犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則

# 平成二十年法務省令第二十八号 #

第一節 通則

分類 府令・省令
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和六年法務省令第十号による改正
最終編集日 : 2024年 04月19日 04時17分


第一款 保護観察実施上の基本的事項

1項

法第五十七条法第六十五条の三 及び法第六十五条の四に規定する指導監督(以下「指導監督」という。)は、保護観察対象者の犯罪 又は非行の内容、悔悟の情、改善更生の意欲、性格、年齢、経歴、心身の状況、生活態度、家庭環境、交友関係、被害者等の状況 及び被害者等の被害の回復 又は軽減のためにとった行動の状況、住居、就業 又は通学に係る生活環境等を考慮し、犯罪 又は非行に結び付く要因 及び改善更生に資する事項に係る状態の変化を的確に把握し、これに基づき、改善更生のために必要かつ相当な限度において行うものとする。

2項

法第五十八条法第八十八条の規定によりその例によることとされる場合を含む。以下同じ。)に規定する補導援護(以下「補導援護」という。)は、保護観察対象者の性格、年齢、経歴、心身の状況、家庭環境、交友関係、被害者等の状況 及び被害者等の被害の回復 又は軽減のためにとった行動の状況、住居、就業 又は通学に係る生活環境等を考慮し、保護観察対象者が自立した生活を営むことができるようにする上での困難の程度を的確に把握し、これに基づき、その自助の責任を踏まえつつ、法第五十八条各号に掲げる方法のうち適当と認められるものによって、必要かつ相当な限度において行うものとする。

3項

保護観察所の長は、指導監督 及び補導援護を行うに当たり、これらを一体的かつ有機的に行うことによりその効果が十分に発揮されるよう努めなければならない。

1項

保護観察所の長は、保護観察対象者について、その保護観察の開始に際し、犯罪 又は非行に結び付く要因 及び改善更生に資する事項について分析し、指導監督 及び補導援護の方法、保護観察を実施する上での留意事項等を定めた保護観察の実施計画を作成しなければならない。


ただし、保護観察付一部猶予者について仮釈放中の保護観察に引き続き猶予期間中の保護観察を開始したとき その他必要がないと認めるときは、その作成を省略することができる。

2項

保護観察所の長は、保護観察の実施状況等を考慮し、前項本文の実施計画について必要な見直しを行わなければならない。

3項

保護観察所の長は、保護観察対象者について、その改善更生を図るため関係機関等が行う援助を地域社会において継続して受けることが必要であると認めるときは、第一項本文の実施計画において、その改善更生に資する援助を行う関係機関等との緊密な連携に関する事項を定めるものとする。

4項

保護観察所の長は、第一項本文の実施計画を作成し、又は第二項の規定によりその見直しを行うに当たり、法第三十八条第三項法第四十二条 及び法第四十七条の三において準用する場合を含む。)の規定により同項に規定する事項が通知され、又は法第六十五条第一項の規定により被害者等の心情等を聴取しているときは、当該通知された事項 又は当該聴取した心情等を考慮するものとする。

1項

保護観察所の長は、保護観察を実施するときは、当該保護観察を担当する保護観察官を指名し、その者に前条第一項本文 及び第二項の規定による分析 並びに実施計画の作成 及び見直し 並びに指導監督 及び補導援護を行わせるものとする。

2項

保護観察所の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、複数の保護観察官を指名するものとする。

3項

保護観察所の長は、第一項の場合において、必要があると認めるときは、保護観察官と協働して指導監督 及び補導援護を行う一 又は複数の保護司を指名するものとする。

4項

保護観察所の長は、前項の規定により保護司を指名したときは、指導監督 及び補導援護を行うことに関し、保護司に過重な負担とならないよう、保護司に対して十分に指導 及び助言を行うとともに、第一項 及び第二項の保護観察官をして保護司との緊密な連絡を保たせるものとする。

1項

保護観察所の長は、保護観察対象者が他の保護観察所の管轄区域に旅行をしているとき その他必要があると認めるときは、当該他の保護観察所の長に対し、指導監督、補導援護 その他保護観察における措置の共助を依頼することができる。

第二款 住居の届出及び転居又は旅行の許可

1項

刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しを受けた者は、その裁判の確定前であっても、住居を定め、その地を管轄する保護観察所の長に対し、書面により、当該住居の所在地を届け出ることができる。


この場合において、当該裁判が確定したときは、法第五十条第一項第三号の届出があったものとみなす。

1項

法第五十条第一項第五号の転居 又は旅行の許可を受けようとする保護観察対象者は、次に掲げる事項を記載した書面により、その保護観察をつかさどる保護観察所の長に申請しなければならない。


ただし、急速を要するとき その他やむを得ない事由があると認められるときは、電話 その他の適当な方法によることができる。

一 号

保護観察対象者の氏名 及び住居

二 号
転居後の住居 又は旅行先
三 号
転居の理由 又は旅行の目的
四 号
転居の日 又は旅行の期間
五 号

転居 又は旅行中における連絡方法

1項

保護観察所の長は、前条の規定による申請を受けた場合において、必要があると認めるときは、同条第二号の転居後の住居 又は旅行先の生活環境等について、調査を行うものとする。

2項

前項の保護観察所の長は、同項の転居後の住居の所在地 又は旅行先を管轄する他の保護観察所の長に対し、同項の規定による調査に関する事務を嘱託することができる。

1項

法第五十条第一項第五号の転居 又は旅行の許可は、転居後の住居 又は旅行先の生活環境、転居の理由 又は旅行の目的、保護観察対象者の心身の状況、保護観察の実施状況等を考慮し、当該転居 又は旅行によって当該保護観察対象者の改善更生が妨げられるおそれがないと認めるときにするものとする。

第三款 遵守事項

1項

保護観察所の長は、保護観察処分少年の保護観察の開始に際し、法第五十二条第一項の規定により特別遵守事項を定めるときは、少年法第二十四条第一項第一号 又は同法第六十四条第一項第一号 若しくは第二号の保護処分をした家庭裁判所から、特別遵守事項に関する意見の通知を受け、その意見の範囲内で定めるものとする。

2項

保護観察所の長は、前項に規定する場合のほか、法第五十二条第一項の規定により特別遵守事項を定め、又は変更するときは、前項の家庭裁判所に対し、定めようとする 又は変更しようとする特別遵守事項の内容を書面により示すとともに、必要な資料を提示して、当該特別遵守事項の内容に関する意見を求め、その意見の範囲内で特別遵守事項を定め、又は変更するものとする。

3項

第四十二条第四項の規定は、保護観察所の長が、前項の規定により特別遵守事項を定め、又は変更する場合について準用する。

1項

地方委員会は、法第五十二条第二項の規定により、少年院からの仮退院 又は仮釈放を許す旨の決定による釈放の時までに特別遵守事項を定め、又は変更するに当たり、当該決定の対象となる者が収容されている矯正施設の長 又は当該決定の対象となる者について法第八十二条第一項の規定による生活環境の調整を行う保護観察所の長から特別遵守事項に関する意見が表明されているときは、当該意見を考慮するものとする。

2項

前項の矯正施設の長 又は保護観察所の長は、少年院からの仮退院 又は仮釈放を許す旨の決定による釈放の時までに、当該決定の対象とされた者について、特別遵守事項を定め、又は変更すべき事情が生じたと認めるときは、速やかに、当該決定をした地方委員会に対し、書面により、その旨 及びその内容を通知しなければならない。

3項

地方委員会は、法第五十二条第二項の規定により特別遵守事項を定め、又は変更するに当たり、法第三十八条第一項の規定により被害者等の意見等を聴取しているときは、当該聴取した意見等を考慮するものとする。

4項

保護観察所の長は、少年院仮退院者 又は仮釈放者について、特別遵守事項を定め、又は変更すべき事情が生じたと認めるときは、定めるべき 又は変更すべき特別遵守事項の内容を書面により示すとともに、必要な資料を提示して、法第五十二条第二項に規定する申出をするものとする。

5項

第四十二条第四項の規定は、保護観察所の長が、前項の申出をする場合について準用する。

1項

地方委員会は、保護観察付一部猶予者(仮釈放中の者を除く)について、法第五十二条第四項の規定により、猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を定め、又は変更するに当たり、その者が収容されている矯正施設の長 又は法第八十二条第一項の規定による生活環境の調整を行う保護観察所の長から猶予期間中の保護観察における特別遵守事項に関する意見が表明されているときは、当該意見を考慮するものとする。

2項

前項の矯正施設の長 又は保護観察所の長は、保護観察付一部猶予者について、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始(保護観察付一部猶予者が仮釈放を許す旨の決定を受けた者である場合は、釈放。第五十二条第八項 及び第九十九条の二第一項において準用する第八十一条の七第二項において同じ。)までの間に、猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を定め、又は変更すべき事情が生じたと認めるときは、速やかに、その者を収容中の矯正施設の所在地を管轄する地方委員会に対し、書面により、その旨 及びその内容を通知しなければならない。

3項

保護観察所の長は、仮釈放中の保護観察付一部猶予者について、猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を定め、又は変更すべき事情が生じたと認めるときは、定めるべき 又は変更すべき特別遵守事項の内容を書面により示すとともに、必要な資料を提示して、法第五十二条第四項後段に規定する申出をするものとする。

4項

前条第三項の規定は、地方委員会が、法第五十二条第四項の規定により特別遵守事項を定め、又は変更する場合について準用する。

5項

第四十二条第四項の規定は、保護観察所の長が、第三項の申出をする場合について準用する。

1項

保護観察所の長は、法第五十二条第五項の規定により特別遵守事項を定めるときは、刑法第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付する旨の言渡しをした裁判所から、書面により特別遵守事項に関する意見の通知を受け、その意見の範囲内で定めるものとする。

2項

保護観察所の長は、法第五十二条第六項の規定により特別遵守事項を定め、又は変更するときは、同項の地方裁判所、家庭裁判所 又は簡易裁判所に対し、定めようとする又は変更しようとする特別遵守事項の内容を書面により示し、これが不相当であるかどうかについての意見を求めるものとする。

3項

第四十二条第四項の規定は、保護観察所の長が、法第五十二条第六項の規定により特別遵守事項を定め、又は変更する場合について準用する。

1項

保護観察所の長は、次の各号いずれかに該当するときは、法第五十三条第一項の規定による特別遵守事項の取消し 又は同条第二項 若しくは同条第四項に規定する申出をするものとする。

一 号

特別遵守事項(法第五十一条第二項第四号第五号 及び第六号に掲げる事項を除く)について、保護観察対象者の遵守の意欲 及び態度、遵守していると認める期間 その他の遵守の状況 並びに指導監督の状況等を考慮し、これを取り消しても、必要な指導監督を行うことについて支障がなく、保護観察対象者が健全な生活態度を保持することができると認めるとき。

二 号

前号に規定する場合のほか、特別遵守事項について、保護観察対象者の改善更生のために特に必要とは認められなくなったとき。

2項

前項の規定による申出は、取り消すべき特別遵守事項 及びその理由を書面により示すとともに、必要な資料を提示してするものとする。

3項

法第五十三条第二項 又は同条第四項の決定(保護観察所の長の申出による場合に限る)は、第一項の規定による申出を相当と認めるときにするものとする。

4項

第一項 又は前項の規定による特別遵守事項の取消しは、当該取消しに係る特別遵守事項の内容を法第五十六条第一項の規定により生活行動指針として定めることを妨げない。

5項

保護観察所の長は、第一項 又は第三項の規定による特別遵守事項の取消しがあったときは、速やかに、保護観察対象者に対し、書面により、その旨を通知しなければならない。


遵守すべき期間が定められている特別遵守事項について当該期間が満了したとき その他その性質上一定の事実が生ずるまでの間 遵守すべきこととされる特別遵守事項について当該事実が生じたときも、同様とする。

6項

第五十条第一項の規定は、地方委員会が、少年院からの仮退院 又は仮釈放を許す旨の決定による釈放の時までに特別遵守事項を取り消す場合について、同条第二項の規定は、同項の矯正施設の長 又は保護観察所の長が、少年院からの仮退院 又は仮釈放を許す旨の決定による釈放の時までに、当該決定の対象とされた者について特別遵守事項を取り消すべき事情が生じたと認める場合について、同条第三項の規定は、地方委員会が、法第五十三条第二項の規定により特別遵守事項を取り消す場合について、それぞれ準用する。

7項

第四十二条第四項の規定は、保護観察所の長が、法第五十三条第一項の規定により特別遵守事項を取り消し、又は同条第二項 若しくは第四項に規定する申出をする場合について準用する。

8項

第五十条第三項 及び第五十条の二第一項の規定は、法第五十三条第四項の規定により刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に特別遵守事項を取り消す場合について、第五十条の二第二項の規定は、刑法第二十七条の二の規定による猶予の期間の開始までの間に保護観察付一部猶予者につき定められている猶予期間中の保護観察における特別遵守事項を取り消すべき事情が生じたと認める場合について、それぞれ準用する。

1項

保護観察所の長は、保護観察処分少年 又は保護観察付執行猶予者に対し、法第五十四条第一項の規定により一般遵守事項の内容を記載した書面を交付するときは、遵守事項を遵守することの重要性について自覚を促すため、これを遵守する旨の誓約をすることを求めるものとする。


保護観察対象者に対し、法第五十五条第一項本文の規定により特別遵守事項の内容を記載した書面を交付するときも、同様とする。

2項

前項の規定は、矯正施設の長が、法第五十四条第二項の規定により一般遵守事項の内容を記載した書面を交付する場合 及び法第五十五条第二項本文の規定により特別遵守事項の内容を記載した書面を交付する場合について準用する。

第四款 生活行動指針

1項

生活行動指針は、第四十一条第一項の規定により把握した結果 及び特別遵守事項の内容を踏まえて定めるものとする。

2項

法第五十六条第二項の規定により生活行動指針の内容を記載した書面を交付するときは、保護観察官 又は保護司をして行わせるものとする。

3項

第四十二条第四項の規定は、保護観察所の長が、法第五十六条第一項の規定により生活行動指針を定める場合について準用する。

1項

保護観察所の長は、生活行動指針を変更することができる。

2項

保護観察所の長は、生活行動指針につき、必要がなくなったと認めるときは、これを取り消すものとする。

3項

保護観察所の長は、生活行動指針を変更し、又は取り消したときは、速やかに、保護観察対象者に対し、書面により、その旨を通知しなければならない。

4項

法第七十条第一項の規定による処分 又は法第八十一条第一項に規定する処分があったときは、当該処分を受けた保護観察処分少年 又は保護観察付執行猶予者について定められている生活行動指針は、当該処分と同時に取り消されたものとみなす。

5項

第四十二条第四項の規定は、保護観察所の長が、第一項の規定により生活行動指針を変更し、又は第二項の規定により生活行動指針を取り消す場合について準用する。

第五款 指導監督

1項

法第五十七条第一項第四号に規定する措置をとるに当たっては、保護観察対象者と同号の援助を行う者との信頼関係の構築を図るとともに、当該保護観察対象者が自発的に当該援助を受けることを促すことに配意するものとする。

1項

法第五十七条第一項第五号に規定する措置をとるに当たっては、保護観察対象者をして、被害者等の被害に関する心情、その置かれている状況等を理解させるとともに、被害者等の被害の回復 又は軽減を図るべき責任を自覚させるよう配意するものとする。

1項

法第五十七条第三項の保護観察対象者の意思に反しないことの確認は、当該保護観察対象者に対し、とろうとする措置の目的 及び内容を書面の交付 その他の適当な方法により示した上で、行うものとする。

第六款 補導援護

1項

保護観察所の長は、法第五十八条第三号に掲げる方法により補導援護を行うに当たっては、保護観察対象者の就労意欲を喚起し、就労に必要な態度 及び技能が習得され、就労の習慣が定着するよう助言 その他の措置をとるものとする。

2項

保護観察所の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、保護観察対象者の就労意欲、職業能力、年齢、経歴、心身の状況、生活の計画等を勘案し、職業訓練を実施するものとする。

3項

保護観察所の長は、前二項に規定する補導援護を行うに当たっては、公共職業安定所との連携協力に努めるものとする。

1項

法第五十八条第六号に掲げる方法による補導援護は、保護観察対象者をして、自律 及び協調の精神を会得させ、健全な社会生活を営むために必要な態度、習慣 及び能力を養わせるよう行うものとする。

1項

保護観察所の長は、法第六十一条第二項法第八十八条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定により補導援護を委託して行うときは、保護観察対象者の意向を参酌し、当該補導援護としてとるべき措置を選定し、その委託先 及び委託期間を定めなければならない。

2項

保護観察所の長は、前項の規定により選定した措置の内容 並びに同項の規定により定めた委託先 及び委託期間を保護観察対象者に知らせなければならない。

1項

前条第一項の委託は、委託する内容、委託の開始 及び終了の年月日、保護観察対象者の氏名、生年月日、住居、経歴 及び心身の状況 その他参考となる事項を記載した書面をもって行うものとする。


ただし、急速を要するときは、当該書面を画像読取装置により読み取ってできた電磁的記録を電磁的方法により提供する方法 その他の適当な方法によることができる。

1項

保護観察所の長は、第五十八条第一項の規定により補導援護を委託して行うときは、保護観察対象者に、委託期間中は委託を受けた者(以下「受託者」という。)の指示に従い、改善更生に努める旨の誓約をさせるものとする。

1項

保護観察所の長は、委託した補導援護を受託者が終了したとき 又は必要があると認めるときは、速やかに、受託者に、書面により、当該委託に係る事務の実施状況を報告させなければならない。

2項

保護観察所の長は、保護観察対象者について、次に掲げる事由が生じたときは、直ちに、受託者に、これを報告させなければならない。

一 号

受託者の指示に従わず、又は無断で転居し、若しくは所在が不明であるため、委託を受けた補導援護の措置をとることができないとき。

二 号

委託を受けた補導援護の措置を受ける意思がない旨の申出があったとき。

三 号

受託者において、委託を受けた補導援護の目的を達し、これを継続する必要がないと認めるとき。

四 号

受託者において、犯罪 又は非行に結び付くおそれのある行動を認めたとき。

五 号

感染症 その他重い疾病にかかったとき。

六 号
死亡したとき。
七 号

その他受託者において、委託を受けた補導援護の措置をとることに支障を及ぼす事情が生じたと認めるとき。

3項

保護観察所の長は、委託した補導援護が適切に行われるよう、その状況を把握し、受託者に対し必要な指示 その他の措置をとるものとする。

1項

保護観察所の長は、必要があると認めるときは、受託者の意見 及び保護観察対象者の意向を参酌し、委託先 若しくは委託内容の変更 又は委託の解除を行うものとする。

2項

保護観察所の長は、前項の規定による変更 又は解除を行ったときは、速やかに、受託者に対し、その旨を通知しなければならない。

第七款 保護者に対する措置等

1項

法第五十九条の規定によりとる措置は、次に掲げる措置 その他の保護観察所の長が必要と認める措置とする。

一 号

保護観察に付されている少年の心身の状況 及び生活の実態を把握し、保護観察官 又は保護司と協力して、適切にその監護に当たるよう指導し、又は助言すること。

二 号

保護観察に付されている少年の改善更生を妨げていると認められる保護者の行状について、これを改めるよう指導し、又は助言すること。

三 号

保護観察に付されている少年の監護について必要な情報の提供を受け、又は監護の意欲を高め、若しくはその能力を向上させるための講習会等に参加するよう指導し、又は助言すること。

2項

前項の措置をとるに当たっては、保護観察に付されている少年と保護者が良好な関係を築くことができるよう配意するものとする。

1項

保護観察所の長は、保護観察処分少年に対し、第五十二条第五項第八十一条の四第一項第八十二条第二項第八十三条第三項 及び第八十四条第三項の規定による通知をしたときは当該通知の内容を、法第四十七条の二の決定による釈放 又は収容可能期間の満了により保護観察を再開したときは一般遵守事項 及び法第四十七条の二の決定による釈放の時 又は収容可能期間の満了の時において定められていた特別遵守事項の内容を、法第五十四条第一項 及び法第五十五条第一項本文の規定による書面の交付をしたときは当該書面の内容を、法第六十七条第一項の規定による警告(以下「警告」という。)を発したときはその旨を、それぞれ、その保護者 その他相当と認める者に対し、通知するものとする。


ただし、その通知をすることが当該保護観察処分少年の改善更生を妨げるおそれがあり、又は保護観察の実施状況 その他の事情を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。

2項

保護観察所の長は、少年院仮退院者に対し、保護観察を開始したときは一般遵守事項 及び法第四十一条の決定による釈放の時において定められていた特別遵守事項の内容を、第五十二条第五項 並びに第八十八条第一項 及び第八十八条の四において準用する第八十一条の四第一項の規定による通知をしたときは当該通知の内容を、法第五十五条第一項本文の規定による書面の交付をしたときは当該書面の内容を、法第七十四条第一項の決定があったときはその旨を、それぞれ、その保護者 その他相当と認める者に対し、通知するものとする。


前項ただし書の規定は、この場合について準用する。

第八款 応急の救護

1項

法第六十二条法第八十八条の規定によりその例によることとされる場合を含む。以下同じ。第二項の規定による救護は、次に掲げる方法 その他の保護観察所の長が必要と認める方法によって行うものとする。

一 号

適切な住居 その他の宿泊場所がない者に対し、宿泊場所 並びに宿泊に必要な設備 及び備品を供与すること。

二 号

適切な食事を得ることができない者に対し、食事を給与すること。

三 号

住居 その他の宿泊場所への帰住を助けるため、旅費を給与し、又は貸与すること。

四 号

その他就業 又は当面の生活を助けるために必要な金銭、衣料、器具 その他の物品を給与し、又は貸与すること。

1項

保護観察所の長は、法第六十二条第二項の規定により救護を行うときは、保護観察の実施状況を踏まえ、保護観察対象者の意向を参酌し、当該救護としてとるべき措置を選定するものとする。


この場合において、同条第三項の規定により当該措置を委託するときは、その委託先 及び委託期間を定めなければならない。

2項

保護観察所の長は、前項の規定により選定した措置の内容 並びに同項の規定により定めた委託先 及び委託期間を保護観察対象者に知らせなければならない。

1項

第五十九条から第六十二条までの規定は、その性質に反しない限り、法第六十二条第三項の規定により救護を委託して行う場合について準用する。

第九款 出頭の命令及び引致

1項

法第六十三条第一項の規定による出頭の命令は、次に掲げる事項を記載した書面によらなければならない。

一 号
保護観察対象者の氏名
二 号
出頭すべき日時 及び場所
三 号

正当な理由がないのに出頭の命令に応じないときは、引致されることがある旨

1項

法第六十三条第四項に規定する引致状の請求は、次に掲げる事項を記載した書面によらなければならない。

一 号

引致すべき保護観察対象者の氏名、生年月日、職業 及び住居

二 号

前号の者が保護観察に付されていることを明らかにする事項

三 号

法第六十三条第二項各号いずれかに該当する事実の要旨 及び引致を必要とする理由

四 号
引致すべき場所
五 号

七日を超える有効期間を必要とするときは、その期間 及び事由

六 号

引致状を数通必要とするときは、その数 及び事由

2項

前項の書面には、その謄本一通を添付しなければならない。

1項

法第六十三条第六項ただし書の規定による引致状の執行の嘱託は、書面によらなければならない。


ただし、急速を要するときは、電話 その他の適当な方法によることができる。

2項

前項ただし書の場合においては、事後において、速やかに、同項本文の書面を送付するものとする。

第十款 被害者等の心情等の聴取及び伝達

1項

法第六十五条第一項 及び第二項に規定する申出は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

一 号

申出人の氏名 又は名称 及び住所

二 号

当該申出に係る保護観察対象者を特定するに足りる事項

三 号

申出人が法第六十五条第一項 又は第二項に規定する申出をすることができる者であること。

1項

法第六十五条第一項の規定による心情等の聴取は、保護観察官をして被害者等の陳述の内容を聴取することにより行わせるものとする。

2項

前項の心情等の聴取は、被害者等が法第六十五条第二項の申出をしないとき 又は被害者等の心身の状況 その他の事情を考慮し相当と認めるときは、当該心情等を記載した書面の提出を受けることにより行うことができる。

1項

保護観察所の長は、法第六十五条第一項の規定により心情等を聴取するときは、同項の申出をした被害者等に対し、聴取の日時 及び場所(前条第二項の規定により書面の提出を受ける場合には、提出先 及び提出期限)を通知しなければならない。

2項

保護観察所の長は、法第六十五条第一項ただし書の規定により心情等を聴取しないこととしたときは、同項の申出をした被害者等に対し、その旨を通知しなければならない。

1項

第二十七条の規定は、法第六十五条第一項の規定により心情等を聴取する場合について準用する。

1項

法第六十五条第二項の規定による心情等の伝達は、保護観察官をして、口頭により行わせるものとする。

1項

保護観察所の長は、法第六十五条第二項の規定により心情等を伝達したときはその旨 及び伝達した日を、同項ただし書の規定により心情等の伝達をしないこととしたときはその旨を、それぞれ、同項の申出をした被害者等に対し、通知しなければならない。

第十一款 規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に関する特則

1項

保護観察所の長は、規制薬物等に対する依存がある保護観察対象者に対する保護観察を実施するに当たっては、第四十二条第一項本文の実施計画において、その依存の改善に資する医療 又は援助を行う病院、公共の衛生福祉に関する機関 その他の者との緊密な連携に関する事項を定めるものとする。

1項

第五十五条の四の規定は、法第六十五条の三第二項において準用する法第五十七条第三項の保護観察対象者の意思に反しないことの確認について準用する。