次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
国税徴収法
第一節 財産の差押
⤏ 第一款 通則
滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。
納税者が国税通則法第三十七条第一項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
国税の納期限後 前項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第三十八条第一項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
第二次納税義務者 又は保証人について第一項の規定を適用する場合には、
同項中
「督促状」とあるのは、
「納付催告書」と
する。
国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない。
差し押えることができる財産の価額がその差押に係る滞納処分費 及び徴収すべき国税に先だつ他の国税、地方税 その他の債権の金額の合計額をこえる見込がないときは、その財産は、差し押えることができない。
徴収職員は、滞納者(譲渡担保権者を含む。第七十五条、第七十六条 及び第七十八条(差押禁止財産)を除き、以下同じ。)の財産を差し押えるに当つては、滞納処分の執行に支障がない限り、その財産につき第三者が有する権利を害さないように努めなければならない。
質権、抵当権、先取特権(第十九条第一項各号(不動産保存の先取特権等)又は第二十条第一項各号(不動産賃貸の先取特権等)に掲げる先取特権に限る。この項を除き、以下同じ。)、留置権、賃借権 その他第三者の権利(これらの先取特権以外の先取特権を除く。以下同じ。)の目的となつている財産が差し押えられた場合には、その第三者は、税務署長に対し、滞納者が他に換価の容易な財産で他の第三者の権利の目的となつていないものを有し、かつ、その財産によりその滞納者の国税の全額を徴収することができることを理由として、その財産の公売公告の日(随意契約による売却をする場合には、その売却の日)までに、その差押換を請求することができる。
税務署長は、前項の請求があつた場合において、その請求を相当と認めるときは、その差押換をしなければならないものとし、その請求を相当と認めないときは、その旨をその第三者に通知しなければならない。
前項の通知があつた場合において、その通知を受けた第三者が、その通知を受けた日から起算して七日を経過した日までに、第一項の規定により差し押えるべきことを請求した財産の換価をすべきことを申し立てたときは、その財産が換価の著しく困難なものであり、又は他の第三者の権利の目的となつているものであるときを除き、これを差し押え、かつ、換価に付した後でなければ、同項に規定する第三者の権利の目的となつている財産を換価することができない。
税務署長は、前項の場合において、同項の申立があつた日から二月以内にその申立に係る財産を差し押え、かつ、換価に付さないときは、第一項に規定する第三者の権利の目的となつている財産の差押を解除しなければならない。
ただし、国税に関する法律の規定で換価をすることができないこととするものの適用があるときは、この限りでない。
第二項 又は前項の差押は、国税に関する法律の規定で新たに滞納処分の執行をすることができないこととするものにかかわらず、することができる。
税務署長は、前項の請求があつた場合において、その請求を相当と認めるときは、その差押換をしなければならないものとし、その請求を相当と認めないときは、その旨を当該相続人に通知しなければならない。
この場合においては、前条第五項の規定を準用する。
差押の効力は、差し押えた財産(以下「差押財産」という。)から生ずる天然果実に及ぶ。
ただし、滞納者 又は第三者が差押財産の使用 又は収益をすることができる場合には、その財産から生ずる天然果実(その財産の換価による権利の移転の時までに収取されない天然果実を除く。)については、この限りでない。
差押の効力は、差押財産から生ずる法定果実に及ばない。
ただし、債権を差し押えた場合における差押後の利息については、この限りでない。
仮登記担保契約に関する法律第十五条(強制競売等の場合の担保仮登記)(同法第二十条(土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)の規定は、担保のための仮登記がある財産が差し押さえられた場合について準用する。
この場合において、
同法第十五条中
「その決定」とあるのは
「その差押え」と、
「申立てに基づく」とあるのは
「ものである」と
読み替えるものとする。
差押財産が損害保険に付され、又は中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の七の二第一項(火災共済事業)の規定による共済 その他法律の規定による共済でこれに類するものの目的となつているときは、その差押えの効力は、保険金 又は共済金の支払を受ける権利に及ぶ。
ただし、財産を差し押さえた旨を保険者 又は共済事業者に通知しなければ、その差押えをもつてこれらの者に対抗することができない。
徴収職員が差押に係る前項の保険金 又は共済金の支払を受けた場合において、その財産がその保険 又は共済に係る事故が生じた時に先取特権、質権 又は抵当権の目的となつていたときは、その先取特権者、質権者 又は抵当権者は、民法第三百四条第一項ただし書(先取特権の物上代位)その他これらの権利の行使のためその保険金 又は共済金の支払を受ける権利をその支払前に差し押えることを必要とする規定の適用については、その支払前にその差押をしたものとみなす。
徴収職員は、滞納者の財産を差し押さえたときは、差押調書を作成し、その財産が次に掲げる財産であるときは、その謄本を滞納者に交付しなければならない。
債権(電話加入権、賃借権、第七十三条の二(振替社債等の差押え)の規定の適用を受ける財産 その他取り立てることができない債権を除く。以下この章において同じ。)
第七十三条(電話加入権等の差押え)又は第七十三条の二(振替社債等の差押え)の規定の適用を受ける財産
次の各号に掲げる財産を差し押さえたときは、税務署長は、当該各号に掲げる者のうち知れている者に対し、その旨 その他必要な事項を通知しなければならない。
質権、抵当権、先取特権、留置権、賃借権 その他の第三者の権利(担保のための仮登記に係る権利を除く。)の目的となつている財産
これらの権利を有する者
仮登記がある財産
仮登記の権利者
仮差押え 又は仮処分がされている財産
仮差押え 又は仮処分をした保全執行裁判所 又は執行官
⤏ 第二款 動産又は有価証券の差押
前項の差押の効力は、徴収職員がその財産を占有した時に生ずる。
徴収職員が金銭を差し押えたときは、その限度において、滞納者から差押に係る国税を徴収したものとみなす。
徴収職員が前項の規定により金銭を取り立てたときは、その限度において、滞納者から差押に係る国税を徴収したものとみなす。
滞納者の動産 又は有価証券でその親族 その他の特殊関係者以外の第三者が占有しているものは、その第三者が引渡を拒むときは、差し押えることができない。
前項の動産 又は有価証券がある場合において、同項の第三者がその引渡を拒むときは、滞納者が他に換価が容易であり、かつ、その滞納に係る国税の全額を徴収することができる財産を有しないと認められるときに限り、税務署長は、同項の第三者に対し、期限を指定して、当該動産 又は有価証券を徴収職員に引き渡すべきことを書面により命ずることができる。
この場合において、その命令をした税務署長は、その旨を滞納者に通知しなければならない。
前項の命令に係る動産 若しくは有価証券が徴収職員に引き渡されたとき、又は同項の命令を受けた第三者が指定された期限までに徴収職員にその引渡をしないときは、徴収職員は、第一項の規定にかかわらず、その動産 又は有価証券を差し押えることができる。
前条第二項の規定により動産の引渡を命ぜられた第三者が、滞納者との契約による賃借権、使用貸借権 その他動産の使用 又は収益をする権利に基きその命令に係る動産を占有している場合において、その引渡をすることにより占有の目的を達することができなくなるときは、その第三者は、その占有の基礎となつている契約を解除することができる。
この場合において、その第三者は、当該契約の解除により滞納者に対して取得する損害賠償請求権については、その動産の売却代金の残余のうちから配当を受けることができる。
徴収職員は、前条第二項の規定により動産の引渡を命ぜられた第三者の請求がある場合には、その第三者が前項前段の規定により契約を解除したときを除き、その動産の占有の基礎となつている契約の期間内(その期限がその動産を差し押えた日から三月を経過した日より遅いときは、その日まで)は、その第三者にその使用 又は収益をさせなければならない。
前条第二項の規定により動産の引渡を命ぜられた第三者が賃貸借契約に基きこれを占有している場合において、第一項前段の規定によりその契約を解除し、かつ、前条第二項の命令があつた時前にその後の期間分の借賃を支払つているときは、その第三者は、税務署長に対し、その動産の売却代金のうちから、その借賃に相当する金額で同条第三項の規定による差押の日後の期間に係るもの(その金額が三月分に相当する金額をこえるときは、当該金額)の配当を請求することができる。
この場合において、その請求があつた金額は、第八条(国税優先の原則)の規定にかかわらず、その滞納処分に係る滞納処分費に次ぎ、かつ、その動産上の留置権により担保されていた債権に次ぐものとして、配当することができる。
前三項の規定は、前条第一項に規定する動産の引渡を拒まなかつた同項に規定する第三者について準用する。
徴収職員は、必要があると認めるときは、差し押えた動産 又は有価証券を滞納者 又はその財産を占有する第三者に保管させることができる。
ただし、その第三者に保管させる場合には、その運搬が困難であるときを除き、その者の同意を受けなければならない。
前項の規定により滞納者 又は第三者に保管させたときは、第五十六条第二項(動産等の差押の効力発生時期)の規定にかかわらず、封印、公示書 その他差押を明白にする方法により差し押えた旨を表示した時に、差押の効力が生ずる。
徴収職員は、前条第一項の規定により滞納者に差し押えた動産を保管させる場合において、国税の徴収上支障がないと認めるときは、その使用 又は収益を許可することができる。
前項の規定は、差し押えた動産につき使用 又は収益をする権利を有する第三者にその動産を保管させる場合について準用する。
⤏ 第三款 債権の差押
債権(電子記録債権法第二条第一項(定義)に規定する電子記録債権(次条において「電子記録債権」という。)を除く。以下この条において同じ。)の差押えは、第三債務者に対する債権差押通知書の送達により行う。
第一項の差押の効力は、債権差押通知書が第三債務者に送達された時に生ずる。
税務署長は、債権でその移転につき登録を要するものを差し押えたときは、差押の登録を関係機関に嘱託しなければならない。
電子記録債権の差押えは、第三債務者 及び当該電子記録債権の電子記録をしている電子債権記録機関(電子記録債権法第二条第二項(定義)に規定する電子債権記録機関をいう。以下この条において同じ。)に対する債権差押通知書の送達により行う。
第一項の差押えの効力は、債権差押通知書が電子債権記録機関に送達された時に生ずる。
ただし、第三債務者に対する同項の差押えの効力は、債権差押通知書が第三債務者に送達された時に生ずる。
徴収職員は、債権を差し押えるときは、その全額を差し押えなければならない。
ただし、その全額を差し押える必要がないと認めるときは、その一部を差し押えることができる。
抵当権 又は登記することができる質権 若しくは先取特権によつて担保される債権を差し押えたときは、税務署長は、その債権の差押の登記を関係機関に嘱託することができる。
この場合において、その嘱託をした税務署長は、その抵当権 若しくは質権が設定されている財産 又は先取特権がある財産の権利者(第三債務者を除く。)に差し押えた旨を通知しなければならない。
徴収職員は、債権の差押のため必要があるときは、その債権に関する証書を取り上げることができる。
この場合においては、第五十六条第一項(動産等の差押手続)及び第五十八条(第三者が占有する動産等の差押手続)の規定を準用する。
徴収職員は、前項の規定により取り立てたものが金銭以外のものであるときは、これを差し押えなければならない。
徴収職員が第一項の規定により金銭を取り立てたときは、その限度において、滞納者から差押に係る国税を徴収したものとみなす。
国税通則法第五十五条第一項から第三項まで(納付委託)の規定は、第一項の取立をする場合において、第三債務者が徴収職員に対し、その債権の弁済の委託をしようとするときに準用する。
ただし、その証券の取り立てるべき期限が差し押えた債権の弁済期後となるときは、第三債務者は、滞納者の承認を受けなければならない。
⤏ 第四款 不動産等の差押
不動産(地上権 その他不動産を目的とする物権(所有権を除く。)、工場財団、鉱業権 その他不動産とみなされ、又は不動産に関する規定の準用がある財産 並びに鉄道財団、軌道財団 及び運河財団を含む。以下同じ。)の差押は、滞納者に対する差押書の送達により行う。
前項の差押の効力は、その差押書が滞納者に送達された時に生ずる。
税務署長は、不動産を差し押えたときは、差押の登記を関係機関に嘱託しなければならない。
前項の差押の登記が差押書の送達前にされた場合には、第二項の規定にかかわらず、その差押の登記がされた時に差押の効力が生ずる。
鉱業権の差押の効力は、第二項 及び前項の規定にかかわらず、差押の登録がされた時に生ずる。
滞納者は、差し押えられた不動産につき、通常の用法に従い、使用 又は収益をすることができる。
ただし、税務署長は、不動産の価値が著しく減耗する行為がされると認められるときに限り、その使用 又は収益を制限することができる。
前項の規定は、差し押えられた不動産につき使用 又は収益をする権利を有する第三者について準用する。
登記される船舶(以下「船舶」という。)又は航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)の規定により登録を受けた飛行機 若しくは回転翼航空機(以下「航空機」という。)の差押えについては、第六十八条第一項から第四項まで(不動産の差押えの手続 及び効力発生時期)の規定を準用する。
税務署長は、滞納処分のため必要があるときは、船舶 又は航空機を一時停泊させることができる。
ただし、航行中の船舶 又は航空機については、この限りでない。
前項の処分が差押書の送達前にされた場合には、第一項において準用する第六十八条第二項の規定にかかわらず、その処分をした時に差押えの効力が生ずる。
税務署長は、停泊中の船舶 若しくは航空機を差し押さえた場合 又は第二項の規定により船舶 若しくは航空機を停泊させた場合において、営業上の必要 その他相当の理由があるときは、滞納者 並びにこれらにつき交付要求をした者 及び抵当権 その他の権利を有する者の申立てにより、航行を許可することができる。
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)の規定により登録を受けた自動車(以下「自動車」という。)、建設機械抵当法(昭和二十九年法律第九十七号)の規定により登記を受けた建設機械(以下「建設機械」という。)又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)の規定により登録を受けた小型船舶(以下「小型船舶」という。)の差押えについては、第六十八条第一項から第四項まで(不動産の差押えの手続 及び効力発生時期)の規定を準用する。
前条第三項 及び第四項の規定は、自動車、建設機械 又は小型船舶の差押えについて準用する。
第五十六条第一項(動産等の差押手続)、第五十八条(第三者が占有する動産等の差押手続)及び第五十九条(引渡命令を受けた第三者等の権利の保護)の規定は、前項の規定により徴収職員に自動車、建設機械 又は小型船舶を占有させる場合について準用する。
徴収職員は、第三項の規定により占有する自動車、建設機械 又は小型船舶を滞納者 又はこれらを占有する第三者に保管させることができる。
この場合においては、封印 その他の公示方法によりその自動車、建設機械 又は小型船舶が徴収職員の占有に係る旨を明らかにしなければならないものとし、また、次項の規定により自動車の運行、建設機械の使用 又は小型船舶の航行を許可する場合を除き、これらの運行、使用 又は航行をさせないための適当な措置を講じなければならない。
徴収職員は、第三項 又は前項の規定により占有し、又は保管させた自動車、建設機械 又は小型船舶につき営業上の必要 その他相当の理由があるときは、滞納者 並びにこれらにつき交付要求をした者 及び抵当権 その他の権利を有する者の申立てにより、その運行、使用 又は航行を許可することができる。
⤏ 第五款 無体財産権等の差押
前三款の規定の適用を受けない財産(以下「無体財産権等」という。)のうち特許権、著作権 その他第三債務者等がない財産の差押えは、滞納者に対する差押書の送達により行う。
前項の差押えの効力は、その差押書が滞納者に送達された時に生ずる。
税務署長は、無体財産権等でその権利の移転につき登記を要するものを差し押さえたときは、差押えの登記を関係機関に嘱託しなければならない。
前項の差押えの登記が差押書の送達前にされた場合には、第二項の規定にかかわらず、その差押えの登記がされた時に差押えの効力が生ずる。
特許権、実用新案権 その他の権利でその処分の制限につき登記をしなければ効力が生じないものとされているものの差押えの効力は、第二項 及び前項の規定にかかわらず、差押えの登記がされた時に生ずる。
無体財産権等のうち電話加入権、合名会社の社員の持分 その他第三債務者等がある財産(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第一項(定義)に規定する社債等のうちその権利の帰属が振替口座簿の記載 又は記録により定まるものとされるもの(次条において「振替社債等」という。)を除く。)の差押えは、第三債務者等に対する差押通知書の送達により行う。
前条第三項 及び第四項の規定は、第一項に規定する財産でその権利の移転につき登記を要するもの(次項に規定するものを除く。)の差押について準用する。
この場合において、
同条第四項中
「差押書」とあるのは、
「差押通知書」と
読み替えるものとする。
前条第五項の規定は、特許権についての専用実施権 その他の権利でその処分の制限につき登記をしなければ効力が生じないものとされているものの差押えについて準用する。
第六十五条(債権証書の取上げ)及び第六十七条(差し押えた債権の取立)の規定は、第一項に規定する財産について準用する。
振替社債等の差押えは、振替社債等の発行者(以下この項 及び次項において「発行者」という。)及び滞納者がその口座の開設を受けている社債、株式等の振替に関する法律第二条第五項(定義)に規定する振替機関等(滞納者が次の各号に掲げる請求をし、当該各号に定める買取口座に当該請求に係る振替社債等についての記載 又は記録がされている場合であつて、当該請求に係る振替社債等を差し押さえるときは、発行者が当該買取口座の開設を受けている当該振替機関等。以下この条において「振替機関等」という。)に対する差押通知書の送達により行う。
社債、株式等の振替に関する法律第百五十五条第一項(株式買取請求に関する会社法の特例)(社債、株式等の振替に関する法律第二百二十八条第一項(投資口に関する株式に係る規定の準用)及び第二百三十九条第一項(優先出資に関する株式に係る規定の準用)において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に規定する株式買取請求、投資口買取請求 又は優先出資買取請求
同法第百五十五条第一項に規定する買取口座
社債、株式等の振替に関する法律第百八十三条第一項(新株予約権買取請求に関する会社法の特例)(社債、株式等の振替に関する法律第二百四十七条の三第一項(新投資口予約権に関する新株予約権に係る規定の準用)において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に規定する新株予約権買取請求 又は新投資口予約権買取請求
同法第百八十三条第一項に規定する買取口座
社債、株式等の振替に関する法律第二百十五条第一項(新株予約権付社債買取請求に関する会社法の特例)に規定する新株予約権付社債買取請求
同項に規定する買取口座
社債、株式等の振替に関する法律第二百五十九条第一項(金融機関の合併における株式買取請求に関する合併転換法の特例等)に規定する株式買取請求
同項に規定する買取口座
社債、株式等の振替に関する法律第二百六十条第一項(金融機関の合併における新株予約権買取請求に関する合併転換法の特例等)に規定する新株予約権買取請求
同項に規定する買取口座
社債、株式等の振替に関する法律第二百六十六条第一項(保険会社の合併における株式買取請求に関する保険業法の特例等)に規定する株式買取請求
同項に規定する買取口座
社債、株式等の振替に関する法律第二百六十七条第一項(保険会社の合併における新株予約権買取請求に関する保険業法の特例等)に規定する新株予約権買取請求
同項に規定する買取口座
社債、株式等の振替に関する法律第二百七十三条第一項(金融商品取引所の合併における株式買取請求に関する金融商品取引法の特例等)に規定する株式買取請求
同項に規定する買取口座
社債、株式等の振替に関する法律第二百七十四条第一項(金融商品取引所の合併における新株予約権買取請求に関する金融商品取引法の特例等)に規定する新株予約権買取請求
同項に規定する買取口座
徴収職員は、振替社債等を差し押さえるときは、発行者に対しその履行を、振替機関等に対し振替社債等の振替 又は抹消を、滞納者に対し振替社債等の取立てその他の処分 又は振替 若しくは抹消の申請を禁じなければならない。
第一項の差押えの効力は、その差押通知書が振替機関等に送達された時に生ずる。
第六十七条(差し押さえた債権の取立て)の規定は、振替社債等について準用する。
税務署長は、中小企業等協同組合法に基づく企業組合、信用金庫 その他の法人で組合員、会員 その他の持分を有する構成員が任意に(脱退につき予告 その他一定の手続を要する場合には、これをした後任意に)脱退することができるもの(合名会社、合資会社 及び合同会社を除く。以下この条において「組合等」という。)の組合員、会員 その他の構成員である滞納者の持分を差し押さえた場合において、当該持分につき次に掲げる理由があり、かつ、その持分以外の財産につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足すると認められるときは、その組合等に対し、その持分の一部の払戻し(組合等による譲受けが認められている持分については、譲受け)を請求することができる。
前項に規定する請求は、三十日(組合等からの脱退につき、法律 又は定款の定めにより、これと異なる一定期間前に組合等に予告することを必要とするものにあつては、その期間)前に組合等にその予告をした後でなければ、行うことができない。
⤏ 第六款 差押禁止財産
次に掲げる財産は、差し押えることができない。
滞納者 及びその者と生計を一にする配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係にある者を含む。)その他の親族(以下「生計を一にする親族」という。)の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳 及び建具
滞納者 及びその者と生計を一にする親族の生活に必要な三月間の食料 及び燃料
主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜 及びその飼料 並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子 その他これに類する農産物
技術者、職人、労務者 その他の主として自己の知的 又は肉体的な労働により職業 又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具 その他の物(商品を除く。)
前項第一号(畳 及び建具に係る部分に限る。)及び第十三号の規定は、これらの規定に規定する財産をその建物 その他の工作物とともに差し押えるときは、適用しない。
給料、賃金、俸給、歳費、退職年金 及びこれらの性質を有する給与に係る債権(以下「給料等」という。)については、次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押えることができない。
この場合において、滞納者が同一の期間につき二以上の給料等の支払を受けるときは、その合計額につき、第四号 又は第五号に掲げる金額に係る限度を計算するものとする。
所得税法第百八十三条(給与所得に係る源泉徴収義務)、第百九十条(年末調整)、第百九十二条(年末調整に係る不足額の徴収)又は第二百十二条(非居住者等の所得に係る源泉徴収義務)の規定によりその給料等につき徴収される所得税に相当する金額
地方税法第三百二十一条の三(個人の市町村民税の特別徴収)その他の法令の規定によりその給料等につき特別徴収の方法によつて徴収される道府県民税 及び市町村民税 並びに森林環境税に相当する金額
健康保険法(大正十一年法律第七十号)第百六十七条第一項(報酬からの保険料の控除)その他の法令の規定によりその給料等から控除される社会保険料(所得税法第七十四条第二項(社会保険料控除)に規定する社会保険料をいう。)に相当する金額
滞納者(その者と生計を一にする親族を含む。)に対し、これらの者が所得を有しないものとして、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第十二条(生活扶助)に規定する生活扶助の給付を行うこととした場合におけるその扶助の基準となる金額で給料等の支給の基礎となつた期間に応ずるものを勘案して政令で定める金額
その給料等の金額から前各号に掲げる金額の合計額を控除した金額の百分の二十に相当する金額(その金額が前号に掲げる金額の二倍に相当する金額をこえるときは、当該金額)
給料等に基き支払を受けた金銭は、前項第四号 及び第五号に掲げる金額の合計額に、その給料等の支給の基礎となつた期間の日数のうちに差押の日から次の支払日までの日数の占める割合を乗じて計算した金額を限度として、差し押えることができない。
賞与 及びその性質を有する給与に係る債権については、その支払を受けるべき時における給料等とみなして、第一項の規定を適用する。
この場合において、同項第四号 又は第五号に掲げる金額に係る限度の計算については、その支給の基礎となつた期間が一月であるものとみなす。
退職手当 及びその性質を有する給与に係る債権(以下「退職手当等」という。)については、次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押えることができない。
所得税法第百九十九条(退職所得に係る源泉徴収義務)又は第二百十二条の規定によりその退職手当等につき徴収される所得税に相当する金額
第一項第二号 及び第三号中「給料等」とあるのを「退職手当等」として、これらの規定を適用して算定した金額
第一項第四号に掲げる金額で同号に規定する期間を一月として算定したものの三倍に相当する金額
退職手当等の支給の基礎となつた期間が五年をこえる場合には、そのこえる年数一年につき前号に掲げる金額の百分の二十に相当する金額
第一項、第二項 及び前項の規定は、滞納者の承諾があるときは適用しない。
社会保険制度に基づき支給される退職年金、老齢年金、普通恩給、休業手当金 及びこれらの性質を有する給付(確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)第三十八条第一項(老齢給付金の支給方法)の規定に基づいて支給される年金、確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第三十五条第一項(老齢給付金の支給方法)(同法第七十三条(企業型年金に係る規定の準用)において準用する場合を含む。)の規定に基づいて支給される年金 その他政令で定める退職年金を含む。)に係る債権は給料等と、退職一時金、一時恩給 及びこれらの性質を有する給付(確定給付企業年金法第三十八条第二項の規定に基づいて支給される一時金 及び同法第四十二条(脱退一時金の支給方法)の規定に基づいて支給される脱退一時金、確定拠出年金法第三十五条第二項(同法第七十三条において準用する場合を含む。)の規定に基づいて支給される一時金 その他政令で定める退職一時金を含む。)に係る債権は退職手当等とそれぞれみなして、前条の規定を適用する。
前項に規定する社会保険制度とは、次に掲げる法律に基づく保険、共済 又は恩給に関する制度 その他政令で定めるこれらに類する制度をいう。
厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)
船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)
恩給法(大正十二年法律第四十八号)(他の法律において準用する場合を含む。)
国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)
地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)
私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)
次に掲げる財産(第七十五条第一項第三号から第五号まで(農業等に欠くことができない財産)に掲げる財産を除く。)は、滞納者がその国税の全額を徴収することができる財産で、換価が困難でなく、かつ、第三者の権利の目的となつていないものを提供したときは、その選択により、差押をしないものとする。
職業 又は事業(前二号に規定する事業を除く。)の継続に必要な機械、器具 その他の備品 及び原材料 その他たな卸をすべき資産
⤏ 第七款 差押の解除
徴収職員は、次の各号のいずれかに該当するときは、差押えを解除しなければならない。
徴収職員は、次の各号のいずれかに該当するときは、差押財産の全部 又は一部について、その差押えを解除することができる。
差押財産について、三回公売に付しても入札 又は競り売りに係る買受けの申込み(以下「入札等」という。)がなかつた場合において、その差押財産の形状、用途、法令による利用の規制 その他の事情を考慮して、更に公売に付しても買受人がないと認められ、かつ、随意契約による売却の見込みがないと認められるとき。
差押の解除は、その旨を滞納者に通知することによつて行う。
ただし、債権 及び第三債務者等のある無体財産権等の差押の解除は、その旨を第三債務者等に通知することによつて行う。
徴収職員は、次の各号に掲げる財産の差押を解除したときは、当該各号に掲げる手続をしなければならない。
ただし、第一号に規定する除去は、滞納者 又はその財産を占有する第三者に行わせることができる。
税務署長は、不動産 その他差押の登記をした財産の差押を解除したときは、その登記のまつ消を関係機関に嘱託しなければならない。
第二項第一号の動産 又は有価証券の引渡は、滞納者に対し、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に掲げる場所において行わなければならない。
ただし、差押の時に滞納者以外の第三者が占有していたものについては、滞納者に対し引渡をすべき旨の第三者の申出がない限り、その第三者に引き渡さなければならない。
前条第一項各号 又は同条第二項第一号の規定に該当する場合のうち、更正の取消 その他国の責に帰すべき理由による場合 差押の時に存在した場所
第二項第一号 及び前項の規定は、債権 又は自動車、建設機械 若しくは小型船舶の差押えを解除した場合において、第六十五条(債権証書の取上げ)(第七十三条第五項(権利証書の取上げ)の規定により準用する場合を含む。)の規定により取り上げた証書 又は第七十一条第三項(差し押さえた自動車等の占有)の規定により徴収職員が占有した自動車、建設機械 若しくは小型船舶があるときについて準用する。
税務署長は、差押を解除した場合において、第五十五条各号(質権者等に対する差押の通知)に掲げる者のうち知れている者 及び交付要求をしている者があるときは、これらの者にその旨 その他必要な事項を通知しなければならない。