大深度地下の公共的使用に関する特別措置法
第一章 総則
この法律において「大深度地下」とは、次の各号に掲げる深さのうちいずれか深い方以上の深さの地下をいう。
この法律において「事業者」とは、第四条各号に掲げる事業を施行する者であって大深度地下の使用を必要とする者をいう。
この法律において「事業区域」とは、大深度地下の一定の範囲における立体的な区域であって第四条各号に掲げる事業を施行する区域をいう。
この法律による特別の措置は、人口の集中度、土地利用の状況 その他の事情を勘案し、公共の利益となる事業を円滑に遂行するため、大深度地下を使用する社会的経済的必要性が存在する地域として政令で定める地域(以下「対象地域」という。)について講じられるものとする。
道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路に関する事業
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)が適用され、若しくは準用される河川 又はこれらの河川に治水 若しくは利水の目的をもって設置する水路、貯水池 その他の施設に関する事業
国、地方公共団体 又は土地改良区(土地改良区連合を含む。)が設置する農業用道路、用水路 又は排水路に関する事業
鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第七条第一項に規定する鉄道事業者(以下単に「鉄道事業者」という。)が一般の需要に応ずる鉄道事業の用に供する施設に関する事業
軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道の用に供する施設に関する事業
電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第百二十条第一項に規定する認定電気通信事業者(以下単に「認定電気通信事業者」という。)が同項に規定する認定電気通信事業(以下単に「認定電気通信事業」という。)の用に供する施設に関する事業
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)による一般送配電事業、送電事業、配電事業、特定送配電事業 又は発電事業の用に供する電気工作物に関する事業
ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)によるガス工作物に関する事業
水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)による水道事業 若しくは水道用水供給事業、工業用水道事業法(昭和三十三年法律第八十四号)による工業用水道事業 又は下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)による公共下水道、流域下水道 若しくは都市下水路の用に供する施設に関する事業
独立行政法人水資源機構が設置する独立行政法人水資源機構法(平成十四年法律第百八十二号)による水資源開発施設 及び愛知豊川用水施設に関する事業
前各号に掲げる事業のほか、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第三条各号に掲げるものに関する事業 又は都市計画法(昭和四十三年法律第百号)の規定により土地を使用することができる都市計画事業のうち、大深度地下を使用する必要があるものとして政令で定めるもの
前各号に掲げる事業のために欠くことができない通路、鉄道、軌道、電線路、水路 その他の施設に関する事業
大深度地下の使用に当たっては、その特性にかんがみ、安全の確保 及び環境の保全に特に配慮しなければならない。
国は、大深度地下の公共的使用に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
前三号に掲げるもののほか、大深度地下の公共的使用に関する重要事項
国土交通大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなければならない。
前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
公共の利益となる事業の円滑な遂行と大深度地下の適正かつ合理的な利用を図るために必要な協議を行うため、対象地域ごとに、政令で定めるところにより、国の関係行政機関 及び関係都道府県(以下この条において「国の行政機関等」という。)により、大深度地下使用協議会(以下「協議会」という。)を組織する。
前項の協議を行うための会議(第五項において「会議」という。)は、国の行政機関等の長 又はその指名する職員をもって構成する。
協議会は、特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
会議において協議が調った事項については、国の行政機関等は、その協議の結果を尊重しなければならない。
前項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第二章 事業の準備等
第四条各号に掲げる事業の準備のための土地の立入り、障害物の伐除 及び土地の試掘等 並びにこれらの行為により生じた損失の補償については、土地収用法第二章 並びに第九十一条 及び第九十四条の規定を準用する。
この場合において、
同法第十一条第一項、第三項 及び第四項、第十四条第一項 及び第三項、第十五条第一項、第九十一条第一項 並びに第九十四条第一項 及び第二項中
「起業者」とあるのは
「事業者」と、
同法第九十一条第一項中
「第十一条第三項、第十四条 又は第三十五条第一項」とあるのは
「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法第九条において準用する第十一条第三項 又は第十四条」と、
「土地 又は工作物」とあるのは
「土地」と、
同法第九十四条第一項中
「前三条」とあるのは
「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法第九条において準用する第九十一条」と、
「損失を受けた者(前条第一項に規定する工事をすることを必要とする者を含む。以下この条において同じ。)」とあるのは
「損失を受けた者」と、
同条第六項中
「起業者である者」とあるのは
「事業者である者」と、
同条第七項中
「この法律」とあるのは
「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」と
読み替えるものとする。
第三章 使用の認可
事業者は、対象地域において、この章の定めるところに従い、使用の認可を受けて、当該事業者が施行する事業のために大深度地下を使用することができる。
事業が次の各号のいずれかに該当するものであるときは、国土交通大臣が使用の認可に関する処分を行う。
事業区域が二以上の都道府県の区域にわたる事業
一の都道府県の区域を越え、又は道の区域の全部にわたり利害の影響を及ぼす事業 その他の事業で次に掲げるもの
鉄道事業者がその鉄道事業(当該事業に係る路線 又はその路線 及び当該鉄道事業者 若しくは当該鉄道事業者がその路線に係る鉄道線路を譲渡し、若しくは使用させる鉄道事業者が運送を行う上でその路線と密接に関連する他の路線が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する施設に関する事業
認定電気通信事業者が認定電気通信事業(その業務区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する施設に関する事業
電気事業法による一般送配電事業(供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、送電事業(供給の相手方たる一般送配電事業者 又は配電事業者の供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、配電事業(供給区域が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)、特定送配電事業(供給地点が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)又は発電事業(当該事業の用に供する電気工作物と電気的に接続する電線路が一の都府県の区域内にとどまるものを除く。)の用に供する電気工作物に関する事業
イからハまでに掲げる事業のために欠くことができない通路、鉄道、軌道、電線路、水路 その他の施設に関する事業
前三号に掲げる事業と共同して施行する事業
事業が前項各号に掲げるもの以外のものであるときは、事業区域を管轄する都道府県知事が使用の認可に関する処分を行う。
事業者は、使用の認可を受けようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した事業概要書を作成し、前条第一項の事業にあっては当該事業を所管する大臣(以下「事業所管大臣」という。)に、同条第二項の事業にあっては都道府県知事にこれを送付しなければならない。
事業者は、前項の規定により事業概要書を送付したときは、国土交通省令で定めるところにより、事業概要書を作成した旨 その他国土交通省令で定める事項を公告するとともに、事業区域が所在する市町村において、当該事業概要書を当該公告の日から起算しておおむね三十日間の期間を定めて、縦覧に供しなければならない。
第一項の規定により事業概要書を送付された事業所管大臣 又は都道府県知事は、速やかに、事業区域が所在する対象地域に組織されている協議会の構成員にその写しを送付しなければならない。
前項の規定により事業概要書の写しを送付された協議会の構成員(第四条各号に掲げる事業を所管する行政機関に限る。以下この項において同じ。)は、同条各号に掲げる事業を施行する者のうち当該協議会の構成員が所管するものに対し、当該事業概要書の内容を周知させるため必要な措置を講じなければならない。
第二項の規定による公告をした事業者は、同項の縦覧期間内に、事業区域 又はこれに近接する地下において第四条各号に掲げる事業を施行し、又は施行しようとする者から事業の共同化、事業区域の調整 その他事業の施行に関し必要な調整の申出があったときは、当該調整に努めなければならない。
前項の規定による調整の結果、第二項の規定による公告をした事業者と共同して事業を施行することとなった事業者については、前各項の規定は、適用しない。
事業者は、使用の認可を受けようとするときは、あらかじめ、事業区域に井戸 その他の物件があるかどうかを調査し、当該物件があるときは、次に掲げる事項を記載した調書を作成しなければならない。
前項の調書の様式は、国土交通省令で定める。
事業者は、使用の認可を受けようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した使用認可申請書を、第十一条第一項の事業にあっては事業所管大臣を経由して国土交通大臣に、同条第二項の事業にあっては都道府県知事に提出しなければならない。
前項の使用認可申請書には、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる書類を添付しなければならない。
前項第四号の耐力の計算方法を明らかにした書類
第十二条第五項の規定により調整の申出があったときは、当該調整の経過の要領 及びその結果を記載した書類
第一項の規定により使用認可申請書を提出された事業所管大臣は、遅滞なく、当該使用認可申請書 及びその添付書類を検討し、意見を付して、国土交通大臣に送付するものとする。
第一項第三号 及び第二項第三号に規定する事業区域の表示は、事業区域に係る土地 又はこれに定着する物件に関して所有権 その他の権利を有する者が、自己の権利に係る土地の地下が事業区域に含まれ、又は自己の権利に係る物件が事業区域にあることを容易に判断できるものでなければならない。
第二項第八号から第十号までに掲げる意見書は、事業者が意見を求めた日から三週間を経過してもこれを得ることができなかったときは、添付することを要しない。
この場合においては、意見書を得ることができなかった事情を疎明する書類を添付しなければならない。
前条の規定による使用認可申請書 及びその添付書類が同条 又は同条に基づく国土交通省令の規定に違反するときは、国土交通大臣 又は都道府県知事は、相当の期間を定めて、その補正を求めなければならない。
使用の認可の申請に際し、第三十九条の規定による手数料を納めないとき 又は地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定により手数料を徴収する場合において当該手数料を納めないときも、同様とする。
事業者が前項の規定により補正を求められたにかかわらず、その定められた期間内に補正をしないときは、国土交通大臣 又は都道府県知事は、使用認可申請書を却下しなければならない。
事業が第四条各号に掲げるものであること。
前項の条件は、使用の認可の趣旨に照らして、又は使用の認可に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、使用の認可に関する処分を行おうとする場合において、第十四条第五項の規定により意見書の添付がなかったとき その他必要があると認めるときは、同条第二項第八号の事業の用に供する者 又は申請に係る事業の施行について関係のある行政機関の意見を求めなければならない。
ただし、同号の事業の用に供する者については、その者を確知することができないとき その他その意見を求めることができないときは、この限りでない。
国土交通大臣 又は都道府県知事が使用の認可に関する処分を行おうとする場合の手続については、前二条に規定するもののほか、土地収用法第二十二条から第二十五条までの規定を準用する。
この場合において、
同法第二十二条、第二十三条第一項、第二十四条第一項 及び第二十五条第一項中
「事業の認定」とあり、
並びに同条第二項中
「認定」とあるのは
「使用の認可」と、
同法第二十三条第一項中
「場合において、当該事業の認定について利害関係を有する者から次条第二項の縦覧期間内に国土交通省令で定めるところにより公聴会を開催すべき旨の請求があつたとき その他」とあるのは
「場合において」と、
同条第二項 並びに同法第二十四条第二項 及び第四項中
「起業者」とあるのは
「事業者」と、
同法第二十三条第二項 及び第二十四条第一項から第四項までの規定中
「起業地」とあるのは
「事業区域」と、
同条第一項中
「第二十条」とあるのは
「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法第十六条」と、
同項 及び同条第三項中
「事業認定申請書」とあるのは
「使用認可申請書」と
読み替えるものとする。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、第十六条の規定によって使用の認可をしたときは、遅滞なく、その旨を当該使用の認可を受けた事業者(以下「認可事業者」という。)に文書で通知するとともに、次に掲げる事項をそれぞれ官報 又は当該都道府県の公報で告示しなければならない。
国土交通大臣は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、関係都道府県知事にその旨を通知するとともに、事業区域を表示する図面の写しを送付しなければならない。
都道府県知事は、第一項の規定による告示をしたときは、直ちに、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。
使用の認可は、第一項の規定による告示があった日から、その効力を生ずる。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、第十六条の規定によって使用の認可をしたときは、直ちに、事業区域が所在する市町村の長にその旨を通知しなければならない。
市町村長は、前項の通知を受けたときは、直ちに、第二十条において準用する土地収用法第二十四条第一項の規定により送付を受けた事業区域を表示する図面を、第二十九条第四項において準用する第二十八条第六項 又は第三十条第三項 若しくは第四項(事業区域の全部の使用が廃止された場合に限る。)の規定による通知を受ける日まで公衆の縦覧に供しなければならない。
土地収用法第二十四条第四項 及び第五項の規定は、市町村長が第一項の通知を受けた日から二週間を経過しても前項の規定による手続を行わない場合に準用する。
この場合において、
同条第四項中
「起業地」とあるのは
「事業区域」と、
「起業者」とあるのは
「事業者」と
読み替えるものとする。
都道府県知事は、その管轄区域における大深度地下の使用の認可に関する登録簿(次項において単に「登録簿」という。)を調製し、公衆の閲覧に供するとともに、請求があったときはその写しを交付しなければならない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、使用の認可を拒否したときは、遅滞なく、その旨を申請に係る事業者に文書で通知しなければならない。
第二十一条第一項の規定による告示があったときは、当該告示の日において、認可事業者は、当該告示に係る使用の期間中事業区域を使用する権利を取得し、当該事業区域に係る土地に関するその他の権利は、認可事業者による事業区域の使用を妨げ、又は当該告示に係る施設 若しくは工作物の耐力 及び事業区域の位置からみて認可事業者による事業区域の使用に支障を及ぼす限度においてその行使を制限される。
前条の規定に基づく認可事業者による事業区域の使用については、道路法、河川法 その他の法令中占用の許可 及び占用料の徴収に関する規定は、適用しない。
相続人、合併 又は分割により設立される法人 その他認可事業者の一般承継人(分割による承継の場合にあっては、当該認可事業者が施行する事業の全部を承継する法人に限る。)は、被承継人が有していた使用の認可に基づく地位を承継する。
使用の認可に基づく権利の全部 又は一部は、第十一条第一項の事業にあっては国土交通大臣、同条第二項の事業にあっては都道府県知事の承認を受けなければ、譲渡することができない。
前項の規定による国土交通大臣への承認の申請は、事業所管大臣を経由して行わなければならない。
この場合においては、事業所管大臣は、遅滞なく、申請書を検討し、意見を付して、国土交通大臣に送付するものとする。
第一項の規定による承認の申請書の様式は、国土交通省令で定める。
第十七条の規定は、第一項の規定による承認について準用する。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、第一項の規定による承認をしたときは、それぞれ官報 又は当該都道府県の公報で告示しなければならない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、その旨を、事業区域が所在する市町村の長に通知するとともに、国土交通大臣にあっては関係都道府県知事に通知し、都道府県知事にあっては国土交通大臣に報告しなければならない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、認可事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、使用の認可(前条第一項の規定による承認を含む。以下この条において同じ。)を取り消すことができる。
施行する事業が第十六条各号に掲げる要件のいずれかに該当しないこととなったとき。
第十七条(前条第四項において準用する場合を含む。)の規定により使用の認可に付された条件に違反したとき。
国土交通大臣は、前項の規定により使用の認可を取り消そうとするときは、あらかじめ、事業所管大臣の意見を聴かなければならない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、第一項の規定により使用の認可を取り消したときは、それぞれ官報 又は当該都道府県の公報で告示しなければならない。
前条第六項の規定は、前項の規定による告示をした場合に準用する。
使用の認可は、第三項の規定による告示があった日から将来に向かって、その効力を失う。
第二十一条第一項の規定による告示があった後、認可事業者が事業の全部 若しくは一部を廃止し、又はこれを変更したために事業区域の全部 又は一部を使用する必要がなくなったときは、認可事業者は、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣 又は都道府県知事にその旨(事業区域の一部を使用する必要がなくなったときにあっては、使用の必要がない事業区域の部分 及びこれを表示する図面を含む。)を届け出なければならない。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による届出を受け取ったときは、事業区域の全部 又は一部の使用が廃止されたこと(事業区域の一部の使用の廃止にあっては、使用の廃止に係る事業区域の部分を含む。)を、それぞれ官報 又は当該都道府県の公報で告示しなければならない。
国土交通大臣は、前項の規定による告示をしたときは、直ちに、事業区域が所在する市町村の長 及び関係都道府県知事に対し、その旨を通知するとともに、事業区域の一部の使用の廃止にあっては、使用の廃止に係る事業区域の部分を表示する図面の写しを送付しなければならない。
都道府県知事は、第二項の規定による告示をしたときは、直ちに、その旨を、事業区域が所在する市町村の長に通知し、国土交通大臣に報告するとともに、事業区域の一部の使用の廃止にあっては、当該市町村長に使用の廃止に係る事業区域の部分を表示する図面の写しを送付しなければならない。
第三項 又は前項の通知(事業区域の一部の使用の廃止に係るものに限る。次項において同じ。)を受けた市町村長は、直ちに、使用の廃止に係る事業区域の部分を表示する図面を第二十二条第二項に規定する日まで公衆の縦覧に供しなければならない。
土地収用法第二十四条第四項 及び第五項の規定は、市町村長が第三項 又は第四項の通知を受けた日から二週間を経過しても前項の規定による手続を行わない場合に準用する。
この場合において、
同条第四項中
「起業地」とあるのは
「事業区域」と、
「起業者」とあるのは
「事業者」と
読み替えるものとする。
使用の認可は、第二項の規定による告示があった日から将来に向かって、その効力(事業区域の一部の使用の廃止に係るものにあっては、使用の廃止に係る事業区域の部分における効力)を失う。
第四章 事業区域の明渡し等
前項の規定による明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日を経過した後の日でなければならない。
第一項の規定による明渡しの請求があった物件を占有している者は、明渡しの期限までに、物件の引渡し 又は移転(以下この章において「物件の引渡し等」という。)を行わなければならない。
ただし、次条第三項の規定による支払がないときは、この限りでない。
第一項に規定する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。
認可事業者は、前条の規定による物件の引渡し等により同条第一項の物件に関し権利を有する者が通常受ける損失を補償しなければならない。
前項の規定による損失の補償は、認可事業者と損失を受けた者とが協議して定めなければならない。
認可事業者は、前条第二項の明渡しの期限までに第一項の規定による補償額を支払わなければならない。
第二項の規定による協議が成立しないときは、土地収用法第九十四条第二項から第十二項までの規定を準用する。
この場合において、
同条第二項中
「起業者」とあるのは
「認可事業者」と、
同条第六項中
「起業者である者」とあるのは
「認可事業者である者」と、
同条第七項中
「この法律」とあるのは
「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」と
読み替えるものとする。
前項において準用する土地収用法第九十四条第二項 又は第九項の規定による裁決の申請 又は訴えの提起は、事業の進行 及び事業区域の使用を停止しない。
認可事業者は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、前条第三項の規定による補償金の支払に代えて、これを供託することができる。
認可事業者が補償金を受けるべき者を確知することができないとき。
ただし、認可事業者に過失があるときは、この限りでない。
前項第四号の場合において、補償金を受けるべき者の請求があるときは、認可事業者は、自己の見積り金額を払い渡し、裁決による補償金の額との差額を供託しなければならない。
認可事業者は、先取特権、質権 若しくは抵当権 又は仮登記 若しくは買戻しの特約の登記に係る権利の目的物について補償金を支払うときは、これらの権利者のすべてから供託しなくてもよい旨の申出があったときを除き、その補償金を供託しなければならない。
前三項の規定による供託は、事業区域の所在地の供託所にしなければならない。
認可事業者は、第一項から第三項までの規定による供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金を取得すべき者に通知しなければならない。
前条第三項の先取特権、質権 又は抵当権を有する者は、同項の規定により供託された補償金に対してその権利を行うことができる。
第三十一条第三項本文の場合において次の各号のいずれかに該当するときは、市町村長は、認可事業者の請求により、物件の引渡し等を行うべき者(以下この条 及び次条において「義務者」という。)に代わって、物件を引き渡し、又は移転しなければならない。
市町村長は、前項の規定により物件の引渡し等を行うのに要した費用を義務者から徴収するものとする。
前項の場合において、市町村長は、義務者 及び認可事業者にあらかじめ通知した上で、第一項の規定により市町村長が物件の引渡し等を行うのに要した費用に充てるため、その費用の額の範囲内で、義務者が認可事業者から受けるべき第三十二条第一項の補償金を義務者に代わって受けることができる。
認可事業者が前項の規定により補償金の全部 又は一部を市町村長に支払った場合においては、この法律の適用については、認可事業者が市町村長に支払った金額の限度において、第三十二条第一項の補償金を支払ったものとみなす。
市町村長は、第二項に規定する費用を第三項の規定により徴収することができないとき、又は徴収することが適当でないと認めるときは、義務者に対し、あらかじめ納付すべき金額 並びに納付の期限 及び場所を通知して、これを納付させるものとする。
市町村長は、前項の規定によって通知を受けた者が同項の規定によって通知された期限を経過しても同項の規定により納付すべき金額を完納しないときは、督促状によって納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに第五項の規定により納付すべき金額を納付しないときは、市町村長は、国税滞納処分の例によって、これを徴収することができる。
この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。
第三十一条第三項本文の場合において義務者がその義務を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても明渡しの期限までに完了する見込みがないときは、都道府県知事は、認可事業者の請求により、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
前条第三項 及び第四項の規定は、都道府県知事が前項の規定による代執行に要した費用を徴収する場合に準用する。
第三十二条第一項に規定する損失のほか、第二十五条の規定による権利の行使の制限によって具体的な損失が生じたときは、当該損失を受けた者は、第二十一条第一項の規定による告示の日から一年以内に限り、認可事業者に対し、その損失の補償を請求することができる。
前項の規定による損失の補償については、第三十二条第二項、第四項 及び第五項の規定を準用する。
第五章 雑則
第十四条の規定によって国土交通大臣に対して使用の認可を申請する者は、国に実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
ただし、その者が国 又は都道府県であるときは、この限りでない。
第九条 又は第三十二条第四項(第三十七条第二項において準用する場合を含む。)において準用する土地収用法第九十四条第六項において準用する同法第六十五条第六項の規定による鑑定人 及び参考人の旅費 及び手当は、事業者の負担とする。
この法律において準用する土地収用法の規定により収用委員会 又はその会長 若しくは指名委員がする処分については、行政手続法第二章 及び第三章の規定は、適用しない。
国土交通大臣の第十一条第一項の事業に係る使用の認可に関する処分についての審査請求に対する裁決は、事業所管大臣の意見を聴いた後にしなければならない。
審査請求 又は再審査請求に対する裁決により使用の認可が取り消された場合において、国土交通大臣 又は都道府県知事が再び使用の認可に関する処分をしようとするときは、使用の認可につき既に行った手続 その他の行為は、法令の規定に違反するものとして当該取消しの理由となったものを除き、省略することができる。
この法律において準用する土地収用法の規定に基づく収用委員会の裁決に関する訴えは、これを提起した者が事業者であるときは損失を受けた者を、損失を受けた者であるときは事業者を、それぞれ被告としなければならない。
この法律 又はこの法律に基づく命令の規定による期間の計算、通知 及び書類の送達の方法については、土地収用法第百三十五条の規定を準用する。
この法律で定める手続 その他の行為を代理人が行うときは、当該代理人は、書面をもって、その権限を証明しなければならない。
この法律の規定により地方公共団体が処理することとされている事務のうち、次の各号に掲げるもの(第十一条第一項の事業に関するものに限る。)は地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務と、第二号に掲げるもの(第十一条第二項の事業に関するものに限る。)は同法第二条第九項第二号に規定する第二号法定受託事務とする。
都道府県が第九条において準用する土地収用法第十一条第一項 及び第四項 並びに第十四条第一項、第二十条において準用する同法第二十四条第四項 及び第五項 並びに第二十五条第二項、第二十二条第三項 及び第三十条第六項において準用する同法第二十四条第四項 及び第五項、第二十三条第一項、第三十六条第一項 並びに同条第二項において準用する第三十五条第三項の規定により処理することとされている事務
市町村が第九条において準用する土地収用法第十二条第二項 並びに第十四条第一項 及び第三項、第二十条において準用する同法第二十四条第二項、第二十二条第二項、第三十条第五項 並びに第三十五条第一項から第三項まで、第五項 及び第六項の規定により処理することとされている事務
この法律(第七条第三項を除く。)の規定中市町村 又は市町村長に関する規定は、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、当該市の区 及び総合区 又は区長 及び総合区長に適用する。
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続 その他の事項については、政令で定める。
第六章 罰則
第九条 又は第三十二条第四項(第三十七条第二項において準用する場合を含む。以下この章において同じ。)において準用する土地収用法第九十四条第六項において準用する同法第六十五条第一項第二号の規定によって、収用委員会に出頭を命じられた鑑定人が虚偽の鑑定をしたときは、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
第九条において準用する土地収用法第十一条第一項に規定する場合において、都道府県知事の許可を受けないで土地に立ち入り、又は立ち入らせた事業者
第九条において準用する土地収用法第十三条の規定に違反して同法第十一条第三項の規定による立入りを拒み、又は妨げた者
第九条において準用する土地収用法第十四条第一項に規定する場合において、市町村長の許可を受けないで障害物を伐除した者 又は都道府県知事の許可を受けないで土地に試掘等(同項に規定する試掘等をいう。)を行った者
第九条 又は第三十二条第四項において準用する土地収用法第九十四条第六項において準用する同法第六十五条第一項第三号の規定による実地調査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、二十万円以下の罰金に処する。
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して各本条の刑を科する。
次の各号のいずれかに該当する場合は、十万円以下の過料に処する。
第九条 又は第三十二条第四項において準用する土地収用法第九十四条第六項において準用する同法第六十五条第一項第一号の規定により出頭を命じられた者が、正当の事由がなくて出頭せず、陳述せず、又は虚偽の陳述をしたとき。
第九条 又は第三十二条第四項において準用する土地収用法第九十四条第六項において準用する同法第六十五条第一項第一号の規定により資料の提出を命じられた者が、正当の事由がなくて資料を提出せず、又は虚偽の資料を提出したとき。
第九条 又は第三十二条第四項において準用する土地収用法第九十四条第六項において準用する同法第六十五条第一項第二号の規定により出頭を命じられた鑑定人が、正当の事由がなくて出頭せず、又は鑑定をしないとき。