消防法

# 昭和二十三年法律第百八十六号 #
略称 : 保安四法 

第三章 危険物

分類 法律
カテゴリ   消防
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十八号による改正
最終編集日 : 2024年 07月08日 10時38分


1項

指定数量以上の危険物は、貯蔵所(車両に固定されたタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所(以下「移動タンク貯蔵所」という。)を含む。以下同じ。以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所 及び取扱所以外の場所でこれを取り扱つてはならない。


ただし、所轄消防長 又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。

2項

別表第一に掲げる品名(第十一条の四第一項において単に「品名」という。)又は指定数量を異にする二以上の危険物を同一の場所で貯蔵し、又は取り扱う場合において、当該貯蔵 又は取扱いに係るそれぞれの危険物の数量を当該危険物の指定数量で除し、その商の和が一以上となるときは、当該場所は、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つているものとみなす。

3項

製造所、貯蔵所 又は取扱所においてする危険物の貯蔵 又は取扱は、政令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。

4項

製造所、貯蔵所 及び取扱所の位置、構造 及び設備の技術上の基準は、政令でこれを定める。

1項

製造所、貯蔵所 又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所 又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる製造所、貯蔵所 又は取扱所の区分に応じ、当該各号に定める者の許可を受けなければならない。


製造所、貯蔵所 又は取扱所の位置、構造 又は設備を変更しようとする者も、同様とする。

一 号

消防本部 及び消防署を置く市町村(次号 及び第三号において「消防本部等所在市町村」という。)の区域に設置される製造所、貯蔵所 又は取扱所(配管によつて危険物の移送の取扱いを行うもので政令で定めるもの(以下「移送取扱所」という。)を除く

当該市町村長

二 号

消防本部等所在市町村以外の市町村の区域に設置される製造所、貯蔵所 又は取扱所(移送取扱所を除く

当該区域を管轄する都道府県知事

三 号

一の消防本部等所在市町村の区域のみに設置される移送取扱所

当該市町村長

四 号

前号の移送取扱所以外の移送取扱所

当該移送取扱所が設置される区域を管轄する都道府県知事(二以上の都道府県の区域にわたつて設置されるものについては、総務大臣

2項

前項各号に掲げる製造所、貯蔵所 又は取扱所の区分に応じ当該各号に定める市町村長、都道府県知事 又は総務大臣(以下この章 及び次章において「市町村長等」という。)は、同項の規定による許可の申請があつた場合において、その製造所、貯蔵所 又は取扱所の位置、構造 及び設備が前条第四項の技術上の基準に適合し、かつ、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所においてする危険物の貯蔵 又は取扱いが公共の安全の維持 又は災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがないものであるときは、許可を与えなければならない。

3項

総務大臣は、移送取扱所について第一項第四号の規定による許可をしようとするときは、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。


この場合においては、関係都道府県知事は、当該許可に関し、総務大臣に対し、意見を申し出ることができる。

4項

関係市町村長は、移送取扱所についての第一項第四号の規定による許可に関し、当該都道府県知事 又は総務大臣に対し、意見を申し出ることができる。

5項

第一項の規定による許可を受けた者は、製造所、貯蔵所 若しくは取扱所を設置したとき 又は製造所、貯蔵所 若しくは取扱所の位置、構造 若しくは設備を変更したときは、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所につき市町村長等が行う完成検査を受け、これらが前条第四項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。


ただし、製造所、貯蔵所 又は取扱所の位置、構造 又は設備を変更する場合において、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所のうち当該変更の工事に係る部分以外の部分の全部 又は一部について市町村長等の承認を受けたときは、完成検査を受ける前においても、仮に、当該承認を受けた部分を使用することができる。

6項

製造所、貯蔵所 又は取扱所の譲渡 又は引渡があつたときは、譲受人 又は引渡を受けた者は、第一項の規定による許可を受けた者の地位を承継する。


この場合において、同項の規定による許可を受けた者の地位を承継した者は、遅滞なく その旨を市町村長等に届け出なければならない。

7項

市町村長等は、政令で定める製造所、貯蔵所 又は取扱所について第一項の規定による許可(同項後段の規定による許可で総務省令で定める軽易な事項に係るものを除く)をしたときは、政令で定めるところにより、その旨を国家公安委員会 若しくは都道府県公安委員会 又は海上保安庁長官に通報しなければならない。

1項

政令で定める製造所、貯蔵所 若しくは取扱所の設置 又はその位置、構造 若しくは設備の変更について前条第一項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る工事で政令で定めるものについては、同条第五項の完成検査を受ける前において、政令で定める工事の工程ごとに、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所に係る構造 及び設備に関する事項で政令で定めるもの(以下この条 及び次条において「特定事項」という。)が第十条第四項の技術上の基準に適合しているかどうかについて、市町村長等が行う検査を受けなければならない。

2項

前項に規定する者は、同項の検査において特定事項が第十条第四項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、当該特定事項に係る製造所、貯蔵所 若しくは取扱所の設置 又はその位置、構造 若しくは設備の変更の工事について、前条第五項の完成検査を受けることができない。

3項

第一項に規定する者は、同項の検査において第十条第四項の技術上の基準に適合していると認められた特定事項に係る製造所、貯蔵所 若しくは取扱所の設置 又はその位置、構造 若しくは設備の変更の工事につき、前条第五項の完成検査を受けるときは、当該特定事項については、同項の完成検査を受けることを要しない。

1項

市町村長等は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる事項を危険物保安技術協会(第十四条の三第三項において「協会」という。)に委託することができる。

一 号

第十一条第二項の場合において、同条第一項の規定による許可の申請に係る貯蔵所が政令で定める屋外タンク貯蔵所(屋外にあるタンクにおいて危険物を貯蔵し、又は取り扱う貯蔵所をいう。以下同じ。)であるとき。

当該屋外タンク貯蔵所に係る構造 及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に適合するかどうかの審査

二 号

前条第一項の場合において、同項の貯蔵所が政令で定める屋外タンク貯蔵所であるとき。

当該屋外タンク貯蔵所に係る特定事項のうち政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に適合するかどうかの審査

1項

製造所、貯蔵所 又は取扱所の位置、構造 又は設備を変更しないで、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所において貯蔵し、又は取り扱う危険物の品名、数量 又は指定数量の倍数(当該製造所、貯蔵所 又は取扱所において貯蔵し、又は取り扱う危険物の数量を当該危険物の指定数量で除して得た値(品名 又は指定数量を異にする二以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合には、当該貯蔵 又は取扱いに係るそれぞれの危険物の数量を当該危険物の指定数量で除して得た値の和)をいう。)を変更しようとする者は、変更しようとする日の十日前までに、その旨を市町村長等に届け出なければならない。

2項

前項の場合において、別表第一の品名欄に掲げる物品のうち同表第一類の項第十一号、第二類の項第八号、第三類の項第十二号、第五類の項第十一号 又は第六類の項第五号の危険物は、当該物品に含有されている当該品名欄の物品が異なるときは、それぞれ異なる品名の危険物とみなす。

3項

第十一条第七項の規定は、同項に規定する製造所、貯蔵所 又は取扱所につき第一項の届出があつた場合について準用する。

1項

市町村長等は、製造所、貯蔵所(移動タンク貯蔵所を除く)又は取扱所においてる危険物の貯蔵 又は取扱いが第十条第三項の規定に違反していると認めるときは、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者に対し、同項の技術上の基準に従つて危険物を貯蔵し、又は取り扱うべきことを命ずることができる。

2項

市町村長(消防本部 及び消防署を置く市町村以外の市町村の区域においては、当該区域を管轄する都道府県知事とする。次項 及び第四項において同じ。)は、その管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、前項の規定の例により、第十条第三項の技術上の基準に従つて危険物を貯蔵し、又は取り扱うべきことを命ずることができる。

3項

市町村長は、前項の規定による命令をしたときは、当該命令に係る移動タンク貯蔵所につき第十一条第一項の規定による許可をした市町村長等に対し、総務省令で定めるところにより、速やかに、その旨を通知しなければならない。

4項

市町村長等 又は市町村長は、それぞれ第一項 又は第二項の規定による命令をした場合においては、標識の設置 その他総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。

5項

前項の標識は、第一項 又は第二項の規定による命令に係る製造所、貯蔵所 又は取扱所に設置することができる。


この場合においては、第一項 又は第二項の規定による命令に係る製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

1項

製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、製造所、貯蔵所 又は取扱所の位置、構造 及び設備が第十条第四項の技術上の基準に適合するように維持しなければならない。

2項

市町村長等は、製造所、貯蔵所 又は取扱所の位置、構造 及び設備が第十条第四項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者で権原を有する者に対し、同項の技術上の基準に適合するように、これらを修理し、改造し、又は移転すべきことを命ずることができる。

3項

前条第四項 及び第五項の規定は、前項の規定による命令について準用する。

1項

市町村長等は、製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者が次の各号の一に該当するときは、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所について、第十一条第一項の許可を取り消し、又は期間を定めてその使用の停止を命ずることができる。

一 号

第十一条第一項後段の規定による許可を受けないで、製造所、貯蔵所 又は取扱所の位置、構造 又は設備を変更したとき。

二 号

第十一条第五項の規定に違反して、製造所、貯蔵所 又は取扱所を使用したとき。

三 号

前条第二項の規定による命令に違反したとき。

四 号

第十四条の三第一項 又は第二項の規定に違反したとき。

五 号

第十四条の三の二の規定に違反したとき。

2項

市町村長等は、製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者が次の各号の一に該当するときは、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所について、期間を定めてその使用の停止を命ずることができる。

一 号

第十一条の五第一項 又は第二項の規定による命令に違反したとき。

二 号

第十二条の七第一項の規定に違反したとき。

三 号

第十三条第一項の規定に違反したとき。

四 号

第十三条の二十四第一項の規定による命令に違反したとき。

3項

第十一条の五第四項 及び第五項の規定は、前二項の規定による命令について準用する。

1項

市町村長等は、公共の安全の維持 又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者に対し、当該製造所、貯蔵所 若しくは取扱所の使用を一時停止すべきことを命じ、又はその使用を制限することができる。

2項

第十一条の五第四項 及び第五項の規定は、前項の規定による命令について準用する。

1項

関係市町村長は、第十一条第一項第四号の規定による都道府県知事 又は総務大臣(以下この条において「知事等」という。)の許可に係る移送取扱所の設置 若しくは維持 又は当該移送取扱所における危険物の取扱いに関し災害が発生するおそれがあると認めるときは、当該知事等に対し、必要な措置を講ずべきことを要請することができる。

2項

知事等は、前項の要請があつたときは、必要な調査を行い、その結果必要があると認めるときは、第十一条の五第一項第十二条第二項 又は前条第一項の規定による措置 その他必要な措置を講じなければならない。

3項

知事等は、前項の措置を講じたときは、速やかに、その旨を関係市町村長に通知しなければならない。

1項

政令で定める移送取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、当該取扱所について危険物の流出 その他の事故が発生し、危険な状態となつた場合において講ずべき応急の措置について、あらかじめ、関係市町村長と協議しておかなければならない。

1項

製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所の用途を廃止したときは、遅滞なく その旨を市町村長等に届け出なければならない。

1項

同一事業所において政令で定める製造所、貯蔵所 又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者で、政令で定める数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うものは、政令で定めるところにより、危険物保安統括管理者を定め、当該事業所における危険物の保安に関する業務を統括管理させなければならない。

2項

製造所、貯蔵所 又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者は、前項の規定により危険物保安統括管理者を定めたときは、遅滞なく その旨を市町村長等に届け出なければならない。


これを解任したときも、同様とする。

1項

政令で定める製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、甲種危険物取扱者(甲種危険物取扱者免状の交付を受けている者をいう。以下同じ。) 又は乙種危険物取扱者(乙種危険物取扱者免状の交付を受けている者をいう。以下同じ。)で、六月以上危険物取扱いの実務経験を有するもののうちから危険物保安監督者を定め、総務省令で定めるところにより、その者が取り扱うことができる危険物の取扱作業に関して保安の監督をさせなければならない。

2項

製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、前項の規定により危険物保安監督者を定めたときは、遅滞なく その旨を市町村長等に届け出なければならない。


これを解任したときも、同様とする。

3項

製造所、貯蔵所 及び取扱所においては、危険物取扱者(危険物取扱者免状の交付を受けている者をいう。以下同じ。以外の者は、甲種危険物取扱者 又は乙種危険物取扱者が立ち会わなければ、危険物を取り扱つてはならない。

1項

危険物取扱者免状の種類は、甲種危険物取扱者免状、乙種危険物取扱者免状 及び丙種危険物取扱者免状とする。

2項

危険物取扱者が取り扱うことができる危険物 及び甲種危険物取扱者 又は乙種危険物取扱者がその取扱作業に関して立ち会うことができる危険物の種類は、前項に規定する危険物取扱者免状の種類に応じて総務省令で定める。

3項

危険物取扱者免状は、危険物取扱者試験に合格した者に対し、都道府県知事が交付する。

4項

都道府県知事は、左の各号の一に該当する者に対しては、危険物取扱者免状の交付を行わないことができる。

一 号

次項の規定により危険物取扱者免状の返納を命ぜられ、その日から起算して一年を経過しない者

二 号

この法律 又はこの法律に基く命令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた者で、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しないもの

5項

危険物取扱者がこの法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反しているときは、危険物取扱者免状を交付した都道府県知事は、当該危険物取扱者免状の返納を命ずることができる。

6項

都道府県知事は、その管轄する区域において、他の都道府県知事から危険物取扱者免状の交付を受けている危険物取扱者がこの法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反していると認めるときは、その旨を当該他の都道府県知事に通知しなければならない。

7項

前各項に規定するもののほか、危険物取扱者免状の書換、再交付 その他危険物取扱者免状に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

危険物取扱者試験は、危険物の取扱作業の保安に関して必要な知識 及び技能について行う。

2項

危険物取扱者試験の種類は、甲種危険物取扱者試験、乙種危険物取扱者試験 及び丙種危険物取扱者試験とする。

3項

危険物取扱者試験は、前項に規定する危険物取扱者試験の種類ごとに、毎年一回以上、都道府県知事が行なう。

4項

次の各号いずれかに該当する者でなければ、甲種危険物取扱者試験を受けることができない

一 号

学校教育法昭和二十二年法律第二十六号)による大学 又は高等専門学校において化学に関する学科 又は課程を修めて卒業した者(当該学科 又は課程を修めて同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)その他その者に準ずるものとして総務省令で定める者

二 号

乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後二年以上危険物取扱いの実務経験を有する者

5項

前各項に規定するもののほか、危険物取扱者試験の試験科目、受験手続 その他試験の実施細目は、総務省令で定める。

1項

都道府県は、危険物取扱者試験の問題の作成、採点 その他の事務を行わせるため、条例で、危険物取扱者試験委員を置くことができる。

2項

前項の危険物取扱者試験委員の組織、任期 その他危険物取扱者試験委員に関し必要な事項は、当該都道府県の条例で定める。

1項

都道府県知事は、総務大臣の指定する者に、危険物取扱者試験の実施に関する事務(以下この章において「危険物取扱者試験事務」という。)を行わせることができる。

2項

前項の規定による指定は、危険物取扱者試験事務を行おうとする者の申請により行う。

3項

都道府県知事は、第一項の規定により総務大臣の指定する者に危険物取扱者試験事務を行わせるときは、危険物取扱者試験事務を行わないものとする。

1項

総務大臣は、前条第二項の規定による申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、同条第一項の規定による指定をしてはならない。

一 号

職員、設備、危険物取扱者試験事務の実施の方法 その他の事項についての危険物取扱者試験事務の実施に関する計画が危険物取扱者試験事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。

二 号

前号の危険物取扱者試験事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的 及び技術的な基礎を有するものであること。

三 号

申請者が、危険物取扱者試験事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて危険物取扱者試験事務が不公正になるおそれがないこと。

2項

総務大臣は、前条第二項の規定による申請をした者が、次のいずれかに該当するときは、同条第一項の規定による指定をしてはならない。

一 号

一般社団法人 又は一般財団法人以外の者であること。

二 号

この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者であること。

三 号

第十三条の十八第一項 又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。

四 号

その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

第二号に該当する者

第十三条の九第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者

1項

総務大臣は、第十三条の五第一項の規定による指定をしたときは、当該指定を受けた者の名称 及び主たる事務所の所在地 並びに当該指定をした日を公示しなければならない。

2項

第十三条の五第一項の規定による指定を受けた者(以下この章において「指定試験機関」という。)は、その名称 又は主たる事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

3項

総務大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

1項

第十三条の五第一項の規定により指定試験機関にその危険物取扱者試験事務を行わせることとした都道府県知事(以下「委任都道府県知事」という。)は、当該指定試験機関の名称、主たる事務所の所在地 及び当該危険物取扱者試験事務を取り扱う事務所の所在地 並びに当該指定試験機関に危険物取扱者試験事務を行わせることとした日を公示しなければならない。

2項

指定試験機関は、その名称、主たる事務所の所在地 又は危険物取扱者試験事務を取り扱う事務所の所在地を変更しようとするときは、委任都道府県知事(危険物取扱者試験事務を取り扱う事務所の所在地については、関係委任都道府県知事)に、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を届け出なければならない。

3項

委任都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

1項

指定試験機関の役員の選任 及び解任は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

2項

総務大臣は、指定試験機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令 又は処分を含む。) 若しくは第十三条の十二第一項の試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は危険物取扱者試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

1項

指定試験機関は、総務省令で定める要件を備える者のうちから危険物取扱者試験委員を選任し、試験の問題の作成 及び採点を行わせなければならない。

2項

指定試験機関は、前項の危険物取扱者試験委員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく その旨を総務大臣に届け出なければならない。

3項

前条第二項の規定は、第一項の危険物取扱者試験委員の解任について準用する。

1項

指定試験機関の役員 若しくは職員(前条第一項の危険物取扱者試験委員を含む。次項において同じ。) 又はこれらの職にあつた者は、危険物取扱者試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2項

危険物取扱者試験事務に従事する指定試験機関の役員 及び職員は、刑法明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

指定試験機関は、総務省令で定める危険物取扱者試験事務の実施に関する事項について試験事務規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

指定試験機関は、前項後段の規定により試験事務規程を変更しようとするときは、委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。

3項

総務大臣は、第一項の規定により認可をした試験事務規程が危険物取扱者試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定試験機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

1項

指定試験機関は、毎事業年度、事業計画 及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第十三条の五第一項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、総務大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

指定試験機関は、事業計画 及び収支予算を作成し、又は変更しようとするときは、委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。

3項

指定試験機関は、毎事業年度、事業報告書 及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に、総務大臣 及び委任都道府県知事に提出しなければならない。

1項

指定試験機関は、総務省令で定めるところにより、危険物取扱者試験事務に関する事項で総務省令で定めるものを記載した帳簿を備え、保存しなければならない。

1項

総務大臣は、危険物取扱者試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、危険物取扱者試験事務に関し 監督上必要な命令をすることができる。

2項

委任都道府県知事は、その行わせることとした危険物取扱者試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、当該危険物取扱者試験事務の適正な実施のために必要な措置をとるべきことを指示することができる。

1項

総務大臣は、危険物取扱者試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、危険物取扱者試験事務の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定試験機関の事務所に立ち入り、危険物取扱者試験事務の状況 若しくは設備、帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。

2項

委任都道府県知事は、その行わせることとした危険物取扱者試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、当該危険物取扱者試験事務の状況に関し必要な報告を求め、又はその職員に、当該危険物取扱者試験事務を取り扱う指定試験機関の事務所に立ち入り、当該危険物取扱者試験事務の状況 若しくは設備、帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。

3項

前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

4項

第一項 又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項

指定試験機関は、総務大臣の許可を受けなければ、危険物取扱者試験事務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

2項

総務大臣は、指定試験機関の危険物取扱者試験事務の全部 又は一部の休止 又は廃止により危険物取扱者試験事務の適正かつ確実な実施が損なわれるおそれがないと認めるときでなければ、前項の規定による許可をしてはならない。

3項

総務大臣は、第一項の規定による許可をしようとするときは、関係委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。

4項

総務大臣は、第一項の規定による許可をしたときは、その旨を、関係委任都道府県知事に通知するとともに、公示しなければならない。

1項

総務大臣は、指定試験機関が第十三条の六第二項各号第三号除く)のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。

2項

総務大臣は、指定試験機関が次のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて危険物取扱者試験事務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第十三条の六第一項各号の要件を満たさなくなつたと認められるとき。

二 号

第十三条の十第一項第十三条の十三第一項 若しくは第三項第十三条の十四 又は前条第一項の規定に違反したとき。

三 号

第十三条の九第二項第十三条の十第三項において準用する場合を含む。)、第十三条の十二第三項 又は第十三条の十五第一項の規定による命令に違反したとき。

四 号

第十三条の十二第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで危険物取扱者試験事務を行つたとき。

五 号

不正な手段により第十三条の五第一項の規定による指定を受けたとき。

3項

総務大臣は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定により危険物取扱者試験事務の全部 若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を、関係委任都道府県知事に通知するとともに、公示しなければならない。

1項

委任都道府県知事は、指定試験機関に危険物取扱者試験事務を行わせないこととするときは、その三月前までに、その旨を指定試験機関に通知しなければならない。

2項

委任都道府県知事は、指定試験機関に危険物取扱者試験事務を行わせないこととしたときは、その旨を公示しなければならない。

1項

委任都道府県知事は、指定試験機関が第十三条の十七第一項の規定により危険物取扱者試験事務の全部 若しくは一部を休止したとき、総務大臣が第十三条の十八第二項の規定により指定試験機関に対し 危険物取扱者試験事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災 その他の事由により危険物取扱者試験事務の全部 若しくは一部を実施することが困難となつた場合において総務大臣が必要があると認めるときは、第十三条の五第三項の規定にかかわらず、当該危険物取扱者試験事務の全部 又は一部を行うものとする。

2項

総務大臣は、委任都道府県知事が前項の規定により危険物取扱者試験事務を行うこととなるとき、又は委任都道府県知事が同項の規定により危険物取扱者試験事務を行うこととなる事由がなくなつたときは、速やかにその旨を当該委任都道府県知事に通知しなければならない。

3項

委任都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、その旨を公示しなければならない。

1項

前条第一項の規定により委任都道府県知事が危険物取扱者試験事務を行うこととなつた場合、総務大臣が第十三条の十七第一項の規定により危険物取扱者試験事務の廃止を許可し、若しくは第十三条の十八第一項 若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合又は委任都道府県知事が指定試験機関に危険物取扱者試験事務を行わせないこととした場合における危険物取扱者試験事務の引継ぎ その他の必要な事項は、総務省令で定める。

1項

指定試験機関が行う危険物取扱者試験事務に係る処分 又はその不作為については、総務大臣に対し、審査請求をすることができる。


この場合において、総務大臣は、行政不服審査法第二十五条第二項 及び第三項第四十六条第一項 及び第二項第四十七条 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。

1項

製造所、貯蔵所 又は取扱所において危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は、総務省令で定めるところにより、都道府県知事(総務大臣が指定する市町村長 その他の機関を含む。)が行なう 危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けなければならない。

1項

市町村長等は、危険物保安統括管理者 若しくは危険物保安監督者がこの法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定に違反したとき、又はこれらの者にその業務を行わせることが公共の安全の維持 若しくは災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、第十二条の七第一項 又は第十三条第一項に規定する製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者に対し、危険物保安統括管理者 又は危険物保安監督者の解任を命ずることができる。

2項

第十一条の五第四項 及び第五項の規定は、前項の規定による命令について準用する。

1項

政令で定める製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、危険物施設保安員を定め、総務省令で定めるところにより、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所の構造 及び設備に係る保安のための業務を行わせなければならない。

1項

政令で定める製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所の火災を予防するため、総務省令で定める事項について予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。


これを変更するときも、同様とする。

2項

市町村長等は、予防規程が、第十条第三項の技術上の基準に適合していないとき その他火災の予防のために適当でないと認めるときは、前項の認可をしてはならない。

3項

市町村長等は、火災の予防のため必要があるときは、予防規程の変更を命ずることができる。

4項

第一項に規定する製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者 及びその従業者は、予防規程を守らなければならない。

5項

第十一条の五第四項 及び第五項の規定は、第三項の規定による命令について準用する。

1項

政令で定める屋外タンク貯蔵所 又は移送取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、政令で定める時期ごとに、当該屋外タンク貯蔵所 又は移送取扱所に係る構造 及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に従つて維持されているかどうかについて、市町村長等が行う保安に関する検査を受けなければならない。

2項

政令で定める屋外タンク貯蔵所の所有者、管理者 又は占有者は、当該屋外タンク貯蔵所について、不等沈下その他の政令で定める事由が生じた場合には、当該屋外タンク貯蔵所に係る構造 及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に従つて維持されているかどうかについて、市町村長等が行う保安に関する検査を受けなければならない。

3項

第一項屋外タンク貯蔵所に係る部分に限る)又は前項の場合には、市町村長等は、これらの規定に規定する屋外タンク貯蔵所に係る構造 及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に従つて維持されているかどうかの審査を協会に委託することができる。

1項

政令で定める製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、これらの製造所、貯蔵所 又は取扱所について、総務省令で定めるところにより、定期に点検し、その点検記録を作成し、これを保存しなければならない。

1項

同一事業所において政令で定める製造所、貯蔵所 又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者で政令で定める数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うものは、政令で定めるところにより、当該事業所に自衛消防組織を置かなければならない。

1項

常時映画を上映する建築物 その他の工作物に設けられた映写室で緩燃性でない映画を映写するものは、政令で定める技術上の基準に従い、構造 及び設備を具備しなければならない。

1項

危険物の運搬は、その容器、積載方法 及び運搬方法について政令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。

1項

移動タンク貯蔵所による危険物の移送は、当該危険物を取り扱うことができる危険物取扱者を乗車させてこれをしなければならない。

2項

前項の危険物取扱者は、移動タンク貯蔵所による危険物の移送に関し政令で定める基準を遵守し、かつ、当該危険物の保安の確保について細心の注意を払わなければならない。

3項

危険物取扱者は、第一項の規定により危険物の移送をする移動タンク貯蔵所に乗車しているときは、危険物取扱者免状を携帯していなければならない。

1項

製造所、貯蔵所 又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者は、当該製造所、貯蔵所 又は取扱所について、危険物の流出 その他の事故が発生したときは、直ちに、引き続く危険物の流出 及び拡散の防止、流出した危険物の除去 その他災害の発生の防止のための応急の措置を講じなければならない。

2項

前項の事態を発見した者は、直ちに、その旨を消防署、市町村長の指定した場所、警察署 又は海上警備救難機関に通報しなければならない。

3項

市町村長等は、製造所、貯蔵所(移動タンク貯蔵所を除く)又は取扱所の所有者、管理者 又は占有者が第一項の応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、同項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

4項

市町村長(消防本部 及び消防署を置く市町村以外の市町村の区域においては、当該区域を管轄する都道府県知事とする。次項 及び第六項において準用する第十一条の五第四項において同じ。)は、その管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、前項の規定の例により、第一項の応急の措置を講ずべきことを命ずることができる。

5項

市町村長等 又は市町村長は、それぞれ第三項 又は前項の規定により応急の措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又はその措置の履行について期限が付されている場合にあつては履行しても当該期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法の定めるところに従い、当該消防事務に従事する職員 又は第三者にその措置をとらせることができる。

6項

第十一条の五第四項 及び第五項の規定は、第三項 又は第四項の規定による命令について準用する。

1項

市町村長等は、製造所、貯蔵所 又は取扱所において発生した危険物の流出 その他の事故(火災を除く。以下この条において同じ。)であつて火災が発生するおそれのあつたものについて、当該事故の原因を調査することができる。

2項

市町村長等は、前項の調査のため必要があるときは、当該事故が発生した製造所、貯蔵所 若しくは取扱所 その他当該事故の発生と密接な関係を有すると認められる場所の所有者、管理者 若しくは占有者に対して必要な資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防事務に従事する職員に、これらの場所に立ち入り、所在する危険物の状況 若しくは当該製造所、貯蔵所 若しくは取扱所 その他の当該事故に関係のある工作物 若しくは物件を検査させ、若しくは関係のある者に質問させることができる。

3項

第四条第一項ただし書 及び第二項から第四項までの規定は、前項の場合について準用する。

4項

消防庁長官は、第一項の規定により調査をする市町村長等(総務大臣を除く)から求めがあつた場合には、同項の調査をすることができる。


この場合においては、前二項の規定を準用する。

1項

総務大臣が行う移送取扱所の設置 若しくは変更の許可、完成検査(第十一条第五項ただし書の承認を含む。) 又は保安に関する検査を受けようとする者は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を、国に納めなければならない。

2項

第十三条の二十三の規定により総務大臣が指定する機関で市町村長以外のもの(以下この条において「指定講習機関」という。)が行う危険物の取扱作業の保安に関する講習を受けようとする者は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を当該指定講習機関に納めなければならない。

3項

前項の規定により指定講習機関に納められた手数料は、当該指定講習機関の収入とする。

4項

都道府県は、地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百二十七条の規定に基づき危険物取扱者試験に係る手数料を徴収する場合においては、第十三条の五第一項の規定により指定試験機関が行う危険物取扱者試験を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定試験機関へ納めさせ、その収入とすることができる。

1項

市町村長等は、第十六条の三の二第一項 及び第二項に定めるもののほか、危険物の貯蔵 又は取扱いに伴う火災の防止のため必要があると認めるときは、指定数量以上の危険物を貯蔵し、若しくは取り扱つていると認められるすべての場所(以下この項において「貯蔵所等」という。)の所有者、管理者 若しくは占有者に対して資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防事務に従事する職員に、貯蔵所等に立ち入り、これらの場所の位置、構造 若しくは設備 及び危険物の貯蔵 若しくは取扱いについて検査させ、関係のある者に質問させ、若しくは試験のため必要な最少限度の数量に限り危険物 若しくは危険物であることの疑いのある物を収去させることができる。

2項

消防吏員 又は警察官は、危険物の移送に伴う火災の防止のため特に必要があると認める場合には、走行中の移動タンク貯蔵所を停止させ、当該移動タンク貯蔵所に乗車している危険物取扱者に対し、危険物取扱者免状の提示を求めることができる。


この場合において、消防吏員 及び警察官がその職務を行なうに際しては、互いに密接な連絡をとるものとする。

3項

第四条第二項から第四項までの規定は、前二項の場合にこれを準用する。

1項

市町村長等は、第十条第一項ただし書の承認 又は第十一条第一項前段の規定による許可を受けないで指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱つている者に対して、当該貯蔵 又は取扱いに係る危険物の除去 その他危険物による災害防止のための必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2項

第十一条の五第四項 及び第五項の規定は前項の規定による命令について、第十六条の三第五項の規定は前項の規定による必要な措置を命じた場合について、それぞれ準用する。

1項

消防本部 若しくは消防署の設置 若しくは廃止 又は市町村の廃置分合 若しくは境界変更があつたことにより、新たに消防本部 及び消防署が置かれることとなつた市町村 若しくは消防本部 及び消防署が置かれないこととなつた市町村の区域 又は当該廃置分合 若しくは境界変更に係る市町村の区域に係る第十一条第十一条の二第十一条の四第十一条の五第一項 及び第二項第十二条第二項第十二条の二から第十二条の四まで第十二条の六第十二条の七第二項第十三条第二項第十四条の二第一項 及び第三項第十四条の三第十六条の三第三項 及び第四項 並びに前条の規定による権限を有する行政庁に変更があつた場合における変更前の行政庁がした許可 その他の処分 又は受理した届出の効力 その他この章の規定の適用に係る特例については、政令で定める。

1項

この章に規定する総務大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事 又は市町村長が行うこととすることができる。

1項

総務大臣は、公共の安全の維持 又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、都道府県知事 又は市町村長に対し、この章 又は前条の規定に基づく政令の規定により都道府県知事 又は市町村長が行うこととされる事務のうち政令で定めるものの処理について指示することができる。

1項

この章の規定は、航空機、船舶、鉄道 又は軌道による危険物の貯蔵、取扱い又は運搬には、これを適用しない