個人情報の保護に関する法律

# 平成十五年法律第五十七号 #
略称 : 個人情報保護法 

第五章 行政機関等の義務等

分類 法律
カテゴリ   憲法
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 20時49分


第一節 総則

1項

この章 及び第八章において「保有個人情報」とは、行政機関等の職員(独立行政法人等 及び地方独立行政法人にあっては、その役員を含む。以下この章 及び第八章において同じ。)が職務上作成し、又は取得した個人情報であって、当該行政機関等の職員が組織的に利用するものとして、当該行政機関等が保有しているものをいう。


ただし、行政文書(行政機関の保有する情報の公開に関する法律平成十一年法律第四十二号。以下この章において「行政機関情報公開法」という。第二条第二項に規定する行政文書をいう。)、法人文書(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律平成十三年法律第百四十号。以下この章において「独立行政法人等情報公開法」という。第二条第二項に規定する法人文書同項第四号に掲げるものを含む。)をいう。)又は地方公共団体等行政文書(地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画 及び電磁的記録であって、当該地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人の職員が組織的に用いるものとして、当該地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人が保有しているもの(行政機関情報公開法第二条第二項各号に掲げるものに相当するものとして政令で定めるものを除く)をいう。)(以下この章において「行政文書等」という。)に記録されているものに限る

2項

この章 及び第八章において「個人情報ファイル」とは、保有個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。

一 号

一定の事務の目的を達成するために特定の保有個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの

二 号

前号に掲げるもののほか、一定の事務の目的を達成するために氏名、生年月日、その他の記述等により特定の保有個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成したもの

3項

この章において「行政機関等匿名加工情報」とは、次の各号いずれにも該当する個人情報ファイルを構成する保有個人情報の全部 又は一部(これらの一部に行政機関情報公開法第五条に規定する不開示情報(同条第一号に掲げる情報を除き同条第二号ただし書に規定する情報を含む。以下この項において同じ。)、独立行政法人等情報公開法第五条に規定する不開示情報(同条第一号に掲げる情報を除き同条第二号ただし書に規定する情報を含む。)又は地方公共団体の情報公開条例(地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める地方公共団体の条例をいう。以下この章において同じ。)に規定する不開示情報(行政機関情報公開法第五条に規定する不開示情報に相当するものをいう。)が含まれているときは、これらの不開示情報に該当する部分を除く)を加工して得られる匿名加工情報をいう。

一 号

第七十五条第二項各号いずれかに該当するもの又は同条第三項の規定により同条第一項に規定する個人情報ファイル簿に掲載しないこととされるものでないこと。

二 号

行政機関情報公開法第三条に規定する行政機関の長、独立行政法人等情報公開法第二条第一項に規定する独立行政法人等、地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人に対し、当該個人情報ファイルを構成する保有個人情報が記録されている行政文書等の開示の請求(行政機関情報公開法第三条独立行政法人等情報公開法第三条 又は情報公開条例の規定による開示の請求をいう。)があったとしたならば、これらの者が次のいずれかを行うこととなるものであること。

当該行政文書等に記録されている保有個人情報の全部 又は一部を開示する旨の決定をすること。

行政機関情報公開法第十三条第一項 若しくは第二項独立行政法人等情報公開法第十四条第一項 若しくは第二項 又は情報公開条例(行政機関情報公開法第十三条第一項 又は第二項の規定に相当する規定を設けているものに限る。)の規定により意見書の提出の機会を与えること。

三 号

行政機関等の事務 及び事業の適正かつ円滑な運営に支障のない範囲内で、第百十六条第一項の基準に従い、当該個人情報ファイルを構成する保有個人情報を加工して匿名加工情報を作成することができるものであること。

4項

この章において「行政機関等匿名加工情報ファイル」とは、行政機関等匿名加工情報を含む情報の集合物であって、次に掲げるものをいう。

一 号

特定の行政機関等匿名加工情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの

二 号

前号に掲げるもののほか、特定の行政機関等匿名加工情報を容易に検索することができるように体系的に構成したものとして政令で定めるもの

5項

この章において「条例要配慮個人情報」とは、地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人が保有する個人情報(要配慮個人情報を除く)のうち、地域の特性 その他の事情に応じて、本人に対する不当な差別、偏見 その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして地方公共団体が条例で定める記述等が含まれる個人情報をいう。

第二節 行政機関等における個人情報等の取扱い

1項

行政機関等は、個人情報を保有するに当たっては、法令(条例を含む。第六十六条第二項第三号 及び第四号第六十九条第二項第二号 及び第三号 並びに第四節において同じ。)の定める所掌事務 又は業務を遂行するため必要な場合に限り、かつ、その利用目的をできる限り特定しなければならない。

2項

行政機関等は、前項の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を保有してはならない。

3項

行政機関等は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。

1項

行政機関等は、本人から直接書面(電磁的記録を含む。)に記録された当該本人の個人情報を取得するときは、次に掲げる場合を除きあらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。

一 号
人の生命、身体 又は財産の保護のために緊急に必要があるとき。
二 号

利用目的を本人に明示することにより、本人 又は第三者の生命、身体、財産 その他の権利利益を害するおそれがあるとき。

三 号

利用目的を本人に明示することにより、国の機関、独立行政法人等、地方公共団体 又は地方独立行政法人が行う事務 又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

四 号
取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められるとき。
1項

行政機関の長(第二条第八項第四号 及び第五号の政令で定める機関にあっては、その機関ごとに政令で定める者をいう。以下この章 及び第百七十四条において同じ。)、地方公共団体の機関、独立行政法人等 及び地方独立行政法人(以下この章 及び次章において「行政機関の長等」という。)は、違法 又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。

1項

行政機関の長等は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。

1項

行政機関の長等は、利用目的の達成に必要な範囲内で、保有個人情報が過去 又は現在の事実と合致するよう努めなければならない。

1項

行政機関の長等は、保有個人情報の漏えい、滅失 又は毀損の防止 その他の保有個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。

2項

前項の規定は、次の各号に掲げる者が当該各号に定める業務を行う場合における個人情報の取扱いについて準用する。

一 号

行政機関等から個人情報の取扱いの委託を受けた者

当該委託を受けた業務

二 号

指定管理者(地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者をいう。

公の施設(同法第二百四十四条第一項に規定する公の施設をいう。)の管理の業務

三 号

第五十八条第一項各号に掲げる者

法令に基づき行う業務であって政令で定めるもの

四 号

第五十八条第二項各号に掲げる者

同項各号に定める業務のうち法令に基づき行う業務であって政令で定めるもの

五 号

前各号に掲げる者から当該各号に定める業務の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者

当該委託を受けた業務

1項

個人情報の取扱いに従事する行政機関等の職員 若しくは職員であった者、前条第二項各号に定める業務に従事している者 若しくは従事していた者 又は行政機関等において個人情報の取扱いに従事している派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律昭和六十年法律第八十八号第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。以下この章 及び第百七十六条において同じ。)若しくは従事していた派遣労働者は、その業務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

1項

行政機関の長等は、保有個人情報の漏えい、滅失、毀損 その他の保有個人情報の安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければならない。

2項

前項に規定する場合には、行政機関の長等は、本人に対し、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を通知しなければならない。


ただし次の各号いずれかに該当するときは、この限りでない。

一 号

本人への通知が困難な場合であって、本人の権利利益を保護するため必要なこれに代わるべき措置をとるとき。

二 号

当該保有個人情報に第七十八条第一項各号に掲げる情報のいずれかが含まれるとき。

1項

行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。

2項

前項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、次の各号いずれかに該当すると認めるときは、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供することができる。


ただし、保有個人情報を利用目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することによって、本人 又は第三者の権利利益を不当に侵害するおそれがあると認められるときは、この限りでない。

一 号
本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき。
二 号

行政機関等が法令の定める所掌事務 又は業務の遂行に必要な限度で保有個人情報を内部で利用する場合であって、当該保有個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。

三 号
他の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人に保有個人情報を提供する場合において、保有個人情報の提供を受ける者が、法令の定める事務 又は業務の遂行に必要な限度で提供に係る個人情報を利用し、かつ、当該個人情報を利用することについて相当の理由があるとき。
四 号

前三号に掲げる場合のほか、専ら統計の作成 又は学術研究の目的のために保有個人情報を提供するとき、本人以外の者に提供することが明らかに本人の利益になるとき、その他保有個人情報を提供することについて特別の理由があるとき。

3項

前項の規定は、保有個人情報の利用 又は提供を制限する他の法令の規定の適用を妨げるものではない。

4項

行政機関の長等は、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、保有個人情報の利用目的以外の目的のための行政機関等の内部における利用を特定の部局 若しくは機関 又は職員に限るものとする。

1項

行政機関の長等は、利用目的のために又は前条第二項第三号 若しくは第四号の規定に基づき、保有個人情報を提供する場合において、必要があると認めるときは、保有個人情報の提供を受ける者に対し、提供に係る個人情報について、その利用の目的 若しくは方法の制限 その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止 その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。

1項

行政機関の長等は、外国(本邦の域外にある国 又は地域をいう。以下この条において同じ。)(個人の権利利益を保護する上で我が国と同等の水準にあると認められる個人情報の保護に関する制度を有している外国として個人情報保護委員会規則で定めるものを除く。以下この条において同じ。)にある第三者(第十六条第三項に規定する個人データの取扱いについて前章第二節の規定により同条第二項に規定する個人情報取扱事業者が講ずべきこととされている措置に相当する措置(第三項において「相当措置」という。)を継続的に講ずるために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に適合する体制を整備している者を除く。以下この項 及び次項において同じ。)に利用目的以外の目的のために保有個人情報を提供する場合には、法令に基づく場合 及び第六十九条第二項第四号に掲げる場合を除くほか、あらかじめ外国にある第三者への提供を認める旨の本人の同意を得なければならない。

2項

行政機関の長等は、前項の規定により本人の同意を得ようとする場合には、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、当該外国における個人情報の保護に関する制度、当該第三者が講ずる個人情報の保護のための措置 その他当該本人に参考となるべき情報を当該本人に提供しなければならない。

3項

行政機関の長等は、保有個人情報を外国にある第三者(第一項に規定する体制を整備している者に限る)に利用目的以外の目的のために提供した場合には、法令に基づく場合 及び第六十九条第二項第四号に掲げる場合を除くほか、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該第三者による相当措置の継続的な実施を確保するために必要な措置を講ずるとともに、本人の求めに応じて当該必要な措置に関する情報を当該本人に提供しなければならない。

1項

行政機関の長等は、第三者に個人関連情報を提供する場合(当該第三者が当該個人関連情報を個人情報として取得することが想定される場合に限る)において、必要があると認めるときは、当該第三者に対し、提供に係る個人関連情報について、その利用の目的 若しくは方法の制限 その他必要な制限を付し、又はその漏えいの防止 その他の個人関連情報の適切な管理のために必要な措置を講ずることを求めるものとする。

1項

行政機関の長等は、法令に基づく場合を除くほか、仮名加工情報(個人情報であるものを除く。以下この条 及び第百二十八条において同じ。)を第三者(当該仮名加工情報の取扱いの委託を受けた者を除く)に提供してはならない。

2項

行政機関の長等は、その取り扱う仮名加工情報の漏えいの防止 その他仮名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。

3項

行政機関の長等は、仮名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該仮名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、削除情報等(仮名加工情報の作成に用いられた個人情報から削除された記述等 及び個人識別符号 並びに第四十一条第一項の規定により行われた加工の方法に関する情報をいう。)を取得し、又は当該仮名加工情報を他の情報と照合してはならない。

4項

行政機関の長等は、仮名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、電話をかけ、郵便 若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第六項に規定する一般信書便事業者 若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便により送付し、電報を送達し、ファクシミリ装置 若しくは電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であって個人情報保護委員会規則で定めるものをいう。)を用いて送信し、又は住居を訪問するために、当該仮名加工情報に含まれる連絡先 その他の情報を利用してはならない。

5項

前各項の規定は、行政機関の長等から仮名加工情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。

第三節 個人情報ファイル

1項

行政機関(会計検査院を除く。以下この条において同じ。)が個人情報ファイルを保有しようとするときは、当該行政機関の長は、あらかじめ、個人情報保護委員会に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。


通知した事項を変更しようとするときも、同様とする。

一 号
個人情報ファイルの名称
二 号
当該機関の名称 及び個人情報ファイルが利用に供される事務をつかさどる組織の名称
三 号
個人情報ファイルの利用目的
四 号

個人情報ファイルに記録される項目(以下この節において「記録項目」という。)及び本人(他の個人の氏名、生年月日 その他の記述等によらないで検索し得る者に限る次項第九号において同じ。)として個人情報ファイルに記録される個人の範囲(以下この節において「記録範囲」という。

五 号

個人情報ファイルに記録される個人情報(以下この節において「記録情報」という。)の収集方法

六 号
記録情報に要配慮個人情報が含まれるときは、その旨
七 号
記録情報を当該機関以外の者に経常的に提供する場合には、その提供先
八 号

次条第三項の規定に基づき、記録項目の一部 若しくは第五号 若しくは前号に掲げる事項を次条第一項に規定する個人情報ファイル簿に記載しないこととするとき、又は個人情報ファイルを同項に規定する個人情報ファイル簿に掲載しないこととするときは、その旨

九 号

第七十六条第一項第九十条第一項 又は第九十八条第一項の規定による請求を受理する組織の名称 及び所在地

十 号

第九十条第一項ただし書 又は第九十八条第一項ただし書に該当するときは、その旨

十一 号
その他政令で定める事項
2項

前項の規定は、次に掲げる個人情報ファイルについては、適用しない

一 号

国の安全、外交上の秘密 その他の国の重大な利益に関する事項を記録する個人情報ファイル

二 号

犯罪の捜査、租税に関する法律の規定に基づく犯則事件の調査 又は公訴の提起 若しくは維持のために作成し、又は取得する個人情報ファイル

三 号

当該機関の職員 又は職員であった者に係る個人情報ファイルであって、専らその人事、給与 若しくは福利厚生に関する事項 又はこれらに準ずる事項を記録するもの(当該機関が行う職員の採用試験に関する個人情報ファイルを含む。

四 号
専ら試験的な電子計算機処理の用に供するための個人情報ファイル
五 号

前項の規定による通知に係る個人情報ファイルに記録されている記録情報の全部 又は一部を記録した個人情報ファイルであって、その利用目的、記録項目 及び記録範囲が当該通知に係るこれらの事項の範囲内のもの

六 号

一年以内に消去することとなる記録情報のみを記録する個人情報ファイル

七 号

資料 その他の物品 若しくは金銭の送付 又は業務上必要な連絡のために利用する記録情報を記録した個人情報ファイルであって、送付 又は連絡の相手方の氏名、住所 その他の送付 又は連絡に必要な事項のみを記録するもの

八 号

職員が学術研究の用に供するためその発意に基づき作成し、又は取得する個人情報ファイルであって、記録情報を専ら当該学術研究の目的のために利用するもの

九 号
本人の数が政令で定める数に満たない個人情報ファイル
十 号

第三号から前号までに掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして政令で定める個人情報ファイル

十一 号

第六十条第二項第二号に係る個人情報ファイル

3項

行政機関の長は、第一項に規定する事項を通知した個人情報ファイルについて、当該行政機関がその保有をやめたとき、又はその個人情報ファイルが前項第九号に該当するに至ったときは、遅滞なく、個人情報保護委員会に対しその旨を通知しなければならない。

1項

行政機関の長等は、政令で定めるところにより、当該行政機関の長等の属する行政機関等が保有している個人情報ファイルについて、それぞれ前条第一項第一号から第七号まで第九号 及び第十号に掲げる事項 その他政令で定める事項を記載した帳簿(以下この章において「個人情報ファイル簿」という。)を作成し、公表しなければならない。

2項

前項の規定は、次に掲げる個人情報ファイルについては、適用しない

一 号

前条第二項第一号から第十号までに掲げる個人情報ファイル

二 号

前項の規定による公表に係る個人情報ファイルに記録されている記録情報の全部 又は一部を記録した個人情報ファイルであって、その利用目的、記録項目 及び記録範囲が当該公表に係るこれらの事項の範囲内のもの

三 号

前号に掲げる個人情報ファイルに準ずるものとして政令で定める個人情報ファイル

3項

第一項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、記録項目の一部 若しくは前条第一項第五号 若しくは第七号に掲げる事項を個人情報ファイル簿に記載し、又は個人情報ファイルを個人情報ファイル簿に掲載することにより、利用目的に係る事務 又は事業の性質上、当該事務 又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、その記録項目の一部 若しくは事項を記載せず、又はその個人情報ファイルを個人情報ファイル簿に掲載しないことができる。

4項

地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人についての第一項の規定の適用については、

同項
定める事項」とあるのは、
「定める事項 並びに記録情報に条例要配慮個人情報が含まれているときは、その旨」と

する。

5項

前各項の規定は、地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人が、条例で定めるところにより、個人情報ファイル簿とは別の個人情報の保有の状況に関する事項を記載した帳簿を作成し、公表することを妨げるものではない。

第四節 開示、訂正及び利用停止

第一款 開示

1項

何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長等に対し、当該行政機関の長等の属する行政機関等の保有する自己を本人とする保有個人情報の開示を請求することができる。

2項

未成年者 若しくは成年被後見人の法定代理人 又は本人の委任による代理人(以下この節において「代理人」と総称する。)は、本人に代わって前項の規定による開示の請求(以下この節 及び第百二十七条において「開示請求」という。)をすることができる。

1項

開示請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「開示請求書」という。)を行政機関の長等に提出してしなければならない。

一 号
開示請求をする者の氏名 及び住所 又は居所
二 号

開示請求に係る保有個人情報が記録されている行政文書等の名称 その他の開示請求に係る保有個人情報を特定するに足りる事項

2項

前項の場合において、開示請求をする者は、政令で定めるところにより、開示請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による開示請求にあっては、開示請求に係る保有個人情報の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。

3項

行政機関の長等は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をした者(以下この節において「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。


この場合において、行政機関の長等は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

1項

行政機関の長等は、開示請求があったときは、開示請求に係る保有個人情報に次の各号に掲げる情報(以下この節において「不開示情報」という。)のいずれかが含まれている場合を除き、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示しなければならない。

一 号

開示請求者(第七十六条第二項の規定により代理人が本人に代わって開示請求をする場合にあっては、当該本人をいう。次号 及び第三号次条第二項 並びに第八十六条第一項において同じ。)の生命、健康、生活 又は財産を害するおそれがある情報

二 号

開示請求者以外の個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日 その他の記述等により開示請求者以外の特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)若しくは個人識別符号が含まれるもの又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの。


ただし、次に掲げる情報を除く

法令の規定により又は慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報

人の生命、健康、生活 又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報

当該個人が公務員等(国家公務員法昭和二十二年法律第百二十号第二条第一項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法第二条第四項に規定する行政執行法人の職員を除く)、独立行政法人等の職員、地方公務員法昭和二十五年法律第二百六十一号第二条に規定する地方公務員 及び地方独立行政法人の職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職 及び当該職務遂行の内容に係る部分

三 号

法人 その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体 及び地方独立行政法人を除く。以下この号において「法人等」という。)に関する情報 又は開示請求者以外の事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。


ただし、人の生命、健康、生活 又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報を除く

開示することにより、当該法人等 又は当該個人の権利、競争上の地位 その他正当な利益を害するおそれがあるもの

行政機関等の要請を受けて、開示しないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等 又は個人における通例として開示しないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの

四 号

行政機関の長が第八十二条各項の決定(以下この節において「開示決定等」という。)をする場合において、開示することにより、国の安全が害されるおそれ、他国 若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国 若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると当該行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報

五 号

行政機関の長 又は地方公共団体の機関(都道府県の機関に限る)が開示決定等をする場合において、開示することにより、犯罪の予防、鎮圧 又は捜査、公訴の維持、刑の執行 その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると当該行政機関の長 又は地方公共団体の機関が認めることにつき相当の理由がある情報

六 号

国の機関、独立行政法人等、地方公共団体 及び地方独立行政法人の内部 又は相互間における審議、検討 又は協議に関する情報であって、開示することにより、率直な意見の交換 若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え 若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

七 号

国の機関、独立行政法人等、地方公共団体 又は地方独立行政法人が行う事務 又は事業に関する情報であって、開示することにより、次に掲げるおそれその他当該事務 又は事業の性質上、当該事務 又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの

独立行政法人等、地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人が開示決定等をする場合において、国の安全が害されるおそれ、他国 若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれ

独立行政法人等、地方公共団体の機関(都道府県の機関を除く)又は地方独立行政法人が開示決定等をする場合において、犯罪の予防、鎮圧 又は捜査 その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれ

監査、検査、取締り、試験 又は租税の賦課 若しくは徴収に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ 又は違法 若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ

契約、交渉 又は争訟に係る事務に関し、国、独立行政法人等、地方公共団体 又は地方独立行政法人の財産上の利益 又は当事者としての地位を不当に害するおそれ

調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ

人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ

独立行政法人等、地方公共団体が経営する企業 又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ

2項

地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人についての前項の規定の適用については、

同項
掲げる情報(」とあるのは、
「掲げる情報(情報公開条例の規定により開示することとされている情報として条例で定めるものを除く)又は行政機関情報公開法第五条に規定する不開示情報に準ずる情報であって情報公開条例において開示しないこととされているもののうち当該情報公開条例との整合性を確保するために不開示とする必要があるものとして条例で定めるもの(」と

する。

1項

行政機関の長等は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合において、不開示情報に該当する部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。

2項

開示請求に係る保有個人情報に前条第一項第二号の情報(開示請求者以外の特定の個人を識別することができるものに限る)が含まれている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日 その他の開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなる記述等 及び個人識別符号の部分を除くことにより、開示しても、開示請求者以外の個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。

1項

行政機関の長等は、開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該保有個人情報を開示することができる。

1項

開示請求に対し、当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長等は、当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。

1項

行政機関の長等は、開示請求に係る保有個人情報の全部 又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨、開示する保有個人情報の利用目的 及び開示の実施に関し政令で定める事項を書面により通知しなければならない。


ただし第六十二条第二号 又は第三号に該当する場合における当該利用目的については、この限りでない。

2項

行政機関の長等は、開示請求に係る保有個人情報の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき、及び開示請求に係る保有個人情報を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

1項

開示決定等は、開示請求があった日から三十日以内にしなければならない。


ただし第七十七条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2項

前項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、事務処理上の困難 その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。


この場合において、行政機関の長等は、開示請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間 及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

1項

開示請求に係る保有個人情報が著しく大量であるため、開示請求があった日から六十日以内にその全てについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には、前条の規定にかかわらず、行政機関の長等は、開示請求に係る保有個人情報のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの保有個人情報については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。


この場合において、行政機関の長等は、同条第一項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

一 号

この条の規定を適用する旨 及びその理由

二 号
残りの保有個人情報について開示決定等をする期限
1項

行政機関の長等は、開示請求に係る保有個人情報が当該行政機関の長等が属する行政機関等以外の行政機関等から提供されたものであるとき、その他他の行政機関の長等において開示決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の行政機関の長等と協議の上、当該他の行政機関の長等に対し、事案を移送することができる。


この場合においては、移送をした行政機関の長等は、開示請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。

2項

前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた行政機関の長等において、当該開示請求についての開示決定等をしなければならない。


この場合において、移送をした行政機関の長等が移送前にした行為は、移送を受けた行政機関の長等がしたものとみなす。

3項

前項の場合において、移送を受けた行政機関の長等が第八十二条第一項の決定(以下この節において「開示決定」という。)をしたときは、当該行政機関の長等は、開示の実施をしなければならない。


この場合において、移送をした行政機関の長等は、当該開示の実施に必要な協力をしなければならない。

1項

開示請求に係る保有個人情報に国、独立行政法人等、地方公共団体、地方独立行政法人 及び開示請求者以外の者(以下この条第百五条第二項第三号 及び第百七条第一項において「第三者」という。)に関する情報が含まれているときは、行政機関の長等は、開示決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、政令で定めるところにより、当該第三者に関する情報の内容 その他政令で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。

2項

行政機関の長等は、次の各号いずれかに該当するときは、開示決定に先立ち、当該第三者に対し、政令で定めるところにより、開示請求に係る当該第三者に関する情報の内容 その他政令で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。


ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

一 号

第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を開示しようとする場合であって、当該第三者に関する情報が第七十八条第一項第二号ロ 又は同項第三号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。

二 号

第三者に関する情報が含まれている保有個人情報を第八十条の規定により開示しようとするとき。

3項

行政機関の長等は、前二項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも二週間を置かなければならない。


この場合において、行政機関の長等は、開示決定後直ちに、当該意見書(第百五条において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、開示決定をした旨 及びその理由 並びに開示を実施する日を書面により通知しなければならない。

1項

保有個人情報の開示は、当該保有個人情報が、文書 又は図画に記録されているときは閲覧 又は写しの交付により、電磁的記録に記録されているときはその種別、情報化の進展状況等を勘案して行政機関等が定める方法により行う。


ただし、閲覧の方法による保有個人情報の開示にあっては、行政機関の長等は、当該保有個人情報が記録されている文書 又は図画の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。

2項

行政機関等は、前項の規定に基づく電磁的記録についての開示の方法に関する定めを一般の閲覧に供しなければならない。

3項

開示決定に基づき保有個人情報の開示を受ける者は、政令で定めるところにより、当該開示決定をした行政機関の長等に対し、その求める開示の実施の方法 その他の政令で定める事項を申し出なければならない。

4項

前項の規定による申出は、第八十二条第一項に規定する通知があった日から三十日以内にしなければならない。


ただし、当該期間内に当該申出をすることができないことにつき正当な理由があるときは、この限りでない。

1項

行政機関の長等は、他の法令の規定により、開示請求者に対し開示請求に係る保有個人情報が前条第一項本文に規定する方法と同一の方法で開示することとされている場合(開示の期間が定められている場合にあっては、当該期間内に限る)には、同項本文の規定にかかわらず、当該保有個人情報については、当該同一の方法による開示を行わない。


ただし、当該他の法令の規定に一定の場合には開示をしない旨の定めがあるときは、この限りでない。

2項

他の法令の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、当該縦覧を前条第一項本文の閲覧とみなして、前項の規定を適用する。

1項

行政機関の長に対し開示請求をする者は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。

2項
地方公共団体の機関に対し開示請求をする者は、条例で定めるところにより、実費の範囲内において条例で定める額の手数料を納めなければならない。
3項

前二項の手数料の額を定めるに当たっては、できる限り利用しやすい額とするよう配慮しなければならない。

4項
独立行政法人等に対し開示請求をする者は、独立行政法人等の定めるところにより、手数料を納めなければならない。
5項

前項の手数料の額は、実費の範囲内において、かつ、第一項の手数料の額を参酌して、独立行政法人等が定める。

6項

独立行政法人等は、前二項の規定による定めを一般の閲覧に供しなければならない。

7項
地方独立行政法人に対し開示請求をする者は、地方独立行政法人の定めるところにより、手数料を納めなければならない。
8項

前項の手数料の額は、実費の範囲内において、かつ、第二項の条例で定める手数料の額を参酌して、地方独立行政法人が定める。

9項

地方独立行政法人は、前二項の規定による定めを一般の閲覧に供しなければならない。

第二款 訂正

1項

何人も、自己を本人とする保有個人情報(次に掲げるものに限る第九十八条第一項において同じ。)の内容が事実でないと思料するときは、この法律の定めるところにより、当該保有個人情報を保有する行政機関の長等に対し、当該保有個人情報の訂正(追加 又は削除を含む。以下この節において同じ。)を請求することができる。


ただし、当該保有個人情報の訂正に関して他の法令の規定により特別の手続が定められているときは、この限りでない。

一 号
開示決定に基づき開示を受けた保有個人情報
二 号

開示決定に係る保有個人情報であって、第八十八条第一項の他の法令の規定により開示を受けたもの

2項

代理人は、本人に代わって前項の規定による訂正の請求(以下この節 及び第百二十七条において「訂正請求」という。)をすることができる。

3項

訂正請求は、保有個人情報の開示を受けた日から九十日以内にしなければならない。

1項

訂正請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「訂正請求書」という。)を行政機関の長等に提出してしなければならない。

一 号
訂正請求をする者の氏名 及び住所 又は居所
二 号
訂正請求に係る保有個人情報の開示を受けた日 その他当該保有個人情報を特定するに足りる事項
三 号
訂正請求の趣旨 及び理由
2項

前項の場合において、訂正請求をする者は、政令で定めるところにより、訂正請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による訂正請求にあっては、訂正請求に係る保有個人情報の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。

3項

行政機関の長等は、訂正請求書に形式上の不備があると認めるときは、訂正請求をした者(以下この節において「訂正請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。

1項

行政機関の長等は、訂正請求があった場合において、当該訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る保有個人情報の利用目的の達成に必要な範囲内で、当該保有個人情報の訂正をしなければならない。

1項

行政機関の長等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をするときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

2項

行政機関の長等は、訂正請求に係る保有個人情報の訂正をしないときは、その旨の決定をし、訂正請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

1項

前条各項の決定(以下この節において「訂正決定等」という。)は、訂正請求があった日から三十日以内にしなければならない。


ただし第九十一条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2項

前項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、事務処理上の困難 その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。


この場合において、行政機関の長等は、訂正請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間 及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

1項

行政機関の長等は、訂正決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相当の期間内に訂正決定等をすれば足りる。


この場合において、行政機関の長等は、同条第一項に規定する期間内に、訂正請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

一 号

この条の規定を適用する旨 及びその理由

二 号
訂正決定等をする期限
1項

行政機関の長等は、訂正請求に係る保有個人情報が第八十五条第三項の規定に基づく開示に係るものであるとき、その他他の行政機関の長等において訂正決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の行政機関の長等と協議の上、当該他の行政機関の長等に対し、事案を移送することができる。


この場合においては、移送をした行政機関の長等は、訂正請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。

2項

前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた行政機関の長等において、当該訂正請求についての訂正決定等をしなければならない。


この場合において、移送をした行政機関の長等が移送前にした行為は、移送を受けた行政機関の長等がしたものとみなす。

3項

前項の場合において、移送を受けた行政機関の長等が第九十三条第一項の決定(以下この項 及び次条において「訂正決定」という。)をしたときは、移送をした行政機関の長等は、当該訂正決定に基づき訂正の実施をしなければならない。

1項

行政機関の長等は、訂正決定に基づく保有個人情報の訂正の実施をした場合において、必要があると認めるときは、当該保有個人情報の提供先に対し、遅滞なく、その旨を書面により通知するものとする。

第三款 利用停止

1項

何人も、自己を本人とする保有個人情報が次の各号いずれかに該当すると思料するときは、この法律の定めるところにより、当該保有個人情報を保有する行政機関の長等に対し、当該各号に定める措置を請求することができる。


ただし、当該保有個人情報の利用の停止、消去 又は提供の停止(以下この節において「利用停止」という。)に関して他の法令の規定により特別の手続が定められているときは、この限りでない。

一 号

第六十一条第二項の規定に違反して保有されているとき、第六十三条の規定に違反して取り扱われているとき、第六十四条の規定に違反して取得されたものであるとき、又は第六十九条第一項 及び第二項の規定に違反して利用されているとき

当該保有個人情報の利用の停止 又は消去

二 号

第六十九条第一項 及び第二項 又は第七十一条第一項の規定に違反して提供されているとき

当該保有個人情報の提供の停止

2項

代理人は、本人に代わって前項の規定による利用停止の請求(以下この節 及び第百二十七条において「利用停止請求」という。)をすることができる。

3項

利用停止請求は、保有個人情報の開示を受けた日から九十日以内にしなければならない。

1項

利用停止請求は、次に掲げる事項を記載した書面(第三項において「利用停止請求書」という。)を行政機関の長等に提出してしなければならない。

一 号
利用停止請求をする者の氏名 及び住所 又は居所
二 号
利用停止請求に係る保有個人情報の開示を受けた日 その他当該保有個人情報を特定するに足りる事項
三 号
利用停止請求の趣旨 及び理由
2項

前項の場合において、利用停止請求をする者は、政令で定めるところにより、利用停止請求に係る保有個人情報の本人であること(前条第二項の規定による利用停止請求にあっては、利用停止請求に係る保有個人情報の本人の代理人であること)を示す書類を提示し、又は提出しなければならない。

3項

行政機関の長等は、利用停止請求書に形式上の不備があると認めるときは、利用停止請求をした者(以下この節において「利用停止請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。

1項

行政機関の長等は、利用停止請求があった場合において、当該利用停止請求に理由があると認めるときは、当該行政機関の長等の属する行政機関等における個人情報の適正な取扱いを確保するために必要な限度で、当該利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしなければならない。


ただし、当該保有個人情報の利用停止をすることにより、当該保有個人情報の利用目的に係る事務 又は事業の性質上、当該事務 又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められるときは、この限りでない。

1項

行政機関の長等は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をするときは、その旨の決定をし、利用停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

2項

行政機関の長等は、利用停止請求に係る保有個人情報の利用停止をしないときは、その旨の決定をし、利用停止請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。

1項

前条各項の決定(以下この節において「利用停止決定等」という。)は、利用停止請求があった日から三十日以内にしなければならない。


ただし第九十九条第三項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2項

前項の規定にかかわらず、行政機関の長等は、事務処理上の困難 その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を三十日以内に限り延長することができる。


この場合において、行政機関の長等は、利用停止請求者に対し、遅滞なく、延長後の期間 及び延長の理由を書面により通知しなければならない。

1項

行政機関の長等は、利用停止決定等に特に長期間を要すると認めるときは、前条の規定にかかわらず、相当の期間内に利用停止決定等をすれば足りる。


この場合において、行政機関の長等は、同条第一項に規定する期間内に、利用停止請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

一 号

この条の規定を適用する旨 及びその理由

二 号
利用停止決定等をする期限

第四款 審査請求

1項

行政機関の長等(地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人を除く次項 及び次条において同じ。)に対する開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等 又は開示請求、訂正請求 若しくは利用停止請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第九条第十七条第二十四条第二章第三節 及び第四節 並びに第五十条第二項の規定は、適用しない

2項

行政機関の長等に対する開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等 又は開示請求、訂正請求 若しくは利用停止請求に係る不作為に係る審査請求についての行政不服審査法第二章の規定の適用については、

同法第十一条第二項
第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。)」とあるのは
「第四条(個人情報の保護に関する法律平成十五年法律第五十七号第百七条第二項の規定に基づく政令を含む。)の規定により審査請求がされた行政庁(第十四条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。以下「審査庁」という。)」と、

同法第十三条第一項 及び第二項
審理員」とあるのは
「審査庁」と、

同法第二十五条第七項
あったとき、又は審理員から第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出されたとき」とあるのは
「あったとき」と、

同法第四十四条
行政不服審査会等」とあるのは
「情報公開・個人情報保護審査会(審査庁が会計検査院長である場合にあっては、別に法律で定める審査会。第五十条第一項第四号において同じ。)」と、

受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号 又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号 又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号 又は第三号に規定する議を経たとき)」とあるのは
「受けたとき」と、

同法第五十条第一項第四号
審理員意見書 又は行政不服審査会等 若しくは審議会等」とあるのは
「情報公開・個人情報保護審査会」と

する。

1項

開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等 又は開示請求、訂正請求 若しくは利用停止請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長等は、次の各号いずれかに該当する場合を除き、情報公開・個人情報保護審査会(審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長等が会計検査院長である場合にあっては、別に法律で定める審査会)に諮問しなければならない。

一 号
審査請求が不適法であり、却下する場合
二 号

裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の全部を開示することとする場合(当該保有個人情報の開示について反対意見書が提出されている場合を除く

三 号

裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の訂正をすることとする場合

四 号

裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る保有個人情報の利用停止をすることとする場合

2項

前項の規定により諮問をした行政機関の長等は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

一 号

審査請求人 及び参加人(行政不服審査法第十三条第四項に規定する参加人をいう。以下この項 及び第百七条第一項第二号において同じ。

二 号

開示請求者、訂正請求者 又は利用停止請求者(これらの者が審査請求人 又は参加人である場合を除く

三 号

当該審査請求に係る保有個人情報の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人 又は参加人である場合を除く

3項

前二項の規定は、地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人について準用する。


この場合において、

第一項
情報公開・個人情報保護審査会(審査請求に対する裁決をすべき行政機関の長等が会計検査院長である場合にあっては、別に法律で定める審査会)」とあるのは、
行政不服審査法第八十一条第一項 又は第二項の機関」と

読み替えるものとする。

1項

地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人に対する開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等 又は開示請求、訂正請求 若しくは利用停止請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法第九条第一項から第三項まで第十七条第四十条第四十二条第二章第四節 及び第五十条第二項の規定は、適用しない

2項

地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人に対する開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等 又は開示請求、訂正請求 若しくは利用停止請求に係る不作為に係る審査請求についての次の表の上欄に掲げる行政不服審査法の規定の適用については、これらの規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第九条第四項
前項に規定する場合において、審査庁
第四条 又は個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第百七条第二項の規定に基づく条例の規定により審査請求がされた行政庁(第十四条の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。以下「審査庁」という。
 
前項において 読み替えて適用する第三十一条第一項
同法第百六条第二項において 読み替えて適用する第三十一条第一項
 
前項において 読み替えて適用する第三十四条
同法第百六条第二項において 読み替えて適用する第三十四条
 
前項において 読み替えて適用する第三十六条
同法第百六条第二項において 読み替えて適用する第三十六条
第十一条第二項
第九条第一項の規定により指名された者(以下「審理員」という。
審査庁
第十三条第一項 及び第二項、第二十八条、第三十条、第三十一条、第三十二条第三項、第三十三条から 第三十七条まで、第三十八条第一項から 第三項まで 及び第五項、第三十九条 並びに第四十一条第一項 及び第二項
審理員
審査庁
第二十五条第七項
執行停止の申立てがあったとき、又は審理員から 第四十条に規定する執行停止をすべき旨の意見書が提出されたとき
執行停止の申立てがあったとき
第二十九条第一項
審理員は、審査庁から 指名されたときは、直ちに
審査庁は、審査請求がされたときは、第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、速やかに
第二十九条第二項
審理員は
審査庁は、審査庁が処分庁等以外である場合にあっては
 
提出を求める
提出を求め、審査庁が処分庁等である場合にあっては、相当の期間内に、弁明書を作成する
第二十九条第五項
審理員は
審査庁は、第二項の規定により
 
提出があったとき
提出があったとき、又は弁明書を作成したとき
第三十条第三項
参加人 及び処分庁等
参加人 及び処分庁等(処分庁等が審査庁である場合にあっては、参加人
 
審査請求人 及び処分庁等
審査請求人 及び処分庁等(処分庁等が審査庁である場合にあっては、審査請求人
第三十一条第二項
審理関係人
審理関係人(処分庁等が審査庁である場合にあっては、審査請求人 及び参加人。以下 この節 及び第五十条第一項第三号において同じ。
第四十一条第三項
審理員が
審査庁が
 
終結した旨 並びに次条第一項に規定する審理員意見書 及び事件記録(審査請求書、弁明書 その他審査請求に係る事件に関する書類 その他の物件のうち 政令で定めるものをいう。同条第二項 及び第四十三条第二項において同じ。)を審査庁に提出する予定時期を通知するものとする。当該予定時期を変更したときも、同様とする
終結した旨を通知するものとする
第四十四条
行政不服審査会等
第八十一条第一項 又は第二項の機関
 
受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号 又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号 又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号 又は第三号に規定する議を経たとき
受けたとき
第五十条第一項第四号
審理員意見書 又は行政不服審査会等 若しくは審議会等
第八十一条第一項 又は第二項の機関
第八十一条第三項において準用する 第七十四条
第四十三条第一項の規定により審査会に諮問をした審査庁
審査庁
1項

第八十六条第三項の規定は、次の各号いずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

一 号
開示決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
二 号

審査請求に係る開示決定等(開示請求に係る保有個人情報の全部を開示する旨の決定を除く)を変更し、当該審査請求に係る保有個人情報を開示する旨の裁決(第三者である参加人が当該第三者に関する情報の開示に反対の意思を表示している場合に限る

2項

開示決定等、訂正決定等、利用停止決定等 又は開示請求、訂正請求 若しくは利用停止請求に係る不作為についての審査請求については、政令(地方公共団体の機関 又は地方独立行政法人にあっては、条例)で定めるところにより、行政不服審査法第四条の規定の特例を設けることができる。

第五款 条例との関係<

1項

この節の規定は、地方公共団体が、保有個人情報の開示、訂正 及び利用停止の手続 並びに審査請求の手続に関する事項について、この節の規定に反しない限り、条例で必要な規定を定めることを妨げるものではない。

第五節 行政機関等匿名加工情報の提供等

1項

行政機関の長等は、この節の規定に従い、行政機関等匿名加工情報(行政機関等匿名加工情報ファイルを構成するものに限る。以下この節において同じ。)を作成することができる。

2項

行政機関の長等は、次の各号いずれかに該当する場合を除き、行政機関等匿名加工情報を提供してはならない。

一 号

法令に基づく場合(この節の規定に従う場合を含む。

二 号

保有個人情報を利用目的のために第三者に提供することができる場合において、当該保有個人情報を加工して作成した行政機関等匿名加工情報を当該第三者に提供するとき。

3項

第六十九条の規定にかかわらず、行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために削除情報(保有個人情報に該当するものに限る)を自ら利用し、又は提供してはならない。

4項

前項の「削除情報」とは、行政機関等匿名加工情報の作成に用いた保有個人情報から削除した記述等 及び個人識別符号をいう。

1項

行政機関の長等は、当該行政機関の長等の属する行政機関等が保有している個人情報ファイルが第六十条第三項各号いずれにも該当すると認めるときは、当該個人情報ファイルについては、個人情報ファイル簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。


この場合における当該個人情報ファイルについての第七十五条第一項の規定の適用については、

同項
第十号」とあるのは、
第十号 並びに第百十条各号」と

する。

一 号

第百十二条第一項の提案の募集をする個人情報ファイルである旨

二 号

第百十二条第一項の提案を受ける組織の名称 及び所在地

1項

行政機関の長等は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、定期的に、当該行政機関の長等の属する行政機関等が保有している個人情報ファイル(個人情報ファイル簿に前条第一号に掲げる事項の記載があるものに限る。以下この節において同じ。)について、次条第一項の提案を募集するものとする。

1項

前条の規定による募集に応じて個人情報ファイルを構成する保有個人情報を加工して作成する行政機関等匿名加工情報をその事業の用に供しようとする者は、行政機関の長等に対し、当該事業に関する提案をすることができる。

2項

前項の提案は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を行政機関の長等に提出してしなければならない。

一 号

提案をする者の氏名 又は名称 及び住所 又は居所 並びに法人 その他の団体にあっては、その代表者の氏名

二 号
提案に係る個人情報ファイルの名称
三 号
提案に係る行政機関等匿名加工情報の本人の数
四 号

前号に掲げるもののほか、提案に係る行政機関等匿名加工情報の作成に用いる第百十六条第一項の規定による加工の方法を特定するに足りる事項

五 号

提案に係る行政機関等匿名加工情報の利用の目的 及び方法 その他当該行政機関等匿名加工情報がその用に供される事業の内容

六 号

提案に係る行政機関等匿名加工情報を前号の事業の用に供しようとする期間

七 号

提案に係る行政機関等匿名加工情報の漏えいの防止 その他当該行政機関等匿名加工情報の適切な管理のために講ずる措置

八 号

前各号に掲げるもののほか、個人情報保護委員会規則で定める事項

3項

前項の書面には、次に掲げる書面 その他個人情報保護委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

一 号

第一項の提案をする者が次条各号いずれにも該当しないことを誓約する書面

二 号

前項第五号の事業が新たな産業の創出 又は活力ある経済社会 若しくは豊かな国民生活の実現に資するものであることを明らかにする書面

1項

次の各号いずれかに該当する者は、前条第一項提案をすることができない

一 号
未成年者
二 号

心身の故障により前条第一項の提案に係る行政機関等匿名加工情報をその用に供して行う事業を適正に行うことができない者として個人情報保護委員会規則で定めるもの

三 号
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
四 号

禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者

五 号

第百二十条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を解除され、その解除の日から起算して二年を経過しない者

六 号

法人 その他の団体であって、その役員のうちに前各号いずれかに該当する者があるもの

1項

行政機関の長等は、第百十二条第一項の提案があったときは、当該提案が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

一 号

第百十二条第一項の提案をした者が前条各号いずれにも該当しないこと。

二 号

第百十二条第二項第三号の提案に係る行政機関等匿名加工情報の本人の数が、行政機関等匿名加工情報の効果的な活用の観点からみて個人情報保護委員会規則で定める数以上であり、かつ、提案に係る個人情報ファイルを構成する保有個人情報の本人の数以下であること。

三 号

第百十二条第二項第三号 及び第四号に掲げる事項により特定される加工の方法が第百十六条第一項の基準に適合するものであること。

四 号

第百十二条第二項第五号の事業が新たな産業の創出 又は活力ある経済社会 若しくは豊かな国民生活の実現に資するものであること。

五 号

第百十二条第二項第六号の期間が行政機関等匿名加工情報の効果的な活用の観点からみて個人情報保護委員会規則で定める期間を超えないものであること。

六 号

第百十二条第二項第五号の提案に係る行政機関等匿名加工情報の利用の目的 及び方法 並びに同項第七号の措置が当該行政機関等匿名加工情報の本人の権利利益を保護するために適切なものであること。

七 号

前各号に掲げるもののほか、個人情報保護委員会規則で定める基準に適合するものであること。

2項

行政機関の長等は、前項の規定により審査した結果、第百十二条第一項の提案が前項各号に掲げる基準のいずれにも適合すると認めるときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該提案をした者に対し、次に掲げる事項を通知するものとする。

一 号

次条の規定により行政機関の長等との間で行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結することができる旨

二 号

前号に掲げるもののほか、個人情報保護委員会規則で定める事項

3項

行政機関の長等は、第一項の規定により審査した結果、第百十二条第一項の提案が第一項各号に掲げる基準のいずれかに適合しないと認めるときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該提案をした者に対し、理由を付して、その旨を通知するものとする。

1項

前条第二項の規定による通知を受けた者は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、行政機関の長等との間で、行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結することができる。

1項

行政機関の長等は、行政機関等匿名加工情報を作成するときは、特定の個人を識別することができないように 及びその作成に用いる保有個人情報を復元することができないようにするために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、当該保有個人情報を加工しなければならない。

2項

前項の規定は、行政機関等から行政機関等匿名加工情報の作成の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。

1項

行政機関の長等は、行政機関等匿名加工情報を作成したときは、当該行政機関等匿名加工情報の作成に用いた保有個人情報を含む個人情報ファイルについては、個人情報ファイル簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。


この場合における当該個人情報ファイルについての第百十条の規定により読み替えて適用する第七十五条第一項の規定の適用については、

同項
並びに第百十条各号」とあるのは、
「、第百十条各号 並びに第百十七条各号」と

する。

一 号
行政機関等匿名加工情報の概要として個人情報保護委員会規則で定める事項
二 号

次条第一項の提案を受ける組織の名称 及び所在地

三 号

次条第一項の提案をすることができる期間

1項

前条の規定により個人情報ファイル簿に同条第一号に掲げる事項が記載された行政機関等匿名加工情報をその事業の用に供しようとする者は、行政機関の長等に対し、当該事業に関する提案をすることができる。


当該行政機関等匿名加工情報について第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結した者が、当該行政機関等匿名加工情報をその用に供する事業を変更しようとするときも、同様とする。

2項

第百十二条第二項 及び第三項 並びに第百十三条から第百十五条までの規定は、前項の提案について準用する。


この場合において、

第百十二条第二項
次に」とあるのは
第一号 及び第四号から第八号までに」と、

同項第四号
前号に掲げるもののほか、提案」とあるのは
「提案」と、

の作成に用いる第百十六条第一項の規定による加工の方法を特定する」とあるのは
「を特定する」と、

同項第八号
前各号」とあるのは
第一号 及び第四号から前号まで」と、

第百十四条第一項
次に」とあるのは
第一号 及び第四号から第七号までに」と、

同項第七号
前各号」とあるのは
第一号 及び前三号」と、

同条第二項
前項各号」とあるのは
前項第一号 及び第四号から第七号まで」と、

同条第三項
第一項各号」とあるのは
第一項第一号 及び第四号から第七号まで」と

読み替えるものとする。

1項

第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を行政機関の長と締結する者は、政令で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

2項

前条第二項において準用する第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を行政機関の長と締結する者は、政令で定めるところにより、前項の政令で定める額を参酌して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

3項

第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を地方公共団体の機関と締結する者は、条例で定めるところにより、実費を勘案して政令で定める額を標準として条例で定める額の手数料を納めなければならない。

4項

前条第二項において準用する第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を地方公共団体の機関と締結する者は、条例で定めるところにより、前項の政令で定める額を参酌して政令で定める額を標準として条例で定める額の手数料を納めなければならない。

5項

第百十五条の規定(前条第二項において準用する場合を含む。第八項 及び次条において同じ。)により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を独立行政法人等と締結する者は、独立行政法人等の定めるところにより、利用料を納めなければならない。

6項

前項の利用料の額は、実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、独立行政法人等が定める。

7項

独立行政法人等は、前二項の規定による定めを一般の閲覧に供しなければならない。

8項

第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を地方独立行政法人と締結する者は、地方独立行政法人の定めるところにより、手数料を納めなければならない。

9項

前項の手数料の額は、実費を勘案し、かつ、第三項 又は第四項の条例で定める手数料の額を参酌して、地方独立行政法人が定める。

10項

地方独立行政法人は、前二項の規定による定めを一般の閲覧に供しなければならない。

1項

行政機関の長等は、第百十五条の規定により行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結した者が次の各号いずれかに該当するときは、当該契約を解除することができる。

一 号
偽りその他不正の手段により当該契約を締結したとき。
二 号

第百十三条各号第百十八条第二項において準用する場合を含む。)のいずれかに該当することとなったとき。

三 号

当該契約において定められた事項について重大な違反があったとき。

1項

行政機関の長等は、行政機関等匿名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該行政機関等匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、当該行政機関等匿名加工情報を他の情報と照合してはならない。

2項

行政機関の長等は、行政機関等匿名加工情報、第百九条第四項に規定する削除情報 及び第百十六条第一項の規定により行った加工の方法に関する情報(以下この条 及び次条において「行政機関等匿名加工情報等」という。)の漏えいを防止するために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、行政機関等匿名加工情報等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

3項

前二項の規定は、行政機関等から行政機関等匿名加工情報等の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。

1項

行政機関等匿名加工情報等の取扱いに従事する行政機関等の職員 若しくは職員であった者、前条第三項の委託を受けた業務に従事している者 若しくは従事していた者 又は行政機関等において行政機関等匿名加工情報等の取扱いに従事している派遣労働者 若しくは従事していた派遣労働者は、その業務に関して知り得た行政機関等匿名加工情報等の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

1項

行政機関等は、匿名加工情報(行政機関等匿名加工情報を除く。以下この条において同じ。)を第三者に提供するときは、法令に基づく場合を除き、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、あらかじめ、第三者に提供される匿名加工情報に含まれる個人に関する情報の項目 及びその提供の方法について公表するとともに、当該第三者に対して、当該提供に係る情報が匿名加工情報である旨を明示しなければならない。

2項

行政機関等は、匿名加工情報を取り扱うに当たっては、法令に基づく場合を除き、当該匿名加工情報の作成に用いられた個人情報に係る本人を識別するために、当該個人情報から削除された記述等 若しくは個人識別符号 若しくは第四十三条第一項の規定により行われた加工の方法に関する情報を取得し、又は当該匿名加工情報を他の情報と照合してはならない。

3項

行政機関等は、匿名加工情報の漏えいを防止するために必要なものとして個人情報保護委員会規則で定める基準に従い、匿名加工情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

4項

前二項の規定は、行政機関等から匿名加工情報の取扱いの委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者が受託した業務を行う場合について準用する。

第六節 雑則

1項

第四節の規定は、刑事事件 若しくは少年の保護事件に係る裁判、検察官、検察事務官 若しくは司法警察職員が行う処分、刑 若しくは保護処分の執行、更生緊急保護 又は恩赦に係る保有個人情報(当該裁判、処分 若しくは執行を受けた者、更生緊急保護の申出をした者 又は恩赦の上申があった者に係るものに限る)については、適用しない

2項

保有個人情報(行政機関情報公開法第五条独立行政法人等情報公開法第五条 又は情報公開条例に規定する不開示情報を専ら記録する行政文書等に記録されているものに限る)のうち、まだ分類 その他の整理が行われていないもので、同一の利用目的に係るものが著しく大量にあるためその中から特定の保有個人情報を検索することが著しく困難であるものは、第四節第四款除く)の規定の適用については、行政機関等に保有されていないものとみなす。

1項

第五十八条第二項各号に掲げる者が行う当該各号に定める業務における個人情報、仮名加工情報 又は個人関連情報の取扱いについては、この章第一節第六十六条第二項第四号 及び第五号同項第四号に係る部分に限る)に係る部分に限る)において準用する同条第一項第七十五条前二節前条第二項 及び第百二十七条除く)の規定、第百七十六条 及び第百八十条の規定(これらの規定のうち第六十六条第二項第四号 及び第五号同項第四号に係る部分に限る)に定める業務に係る部分を除く)並びに第百八十一条の規定は、適用しない

2項

第五十八条第一項各号に掲げる者による個人情報 又は匿名加工情報の取扱いについては、同項第一号に掲げる者を独立行政法人等と、同項第二号に掲げる者を地方独立行政法人と、それぞれみなして、第一節第七十五条前二節前条第二項第百二十七条 及び次章から第八章まで第百七十六条第百八十条 及び第百八十一条除く)の規定を適用する。

3項

第五十八条第一項各号 及び第二項各号に掲げる者(同項各号に定める業務を行う場合に限る)についての第九十八条の規定の適用については、

同条第一項第一号
第六十一条第二項の規定に違反して保有されているとき、第六十三条の規定に違反して取り扱われているとき、第六十四条の規定に違反して取得されたものであるとき、又は第六十九条第一項 及び第二項の規定に違反して利用されているとき」とあるのは
第十八条 若しくは第十九条の規定に違反して取り扱われているとき、又は第二十条の規定に違反して取得されたものであるとき」と、

同項第二号
第六十九条第一項 及び第二項 又は第七十一条第一項」とあるのは
第二十七条第一項 又は第二十八条」と

する。

1項

行政機関の長は、政令(内閣の所轄の下に置かれる機関 及び会計検査院にあっては、当該機関の命令)で定めるところにより、第二節から前節まで第七十四条 及び第四節第四款除く)に定める権限 又は事務を当該行政機関の職員に委任することができる。

1項

行政機関の長等は、開示請求、訂正請求 若しくは利用停止請求 又は第百十二条第一項 若しくは第百十八条第一項の提案(以下この条において「開示請求等」という。)をしようとする者がそれぞれ容易かつ的確に開示請求等をすることができるよう、当該行政機関の長等の属する行政機関等が保有する保有個人情報の特定 又は当該提案に資する情報の提供 その他開示請求等をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。

1項

行政機関の長等は、行政機関等における個人情報、仮名加工情報 又は匿名加工情報の取扱いに関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。

1項

地方公共団体の機関は、条例で定めるところにより、第三章第三節の施策を講ずる場合 その他の場合において、個人情報の適正な取扱いを確保するため専門的な知見に基づく意見を聴くことが特に必要であると認めるときは、審議会 その他の合議制の機関に諮問することができる。