都道府県に知事を置く。
地方自治法
第二節 普通地方公共団体の長
⤏ 第一款 地位
市町村に市町村長を置く。
普通地方公共団体の長の任期は、四年とする。
前項の任期の起算については、公職選挙法第二百五十九条 及び第二百五十九条の二の定めるところによる。
普通地方公共団体の長は、衆議院議員 又は参議院議員と兼ねることができない。
普通地方公共団体の長は、地方公共団体の議会の議員 並びに常勤の職員 及び短時間勤務職員と兼ねることができない。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者 及びその支配人 又は主として同一の行為をする法人(当該普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるものを除く。)の無限責任社員、取締役、執行役 若しくは監査役 若しくはこれらに準ずべき者、支配人 及び清算人たることができない。
普通地方公共団体の長が、被選挙権を有しなくなつたとき又は前条の規定に該当するときは、その職を失う。
その被選挙権の有無 又は同条の規定に該当するかどうかは、普通地方公共団体の長が公職選挙法第十一条、第十一条の二 若しくは第二百五十二条 又は政治資金規正法第二十八条の規定に該当するため被選挙権を有しない場合を除くほか、当該普通地方公共団体の選挙管理委員会がこれを決定しなければならない。
前項の規定による決定は、文書をもつてし、その理由をつけてこれを本人に交付しなければならない。
第一項の規定による決定についての審査請求は、都道府県にあつては総務大臣、市町村にあつては都道府県知事に対してするものとする。
前項の審査請求に関する行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十八条第一項本文の期間は、第一項の決定があつた日の翌日から起算して二十一日とする。
普通地方公共団体の長は、公職選挙法第二百二条第一項 若しくは第二百六条第一項の規定による異議の申出、同法第二百二条第二項 若しくは第二百六条第二項の規定による審査の申立て、同法第二百三条第一項、第二百七条第一項、第二百十条 若しくは第二百十一条の訴訟の提起に対する決定、裁決 又は判決が確定するまでの間(同法第二百十条第一項の規定による訴訟を提起することができる場合において、当該訴訟が提起されなかつたとき、当該訴訟についての訴えを却下し 若しくは訴状を却下する裁判が確定したとき、又は当該訴訟が取り下げられたときは、それぞれ同項に規定する出訴期間が経過するまで、当該裁判が確定するまで 又は当該取下げが行われるまでの間)は、その職を失わない。
普通地方公共団体の長は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前、都道府県知事にあつては三十日、市町村長にあつては二十日までに、当該普通地方公共団体の議会の議長に申し出なければならない。
但し、議会の同意を得たときは、その期日前に退職することができる。
⤏ 第二款 権限
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の事務を管理し 及びこれを執行する。
普通地方公共団体の長は、概ね左に掲げる事務を担任する。
普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。
予算を調製し、及びこれを執行すること。
地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金 又は手数料を徴収し、及び過料を科すること。
決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること。
会計を監督すること。
財産を取得し、管理し、及び処分すること。
公の施設を設置し、管理し、及び廃止すること。
証書 及び公文書類を保管すること。
前各号に定めるものを除く外、当該普通地方公共団体の事務を執行すること。
都道府県知事 及び第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市(以下この条において「指定都市」という。)の市長は、その担任する事務のうち次に掲げるものの管理 及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを確保するための方針を定め、及びこれに基づき必要な体制を整備しなければならない。
財務に関する事務 その他総務省令で定める事務
前号に掲げるもののほか、その管理 及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを特に確保する必要がある事務として当該都道府県知事 又は指定都市の市長が認めるもの
市町村長(指定都市の市長を除く。第二号 及び第四項において同じ。)は、その担任する事務のうち次に掲げるものの管理 及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを確保するための方針を定め、及びこれに基づき必要な体制を整備するよう努めなければならない。
前項第一号に掲げる事務
前号に掲げるもののほか、その管理 及び執行が法令に適合し、かつ、適正に行われることを特に確保する必要がある事務として当該市町村長が認めるもの
都道府県知事 又は市町村長は、第一項 若しくは前項の方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
都道府県知事、指定都市の市長 及び第二項の方針を定めた市町村長(以下この条において「都道府県知事等」という。)は、毎会計年度少なくとも一回以上、総務省令で定めるところにより、第一項 又は第二項の方針 及びこれに基づき整備した体制について評価した報告書を作成しなければならない。
都道府県知事等は、前項の報告書を監査委員の審査に付さなければならない。
都道府県知事等は、前項の規定により監査委員の審査に付した報告書を監査委員の意見を付けて議会に提出しなければならない。
前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。
都道府県知事等は、第六項の規定により議会に提出した報告書を公表しなければならない。
前各項に定めるもののほか、第一項 又は第二項の方針 及びこれに基づき整備する体制に関し必要な事項は、総務省令で定める。
普通地方公共団体の長に事故があるとき、又は長が欠けたときは、副知事 又は副市町村長がその職務を代理する。
この場合において副知事 又は副市町村長が二人以上あるときは、あらかじめ当該普通地方公共団体の長が定めた順序、又はその定めがないときは席次の上下により、席次の上下が明らかでないときは年齢の多少により、年齢が同じであるときはくじにより定めた順序で、その職務を代理する。
副知事 若しくは副市町村長にも事故があるとき 若しくは副知事 若しくは副市町村長も欠けたとき 又は副知事 若しくは副市町村長を置かない普通地方公共団体において当該普通地方公共団体の長に事故があるとき 若しくは当該普通地方公共団体の長が欠けたときは、その補助機関である職員のうちから当該普通地方公共団体の長の指定する職員がその職務を代理する。
前項の場合において、同項の規定により普通地方公共団体の長の職務を代理する者がないときは、その補助機関である職員のうちから当該普通地方公共団体の規則で定めた上席の職員がその職務を代理する。
普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその補助機関である職員に委任し、又はこれに臨時に代理させることができる。
普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその管理に属する行政庁に委任することができる。
普通地方公共団体の長は、その補助機関である職員を指揮監督する。
普通地方公共団体の長は、その管理に属する行政庁の処分が法令、条例 又は規則に違反すると認めるときは、その処分を取り消し、又は停止することができる。
普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、条例で、必要な地に、都道府県にあつては支庁(道にあつては支庁出張所を含む。以下これに同じ。)及び地方事務所、市町村にあつては支所 又は出張所を設けることができる。
支庁 若しくは地方事務所 又は支所 若しくは出張所の位置、名称 及び所管区域は、条例でこれを定めなければならない。
第四条第二項の規定は、前項の支庁 若しくは地方事務所 又は支所 若しくは出張所の位置 及び所管区域にこれを準用する。
普通地方公共団体の長は、前条第一項に定めるものを除くほか、法律 又は条例で定めるところにより、保健所、警察署 その他の行政機関を設けるものとする。
前項の行政機関の位置、名称 及び所管区域は、条例で定める。
第四条第二項の規定は、第一項の行政機関の位置 及び所管区域について準用する。
国の地方行政機関(駐在機関を含む。以下 この項において同じ。)は、国会の承認を経なければ、設けてはならない。
国の地方行政機関の設置 及び運営に要する経費は、国において負担しなければならない。
前項前段の規定は、司法行政 及び懲戒機関、地方出入国在留管理局の支局 及び出張所 並びに支局の出張所、警察機関、官民人材交流センターの支所、検疫機関、防衛省の機関、税関の出張所 及び監視署、税関支署 並びにその出張所 及び監視署、税務署 及びその支署、国税不服審判所の支部、地方航空局の事務所 その他の航空現業官署、総合通信局の出張所、電波観測所、文教施設、国立の病院 及び療養施設、気象官署、海上警備救難機関、航路標識 及び水路官署、森林管理署 並びに専ら国費をもつて行う工事の施行機関については、適用しない。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の綜合調整を図るため、これを指揮監督することができる。
前項の場合において必要があるときは、普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等をして事務の報告をさせ、書類 及び帳簿を提出させ 及び実地について事務を視察することができる。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の監督上 必要な処分をし 又は当該公共的団体等の監督官庁の措置を申請することができる。
前項の監督官庁は、普通地方公共団体の長の処分を取り消すことができる。
普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、必要な内部組織を設けることができる。
この場合において、当該普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の設置 及びその分掌する事務については、条例で定めるものとする。
普通地方公共団体の長は、前項の内部組織の編成に当たつては、当該普通地方公共団体の事務 及び事業の運営が簡素かつ効率的なものとなるよう十分配慮しなければならない。
普通地方公共団体の長の事務の引継ぎに関する規定は、政令でこれを定める。
前項の政令には、正当の理由がなくて事務の引継ぎを拒んだ者に対し、十万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
一部事務組合の管理者(第二百八十七条の三第二項の規定により管理者に代えて理事会を置く第二百八十五条の一部事務組合にあつては、理事会)又は広域連合の長(第二百九十一条の十三において準用する第二百八十七条の三第二項の規定により長に代えて理事会を置く広域連合にあつては、理事会)に係る第百五十条第一項 又は第二項の方針 及びこれに基づき整備する体制については、これらの者を市町村長(第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市の市長を除く。)とみなして、第百五十条第二項から第九項までの規定を準用する。
⤏ 第三款 補助機関
都道府県に副知事を、市町村に副市町村長を置く。
ただし、条例で置かないことができる。
副知事 及び副市町村長の定数は、条例で定める。
副知事 及び副市町村長は、普通地方公共団体の長が議会の同意を得てこれを選任する。
副知事 及び副市町村長の任期は、四年とする。
ただし、普通地方公共団体の長は、任期中においても これを解職することができる。
公職選挙法第十一条第一項 又は第十一条の二の規定に該当する者は、副知事 又は副市町村長となることができない。
副知事 又は副市町村長は、公職選挙法第十一条第一項の規定に該当するに至つたときは、その職を失う。
普通地方公共団体の長の職務を代理する副知事 又は副市町村長は、退職しようとするときは、その退職しようとする日前二十日までに、当該普通地方公共団体の議会の議長に申し出なければならない。
ただし、議会の承認を得たときは、その期日前に退職することができる。
前項に規定する場合を除くほか、副知事 又は副市町村長は、その退職しようとする日前二十日までに、当該普通地方公共団体の長に申し出なければならない。
ただし、当該普通地方公共団体の長の承認を得たときは、その期日前に退職することができる。
副知事 及び副市町村長は、検察官、警察官 若しくは収税官吏 又は普通地方公共団体における公安委員会の委員と兼ねることができない。
第百四十一条、第百四十二条 及び第百五十九条の規定は、副知事 及び副市町村長にこれを準用する。
普通地方公共団体の長は、副知事 又は副市町村長が前項において準用する第百四十二条の規定に該当するときは、これを解職しなければならない。
副知事 及び副市町村長は、普通地方公共団体の長を補佐し、普通地方公共団体の長の命を受け政策 及び企画をつかさどり、その補助機関である職員の担任する事務を監督し、別に定めるところにより、普通地方公共団体の長の職務を代理する。
前項に定めるもののほか、副知事 及び副市町村長は、普通地方公共団体の長の権限に属する事務の一部について、第百五十三条第一項の規定により委任を受け、その事務を執行する。
前項の場合においては、普通地方公共団体の長は、直ちに、その旨を告示しなければならない。
普通地方公共団体に会計管理者一人を置く。
会計管理者は、普通地方公共団体の長の補助機関である職員のうちから、普通地方公共団体の長が命ずる。
普通地方公共団体の長、副知事 若しくは副市町村長 又は監査委員と親子、夫婦 又は兄弟姉妹の関係にある者は、会計管理者となることができない。
会計管理者は、前項に規定する関係が生じたときは、その職を失う。
法律 又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、会計管理者は、当該普通地方公共団体の会計事務をつかさどる。
前項の会計事務を例示すると、おおむね次のとおりである。
現金(現金に代えて納付される証券 及び基金に属する現金を含む。)の出納 及び保管を行うこと。
小切手を振り出すこと。
有価証券(公有財産 又は基金に属するものを含む。)の出納 及び保管を行うこと。
物品(基金に属する動産を含む。)の出納 及び保管(使用中の物品に係る保管を除く。)を行うこと。
現金 及び財産の記録管理を行うこと。
支出負担行為に関する確認を行うこと。
決算を調製し、これを普通地方公共団体の長に提出すること。
普通地方公共団体の長は、会計管理者に事故がある場合において必要があるときは、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員にその事務を代理させることができる。
会計管理者の事務を補助させるため出納員 その他の会計職員を置く。
ただし、町村においては、出納員を置かないことができる。
出納員 その他の会計職員は、普通地方公共団体の長の補助機関である職員のうちから、普通地方公共団体の長がこれを命ずる。
出納員は、会計管理者の命を受けて現金の出納(小切手の振出しを含む。)若しくは保管 又は物品の出納 若しくは保管の事務をつかさどり、その他の会計職員は、上司の命を受けて当該普通地方公共団体の会計事務をつかさどる。
普通地方公共団体の長は、会計管理者をしてその事務の一部を出納員に委任させ、又は当該出納員をしてさらに当該委任を受けた事務の一部を出納員以外の会計職員に委任させることができる。
この場合においては、普通地方公共団体の長は、直ちに、その旨を告示しなければならない。
普通地方公共団体の長は、会計管理者の権限に属する事務を処理させるため、規則で、必要な組織を設けることができる。
前十一条に定める者を除くほか、普通地方公共団体に職員を置く。
前項の職員は、普通地方公共団体の長がこれを任免する。
第一項の職員の定数は、条例でこれを定める。
ただし、臨時 又は非常勤の職については、この限りでない。
第一項の職員に関する任用、人事評価、給与、勤務時間 その他の勤務条件、分限 及び懲戒、服務、退職管理、研修、福祉 及び利益の保護 その他身分取扱いに関しては、この法律に定めるものを除くほか、地方公務員法の定めるところによる。
普通地方公共団体は、常設 又は臨時の専門委員を置くことができる。
専門委員は、専門の学識経験を有する者の中から、普通地方公共団体の長がこれを選任する。
専門委員は、普通地方公共団体の長の委託を受け、その権限に属する事務に関し必要な事項を調査する。
専門委員は、非常勤とする。
都道府県の支庁 若しくは地方事務所 又は市町村の支所の長は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員をもつて充てる。
前項に規定する機関の長は、普通地方公共団体の長の定めるところにより、上司の指揮を受け、その主管の事務を掌理し部下の職員を指揮監督する。
⤏ 第四款 議会との関係
普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定 若しくは改廃 又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
前項の規定による議会の議決が再議に付された議決と同じ議決であるときは、その議決は、確定する。
前項の規定による議決のうち条例の制定 若しくは改廃 又は予算に関するものについては、出席議員の三分の二以上の者の同意がなければならない。
普通地方公共団体の議会の議決 又は選挙がその権限を超え 又は法令 若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し 又は再選挙を行わせなければならない。
前項の規定による議会の議決 又は選挙がなおその権限を超え 又は法令 若しくは会議規則に違反すると認めるときは、都道府県知事にあつては総務大臣、市町村長にあつては都道府県知事に対し、当該議決 又は選挙があつた日から二十一日以内に、審査を申し立てることができる。
前項の規定による申立てがあつた場合において、総務大臣 又は都道府県知事は、審査の結果、議会の議決 又は選挙がその権限を超え 又は法令 若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該議決 又は選挙を取り消す旨の裁定をすることができる。
前項の裁定に不服があるときは、普通地方公共団体の議会 又は長は、裁定のあつた日から六十日以内に、裁判所に出訴することができる。
前項の訴えのうち第四項の規定による議会の議決 又は選挙の取消しを求めるものは、当該議会を被告として提起しなければならない。
普通地方公共団体の議会において次に掲げる経費を削除し 又は減額する議決をしたときは、その経費 及びこれに伴う収入について、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付さなければならない。
法令により負担する経費、法律の規定に基づき当該行政庁の職権により命ずる経費 その他の普通地方公共団体の義務に属する経費
非常の災害による応急 若しくは復旧の施設のために必要な経費 又は感染症予防のために必要な経費
前項第一号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し 又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その経費 及びこれに伴う収入を予算に計上してその経費を支出することができる。
第一項第二号の場合において、議会の議決がなお同号に掲げる経費を削除し 又は減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決を不信任の議決とみなすことができる。
普通地方公共団体の議会において、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をしたときは、直ちに議長からその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。
この場合においては、普通地方公共団体の長は、その通知を受けた日から十日以内に議会を解散することができる。
議会において当該普通地方公共団体の長の不信任の議決をした場合において、前項の期間内に議会を解散しないとき、又はその解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決があり、議長から当該普通地方公共団体の長に対しその旨の通知があつたときは、普通地方公共団体の長は、同項の期間が経過した日 又は議長から通知があつた日においてその職を失う。
前二項の規定による不信任の議決については、議員数の三分の二以上の者が出席し、第一項の場合においてはその四分の三以上の者の、前項の場合においてはその過半数の者の同意がなければならない。
普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
ただし、第百六十二条の規定による副知事 又は副市町村長の選任の同意 及び第二百五十二条の二十の二第四項の規定による第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市の総合区長の選任の同意については、この限りでない。
議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
前項の場合において、条例の制定 若しくは改廃 又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。
普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。
前項の規定により専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない。
⤏ 第五款 他の執行機関との関係
普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会 又は委員と協議して、普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員 若しくはこれらの執行機関の事務を補助する職員 若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、又はこれらの執行機関の事務を補助する職員 若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。
ただし、政令で定める普通地方公共団体の委員会 又は委員については、この限りでない。
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の委員会 又は委員と協議して、その補助機関である職員を、当該執行機関の事務を補助する職員 若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員と兼ねさせ、若しくは当該執行機関の事務を補助する職員 若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に充て、又は当該執行機関の事務に従事させることができる。
普通地方公共団体の長は、各執行機関を通じて組織 及び運営の合理化を図り、その相互の間に権衡を保持するため、必要があると認めるときは、当該普通地方公共団体の委員会 若しくは委員の事務局 又は委員会 若しくは委員の管理に属する事務を掌る機関(以下本条中「事務局等」という。)の組織、事務局等に属する職員の定数 又はこれらの職員の身分取扱について、委員会 又は委員に必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
普通地方公共団体の委員会 又は委員は、事務局等の組織、事務局等に属する職員の定数 又はこれらの職員の身分取扱で当該委員会 又は委員の権限に属する事項の中 政令で定めるものについて、当該委員会 又は委員の規則 その他の規程を定め、又は変更しようとする場合においては、予め当該普通地方公共団体の長に協議しなければならない。