診療放射線技師法

昭和二十六年法律第二百二十六号
分類 法律
カテゴリ   厚生
最終編集日 : 2023年 03月23日 09時55分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 免許

  • 第三章 試験

  • 第四章 業務等

  • 第五章 罰則

第一章 総則

1項

この法律は、診療放射線技師の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もつて医療 及び公衆衛生の普及 及び向上に寄与することを目的とする。

1項

この法律で「放射線」とは、次に掲げる電磁波 又は粒子線をいう。

一 号
アルフア線 及びベータ線
二 号
ガンマ線
三 号

百万電子ボルト以上のエネルギーを有する電子線

四 号
エツクス線
五 号

その他政令で定める電磁波 又は粒子線

2項

この法律で「診療放射線技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、医師 又は歯科医師の指示の下に、放射線を人体に対して照射(撮影を含み、照射機器 又は放射性同位元素(その化合物 及び放射性同位元素 又はその化合物の含有物を含む。)を人体内にそう入して行なうものを除く。以下同じ。)することを業とする者をいう。

第二章 免許

1項

診療放射線技師になろうとする者は、診療放射線技師国家試験(以下「試験」という。)に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

1項

次に掲げる者には、前条の規定による免許(第二十条第二号除き、以下「免許」という。)を与えないことがある。

一 号

心身の障害により診療放射線技師の業務(第二十四条の二各号に掲げる業務を含む。同条 及び第二十六条第二項除き、以下同じ。)を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

二 号

診療放射線技師の業務に関して犯罪 又は不正の行為があつた者

1項

免許は、試験に合格した者の申請により、診療放射線技師籍に登録することによつて行う。

1項

厚生労働大臣は、免許を申請した者について、第四条第一号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあつたときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。

1項

厚生労働省に診療放射線技師籍を備え、診療放射線技師の免許に関する事項を登録する。

1項

厚生労働大臣は、免許を与えたときは、診療放射線技師免許証(以下「免許証」という。)を交付する。

2項

厚生労働大臣は、免許証を失い、又は破損した者に対して、その申請により免許証の再交付をすることができる。

3項

前項の規定により免許証の再交付を受けた後、失つた免許証を発見したときは、旧免許証を十日以内に、厚生労働大臣に返納しなければならない。

1項

診療放射線技師が第四条各号いずれかに該当するに至つたときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めてその業務の停止を命ずることができる。

2項

都道府県知事は、診療放射線技師について前項の処分が行われる必要があると認めるときは、その旨を厚生労働大臣に具申しなければならない。

3項

第一項の規定による取消処分を受けた者であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。

1項

前条第一項の規定による処分に係る行政手続法平成五年法律第八十八号第十五条第一項 又は第三十条の通知は、聴聞の期日 又は弁明を記載した書面の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)の二週間前までにしなければならない。

1項

免許を取り消された者は、十日以内に、免許証を厚生労働大臣に返納しなければならない。

1項

この章に規定するもののほか、免許の申請、免許証の交付、書換え交付、再交付 及び返納 並びに診療放射線技師籍の登録、訂正 及び消除に関して必要な事項は、政令で定める。

第三章 試験

1項

試験は、診療放射線技師として必要な知識 及び技能について行う。

1項

試験は、厚生労働大臣が行う。

1項

試験の問題の作成、採点その他試験の実施に関して必要な事項をつかさどらせるため、厚生労働省に診療放射線技師試験委員(以下「試験委員」という。)を置く。

2項

試験委員は、診療放射線技師の業務に関し学識経験のある者のうちから、厚生労働大臣が任命する。

3項

前二項に定めるもののほか、試験委員に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

試験は、次の各号いずれかに該当する者でなければ受けることができない

一 号

学校教育法昭和二十二年法律第二十六号第九十条第一項の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)で、文部科学大臣が指定した学校 又は都道府県知事が指定した診療放射線技師養成所において、三年以上診療放射線技師として必要な知識 及び技能の修習を終えたもの

二 号

外国の診療放射線技術に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で第三条の規定による免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前号に掲げる者と 同等以上の学力 及び技能を有するものと認めたもの

1項

試験委員 その他試験に関する事務をつかさどる者は、その事務の施行に当たつて厳正を保持し、不正の行為がないようにしなければならない。

2項

試験に関して
不正の行為があつた場合には、その不正行為に関係のある者について
その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。


この場合においては、なお、その者について期間を定めて
試験を受けることを許さないことができる。

1項

試験を受けようとする者は、厚生労働省令の定めるところにより、試験手数料を納めなければならない。

1項

この章に規定するもののほか第二十条第一号の学校 又は診療放射線技師養成所の指定に関し必要な事項は政令で、試験の科目、受験手続 その他試験に関し必要な事項は厚生労働省令で定める。

第四章 業務等

1項
  • 医師、
  • 歯科医師

又は診療放射線技師でなければ、第二条第二項に規定する業をしてはならない。

1項

診療放射線技師は、第二条第二項に規定する業務のほか、保健師助産師看護師法昭和二十三年法律第二百三号) 第三十一条第一項 及び第三十二条の規定にかかわらず、診療の補助として、次に掲げる行為を行うことを業とすることができる。

一 号

磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であつて政令で定めるものを用いた検査(医師 又は歯科医師の指示の下に行うものに限る)を行うこと。

二 号

第二条第二項に規定する業務 又は前号に規定する検査に関連する行為として厚生労働省令で定めるもの(医師 又は歯科医師の具体的な指示を受けて行うものに限る)を行うこと。

1項

診療放射線技師でなければ、診療放射線技師という名称 又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

1項

診療放射線技師は、医師 又は歯科医師の具体的な指示を受けなければ、放射線を人体に対して照射してはならない。

2項

診療放射線技師は、病院 又は診療所以外の場所において
その業務を行つてはならない。


ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

一 号

医師 又は歯科医師が診察した患者について、その医師 又は歯科医師の指示を受け、出張して百万電子ボルト未満のエネルギーを有するエツクス線を照射する場合

二 号

多数の者の健康診断を一時に行う場合において、胸部エツクス線検査(コンピュータ断層撮影装置を用いた検査を除く) その他の厚生労働省令で定める検査のため百万電子ボルト未満のエネルギーを有するエツクス線を照射するとき。

三 号

多数の者の健康診断を一時に行う場合において、医師 又は歯科医師の立会いの下に百万電子ボルト未満のエネルギーを有するエツクス線を照射するとき(前号に掲げる場合を除く)。

1項

診療放射線技師は、その業務を行うに当たつては、医師 その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない。

1項

診療放射線技師は、放射線を人体に対して照射したときは、遅滞なく 厚生労働省令で定める事項を記載した照射録を作成し、その照射について指示をした医師 又は歯科医師の署名を受けなければならない

2項

厚生労働大臣 又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、前項の照射録を提出させ、又は当該職員に照射録を検査させることができる。

3項

前項の規定によつて検査に従事する職員は、その身分を証明する証票を携帯し、且つ、関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。

1項

診療放射線技師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の
秘密を漏らしてはならない。


診療放射線技師でなくなつた後においても、
同様とする。

1項

この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。

2項

前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

1項

この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第五章 罰則

1項

次の各号いずれかに該当する者は、一年以下の懲役 若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第二十四条の規定に違反した者

二 号

虚偽 又は不正の事実に基づいて免許を受けた者

1項

第二十一条第一項の規定に違反して、故意 若しくは重大な過失により事前に試験問題を漏らし、又は故意に不正の採点をした者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

第九条第一項の規定により業務の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、業務を行つたものは、六月以下の懲役 若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1項

第二十六条第一項 又は第二項の規定に違反した者は、六月以下の懲役 若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1項

第二十九条の規定に違反して、業務上知り得た人の秘密を漏らした者は、五十万円以下の罰金に処する。

2項

前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

1項

第二十五条の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金に処する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。

一 号

第十一条の規定に違反した者

二 号

第二十八条第一項の規定に違反した者