この法律は、民間の資金、経営能力 及び技術的能力を活用した公共施設等の整備等の促進を図るための措置を講ずること等により、効率的かつ効果的に社会資本を整備するとともに、国民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保し、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律
第一章 総則
この法律において「公共施設等」とは、次に掲げる施設(設備を含む。)をいう。
情報通信施設、熱供給施設、新エネルギー施設、リサイクル施設(廃棄物処理施設を除く。)、観光施設 及び研究施設
船舶、航空機 その他の輸送施設 及び人工衛星(これらの施設の運行に必要な施設を含む。)
前各号に掲げる施設に準ずる施設として政令で定めるもの
この法律において「特定事業」とは、公共施設等の整備等(公共施設等の建設、製造、改修、維持管理 若しくは運営 又はこれらに関する企画をいい、国民に対するサービスの提供を含む。以下同じ。)に関する事業(市街地再開発事業、土地区画整理事業 その他の市街地開発事業を含む。)であって、民間の資金、経営能力 及び技術的能力を活用することにより効率的かつ効果的に実施されるものをいう。
この法律において「公共施設等の管理者等」とは、次に掲げる者をいう。
公共施設等の管理者である各省各庁の長(衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、会計検査院長 及び大臣をいう。以下同じ。)又は特定事業を所管する大臣
公共施設等の整備等を行う独立行政法人、特殊法人 その他の公共法人(市街地再開発事業、土地区画整理事業 その他の市街地開発事業を施行する組合を含む。以下「公共法人」という。)
この法律において「選定事業」とは、第七条の規定により選定された特定事業をいう。
この法律において「選定事業者」とは、第八条第一項の規定により選定事業を実施する者として選定された者をいう。
この法律において「公共施設等運営事業」とは、特定事業であって、第十六条の規定による設定を受けて、公共施設等の管理者等が所有権(公共施設等を構成する建築物 その他の工作物の敷地の所有権を除く。第二十九条第四項において同じ。)を有する公共施設等(利用料金(公共施設等の利用に係る料金をいう。以下同じ。)を徴収するものに限る。)について、運営等(運営 及び維持管理 並びにこれらに関する企画をいい、国民に対するサービスの提供を含む。以下同じ。)を行い、利用料金を自らの収入として収受するものをいう。
この法律において「公共施設等運営権」とは、公共施設等運営事業を実施する権利をいう。
公共施設等の整備等に関する事業は、国 及び地方公共団体(これらに係る公共法人を含む。以下この条 及び第七十七条において同じ。)と民間事業者との適切な役割分担 並びに財政資金の効率的使用の観点を踏まえつつ、行政の効率化 又は国 及び地方公共団体の財産の有効利用にも配慮し、当該事業により生ずる収益等をもってこれに要する費用を支弁することが可能である等の理由により民間事業者に行わせることが適切なものについては、できる限りその実施を民間事業者に委ねるものとする。
特定事業は、国 及び地方公共団体と民間事業者との責任分担の明確化を図りつつ、収益性を確保するとともに、国 及び地方公共団体の民間事業者に対する関与を必要最小限のものとすることにより民間事業者の有する技術 及び経営資源、その創意工夫等が十分に発揮され、低廉かつ良好なサービスが国民に対して提供されることを旨として行われなければならない。
第二章 基本方針等
政府は、基本理念にのっとり、特定事業の実施に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
基本方針は、特定事業の実施について、次に掲げる事項(地方公共団体が実施する特定事業については、特定事業の健全かつ効率的な促進のために必要な事項に係るもの)を定めるものとする。
公共施設等の整備等に関する事業における前条第一項の規定の趣旨に沿った民間の資金、経営能力 及び技術的能力の活用に関する基本的な事項
民間事業者の提案による特定事業の選定 その他特定事業の選定に関する基本的な事項
民間事業者の募集 及び選定に関する基本的な事項
民間事業者の責任の明確化等事業の適正かつ確実な実施の確保に関する基本的な事項
法制上 及び税制上の措置 並びに財政上 及び金融上の支援に関する基本的な事項
基本方針は、次に掲げる事項に配慮して定められなければならない。
特定事業の選定については、公共施設等の整備等における公共性 及び安全性を確保しつつ、事業に要する費用の縮減等資金の効率的使用、国民に対するサービスの提供における行政のかかわり方の改革、民間の事業機会の創出 その他の成果がもたらされるようにするとともに、民間事業者の自主性を尊重すること。
民間事業者の選定については、公開の競争により選定を行う等その過程の透明化を図るとともに、民間事業者の創意工夫を尊重すること。
財政上の支援については、現行の制度に基づく方策を基本とし、又はこれに準ずるものとすること。
内閣総理大臣は、基本方針の案につき閣議の決定を求めなければならない。
内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表するとともに、各省各庁の長に送付しなければならない。
前二項の規定は、基本方針の変更について準用する。
地方公共団体は、基本理念にのっとり、基本方針を勘案した上で、第三項各号に掲げる事項に配慮して、地域における創意工夫を生かしつつ、特定事業が円滑に実施されるよう必要な措置を講ずるものとする。
第三章 特定事業の実施等
公共施設等の管理者等は、第七条の特定事業の選定 及び第八条第一項の民間事業者の選定を行おうとするときは、基本方針にのっとり、特定事業の実施に関する方針(以下「実施方針」という。)を定めることができる。
実施方針は、特定事業について、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。
民間事業者の募集 及び選定に関する事項
民間事業者の責任の明確化等事業の適正かつ確実な実施の確保に関する事項
事業契約(選定事業(公共施設等運営事業を除く。)を実施するため公共施設等の管理者等 及び選定事業者が締結する契約をいう。以下同じ。)の解釈について疑義が生じた場合における措置に関する事項
法制上 及び税制上の措置 並びに財政上 及び金融上の支援に関する事項
公共施設等の管理者等は、実施方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるものとする。
前項の規定は、実施方針の変更(第十九条の二第二項の規定による実施方針の変更を除く。)について準用する。
特定事業を実施しようとする民間事業者は、公共施設等の管理者等に対し、当該特定事業に係る実施方針を定めることを提案することができる。
この場合においては、当該特定事業の案、当該特定事業の効果 及び効率性に関する評価の結果を示す書類 その他内閣府令で定める書類を添えなければならない。
前項の規定による提案を受けた公共施設等の管理者等は、当該提案について検討を加え、遅滞なく、その結果を当該民間事業者に通知しなければならない。
公共施設等の管理者等は、第五条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により実施方針を公表したときは、基本方針 及び実施方針に基づき、実施することが適切であると認める特定事業を選定することができる。
公共施設等の管理者等は、前条の規定により特定事業を選定したときは、当該特定事業を実施する民間事業者を公募の方法等により選定するものとする。
前項の規定により選定された民間事業者は、本来同項の公共施設等の管理者等が行う事業のうち、事業契約において当該民間事業者が行うこととされた公共施設等の整備等(第十六条の規定により公共施設等運営権が設定された場合にあっては、当該公共施設等運営権に係る公共施設等の運営等)を行うことができる。
次の各号のいずれかに該当する者は、特定事業を実施する民間事業者の募集に応じることができない。
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない法人 又は外国の法令上これと同様に取り扱われている法人
第二十九条第一項(同項第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定により公共施設等運営権を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない法人
公共施設等運営権を有する者(以下「公共施設等運営権者」という。)が第二十九条第一項の規定により公共施設等運営権を取り消された場合において、その取消しの原因となった事実が発生した当時現に当該公共施設等運営権者の親会社等(その法人の経営を実質的に支配することが可能となる関係にある法人として政令で定めるものをいう。第七号において同じ。)であった法人で、その取消しの日から五年を経過しないもの
役員のうちに次のいずれかに該当する者がある法人
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下この条において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者
公共施設等運営権者が第二十九条第一項の規定により公共施設等運営権を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内に当該公共施設等運営権者の役員であった者で、その取消しの日から五年を経過しないもの
心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定めるもの
営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイからホまでのいずれかに該当するもの
暴力団員 又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者がその事業活動を支配する法人
その者の親会社等が第二号から前号までのいずれかに該当する法人
公共施設等の管理者等は、第八条第一項の規定による民間事業者の選定に先立って、その募集に応じようとする者に対し、特定事業に関する技術 又は工夫についての提案(以下この条において「技術提案」という。)を求めるよう努めなければならない。
公共施設等の管理者等は、技術提案がされたときは、これについて適切な審査 及び評価を行うものとする。
技術提案については、公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成十七年法律第十八号)第十五条第五項本文、第十六条、第十七条第一項前段、第十八条第一項 及び第二項 並びに第十九条の規定を準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
公共施設等の管理者等は、第七条の特定事業の選定 及び第八条第一項の民間事業者の選定を行うに当たっては、客観的な評価(当該特定事業の効果 及び効率性に関する評価を含む。)を行い、その結果を公表しなければならない。
公共施設等の管理者等は、第八条第一項の民間事業者の選定を行うに当たっては、民間事業者の有する技術 及び経営資源、その創意工夫等が十分に発揮され、低廉かつ良好なサービスが国民に対して提供されるよう、原則として価格 及び国民に提供されるサービスの質 その他の条件により評価を行うものとする。
地方公共団体は、事業契約でその種類 及び金額について政令で定める基準に該当するものを締結する場合には、あらかじめ、議会の議決を経なければならない。
地方公共団体は、この法律に基づき整備される公共施設等の管理について、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十四条の二第三項の規定を適用する場合においては、同条第四項から第六項までに規定する事項について、選定事業の円滑な実施が促進されるよう適切な配慮をするとともに、同条第十一項の規定に該当する場合における選定事業の取扱いについて、あらかじめ明らかにするよう努めるものとする。
選定事業(公共施設等運営事業を除く。)は、基本方針 及び実施方針(第五条第四項に規定する実施方針の変更があったときは、その変更後のもの)に基づき、事業契約に従って実施されるものとする。
選定事業(公共施設等運営事業に限る。)は、基本方針 及び実施方針(第五条第四項に規定する実施方針の変更 又は第十九条の二第二項の規定による実施方針の変更があったときは、その変更後のもの)に基づき、公共施設等運営権実施契約(第二十二条第一項に規定する公共施設等運営権実施契約をいう。次項において同じ。)に従って実施されるものとする。
選定事業者が国 又は地方公共団体の出資 又は拠出に係る法人(当該法人の出資 又は拠出に係る法人を含む。)である場合には、当該選定事業者の責任が不明確とならないよう特に留意して、事業契約 又は公共施設等運営権実施契約において公共施設等の管理者等との責任分担が明記されなければならない。
公共施設等の管理者等は、内閣府令で定めるところにより、毎年度、当該年度の実施方針の策定の見通しに関する事項で内閣府令で定めるものを公表しなければならない。
ただし、当該年度にその見通しがない場合は、この限りでない。
公共施設等の管理者等は、前項の見通しに関する事項を変更したときは、内閣府令で定めるところにより、変更後の当該事項を公表しなければならない。
公共施設等の管理者等は、事業契約を締結したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該事業契約の内容(公共施設等の名称 及び立地、選定事業者の商号 又は名称、公共施設等の整備等の内容、契約期間、事業の継続が困難となった場合における措置に関する事項 その他内閣府令で定める事項に限る。)を公表しなければならない。
前三項の規定は、地方公共団体が、前三項に規定する事項以外の実施方針の策定の見通し 及び事業契約の内容に関する情報の公表に関し、条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない。
公共施設等の管理者等(第二条第三項第一号に掲げる者を除く。第六項において同じ。)又は特定事業を実施し、若しくは実施しようとする民間事業者は、内閣総理大臣に対し、その実施し、又は実施しようとする特定事業に係る支援措置の内容 及び当該特定事業に関する規制について規定する法律(法律に基づく命令(告示を含む。)を含む。次項 及び第三項において同じ。)の規定の解釈 並びに当該特定事業に対する当該支援措置 及び当該規定の適用の有無(次項 及び第三項において「支援措置の内容等」と総称する。)について、その確認を求めることができる。
前項の規定による求めを受けた内閣総理大臣は、当該求めに係る支援措置の内容等の確認がその所掌する事務 又は所管する法律に関するものであるときは、遅滞なく、当該求めをした者に回答するものとする。
第一項の規定による求めを受けた内閣総理大臣は、当該求めに係る支援措置の内容等の確認が他の関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関。以下この項 及び第八十五条において同じ。)の所掌する事務 又は所管する法律に関するものであるときは、遅滞なく、当該関係行政機関の長に対し、その確認を求めるものとする。
この場合において、当該確認を求められた関係行政機関の長は、遅滞なく、内閣総理大臣に回答するものとする。
前項の規定による回答を受けた内閣総理大臣は、遅滞なく、その回答の内容を当該回答に係る第一項の規定による求めをした者に通知するものとする。
内閣総理大臣は、第二項の規定による回答 又は前項の規定による通知を行ったときは、その内容を民間資金等活用事業推進委員会に報告するものとする。
第二項 及び第四項に規定するもののほか、内閣総理大臣は、特定事業の円滑かつ効率的な遂行を図るため、公共施設等の管理者等 又は特定事業を実施し、若しくは実施しようとする民間事業者の求めに応じて、必要な助言をすることができる。
内閣総理大臣は、前項の規定による助言を行うに際し必要と認めるときは、民間資金等活用事業推進委員会に対し、意見を求めることができる。
内閣総理大臣は、特定事業の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、公共施設等の管理者等に対し、実施方針に定めた事項 その他の特定事業の実施に関する事項について、報告を求め、又は助言 若しくは勧告をすることができる。
第四章 公共施設等運営権
公共施設等の管理者等は、選定事業者に公共施設等運営権を設定することができる。
公共施設等の管理者等は、公共施設等運営権が設定されることとなる民間事業者を選定しようとする場合には、実施方針に、第五条第二項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を定めるものとする。
選定事業者に公共施設等運営権を設定する旨
公共施設等運営権に係る公共施設等の運営等の内容
公共施設等運営権の存続期間
第二十条の規定により費用を徴収する場合には、その旨(あらかじめ徴収金額を定める場合にあっては、費用を徴収する旨 及びその金額)
第二十二条第一項に規定する公共施設等運営権実施契約に定めようとする事項 及びその解釈について疑義が生じた場合における措置に関する事項
利用料金に関する事項
公共施設等の管理者等(地方公共団体の長に限る。)は、前条に規定する場合には、条例の定めるところにより、実施方針を定めるものとする。
前項の条例には、民間事業者の選定の手続、公共施設等運営権者が行う公共施設等の運営等の基準 及び業務の範囲、利用料金に関する事項 その他必要な事項を定めるものとする。
公共施設等の管理者等は、第十七条の規定により実施方針に同条各号に掲げる事項を定めた場合において、第八条第一項の規定により民間事業者を選定したときは、遅滞なく(当該実施方針に定めた特定事業が公共施設等の建設、製造 又は改修に関する事業を含むときは、その建設、製造 又は改修の完了後直ちに)、当該実施方針に従い、選定事業者に公共施設等運営権を設定するものとする。
公共施設等運営権の設定は、次に掲げる事項を明らかにして行わなければならない。
公共施設等の名称、立地 並びに規模 及び配置
第十七条第二号 及び第三号に掲げる事項
公共施設等の管理者等は、第一項の規定により公共施設等運営権を設定したときは、その旨 並びに当該公共施設等運営権に係る公共施設等の名称 及び立地 並びに前項第二号に掲げる事項を公表しなければならない。
公共施設等の管理者等(地方公共団体の長に限る。)は、第一項の規定により公共施設等運営権を設定しようとするときは、あらかじめ、議会の議決を経なければならない。
公共施設等運営権者は、国民に対する低廉かつ良好なサービスの提供のために公共施設等運営権に係る公共施設等について維持管理としての工事を行おうとする場合において、当該公共施設等運営権に関する実施方針(第五条第四項に規定する実施方針の変更 又は次項の規定による実施方針の変更があったときは、その変更後のもの。以下同じ。)の同条第二項第四号に掲げる公共施設等の規模 又は配置に関する事項の変更が必要であると認めるときは、公共施設等の管理者等に対し、当該事項の変更についての提案(以下この条において「変更提案」という。)をすることができる。
この場合においては、当該変更提案に係る実施方針の変更の案、当該工事による公共施設等運営事業についての効果の増進 及び効率性の向上に関する評価の結果を示す書類 その他内閣府令で定める書類を添えなければならない。
変更提案を受けた公共施設等の管理者等は、遅滞なく、当該変更提案について検討を加え、当該変更提案に係る公共施設等の工事が公共施設等運営事業の適正かつ確実な実施の確保に支障を及ぼすおそれがなく、かつ、国民に対する低廉かつ良好なサービスの提供のため必要があると認めるときは、当該変更提案に係る実施方針の変更の案の内容をその内容とする実施方針の変更をすることができる。
変更提案を受けた公共施設等の管理者等は、前項の規定による実施方針の変更をする必要がないと認めるときは、遅滞なく、その旨 及びその理由を当該変更提案をした公共施設等運営権者に通知しなければならない。
公共施設等の管理者等は、第二項の規定による実施方針の変更をしたときは、遅滞なく、当該変更後の実施方針を公表しなければならない。
公共施設等の管理者等は、実施方針に従い、公共施設等運営権者(公共施設等運営権に係る公共施設等の建設、製造 又は改修を行っていない公共施設等運営権者に限る。)から、当該建設、製造 又は改修に要した費用に相当する金額の全部 又は一部を徴収することができる。
公共施設等運営権者は、公共施設等の管理者等が指定する期間内に、公共施設等運営事業を開始しなければならない。
公共施設等の管理者等は、公共施設等運営権者から申請があった場合において、正当な理由があると認めるときは、前項の期間を延長することができる。
公共施設等運営権者は、公共施設等運営事業を開始したときは、遅滞なく、その旨を公共施設等の管理者等に届け出なければならない。
公共施設等運営権者は、公共施設等運営事業を開始する前に、実施方針に従い、内閣府令で定めるところにより、公共施設等の管理者等と、次に掲げる事項をその内容に含む契約(以下「公共施設等運営権実施契約」という。)を締結しなければならない。
公共施設等の運営等の方法
公共施設等運営事業の継続が困難となった場合における措置に関する事項
公共施設等の利用に係る約款を定める場合には、その決定手続 及び公表方法
派遣職員(第七十八条第一項に規定する国派遣職員 及び第七十九条第一項に規定する地方派遣職員をいう。以下この号において同じ。)をその業務に従事させる場合には、当該業務の内容 及び派遣職員を当該業務に従事させる期間 その他派遣職員を当該業務に従事させることに関し必要な事項
その他内閣府令で定める事項
公共施設等の管理者等は、公共施設等運営権実施契約を締結したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、公共施設等運営権実施契約の内容(公共施設等運営権者の商号 又は名称、前項第二号に掲げる事項 その他内閣府令で定める事項に限る。)を公表しなければならない。
前項の規定は、地方公共団体が、同項に規定する事項以外の公共施設等運営権実施契約に関する情報の公表に関し、条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない。
公共施設等運営権者は、利用料金を自らの収入として収受するものとする。
利用料金は、実施方針に従い、公共施設等運営権者が定めるものとする。
この場合において、公共施設等運営権者は、あらかじめ、当該利用料金を公共施設等の管理者等に届け出なければならない。
公共施設等運営権に係る公共施設等が地方自治法第二百四十四条第一項に規定する公の施設(以下この項 及び第二十六条第五項において単に「公の施設」という。)であり、かつ、公共施設等運営権者が同法第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者(第二十六条第五項において単に「指定管理者」という。)として当該公の施設を管理する場合(同法第二百四十四条の二第五項の規定により定められた期間が当該公共施設等運営権の存続期間を超えない場合に限る。)において、前項の規定により定められた当該公共施設等の利用料金が第十八条第一項の条例(利用料金の範囲 その他利用料金に関して利用者の利益を保護するために必要なものとして内閣府令で定める事項を定めるものに限る。)において定められた利用料金に関する事項に適合し、かつ、当該公共施設等の利用料金を当該公の施設に係る同法第二百四十四条の二第八項の場合における利用料金として定めることが同条第九項の条例の定めるところに適合するときは、当該公共施設等の利用料金を当該公の施設に係る同条第八項の場合における利用料金として定めることについては、同条第九項後段の規定は、適用しない。
公共施設等運営権は、物権とみなし、この法律に別段の定めがある場合を除き、不動産に関する規定を準用する。
公共施設等運営権は、法人の合併 その他の一般承継、譲渡、滞納処分、強制執行、仮差押え 及び仮処分 並びに抵当権の目的となるほか、権利の目的となることができない。
公共施設等運営権は、分割し、又は併合することができない。
公共施設等運営権は、公共施設等の管理者等の許可を受けなければ、移転することができない。
公共施設等の管理者等は、前項の許可を行おうとするときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
公共施設等運営権の移転を受ける者が第九条各号のいずれにも該当しないこと。
公共施設等運営権の移転が実施方針に照らして適切なものであること。
公共施設等の管理者等(地方公共団体の長に限る。)は、第二項の許可を行おうとするときは、あらかじめ、議会の議決を経なければならない。
ただし、条例に特別の定めがある場合は、この限りでない。
公共施設等運営権に係る公共施設等が公の施設であり、かつ、第二項の許可を受けて当該公共施設等運営権を移転した者が、その移転の際、指定管理者として当該公の施設を管理していた場合において、当該移転を受けた者を当該公の施設の指定管理者として指定するとき(前項ただし書の特別の定めがある場合であって、地方自治法第二百四十四条の二第五項の規定により定められる期間が当該公共施設等運営権の存続期間を超えない場合に限る。)における同条第六項の規定の適用については、
同項中
「ならない」とあるのは、
「ならない。ただし、第三項の条例に特別の定めがある場合は、この限りでないものとし、この場合には、当該普通地方公共団体の長は、指定管理者の指定後遅滞なく、当該指定について当該議会に報告しなければならない」と
する。
抵当権の設定が登録されている公共施設等運営権については、その抵当権者の同意がなければ、これを放棄することができない。
第二項の許可を受けないで、又は前項の同意を得ないでした公共施設等運営権の移転 又は放棄は、その効力を生じない。
公共施設等運営権 及び公共施設等運営権を目的とする抵当権の設定、移転、変更、消滅 及び処分の制限 並びに第二十九条第一項の規定による公共施設等運営権の行使の停止 及びその停止の解除は、公共施設等運営権登録簿に登録する。
前項の規定による登録は、登記に代わるものとする。
第一項の規定による登録に関する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章の規定は、適用しない。
公共施設等運営権登録簿については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
公共施設等運営権登録簿に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。
前各項に規定するもののほか、登録に関し必要な事項は、政令で定める。
公共施設等の管理者等は、公共施設等運営事業の適正を期するため、公共施設等運営権者に対して、その業務 若しくは経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。
公共施設等の管理者等は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、公共施設等運営権を取り消し、又はその行使の停止を命ずることができる。
公共施設等運営権者が次のいずれかに該当するとき。
偽り その他不正の方法により公共施設等運営権者となったとき。
第九条各号のいずれかに該当することとなったとき。
第二十一条第一項の規定により指定した期間(同条第二項の規定による延長があったときは、延長後の期間)内に公共施設等運営事業を開始しなかったとき。
公共施設等運営事業を実施できなかったとき、又はこれを実施することができないことが明らかになったとき。
ニに掲げる場合のほか、公共施設等運営権実施契約において定められた事項について重大な違反があったとき。
正当な理由がなく、前条の指示に従わないとき。
公共施設等運営事業に関する法令の規定に違反したとき。
公共施設等の管理者等は、前項の規定による公共施設等運営権の行使の停止の命令をしようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
公共施設等の管理者等は、第一項の規定により、抵当権の設定が登録されている公共施設等運営権を取り消そうとするときは、あらかじめ、その旨を当該抵当権に係る抵当権者に通知しなければならない。
公共施設等の管理者等が、公共施設等の所有権を有しなくなったときは、公共施設等運営権は消滅する。
公共施設等の管理者等は、前条第一項(第二号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定による公共施設等運営権の取消し 若しくはその行使の停止 又は前条第四項の規定による公共施設等運営権の消滅(公共施設等の管理者等の責めに帰すべき事由がある場合に限る。)によって損失を受けた公共施設等運営権者 又は公共施設等運営権者であった者(以下この条において単に「公共施設等運営権者」という。)に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
前項の規定による損失の補償については、公共施設等の管理者等と公共施設等運営権者とが協議しなければならない。
前項の規定による協議が成立しない場合においては、公共施設等の管理者等は、自己の見積もった金額を公共施設等運営権者に支払わなければならない。
前項の補償金額に不服がある公共施設等運営権者は、その決定の通知を受けた日から六月以内に、訴えをもって、その増額を請求することができる。
前項の訴えにおいては、当該公共施設等の管理者等を被告とする。
前条第一項の規定により取り消された公共施設等運営権 又は同条第四項の規定により消滅した公共施設等運営権(公共施設等の管理者等の責めに帰すべき事由により消滅した場合に限る。)の上に抵当権があるときは、当該抵当権に係る抵当権者から供託をしなくてもよい旨の申出がある場合を除き、公共施設等の管理者等は、その補償金を供託しなければならない。
前項の抵当権者は、同項の規定により供託した補償金に対してその権利を行うことができる。
公共施設等の管理者等は、第一項の規定による補償の原因となった損失が前条第一項の規定による公共施設等運営権の取消し 又はその行使の停止によるものであるときは、当該補償金額の全部 又は一部をその理由を生じさせた者に負担させることができる。
第五章 株式会社民間資金等活用事業推進機構による特定選定事業等の支援等
第一節 総則
株式会社民間資金等活用事業推進機構は、国 及び地方公共団体の厳しい財政状況を踏まえつつ、我が国経済の成長の促進に寄与する観点から、公共施設等の整備等における民間の資金、経営能力 及び技術的能力の活用が一層重要となっていることに鑑み、特定選定事業(選定事業であって、利用料金を徴収する公共施設等の整備等を行い、利用料金を自らの収入として収受するものをいう。以下同じ。)又は特定選定事業を支援する事業(以下「特定選定事業等」と総称する。)を実施する者に対し、金融機関が行う金融 及び民間の投資を補完するための資金の供給を行うことにより、特定選定事業に係る資金を調達することができる資本市場の整備を促進するとともに、特定選定事業等の実施に必要な知識 及び情報の提供 その他特定選定事業等の普及に資する支援を行い、もって我が国において特定事業を推進することを目的とする株式会社とする。
株式会社民間資金等活用事業推進機構(以下「機構」という。)は、一を限り、設立されるものとする。
政府は、常時、機構が発行している株式(株主総会において決議することができる事項の全部について議決権を行使することができないものと定められた種類の株式を除く。以下この条において同じ。)の総数の二分の一以上に当たる数の株式を保有していなければならない。
機構は、会社法(平成十七年法律第八十六号)第百九十九条第一項に規定する募集株式(第九十三条第一号において「募集株式」という。)、同法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権(同号において「募集新株予約権」という。)若しくは同法第六百七十六条に規定する募集社債(以下「募集社債」という。)を引き受ける者の募集をし、株式交換 若しくは株式交付に際して株式、社債 若しくは新株予約権を発行し、又は資金を借り入れようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
機構は、新株予約権の行使により株式を発行したときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に出資することができる。
機構は、その商号中に株式会社民間資金等活用事業推進機構という文字を用いなければならない。
機構でない者は、その名称中に民間資金等活用事業推進機構という文字を用いてはならない。
第二節 設立
機構の定款には、会社法第二十七条各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
機構の設立に際して発行する株式(以下「設立時発行株式」という。)の数(機構を種類株式発行会社として設立しようとする場合にあっては、その種類 及び種類ごとの数)
設立時発行株式の払込金額(設立時発行株式一株と引換えに払い込む金銭 又は給付する金銭以外の財産の額をいう。)
政府が割当てを受ける設立時発行株式の数(機構を種類株式発行会社として設立しようとする場合にあっては、その種類 及び種類ごとの数)
会社法第百七条第一項第一号に掲げる事項
取締役会 及び監査役を置く旨
第五十二条第一項各号に掲げる業務の完了により解散する旨
監査等委員会 又は会社法第二条第十二号に規定する指名委員会等を置く旨
会社法第百三十九条第一項ただし書に規定する別段の定め
機構の発起人は、定款を作成し、かつ、発起人が割当てを受ける設立時発行株式を引き受けた後、速やかに、定款 及び事業計画書を内閣総理大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。
内閣総理大臣は、前条の規定による認可の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
設立の手続 及び定款の内容が法令の規定に適合するものであること。
定款に虚偽の記載 若しくは記録 又は虚偽の署名 若しくは記名押印(会社法第二十六条第二項の規定による署名 又は記名押印に代わる措置を含む。)がないこと。
内閣総理大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項各号に掲げる基準に適合していると認めるときは、設立の認可をしなければならない。
会社法第三十八条第一項に規定する設立時取締役 及び同条第二項第二号に規定する設立時監査役の選任 及び解任は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
会社法第三十条第二項、第三十四条第一項、第五十九条第一項第一号 及び第九百六十三条第一項の規定の適用については、
同法第三十条第二項中
「前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前」とあるのは
「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号。以下「民間資金法」という。)第三十九条第二項の認可の後株式会社民間資金等活用事業推進機構の成立前は、定款」と、
同法第三十四条第一項中
「設立時発行株式の引受け」とあるのは
「民間資金法第三十九条第二項の認可の」と、
同号中
「定款の認証の年月日 及びその認証をした公証人の氏名」とあるのは
「民間資金法第三十九条第二項の認可の年月日」と、
同法第九百六十三条第一項中
「第三十四条第一項」とあるのは
「第三十四条第一項(民間資金法第四十一条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」と
する。
会社法第三十条第一項 及び第三十三条の規定は、機構の設立については、適用しない。
第三節 管理
⤏ 第一款 取締役等
機構の取締役 及び監査役の選任 及び解任の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
機構の取締役、会計参与、監査役 若しくは職員 又はこれらの職にあった者は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
⤏ 第二款 民間資金等活用事業支援委員会
機構に、民間資金等活用事業支援委員会(以下「支援委員会」という。)を置く。
支援委員会は、次に掲げる決定を行う。
第五十四条第一項の規定による特定選定事業等支援の対象となる事業者 及び当該特定選定事業等支援の内容の決定
第五十六条第一項の株式等 又は債権の譲渡 その他の処分の決定
前二号に掲げるもののほか、会社法第三百六十二条第四項第一号 及び第二号に掲げる事項のうち取締役会の決議により委任を受けた事項の決定
支援委員会は、前項第一号 及び第二号に掲げる事項の決定について、取締役会から委任を受けたものとみなす。
支援委員会は、取締役である委員三人以上七人以内で組織する。
委員の中には、代表取締役 及び社外取締役が、それぞれ一人以上含まれなければならない。
委員は、取締役会の決議により定める。
委員の選定 及び解職の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
委員は、それぞれ独立してその職務を執行する。
委員長は、支援委員会の会務を総理する。
支援委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代理する者を定めておかなければならない。
支援委員会は、委員長(委員長に事故があるときは、前条第八項に規定する委員長の職務を代理する者。以下この条において同じ。)が招集する。
支援委員会は、委員長が出席し、かつ、現に在任する委員の総数の三分の二以上の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
支援委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって決する。可否同数のときは、委員長が決する。
前項の規定による決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。
前項の規定により議決に加わることができない委員の数は、第二項に規定する現に在任する委員の数に算入しない。
監査役は、支援委員会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
支援委員会の委員であって支援委員会によって選定された者は、第三項の規定による決議後、遅滞なく、当該決議の内容を取締役会に報告しなければならない。
支援委員会の議事については、内閣府令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員 及び監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
前項の議事録が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。次条第二項第二号において同じ。)をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、内閣府令で定める署名 又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
前各項 及び次条に定めるもののほか、議事の手続 その他支援委員会の運営に関し必要な事項は、支援委員会が定める。
機構は、支援委員会の日から十年間、前条第八項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。
前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を内閣府令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
債権者は、委員の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。
会社法第八百六十八条第一項、第八百六十九条、第八百七十条第二項(第一号に係る部分に限る。)、第八百七十条の二、第八百七十一条本文、第八百七十二条(第五号に係る部分に限る。)、第八百七十二条の二、第八百七十三条本文、第八百七十五条 及び第八百七十六条の規定は、第二項 及び第三項の許可について準用する。
取締役は、第一項の議事録について第二項各号に掲げる請求をすることができる。
機構は、委員を選定したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、委員の氏名を登記しなければならない。委員の氏名に変更を生じたときも、同様とする。
前項の規定による委員の選定の登記の申請書には、委員の選定 及びその選定された委員が就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
委員の退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならない。
機構は、委員に選定された取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨を登記しなければならない。
⤏ 第三款 定款の変更
機構の定款の変更の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第四節 業務
⤏ 第一款 業務の範囲
機構は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。
対象事業者(第五十四条第一項の規定により支援の対象となった事業者(民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項に規定する組合契約によって成立する組合、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百三十五条に規定する匿名組合契約によって成立する匿名組合、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第二条第二項に規定する投資事業有限責任組合 若しくは有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第二条に規定する有限責任事業組合 又は外国の法令に基づいて設立された団体であってこれらの組合に類似するものを含む。次条第一項 及び第五十四条第一項において同じ。)をいう。以下同じ。)に対する出資
対象事業者に対する基金(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第百三十一条に規定する基金をいう。)の拠出
対象事業者に対する資金の貸付け
対象事業者が発行する有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券 及び同条第二項の規定により有価証券とみなされるものをいう。第八号において同じ。)の取得
対象事業者に対する金銭債権 及び対象事業者が保有する金銭債権の取得
特定選定事業に係る実施方針を定め、若しくは定めようとする公共施設等の管理者等 又は特定選定事業等を実施し、若しくは実施しようとする民間事業者に対する専門家の派遣
特定選定事業に係る実施方針を定め、若しくは定めようとする公共施設等の管理者等 又は特定選定事業等を実施し、若しくは実施しようとする民間事業者に対する助言
保有する株式、新株予約権、持分 又は有価証券(第五十六条において「株式等」という。)の譲渡 その他の処分
債権の管理 及び譲渡 その他の処分
前各号に掲げる業務に関連して必要な交渉 及び調査
前各号に掲げる業務に附帯する業務
前各号に掲げるもののほか、機構の目的を達成するために必要な業務
機構は、前項第十三号に掲げる業務を営もうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
⤏ 第二款 支援基準
内閣総理大臣は、機構が特定選定事業等の支援(前条第一項第一号から第五号までに掲げる業務によりされるものに限る。以下「特定選定事業等支援」という。)の対象となる事業者 及び当該特定選定事業等支援の内容を決定するに当たって従うべき基準(以下この条 及び次条第一項において「支援基準」という。)を定めるものとする。
内閣総理大臣は、前項の規定により支援基準を定めようとするときは、あらかじめ、特定選定事業等支援の対象となる特定選定事業等に係る公共施設等を所管する大臣の意見を聴かなければならない。
内閣総理大臣は、第一項の規定により支援基準を定めたときは、これを公表するものとする。
⤏ 第三款 業務の実施
機構は、特定選定事業等支援を行おうとするときは、支援基準に従って、その対象となる事業者 及び当該特定選定事業等支援の内容を決定しなければならない。
機構は、特定選定事業等支援をするかどうかを決定しようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
内閣総理大臣は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、その内容を当該特定選定事業等支援の対象となる特定選定事業等に係る公共施設等を所管する大臣に通知するものとする。
前項の規定による通知を受けた大臣は、当該特定選定事業等の収益性 その他の当該公共施設等の運営の見込みを考慮して必要があると認めるときは、第二項の期間内に、機構に対して意見を述べることができる。
機構は、次に掲げる場合には、速やかに、前条第一項の規定による決定(次項において「支援決定」という。)を撤回しなければならない。
対象事業者が特定選定事業等を実施しないとき。
対象事業者が破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令 又は外国倒産処理手続の承認の決定を受けたとき。
機構は、前項の規定により支援決定を撤回したときは、直ちに、対象事業者に対し、その旨を通知しなければならない。
機構は、その保有する対象事業者に係る株式等 又は債権の譲渡 その他の処分の決定を行おうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
機構は、特定選定事業の実施状況、特定選定事業に係る資金の調達状況 その他の特定選定事業を取り巻く状況を考慮しつつ、令和十五年三月三十一日までに、保有する全ての株式等 及び債権の譲渡 その他の処分を行うよう努めなければならない。
第五節 情報の提供等
機構は、特定選定事業の円滑な実施が促進されるよう、内閣総理大臣に対し、特定選定事業の推進に資する情報の提供を行うものとする。
内閣総理大臣 及び特定選定事業等支援の対象となる特定選定事業等に係る公共施設等を所管する大臣は、前項の規定により提供された情報も踏まえつつ、機構の行う事業の円滑な実施が促進され、特定選定事業が推進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
第六節 財務及び会計
機構は、毎事業年度の開始前に、当該事業年度の予算を内閣総理大臣に提出して、その認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
前項の予算には、当該事業年度の事業計画 及び資金計画に関する書類を添付しなければならない。
機構の剰余金の配当 その他の剰余金の処分の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
機構は、毎事業年度終了後三月以内に、当該事業年度の貸借対照表、損益計算書 及び事業報告書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の第三十四条第一項の社債 又は借入れに係る債務について、保証契約をすることができる。
第七節 監督
機構は、内閣総理大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
内閣総理大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
内閣総理大臣は、第三十四条第一項(募集社債を引き受ける者の募集をし、株式交換 若しくは株式交付に際して社債を発行し、又は資金を借り入れようとするときに限る。)、第三十九条第二項、第五十一条、第五十二条第二項、第五十八条第一項、第五十九条 又は第六十七条の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
内閣総理大臣は、機構の事業年度ごとの業務の実績について、評価を行わなければならない。
内閣総理大臣は、前項の評価を行ったときは、遅滞なく、機構に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。
第八節 解散等
機構は、第五十二条第一項各号に掲げる業務の完了により解散する。
機構の合併、分割、事業の譲渡 又は譲受け 及び解散の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
第六章 選定事業に対する特別の措置
国が選定事業について債務を負担する場合には、当該債務を負担する行為により支出すべき年限は、当該会計年度以降三十箇年度以内とする。
国は、必要があると認めるときは、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第十八条第一項の規定にかかわらず、選定事業の用に供するため、行政財産(同法第三条第二項に規定する行政財産をいう。次項から第五項まで 及び次条第一項から第四項までにおいて同じ。)を選定事業者に貸し付けることができる。
前項に定めるもののほか、国は、選定事業者が一棟の建物の一部が当該選定事業に係る公共施設等である当該建物(以下この条において「特定建物」という。)の全部 又は一部を所有しようとする場合において、必要があると認めるときは、国有財産法第十八条第一項の規定にかかわらず、行政財産である土地を、その用途 又は目的を妨げない限度において、当該選定事業者に貸し付けることができる。
前二項に定めるもののほか、国は、前項の規定により行政財産である土地の貸付けを受けた者が特定建物のうち選定事業に係る公共施設等の部分以外の部分(以下この条において「特定民間施設」という。)を選定事業の終了(当該選定事業に係る事業契約の解除 又は第二十九条第一項の規定による公共施設等運営権の取消し 若しくは同条第四項の規定による公共施設等運営権の消滅による終了を含む。以下この条 及び次条において同じ。)の後においても引き続き所有しようとする場合において、必要があると認めるときは、国有財産法第十八条第一項の規定にかかわらず、当該行政財産である土地を、その用途 又は目的を妨げない限度において、その者(当該選定事業に係る事業契約の解除 又は第二十九条第一項の規定による公共施設等運営権の取消し 若しくは同条第四項の規定による公共施設等運営権の消滅による終了の場合にあっては、当該特定民間施設であった施設に係る公共施設等の管理者等が当該公共施設等の管理に関し適当と認める者に限る。第八項において同じ。)に貸し付けることができる。
前三項に定めるもののほか、国は、第二項の規定により行政財産である土地の貸付けを受けた選定事業者が特定民間施設を譲渡しようとする場合において、必要があると認めるときは、国有財産法第十八条第一項の規定にかかわらず、当該行政財産である土地を、その用途 又は目的を妨げない限度において、当該特定民間施設を譲り受けようとする者(当該公共施設等の管理者等が当該公共施設等の管理に関し適当と認める者に限る。)に貸し付けることができる。
前項の規定は、第三項 又は前項(この項において準用する場合を含む。)の規定により行政財産である土地の貸付けを受けた者が当該特定民間施設(特定民間施設であった施設を含む。)を譲渡しようとする場合について準用する。
この場合において、
前項中
「当該公共施設等の管理者等」とあるのは、
「当該特定民間施設に係る公共施設等の管理者等(特定民間施設であった施設を譲渡しようとする場合にあっては、当該特定民間施設であった施設に係る公共施設等の管理者等)」と
読み替えるものとする。
地方公共団体は、必要があると認めるときは、地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、選定事業の用に供するため、行政財産(同法第二百三十八条第三項に規定する行政財産をいう。次項から第十項まで 及び次条第五項から第八項までにおいて同じ。)を選定事業者に貸し付けることができる。
前項に定めるもののほか、地方公共団体は、選定事業者が特定建物の全部 又は一部を所有しようとする場合において、必要があると認めるときは、地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、行政財産である土地を、その用途 又は目的を妨げない限度において、当該選定事業者に貸し付けることができる。
前二項に定めるもののほか、地方公共団体は、前項の規定により行政財産である土地の貸付けを受けた者が特定民間施設を選定事業の終了の後においても引き続き所有しようとする場合において、必要があると認めるときは、地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、当該行政財産である土地を、その用途 又は目的を妨げない限度において、その者に貸し付けることができる。
前三項に定めるもののほか、地方公共団体は、第七項の規定により行政財産である土地の貸付けを受けた選定事業者が特定民間施設を譲渡しようとする場合において、必要があると認めるときは、地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、当該行政財産である土地を、その用途 又は目的を妨げない限度において、当該特定民間施設を譲り受けようとする者(当該公共施設等の管理者等が当該公共施設等の管理に関し適当と認める者に限る。)に貸し付けることができる。
前項の規定は、第八項 又は前項(この項において準用する場合を含む。)の規定により行政財産である土地の貸付けを受けた者が当該特定民間施設(特定民間施設であった施設を含む。)を譲渡しようとする場合について準用する。
この場合において、
前項中
「当該公共施設等の管理者等」とあるのは、
「当該特定民間施設に係る公共施設等の管理者等(特定民間施設であった施設を譲渡しようとする場合にあっては、当該特定民間施設であった施設に係る公共施設等の管理者等)」と
読み替えるものとする。
前各項の規定による貸付けについては、民法第六百四条 並びに借地借家法(平成三年法律第九十号)第三条 及び第四条の規定は、適用しない。
国有財産法第二十一条 及び第二十三条から第二十五条までの規定は第一項から第五項までの規定による貸付けについて、地方自治法第二百三十八条の二第二項 及び第二百三十八条の五第四項から第六項までの規定は第六項から第十項までの規定による貸付けについて、それぞれ準用する。
前条第一項から第五項までに定めるもののほか、国は、必要があると認めるときは、国有財産法第十八条第一項の規定にかかわらず、特定施設(第二条第一項第三号から第五号までに掲げる施設 及び同項第六号の政令で定める施設のうち同項第三号から第五号までに掲げる施設に準ずるものとして政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)の設置の事業であって、選定事業の実施に資すると認められるもの(以下この条において「特定民間事業」という。)の用に供するため、行政財産を、その用途 又は目的を妨げない限度において、当該特定民間事業を行う選定事業者に貸し付けることができる。
前項に定めるもののほか、国は、同項の規定により行政財産の貸付けを受けた者が特定民間事業に係る特定施設を選定事業の終了の後においても引き続き所有し、又は利用しようとする場合において、必要があると認めるときは、国有財産法第十八条第一項の規定にかかわらず、当該行政財産を、その用途 又は目的を妨げない限度において、その者(当該選定事業に係る事業契約の解除 又は第二十九条第一項の規定による公共施設等運営権の取消し 若しくは同条第四項の規定による公共施設等運営権の消滅による終了の場合にあっては、当該選定事業に係る公共施設等であった施設に係る公共施設等の管理者等が当該公共施設等の管理に関し適当と認める者に限る。第六項において同じ。)に貸し付けることができる。
前二項に定めるもののほか、国は、第一項の規定により行政財産の貸付けを受けた選定事業者が特定民間事業に係る特定施設(特定施設を利用する権利を含む。以下この項において同じ。)を譲渡しようとする場合において、必要があると認めるときは、国有財産法第十八条第一項の規定にかかわらず、当該行政財産を、その用途 又は目的を妨げない限度において、当該特定施設を譲り受けようとする者(当該選定事業に係る公共施設等の管理者等が当該公共施設等の管理に関し適当と認める者に限る。)に貸し付けることができる。
前項の規定は、第二項 又は前項(この項において準用する場合を含む。)の規定により行政財産の貸付けを受けた者が当該特定施設(特定施設を利用する権利を含む。)を譲渡しようとする場合について準用する。
この場合において、
前項中
「当該選定事業に係る公共施設等の管理者等」とあるのは、
「当該選定事業に係る公共施設等の管理者等(当該選定事業の終了の後にあっては、当該選定事業に係る公共施設等であった施設に係る公共施設等の管理者等)」と
読み替えるものとする。
前条第六項から第十項までに定めるもののほか、地方公共団体は、必要があると認めるときは、地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、特定民間事業の用に供するため、行政財産を、その用途 又は目的を妨げない限度において、当該特定民間事業を行う選定事業者に貸し付けることができる。
前項に定めるもののほか、地方公共団体は、同項の規定により行政財産の貸付けを受けた者が特定民間事業に係る特定施設を選定事業の終了の後においても引き続き所有し、又は利用しようとする場合において、必要があると認めるときは、地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、当該行政財産を、その用途 又は目的を妨げない限度において、その者に貸し付けることができる。
前項の規定は、第六項 又は前項(この項において準用する場合を含む。)の規定により行政財産の貸付けを受けた者が当該特定施設(特定施設を利用する権利を含む。)を譲渡しようとする場合について準用する。
この場合において、
前項中
「当該選定事業に係る公共施設等の管理者等」とあるのは、
「当該選定事業に係る公共施設等の管理者等(当該選定事業の終了の後にあっては、当該選定事業に係る公共施設等であった施設に係る公共施設等の管理者等)」と
読み替えるものとする。
前条第十一項 及び第十二項の規定は、前各項の規定による貸付けについて準用する。
この場合において、
同条第十二項中
「第一項から第五項まで」とあるのは
「第七十条第一項から第四項まで」と、
「第六項から第十項まで」とあるのは
「第七十条第五項から第八項まで」と
読み替えるものとする。
国は、必要があると認めるときは、選定事業の用に供する間、国有財産(国有財産法第二条第一項に規定する国有財産をいう。)を無償 又は時価より低い対価で選定事業者に使用させることができる。
地方公共団体は、必要があると認めるときは、選定事業の用に供する間、公有財産(地方自治法第二百三十八条第一項に規定する公有財産をいう。)を無償 又は時価より低い対価で選定事業者に使用させることができる。
国は、予算の範囲内において、選定事業者に対し、選定事業のうち特に公共性が高いと認めるものに係る資金について無利子で貸付けを行うことができる。
国は、前項の規定により無利子で貸付けを行う場合には、株式会社日本政策投資銀行 又は沖縄振興開発金融公庫 その他の政府系金融機関等の審査機能 又は貸付け機能を活用することができる。
国 又は地方公共団体は、選定事業の実施のために必要な資金の確保 若しくはその融通のあっせん 又は法令の範囲内における地方債についての特別の配慮に努めるものとする。
選定事業の用に供する土地等については、選定事業者が円滑に取得し、又は使用することができるよう、土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)に基づく収用 その他関係法令に基づく許可等の処分について適切な配慮が行われるものとする。
第六十九条から前条までに規定するもののほか、国 及び地方公共団体は、特定事業の実施を促進するため、基本方針 及び実施方針に照らして、必要な法制上 及び税制上の措置を講ずるとともに、選定事業者に対し、必要な財政上 及び金融上の支援を行うものとする。
前項の措置 及び支援は、整備される施設の特性、事業の実施場所等に応じた柔軟かつ弾力的なものであり、かつ、地方公共団体 及び公共法人の主体性が十分に発揮されるよう配慮されたものでなければならない。
国 及び地方公共団体は、特定事業の実施を促進するため、民間事業者の技術の活用 及び創意工夫の十分な発揮を妨げるような規制の撤廃 又は緩和を速やかに推進するものとする。
国 及び地方公共団体 並びに民間事業者は、特定事業の円滑な実施が促進されるよう、協力体制を整備すること等により相互に協力しなければならない。
国派遣職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員が、任命権者 又はその委任を受けた者の要請に応じ、公共施設等運営権者の職員(常時勤務に服することを要しない者を除き、公共施設等の運営等に関する専門的な知識 及び技能を必要とする業務に従事する者に限る。以下この項 及び次条第一項において同じ。)となるため退職し、引き続いて当該公共施設等運営権者の職員となり、引き続き当該公共施設等運営権者の職員として在職している場合における当該公共施設等運営権者の職員をいう。以下この条 及び次条第三項において同じ。)は、同法第八十二条第二項の規定の適用については、同項に規定する特別職国家公務員等とみなす。
国家公務員法第百六条の二第三項に規定する退職手当通算法人には、公共施設等運営権者を含むものとする。
国派遣職員は、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第十一条の七第三項、第十一条の八第三項、第十二条第四項、第十二条の二第三項 及び第十四条第二項の規定の適用については、同法第十一条の七第三項に規定する行政執行法人職員等とみなす。
国派遣職員は、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第七条の二 及び第二十条第三項の規定の適用については、同法第七条の二第一項に規定する公庫等職員とみなす。
公共施設等運営権者 又は国派遣職員は、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第百二十四条の二(第四項を除く。)の規定の適用については、それぞれ同条第一項に規定する公庫等 又は公庫等職員とみなす。
国派遣職員は、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)第十七条第一項の規定の適用については、同項第三号に規定する行政執行法人職員等とみなす。
国派遣職員は、国家公務員の留学費用の償還に関する法律(平成十八年法律第七十号)第四条(第五号に係る部分に限る。)及び第五条(同号に係る部分に限る。)の規定の適用については、同法第二条第四項に規定する特別職国家公務員等とみなす。
地方派遣職員(地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三条第二項に規定する一般職に属する職員が、任命権者 又はその委任を受けた者の要請に応じ、公共施設等運営権者の職員となるため退職し、引き続いて当該公共施設等運営権者の職員となり、引き続き当該公共施設等運営権者の職員として在職している場合における当該公共施設等運営権者の職員をいう。第三項において同じ。)は、同法第二十九条第二項の規定の適用については、同項に規定する特別職地方公務員等とみなす。
地方公務員法第三十八条の二第二項に規定する退職手当通算法人には、公共施設等運営権者を含むものとする。
公共施設等運営権者 又は国派遣職員(前条第一項の退職前に地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第百四十二条第一項に規定する国の職員であった者に限る。)若しくは地方派遣職員は、同法第百四十条の規定の適用については、それぞれ同条第一項に規定する公庫等 又は公庫等職員とみなす。
前二条に規定するもののほか、国 及び地方公共団体は、特定事業の円滑かつ効率的な遂行を図るため必要があると認めるときは、職員の派遣 その他の適当と認める人的援助について必要な配慮を加えるよう努めるものとする。
国 及び地方公共団体は、特定事業の実施について、知識の普及、情報の提供等を行うとともに、住民の理解、同意 及び協力を得るための啓発活動を推進するものとする。
国 及び地方公共団体は、特定事業の円滑かつ効率的な遂行を図るため、民間事業者に対する技術的な援助について必要な配慮をするとともに、特許等の技術の利用の調整 その他民間事業者の有する技術の活用について特別の配慮をするものとする。
選定事業者が選定事業を実施する際に不動産を取得した場合であって当該不動産が担保に供されていた場合において、当該不動産に担保権を有していた会社、当該不動産を担保として供していた会社 又は当該不動産に所有権を有していた会社に損失が生じたときは、当該会社は、当該損失に相当する額を、当該事業年度の決算期において、貸借対照表の資産の部に計上し、繰延資産として整理することができる。
この場合には、当該決算期から十年以内に、毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない。
前項の規定の適用がある場合における会社法第四百六十一条第二項の規定の適用については、
同項中
「の合計額を減じて得た」とあるのは、
「及び内閣府令で定める場合における民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号)第八十二条第一項の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額中内閣府令で定める金額の合計額を減じて得た」と
する。
第七章 民間資金等活用事業推進会議等
内閣府に、特別の機関として、民間資金等活用事業推進会議(以下「会議」という。)を置く。
会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
前二号に掲げるもののほか、民間資金等の活用による公共施設等の整備等に係る施策に関する重要事項について審議し、及びその施策の実施を推進すること。
会議は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、各省各庁の長に協議するとともに、民間資金等活用事業推進委員会の意見を聴かなければならない。
会議は、会長 及び委員をもって組織する。
会長は、内閣総理大臣をもって充てる。
委員は、会長以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者をもって充てる。
前三項に定めるもののほか、会議の組織 及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
内閣府に、民間資金等活用事業推進委員会(以下「委員会」という。)を置く。
委員会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を調査審議するほか、実施方針の策定状況、特定事業の選定状況、特定事業の客観的な評価状況 その他民間資金等の活用による国の公共施設等の整備等の実施状況を調査審議する。
民間事業者等は、委員会に対し、民間資金等の活用による国の公共施設等の整備等に関する意見を提出することができる。
委員会は、前二項の場合において必要があると認めるときは、民間資金等の活用による国の公共施設等の整備等の促進 及び総合調整を図るため、内閣総理大臣 又は関係行政機関の長に意見を述べることができる。
内閣総理大臣 又は関係行政機関の長は、前項の意見を受けてとった措置について、委員会に報告しなければならない。
委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長 又は関係団体に対し、資料の提出、意見の開陳、説明 その他必要な協力を求めることができる。
この場合において、委員会は、提出を受けた資料 その他所掌事務を遂行するために収集した資料の公表に関し必要な措置を講ずるものとする。
委員会は、学識経験者のうちから、内閣総理大臣が任命する委員九人で組織する。
専門の事項を調査審議させる必要があるときは、委員会に専門委員を置くことができる。
委員会に、必要に応じ、部会を置くことができる。
前三項に定めるもののほか、委員会の組織 及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第八章 雑則
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。
第九章 罰則
機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役 又は職員が、その職務に関して、賄賂を収受し、又はその要求 若しくは約束をしたときは、三年以下の懲役に処する。
これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、五年以下の懲役に処する。
前項の場合において、犯人が収受した賄賂は、没収する。
その全部 又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
前条第一項の賄賂を供与し、又はその申込み 若しくは約束をした者は、三年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。
前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第八十八条第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
前条第一項の罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二条の例に従う。
機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役 若しくは職員 又はこれらの職にあった者が、第四十四条の規定に違反してその職務上知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
第六十三条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした機構の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役 又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の取締役、会計参与 若しくはその職務を行うべき社員 又は監査役は、百万円以下の過料に処する。
第三十四条第一項の規定に違反して、募集株式、募集新株予約権 若しくは募集社債を引き受ける者の募集をし、株式交換 若しくは株式交付に際して株式、社債 若しくは新株予約権を発行し、又は資金を借り入れたとき。
第三十四条第二項の規定に違反して、株式を発行した旨の届出を行わなかったとき。
第五十条第一項 又は第四項の規定に違反して、登記することを怠ったとき。
第五十二条第二項の規定に違反して、業務を行ったとき。
第五十四条第二項 又は第五十六条第一項の規定に違反して、内閣総理大臣に通知をしなかったとき。
第五十八条第一項の規定に違反して、予算の認可を受けなかったとき。
第六十条の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書 若しくは事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載 若しくは記録をしたこれらのものを提出したとき。
第六十二条第二項の規定による命令に違反したとき。
第三十六条第二項の規定に違反して、その名称中に民間資金等活用事業推進機構という文字を用いた者は、十万円以下の過料に処する。