公営住宅法

昭和二十六年法律第百九十三号
分類 法律
カテゴリ   建築・住宅
@ 施行日 : 令和四年四月一日 ( 2022年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七号による改正
最終編集日 : 2024年 10月18日 18時41分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 公営住宅の整備

  • 第三章 公営住宅の管理

  • 第四章 公営住宅建替事業

  • 第五章 補則

第一章 総則

1項

この法律は、国 及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。

1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 号

地方公共団体

市町村 及び都道府県をいう。

二 号

公営住宅

地方公共団体が、建設、買取り 又は借上げを行い、低額所得者に賃貸し、又は転貸するための住宅 及びその附帯施設で、この法律の規定による国の補助に係るものをいう。

三 号

公営住宅の建設

公営住宅を建設することをいい、公営住宅を建設するために必要な土地の所有権、地上権 若しくは土地の賃借権を取得し、又はその土地を宅地に造成すること(以下「公営住宅を建設するための土地の取得等」という。)を含むものとする。

四 号

公営住宅の買取り

公営住宅として低額所得者に賃貸するために必要な住宅 及びその附帯施設を買い取ることをいい、その住宅 及び附帯施設を買い取るために必要な土地の所有権、地上権 又は土地の賃借権を取得すること(以下「公営住宅を買い取るための土地の取得」という。)を含むものとする。

五 号

公営住宅の建設等

公営住宅の建設 又は公営住宅の買取りをいう。

六 号

公営住宅の借上げ

公営住宅として低額所得者に転貸するために必要な住宅 及びその附帯施設を賃借することをいう。

七 号

公営住宅の整備

公営住宅の建設等 又は公営住宅の借上げをいう。

八 号

公営住宅の供給

公営住宅の整備 及び管理をすることをいう。

九 号

共同施設

児童遊園、共同浴場、集会所 その他公営住宅の入居者の共同の福祉のために必要な施設で国土交通省令で定めるものをいう。

十 号

共同施設の建設

共同施設を建設することをいい、共同施設を建設するために必要な土地の所有権、地上権 若しくは土地の賃借権を取得し、又はその土地を宅地に造成すること(以下「共同施設を建設するための土地の取得等」という。)を含むものとする。

十一 号

共同施設の買取り

共同施設として公営住宅の入居者の共同の福祉のために必要な施設を買い取ることをいい、その施設を買い取るために必要な土地の所有権、地上権 又は土地の賃借権を取得すること(以下「共同施設を買い取るための土地の取得」という。)を含むものとする。

十二 号

共同施設の建設等

共同施設の建設 又は共同施設の買取りをいう。

十三 号

共同施設の借上げ

共同施設として公営住宅の入居者の共同の福祉のために必要な施設を賃借することをいう。

十四 号

共同施設の整備

共同施設の建設等 又は共同施設の借上げをいう。

十五 号

公営住宅建替事業

現に存する公営住宅(第七条第一項 又は第八条第一項 若しくは第三項の規定による国の補助を受けて建設 又は買取りをしたものに限る)を除却し、又は現に存する公営住宅 及び共同施設(第七条第一項 若しくは第二項 又は第八条第一項 若しくは第三項の規定による国の補助を受けて建設 又は買取りをしたものに限る)を除却するとともに、これらの存していた土地(以下この号において「公営住宅等の存していた土地」という。)の全部 若しくは一部の区域に、新たに公営住宅を建設し、若しくは新たに公営住宅 及び共同施設を建設する事業(新たに建設する公営住宅 又は新たに建設する公営住宅 及び共同施設と一体の公営住宅 又は共同施設を当該区域内の土地に隣接する土地に新たに整備する事業を含む。)又は公営住宅等の存していた土地に近接する土地に、新たに当該除却する公営住宅に代わるべき公営住宅を建設し、若しくは新たに当該除却する公営住宅 及び共同施設に代わるべき公営住宅 及び共同施設を建設する事業(複数の公営住宅の機能を集約するために行うものに限る)でこの法律で定めるところに従つて行われるものをいい、これに附帯する事業を含むものとする。

十六 号

事業主体

公営住宅の供給を行う地方公共団体をいう。

1項

地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するため必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない。

1項

国は、必要があると認めるときは、地方公共団体に対して、公営住宅の供給に関し、財政上、金融上及び技術上の援助を与えなければならない。

2項

都道府県は、必要があると認めるときは、市町村に対して、公営住宅の供給に関し、財政上及び技術上の援助を与えなければならない。

第二章 公営住宅の整備

1項

公営住宅の整備は、国土交通省令で定める基準を参酌して事業主体が条例で定める整備基準に従い、行わなければならない。

2項

事業主体は、公営住宅の整備をするときは、国土交通省令で定める基準を参酌して事業主体が条例で定める整備基準に従い、これに併せて共同施設の整備をするように努めなければならない。

3項

事業主体は、公営住宅 及び共同施設を耐火性能を有する構造のものとするように努めなければならない。

1項

国は、事業主体が住生活基本法平成十八年法律第六十一号第十七条第一項に規定する都道府県計画(以下単に「都道府県計画」という。)に基づいて公営住宅の建設等をする場合においては、予算の範囲内において、当該公営住宅の建設等に要する費用(当該公営住宅の建設をするために必要な他の公営住宅 又は共同施設の除却に要する費用を含み、公営住宅を建設するための土地の取得等に要する費用 及び公営住宅を買い取るための土地の取得に要する費用を除く。以下この条 及び次条において同じ。)の二分の一を補助するものとする。

2項

国は、事業主体が都道府県計画に基づいて共同施設の建設等(国土交通省令で定める共同施設に係るものに限る。以下この条において同じ。)をする場合においては、予算の範囲内において、当該共同施設の建設等に要する費用(当該共同施設の建設をするために必要な他の共同施設 又は公営住宅の除却に要する費用を含み、共同施設を建設するための土地の取得等に要する費用 及び共同施設を買い取るための土地の取得に要する費用を除く。以下この条において同じ。)の二分の一を補助することができる。

3項

前二項の規定による国の補助金額の算定については、公営住宅の建設等に要する費用 又は共同施設の建設等に要する費用が標準建設・買取費を超えるときは、標準建設・買取費を公営住宅の建設等に要する費用 又は共同施設の建設等に要する費用とみなす。

4項

前項に規定する標準建設・買取費は、公営住宅の建設等に要する費用 又は共同施設の建設等に要する費用として通常必要な費用を基準として、国土交通大臣が定める。

5項

地方公共団体が都道府県計画に基づいて公営住宅の建設等 又は共同施設の建設等をする場合において、次に掲げる交付金を当該公営住宅の建設等 又は当該共同施設の建設等に要する費用に充てるときは、当該交付金を第一項 又は第二項の規定による国の補助とみなして、この法律の規定を適用する。

一 号

都市再生特別措置法平成十四年法律第二十二号)第四十七条第二項の交付金

二 号

地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法平成十七年法律第七十九号)第七条第二項の交付金

三 号

広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律平成十九年法律第五十二号)第十九条第二項の交付金

四 号

沖縄振興特別措置法平成十四年法律第十四号)第九十六条第二項の交付金

1項

国は、次の各号の一に該当する場合において、事業主体が災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に賃貸するため公営住宅の建設等をするときは、当該公営住宅の建設等に要する費用の三分の二を補助するものとする。


ただし、当該災害により滅失した住宅の戸数の三割に相当する戸数(第十条第一項 又は第十七条第二項 若しくは第三項の規定による国の補助に係る公営住宅(この項本文の規定による国の補助に係るものを除く)で当該災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に賃貸 又は転貸をするものがある場合にあつては、これらの戸数を控除した戸数)を超える分については、この限りでない。

一 号

地震、暴風雨、洪水、高潮 その他の異常な天然現象により住宅が滅失した場合で、その滅失した戸数が被災地全域で五百戸以上 又は一市町村の区域内で二百戸以上 若しくはその区域内の住宅戸数の一割以上であるとき。

二 号

火災により住宅が滅失した場合で、その滅失した戸数が被災地全域で二百戸以上 又は一市町村の区域内の住宅戸数の一割以上であるとき。

2項

前条第三項 及び第四項の規定は、前項の規定による国の補助金額の算定について準用する。

3項

国は、災害(火災にあつては、地震による火災に限る)により公営住宅 又は共同施設が滅失し、又は著しく損傷した場合において、事業主体が公営住宅の建設、共同施設の建設 又は公営住宅 若しくは共同施設の補修をするときは、予算の範囲内において、当該公営住宅の建設に要する費用(当該公営住宅の建設をするために必要な他の公営住宅 又は共同施設の除却に要する費用を含み、公営住宅を建設するための土地の取得等に要する費用を除く。以下この条において同じ。)、当該共同施設の建設に要する費用(当該共同施設の建設をするために必要な他の共同施設 又は公営住宅の除却に要する費用を含み、共同施設を建設するための土地の取得等に要する費用を除く。以下この条において同じ。)若しくはこれらの補修(以下「災害に基づく補修」という。)に要する費用 又は公営住宅等を建設するための宅地の復旧(公営住宅 又は共同施設を建設するために必要な土地を宅地として復旧するための土地の造成をいう。以下同じ。)に要する費用の二分の一を補助することができる。

4項

前項の規定による国の補助金額の算定については、公営住宅の建設に要する費用 若しくは共同施設の建設に要する費用、災害に基づく補修に要する費用 又は公営住宅等を建設するための宅地の復旧に要する費用が、それぞれ、標準建設費、標準補修費 又は標準宅地復旧費を超えるときは、標準建設費を公営住宅の建設に要する費用 若しくは共同施設の建設に要する費用と、標準補修費を災害に基づく補修に要する費用と、標準宅地復旧費を公営住宅等を建設するための宅地の復旧に要する費用とみなす。

5項

前項に規定する標準建設費、標準補修費 又は標準宅地復旧費は、それぞれ、公営住宅の建設に要する費用 若しくは共同施設の建設に要する費用、災害に基づく補修に要する費用 又は公営住宅等を建設するための宅地の復旧に要する費用として通常必要な費用を基準として、国土交通大臣が定める。

6項

地方公共団体が、福島復興再生特別措置法平成二十四年法律第二十五号)第二十七条に規定する特定帰還者(第十七条第三項 及び第四項において単に「特定帰還者」という。)の帰還のための環境を整備し、又は同法第三十九条に規定する居住制限者(第十七条第三項 及び第四項において単に「居住制限者」という。)の生活の拠点を形成するために公営住宅の建設等をする場合において、同法第三十四条第三項に規定する帰還・移住等環境整備交付金(第十七条第三項 及び第四項において単に「帰還・移住等環境整備交付金」という。)又は同法第四十六条第三項に規定する生活拠点形成交付金(第十七条第三項 及び第四項において単に「生活拠点形成交付金」という。)を当該公営住宅の建設等に要する費用に充てるときは、当該帰還・移住等環境整備交付金 又は当該生活拠点形成交付金を第一項の規定による国の補助とみなして、この法律の規定を適用する。

1項

事業主体は、公営住宅の借上げをする場合において、公営住宅として低額所得者に転貸するために必要となる住宅 又はその附帯施設の建設 又は改良を行う者に対し、その費用の一部を補助することができる。

2項

事業主体は、共同施設の借上げをする場合において、共同施設として公営住宅の入居者の共同の福祉のために必要となる施設の建設 又は改良を行う者に対し、その費用の一部を補助することができる。

3項

国は、事業主体が都道府県計画に基づいて公営住宅の借上げをする場合において第一項の規定により補助金を交付するときは、予算の範囲内において、当該住宅 又はその附帯施設の建設 又は改良に要する費用のうち住宅の共用部分として国土交通省令で定めるものに係る費用(以下この条 及び次条において「住宅共用部分工事費」という。)に対して当該事業主体が補助する額(その額が住宅共用部分工事費の三分の二に相当する額を超える場合においては、当該三分の二に相当する額)に二分の一を乗じて得た額を補助するものとする。

4項

国は、事業主体が都道府県計画に基づいて共同施設の借上げをする場合において第二項の規定により補助金を交付するときは、予算の範囲内において、当該施設の建設 又は改良に要する費用のうち国土交通省令で定める施設に係る費用(以下この条において「施設工事費」という。)に対して当該事業主体が補助する額(その額が施設工事費の三分の二に相当する額を超える場合においては、当該三分の二に相当する額)に二分の一を乗じて得た額を補助することができる。

5項

前二項の規定による国の補助金額の算定については、住宅共用部分工事費 又は施設工事費が、それぞれ、標準住宅共用部分工事費 又は標準施設工事費を超えるときは、標準住宅共用部分工事費を住宅共用部分工事費と、標準施設工事費を施設工事費とみなす。

6項

前項に規定する標準住宅共用部分工事費 又は標準施設工事費は、それぞれ、住宅 若しくはその附帯施設の建設 若しくは改良に要する費用 又は施設の建設 若しくは改良に要する費用として通常必要な費用を基準として、国土交通大臣が定める。

1項

国は、第八条第一項各号の一に該当する場合において、事業主体が災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に転貸するため公営住宅の借上げを行い、当該借上げに係る住宅 又はその附帯施設の建設 又は改良を行う者に対し前条第一項の規定により補助金を交付するときは、同条第三項の規定にかかわらず、住宅共用部分工事費に対して当該事業主体が補助する額(その額が住宅共用部分工事費の五分の四に相当する額を超える場合においては、当該五分の四に相当する額)に二分の一を乗じて得た額を補助するものとする。


ただし、当該災害により滅失した住宅の戸数の三割に相当する戸数(第八条第一項 又は第十七条第二項 若しくは第三項の規定による国の補助に係る公営住宅(この項本文の規定による国の補助に係るものを除く)で当該災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に賃貸 又は転貸をするものがある場合にあつては、これらの戸数を控除した戸数)を超える分については、この限りでない。

2項

前条第五項 及び第六項の規定は、前項の規定による国の補助金額の算定について準用する。

1項

事業主体は、第七条から前条までの規定により国の補助(第七条第五項 又は第八条第六項の規定により第七条第一項 若しくは第二項 又は第八条第一項の規定による国の補助とみなされるものを除く)を受けようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、事業計画書 及び工事設計要領書を添えて、国の補助金の交付申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。

2項

国土交通大臣は、前項の規定による提出書類を審査し、適当と認めるときは、国の補助金の交付を決定し、これを当該事業主体に通知しなければならない。

1項

都道府県は、公営住宅の整備、共同施設の整備 又は災害に基づく補修をする事業主体が市町村であるときは、当該事業主体に対して補助金を交付することができる。

1項

国は、事業主体が公営住宅を建設するための土地の取得等 若しくは共同施設を建設するための土地の取得等 又は公営住宅を買い取るための土地の取得 若しくは共同施設を買い取るための土地の取得に要する費用に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情の許す限り、適切な配慮をするものとする。

1項

農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法昭和四十六年法律第三十二号)第二条第一項各号の一に該当する者が、公営住宅として低額所得者に転貸するために必要となる住宅 又はその附帯施設を建設し、当該住宅 又はその附帯施設を事業主体に賃貸する場合においては、当該住宅 又はその附帯施設が同条第二項に規定する特定賃貸住宅に該当しないものであつても、その規模、構造 及び設備が同項の国土交通省令で定める基準に適合し、かつ、同項第一号に掲げる条件に該当する一団地の住宅の全部 又は一部をなすと認められるときは、これを同項に規定する特定賃貸住宅とみなして、同法の規定を適用する。

第三章 公営住宅の管理

1項

事業主体は、常に公営住宅 及び共同施設の状況に留意し、その管理を適正かつ合理的に行うように努めなければならない。

1項

公営住宅の毎月の家賃は、毎年度、入居者からの収入の申告に基づき、当該入居者の収入 及び当該公営住宅の立地条件、規模、建設時からの経過年数 その他の事項に応じ、かつ、近傍同種の住宅の家賃(次項の規定により定められたものをいう。以下同じ。)以下で、政令で定めるところにより、事業主体が定める。


ただし、入居者からの収入の申告がない場合において、第三十四条の規定による報告の請求を行つたにもかかわらず、公営住宅の入居者がその請求に応じないときは、当該公営住宅の家賃は、近傍同種の住宅の家賃とする。

2項

前項の近傍同種の住宅の家賃は、近傍同種の住宅(その敷地を含む。)の時価、修繕費、管理事務費等を勘案して政令で定めるところにより、毎年度、事業主体が定める。

3項

第一項に規定する入居者からの収入の申告の方法については、国土交通省令で定める。

4項

事業主体は、公営住宅の入居者(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第五条の二第一項に規定する認知症である者、知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)にいう知的障害者 その他の国土交通省令で定める者に該当する者に限る第二十八条第四項において同じ。)が第一項に規定する収入の申告をすること 及び第三十四条の規定による報告の請求に応じることが困難な事情にあると認めるときは、同項の規定にかかわらず、当該入居者の公営住宅の毎月の家賃を、毎年度、政令で定めるところにより、同条の規定による書類の閲覧の請求 その他の国土交通省令で定める方法により把握した当該入居者の収入 及び当該公営住宅の立地条件、規模、建設時からの経過年数 その他の事項に応じ、かつ、近傍同種の住宅の家賃以下で定めることができる。

5項

事業主体は、第一項 又は前項の規定にかかわらず、病気にかかつていること その他特別の事情がある場合において必要があると認めるときは、家賃を減免することができる。

6項

前各項に規定する家賃に関する事項は、条例で定めなければならない。

1項

国は、第七条第一項 若しくは第八条第三項の規定による国の補助を受けて建設 若しくは買取りをした公営住宅 又は都道府県計画に基づいて借上げをした公営住宅について、事業主体が前条第一項本文の規定に基づき家賃を定める場合においては、政令で定めるところにより、当該公営住宅の管理の開始の日から起算して五年以上二十年以内で政令で定める期間、毎年度、予算の範囲内において、当該公営住宅の近傍同種の住宅の家賃の額から入居者負担基準額を控除した額に二分の一を乗じて得た額を補助するものとする。

2項

国は、第八条第一項の規定による国の補助に係る公営住宅 又は同項各号の一に該当する場合において事業主体が災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に転貸するため借上げをした公営住宅について、事業主体が前条第一項本文の規定に基づき家賃を定める場合においては、政令で定めるところにより、当該公営住宅の管理の開始の日から起算して五年以上二十年以内で政令で定める期間、毎年度、予算の範囲内において、当該公営住宅の近傍同種の住宅の家賃の額から入居者負担基準額を控除した額に三分の二を乗じて得た額を補助するものとする。


ただし第八条第一項各号の一に該当する場合において事業主体が災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に転貸するため借上げをした公営住宅(第十条第一項の規定による国の補助に係るものを除く)にあつては、当該公営住宅の戸数が当該災害により滅失した住宅の戸数の三割に相当する戸数(第八条第一項 又は第十条第一項の規定による国の補助に係る公営住宅がある場合にあつては、これらの戸数を控除した戸数)を超える分については、この限りでない。

3項

激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律昭和三十七年法律第百五十号)第二十二条第一項の規定の適用を受け、若しくは特定帰還者に賃貸するため帰還・移住等環境整備交付金を充て、若しくは居住制限者に賃貸するため生活拠点形成交付金を充てて建設 若しくは買取りをした公営住宅 又は同項に規定する政令で定める地域にあつた住宅であつて激甚災害により滅失したものにその災害の当時居住していた低額所得者に転貸するため借上げをした公営住宅について、事業主体が前条第一項本文の規定に基づき家賃を定める場合においては、前項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該公営住宅の管理の開始の日から起算して五年以上二十年以内で政令で定める期間、毎年度、予算の範囲内において、当該公営住宅の近傍同種の住宅の家賃の額から入居者負担基準額を控除した額に三分の二最初の五年間は、四分の三)を乗じて得た額を補助するものとする。


ただし、同法第二十二条第一項に規定する政令で定める地域にあつた住宅であつて激甚災害により滅失したものにその災害の当時居住していた低額所得者に転貸するため借上げをした公営住宅にあつては、当該公営住宅の戸数が当該災害により滅失した住宅の戸数の五割に相当する戸数(同項の規定の適用を受けて建設 又は買取りをする公営住宅がある場合にあつては、その戸数を控除した戸数)を超える分については、この限りでない。

4項

地方公共団体が、東日本大震災(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震 及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。)により滅失した住宅に同日において居住していた低額所得者又は特定帰還者 若しくは居住制限者である低額所得者に転貸するため借上げをした公営住宅について、前条第一項本文の規定に基づき家賃を定める場合において、当該公営住宅の近傍同種の住宅の家賃の額から入居者負担基準額を控除した額の全部 又は一部に相当する額の帰還・移住等環境整備交付金 又は生活拠点形成交付金が交付されたときは、当該帰還・移住等環境整備交付金 又は生活拠点形成交付金を第二項の規定による国の補助とみなして、この法律の規定を適用する。

5項

前各項に規定する入居者負担基準額は、入居者の収入、公営住宅の立地条件 その他の事項を勘案して国土交通大臣が定める方法により、毎年度、事業主体が定める。

1項

事業主体は、公営住宅の入居者から三月分の家賃に相当する金額の範囲内において敷金を徴収することができる。

2項

事業主体は、病気にかかつていること その他特別の事情がある場合において必要があると認めるときは、敷金を減免することができる。

3項

事業主体は、第一項の規定により徴収した敷金の運用に係る利益金がある場合においては、当該利益金を共同施設の整備に要する費用に充てる等 公営住宅の入居者の共同の利便のために使用するように努めなければならない。

1項

事業主体は、病気にかかつていること その他特別の事情がある場合において必要があると認めるときは、条例で定めるところにより、家賃 又は敷金の徴収を猶予することができる。

1項

事業主体は、公営住宅の使用に関し、その入居者から家賃 及び敷金を除くほか、権利金 その他の金品を徴収し、又はその入居者に不当な義務を課することができない。

1項

事業主体は、公営住宅の家屋の壁、基礎、土台、柱、床、はり、屋根 及び階段 並びに給水施設、排水施設、電気施設 その他の国土交通省令で定める附帯施設について修繕する必要が生じたときは、遅滞なく修繕しなければならない。


ただし、入居者の責めに帰すべき事由によつて修繕する必要が生じたときは、この限りでない。

1項

事業主体は、災害、不良住宅の撤去、公営住宅の借上げに係る契約の終了、公営住宅建替事業による公営住宅の除却 その他政令で定める特別の事由がある場合において特定の者を公営住宅に入居させる場合を除くほか、公営住宅の入居者を公募しなければならない。

2項

前項の規定による入居者の公募は、新聞、掲示等区域内の住民が周知できるような方法で行わなければならない。

1項

公営住宅の入居者は、少なくとも次に掲げる条件を具備する者でなければならない。

一 号

その者の収入が 又はに掲げる場合に応じ、それぞれ 又はに定める金額を超えないこと。

入居者の心身の状況 又は世帯構成、区域内の住宅事情 その他の事情を勘案し、特に居住の安定を図る必要がある場合として条例で定める場合

入居の際の収入の上限として政令で定める金額以下で事業主体が条例で定める金額

に掲げる場合以外の場合

低額所得者の居住の安定を図るため必要なものとして政令で定める金額を参酌して、の政令で定める金額以下で事業主体が条例で定める金額

二 号

現に住宅に困窮していることが明らかであること。

1項

公営住宅の借上げに係る契約の終了 又は第四十四条第三項の規定による公営住宅の用途の廃止により当該公営住宅の明渡しをしようとする入居者が、当該明渡しに伴い他の公営住宅に入居の申込みをした場合においては、その者は、前条各号に掲げる条件を具備する者とみなす。

2項

第八条第一項 若しくは第三項 若しくは激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律第二十二条第一項の規定による国の補助に係る公営住宅 又は第八条第一項各号いずれかに該当する場合において事業主体が災害により滅失した住宅に居住していた低額所得者に転貸するため借り上げる公営住宅の入居者は、前条各号に掲げる条件を具備するほか、当該災害発生の日から三年間は、当該災害により住宅を失つた者でなければならない。

1項

事業主体の長は、入居の申込みをした者の数が入居させるべき公営住宅の戸数を超える場合においては、住宅に困窮する実情を調査して、政令で定める選考基準に従い、条例で定めるところにより、公正な方法で選考して、当該公営住宅の入居者を決定しなければならない。

2項

事業主体の長は、借上げに係る公営住宅の入居者を決定したときは、当該入居者に対し、当該公営住宅の借上げの期間の満了時に当該公営住宅を明け渡さなければならない旨を通知しなければならない。

1項

公営住宅の入居者は、当該公営住宅 又は共同施設について必要な注意を払い、これらを正常な状態において維持しなければならない。

2項

公営住宅の入居者は、当該公営住宅を他の者に貸し、又はその入居の権利を他の者に譲渡してはならない。

3項

公営住宅の入居者は、当該公営住宅の用途を変更してはならない。


ただし、事業主体の承認を得たときは、他の用途に併用することができる。

4項

公営住宅の入居者は、当該公営住宅を模様替し、又は増築してはならない。


ただし、事業主体の承認を得たときは、この限りでない。

5項

公営住宅の入居者は、当該公営住宅の入居の際に同居した親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 その他婚姻の予約者を含む。以外の者を同居させようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、事業主体の承認を得なければならない。

6項

公営住宅の入居者が死亡し、又は退去した場合において、その死亡時 又は退去時に当該入居者と同居していた者は、国土交通省令で定めるところにより、事業主体の承認を受けて、引き続き、当該公営住宅に居住することができる。

1項

公営住宅の入居者は、当該公営住宅に引き続き三年以上入居している場合において政令で定める基準を超える収入のあるときは、当該公営住宅を明け渡すように努めなければならない。

2項

公営住宅の入居者が前項の規定に該当する場合において当該公営住宅に引き続き入居しているときは、当該公営住宅の毎月の家賃は、第十六条第一項の規定にかかわらず、毎年度、入居者からの収入の申告に基づき、当該入居者の収入を勘案し、かつ、近傍同種の住宅の家賃以下で、政令で定めるところにより、事業主体が定める。

3項

第十六条第三項第五項び第六項 並びに第十九条の規定は、前項に規定する公営住宅の家賃について準用する。

4項

事業主体は、公営住宅の入居者が第二項の規定に該当する場合において同項に規定する収入の申告をすること 及び第三十四条の規定による報告の請求に応じることが困難な事情にあると認めるときは、第十六条第四項の規定 及び第二項の規定にかかわらず、当該入居者の公営住宅の毎月の家賃を、毎年度、政令で定めるところにより、同条第四項の国土交通省令で定める方法により把握した当該入居者の収入を勘案し、かつ、近傍同種の住宅の家賃以下で定めることができる。

5項

第十六条第五項 及び第六項 並びに第十九条の規定は、前項に規定する公営住宅の家賃について準用する。

1項

事業主体は、公営住宅の入居者が当該公営住宅に引き続き五年以上入居している場合において最近二年間引き続き政令で定める基準を超える高額の収入のあるときは、その者に対し、期限を定めて、当該公営住宅の明渡しを請求することができる。

2項

事業主体は、区域内の住宅事情 その他の事情を勘案し、低額所得者の居住の安定を図るため特に必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い、条例で、公営住宅の明渡しの請求に係る収入の基準を別に定めることができる。

3項

第一項の政令で定める基準 及び前項の条例で定める基準は、前条第一項の政令で定める基準を相当程度超えるものでなければならない。

4項

第一項の期限は、同項の規定による請求をする日の翌日から起算して六月を経過した日以後の日でなければならない。

5項

第一項の規定による請求を受けた者は、同項の期限が到来したときは、速やかに、当該公営住宅を明け渡さなければならない。

6項

公営住宅の入居者が第一項の規定に該当する場合において当該公営住宅に引き続き入居しているときは、当該公営住宅の毎月の家賃は、第十六条第一項 及び第四項 並びに前条第二項 及び第四項の規定にかかわらず、近傍同種の住宅の家賃とする。

7項

事業主体は、第一項の規定による請求を受けた者が同項の期限が到来しても公営住宅を明け渡さない場合には、同項の期限が到来した日の翌日から当該公営住宅の明渡しを行う日までの期間について、毎月、近傍同種の住宅の家賃の額の二倍に相当する額以下の金銭を徴収することができる。

8項

事業主体は、第一項の規定による請求を受けた者が病気にかかつていること その他条例で定める特別の事情がある場合において、その者から申出があつたときは、同項の期限を延長することができる。

9項

第十六条第五項 及び第六項 並びに第十九条の規定は、第六項に規定する家賃 又は第七項に規定する金銭について準用する。

1項

事業主体は、公営住宅の入居者が当該公営住宅に引き続き三年以上入居しており、かつ、第二十八条第一項の政令で定める基準を超える収入のある場合において、必要があると認めるときは、その者が他の適当な住宅に入居することができるようにあつせんする等 その者の入居している公営住宅の明渡しを容易にするように努めなければならない。


この場合において、当該公営住宅の入居者が公営住宅以外の公的資金による住宅への入居を希望したときは、その入居を容易にするように特別の配慮をしなければならない。

2項

前項の場合において、公共賃貸住宅(地方公共団体、独立行政法人都市再生機構 又は地方住宅供給公社が整備する賃貸住宅をいう。第三十六条において同じ。)の管理者は、事業主体が行う措置に協力しなければならない。

1項

事業主体が第二十四条第一項の規定による申込みをした者を他の公営住宅に入居させた場合における前三条の規定の適用については、その者が公営住宅の借上げに係る契約の終了 又は第四十四条第三項の規定による公営住宅の用途の廃止により明渡しをすべき公営住宅に入居していた期間は、その者が明渡し後に入居した当該他の公営住宅に入居している期間に通算する。

2項

事業主体が、第四十条第一項の規定により同項の規定による申出をした者を公営住宅建替事業により新たに整備された公営住宅に入居させた場合における前三条の規定の適用については、その者が当該公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅に入居していた期間は、その者が当該新たに整備された公営住宅に入居している期間に通算する。

1項

事業主体は、次の各号いずれかに該当する場合においては、入居者に対して、公営住宅の明渡しを請求することができる。

一 号

入居者が不正の行為によつて入居したとき。

二 号

入居者が家賃を三月以上滞納したとき。

三 号

入居者が公営住宅 又は共同施設を故意に毀損したとき。

四 号

入居者が第二十七条第一項から第五項までの規定に違反したとき。

五 号

入居者が第四十八条の規定に基づく条例に違反したとき。

六 号

公営住宅の借上げの期間が満了するとき。

2項

公営住宅の入居者は、前項の請求を受けたときは、速やかに当該公営住宅を明け渡さなければならない。

3項

事業主体は、第一項第一号の規定に該当することにより同項の請求を行つたときは、当該請求を受けた者に対して、入居した日から請求の日までの期間については、近傍同種の住宅の家賃の額とそれまでに支払を受けた家賃の額との差額に法定利率による支払期後の利息を付した額の金銭を、請求の日の翌日から当該公営住宅の明渡しを行う日までの期間については、毎月、近傍同種の住宅の家賃の額の二倍に相当する額以下の金銭を徴収することができる。

4項

前項の規定は、第一項第二号から第五号までの規定に該当することにより事業主体が当該入居者に損害賠償の請求をすることを妨げるものではない。

5項

事業主体が第一項第六号の規定に該当することにより同項の請求を行う場合には、当該請求を行う日の六月前までに、当該入居者にその旨の通知をしなければならない。

6項

事業主体は、公営住宅の借上げに係る契約が終了する場合には、当該公営住宅の賃貸人に代わつて、入居者に借地借家法平成三年法律第九十号第三十四条第一項の通知をすることができる。

1項

事業主体は、公営住宅 及び共同施設の管理に関する事務をつかさどり、公営住宅 及びその環境を良好な状態に維持するよう 入居者に必要な指導を与えるために公営住宅監理員を置くことができる。

2項

公営住宅監理員は、事業主体の長がその職員のうちから命ずる。

1項

事業主体の長は、第十六条第一項 若しくは第四項 若しくは第二十八条第二項 若しくは第四項の規定による家賃の決定、第十六条第五項第二十八条第三項 若しくは第五項 又は第二十九条第九項において準用する場合を含む。)の規定による家賃 若しくは金銭の減免、第十八条第二項の規定による敷金の減免、第十九条第二十八条第三項 若しくは第五項 又は第二十九条第九項において準用する場合を含む。)の規定による家賃、敷金 若しくは金銭の徴収の猶予、第二十九条第一項の規定による明渡しの請求、第三十条第一項の規定によるあつせん等 又は第四十条の規定による公営住宅への入居の措置に関し必要があると認めるときは、公営住宅の入居者の収入の状況について、当該入居者 若しくはその雇主、その取引先 その他の関係人に報告を求め、又は官公署に必要な書類を閲覧させ、若しくはその内容を記録させることを求めることができる。

第四章 公営住宅建替事業

1項

地方公共団体は、公営住宅の整備を促進し、又は公営住宅の居住環境を整備するため必要があるときは、公営住宅建替事業を施行するように努めなければならない。

1項

公営住宅建替事業は、次に掲げる要件に該当する場合に施行することができる。

一 号

公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅が市街地の区域 又は市街化が予想される区域内の政令で定める規模以上の一団の土地に集団的に存していること。

二 号

公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の大部分が第四十四条第一項の耐用年限の二分の一を経過していること又はその大部分につき公営住宅としての機能が災害 その他の理由により相当程度低下していること。

三 号

公営住宅建替事業により新たに整備すべき公営住宅の戸数が当該事業により除却すべき公営住宅の戸数以上であること。


ただし、当該土地の区域において道路、公園 その他の都市施設に関する都市計画が定められている場合、当該土地の区域において新たに社会福祉法昭和二十六年法律第四十五号第六十二条第一項に規定する社会福祉施設 又は公共賃貸住宅を整備する場合 その他特別の事情がある場合には、当該除却すべき公営住宅のうち次条第一項の承認の申請をする日において入居者の存する公営住宅の戸数を超えれば足りる。

四 号

公営住宅建替事業により新たに整備すべき公営住宅が耐火性能を有する構造の公営住宅であること。

1項

事業主体は、公営住宅建替事業を施行しようとするときは、あらかじめ、公営住宅建替事業に関する計画(以下「建替計画」という。)を作成し、当該公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅 又は共同施設の用途の廃止について国土交通大臣の承認を得なければならない。

2項

建替計画においては、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅 及び当該事業により新たに整備すべき公営住宅の戸数

二 号

公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅のうち前項の承認の申請をする日において入居者の存する公営住宅の戸数

三 号

公営住宅建替事業により公営住宅 又は公営住宅 及び共同施設の存していた土地に近接する土地に新たに公営住宅 又は公営住宅 及び共同施設を建設する場合にあつては、当該建設をする土地の区域

3項

前項各号に掲げるもののほか、建替計画においては、次に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。

一 号

公営住宅建替事業を施行する土地の面積

二 号

公営住宅建替事業により新たに整備すべき公営住宅の構造

4項

建替計画は、次に掲げる事項について適切な考慮が払われたものでなければならない。

一 号

土地が適正かつ合理的な利用形態となること。

二 号

公営住宅建替事業により公営住宅 又は公営住宅 及び共同施設の存していた土地に近接する土地に新たに公営住宅 又は公営住宅 及び共同施設を建設する場合にあつては、当該公営住宅 又は公営住宅 及び共同施設が入居者の生活環境に著しい変化を及ぼさない地域内において確保されること。

5項

第一項の規定により、市町村が国土交通大臣の承認を求めるときは、都道府県知事を経由してしなければならない。

6項

事業主体は、第一項の規定による国土交通大臣の承認を得たときは、国土交通省令で定めるところにより、当該用途廃止に係る公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の入居者(その承認があつた日における入居者に限る)に対して、その旨を通知しなければならない。

7項

前各項の規定は、建替計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く)について準用する。


この場合において、当該変更に係る前項の規定による通知は、当該変更により新たに除却すべき公営住宅となつたものの入居者 及び除却すべき公営住宅でなくなつたものの入居者にすれば足りる。

1項

事業主体は、公営住宅建替事業の施行に伴い、現に存する公営住宅を除却するため必要があると認めるときは、前条第六項同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による通知をした後、当該公営住宅の入居者に対し、期限を定めて、その明渡しを請求することができる。

2項

前項の期限は、同項の規定による請求をする日の翌日から起算して三月を経過した日以後の日でなければならない。

3項

第一項の規定による請求を受けた者は、同項の期限が到来したときは、速やかに、当該公営住宅を明け渡さなければならない。

1項

事業主体は、前条第一項の規定による請求に係る公営住宅の入居者に対して、必要な仮住居を提供しなければならない。

1項

事業主体は、公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の除却前の最終の入居者(当該事業に係る公営住宅の用途廃止について第三十七条第一項同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による国土交通大臣の承認があつた日における入居者で、当該事業の施行に伴い当該公営住宅の明渡しをするものに限る。以下同じ。)で、三十日を下らない範囲内で当該入居者ごとに事業主体の定める期間内に当該事業により新たに整備される公営住宅への入居を希望する旨を申し出たものを、当該公営住宅に入居させなければならない。


この場合においては、その者については、第二十三条 及び第二十四条第二項の規定は、適用しない

2項

事業主体は、前項の期間を定めたときは、当該入居者に対して、これを通知しなければならない。

3項

事業主体は、第一項の規定による申出をした者に対して、相当の猶予期間を置いてその者が公営住宅に入居することができる期間を定め、その期間内に当該公営住宅に入居すべき旨を通知しなければならない。

4項

事業主体は、正当な理由がないのに前項の規定による通知に係る入居することができる期間内に当該公営住宅に入居しなかつた者については、第一項の規定にかかわらず、当該公営住宅に入居させないことができる。

1項

事業主体は、公営住宅建替事業の施行に関し、説明会を開催する等の措置を講ずることにより、当該事業により除却すべき公営住宅の入居者の協力が得られるように努めなければならない。

1項

事業主体は、公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の除却前の最終の入居者が、当該事業の施行に伴い住居を移転した場合においては、その者に対して、国土交通省令で定めるところにより、通常必要な移転料を支払わなければならない。

1項

事業主体は、第四十条第一項の規定により公営住宅の入居者を新たに整備された公営住宅に入居させる場合において、新たに入居する公営住宅の家賃が従前の公営住宅の最終の家賃を超えることとなり、当該入居者の居住の安定を図るため必要があると認めるときは、第十六条第一項 若しくは第四項第二十八条第二項 若しくは第四項 又は第二十九条第六項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該入居者の家賃を減額するものとする。

2項

第十六条第六項の規定は、前項の規定による家賃の減額について準用する。

第五章 補則

1項

事業主体は、政令で定めるところにより、公営住宅 又は共同施設がその耐用年限の四分の一を経過した場合において特別の事由のあるときは、国土交通大臣の承認を得て、当該公営住宅 又は共同施設(これらの敷地を含む。)を入居者、入居者の組織する団体 又は営利を目的としない法人に譲渡することができる。

2項

前項の規定による譲渡の対価は、政令で定めるところにより、公営住宅の整備 若しくは共同施設の整備 又はこれらの修繕 若しくは改良に要する費用に充てなければならない。

3項

事業主体は、公営住宅 若しくは共同施設が災害 その他の特別の事由によりこれを引き続いて管理することが不適当であると認める場合において国土交通大臣の承認を得たとき、公営住宅 若しくは共同施設がその耐用年限を勘案して国土交通大臣の定める期間を経過した場合 又は第三十七条第一項同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による国土交通大臣の承認を得た場合においては、公営住宅 又は共同施設の用途を廃止することができる。

4項

事業主体は、前項の規定による公営住宅の用途の廃止による公営住宅の除却に伴い当該公営住宅の入居者を他の公営住宅に入居させる場合において、新たに入居する公営住宅の家賃が従前の公営住宅の最終の家賃を超えることとなり、当該入居者の居住の安定を図るため必要があると認めるときは、第十六条第一項 若しくは第四項第二十八条第二項 若しくは第四項又は第二十九条第六項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該入居者の家賃を減額するものとする。

5項

第十六条第六項の規定は、前項の規定による家賃の減額について準用する。

6項

第一項 又は第三項の規定により、市町村が国土交通大臣の承認を求めるときは、都道府県知事を経由してしなければならない。

1項

事業主体は、公営住宅を社会福祉法第二条第一項に規定する社会福祉事業 その他の社会福祉を目的とする事業のうち厚生労働省令・国土交通省令で定める事業を運営する同法第二十二条に規定する社会福祉法人 その他厚生労働省令・国土交通省令で定める者(以下この項において「社会福祉法人等」という。)に住宅として使用させることが必要であると認める場合において国土交通大臣の承認を得たときは、公営住宅の適正かつ合理的な管理に著しい支障のない範囲内で、当該公営住宅を社会福祉法人等に使用させることができる。

2項

事業主体は、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律平成五年法律第五十二号)第六条に規定する特定優良賃貸住宅 その他の同法第三条第四号イ 又はロに掲げる者の居住の用に供する賃貸住宅の不足 その他の特別の事由により公営住宅を同号イ 又はロに掲げる者に使用させることが必要であると認める場合において国土交通大臣の承認を得たときは、公営住宅の適正かつ合理的な管理に著しい支障のない範囲内で、当該公営住宅をこれらの者に使用させることができる。


この場合において、事業主体は、当該公営住宅を同法第十八条第二項の国土交通省令で定める基準に従つて管理しなければならない。

3項

前二項の規定により、市町村が国土交通大臣の承認を求めるときは、都道府県知事を経由してしなければならない。

4項

第一項 又は第二項の規定による公営住宅の使用に関する事項は、条例で定めなければならない。

1項

事業主体は、その管理に係る公営住宅 又は共同施設を引き続いて管理することが不適当と認められる事情がある場合においては、国土交通大臣の承認を得て、これを公営住宅 又は共同施設として他の地方公共団体に譲渡することができる。

2項

前項の規定により、市町村が国土交通大臣の承認を求めるときは、都道府県知事を経由してしなければならない。

1項

次の各号に掲げる地方公共団体 又は地方住宅供給公社は、当該各号に定める公営住宅 又は共同施設について、一団の住宅施設として適切かつ効率的な管理を図るため当該地方公共団体 又は地方住宅供給公社が管理する住宅 その他の施設と一体として管理する場合 その他当該公営住宅 又は共同施設を管理することが適当と認められる場合においては、当該公営住宅 又は共同施設を管理する事業主体の同意を得て、その事業主体に代わつて当該公営住宅 又は共同施設の第三章の規定による管理(家賃の決定 並びに家賃、敷金 その他の金銭の請求、徴収 及び減免に関することを除く。以下この条において同じ。)を行うことができる。

一 号

都道府県

当該都道府県の区域内において他の地方公共団体が管理する公営住宅 又は共同施設

二 号

市町村

当該市町村の区域内において他の地方公共団体が管理する公営住宅 又は共同施設

三 号

都道府県が設立した地方住宅供給公社

当該都道府県の区域内において都道府県 又は市町村が管理する公営住宅 又は共同施設

四 号

市町村が設立した地方住宅供給公社

当該市町村の区域内において市町村 又は都道府県が管理する公営住宅 又は共同施設

2項

前項の地方公共団体 又は地方住宅供給公社は、同項の規定により公営住宅 又は共同施設の管理を行おうとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

3項

第一項の地方公共団体 又は地方住宅供給公社は、同項の規定により公営住宅 又は共同施設の管理を行う場合においては、当該公営住宅 又は共同施設の事業主体に代わつてその権限のうち次に掲げるものを行うものとする。

一 号

第二十二条第一項の規定により特定の者を公営住宅に入居させ、又は入居者を公募すること。

二 号

第二十五条第一項の規定により実情を調査し 若しくは入居者を決定し、又は同条第二項の規定により入居者に通知すること。

三 号

第二十七条第三項から第六項までの規定による入居者 又は同居者に対する承認をすること。

四 号

第二十九条第一項の規定により入居者に対し明渡しを請求し、又は同条第八項の規定により期限を延長すること。

五 号

第三十条第一項の規定によるあつせん等をすること。

六 号

第三十二条第一項の規定により入居者に対し明渡しを請求し、又は同条第五項 若しくは第六項の規定により入居者に通知すること。

七 号

第三十三条第一項の規定により公営住宅監理員を置き、又は同条第二項の規定により公営住宅監理員を命ずること。

八 号

第三十四条の規定により第二十九条第一項の規定による明渡しの請求 又は第三十条第一項の規定によるあつせん等に関し入居者の収入の状況について報告を求め、又は書類を閲覧させ、若しくはその内容を記録させることを求めること。

4項

第一項の地方公共団体 又は地方住宅供給公社は、前項第一号特定の者の入居に係る部分に限る)、第二号入居者の決定に係る部分に限る)、第四号 又は第六号明渡しの請求に係る部分に限る)に掲げる権限を行つた場合には、遅滞なく、その旨を事業主体に通知しなければならない。

5項

第一項の規定により地方公共団体 又は地方住宅供給公社が行う公営住宅 又は共同施設の管理に要する費用の負担については、事業主体と当該地方公共団体 又は地方住宅供給公社とが協議して定めるものとする。

6項

第一項の規定により地方公共団体 又は地方住宅供給公社が公営住宅 又は共同施設の管理を行う場合における第三章の規定の適用については、

第十五条
事業主体」とあるのは
「事業主体 及び地方公共団体 又は地方住宅供給公社」と、

第二十五条第一項
事業主体の長」とあるのは
「地方公共団体の長 又は地方住宅供給公社の理事長」と

するほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

事業主体は、この法律で定めるもののほか、公営住宅 及び共同施設の管理について必要な事項を条例で定めなければならない。

1項

国土交通大臣 及び都道府県知事は、公営住宅の整備、共同施設の整備 並びにこれらの管理 及び災害に基づく補修に関し、事業主体に対して報告させ、又は当該職員を指定して、関係の物件 若しくは書類を実地検査させることができる。

2項

前項の実地検査において、現に居住の用に供している公営住宅に立ち入るときは、あらかじめ、当該公営住宅の入居者の承諾を得なければならない。

3項

第一項の規定により実地検査に当たる職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

4項

第一項の場合において、都道府県知事は、報告の徴収 又は実地検査の結果を国土交通大臣に報告しなければならない。

1項

国土交通大臣は、事業主体が公営住宅の整備、共同施設の整備 又はこれらの管理 若しくは災害に基づく補修について、この法律 又はこの法律に基づく命令に違反する事実があつたときは、当該事業主体に対して、国の補助金の全部 若しくは一部を交付せず、その交付を停止し、又は交付した国の補助金の全部 若しくは一部の返還を命ずることができる。

1項

国土交通大臣は、公営住宅(第八条第十条 並びに第十七条第二項 及び第三項の規定によるものを除く)について、次に掲げる事項に関する処分をする場合においては、あらかじめ、厚生労働大臣と協議しなければならない。

一 号

第十一条第二項の規定による国の補助金の交付の決定

二 号

第四十四条第一項の規定による譲渡の承認 又は同条第三項の規定による用途廃止の承認

三 号

第四十六条第一項の規定による譲渡の承認

1項

この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長 又は北海道開発局長に委任することができる。

1項

この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。

1項

第三十七条第五項同条第七項において準用する場合を含む。)、第四十四条第六項第四十五条第三項 及び第四十六条第二項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。