差押財産(金銭、債権 及び第五十七条(有価証券に係る債権の取立て)の規定により債権の取立てをする有価証券を除く。)又は次条第四項に規定する特定参加差押不動産(以下この節において「差押財産等」という。)は、この節の定めるところにより換価しなければならない。
国税徴収法
第三節 財産の換価
⤏ 第一款 通則
差し押さえた債権のうち、その全部 又は一部の弁済期限が取立てをしようとする時から六月以内に到来しないもの及び取立てをすることが著しく困難であると認められるものは、この節の定めるところにより換価することができる。
税務署長は、相互の利用上差押財産等を他の差押財産等(滞納者を異にするものを含む。)と一括して同一の買受人に買い受けさせることが相当であると認めるときは、これらの差押財産等を一括して公売に付し、又は随意契約により売却することができる。
参加差押えをした税務署長は、その参加差押えに係る不動産(以下「参加差押不動産」という。)が第八十七条第三項(参加差押えの効力)の規定による催告をしてもなお換価に付されないときは、同項の滞納処分をした行政機関等の同意を得て、参加差押不動産につき換価の執行をする旨の決定(以下「換価執行決定」という。)をすることができる。
ただし、参加差押不動産につき強制執行 若しくは担保権の実行としての競売が開始されているとき、又は国税に関する法律の規定で換価をすることができないこととするものの適用があるときは、この限りでない。
前項の滞納処分をした行政機関等は、同項の参加差押えをした税務署長による換価の執行に係る同意の求めがあつた場合において、その換価の執行を相当と認めるときは、これに同意するものとする。
ただし、同項の滞納処分による差押えに係る不動産につき既に他の参加差押えをした行政機関等による換価の執行に係る同意をしているときは、この限りでない。
換価執行決定は、第一項の参加差押えをした税務署長による換価の執行に係る同意をした行政機関等(以下「換価同意行政機関等」という。)に告知することによつてその効力を生ずる。
換価執行決定をした税務署長(次条において「換価執行税務署長」という。)は、速やかに、その旨を滞納者 及び参加差押不動産(換価執行決定をしたものに限る。以下「特定参加差押不動産」という。)につき交付要求をした者に通知しなければならない。
換価執行税務署長は、次の各号のいずれかに該当するときは、換価執行決定を取り消さなければならない。
換価執行決定に係る参加差押え(以下「特定参加差押え」という。)を解除したとき。
換価同意行政機関等の滞納処分による差押え(政令で定めるものを除く。次条において「特定差押え」という。)が解除されたとき。
特定参加差押不動産の価額が特定参加差押えに係る滞納処分費 及び特定参加差押えに係る国税に先立つ 他の国税、地方税 その他の債権の合計額を超える見込みがなくなつたとき。
前三号に準ずるものとして政令で定めるとき。
換価執行税務署長は、次の各号のいずれかに該当するときは、換価執行決定を取り消すことができる。
特定参加差押不動産について、三回公売に付しても入札等がなかつた場合において、その特定参加差押不動産の形状、用途、法令による利用の規制 その他の事情を考慮して、更に公売に付しても買受人がないと認められ、かつ、随意契約による売却の見込みがないと認められるとき。
前三号に準ずるものとして政令で定めるとき。
前二項の規定により換価執行決定を取り消した税務署長は、速やかに、その旨を滞納者、換価同意行政機関等 及び特定参加差押不動産につき交付要求をした者(第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定による換価執行決定の取消しにあつては、滞納者 及び特定参加差押不動産につき交付要求をした者)に通知しなければならない。
特定参加差押不動産については、換価同意行政機関等が行う公売 その他滞納処分による売却のための手続は、第一項 又は第二項の規定により換価執行決定が取り消された後でなければ、することができない。
特定差押えが解除された場合において、前条第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定による換価執行決定の取消しに係る参加差押えにつき第八十七条第一項(参加差押えの効力)の規定により差押えの効力が生ずるとき(次に掲げる場合を除く。)は、当該換価執行決定の取消しをした税務署長は、当該換価執行決定に基づき行つた換価手続を当該差押えによる換価手続とみなして、当該差押えに係る不動産(以下この条において「差押不動産」という。)につき換価を続行することができる。
果実は成熟した後、蚕は繭となつた後でなければ、換価をすることができない。
前項の規定は、生産工程中における仕掛品(栽培品 その他これらに類するものを含む。)で、完成品となり、又は一定の生産過程に達するのでなければ、その価額が著しく低くて通常の取引に適しないものについて準用する。
第二次納税義務者が第三十二条第一項(第二次納税義務の通則)の告知、同条第二項の督促 又はこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起したときは、その訴訟の係属する間は、当該国税につき滞納処分による財産の換価をすることができない。
保証人が国税通則法第五十二条第二項(担保の処分)の告知、同条第三項の督促 若しくはこれらに係る国税に関する滞納処分につき訴えを提起したとき、又は第五十五条第二号(仮登記の権利者に対する差押えの通知)の通知(担保のための仮登記に係るものに限る。)に係る差押えにつき訴えの提起があつたときにおいても、また同様とする。
自動車、建設機械 又は小型船舶の換価は、徴収職員が第七十一条第三項(差し押さえた自動車等の占有)の規定によりこれらを占有した後に行うものとする。
ただし、換価に支障がないと認められるときは、この限りでない。
滞納者は、換価の目的となつた自己の財産(第二十四条第三項(譲渡担保財産に対する執行)の規定の適用を受ける譲渡担保財産を除く。)を、直接であると間接であるとを問わず、買い受けることができない。
国税庁、国税局、税務署 又は税関に所属する職員で国税に関する事務に従事する職員は、換価の目的となつた財産について、また同様とする。
⤏ 第二款 公売
税務署長は、差押財産等を公売に付するときは、公売の日の少なくとも十日前までに、次に掲げる事項を公告しなければならない。
ただし、公売に付する財産(以下「公売財産」という。)が不相応の保存費を要し、又はその価額を著しく減少するおそれがあると認めるときは、この期間を短縮することができる。
公売財産上に質権、抵当権、先取特権、留置権 その他その財産の売却代金から配当を受けることができる権利を有する者は、売却決定の日の前日までにその内容を申し出るべき旨
前各号に掲げる事項のほか、公売に関し重要と認められる事項
前項の公告は、税務署の掲示場 その他税務署内の公衆の見やすい場所に掲示して行う。
ただし、他の適当な場所に掲示する方法、官報 又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲げる方法 その他の方法を併せて用いることを妨げない。
税務署長は、前条の公告をしたときは、同条第一項各号(第八号を除く。)に掲げる事項 及び公売に係る国税の額を滞納者 及び次に掲げる者のうち知れている者に通知しなければならない。
税務署長は、前項の通知をするときは、公売財産の売却代金から配当を受けることができる者のうち知れている者に対し、その配当を受けることができる国税、地方税 その他の債権につき第百三十条第一項(債権額の確認方法)に規定する債権現在額申立書をその財産の売却決定をする日の前日までに提出すべき旨の催告をあわせてしなければならない。
公売は、公売財産の所在する市町村(特別区を含む。)において行うものとする。
ただし、税務署長が必要と認めるときは、他の場所で行うことができる。
税務署長は、近傍類似 又は同種の財産の取引価格、公売財産から生ずべき収益、公売財産の原価 その他の公売財産の価格形成上の事情を適切に勘案して、公売財産の見積価額を決定しなければならない。
この場合において、税務署長は、差押財産等を公売するための見積価額の決定であることを考慮しなければならない。
税務署長は、前項の規定により見積価額を決定する場合において、必要と認めるときは、鑑定人にその評価を委託し、その評価額を参考とすることができる。
税務署長は、公売財産のうち次の各号に掲げる財産を公売に付するときは、当該各号に掲げる日までに見積価額を公告しなければならない。
不動産、船舶 及び航空機
公売の日から三日前の日
せり売の方法 又は第百五条第一項(複数落札入札制)に規定する方法により公売する財産(前号に掲げる財産を除く。)
公売の日の前日(当該財産につき第九十五条第一項ただし書(公売公告)に該当する事実があると認めるときは、公売の日)
その他の財産で税務署長が公告を必要と認めるもの
公売の日の前日
第九十五条第二項の規定は、第一項の公告について準用する。
ただし、税務署長は、公売財産が動産であるときに限り、その財産に見積価額を記載した用紙をはりつけて、この公告に代えることができる。
税務署長は、第一項の場合において、公売財産上に賃借権(不動産 又は船舶に係るものに限る。)又は地上権があるときは、あわせてその存続期限、借賃 又は地代 その他これらの権利の内容を公告しなければならない。
公売財産(不動産に限る。以下この条、第百六条の二(調査の嘱託)及び第百八条第五項(公売実施の適正化のための措置)において「公売不動産」という。)の入札等をしようとする者(その者が法人である場合には、その代表者)は、税務署長に対し、次のいずれにも該当しない旨を財務省令で定めるところにより陳述しなければ、入札等をすることができない。
公売不動産の入札等をしようとする者(その者が法人である場合には、その役員)が暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号(定義)に規定する暴力団員をいう。以下この号において同じ。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(次号、第百六条の二 及び第百八条第五項において「暴力団員等」という。)であること。
自己の計算において当該公売不動産の入札等をさせようとする者(その者が法人である場合には、その役員)が暴力団員等であること。
公売財産の入札等をしようとする者(以下「入札者等」という。)は、税務署長が公売財産の見積価額の百分の十以上の額により定める公売保証金を次の各号に掲げるいずれかの方法により提供しなければならない。
ただし、税務署長は、公売財産の見積価額が政令で定める金額以下である場合 又は買受代金を売却決定の日に納付させるときは、公売保証金の提供を要しないものとすることができる。
現金(国税の納付に使用することができる小切手のうち銀行の振出しに係るもの 及びその支払保証のあるものを含む。次号、第四項 及び第百十五条第三項(買受代金の納付の期限等)において同じ。)で納付する方法
入札者等と保証銀行等(銀行 その他税務署長が相当と認める者をいう。以下この号 及び第四項において同じ。)との間において、当該入札者等に係る公売保証金に相当する現金を税務署長の催告により当該保証銀行等が納付する旨の契約(財務省令で定める要件を満たすものに限る。)が締結されたことを証する書面を税務署長に提出する方法
入札者等は、前項ただし書の規定の適用を受ける場合を除き、公売保証金を提供した後でなければ、入札等をすることができない。
公売財産の買受人は、第一項第一号に掲げる方法により提供した公売保証金がある場合には、当該公売保証金を買受代金に充てることができる。
ただし、第百十五条第四項の規定により売却決定が取り消されたときは、当該公売保証金をその公売に係る国税に充て、なお残余があるときは、これを滞納者に交付しなければならない。
税務署長は、第一項第二号に掲げる方法により公売保証金を提供した入札者等に対して第百十五条第四項の規定による処分をした場合には、当該入札者等に係る保証銀行等に当該公売保証金に相当する現金を納付させるものとする。
この場合において、当該保証銀行等が納付した現金は、当該処分を受けた者が第一項第一号に掲げる方法により提供した公売保証金とみなして、前項ただし書の規定を適用する。
前項の規定は、税務署長が、第百八条第二項(公売実施の適正化のための措置)の規定による処分をした場合について準用する。
この場合において、
前項中
「第百十五条第四項」とあるのは
「第百八条第二項(公売実施の適正化のための措置)」と、
「前項ただし書」とあるのは
「同条第三項」と
読み替えるものとする。
税務署長は、次の各号に掲げる場合には、遅滞なく、当該各号に規定する公売保証金をその提供した者に返還しなければならない。
第百四条から第百五条まで(最高価申込者等の決定)の規定により最高価申込者 及び次順位買受申込者(以下「最高価申込者等」という。)を定めた場合において、他の入札者等の提供した公売保証金があるとき。
入札等の価額の全部が見積価額に達しないこと その他の理由により最高価申込者を定めることができなかつた場合において、入札者等の提供した公売保証金があるとき。
第百十四条の規定により最高価申込者等 又は買受人がその入札等 又は買受けを取り消した場合において、その者の提供した公売保証金があるとき。
第百十五条第三項の規定により最高価申込者が買受代金を納付した場合において、最高価申込者が提供した公売保証金で第三項本文の規定により買受代金に充てたもの以外のもの又は次順位買受申込者が提供した公売保証金があるとき。
第百十七条(国税等の完納による売却決定の取消し)の規定により売却決定が取り消された場合において、買受人の提供した公売保証金があるとき。
入札をしようとする者は、その住所 又は居所、氏名(法人にあつては、名称。以下同じ。)、公売財産の名称、入札価額 その他必要な事項を記載した入札書に封をして、これを徴収職員に差し出さなければならない。
この場合において、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項(電子情報処理組織による申請等)の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用して入札がされる場合には、入札書に封をすることに相当する措置であつて財務省令で定めるものをもつて当該封をすることに代えるものとする。
入札者は、その提出した入札書の引換、変更 又は取消をすることができない。
開札をするときは、徴収職員は、入札者を開札に立ち会わせなければならない。
ただし、入札者が立ち会わないときは、税務署所属の他の職員を開札に立ち会わせなければならない。
税務署長は、入札の方法により差押財産等を公売する場合において、入札者がないとき、又は入札価額が見積価額に達しないときは、直ちに再度入札をすることができる。
この場合においては、見積価額を変更することができない。
競り売りの方法により差押財産等を公売するときは、徴収職員は、その財産を指定して、買受けの申込みを催告しなければならない。
前条の規定は、差押財産等の競り売りについて準用する。
前項の場合において、最高の価額の入札者等が二人以上あるときは、更に入札等をさせて定め、なおその入札等の価額が同じときは、くじで定める。
徴収職員は、入札の方法により不動産、船舶、航空機、自動車、建設機械、小型船舶、債権 又は電話加入権以外の無体財産権等(以下「不動産等」という。)の公売をした場合において、最高価申込者の入札価額(以下この条において「最高入札価額」という。)に次ぐ高い価額(見積価額以上で、かつ、最高入札価額から公売保証金の額を控除した金額以上であるものに限る。第三項において同じ。)による入札者(前条第二項の規定によりくじで最高価申込者を定めた場合には、当該最高価申込者以外の最高の価額の入札者とする。第三項において同じ。)から次順位による買受けの申込みがあるときは、その者を次順位買受申込者として定めなければならない。
前項の次順位による買受けの申込みは、最高価申込者の決定後直ちにしなければならない。
第一項の場合において、最高入札価額に次ぐ高い価額による入札者が二人以上あるときは、くじで定める。
税務署長は、種類 及び価額が同じ財産を一時に多量に入札の方法により公売する場合において、必要があると認めるときは、その財産の数量の範囲内において入札をしようとする者の希望する数量 及び単価を入札させ、見積価額以上の単価の入札者のうち、入札価額の高い入札者から順次その財産の数量に達するまでの入札者を最高価申込者とする方法(以下「複数落札入札制」という。)によることができる。
この場合において、最高価申込者となるべき最後の順位の入札者が二人以上あるときは、入札数量の多いものを先順位の入札者とし、入札数量が同じときは、くじで先順位の入札者を定める。
税務署長は、複数落札入札制による最高価申込者に対して売却決定をした場合において、買受人のうちに買受代金をその納付の期限までに納付しない者があるときは、開札に引き続き売却決定を行い、かつ、直ちに代金を納付させるときに限り、その者に売却決定をした数量の範囲内において、まず、前項の規定により入札がなかつたものとされた入札数量(買受代金を納付しない買受人の同項の規定により入札がなかつたものとされた入札数量を除く。)につき入札があつたものとし、次に、第一項後段の規定により最高価申込者とならなかつた者を最高価申込者とすることができる。
この場合においては、同項後段 及び前項の規定を準用する。
徴収職員は、最高価申込者等を定めたときは、直ちにその氏名 及び価額(複数落札入札制による場合には、数量 及び単価。次項において同じ。)を告げた後、入札 又は競り売りの終了を告知しなければならない。
前項の場合において、公売した財産が不動産等であるときは、税務署長は、最高価申込者等の氏名、その価額 並びに売却決定をする日時 及び場所を滞納者 及び第九十六条第一項各号(公売の通知)に掲げる者(以下「利害関係人」という。)のうち知れている者に通知するとともに、これらの事項を公告しなければならない。
第九十五条第二項(公売公告の方法)の規定は、前項の公告について準用する。
税務署長は、公売不動産の最高価申込者等(その者が法人である場合には、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査をその税務署の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。
ただし、公売不動産の最高価申込者等が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして財務省令で定める場合は、この限りでない。
税務署長は、自己の計算において最高価申込者等に公売不動産の入札等をさせた者があると認める場合には、当該公売不動産の入札等をさせた者(その者が法人である場合には、その役員。以下この項において同じ。)が暴力団員等に該当するか否かについて、必要な調査をその税務署の所在地を管轄する都道府県警察に嘱託しなければならない。
ただし、公売不動産の入札等をさせた者が暴力団員等に該当しないと認めるべき事情があるものとして財務省令で定める場合は、この限りでない。
税務署長は、公売に付しても入札者等がないとき、入札等の価額が見積価額に達しないとき、又は次順位買受申込者が定められていない場合において次条第二項 若しくは第五項 若しくは第百十五条第四項(買受代金の納付の期限等)の規定により売却決定を取り消したときは、更に公売に付するものとする。
税務署長は、前項の規定により公売に付する場合において、必要があると認めるときは、公売財産の見積価額の変更、第九十五条第一項本文(公売公告)の期間の短縮 その他公売の条件の変更をすることができる。
第九十六条(公売の通知)の規定は、第一項の規定による公売が直前の公売期日から十日以内に行われるときは、適用しない。
第一項の規定により公売に付する場合における第九十九条第一項第一号(見積価額の公告等)の規定の適用については、
同号中
「公売の日から三日前の日」とあるのは、
「公売の日の前日」と
する。
税務署長は、次に掲げる者に該当すると認められる事実がある者については、その事実があつた後二年間、公売の場所に入ることを制限し、若しくはその場所から退場させ、又は入札等をさせないことができる。
その事実があつた後二年を経過しない者を使用人 その他の従業者として使用する者 及びこれらの者を入札等の代理人とする者についても、また同様とする。
入札等をしようとする者の公売への参加 若しくは入札等、最高価申込者等の決定 又は買受人の買受代金の納付を妨げた者
公売に際して不当に価額を引き下げる目的をもつて連合した者
偽りの名義で買受申込みをした者
正当な理由がなく、買受代金の納付の期限までにその代金を納付しない買受人
故意に公売財産を損傷し、その価額を減少させた者
前各号に掲げる者のほか、公売 又は随意契約による売却の実施を妨げる行為をした者
前項の規定に該当する者の入札等 又はその者を最高価申込者等とする決定については、税務署長は、その入札等がなかつたものとし、又はその決定を取り消すことができるものとする。
前項の場合において、同項の処分を受けた者の納付した公売保証金があるときは、その公売保証金は、国庫に帰属する。
この場合において、第百条第六項(公売保証金)の規定は、適用しない。
税務署長は、第一項の規定の適用に関し必要があると認めるときは、入札者等の身分に関する証明を求めることができる。
税務署長は、公売不動産の最高価申込者等 又は自己の計算において最高価申込者等に公売不動産の入札等をさせた者が次のいずれかに該当すると認める場合には、これらの最高価申込者等を最高価申込者等とする決定を取り消すことができるものとする。
暴力団員等(公売不動産の入札等がされた時に暴力団員等であつた者を含む。)
法人でその役員のうちに暴力団員等に該当する者があるもの(公売不動産の入札等がされた時にその役員のうちに暴力団員等に該当する者があつたものを含む。)
⤏ 第三款 随意契約による売却
次の各号のいずれかに該当するときは、税務署長は、差押財産等を、公売に代えて、随意契約により売却することができる。
法令の規定により、公売財産を買い受けることができる者が一人であるとき、その財産の最高価額が定められている場合において、その価額により売却するとき、その他公売に付することが公益上適当でないと認められるとき。
公売に付しても入札等がないとき、入札等の価額が見積価額に達しないとき、又は第百十五条第四項(買受代金の納付の期限等)の規定により売却決定を取り消したとき。
第九十八条(見積価額の決定)の規定は、前項第一号 又は第三号の規定により売却する場合について準用する。
この場合において、同号の規定により売却するときは、その見積価額は、その直前の公売における見積価額を下つてはならない。
税務署長は、第一項第三号の規定により売却する差押財産等が動産であるときは、あらかじめ公告した価額により売却することができる。
第九十六条(公売の通知)、第九十九条の二(暴力団員等に該当しないこと等の陳述)、第百六条の二(調査の嘱託)及び第百七条第三項(再公売)の規定は差押財産等を随意契約により売却する場合について、第百六条第二項 及び第三項(入札 又は競り売りの終了の告知等)の規定は随意契約により買受人となるべき者を決定した場合について、それぞれ準用する。
この場合において、
第九十六条第一項中
「前条の公告をしたときは」とあるのは
「随意契約により売却をする日の七日前までに」と、
「通知し」とあるのは
「通知書を発し」と、
第九十九条の二中
「)の入札等をしようとする者」とあるのは
「)を随意契約により買い受けようとする者」と、
「入札等をすることができない」とあるのは
「買い受けることができない」と、
同条第一号中
「の入札等をしようとする者」とあるのは
「を随意契約により買い受けようとする者」と、
同条第二号中
「の入札等をさせようとする者」とあるのは
「を随意契約により買い受けさせようとする者」と、
第百六条の二第二項中
「の入札等をさせた者」とあるのは
「を随意契約により買い受けさせようとした者」と
読み替えるものとする。
国は、前条第一項第三号の規定に該当する場合において、必要があるときは、同条第二項の規定による見積価額でその財産を買い入れることができる。
⤏ 第四款 売却決定
税務署長は、動産、有価証券 又は電話加入権を換価に付するときは、公売をする日(随意契約により売却する場合には、その売却する日。以下「公売期日等」という。)において、最高価申込者(随意契約により売却する場合における買受人となるべき者を含む。以下同じ。)に対して売却決定を行う。
換価をした動産 又は有価証券に係る売却決定の取消は、これをもつて買受代金を納付した善意の買受人に対抗することができない。
前項の規定により買受人に対抗することができないことにより損害が生じた者がある場合には、その生じたことについてその者に故意 又は過失があるときを除き、国は、その通常生ずべき損失の額を賠償する責に任ずる。
この場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、その者に対する求償権の行使を妨げない。
税務署長は、不動産等を換価に付するときは、公売期日等から起算して七日を経過した日(不動産を換価に付するときは、第百六条の二(調査の嘱託)(第百九条第四項(随意契約による売却)において準用する場合を含む。)の規定による調査に通常要する日数を勘案して財務省令で定める日。以下「売却決定期日」という。)において最高価申込者に対して売却決定を行う。
次順位買受申込者を定めている場合において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、税務署長は、当該各号に定める日において次順位買受申込者に対して売却決定を行う。
税務署長が第百八条第二項 又は第五項(公売実施の適正化のための措置)の規定により最高価申込者に係る決定の取消しをした場合
当該最高価申込者に係る売却決定期日
最高価申込者が次条の規定により入札の取消しをした場合
当該入札に係る売却決定期日
最高価申込者である買受人が次条の規定により買受けの取消しをした場合
当該取消しをした日
税務署長が第百十五条第四項(買受代金の納付の期限等)の規定により最高価申込者である買受人に係る売却決定の取消しをした場合
当該取消しをした日
換価に付した財産(以下「換価財産」という。)について最高価申込者等の決定 又は売却決定をした場合において、国税通則法第百五条第一項ただし書(不服申立てがあつた場合の処分の制限)その他の法律の規定に基づき滞納処分の続行の停止があつたときは、その停止している間は、その最高価申込者等 又は買受人は、その入札等 又は買受けを取り消すことができる。
⤏ 第五款 代金納付及び権利移転
換価財産の買受代金の納付の期限は、売却決定の日(買受人が次順位買受申込者である場合にあつては、同日から起算して七日を経過した日)とする。
税務署長は、必要があると認めるときは、前項の期限を延長することができる。
ただし、その期間は、三十日を超えることができない。
買受人は、買受代金を第一項の期限までに現金で納付しなければならない。
税務署長は、買受人が買受代金を第一項の期限までに納付しないときは、その売却決定を取り消すことができる。
徴収職員が買受代金を受領したときは、その限度において、滞納者から換価に係る国税を徴収したものとみなす。
税務署長は、換価財産に係る国税(特定参加差押不動産を換価する場合にあつては、特定参加差押えに係る国税 又は換価同意行政機関等の滞納処分による差押えに係る国税、地方税 若しくは公課)の完納の事実が買受人の買受代金の納付前に証明されたときは、その売却決定を取り消さなければならない。
税務署長は、換価財産(有価証券を除く。)の買受人がその買受代金を納付したときは、売却決定通知書を買受人に交付しなければならない。
ただし、動産については、その交付をしないことができる。
税務署長は、換価した動産、有価証券 又は自動車、建設機械 若しくは小型船舶(徴収職員が占有したものに限る。)の買受人が買受代金を納付したときは、その財産を買受人に引き渡さなければならない。
税務署長は、前項の場合において、その財産を滞納者 又は第三者に保管させているときは、売却決定通知書を買受人に交付する方法によりその財産の引渡をすることができる。
この場合において、その引渡をした税務署長は、その旨を滞納者 又は第三者に通知しなければならない。
税務署長は、換価した有価証券を買受人に引き渡す場合において、その証券に係る権利の移転につき滞納者に裏書、名義変更 又は流通回復の手続をさせる必要があるときは、期限を指定して、これらの手続をさせなければならない。
税務署長は、前項の場合において、滞納者がその期限までに同項の手続をしないときは、滞納者に代つてその手続をすることができる。
税務署長は、換価財産で権利の移転につき登記を要するものについては、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の法令に別段の定めがある場合を除き、その買受代金を納付した買受人の請求により、その権利の移転の登記を関係機関に嘱託しなければならない。
税務署長は、換価した債権 又は第七十三条第一項(電話加入権等の差押手続)若しくは第七十三条の二第一項(振替社債等の差押手続)に規定する財産の買受人がその買受代金を納付したときは、売却決定通知書を第三債務者等に交付しなければならない。
前項の場合において、第六十五条(債権証書の取上げ)(第七十三条第五項(権利証書の取上げ)において準用する場合を含む。)の規定により取り上げた証書があるときは、これを買受人に引き渡さなければならない。
第百二十条第二項(有価証券の裏書等の代位)の規定による手続に関する費用 及び第百二十一条(権利移転の登記の嘱託)の規定による嘱託に係る登記の登録免許税 その他の費用は、買受人の負担とする。
換価財産上の質権、抵当権、先取特権、留置権、担保のための仮登記に係る権利 及び担保のための仮登記に基づく本登記(本登録を含む。)でその財産の差押え後にされたものに係る権利は、その買受人が買受代金を納付した時に消滅する。
第二十四条(譲渡担保権者の物的納税責任)の規定により譲渡担保財産に対し滞納処分を執行した場合において、滞納者がした再売買の予約の仮登記があるときは、その仮登記により保全される請求権についても、同様とする。
税務署長は、不動産、船舶、航空機、自動車 又は建設機械を換価する場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その財産上の質権、抵当権 又は先取特権(登記がされているものに限る。以下この条において同じ。)に関する負担を買受人に引き受けさせることができる。
この場合において、その引受けがあつた質権、抵当権 又は先取特権については、前項の規定は、適用しない。
差押えに係る国税(特定参加差押不動産を換価する場合にあつては、換価同意行政機関等の滞納処分による差押えに係る地方税 又は公課を含む。)がその質権、抵当権 又は先取特権により担保される債権に次いで徴収するものであるとき。
その質権、抵当権 又は先取特権により担保される債権の弁済期限がその財産の売却決定期日から六月以内に到来しないとき。
税務署長は、第百二十一条(権利移転の登記の嘱託)の規定により権利の移転の登記を嘱託する場合において、換価に伴い消滅する権利に係る登記があるときは、あわせてそのまつ消を関係機関に嘱託しなければならない。
民法第五百六十八条(競売における担保責任等)の規定は、差押財産等の換価の場合について準用する。
土地 及びその上にある建物 又は立木(以下この条において「建物等」という。)が滞納者の所有に属する場合において、その土地 又は建物等の差押があり、その換価によりこれらの所有者を異にするに至つたときは、その建物等につき、地上権が設定されたものとみなす。
前項の規定は、地上権 及びその目的となる土地の上にある建物等が滞納者に属する場合について準用する。
この場合において、
同項中
「地上権が設定された」とあるのは、
「地上権の存続期間内において土地の賃貸借をした」と
読み替えるものとする。
前二項の場合において、その権利の存続期間 及び地代は、当事者の請求により裁判所が定める。