刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律

# 平成十七年法律第五十号 #
略称 : 刑事施設法  刑事収容施設法  刑事被収容者処遇法 

第四章 海上保安留置施設における海上保安被留置者の処遇

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


第一節 留置の開始

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。

一 号

物品の貸与 及び支給 並びに自弁に関する事項

二 号

第二百五十条第一項に規定する保管私物 その他の金品の取扱いに関する事項

三 号

保健衛生 及び医療に関する事項

四 号

宗教上の行為に関する事項

五 号

書籍等の閲覧に関する事項

六 号

第二百六十二条第一項に規定する遵守事項

七 号

面会 及び信書の発受に関する事項

八 号

審査の申請を行うことができる措置、審査の申請をすべき行政庁 及び審査の申請期間 その他の審査の申請に関する事項

九 号

第二百七十七条第一項の規定による申告を行うことができる行為、申告先 及び申告期間 その他の同項の規定による申告に関する事項

十 号
苦情の申出に関する事項
2項

前項の規定による告知は、国土交通省令で定めるところにより、書面で行う。

1項

海上保安留置担当官は、海上保安被留置者について、その海上保安留置施設における留置の開始に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。


その後必要が生じたときも、同様とする。

2項

女子の海上保安被留置者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の海上保安留置担当官がこれを行わなければならない。


ただし、女子の海上保安留置担当官がその検査を行うことができない場合には、男子の海上保安留置担当官が海上保安留置業務管理者の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。

第二節 処遇の態様

1項

海上保安被留置者の処遇(運動、入浴 又は面会の場合 その他の国土交通省令で定める場合における処遇を除く)は、居室(海上保安被留置者が主として休息 及び就寝のため使用する場所として海上保安留置業務管理者が指定する室をいう。以下この条 及び第二百六十四条において同じ。)外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。

2項

未決拘禁者(海上保安留置施設に留置されているものに限る。以下この章において同じ。)は、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがないと認められる場合に限り、居室において単独の留置をしないことができる。

3項

未決拘禁者は、前項に規定する場合でなければ、居室外においても、相互に接触させてはならない。

第三節 起居動作の時間帯

1項

海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、食事、就寝 その他の起居動作をすべき時間帯を定め、これを海上保安被留置者に告知するものとする。

第四節 物品の貸与等及び自弁

1項

第百八十六条から第百八十九条までの規定は、海上保安留置施設における海上保安被留置者に対する物品の貸与 及び支給 並びに自弁について準用する。


この場合において、

第百八十六条第二項第百八十七条 及び第百八十八条第一項第三号
内閣府令」とあるのは
「国土交通省令」と、

第百八十七条
留置業務管理者」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

、第百九十条の規定により禁止される場合 並びに被留置受刑者について改善更生に支障を生ずるおそれがある場合を除き」とあるのは
「を除き」と

読み替えるものとする。

第五節 金品の取扱い

1項

海上保安留置担当官は、次に掲げる金品について、検査を行うことができる。

一 号

海上保安被留置者が留置される際に所持する現金 及び物品

二 号

海上保安被留置者が留置中に取得した現金 及び物品(信書を除く次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金 及び物品以外のもの(海上保安留置業務管理者から支給された物品を除く

三 号

海上保安被留置者に交付するため当該海上保安被留置者以外の者が海上保安留置施設に持参し、又は送付した現金 及び物品

1項

海上保安留置業務管理者は、前条第一号 又は第二号に掲げる物品が次の各号いずれかに該当するときは、海上保安被留置者に対し、その物品について、親族 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めるものとする。

一 号

保管に不便なものであるとき。

二 号

腐敗し、又は滅失するおそれがあるものであるとき。

三 号

危険を生ずるおそれがあるものであるとき。

2項

第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。

1項

海上保安留置業務管理者は、第二百四十六条第三号に掲げる現金 又は物品が次の各号いずれかに該当するときは、その現金 又は物品の差入人に対し、その引取りを求めるものとする。

一 号

海上保安被留置者に交付することにより、海上保安留置施設の規律 及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。

二 号

交付の相手方が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところによりその者が交付を受けることが許されない物品であるとき。

三 号

差入人の氏名が明らかでないものであるとき。

四 号

自弁物品等以外の物品であるとき。

五 号

前条第一項各号いずれかに該当する物品であるとき。

2項

第二百四十六条第三号に掲げる現金 又は物品であって、前項第一号から第三号までいずれかに該当するものについて、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、海上保安留置業務管理者は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。

3項

前項に規定する現金 又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金 又は物品の引取りをしないときは、その現金 又は物品は、国庫に帰属する。

4項

第二項に規定する物品であって、第一項第五号に該当するものについては、海上保安留置業務管理者は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。


ただし、売却できないものは、廃棄することができる。

5項

第二百四十六条第三号に掲げる現金 又は物品であって、第一項第四号 又は第五号に該当するもの(同項第一号から第三号までいずれかに該当するものを除く)について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、親族 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めるものとする。

6項

第四十五条第二項の規定は、前項の規定により海上保安留置業務管理者が海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について準用する。

7項

第二百四十六条第三号に掲げる現金 又は物品であって、第一項各号いずれにも該当しないものについて、海上保安被留置者がその交付を受けることを拒んだ場合には、海上保安留置業務管理者は、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。


この場合においては、第二項 及び第三項の規定を準用する。

1項

次に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるものは、海上保安被留置者に引き渡す。

一 号

第二百四十六条第一号 又は第二号に掲げる物品であって、第二百四十七条第一項各号いずれにも該当しないもの

二 号

第二百四十六条第三号に掲げる物品であって、前条第一項各号いずれにも該当しないもの(海上保安被留置者が交付を受けることを拒んだ物品を除く

2項

次に掲げる金品は、海上保安留置業務管理者が領置する。

一 号

前項各号に掲げる物品のうち、この法律の規定により海上保安被留置者が使用し、又は摂取することができるもの以外のもの

二 号

第二百四十六条各号に掲げる現金であって、前条第一項第一号 又は第三号いずれにも該当しないもの

1項

海上保安留置業務管理者は、国土交通省令で定めるところにより、保管私物(海上保安被留置者が前条第一項の規定により引渡しを受けて保管する物品(第三項において準用する第四十八条第五項の規定により引渡しを受けて保管する物品を含む。)及び海上保安被留置者が受けた信書でその保管するものをいう。以下この章において同じ。)の保管方法について、海上保安留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。

2項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の保管私物(国土交通省令で定めるものを除く)の総量(次条において「保管総量」という。)が保管限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて保管することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるとき、又は海上保安被留置者について領置している物品(国土交通省令で定めるものを除く)の総量(次条において「領置総量」という。)が領置限度量(海上保安被留置者としての地位の別ごとに海上保安被留置者一人当たりについて領置することができる物品の量として海上保安留置業務管理者が定める量をいう。次条において同じ。)を超えるときは、当該海上保安被留置者に対し、その超過量に相当する量の物品について、親族 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めることができる。


腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。

3項

第四十五条第二項の規定は前項の規定により海上保安被留置者に対し物品の処分を求めた場合について、第四十八条第四項の規定は海上保安被留置者の保管私物について、同条第五項の規定は海上保安被留置者に係る領置物品について、それぞれ準用する。


この場合において、

これらの規定中
刑事施設の長」とあるのは、
「海上保安留置業務管理者」と

読み替えるものとする。

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、自弁物品等を購入し、又は海上保安留置施設における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。


ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用の場合において、次の各号いずれかに該当するときは、この限りでない。

一 号

購入により、保管総量が保管限度量を超え、又は領置総量が領置限度量を超えることとなるとき。

二 号

海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、保管私物 又は領置されている金品(第二百七十三条において準用する第百三十三条に規定する文書図画に該当するものを除く)について、他の者(その海上保安留置施設に留置されている者を除く)への交付(信書の発信に該当するものを除く)を申請した場合には、次の各号いずれかに該当する場合を除き、これを許すものとする。

一 号

交付(その相手方が親族であるものを除く)により、海上保安留置施設の規律 及び秩序を害するおそれがあるとき。

二 号

海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。

1項

第五十一条の規定は海上保安留置業務管理者による差入れ等に関する制限について、第五十二条の規定は海上保安留置業務管理者による領置金品の引渡しについて、第五十三条第五十四条第一項第三号除く)及び第五十五条の規定は海上保安被留置者の遺留物(海上保安留置施設に遺留した金品をいう。第二百八十五条において同じ。)について、それぞれ準用する。


この場合において、

第五十一条
この節」とあるのは
第四章第五節」と、

同条 及び第五十五条第一項
法務省令」とあるのは
「国土交通省令」と、

第五十一条 及び第五十二条
被収容者」とあるのは
「海上保安被留置者」と、

第五十一条
刑事施設の管理運営」とあるのは
「海上保安留置施設の管理運営」と、

第五十三条第二項 及び第五十五条第二項
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

第五十四条第一項第二号
第八十三条第二項」とあるのは
第二百六十三条第二項」と、

第五十五条第二項 及び第三項
第百七十六条」とあるのは
第二百八十五条」と

読み替えるものとする。

第六節 保健衛生及び医療

1項

海上保安留置施設においては、海上保安被留置者の心身の状況を把握することに努め、海上保安被留置者の健康 及び海上保安留置施設内の衛生を保持するため、社会一般の保健衛生 及び医療の水準に照らし適切な保健衛生上及び医療上の措置を講ずるものとする。

1項

海上保安被留置者には、国土交通省令で定めるところにより、その健康を保持するため適切な運動を行う機会を与えなければならない。

1項

第五十八条第五十九条第二百条第一項 及び第二百一条から第二百三条までの規定は海上保安被留置者について、第六十四条 及び第六十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者に対する措置について、それぞれ準用する。


この場合において、

第五十九条 及び第六十四条
法務省令」とあり、
並びに第二百二条第一項 及び第三項 並びに第二百三条
内閣府令」とあるのは
「国土交通省令」と、

第五十九条
刑事施設」とあり、
並びに第二百条第一項 及び第二百二条第一項
留置施設」とあるのは
「海上保安留置施設」と、

第六十四条
刑事施設内」とあるのは
「海上保安留置施設内」と、

第六十一条の規定による健康診断 又は第六十二条」とあるのは
第二百五十六条において準用する第二百一条」と、

第六十五条第二項
刑事施設の外」とあるのは
「海上保安留置施設の外」と、

第二百条第一項
及び第二百一条から第二百三条までの規定中
留置業務管理者」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

第二百条第一項
留置担当官」とあり、
及び第二百二条第二項
留置業務に従事する職員」とあるのは
「海上保安留置担当官」と

読み替えるものとする。

第七節 宗教上の行為

1項

海上保安被留置者が一人で行う礼拝 その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。


ただし、海上保安留置施設の規律 及び秩序の維持 その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。

第八節 書籍等の閲覧

1項

海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することは、この節の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が自弁の書籍等を閲覧することにより次の各号いずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。

一 号

海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

二 号

海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

2項

前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等の翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。


この場合において、海上保安被留置者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。

1項

第七十一条の規定は海上保安留置業務管理者による新聞紙に関する制限について、第七十二条第一項の規定は海上保安留置業務管理者による時事の報道に接する機会の付与について、それぞれ準用する。


この場合において、

第七十一条
法務省令」とあるのは
「国土交通省令」と、

同条 及び第七十二条第一項
被収容者」とあるのは
「海上保安被留置者」と、

第七十一条
刑事施設の管理運営」とあるのは
「海上保安留置施設の管理運営」と

読み替えるものとする。

第九節 規律及び秩序の維持

1項

海上保安留置施設の規律 及び秩序は、適正に維持されなければならない。

2項

前項の目的を達成するため執る措置は、海上保安被留置者の留置を確保し、並びにその処遇のための適切な環境 及びその安全かつ平穏な共同生活を維持するため必要な限度を超えてはならない。

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。

2項

遵守事項は、海上保安被留置者としての地位に応じ、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。

一 号

犯罪行為をしてはならないこと。

二 号

他人に対し、粗野 若しくは乱暴な言動をし、又は迷惑を及ぼす行為をしてはならないこと。

三 号

自身を傷つける行為をしてはならないこと。

四 号

海上保安留置担当官の職務の執行を妨げる行為をしてはならないこと。

五 号

自己 又は他の海上保安被留置者の留置の確保を妨げるおそれのある行為をしてはならないこと。

六 号

海上保安留置施設の安全を害するおそれのある行為をしてはならないこと。

七 号

海上保安留置施設内の衛生 又は風紀を害する行為をしてはならないこと。

八 号

金品について、不正な使用、所持、授受 その他の行為をしてはならないこと。

九 号

前各号に掲げるもののほか、海上保安留置施設の規律 及び秩序を維持するため必要な事項

十 号

前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。

3項

前二項のほか、海上保安留置業務管理者 又は海上保安留置担当官は、海上保安留置施設の規律 及び秩序を維持するため必要がある場合には、海上保安被留置者に対し、その生活 及び行動について指示することができる。

1項

海上保安留置業務管理者は、地震、火災 その他の災害に際し、海上保安留置施設内において避難の方法がないときは、海上保安被留置者を適当な場所に護送しなければならない。

2項

前項の場合において、海上保安被留置者を護送することができないときは、海上保安留置業務管理者は、その者を海上保安留置施設から解放することができる。


地震、火災 その他の災害に際し、海上保安留置施設の外にある海上保安被留置者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。

3項

前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後 速やかに、海上保安留置施設 又は海上保安留置業務管理者が指定した場所に出頭しなければならない。

1項

第七十五条の規定は海上保安留置担当官による海上保安被留置者の身体、着衣、所持品 及び居室の検査 並びに所持品の保管 並びに海上保安被留置者以外の者の着衣 及び携帯品の検査 並びに携帯品の保管について、第七十八条の規定は海上保安留置担当官による捕縄、手錠 及び拘束衣の使用について、それぞれ準用する。


この場合において、

第七十五条第一項 及び第三項 並びに第七十八条第一項第三号
刑事施設」とあるのは
「海上保安留置施設」と、

第七十五条第二項
第三十四条第二項」とあるのは
第二百四十二条第二項」と、

第七十八条第一項第二項 及び第六項中
被収容者」とあるのは
「海上保安被留置者」と、

同条第一項 及び第七項
法務省令」とあるのは
「国土交通省令」と、

同条第二項から第六項までの規定中
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

同項
刑事施設の職員である医師」とあるのは
「当該海上保安留置業務管理者が委嘱する医師」と

読み替えるものとする。

第十節 外部交通

第一款 面会

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。


ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。

2項

海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律 及び秩序の維持 その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者の面会(弁護人等との面会を除く)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。

3項

海上保安留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、海上保安被留置者の次に掲げる者との面会については、海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果 又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い 並びに録音 及び録画をさせてはならない

一 号

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国 又は地方公共団体の機関の職員

二 号

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

1項

海上保安留置担当官は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロ限る)に該当する場合には、その行為 若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。


この場合においては、面会の一時停止のため、海上保安被留置者 又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。

一 号

海上保安被留置者 又は面会の相手方が次の 又はいずれかに該当する行為をするとき。

次条において準用する第二百二十条第五項の規定による制限に違反する行為

海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する行為

二 号

海上保安被留置者 又は面会の相手方が次のイからハまでいずれかに該当する内容の発言をするとき。

暗号の使用 その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できないもの

犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの

海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの

三 号

未決拘禁者 又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。

2項

海上保安留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。

1項

第二百二十条の規定は、海上保安被留置者の面会について準用する。


この場合において、

同条第一項 及び第三項から第五項までの規定中
留置施設」とあるのは
「海上保安留置施設」と、

同条第三項から第五項までの規定中
留置業務管理者」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

同条第四項 及び第五項
内閣府令」とあるのは
「国土交通省令」と

読み替えるものとする。

第二款 信書の発受

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、この款 又は第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。


ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。

2項

海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律 及び秩序の維持 その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。

3項

次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。


ただし第一号ハ 及び第二号ロに掲げる信書について、海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果 又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。

一 号

海上保安被留置者が次に掲げる者から受ける信書

弁護人等
国 又は地方公共団体の機関

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人 及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。

二 号

未決拘禁者以外の海上保安被留置者が次に掲げる者に対して発する信書

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国 又は地方公共団体の機関

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

1項

海上保安留置業務管理者は、前条の規定による検査の結果、海上保安被留置者が発受する信書について、その全部 又は一部が次の各号いずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。


同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部 又は一部が次の各号いずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。

一 号

暗号の使用 その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できない内容のものであるとき。

二 号

発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。

三 号

発受によって、海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

四 号

威迫にわたる記述 又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。

五 号

受信者を著しく侮辱する記述があるとき。

六 号

未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

2項

前項の規定にかかわらず、海上保安被留置者が国 又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び海上保安被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその海上保安被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除 若しくは抹消は、その部分の全部 又は一部が前項第一号から第三号まで 又は第六号いずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。

1項

海上保安留置業務管理者は、前条 又は第二百七十四条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、前条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。

2項

海上保安留置業務管理者は、前条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。

3項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部 若しくは一部 又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。

4項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等(国土交通省令で定める遺族 その他の者をいう。第二百八十五条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。

5項

前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。


次に掲げる場合において、その引渡しにより海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。

一 号

釈放された海上保安被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

二 号

海上保安被留置者が、第二百五十三条において準用する第五十四条第一項第一号 又は第二号いずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

6項

第五十三条第一項第五十四条第一項第三号除く)並びに第五十五条第二項 及び第三項の規定は、海上保安被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く)について準用する。


この場合において、

第五十四条第一項第二号
第八十三条第二項」とあるのは
第二百六十三条第二項」と、

第五十五条第二項 及び第三項
第百七十六条」とあるのは
第二百八十五条」と、

同条第二項
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

同条第三項
第一項の申請」とあるのは
第二百七十二条第四項の申請」と

読み替えるものとする。

7項

第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、海上保安被留置者の釈放 若しくは死亡の日 又は海上保安被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号 若しくは第二号いずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。

1項

第百三十一条の規定は海上保安被留置者の信書について、第百三十三条の規定は海上保安被留置者の文書図画について、第二百二十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者の信書に関する制限について、それぞれ準用する。


この場合において、

第百三十一条 及び第百三十三条
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

第二百二十五条第一項
内閣府令」とあるのは
「国土交通省令」と、

留置施設」とあるのは
「海上保安留置施設」と

読み替えるものとする。

第三款 外国語による面会等

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者 又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。


この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。

2項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者 又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合 その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。


この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。

3項

海上保安被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会 又は信書の発受を許さない。

第十一節 不服申立て

第一款 審査の申請及び再審査の申請

1項

次に掲げる海上保安留置業務管理者の措置に不服がある者は、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部 又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、審査の申請をすることができる。

一 号

第二百四十五条において準用する第百八十七条の規定による自弁の物品の使用 又は摂取を許さない処分

二 号

第二百五十一条の規定による領置されている現金の使用 又は第二百五十二条の規定による保管私物 若しくは領置されている金品の交付を許さない処分

三 号

第二百五十六条において準用する第二百二条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分 又は第二百五十六条において準用する第二百二条第四項の規定による診療の中止

四 号

第二百五十七条に規定する宗教上の行為の禁止 又は制限

五 号

第二百五十九条第一項の規定 又は第二百六十条において準用する第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止 又は制限

六 号

第二百五十九条第二項の規定による費用を負担させる処分

七 号

第二百七十一条の規定 又は第二百七十三条において準用する第百三十三条 若しくは第二百二十五条の規定による信書の発受 又は文書図画の交付の差止め又は制限

八 号

第二百七十二条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(同条第三項の規定による引渡しに係るものに限る

九 号

前条第一項 又は第二項の規定による費用を負担させる処分

2項

前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

第百五十七条第二項第百五十八条第二項 及び第三項第百六十条 並びに第百六十一条第一項 並びに行政不服審査法第十五条第十八条第三項第十九条第二項 及び第四項第二十二条第一項 及び第五項第二十三条第二十五条第一項第二項 及び第六項第二十六条第二十七条第三十九条第四十五条第一項 及び第二項第四十六条第一項本文 及び第二項第二号除く)、第四十七条ただし書 及び第二号除く)、第四十八条第五十条第一項 及び第三項第五十一条 並びに第五十二条第一項 及び第二項の規定は、審査の申請について準用する。


この場合において、

第百五十八条第三項 及び第百六十条第二項
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

同条 及び第百六十一条第一項
矯正管区の長」とあるのは
「管区海上保安本部長」と、

同法第二十五条第二項
審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは
「職権で」と、

同法第五十一条第三項
掲示し、かつ、その旨を官報 その他の公報 又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは
「掲示して」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、海上保安庁長官に対し、再審査の申請をすることができる。

2項

前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

第百五十七条第二項第百五十八条第二項第百六十条 及び第百六十一条第一項 並びに行政不服審査法第十五条第十八条第三項第十九条第二項 及び第四項第二十三条第二十五条第一項第二項 及び第六項第二十六条第二十七条第三十九条第四十六条第一項本文 及び第二項第二号除く)、第四十七条ただし書 及び第二号除く)、第四十八条第五十条第一項第五十一条第五十二条第一項 及び第二項第六十二条第二項 並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。


この場合において、

第百六十条 及び第百六十一条第一項
矯正管区の長」とあるのは
「海上保安庁長官」と、

第百六十条第二項
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

同法第二十五条第二項
審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは
「職権で」と、

同法第五十一条第三項
掲示し、かつ、その旨を官報 その他の公報 又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは
「掲示して」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第二款 事実の申告

1項

海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置担当官による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、その海上保安留置施設の所在地(当該海上保安留置施設が船舶に置かれるものである場合には、当該船舶の所属する管区海上保安本部 又は管区海上保安本部の事務所の所在地)を管轄する管区海上保安本部長に対し、その事実を申告することができる。

一 号

身体に対する違法な有形力の行使

二 号

違法 又は不当な捕縄、手錠 又は拘束衣の使用

2項

前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

第百五十七条第二項第百五十八条第二項 及び第三項第百六十条第百六十一条第一項 並びに第百六十四条第一項第二項 及び第四項 並びに行政不服審査法第十八条第三項第二十二条第一項 及び第五項第二十三条第二十七条第三十九条 並びに第五十条第一項 及び第三項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。


この場合において、

第百五十八条第三項 及び第百六十条第二項
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

同条第百六十一条第一項 並びに第百六十四条第一項第二項 及び第四項
矯正管区の長」とあるのは
「管区海上保安本部長」と、

同項
前条第一項」とあるのは
第二百七十七条第一項」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

海上保安被留置者は、前条第三項において準用する第百六十四条第一項 又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、海上保安庁長官に対し、前条第一項に規定する事実を申告することができる。

2項

前項の規定による申告は、同項の通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

第百五十七条第二項第百五十八条第二項第百六十条第百六十一条第一項 並びに第百六十四条第一項第二項 及び第四項 並びに行政不服審査法第十八条第三項第二十三条第二十七条第三十九条 及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。


この場合において、

第百六十条第百六十一条第一項 並びに第百六十四条第一項第二項 及び第四項
矯正管区の長」とあるのは
「海上保安庁長官」と、

第百六十条第二項
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

第百六十四条第四項
前条第一項」とあるのは
第二百七十七条第一項」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第三款 苦情の申出

1項

海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇について、書面で、海上保安庁長官に対し、苦情の申出をすることができる。

2項

第百五十七条第二項 及び第百六十六条第三項の規定は、前項の海上保安庁長官に対する苦情の申出について準用する。

1項

海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇について、口頭 又は書面で、第二十八条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。

2項

第百五十七条第二項第百六十六条第三項 及び第百六十七条第三項の規定は、前項の監査官に対する苦情の申出について準用する。


この場合において、

同条第三項
刑事施設の職員」とあるのは、
「海上保安留置担当官」と

読み替えるものとする。

1項

海上保安被留置者は、自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇について、口頭 又は書面で、海上保安留置業務管理者に対し、苦情の申出をすることができる。

2項

第百五十七条第二項第百六十六条第三項 及び第百六十八条第三項の規定は、前項の海上保安留置業務管理者に対する苦情の申出について準用する。

第四款 雑則

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請 又は第二百七十七条第一項 若しくは第二百七十八条第一項の規定による申告をいう。次項 及び次条において同じ。)をし、又は海上保安庁長官 若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を海上保安留置担当官に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。

2項

第二百七十条の規定にかかわらず、審査の申請等 又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。

1項

海上保安留置担当官は、海上保安被留置者が審査の申請等 又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。

第十二節 釈放

1項

海上保安被留置者の釈放は、他の法令に定めるところによるもののほか、政令で定める事由が生じた後直ちに行う。

2項

第百七十五条の規定は、釈放される海上保安被留置者について準用する。

第十三節 死亡

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因 及び日時 並びに交付すべき遺留物 又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。