毒物及び劇物取締法

昭和二十五年法律第三百三号
略称 : 毒劇物取締法  毒劇法 
分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十六号による改正
最終編集日 : 2024年 04月26日 21時15分

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1項

この法律は、毒物 及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締を行うことを目的とする。

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1項

この法律で「毒物」とは、別表第一に掲げる物であつて、医薬品 及び医薬部外品以外のものをいう。

2項

この法律で「劇物」とは、別表第二に掲げる物であつて、医薬品 及び医薬部外品以外のものをいう。

3項

この法律で「特定毒物」とは、毒物であつて、別表第三に掲げるものをいう。

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1項

毒物 又は劇物の製造業の登録を受けた者でなければ、毒物 又は劇物を販売 又は授与の目的で製造してはならない。

2項

毒物 又は劇物の輸入業の登録を受けた者でなければ、毒物 又は劇物を販売 又は授与の目的で輸入してはならない。

3項

毒物 又は劇物の販売業の登録を受けた者でなければ、毒物 又は劇物を販売し、授与し、又は販売 若しくは授与の目的で貯蔵し、運搬し、若しくは陳列してはならない。


但し、毒物 又は劇物の製造業者 又は輸入業者が、その製造し、又は輸入した毒物 又は劇物を、他の毒物 又は劇物の製造業者、輸入業者 又は販売業者(以下「毒物劇物営業者」という。)に販売し、授与し、又はこれらの目的で貯蔵し、運搬し、若しくは陳列するときは、この限りでない。

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1項

毒物 若しくは劇物の製造業者 又は学術研究のため特定毒物を製造し、若しくは使用することができる者としてその主たる研究所の所在地の都道府県知事(その主たる研究所の所在地が、地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の区域にある場合においては、指定都市の長。第六条の二 及び第十条第二項において同じ。)の許可を受けた者(以下「特定毒物研究者」という。)でなければ、特定毒物を製造してはならない

2項

毒物 若しくは劇物の輸入業者 又は特定毒物研究者でなければ、特定毒物を輸入してはならない。

3項

特定毒物研究者 又は特定毒物を使用することができる者として品目ごとに政令で指定する者(以下「特定毒物使用者」という。)でなければ、特定毒物を使用してはならない


ただし、毒物 又は劇物の製造業者が毒物 又は劇物の製造のために特定毒物を使用するときは、この限りでない。

4項

特定毒物研究者は、特定毒物を学術研究以外の用途に供してはならない。

5項

特定毒物使用者は、特定毒物を品目ごとに政令で定める用途以外の用途に供してはならない。

6項

毒物劇物営業者、特定毒物研究者 又は特定毒物使用者でなければ、特定毒物を譲り渡し、又は譲り受けてはならない。

7項

前項に規定する者は、同項に規定する者以外の者に特定毒物を譲り渡し、又は同項に規定する者以外の者から特定毒物を譲り受けてはならない。

8項

毒物劇物営業者 又は特定毒物研究者は、特定毒物使用者に対し、その者が使用することができる特定毒物以外の特定毒物を譲り渡してはならない。

9項

毒物劇物営業者 又は特定毒物研究者は、保健衛生上の危害を防止するため政令で特定毒物について品質、着色 又は表示の基準が定められたときは、当該特定毒物については、その基準に適合するものでなければ、これを特定毒物使用者に譲り渡してはならない

10項

毒物劇物営業者、特定毒物研究者 又は特定毒物使用者でなければ、特定毒物を所持してはならない

11項

特定毒物使用者は、その使用することができる特定毒物以外の特定毒物を譲り受け、又は所持してはならない

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1項

興奮、幻覚 又は麻酔の作用を有する毒物 又は劇物(これらを含有する物を含む。)であつて政令で定めるものは、みだりに摂取し、若しくは吸入し、又はこれらの目的で所持してはならない。

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1項

引火性、発火性 又は爆発性のある毒物 又は劇物であつて政令で定めるものは、業務 その他正当な理由による場合を除いては、所持してはならない。

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1項

毒物 又は劇物の製造業、輸入業 又は販売業の登録は、製造所、営業所 又は店舗ごとに、その製造所、営業所 又は店舗の所在地の都道府県知事(販売業にあつてはその店舗の所在地が、地域保健法昭和二十二年法律第百一号第五条第一項の政令で定める市(以下「保健所を設置する市」という。)又は特別区の区域にある場合においては、市長 又は区長。次項第五条第七条第三項第十条第一項 及び第十九条第一項から第三項までにおいて同じ。)が行う。

2項

毒物 又は劇物の製造業、輸入業 又は販売業の登録を受けようとする者は、製造業者にあつては製造所、輸入業者にあつては営業所、販売業者にあつては店舗ごとに、その製造所、営業所 又は店舗の所在地の都道府県知事に申請書を出さなければならない。

3項

製造業 又は輸入業の登録は、五年ごとに、販売業の登録は、六年ごとに、更新を受けなければ、その効力を失う。

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1項

毒物 又は劇物の販売業の登録を分けて、次のとおりとする。

一 号
一般販売業の登録
二 号
農業用品目販売業の登録
三 号
特定品目販売業の登録
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1項

農業用品目販売業の登録を受けた者は、農業上必要な毒物 又は劇物であつて厚生労働省令で定めるもの以外の毒物 又は劇物を販売し、授与し、又は販売 若しくは授与の目的で貯蔵し、運搬し、若しくは陳列してはならない。

2項

特定品目販売業の登録を受けた者は、厚生労働省令で定める毒物 又は劇物以外の毒物 又は劇物を販売し、授与し、又は販売 若しくは授与の目的で貯蔵し、運搬し、若しくは陳列してはならない。

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1項

都道府県知事は、毒物 又は劇物の製造業、輸入業 又は販売業の登録を受けようとする者の設備が、厚生労働省令で定める基準に適合しないと認めるとき、又はその者が第十九条第二項 若しくは第四項の規定により登録を取り消され、取消しの日から起算して二年を経過していないものであるときは、第四条第一項の登録をしてはならない。

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1項

第四条第一項の登録は、次に掲げる事項について行うものとする。

一 号

申請者の氏名 及び住所(法人にあつては、その名称 及び主たる事務所の所在地

二 号

製造業 又は輸入業の登録にあつては、製造し、又は輸入しようとする毒物 又は劇物の品目

三 号

製造所、営業所 又は店舗の所在地

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1項

特定毒物研究者の許可を受けようとする者は、その主たる研究所の所在地の都道府県知事に申請書を出さなければならない。

2項

都道府県知事は、毒物に関し相当の知識を持ち、かつ、学術研究上特定毒物を製造し、又は使用することを必要とする者でなければ、特定毒物研究者の許可を与えてはならない。

3項

都道府県知事は、次に掲げる者には、特定毒物研究者の許可を与えないことができる。

一 号

心身の障害により特定毒物研究者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

二 号

麻薬、大麻、あへん 又は覚せい剤の中毒者

三 号

毒物 若しくは劇物 又は薬事に関する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過していない者

四 号

第十九条第四項の規定により許可を取り消され、取消しの日から起算して二年を経過していない者

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1項

毒物劇物営業者は、毒物 又は劇物を直接に取り扱う製造所、営業所 又は店舗ごとに、専任の毒物劇物取扱責任者を置き、毒物 又は劇物による保健衛生上の危害の防止に当たらせなければならない。


ただし、自ら毒物劇物取扱責任者として毒物 又は劇物による保健衛生上の危害の防止に当たる製造所、営業所 又は店舗については、この限りでない。

2項

毒物劇物営業者が毒物 若しくは劇物の製造業、輸入業 若しくは販売業のうち二以上を併せて営む場合において、その製造所、営業所 若しくは店舗が互いに隣接しているとき、又は同一店舗において毒物 若しくは劇物の販売業を二以上併せて営む場合には、毒物劇物取扱責任者は、前項の規定にかかわらず、これらの施設を通じて一人で足りる。

3項

毒物劇物営業者は、毒物劇物取扱責任者を置いたときは、三十日以内に、その製造所、営業所 又は店舗の所在地の都道府県知事にその毒物劇物取扱責任者の氏名を届け出なければならない。


毒物劇物取扱責任者を変更したときも、同様とする。

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1項

次の各号に掲げる者でなければ、前条の毒物劇物取扱責任者となることができない。

一 号
薬剤師
二 号

厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者

三 号

都道府県知事が行う 毒物劇物取扱者試験に合格した者

2項

次に掲げる者は、前条毒物劇物取扱責任者となることができない

一 号

十八歳未満の者

二 号

心身の障害により毒物劇物取扱責任者の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

三 号

麻薬、大麻、あへん 又は覚せい剤の中毒者

四 号

毒物 若しくは劇物 又は薬事に関する罪を犯し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して三年を経過していない者

3項

第一項第三号の毒物劇物取扱者試験を分けて、一般毒物劇物取扱者試験、農業用品目毒物劇物取扱者試験 及び特定品目毒物劇物取扱者試験とする。

4項

農業用品目毒物劇物取扱者試験 又は特定品目毒物劇物取扱者試験に合格した者は、それぞれ第四条の三第一項の厚生労働省令で定める毒物 若しくは劇物のみを取り扱う輸入業の営業所 若しくは農業用品目販売業の店舗 又は同条第二項の厚生労働省令で定める毒物 若しくは劇物のみを取り扱う輸入業の営業所 若しくは特定品目販売業の店舗においてのみ、毒物劇物取扱責任者となることができる。

5項

この法律に定めるもののほか、試験科目 その他毒物劇物取扱者試験に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

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1項

毒物 又は劇物の製造業者 又は輸入業者は、登録を受けた毒物 又は劇物以外の 毒物 又は劇物を製造し、又は輸入しようとするときは、あらかじめ第六条第二号に掲げる事項につき登録の変更を受けなければならない。

2項

第四条第二項 及び第五条の規定は、登録の変更について準用する。

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1項

毒物劇物営業者は、次の各号いずれかに該当する場合には、三十日以内に、その製造所、営業所 又は店舗の所在地の都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

一 号

氏名 又は住所(法人にあつては、その名称 又は主たる事務所の所在地)を変更したとき。

二 号

毒物 又は劇物を製造し、貯蔵し、又は運搬する設備の重要な部分を変更したとき。

三 号

その他厚生労働省令で定める事項を変更したとき。

四 号

当該製造所、営業所 又は店舗における営業を廃止したとき。

2項

特定毒物研究者は、次の各号いずれかに該当する場合には、三十日以内に、その主たる研究所の所在地の都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

一 号

氏名 又は住所を変更したとき。

二 号

その他厚生労働省令で定める事項を変更したとき。

三 号

当該研究を廃止したとき。

3項

第一項第四号 又は前項第三号の場合において、その届出があつたときは、当該登録 又は許可は、その効力を失う。

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1項

毒物劇物営業者 及び特定毒物研究者は、毒物 又は劇物が盗難にあい、又は紛失することを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。

2項

毒物劇物営業者 及び特定毒物研究者は、毒物 若しくは劇物 又は毒物 若しくは劇物を含有する物であつて政令で定めるものがその製造所、営業所 若しくは店舗 又は研究所の外に飛散し、漏れ、流れ出、若しくはしみ出、又はこれらの施設の地下にしみ込むことを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。

3項

毒物劇物営業者 及び特定毒物研究者は、その製造所、営業所 若しくは店舗 又は研究所の外において毒物 若しくは劇物 又は前項の政令で定める物を運搬する場合には、これらの物が飛散し、漏れ、流れ出、又はしみ出ることを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。

4項

毒物劇物営業者 及び特定毒物研究者は、毒物 又は厚生労働省令で定める劇物については、その容器として、飲食物の容器として通常使用される物を使用してはならない。

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1項

毒物劇物営業者 及び特定毒物研究者は、毒物 又は劇物の容器 及び被包に、「医薬用外」の文字 及び毒物については赤地に白色をもつて「毒物」の文字、劇物については白地に赤色をもつて「劇物」の文字を表示しなければならない。

2項

毒物劇物営業者は、その容器 及び被包に、左に掲げる事項を表示しなければ、毒物 又は劇物を販売し、又は授与してはならない。

一 号
毒物 又は劇物の名称
二 号

毒物 又は劇物の成分 及びその含量

三 号

厚生労働省令で定める毒物 又は劇物については、それぞれ厚生労働省令で定めるその解毒剤の名称

四 号

毒物 又は劇物の取扱 及び使用上特に必要と認めて、厚生労働省令で定める事項

3項

毒物劇物営業者 及び特定毒物研究者は、毒物 又は劇物を貯蔵し、又は陳列する場所に、「医薬用外」の文字 及び毒物については「毒物」、劇物については「劇物」の文字を表示しなければならない。

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1項

毒物劇物営業者は、政令で定める毒物 又は劇物については、厚生労働省令で定める方法により着色したものでなければ、これを農業用として販売し、又は授与してはならない。

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1項

毒物劇物営業者は、毒物 又は劇物のうち主として一般消費者の生活の用に供されると認められるものであつて政令で定めるものについては、その成分の含量 又は容器 若しくは被包について政令で定める基準に適合するものでなければ、これを販売し、又は授与してはならない。

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1項

毒物劇物営業者は、毒物 又は劇物を他の毒物劇物営業者に販売し、又は授与したときは、その都度、次に掲げる事項を書面に記載しておかなければならない。

一 号

毒物 又は劇物の名称 及び数量

二 号
販売 又は授与の年月日
三 号

譲受人の氏名、職業 及び住所(法人にあつては、その名称 及び主たる事務所の所在地

2項

毒物劇物営業者は、譲受人から前項各号に掲げる事項を記載し、厚生労働省令で定めるところにより作成した書面の提出を受けなければ、毒物 又は劇物を毒物劇物営業者以外の者に販売し、又は授与してはならない。

3項

前項の毒物劇物営業者は、同項の規定による書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、当該譲受人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項について電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供を受けることができる。


この場合において、当該毒物劇物営業者は、当該書面の提出を受けたものとみなす。

4項

毒物劇物営業者は、販売 又は授与の日から五年間第一項 及び第二項の書面 並びに前項前段に規定する方法が行われる場合に当該方法において作られる電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて電子計算機による情報処理の用に供されるものとして厚生労働省令で定めるものをいう。)を保存しなければならない。

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1項

毒物劇物営業者は、毒物 又は劇物を次に掲げる者に交付してはならない

一 号

十八歳未満の者

二 号

心身の障害により毒物 又は劇物による保健衛生上の危害の防止の措置を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの

三 号

麻薬、大麻、あへん 又は覚せい剤の中毒者

2項

毒物劇物営業者は、厚生労働省令の定めるところにより、その交付を受ける者の氏名 及び住所を確認した後でなければ、第三条の四に規定する政令で定める物を交付してはならない。

3項

毒物劇物営業者は、帳簿を備え、前項の確認をしたときは、厚生労働省令の定めるところにより、その確認に関する事項を記載しなければならない。

4項

毒物劇物営業者は、前項の帳簿を、最終の記載をした日から五年間保存しなければならない。

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1項

毒物 若しくは劇物又は第十一条第二項に規定する政令で定める物は、廃棄の方法について政令で定める技術上の基準に従わなければ、廃棄してはならない。

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1項

都道府県知事(毒物 又は劇物の販売業にあつてはその店舗の所在地が保健所を設置する市 又は特別区の区域にある場合においては市長 又は区長とし、特定毒物研究者にあつてはその主たる研究所の所在地が指定都市の区域にある場合においては指定都市の長とする。第十八条第一項第十九条第四項 及び第五項第二十条第二項 並びに第二十三条の二において同じ。)は、毒物劇物営業者 又は特定毒物研究者の行う毒物 若しくは劇物 又は第十一条第二項の政令で定める物の廃棄の方法が前条の政令で定める基準に適合せず、これを放置しては不特定 又は多数の者について保健衛生上の危害が生ずるおそれがあると認められるときは、その者に対し、当該廃棄物の回収 又は毒性の除去 その他保健衛生上の危害を防止するために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

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1項

保健衛生上の危害を防止するため必要があるときは、政令で、毒物 又は劇物の運搬、貯蔵 その他の取扱について、技術上の基準を定めることができる。

2項

保健衛生上の危害を防止するため特に必要があるときは、政令で、次に掲げる事項を定めることができる。

一 号

特定毒物が附着している物 又は特定毒物を含有する物の取扱に関する技術上の基準

二 号

特定毒物を含有する物の製造業者 又は輸入業者が一定の品質 又は着色の基準に適合するものでなければ、特定毒物を含有する物を販売し、又は授与してはならない旨

三 号

特定毒物を含有する物の製造業者、輸入業者 又は販売業者が特定毒物を含有する物を販売し、又は授与する場合には、一定の表示をしなければならない旨

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1項

毒物劇物営業者 及び特定毒物研究者は、その取扱いに係る毒物 若しくは劇物 又は第十一条第二項の政令で定める物が飛散し、漏れ、流れ出し、染み出し、又は地下に染み込んだ場合において、不特定 又は多数の者について保健衛生上の危害が生ずるおそれがあるときは、直ちに、その旨を保健所、警察署 又は消防機関に届け出るとともに、保健衛生上の危害を防止するために必要な応急の措置を講じなければならない。

2項

毒物劇物営業者 及び特定毒物研究者は、その取扱いに係る毒物 又は劇物が盗難にあい、又は紛失したときは、直ちに、その旨を警察署に届け出なければならない。

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1項

都道府県知事は、保健衛生上必要があると認めるときは、毒物劇物営業者 若しくは特定毒物研究者から必要な報告を徴し、又は薬事監視員のうちからあらかじめ指定する者に、これらの者の製造所、営業所、店舗、研究所 その他業務上毒物 若しくは劇物を取り扱う場所に立ち入り、帳簿 その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、若しくは試験のため必要な最小限度の分量に限り、毒物、劇物、第十一条第二項の政令で定める物 若しくはその疑いのある物を収去させることができる。

2項

前項の規定により指定された者は、毒物劇物監視員と称する。

3項

毒物劇物監視員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

4項

第一項の規定は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

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1項

都道府県知事は、毒物劇物営業者の有する設備が第五条の厚生労働省令で定める基準に適合しなくなつたと認めるときは、相当の期間を定めて、その設備を当該基準に適合させるために必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

2項

前項の命令を受けた者が、その指定された期間内に必要な措置をとらないときは、都道府県知事は、その者の登録を取り消さなければならない

3項

都道府県知事は、毒物 若しくは劇物の製造業、輸入業 若しくは販売業の毒物劇物取扱責任者にこの法律に違反する行為があつたとき、又はその者が毒物劇物取扱責任者として不適当であると認めるときは、その毒物劇物営業者に対して、毒物劇物取扱責任者の変更を命ずることができる。

4項

都道府県知事は、毒物劇物営業者 又は特定毒物研究者にこの法律 又はこれに基づく処分に違反する行為があつたとき(特定毒物研究者については、第六条の二第三項第一号から第三号までに該当するに至つたときを含む。)は、その営業の登録 若しくは特定毒物研究者の許可を取り消し、又は期間を定めて、業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

5項

厚生労働大臣は、保健衛生上の危害の発生 又は拡大を防止するため緊急時において必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、前各項の規定による処分(指定都市の長に対しては、前項の規定による処分に限る)を行うよう指示をすることができる。

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1項

前条第二項から第四項までの規定による処分に係る行政手続法平成五年法律第八十八号第十五条第一項 又は第三十条の通知は、聴聞の期日 又は弁明を記載した書面の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)の一週間前までにしなければならない。

2項

都道府県知事は、前条第二項の規定による登録の取消し、同条第三項の規定による毒物劇物取扱責任者の変更命令 又は同条第四項の規定による許可の取消し(次項において「登録の取消処分等」という。)に係る行政手続法第十五条第一項の通知をしたときは、聴聞の期日 及び場所を公示しなければならない。

3項

登録の取消処分等に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

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1項

毒物劇物営業者、特定毒物研究者 又は特定毒物使用者は、その営業の登録 若しくは特定毒物研究者の許可が効力を失い、又は特定毒物使用者でなくなつたときは、十五日以内に、毒物劇物営業者にあつてはその製造所、営業所 又は店舗の所在地の都道府県知事(販売業にあつてはその店舗の所在地が、保健所を設置する市 又は特別区の区域にある場合においては、市長 又は区長)に、特定毒物研究者にあつてはその主たる研究所の所在地の都道府県知事(その主たる研究所の所在地が指定都市の区域にある場合においては、指定都市の長)に、特定毒物使用者にあつては都道府県知事に、それぞれ現に所有する特定毒物の品名 及び数量を届け出なければならない。

2項

前項の規定により届出をしなければならない者については、これらの者がその届出をしなければならないこととなつた日から起算して五十日以内同項の特定毒物を毒物劇物営業者、特定毒物研究者 又は特定毒物使用者に譲り渡す場合に限り、その譲渡し 及び譲受けについては、第三条の二第六項 及び第七項の規定を適用せず、また、その者の前項の特定毒物の所持については、同期間に限り、同条第十項の規定を適用しない。

3項

毒物劇物営業者 又は特定毒物研究者であつた者が前項の期間内に第一項の特定毒物を譲り渡す場合においては、第三条の二第八項 及び第九項の規定の適用については、その者は、毒物劇物営業者 又は特定毒物研究者であるものとみなす。

4項

前三項の規定は、毒物劇物営業者、特定毒物研究者 若しくは特定毒物使用者が死亡し、又は法人たるこれらの者が合併によつて消滅した場合に、その相続人 若しくは相続人に代わつて相続財産を管理する者 又は合併後存続し、若しくは合併により設立された法人の代表者について準用する。

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1項

政令で定める事業を行う者であつてその業務上シアン化ナトリウム 又は政令で定めるその他の毒物 若しくは劇物を取り扱うものは、事業場ごとに、その業務上これらの毒物 又は劇物を取り扱うこととなつた日から三十日以内に、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を、その事業場の所在地の都道府県知事(その事業場の所在地が保健所を設置する市 又は特別区の区域にある場合においては、市長 又は区長。第三項において同じ。)に届け出なければならない。

一 号

氏名 又は住所(法人にあつては、その名称 及び主たる事務所の所在地

二 号

シアン化ナトリウム 又は政令で定めるその他の毒物 若しくは劇物のうち取り扱う毒物 又は劇物の品目

三 号
事業場の所在地
四 号

その他厚生労働省令で定める事項

2項

前項の政令が制定された場合においてその政令の施行により同項に規定する者に該当することとなつた者は、その政令の施行の日から三十日以内に、同項の規定の例により同項各号に掲げる事項を届け出なければならない。

3項

前二項の規定により届出をした者は、当該事業場におけるその事業を廃止したとき、当該事業場において第一項の毒物 若しくは劇物を業務上取り扱わないこととなつたとき、又は同項各号に掲げる事項を変更したときは、その旨を当該事業場の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。

4項

第七条第八条第十一条第十二条第一項 及び第三項第十五条の三第十七条第十八条 並びに第十九条第三項 及び第五項の規定は、第一項に規定する者(第二項に規定する者を含む。以下この条において同じ。)について準用する。


この場合において、

第七条第三項
その製造所、営業所 又は店舗の所在地の都道府県知事」とあるのは
「その事業場の所在地の都道府県知事(その事業場の所在地が保健所を設置する市 又は特別区の区域にある場合においては、市長 又は区長。第十五条の三第十八条第一項 並びに第十九条第三項 及び第五項において同じ。)」と、

第十五条の三
都道府県知事(毒物 又は劇物の販売業にあつてはその店舗の所在地が保健所を設置する市 又は特別区の区域にある場合においては市長 又は区長とし、特定毒物研究者にあつてはその主たる研究所の所在地が指定都市の区域にある場合においては指定都市の長とする。第十八条第一項、第十九条第四項 及び第五項、第二十条第二項 並びに第二十三条の二において同じ。)」とあるのは
「都道府県知事」と

読み替えるものとする。

5項

第十一条第十二条第一項 及び第三項第十七条 並びに第十八条の規定は、毒物劇物営業者、特定毒物研究者 及び第一項に規定する者以外の者であつて厚生労働省令で定める毒物 又は劇物を業務上取り扱うものについて準用する。


この場合において、

同条第一項
都道府県知事」とあるのは、
「都道府県知事(第二十二条第五項に規定する者の業務上毒物 又は劇物を取り扱う場所の所在地が保健所を設置する市 又は特別区の区域にある場合においては、市長 又は区長)」と

読み替えるものとする。

6項

厚生労働大臣 又は都道府県知事(第一項に規定する者の事業場 又は前項に規定する者の業務上毒物 若しくは劇物を取り扱う場所の所在地が保健所を設置する市 又は特別区の区域にある場合においては、市長 又は区長。次項において同じ。)は、第一項に規定する者が第四項において準用する第七条 若しくは第十一条の規定 若しくは同項において準用する第十九条第三項の処分に違反していると認めるとき、又は前項に規定する者が同項において準用する第十一条の規定に違反していると認めるときは、その者に対し、相当の期間を定めて、必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

7項

第二十条の規定は、厚生労働大臣 又は都道府県知事が第四項において準用する第十九条第三項の処分 又は前項の処分をしようとする場合について準用する。

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1項

厚生労働大臣は、第十六条第一項別表第一第二十八号別表第二第九十四号 及び別表第三第十号の政令の制定 又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、薬事審議会の意見を聴かなければならない。


ただし、薬事審議会が軽微な事項と認めるものについては、この限りでない。

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1項

第十八条第一項の規定により都道府県知事の権限に属するものとされている事務(製剤の製造(製剤の小分けを含む。)若しくは原体の小分けのみを行う製造業者 又は製剤の輸入のみを行う輸入業者に係る同項に規定する権限に属するものを除く。以下この条において同じ。)は、保健衛生上の危害の発生 又は拡大を防止するため緊急の必要があると厚生労働大臣が認める場合にあつては、厚生労働大臣 又は都道府県知事が行うものとする。


この場合においては、この法律の規定中都道府県知事に関する規定(当該事務に係るものに限る)は、厚生労働大臣に関する規定として厚生労働大臣に適用があるものとする。

2項

前項の場合において、厚生労働大臣 又は都道府県知事が当該事務を行うときは、相互に密接な連携の下に行うものとする。

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1項

この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。

2項

前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

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1項

この法律に規定するもののほか、毒物 又は劇物の製造業、輸入業 又は販売業の登録 及び登録の更新に関し必要な事項 並びに特定毒物研究者の許可 及び届出 並びに特定毒物研究者についての第十九条第四項の処分に関し必要な事項は、政令で定める。

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1項

この法律の規定に基づき政令 又は厚生労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ、政令 又は厚生労働省令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。

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1項

次の各号いずれかに該当する者は、三年以下の懲役 若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第三条第三条の二第四条の三 又は第九条の規定に違反した者

二 号

第十二条第二十二条第四項 及び第五項で準用する場合を含む。)の表示をせず、又は虚偽の表示をした者

三 号

第十三条第十三条の二 又は第十五条第一項の規定に違反した者

四 号

第十四条第一項 又は第二項の規定に違反した者

五 号

第十五条の二の規定に違反した者

六 号

第十九条第四項の規定による業務の停止命令に違反した者

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1項

次の各号いずれかに 該当する者は、二年以下の懲役 若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

みだりに摂取し、若しくは吸入し、又はこれらの目的で所持することの情を知つて第三条の三に規定する政令で定める物を販売し、又は授与した者

二 号

業務 その他正当な理由によることなく所持することの情を知つて第三条の四に規定する政令で定める物を販売し、又は授与した者

三 号

第二十二条第六項の規定による命令に違反した者

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1項

第三条の三の規定に違反した者は、一年以下の懲役 若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

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1項

第三条の四の規定に違反した者は、六月以下の懲役 若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

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1項

次の各号いずれかに 該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 号

第十条第一項第四号 又は第二項第三号に規定する事項につき、その届出を怠り、又は虚偽の届出をした者

二 号

第十四条第四項の規定に違反した者

二の二 号

第十五条第二項から第四項までの規定に違反した者

三 号

第十七条第二十二条第四項 及び第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

四 号

第十八条第一項第二十二条第四項 及び第五項において準用する場合を含む。)の規定による都道府県知事、指定都市の長、保健所を設置する市の市長 又は特別区の区長の要求があつた場合に、報告をせず、又は虚偽の報告をした者

五 号

第十八条第一項第二十二条第四項 及び第五項において準用する場合を含む。)の規定による立入り、検査、質問 又は収去を拒み、妨げ、又は忌避した者

六 号

第二十一条第一項同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者

七 号

第二十二条第一項から第三項までの規定による届出を怠り、又は虚偽の届出をした者

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1項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関して、第二十四条第二十四条の二第二十四条の四 又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人 又は人に対しても、各本条の罰金を科する。


但し、法人 又は人の代理人、使用人 その他の従業者の当該違反行為を防止するため、その業務について相当の注意 及び監督が尽されたことの証明があつたときは、その法人 又は人については、この限りでない。

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1項

第十六条の規定に基づく政令には、その政令に違反した者を二年以下の懲役 若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定


及び法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者がその法人 又は人の業務に関してその政令の違反行為をしたときはその行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して各本条の罰金を科する旨の規定を設けることができる。

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