遺失物法

平成十八年法律第七十三号
分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置

    • 第一節 拾得者の義務
    • 第二節 警察署長等の措置
    • 第三節 施設における拾得の場合の特則
  • 第三章 費用及び報労金

  • 第四章 物件の帰属

  • 第五章 雑則

  • 第六章 罰則

制定に関する表明

遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)の全部を改正する。

第一章 総則

1項

この法律は、遺失物、埋蔵物 その他の占有を離れた物の拾得 及び返還に係る手続 その他その取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

1項

この法律において「物件」とは、遺失物 及び埋蔵物 並びに準遺失物(誤って占有した他人の物、他人の置き去った物 及び逸走した家畜をいう。次条において同じ。)をいう。

2項

この法律において「拾得」とは、物件の占有を始めること(埋蔵物 及び他人の置き去った物にあっては、これを発見すること)をいう。

3項

この法律において「拾得者」とは、物件の拾得をした者をいう。

4項

この法律において「遺失者」とは、物件の占有をしていた者(他に所有者 その他の当該物件の回復の請求権を有する者があるときは、その者を含む。)をいう。

5項

この法律において「施設」とは、建築物 その他の施設(車両、船舶、航空機 その他の移動施設を含む。)であって、その管理に当たる者が常駐するものをいう。

6項

この法律において「施設占有者」とは、施設の占有者をいう。

1項

準遺失物については、民法明治二十九年法律第八十九号第二百四十条の規定を準用する。


この場合において、

同条
これを拾得した」とあるのは、
同法第二条第二項に規定する拾得をした」と

読み替えるものとする。

第二章 拾得者の義務及び警察署長等の措置

第一節 拾得者の義務

1項

拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長提出しなければならない。


ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件 及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長提出しなければならない。

2項

施設において物件(埋蔵物を除く第三節において同じ。)の拾得をした拾得者当該施設の施設占有者を除く)は、前項の規定にかかわらず、速やかに、当該物件を当該施設の施設占有者交付しなければならない。

3項

前二項の規定は、動物の愛護及び管理に関する法律昭和四十八年法律第百五号第三十五条第三項に規定する犬 又は猫に該当する物件について同項の規定による引取りの求めを行った拾得者については、適用しない

第二節 警察署長等の措置

1項

警察署長は、前条第一項の規定による提出(以下 この節において単に「提出」という。)を受けたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、拾得者に対し、提出を受けたことを証する書面を交付するものとする。

1項

警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するものとする。

1項

警察署長は、提出を受けた物件の遺失者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。

一 号
物件の種類 及び特徴
二 号
物件の拾得の日時 及び場所
2項

前項の規定による公告(以下 この節において単に「公告」という。)は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示してする。

3項

警察署長は、第一項各号に掲げる事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。

4項

警察署長は、公告をした後においても、物件の遺失者が判明した場合を除き、公告の日から三箇月間埋蔵物にあっては、六箇月間)は、前二項に定める措置を継続しなければならない。

5項

警察署長は、提出を受けた物件が公告をする前に刑事訴訟法昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により押収されたときは、第一項の規定にかかわらず、公告をしないことができる。


この場合において、警察署長は、当該物件の還付を受けたときは、公告をしなければならない。

1項

警視総監 又は道府県警察本部長以下「警察本部長」という。)は、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件が貴重な物件として国家公安委員会規則で定めるものであるときは、次に掲げる事項を他の警察本部長に通報するものとする。

一 号

前条第一項各号に掲げる事項

二 号
公告の日付
三 号

公告に係る警察署の名称 及び所在地

2項

警察本部長は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件 及び他の警察本部長から前項の規定による通報を受けた物件に関する情報を、インターネットの利用 その他の方法により公表するものとする。

1項

警察署長は、提出を受けた物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき 又はその保管に過大な費用 若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。


ただし第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。

2項

警察署長は、前項の規定によるほか、提出を受けた物件(埋蔵物 及び第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く)が次の各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。

一 号

衣類自転車 その他の日常生活の用に供され、かつ、広く販売されている物であって政令で定めるもの

二 号

その保管に不相当な費用 又は手数を要するものとして政令で定める物

3項

前二項の規定による売却(以下 この条 及び次条において単に「売却」という。)に要した費用は、売却による代金から支弁する。

4項

売却をしたときは、物件の保管、返還 及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該物件とみなす。

1項

警察署長は、前条第一項本文 又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、提出を受けた物件について廃棄 その他の処分をすることができる。

一 号

売却につき買受人がないとき。

二 号

売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。

三 号

前条第一項ただし書に該当するとき その他売却をすることができないと認められるとき。

1項

警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。

2項

警察署長は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名 又は名称 及び住所 又は所在地(以下「氏名等」という。)を告知することができる。

3項

警察署長は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。

1項

警察署長は、提出を受けた物件の遺失者への返還のため必要があるときは、公務所 又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

第三節 施設における拾得の場合の特則

1項

第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、速やかに、当該交付を受けた物件を遺失者に返還し、又は警察署長提出しなければならない。


ただし、法令の規定によりその所持が禁止されている物に該当する物件 及び犯罪の犯人が占有していたと認められる物件は、速やかに、これを警察署長提出しなければならない。

2項

前節の規定は、警察署長前項の規定による提出を受けた場合について準用する。


この場合において、

第五条
前条第一項」とあるのは
第十三条第一項」と、

拾得者」とあるのは
「施設占有者」と、

第十一条第二項
拾得者の同意」とあるのは
「拾得者 又は施設占有者の同意」と、

拾得者の氏名」とあるのは
「その同意をした拾得者 又は施設占有者の氏名」と、

同条第三項
拾得者」とあるのは
「拾得者 又は施設占有者」と

読み替えるものとする。

1項

第四条第二項の規定による交付を受けた施設占有者は、拾得者の請求があったときは、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

一 号
物件の種類 及び特徴
二 号
物件の交付を受けた日時
三 号

施設の名称 及び所在地 並びに施設占有者の氏名(法人にあっては、その名称 及び代表者の氏名)

1項

施設占有者は、第四条第二項の規定による交付(以下第三十四条までにおいて単に「交付」という。)を受けた物件については、第十三条第一項の規定により遺失者に返還し、又は警察署長に提出するまでの間、これを善良な管理者の注意をもって取り扱わなければならない。

1項

施設占有者のうち、その施設を不特定かつ多数の者が利用するものは、物件の交付を受け、又は自ら物件の拾得をしたときは、その施設を利用する者の見やすい場所に第七条第一項各号に掲げる事項を掲示しなければならない。

2項

前項施設占有者は、第七条第一項各号に掲げる事項を記載した書面をその管理する場所に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。

1項

前条第一項施設占有者のうち、交付を受け、又は自ら拾得をする物件が多数に上り、かつ、これを適切に保管することができる者として政令で定める者に該当するもの(以下「特例施設占有者」という。)は、交付を受け、又は自ら拾得をした物件(政令で定める高額な物件を除く)を第四条第一項本文 又は第十三条第一項本文の規定により遺失者に返還することができない場合において、交付 又は拾得の日から二週間以内に、国家公安委員会規則で定めるところにより当該物件に関する事項を警察署長に届け出たときは、第四条第一項本文 又は第十三条第一項本文の規定による提出をしないことができる。


この場合において、特例施設占有者は、善良な管理者の注意をもって当該物件を保管しなければならない。

1項

第七条第八条 及び第十二条の規定は、警察署長前条前段の規定による届出を受けた場合について準用する。


この場合において、

第七条第一項 及び第五項 並びに第十二条
提出を受けた」とあるのは
第十七条前段の規定による届出を受けた」と、

第七条第一項第二号
場所」とあるのは
「場所 並びに第十七条後段の規定により当該物件を保管する特例施設占有者の氏名 又は名称 及び当該保管の場所」と

読み替えるものとする。

1項

特例施設占有者は、第十七条後段の規定により保管する物件(以下「保管物件」という。)を遺失者に返還するものとする。

1項

特例施設占有者は、保管物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき 又はその保管に過大な費用 若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。


ただし第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。

2項

特例施設占有者は、前項の規定によるほか、保管物件(第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く)が第九条第二項各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。

3項

特例施設占有者は、前二項の規定による売却(以下 この条 及び次条第一項において単に「売却」という。)をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。

4項

売却に要した費用は、売却による代金から支弁する。

5項

売却をしたときは、物件の保管、返還 及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該保管物件とみなす。

1項

特例施設占有者は、前条第一項本文 又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、保管物件について廃棄 その他の処分をすることができる。

一 号

売却につき買受人がないとき。

二 号

売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。

三 号

前条第一項ただし書に該当するとき その他売却をすることができないと認められるとき。

2項

特例施設占有者は、前項第一号除く)の規定による処分をしようとするときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を警察署長に届け出なければならない。

1項

特例施設占有者は、保管物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該保管物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。

2項

特例施設占有者は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名等を告知することができる。

3項

特例施設占有者は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。

1項

特例施設占有者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、帳簿を備え、保管物件に関し国家公安委員会規則で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

1項

第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者は、特例施設占有者でなくなったときは、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、保管物件を警察署長提出しなければならない。

2項

第十七条後段の規定により物件を保管する特例施設占有者次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、前条の帳簿の写しを添付して、当該特例施設占有者第十七条後段の規定により保管していた物件を警察署長提出しなければならない。


ただし第三号に掲げる場合において、同号に規定する合併後存続し、又は合併により設立された法人が引き続き特例施設占有者であるときは、この限りでない。

一 号

死亡した場合

同居の親族 又は法定代理人

二 号

法人が合併以外の事由により解散した場合

清算人 又は破産管財人

三 号

法人が合併により消滅した場合

合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者

1項

都道府県公安委員会以下「公安委員会」という。)は、この法律の施行に必要な限度において、施設占有者に対し、その交付を受け、又は自ら拾得をした物件に関し、報告 又は資料の提出を求めることができる。

2項

公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、特例施設占有者に対し、保管物件に関し報告 若しくは資料の提出を求め、又は保管物件の提示を求めることができる。

1項

公安委員会は、施設占有者 若しくは特例施設占有者 又はその代理人、使用人 その他の従業者(次項において「代理人等」という。)が第十三条第一項第十九条第二十二条第一項第二十三条 又は第三十七条第三項の規定に違反した場合において、遺失者 又は拾得者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その利益を保護するため必要な限度において、当該施設占有者 又は特例施設占有者に対し、必要な指示をすることができる。

2項

特例施設占有者 又はその代理人等が、第二十条第一項から第三項まで 又は第二十一条の規定に違反して、保管物件の売却 若しくは処分をし、又はしようとしたときも、前項と同様とする。

第三章 費用及び報労金

1項

物件の提出、交付 及び保管に要した費用(誤って他人の物を占有した者が要した費用を除く)は、当該物件の返還を受ける遺失者 又は民法第二百四十条第三条において準用する場合を含む。以下同じ。)若しくは第二百四十一条の規定 若しくは第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得してこれを引き取る者の負担とする。

2項

前項の費用については、民法第二百九十五条から第三百二条までの規定を適用する。

1項

物件(誤って占有した他人の物を除く)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項 若しくは第二項 又は第二十条第一項 若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上 百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。

2項

前項遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず拾得者 及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。

3項

地方公共団体独立行政法人独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、地方独立行政法人地方独立行政法人法平成十五年法律第百十八号第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)その他の公法人は、前二項の報労金を請求することができない

1項

第二十七条第一項の費用 及び前条第一項 又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない

1項

拾得者民法第二百四十一条ただし書に規定する他人を含む。)は、あらかじめ警察署長第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)に申告して物件に関する一切の権利を放棄し、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。

1項

遺失者は、物件についてその有する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務 及び第二十八条第一項 又は第二項の報労金を支払う義務を免れることができる。

1項

すべての遺失者が物件についてその有する権利を放棄したときは、拾得者が当該物件の所有権を取得する。


ただし民法第二百四十一条ただし書に規定する埋蔵物については、同条ただし書の規定の例による。

2項

前項の規定により物件の所有権を取得する者は、その取得する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。

1項

第四条第二項に規定する拾得者が、その交付をした物件について第三十条 若しくは前条第二項の規定により権利を放棄したとき 又は次条第三号に該当して同条の規定により権利を失ったときは、当該交付を受けた施設占有者拾得者とみなして、民法第二百四十条の規定 並びに第三十条 並びに前条第一項本文 及び第二項の規定を適用する。


この場合において、

第三十条
警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)」とあるのは、
「警察署長」と

する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、その拾得をし、又は交付を受けた物件について、第二十七条第一項の費用 及び第二十八条第一項 又は第二項の報労金を請求する権利 並びに民法第二百四十条 若しくは第二百四十一条の規定 又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利を失う。

一 号

拾得をした物件 又は交付を受けた物件を横領したことにより処罰された者

二 号

拾得の日から一週間以内第四条第一項の規定による提出をしなかった拾得者同条第二項に規定する拾得者 及び自ら拾得をした施設占有者除く

三 号

拾得の時から二十四時間以内に交付をしなかった第四条第二項に規定する拾得者

四 号

交付を受け、又は自ら拾得をした日から一週間以内第四条第一項 又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった施設占有者特例施設占有者除く

五 号

交付を受け、又は自ら拾得をした日から二週間以内第四条第一項ただし書 及び第十三条第一項ただし書に規定する物件 並びに第十七条前段の政令で定める高額な物件にあっては、一週間以内)に第四条第一項 又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった特例施設占有者第十七条前段の規定によりその提出をしないことができる場合を除く

第四章 物件の帰属

1項

次の各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、民法第二百四十条 若しくは第二百四十一条の規定 又は第三十二条第一項の規定にかかわらず、所有権を取得することができない

一 号

法令の規定によりその所持が禁止されている物(法令の規定による許可 その他の処分により所持することができる物であって政令で定めるものを除く

二 号

個人の身分 若しくは地位 又は個人の一身に専属する権利を証する文書、図画 又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。

三 号

個人の秘密に属する事項が記録された文書、図画 又は電磁的記録

四 号

遺失者 又はその関係者と認められる個人の住所 又は連絡先が記録された文書、図画 又は電磁的記録

五 号

個人情報データベース等(個人情報の保護に関する法律平成十五年法律第五十七号第十六条第一項に規定する個人情報データベース等をいう。)が記録された文書、図画 又は電磁的記録(広く一般に流通している文書、図画 及び電磁的記録を除く

1項

民法第二百四十条 若しくは第二百四十一条の規定 又は第三十二条第一項の規定により物件の所有権を取得した者は、当該取得の日から二箇月以内に当該物件を警察署長 又は特例施設占有者から引き取らないときは、その所有権を失う。

1項

物件(第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画 又は電磁的記録に該当する物件を除く)について、すべての遺失者がその有する権利を放棄した場合 又は第七条第一項第十八条において準用する場合を含む。)の規定による公告をした後三箇月以内埋蔵物にあっては、六箇月以内次項において同じ。)に遺失者が判明しない場合において、民法第二百四十条 若しくは第二百四十一条の規定 又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する者がないとき(その者のすべてが前条の規定によりその所有権を失ったときを含む。)は、当該物件の所有権は、次の各号に掲げる当該物件を保管する者の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者に帰属する。

一 号

警察署長

当該警察署の属する都道府県第三十五条第一号に掲げる物に該当する物件にあっては、

二 号

特例施設占有者

当該特例施設占有者

2項

警察署長は、第四条第一項 又は第十三条第一項の規定による提出を受けた物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画 又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき 又は第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。

3項

特例施設占有者は、保管物件のうち、第三十五条第二号から第五号までに掲げる文書、図画 又は電磁的記録に該当するものについて、すべての遺失者がその有する権利を放棄したとき 又は第十八条において準用する第七条第一項の規定による公告をした後三箇月以内遺失者が判明しないときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、速やかにこれを廃棄しなければならない。

第五章 雑則

1項

この法律の規定により道公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。

1項

この法律の規定に基づき政令 又は国家公安委員会規則を制定し、又は改廃する場合においては、政令 又は国家公安委員会規則で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

1項

この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続 その他この法律の施行に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第六章 罰則

1項

第二十六条の規定による指示に違反した者は、六月以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 号

第十四条の規定に違反して、書面を交付せず、又は虚偽の記載をした書面を交付した者

二 号

第二十条第三項 又は第二十一条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして売却 又は処分をした者

三 号

第二十三条の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者

四 号

第二十四条第一項の規定に違反して保管物件を提出しなかった者

五 号

第二十五条第一項の規定に違反して、報告 若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告 若しくは虚偽の資料の提出をした者

六 号

第二十五条第二項の規定に違反して、報告 若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告 若しくは虚偽の資料の提出をし、又は保管物件の提示を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

七 号

第三十七条第三項の規定に違反した者

1項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

1項

第二十四条第二項の規定に違反して物件を提出しなかった者は、二十万円以下の過料に処する。