は、当該法令の規定にかかわらず、当該署名等に代えて、最高裁判所規則で定めるところにより、氏名 又は名称を明らかにする措置を講じなければならない。
第一項の規定によりされた申立て等が第三項に規定するファイルに記録されたときは、第一項の裁判所は、当該ファイルに記録された情報の内容を書面に出力しなければならない。
第一項の規定によりされた申立て等に係るこの法律 その他の法令の規定による事件の記録の閲覧 若しくは謄写 又はその正本、謄本 若しくは抄本の交付は、前項の書面をもってするものとする。
当該申立て等に係る書類の送達 又は送付も、同様とする。
保護命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。
ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。
保護命令は、相手方に対する決定書の送達 又は相手方が出頭した口頭弁論 若しくは審尋の期日における言渡しによって、その効力を生ずる。
保護命令を発したときは、裁判所書記官は、速やかにその旨 及びその内容を申立人の住所 又は居所を管轄する警視総監 又は道府県警察本部長に通知するものとする。
保護命令を発した場合において、申立人が配偶者暴力相談支援センターの職員に対し相談し、又は援助 若しくは保護を求めた事実があり、かつ、申立書に当該事実に係る第十二条第一項第五号イからニまで 又は同条第二項第三号イからニまでに掲げる事項の記載があるときは、裁判所書記官は、速やかに、保護命令を発した旨 及びその内容を、当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センター(当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センターが二以上ある場合にあっては、申立人がその職員に対し相談し、又は援助 若しくは保護を求めた日時が最も遅い配偶者暴力相談支援センター)の長に通知するものとする。
保護命令は、執行力を有しない。
保護命令の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、保護命令の効力に影響を及ぼさない。
即時抗告があった場合において、保護命令の取消しの原因となることが明らかな事情があることにつき疎明があったときに限り、抗告裁判所は、申立てにより、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、保護命令の効力の停止を命ずることができる。
事件の記録が原裁判所に存する間は、原裁判所も、この処分を命ずることができる。
前項の規定により接近禁止命令の効力の停止を命ずる場合において、第十条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは、裁判所は、当該命令の効力の停止をも命じなければならない。
前二項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
抗告裁判所が接近禁止命令を取り消す場合において、第十条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは、抗告裁判所は、当該命令をも取り消さなければならない。
前条第四項の規定による通知がされている保護命令について、第三項 若しくは第四項の規定によりその効力の停止を命じたとき 又は抗告裁判所がこれを取り消したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨 及びその内容を当該通知をした配偶者暴力相談支援センターの長に通知するものとする。
前条第三項の規定は、第三項 及び第四項の場合 並びに抗告裁判所が保護命令を取り消した場合について準用する。
保護命令を発した裁判所は、当該保護命令の申立てをした者の申立てがあった場合には、当該保護命令を取り消さなければならない。
接近禁止命令 又は第十条第二項から第四項までの規定による命令にあっては接近禁止命令が効力を生じた日から起算して三月を経過した日以後において、退去等命令にあっては当該退去等命令が効力を生じた日から起算して二週間を経過した日以後において、これらの命令を受けた者が申し立て、当該裁判所がこれらの命令の申立てをした者に異議がないことを確認したときも、同様とする。
前条第六項の規定は、接近禁止命令を発した裁判所が前項の規定により当該接近禁止命令を取り消す場合について準用する。
三項命令を受けた者は、接近禁止命令が効力を生じた日から起算して六月を経過した日 又は当該三項命令が効力を生じた日から起算して三月を経過した日のいずれか遅い日以後において、当該三項命令を発した裁判所に対し、第十条第三項に規定する要件を欠くに至ったことを理由として、当該三項命令の取消しの申立てをすることができる。
裁判所は、前項の取消しの裁判をするときは、当該取消しに係る三項命令の申立てをした者の意見を聴かなければならない。
第三項の取消しの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第三項の取消しの裁判は、確定しなければその効力を生じない。
第十五条第三項 及び前条第七項の規定は、第一項から第三項までの場合について準用する。
退去等命令が発せられた後に当該発せられた退去等命令の申立ての理由となった身体に対する暴力 又は生命等に対する脅迫と同一の事実を理由とする退去等命令の再度の申立てがあったときは、裁判所は、配偶者と共に生活の本拠としている住居から転居しようとする被害者がその責めに帰することのできない事由により当該発せられた命令の期間までに当該住居からの転居を完了することができないこと その他の退去等命令を再度発する必要があると認めるべき事情があるときに限り、退去等命令を発するものとする。
ただし、当該退去等命令を発することにより当該配偶者の生活に特に著しい支障を生ずると認めるときは、当該退去等命令を発しないことができる。
前項の申立てをする場合における第十二条の規定の適用については、
同条第二項各号列記以外の部分中
「事項」とあるのは
「事項 及び第十八条第一項本文の事情」と、
同項第三号中
「事項に」とあるのは
「事項 及び第十八条第一項本文の事情に」と、
同条第三項中
「事項に」とあるのは
「事項 並びに第十八条第一項本文の事情に」と
する。
保護命令に関する手続について、当事者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧 若しくは謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付 又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
ただし、相手方にあっては、保護命令の申立てに関し口頭弁論 若しくは相手方を呼び出す審尋の期日の指定があり、又は相手方に対する保護命令の送達があるまでの間は、この限りでない。
この法律に特別の定めがある場合を除き、保護命令に関する手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第一編から第四編までの規定(同法第七十一条第二項、第九十一条の二、第九十二条第九項 及び第十項、第九十二条の二第二項、第九十四条、第百条第二項、第一編第五章第四節第三款、第百十一条、第一編第七章、第百三十三条の二第五項 及び第六項、第百三十三条の三第二項、第百五十一条第三項、第百六十条第二項、第百八十五条第三項、第二百五条第二項、第二百十五条第二項、第二百二十七条第二項 並びに第二百三十二条の二の規定を除く。)を準用する。
第百十二条第一項本文 | 前条の規定による措置を開始した | 裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた |
第百十二条第一項ただし書 | 前条の規定による措置を開始した | 当該掲示を始めた |
第百十三条 | 書類 又は電磁的記録 | 書類 |
記載 又は記録 | 記載 | |
第百十一条の規定による措置を開始した | 裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨の裁判所の掲示場への掲示を始めた | |
第百三十三条の三第一項 | 記載され、又は記録された書面 又は電磁的記録 | 記載された書面 |
当該書面 又は電磁的記録 | 当該書面 | |
又は電磁的記録 その他これに類する書面 又は電磁的記録 | その他これに類する書面 | |
第百五十一条第二項 及び第二百三十一条の二第二項 | 方法 又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する方法 | 方法 |
第百六十条第一項 | 最高裁判所規則で定めるところにより、電子調書(期日 又は期日外における手続の方式、内容 及び経過等の記録 及び公証をするために この法律 その他の法令の規定により裁判所書記官が作成する電磁的記録をいう。以下同じ。) | 調書 |
第百六十条第三項 | 前項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容に | 調書の記載について |
第百六十条第四項 | 第二項の規定によりファイルに記録された電子調書 | 調書 |
当該電子調書 | 当該調書 | |
第百六十条の二第一項 | 前条第二項の規定によりファイルに記録された電子調書の内容 | 調書の記載 |
第百六十条の二第二項 | その旨をファイルに記録して | 調書を作成して |
第二百五条第三項 | 事項 又は前項の規定によりファイルに記録された事項 若しくは同項の記録媒体に記録された事項 | 事項 |
第二百十五条第四項 | 事項 又は第二項の規定によりファイルに記録された事項 若しくは同項の記録媒体に記録された事項 | 事項 |
第二百三十一条の三第二項 | 若しくは送付し、又は最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用する | 又は送付する |
第二百六十一条第四項 | 電子調書 | 調書 |
記録しなければ | 記載しなければ |
この法律に定めるもののほか、保護命令に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第五章 雑則
配偶者からの暴力に係る被害者の保護、捜査、裁判等に職務上関係のある者(次項において「職務関係者」という。)は、その職務を行うに当たり、被害者の心身の状況、その置かれている環境等を踏まえ、被害者の国籍、障害の有無等を問わずその人権を尊重するとともに、その安全の確保 及び秘密の保持に十分な配慮をしなければならない。
国 及び地方公共団体は、職務関係者に対し、被害者の人権、配偶者からの暴力の特性等に関する理解を深めるために必要な研修 及び啓発を行うものとする。
国 及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止に関する国民の理解を深めるための教育 及び啓発に努めるものとする。
国 及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護に資するため、加害者の更生のための指導の方法、被害者の心身の健康を回復させるための方法等に関する調査研究の推進 並びに被害者の保護に係る人材の養成 及び資質の向上に努めるものとする。
国 及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止 及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体に対し、必要な援助を行うよう努めるものとする。
都道府県は、次の各号に掲げる費用を支弁しなければならない。
第三条第三項の規定に基づき同項に掲げる業務を行う女性相談支援センターの運営に要する費用(次号に掲げる費用を除く。)
第三条第三項第三号の規定に基づき女性相談支援センターが行う一時保護(同条第四項に規定する厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行う場合を含む。)及びこれに伴い必要な事務に要する費用
第四条の規定に基づき都道府県が置く女性相談支援員が行う業務に要する費用
第五条の規定に基づき都道府県が行う保護(市町村、社会福祉法人 その他適当と認める者に委託して行う場合を含む。)及びこれに伴い必要な事務に要する費用
市町村は、第四条の規定に基づき市町村が置く女性相談支援員が行う業務に要する費用を支弁しなければならない。
国は、政令の定めるところにより、都道府県が前条第一項の規定により支弁した費用のうち、同項第一号 及び第二号に掲げるものについては、その十分の五を負担するものとする。
国は、予算の範囲内において、次の各号に掲げる費用の十分の五以内を補助することができる。
都道府県が前条第一項の規定により支弁した費用のうち、同項第三号 及び第四号に掲げるもの
市町村が前条第二項の規定により支弁した費用
第五章の二 補則
第二条 及び第一章の二から前章までの規定は、生活の本拠を共にする交際(婚姻関係における共同生活に類する共同生活を営んでいないものを除く。)をする関係にある相手からの暴力(当該関係にある相手からの身体に対する暴力等をいい、当該関係にある相手からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が当該関係を解消した場合にあっては、当該関係にあった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含む。)及び当該暴力を受けた者について準用する。
この場合において、
これらの規定(同条を除く。)中
「配偶者からの暴力」とあるのは、
「特定関係者からの暴力」と
読み替えるほか、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第二条 | 配偶者 | 第二十八条の二に規定する関係にある相手(以下「特定関係者」という。) |
、被害者 | 、被害者(特定関係者からの暴力を受けた者をいう。以下同じ。) | |
第六条第一項 | 配偶者 又は配偶者であった者 | 特定関係者 又は特定関係者であった者 |
第十条第一項から第四項まで、第十条の二、第十一条第二項第二号 及び第三項第二号、第十二条第一項第一号から第四号まで 並びに第二項第一号 及び第二号 並びに第十八条第一項 | 配偶者 | 特定関係者 |
第十条第一項、第十条の二 並びに第十二条第一項第一号 及び第二項第一号 | 離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合 | 第二十八条の二に規定する関係を解消した場合 |
第六章 罰則
保護命令(前条において読み替えて準用する第十条第一項から第四項まで 及び第十条の二の規定によるものを含む。第三十一条において同じ。)に違反した者は、二年以下の懲役 又は二百万円以下の罰金に処する。
第三条第五項 又は第五条の三の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の拘禁刑 又は五十万円以下の罰金に処する。
第十二条第一項 若しくは第二項(第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第二十八条の二において読み替えて準用する第十二条第一項 若しくは第二項(第二十八条の二において準用する第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により記載すべき事項について虚偽の記載のある申立書により保護命令の申立てをした者は、十万円以下の過料に処する。