国土調査法

昭和二十六年法律第百八十号
分類 法律
カテゴリ   国土開発
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第三十七号による改正
最終編集日 : 2023年 08月21日 21時43分

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  • 第一章 目的及び定義

  • 第二章 計画及び実施

  • 第三章 国土審議会等の調査審議等

  • 第四章 国土調査の成果等の取扱い

  • 第五章 雑則

  • 第六章 罰則

第一章 目的及び定義

1項

この法律は、国土の開発 及び保全 並びにその利用の高度化に資するとともに、あわせて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的 且つ総合的に調査することを目的とする。

1項

この法律において「国土調査」とは、左の各号に掲げる調査をいう。

一 号

国の機関が行う基本調査、土地分類調査 又は水調査

二 号

都道府県が行う基本調査

三 号

地方公共団体 又は土地改良区 その他の政令で定める者(以下「土地改良区等」という。)が行う土地分類調査 又は水調査で第五条第四項 又は第六条第三項の規定による指定を受けたもの 及び地方公共団体 又は土地改良区等が行う地籍調査で第五条第四項 若しくは第六条第三項の規定による指定を受けたもの 又は第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基くもの

2項

前項第一号 及び第二号の「基本調査」とは、土地分類調査、水調査 及び地籍調査の基礎とするために行う土地 及び水面の測量(このために必要な基準点の測量を含む。)並びに土地分類調査 及び水調査の基準の設定のための調査を行い、その結果を地図 及び簿冊に作成することをいう。

3項

第一項第一号 及び第三号の「土地分類調査」とは、土地をその利用の可能性により分類する目的をもつて、土地の利用現況、土性 その他の土じようの物理的 及び化学的性質、浸蝕の状況 その他の主要な自然的要素 並びにその生産力に関する調査を行い、その結果を地図 及び簿冊に作成することをいう。

4項

第一項第一号 及び第三号の「水調査」とは、治水 及び利水に資する目的をもつて、気象、陸水の流量、水質 及び流砂状況 並びに取水量、用水量、排水量 及び水利慣行等の水利に関する調査を行い、その結果を地図 及び簿冊に作成することをいう。

5項

第一項第三号の「地籍調査」とは、毎筆の土地について、その所有者、地番 及び地目の調査 並びに境界 及び地積に関する測量を行い、その結果を地図 及び簿冊に作成することをいう。

6項

第二項から前項までに規定する地図 及び簿冊の様式は、政令で定める。

7項

第一項第一号に規定する基本調査、土地分類調査 又は水調査を行う国の機関は、これらの国土調査の各々について政令で定める。

第二章 計画及び実施

1項

国の機関が行う国土調査 及び都道府県が行う基本調査の基礎計画は、国土交通省令で定める。

2項

国土調査の作業規程の準則は、国土交通省令で定める。

1項

国の機関が行う国土調査の実施計画は、前条第一項の基礎計画に基いて、当該調査を行う国の機関が作成する。

2項

前項の実施計画は、あらかじめ、国土交通大臣の承認を得て定めなければならない。

3項

第一項の国の機関が行う国土調査の作業規程は、前条第二項の作業規程の準則に基づいて、当該調査を行う国の機関が作成して、これを国土交通大臣に届け出なければならない。

4項

国の機関が第二条第一項第一号の国土調査を行う場合においては、当該調査が行われる都道府県におけるその実施の方法について、当該都道府県の意見を聞かなければならない。

1項

都道府県は、国土調査として基本調査を行おうとする場合においては、第三条第一項 及び第二項の基礎計画 及び作業規程の準則に基づいて、その実施に関する計画 及び作業規程を作成して、これを国土交通大臣に届け出なければならない。

2項

都道府県は、基本調査の成果に基づいて、国土調査として第二条第一項第三号の調査(地籍調査で第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基づくものを除く。以下第六条第一項において同じ。)を行おうとする場合においては、その実施に関する計画を作成して、これを国土交通大臣に届け出なければならない。

3項

都道府県は、第三条第二項の作業規程の準則に基づいて、前項の規定による届出をした計画に係る調査の作業規程を作成して、これを国土交通大臣に届け出なければならない。

4項

国土交通大臣は、前三項の規定による届出があつた場合においては、その届出に係る計画 及び作業規程を審査し、その結果に基づいて当該調査を国土調査として指定し、又は当該届出に係る計画 若しくは作業規程の変更を勧告し、若しくは必要な助言をした場合において当該都道府県がこれに同意したときはその計画 若しくは作業規程に変更を加えて国土調査として指定しなければならない。

5項

国土交通大臣は、前項の規定により国土調査の指定をした場合においては、遅滞なく、政令で定めるところにより、公示しなければならない。

1項

市町村 又は土地改良区等は、基本調査の成果に基いて、国土調査として第二条第一項第三号の調査を行おうとする場合においては、その実施に関する計画を作成して、これを都道府県知事に届け出なければならない。

2項

市町村 又は土地改良区等は、第三条第二項の作業規程の準則に基いて、前項の規定による届出をした計画に係る調査の作業規程を作成して、これを都道府県知事に届け出なければならない。

3項

都道府県知事は、前二項の規定による届出があつた場合においては、その届出に係る計画 及び作業規程を審査し、その結果に基いて当該調査を国土調査として指定し、又は当該届出に係る計画 若しくは作業規程の変更を勧告し、若しくは必要な助言をした場合において当該市町村 又は土地改良区等がこれに同意したときはその計画 若しくは作業規程に変更を加えて国土調査として指定しなければならない。

4項

都道府県知事は、前項の規定によつて当該国土調査の指定をしようとする場合においては、あらかじめ、国土交通大臣等(当該指定に係る調査が、市町村が行うものである場合にあつては国土交通大臣、土地改良区等が行うものである場合にあつては国土交通大臣 及び土地改良区等を所管する大臣をいう。以下同じ。)の意見を求めることができる。

5項

都道府県知事は、第三項の規定により国土調査の指定をした場合においては、遅滞なく、政令で定めるところにより、これを公表するよう努めなければならない。

1項

国土交通大臣は、国土の総合開発に関する施策を策定し、又はこれが実施の円滑化を図るため特に速やかに地籍調査を行う必要があると認める地域について、政令で定めるところにより地籍調査に関する特定計画を定めて、遅滞なく、これを公示するとともに、関係都道府県に通知しなければならない。

2項

国土交通大臣は、前項の特定計画を定めようとする場合においては、あらかじめ、関係都道府県と協議しなければならない。

1項

都道府県は、前条第一項の通知を受けたときは、同項の特定計画に基づき、政令で定めるところにより地籍調査に関する都道府県計画を定めて、これを国土交通大臣に報告しなければならない。

2項

都道府県は、前項の都道府県計画に基き、関係市町村 又は土地改良区等と協議し、毎年度、政令で定めるところにより、当該年度における事業計画を定めなければならない。

3項

都道府県は、前項の事業計画を定めようとする場合においては、あらかじめ、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。

4項

国土交通大臣は、前項の同意をする場合においては、第九条の二第二項の規定により国が負担することとなる経費の総額が国会の議決を経た予算の金額を超えない範囲内においてしなければならない。

5項

第二項の事業計画が定められた場合においては、都道府県知事は、遅滞なく、政令で定めるところによりこれを公表するよう努めるとともに、関係市町村 又は土地改良区等に通知しなければならない。

1項

都道府県、市町村 又は土地改良区等は、前条第二項の規定により定められた事業計画に基づく地籍調査を行うものとする。

2項

前項の場合において、都道府県、市町村 又は土地改良区等は、あらかじめ、その実施に関する計画 及び第三条第二項の作業規程の準則に基づく作業規程を作成して、都道府県にあつては国土交通大臣に、市町村 又は土地改良区等にあつては都道府県知事に届け出なければならない。

1項

国土調査を行う者は、当該国土調査の開始前に、政令で定めるところにより、公示しなければならない。

1項

都道府県が土地改良事業 その他の政令で定める事業を行う場合 又はこれらの事業が道 若しくは二以上の都府県の区域にわたつて行われる場合においては、当該事業を所管する大臣(以下「事業所管大臣」という。)は、当該事業を行う者に対し、国土調査を併せ行うことを勧告することができる。

2項

第五条の規定は、前項の事業を行う者が同項の勧告に基いて国土調査を併せ行う場合に準用する。


この場合において、

同条
都道府県」とあるのは
「土地改良事業 その他の政令で定める事業を行う者」と、

国土交通大臣」とあるのは
「事業所管大臣」と

読み替えるものとする。

3項

事業所管大臣は、前項において準用する第五条第四項の規定による指定 又は勧告 若しくは助言をする場合においては、あらかじめ、国土交通大臣の承認を得なければならない。

4項

都道府県知事は、当該都道府県の区域内において国の機関 及び都道府県以外の者が第一項の事業を行う場合においては、当該事業を行う者に対し、国土調査をあわせ行うことを勧告することができる。

5項

第六条の規定は、前項の事業を行う者が同項の勧告に基づいて国土調査を併せ行う場合に準用する。


この場合において、

同条第四項
国土交通大臣等(当該指定に係る調査が、市町村が行うものである場合にあつては国土交通大臣、土地改良区等が行うものである場合にあつては国土交通大臣 及び土地改良区等を所管する大臣をいう。以下同じ。)」とあるのは、
「国土交通大臣 及び事業所管大臣」と

読み替えるものとする。

1項

国は、次の各号いずれかに該当する場合においては、当該調査を行う者 又は当該調査を行う者に対して補助金を交付する都道府県に対し、政令で定めるところにより、予算の範囲内において補助金を交付することができる。

一 号

第五条第四項の規定により当該都道府県の届出に係る計画 及び作業規程に変更を加えた国土調査の指定があつた場合

二 号

第六条第三項の規定により当該市町村 又は土地改良区等の届出に係る計画 及び作業規程に同条第四項の規定による請求があつた場合において国土交通大臣等がした勧告 又は助言に基づく変更を加えた国土調査の指定があつた場合

三 号

前条第一項に規定する者が同項の勧告に基き、且つ、同条第二項において準用する第五条第四項の規定による指定によつて国土調査をあわせ行う場合

四 号

前条第四項に規定する者が同項の規定による勧告に基づき、かつ、同条第五項において準用する第六条第四項の規定による請求があつた場合において国土交通大臣 及び事業所管大臣がした勧告 又は助言に基づく指定によつて国土調査を併せ行う場合

1項

都道府県は、政令で定めるところにより、第六条の四の規定により市町村が行う地籍調査に要する経費の四分の三 又は土地改良区等が行う地籍調査に要する経費の六分の五を負担する。

2項

国は、政令で定めるところにより、第六条の四の規定により都道府県が行う地籍調査に要する経費の二分の一又は前項の規定により市町村が行う地籍調査について都道府県が負担する経費の三分の二 若しくは土地改良区等が行う地籍調査について都道府県が負担する経費の十分の八を負担する。

3項

前項の規定により国が負担する経費は、第六条の三第三項の同意に係る金額を限度とするものとする。

1項

国の機関、都道府県 又は市町村は、国土調査を行おうとする場合においては、国の機関にあつては都道府県 又は道 若しくは二以上の都府県の区域にわたつて基本調査、土地分類調査 又は水調査に類する調査を行う者に、都道府県にあつては市町村 又は土地改良区等に、市町村にあつては土地改良区等に、それぞれ当該国土調査の実施を委託することができる。

2項

前項に規定するもののほか、都道府県 又は市町村は、国土調査を適正かつ確実に実施することができると認められる者として国土交通省令で定める要件に該当する法人に、その行う国土調査(同項の規定によりその実施を委託されたものを含む。)の実施を委託することができる。

第三章 国土審議会等の調査審議等

1項

国土審議会は、国土交通大臣の諮問に応じ、国土調査に関する重要事項について調査審議する。

2項

国土審議会は、必要に応じて、国土調査に関し、国土交通大臣に勧告し、及び国土交通大臣を通じて関係各行政機関の長に意見を申し出ることができる。

1項

都道府県知事は、その管轄区域内において国土調査が実施される場合においては、国土利用計画法昭和四十九年法律第九十二号第三十八条第一項に規定する審議会等に対し、当該国土調査に関する重要事項について調査審議を求めることができる。

第四章 国土調査の成果等の取扱い

1項

国土調査を行つた者は、第二条第二項 若しくは第五項に規定する調査 及び測量 又は同条第三項 若しくは第四項に規定する調査の結果に基づいて地図 及び簿冊を作成した場合においては、遅滞なく、その旨を公告し、当該国土調査を行つた者の事務所(地籍調査にあつては、当該地籍調査が行われた市町村の事務所)において、その公告の日から二十日間当該地図 及び簿冊を一般の閲覧に供しなければならない。

2項

前項の規定により一般の閲覧に供された地図 及び簿冊に測量 若しくは調査上の誤り又は政令で定める限度以上の誤差があると認める者は、同項の期間内に、当該国土調査を行つた者に対して、その旨を申し出ることができる。

3項

前項の規定による申出があつた場合においては、当該国土調査を行つた者は、その申出に係る事実があると認めたときは、遅滞なく、当該地図 及び簿冊を修正しなければならない。

1項

前条第一項の規定により閲覧に供された地図 及び簿冊について同項の閲覧期間内に同条第二項の規定による申出がない場合、同項の規定による申出があつた場合においてその申出に係る事実がないと認めた場合 又は同条第三項の規定により修正を行つた場合においては、当該地図 及び簿冊に係る国土調査を行つた者は、それぞれ、国の機関 及び第五条第四項の規定による指定を受け 又は第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基づいて国土調査を行う都道府県にあつては国土交通大臣に、第八条第一項の勧告に基づいて国土調査を行う者にあつては事業所管大臣に、その他の者にあつては都道府県知事に、遅滞なく、その地図 及び簿冊を送付しなければならない。

1項

国土調査を行つた者は、前条の規定により送付した地図 及び簿冊(以下「国土調査の成果」という。)について、それぞれ、国の機関 及び第五条第四項の規定による指定を受け 又は第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基づいて国土調査を行う都道府県にあつては国土交通大臣に、第八条第一項の勧告に基づいて国土調査を行う者にあつては事業所管大臣に、その他の者にあつては都道府県知事に、政令で定める手続により、その認証を請求することができる。

2項

国土交通大臣、事業所管大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による請求を受けた場合においては、当該請求に係る国土調査の成果の審査の結果に基づいて、その国土調査の成果に測量 若しくは調査上の誤り又は政令で定める限度以上の誤差がある場合を除くほか、その国土調査の成果を認証しなければならない。

3項

事業所管大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により国土調査の成果を認証する場合においては、政令で定める手続により、あらかじめ、それぞれ国土交通大臣 又は国土交通大臣等の承認を得なければならない。

4項

国土交通大臣、事業所管大臣 又は都道府県知事は、第二項の規定により国土調査の成果を認証した場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

5項

国土調査以外の測量 及び調査を行つた者が当該測量 及び調査の結果作成された地図 及び簿冊について政令で定める手続により国土調査の成果としての認証を申請した場合においては、国土交通大臣 又は事業所管大臣は、これらの地図 及び簿冊が第二項の規定により認証を受けた国土調査の成果と同等以上の精度 又は正確さを有すると認めたときは、これらを同項の規定によつて認証された国土調査の成果と同一の効果があるものとして指定することができる。

6項

国土調査を行う者は、国土調査の効率的な実施に資するため必要があると認めるときは、前項の規定による申請を当該測量 及び調査を行つた者に代わつて行うことができる。


この場合においては、あらかじめ、当該測量 及び調査を行つた者の同意を得なければならない。

7項

事業所管大臣は、第五項の規定による指定をする場合においては、あらかじめ、国土交通大臣の承認を得なければならない。

8項

国土交通大臣 又は事業所管大臣は、第五項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、その旨を公告するとともに、関係都道府県知事に通知しなければならない。

1項

国土交通大臣、事業所管大臣 又は都道府県知事は、前条第二項の規定により国土調査の成果を認証した場合 又は同条第五項の規定により指定をした場合においては、地籍調査にあつては当該調査に係る土地の登記の事務をつかさどる登記所に、その他の国土調査にあつては政令で定める台帳を備える者に、それぞれ当該国土調査の成果の写しを送付しなければならない。

2項

登記所 又は前項の台帳を備える者は、政令で定めるところにより、同項の規定により送付された国土調査の成果の写しに基づいて、土地の表示に関する登記 及び所有権の登記名義人の氏名 若しくは名称 若しくは住所についての変更の登記 若しくは更正の登記をし、又は同項の台帳の記載を改めなければならない。

3項

前項の場合において、地籍調査が第三十二条の規定により行われたときは、登記所は、その国土調査の成果の写しに基づいて分筆 又は合筆の登記をしなければならない。

1項

国土交通大臣、事業所管大臣 又は都道府県知事は、第十九条第二項の規定により国土調査の成果を認証した場合においては、その国土調査の成果の写しを、それぞれ当該都道府県知事 又は市町村長に、送付しなければならない。

2項

都道府県知事 又は市町村長は、前項の規定により送付された国土調査の成果の写しを保管し、一般の閲覧に供しなければならない。

1項

第五条第四項 若しくは第六条第三項の規定による指定を受け、又は第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基づいて地籍調査を行う地方公共団体 又は土地改良区等は、当該地籍調査を効率的に行うため必要があると認めるときは、一の街区(住居表示に関する法律昭和三十七年法律第百十九号第二条第一号に規定する街区をいう。以下 この項において同じ。)内にその全部 又は一部が所在する一筆 又は二筆以上の土地(当該街区外にその全部が所在する土地(以下 この項において「街区外土地」という。)に隣接する土地に限る)について、その所有者 及び地番の調査 並びに当該一筆 又は二筆以上の土地と街区外土地との境界に関する測量のみを先行して行い、その結果に基づいて地図 及び簿冊を作成することができる。

2項

前項の地図 及び簿冊の様式は、政令で定める。

3項

地方公共団体 又は土地改良区等は、第一項の規定に基づき地図 及び簿冊を作成したときは、遅滞なく、その旨を公告し、同項の調査 及び測量が行われた市町村の事務所において、その公告の日から二十日間当該地図 及び簿冊を一般の閲覧に供しなければならない。

4項

第十七条第二項 及び第三項 並びに第十八条の規定は、前項の規定により閲覧に供された地図 及び簿冊について準用する。

5項

地方公共団体 又は土地改良区等は、前項において準用する第十八条の規定により送付した地図 及び簿冊(以下「街区境界調査成果」という。)について、都道府県にあつては国土交通大臣に、その他の者にあつては都道府県知事に、政令で定める手続により、その認証を請求することができる。

6項

第十九条第二項から第四項までの規定は、前項の認証の請求があつた場合について準用する。


この場合において、

これらの規定中
国土調査の成果」とあるのは、
「街区境界調査成果」と

読み替えるものとする。

7項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、前項において準用する第十九条第二項の規定により街区境界調査成果を認証した場合においては、当該街区境界調査成果に係る土地の登記の事務をつかさどる登記所に、当該街区境界調査成果の写しを送付しなければならない。

8項

登記所は、政令で定めるところにより、前項の規定により送付された街区境界調査成果の写しに基づいて、表題部所有者(不動産登記法平成十六年法律第百二十三号第二条第十号に規定する表題部所有者をいう。)又は所有権の登記名義人の氏名 若しくは名称 又は住所についての変更の登記 又は更正の登記をしなければならない。

9項

前条の規定は、第六項において準用する第十九条第二項の規定により街区境界調査成果が認証された場合について準用する。


この場合において、

前条
国土調査の成果」とあるのは、
「街区境界調査成果」と

読み替えるものとする。

10項

都道府県知事 又は市町村長は、前項において準用する前条第一項の規定により街区境界調査成果の写しの送付を受けた場合には、地籍調査以外の測量 及び調査において街区境界調査成果に係る情報の活用が図られるよう、当該情報をインターネットの利用 その他の適切な方法により公表すること その他必要な措置を講ずるように努めるものとする。

第五章 雑則

1項

国土交通大臣、土地改良区等を所管する大臣 又は事業所管大臣は、国土調査を実施する者に対し、随時、当該国土調査の実施に関し、報告を求め、又は必要な勧告をすることができる。

2項

都道府県知事は、国の機関 及び都道府県以外の国土調査を実施する者に対し、随時、当該国土調査の実施に関し、報告を求め、又は必要な勧告をすることができる。

1項

国土交通大臣、土地改良区等を所管する大臣 又は事業所管大臣は、国土調査の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、国土調査に従事する測量業を営む者に対し、当該国土調査の実施の状況につき、必要な報告を求めることができる。

2項

都道府県知事は、国土調査の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、国の機関 及び都道府県以外の者が実施する国土調査に従事する測量業を営む者に対し、当該国土調査の実施の状況につき、必要な報告を求めることができる。

1項

国土交通大臣、土地改良区等を所管する大臣 又は事業所管大臣は、この法律に規定するその権限の行使について必要があると認める場合においては、国土調査と関係がある測量 又は調査を行う者に対し、報告 及び資料の提出を求めることができる。

2項

都道府県知事は、第十五条に規定する事務を行うために必要があると認める場合においては、当該都道府県の区域内における市町村 その他の者で国土調査と関係がある測量 又は調査を行うものに対し、報告 及び資料の提出を求めることができる。

3項

国土調査を実施する者(第十条第二項の規定により国土調査の実施を委託された法人が国土調査を実施する場合にあつては、その実施を委託した都道府県 又は市町村。第二十六条第一項除き、以下同じ。)は、当該国土調査の実施のために必要がある場合においては、その調査事項について、国土調査と関係がある測量 又は調査を行う人 又は法人に対して報告 及び資料の提出を求めることができる。

1項

国土交通大臣は、国の機関 その他これに準ずる者で政令で定めるものがその所有 又は管理する土地について地籍調査に類する調査 又は測量を行う場合において、その正確さを確保し、又は重複を除くため必要があると認めるときは、その調査 又は測量につき勧告することができる。

1項

国土調査に従事する測量業を営む者は、当該国土調査の実施のために必要があるときは、国土交通大臣、土地改良区等を所管する大臣 又は事業所管大臣に対して必要な助言を求めることができる。

1項

国土交通大臣は、国土調査を行う者(第十条の規定により国土調査の実施を委託された者が国土調査を実施する場合にあつては、当該者を含む。)からの求めに応じて、必要な情報 及び資料の提供、国土調査の実施に関する助言を行う者の派遣 又はあつせん その他必要な援助を行うことができる。

1項

国土調査を実施する者は、その実施のために必要がある場合においては、当該国土調査に係る土地の所有者 その他の利害関係人に対し、当該国土調査の実施に必要な事項に関する報告 又は資料の提出を求めることができる。

1項

国土調査を実施する者は、当該国土調査を実施するために必要がある場合においては、当該国土調査に従事する者を他人の土地に立ち入らせることができる。

2項

前項の規定により宅地 又は垣、さく その他これらに類するもので囲まれた土地に立ち入らせる場合においては、国土調査を実施する者は、あらかじめ、当該土地の占有者に通知しなければならない。


ただし、占有者に対して、あらかじめ通知することが困難である場合においては、この限りでない。

3項

第一項の場合においては、国土調査に従事する者は、その旨 及びその者の身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

1項

国土調査を実施する者は、その実施のために必要がある場合においては、当該国土調査に係る土地の所有者 その他の利害関係人 又はこれらの者の代理人を現地に立ち会わせることができる。

2項

国土調査を実施する国の機関 又は地方公共団体は、その実施のために必要がある場合においては、当該国土調査に係る土地の所有者 その他の利害関係人 又はこれらの者の代理人に、当該国土調査に係る土地の所在する市町村内の事務所への出頭を求めることができる。

1項

国土調査を実施する者は、その実施のためにやむを得ない必要がある場合においては、あらかじめ所有者 又は占有者の承諾を得て、当該国土調査に従事する者に、障害となる植物 又は垣、さく その他これらに類するものを伐除させることができる。

2項

国土調査を実施する者は、山林、原野 又はこれらに類する土地で当該国土調査を実施する場合において、あらかじめ所有者 又は占有者の承諾を得ることが困難であり、かつ、植物 又は垣、さく その他これらに類するものの現状を著しく損傷しないときは、前項の規定にかかわらず、所有者 又は占有者の承諾を得ないで、当該国土調査に従事する者にこれらを伐除させることができる。


この場合においては、遅滞なく、その旨を所有者 又は占有者に通知しなければならない。

1項

国土調査を実施する者は、第二十八条の規定による試験材料の採取収集 及び第三十条の規定による標識等の設置のために必要がある場合においては、あらかじめ占有者に通知して、土地(宅地を除く)の使用を一時制限し、又は土地(宅地を除く)、工作物 若しくは樹木を一時使用することができる。

1項

国土調査を実施する者は、その実施のために必要がある場合においては、あらかじめ占有者に通知して、当該国土調査が行われる土地にある土じよう、砂れき、水 又は草木を試験材料として採取収集することができる。

1項

第二十六条第一項 又は第二項の規定により植物 若しくは垣、さく その他これらに類するものを伐除させ、又は第二十七条の規定により土地の使用を一時制限し、若しくは土地等を一時使用したために損失を生じた場合においては、これらの規定により伐除させ、又は一時制限し、若しくは一時使用した者は、その損失を受けた者に対して、相当の価額により、その損失を補償しなければならない。

2項

測量法昭和二十四年法律第百八十八号第二十条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

1項

国土調査を実施する者は、その実施のために必要な標識 又は調査設備(以下「標識等」という。)を設置することができる。

2項

国土調査を実施する者は、前項の規定により標識等を設置した場合においては、遅滞なく、当該標識等の所在地の市町村長にその旨を通知しなければならない。

3項

標識等の敷地 又はその附近で、標識等のき損 その他その効用を害する虞がある行為をしようとする者は、当該標識等を設置した者に対し、理由を詳記した書面をもつてその標識等の移転を請求することができる。

4項

前項の請求に理由があると認める場合においては、当該標識等を設置した者は、これを移転しなければならない。


この場合において、その移転に要する費用は、移転を請求した者が負担しなければならない。

1項

何人も移転、き損 その他の行為により、標識等の効用を害してはならない。

2項

前条第二項の規定による通知を受けた市町村長は、当該通知に係る標識等について滅失、破損 その他異状があることを発見した場合においては、遅滞なく、その旨を当該標識等を設置した者に通知するよう努めなければならない。

1項

都道府県知事 又は市町村長は、国土調査の実施に必要な限度で、その保有する当該国土調査に係る土地の所有者 その他の利害関係人の氏名 又は名称、住所 その他の所有者 その他の利害関係人に関する情報(次項 及び第三項において「所有者等関係情報」という。)を、その保有に当たつて特定された利用目的以外の目的のために内部で利用することができる。

2項

国土調査を実施する者は、その実施のために必要がある場合においては、関係する地方公共団体の長 その他の者に対して、当該国土調査に係る土地の所有者等関係情報の提供を求めることができる。

3項

前項の求めを受けた者は、国の機関 及び地方公共団体以外の者に対し所有者等関係情報を提供しようとするときは、あらかじめ、当該所有者等関係情報を提供することについて第一項に規定する所有者 その他の利害関係人の同意を得なければならない。

4項

前項の同意は、その所在が判明している者に対して求めれば足りる。

1項

地方公共団体(第十条第二項の規定により地籍調査の実施を委託された法人が地籍調査を実施する場合にあつては、当該法人)又は土地改良区等は、第五条第四項 若しくは第六条第三項の規定により指定を受け、又は第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基づいて地籍調査を行うために土地の分割 又は合併があつたものとして調査を行う必要がある場合において、当該土地の所有者がこれに同意するときは、分割 又は合併があつたものとして調査を行うことができる。

1項

地方公共団体 又は土地改良区等は、前条の規定により土地の合併があつたものとして調査を行う場合において必要があるときは、当該土地の登記簿の表題部に所有者として記録された者 若しくは所有権の登記名義人 又はその相続人に代わり土地の表題部 若しくは所有権の登記名義人の氏名 若しくは名称 若しくは住所についての変更の登記 若しくは更正の登記 又は所有権の保存 若しくは相続による移転の登記を申請することができる。

2項

前項の登記の手続に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

第五条第四項 若しくは第六条第三項の規定による指定を受け、又は第六条の三第二項の規定により定められた事業計画に基づいて地籍調査を行う地方公共団体 又は土地改良区等は、不動産登記法第百二十一条第三項の規定にかかわらず、登記官に対し、手数料を納付して、当該地籍調査に係る土地に関する同項の登記簿の附属書類の閲覧を請求することができる。

2項

前項に規定する地方公共団体 又は土地改良区等は、不動産登記法第百四十九条第二項ただし書の規定にかかわらず、その行う地籍調査に係る土地に関する同項の筆界特定手続記録の閲覧を請求することができる。

1項

この法律中 市町村 又は市町村長に関する規定は、特別区 又は特別区長に適用する。

2項

この法律中 町村 又は町村長に関する規定は、町村が設ける一部事務組合で国土調査に関する事務を共同処理するものがある場合においては、当該一部事務組合 又はその管理者に適用する。

1項

国土調査を行うために実施する測量については、この章に特別の定がある場合を除く外、測量法の規定の適用があるものとする。

1項

この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長 又は北海道開発局長に委任することができる。

1項

第十九条第二項から第四項まで第二十一条の二第六項において準用する場合を含む。)、第二十条第一項 及び第二十一条の二第七項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

第六章 罰則

1項

第三十一条第一項の規定に違反した者は、二年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

一 号

国土調査の成果をして真実に反するものたらしめる行為をした者

二 号

国土調査に従事する者 又はこれに従事した者で、国土調査の実施の際に知つた他人の秘密に属する事項を他に漏らし、又は盗用した者

1項

次の各号いずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 号

国土調査の実施を妨げた者

二 号

第二十二条の二第二十三条 又は第二十三条の五の規定により報告 又は資料の提出を求められた場合において、報告 若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の記載をした報告をし、若しくは虚偽の資料の提出をした者

三 号

第二十四条の規定による立入りを拒み、又は妨げた者

四 号

第二十五条第一項の規定による立会い又は同条第二項の規定による出頭を拒んだ者

五 号

第二十七条の規定による土地の使用の一時制限に違反し、又は土地、工作物 若しくは樹木の一時使用を拒み、若しくは妨げた者

六 号

第二十八条の規定による試験材料の採取収集を拒み、又は妨げた者

1項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者がその法人 又は人の業務に関して前三条の違反行為をした場合においては、行為者を罰する外、その法人 又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。


但し、法人 又は人の代理人、使用人 その他の従業者の当該違反行為を防止するため、当該業務に関し相当の注意 及び監督が尽されたことの証明があつたときは、その法人 又は人については、この限りでない。