株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。
会社法
第一章 設立
第一節 総則
次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法
次節、第三節第三十九条 及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法
各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
第二節 定款の作成
株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。
この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名 又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
設立に際して出資される財産の価額 又はその最低額
発起人の氏名 又は名称 及び住所
株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第二十六条第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。
金銭以外の財産を出資する者の氏名 又は名称、当該財産 及びその価額 並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類 及び種類ごとの数。第三十二条第一項第一号において同じ。)
株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産 及びその価額 並びにその譲渡人の氏名 又は名称
株式会社の成立により発起人が受ける報酬 その他の特別の利益 及びその発起人の氏名 又は名称
株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料 その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)
第二十七条各号 及び前条各号に掲げる事項のほか、株式会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項 及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。
第二十六条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第三十三条第七項 若しくは第九項 又は第三十七条第一項 若しくは第二項の規定による場合を除き、これを変更することができない。
発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)は、定款を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店 及び支店)に備え置かなければならない。
発起人(株式会社の成立後にあっては、その株主 及び債権者)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めた費用を支払わなければならない。
定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
前号の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社)の定めたものにより提供することの請求 又はその事項を記載した書面の交付の請求
株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員(親会社の株主 その他の社員をいう。以下同じ。)がその権利を行使するため必要があるときは、当該親会社社員は、裁判所の許可を得て、当該株式会社の定款について前項各号に掲げる請求をすることができる。
ただし、同項第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該株式会社の定めた費用を支払わなければならない。
定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における第二項第三号 及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている株式会社についての第一項の規定の適用については、
同項中
「本店 及び支店」とあるのは、
「本店」と
する。
第三節 出資
発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
成立後の株式会社の資本金 及び資本準備金の額に関する事項
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、前項第一号の設立時発行株式が第百八条第三項前段の規定による定款の定めがあるものであるときは、発起人は、その全員の同意を得て、当該設立時発行株式の内容を定めなければならない。
発起人は、定款に第二十八条各号に掲げる事項についての記載 又は記録があるときは、第三十条第一項の公証人の認証の後 遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、成立後の株式会社が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、発起人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、第二十八条各号に掲げる事項(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。
発起人は、前項の決定により第二十八条各号に掲げる事項の全部 又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
前項に規定する場合には、発起人は、その全員の同意によって、第七項の決定の確定後一週間以内に限り、当該決定により変更された事項についての定めを廃止する定款の変更をすることができる。
前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
第二十八条第一号 及び第二号の財産(以下 この章において「現物出資財産等」という。)について定款に記載され、又は記録された価額の総額が五百万円を超えない場合
同条第一号 及び第二号に掲げる事項
現物出資財産等のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合
当該有価証券についての第二十八条第一号 又は第二号に掲げる事項
現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)、監査法人、税理士 又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合にあっては、当該証明 及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下 この号において同じ。)を受けた場合
第二十八条第一号 又は第二号に掲げる事項(当該証明を受けた現物出資財産等に係るものに限る。)
次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。
第二十八条第二号の財産の譲渡人
設立時取締役(第三十八条第一項に規定する設立時取締役をいう。)又は設立時監査役(同条第三項第二号に規定する設立時監査役をいう。)
業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
弁護士法人、監査法人 又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号から第三号までに掲げる者のいずれかに該当するもの
発起人は、設立時発行株式の引受け後 遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。
ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録 その他権利の設定 又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。
前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。第七百三条第一号において同じ。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。以下同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。
前条第一項の規定による払込み 又は給付(以下 この章において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、当該出資の履行をしていない発起人に対して、期日を定め、その期日までに当該出資の履行をしなければならない旨を通知しなければならない。
前項の規定による通知は、同項に規定する期日の二週間前までにしなければならない。
第一項の規定による通知を受けた発起人は、同項に規定する期日までに出資の履行をしないときは、当該出資の履行をすることにより設立時発行株式の株主となる権利を失う。
発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。
設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の四分の一を下ることができない。
ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。
第四節 設立時役員等の選任及び解任
発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。
設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。
設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合
設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。)
設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合
設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。)
設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合
設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。)
定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役 又はそれ以外の設立時取締役。以下 この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役 又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役 又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。
設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合には、設立時取締役は、三人以上でなければならない。
設立しようとする株式会社が監査役会設置会社である場合には、設立時監査役は、三人以上でなければならない。
設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、設立時監査等委員である設立時取締役は、三人以上でなければならない。
第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項 若しくは第三項 又は第三百三十七条第一項 若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役 又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役 又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役 又は設立時会計監査人(以下 この節において「設立時役員等」という。)となることができない。
第三百三十一条の二の規定は、設立時取締役 及び設立時監査役について準用する。
設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。
前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。
ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部 又は一部の選任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の選任についての議決権を行使することができない。
設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、
同項中
「、取締役」とあるのは
「、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役」と、
「当該取締役」とあるのは
「これらの取締役」と
する。
第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役 及び設立時会計監査人の選任について準用する。
前条第一項の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役 又はそれ以外の設立時取締役)の選任は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもって決定する。
前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。
ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
前二項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。
発起人は、株式会社の成立の時までの間、その選任した設立時役員等(第三十八条第四項の規定により設立時役員等に選任されたものとみなされたものを含む。)を解任することができる。
設立時役員等の解任は、発起人の議決権の過半数(設立時監査等委員である設立時取締役 又は設立時監査役を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。
前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。
ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
前項の規定にかかわらず、設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、取締役の全部 又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。
設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、
同項中
「、取締役」とあるのは
「、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役」と、
「当該取締役」とあるのは
「これらの取締役」と
する。
第三項の規定は、設立時会計参与、設立時監査役 及び設立時会計監査人の解任について準用する。
前条第一項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役(設立時監査等委員である設立時取締役を除く。次項 及び第四項において同じ。)の解任は、その選任に係る発起人の議決権の過半数をもって決定する。
前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会(第八十四条に規定する種類創立総会をいう。)若しくは種類株主総会において選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。第四項において同じ。)を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第四十一条第一項の規定により選任された設立時取締役の解任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。
前二項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。
ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
前項の規定にかかわらず、第二項の規定により設立時取締役を解任する場合において、取締役の全部 又は一部の解任について議決権を行使することができないものと定められた種類の設立時発行株式を発行するときは、当該種類の設立時発行株式については、発起人は、当該取締役となる設立時取締役の解任についての議決権を行使することができない。
前各項の規定は、第四十一条第一項の規定により選任された設立時監査等委員である設立時取締役 及び同条第三項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役の解任について準用する。
この場合において、
第一項 及び第二項中
「過半数」とあるのは、
「三分の二以上に当たる多数」と
読み替えるものとする。
株式会社の設立に際して第百八条第一項第八号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行する場合において、当該種類の株式の内容として次の各号に掲げる事項について種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定款の定めがあるときは、当該各号に定める事項は、定款の定めに従い、第四十条第一項 又は第四十三条第一項の規定による決定のほか、当該種類の設立時発行株式を引き受けた発起人の議決権(当該種類の設立時発行株式についての議決権に限る。)の過半数をもってする決定がなければ、その効力を生じない。
取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の全部 又は一部の選任 又は解任
当該取締役となる設立時取締役の選任 又は解任
監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役の全部 又は一部の選任 又は解任
これらの取締役となる設立時取締役の選任 又は解任
会計参与の全部 又は一部の選任 又は解任
当該会計参与となる設立時会計参与の選任 又は解任
監査役の全部 又は一部の選任 又は解任
当該監査役となる設立時監査役の選任 又は解任
会計監査人の全部 又は一部の選任 又は解任
当該会計監査人となる設立時会計監査人の選任 又は解任
前項の場合には、発起人は、出資の履行をした種類の設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。
ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の種類の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
第五節 設立時取締役等による調査
設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役 及び設立時監査役。以下 この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
第三十三条第十項第一号 又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。
前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令 又は定款に違反していないこと。
設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令 若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨 及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
第六節 設立時代表取締役等の選定等
設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)を選定しなければならない。
設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。
前二項の規定による設立時代表取締役の選定 及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、次に掲げる措置をとらなければならない。
設立時取締役の中から次に掲げる者(次項において「設立時委員」という。)を選定すること。
株式会社の設立に際して指名委員会の委員となる者
株式会社の設立に際して監査委員会の委員となる者
株式会社の設立に際して報酬委員会の委員となる者
株式会社の設立に際して執行役となる者(以下「設立時執行役」という。)を選任すること。
設立時執行役の中から株式会社の設立に際して代表執行役となる者(以下「設立時代表執行役」という。)を選定すること。
ただし、設立時執行役が一人であるときは、その者が設立時代表執行役に選定されたものとする。
設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時委員 若しくは設立時代表執行役を解職し、又は設立時執行役を解任することができる。
前二項の規定による措置は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
第七節 株式会社の成立
株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。
前項の規定により株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
民法(明治二十九年法律第八十九号)第九十三条第一項ただし書 及び第九十四条第一項の規定は、設立時発行株式の引受けに係る意思表示については、適用しない。
発起人は、株式会社の成立後は、錯誤、詐欺 又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
第八節 発起人等の責任等
株式会社の成立の時における現物出資財産等の価額が当該現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額(定款の変更があった場合にあっては、変更後の価額)に著しく不足するときは、発起人 及び設立時取締役は、当該株式会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負う。
前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、発起人(第二十八条第一号の財産を給付した者 又は同条第二号の財産の譲渡人を除く。第二号において同じ。)及び設立時取締役は、現物出資財産等について同項の義務を負わない。
第二十八条第一号 又は第二号に掲げる事項について第三十三条第二項の検査役の調査を経た場合
当該発起人 又は設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合
第一項に規定する場合には、第三十三条第十項第三号に規定する証明をした者(以下 この項において「証明者」という。)は、第一項の義務を負う者と連帯して、同項の不足額を支払う義務を負う。
ただし、当該証明者が当該証明をするについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
発起人は、次の各号に掲げる場合には、株式会社に対し、当該各号に定める行為をする義務を負う。
第三十四条第一項の規定による払込みを仮装した場合
払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払
第三十四条第一項の規定による給付を仮装した場合
給付を仮装した出資に係る金銭以外の財産の全部の給付(株式会社が当該給付に代えて当該財産の価額に相当する金銭の支払を請求した場合にあっては、当該金銭の全額の支払)
前項各号に掲げる場合には、発起人がその出資の履行を仮装することに関与した発起人 又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、当該各号に規定する支払をする義務を負う。
ただし、その者(当該出資の履行を仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
発起人が第一項各号に規定する支払をする義務を負う場合において、前項に規定する者が同項の義務を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
発起人は、第一項各号に掲げる場合には、当該各号に定める支払 若しくは給付 又は第二項の規定による支払がされた後でなければ、出資の履行を仮装した設立時発行株式について、設立時株主(第六十五条第一項に規定する設立時株主をいう。次項において同じ。)及び株主の権利を行使することができない。
前項の設立時発行株式 又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主 及び株主の権利を行使することができる。
ただし、その者に悪意 又は重大な過失があるときは、この限りでない。
発起人、設立時取締役 又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
発起人、設立時取締役 又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意 又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役 又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
発起人、設立時取締役 又は設立時監査役が株式会社 又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の発起人、設立時取締役 又は設立時監査役も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
第五十二条第一項の規定により発起人 又は設立時取締役の負う義務、第五十二条の二第一項の規定により発起人の負う義務、同条第二項の規定により発起人 又は設立時取締役の負う義務 及び第五十三条第一項の規定により発起人、設立時取締役 又は設立時監査役の負う責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。
第九節 募集による設立
⤏ 第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集
発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。
発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下 この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類 及び種類ごとの数。以下 この款において同じ。)
設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下 この款において同じ。)
設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日 又はその期間
一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨 及び その一定の日
発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
設立時募集株式の払込金額 その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類 及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。
発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
定款の認証の年月日 及びその認証をした公証人の氏名
第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号 及び前条第一項各号に掲げる事項
第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所
前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。
第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。
前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨 及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下 この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
発起人が申込者に対してする通知 又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知 又は催告を受ける場所 又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所 又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知 又は催告は、その通知 又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。
この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。
発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。
前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。
申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数
前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数
設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日 又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。
第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項 及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること 又は第三十四条第一項 若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。
⤏ 第二款 創立総会等
第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日 又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項 又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。
創立総会は、この節に規定する事項 及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結 その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。
発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。
創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。
次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
前条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めた場合
設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合
発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。
この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
発起人が設立時株主に対してする通知 又は催告は、第二十七条第五号 又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知 又は催告を受ける場所 又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所 又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知 又は催告は、その通知 又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。
この場合において、
前項中
「到達したもの」とあるのは、
「当該書面の交付 又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と
読み替えるものとする。
前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
ただし、第六十七条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下 この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下 この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類 及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。
発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。
発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。
発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。
設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有すること その他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。
ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。
前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。
創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。
前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。
創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。
ただし、定款の変更 又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。
設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。
この場合においては、当該設立時株主 又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。
前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。
第一項の設立時株主 又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該設立時株主 又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。
発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項 及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面 及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項 及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。
設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項 及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項 及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。
前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。
発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧 又は謄写の請求をすることができる。
電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。
設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。
発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求をすることができる。
設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。
この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨 及びその理由を通知しなければならない。
発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。
発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。
ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合 その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。
創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。
創立総会の議長は、その命令に従わない者 その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。
創立総会においてその延期 又は続行について決議があった場合には、第六十七条 及び第六十八条の規定は、適用しない。
創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間、前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。
設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主 及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。
発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面 又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。
発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面 又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
前項の書面の閲覧 又は謄写の請求
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面 又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。
発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面 又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下 この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。
ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。
前条、第九十条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項 又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。
種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。
前項の規定にかかわらず、第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
第六十七条から第七十一条まで、第七十二条第一項 及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。
この場合において、
第六十七条第一項第三号 及び第四号 並びに第二項、第六十八条第一項 及び第三項、第六十九条から第七十一条まで、第七十二条第一項、第七十四条第一項、第三項 及び第四項、第七十五条第二項、第七十六条第二項 及び第三項、第七十七条、第七十八条本文 並びに第八十二条第一項中
「設立時株主」とあるのは、
「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と
読み替えるものとする。
⤏ 第三款 設立に関する事項の報告
発起人は、株式会社の設立に関する事項を創立総会に報告しなければならない。
発起人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録を創立総会に提出し、又は提供しなければならない。
定款に第二十八条各号に掲げる事項(第三十三条第十項各号に掲げる場合における当該各号に定める事項を除く。)の定めがある場合
第三十三条第二項の検査役の同条第四項の報告の内容
第三十三条第十項第三号に掲げる場合
同号に規定する証明の内容
⤏ 第四款 設立時取締役等の選任及び解任
第五十七条第一項の募集をする場合には、設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役 又は設立時会計監査人の選任は、創立総会の決議によって行わなければならない。
設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員である設立時取締役と それ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
創立総会の目的である事項が二人以上の設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役 又はそれ以外の設立時取締役。以下 この条において同じ。)の選任である場合には、設立時株主(設立時取締役の選任について議決権を行使することができる設立時株主に限る。以下 この条において同じ。)は、定款に別段の定めがあるときを除き、発起人に対し、第三項から第五項までに規定するところにより設立時取締役を選任すべきことを請求することができる。
前項の規定による請求は、同項の創立総会の日の五日前までにしなければならない。
第七十二条第一項の規定にかかわらず、第一項の規定による請求があった場合には、設立時取締役の選任の決議については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式一株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の設立時発行株式)につき、当該創立総会において選任する設立時取締役の数と同数の議決権を有する。
この場合においては、設立時株主は、一人のみに投票し、又は二人以上に投票して、その議決権を行使することができる。
前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次設立時取締役に選任されたものとする。
前二項に定めるもののほか、第一項の規定による請求があった場合における設立時取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。
第八十八条の規定にかかわらず、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役 又はそれ以外の設立時取締役)は、同条第二項第九号に定める事項についての定款の定めの例に従い、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって選任しなければならない。
前項の規定は、株式会社の設立に際して第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行する場合について準用する。
第八十八条の規定により選任された設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役 又は設立時会計監査人は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。
第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、その選任に係る種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会の決議によって解任することができる。
前項の規定にかかわらず、第四十一条第一項の規定により又は種類創立総会 若しくは種類株主総会において選任された取締役を株主総会の決議によって解任することができる旨の定款の定めがある場合には、第九十条第一項の規定により選任された設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、創立総会の決議によって解任することができる。
設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合における前項の規定の適用については、
同項中
「取締役を」とあるのは
「監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役を」と、
「設立時取締役」とあるのは
「設立時監査等委員である設立時取締役 又はそれ以外の設立時取締役」と
する。
第一項 及び第二項の規定は、第九十条第二項において準用する同条第一項の規定により選任された設立時監査役について準用する。
⤏ 第五款 設立時取締役等による調査
設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役 及び設立時監査役。以下 この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
第三十三条第十項第一号 又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。
発起人による出資の履行 及び第六十三条第一項の規定による払込みが完了していること。
前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令 又は定款に違反していないこと。
設立時取締役は、前項の規定による調査の結果を創立総会に報告しなければならない。
設立時取締役は、創立総会において、設立時株主から第一項の規定による調査に関する事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。
設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役 及び設立時監査役)の全部 又は一部が発起人である場合には、創立総会においては、その決議によって、前条第一項各号に掲げる事項を調査する者を選任することができる。
前項の規定により選任された者は、必要な調査を行い、当該調査の結果を創立総会に報告しなければならない。
⤏ 第六款 定款の変更
第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日 又は同号の期間の初日のうち最も早い日以後は、第三十三条第九項 並びに第三十七条第一項 及び第二項の規定にかかわらず、定款の変更をすることができない。
第三十条第二項の規定にかかわらず、創立総会においては、その決議によって、定款の変更をすることができる。
創立総会において、第二十八条各号に掲げる事項を変更する定款の変更の決議をした場合には、当該創立総会においてその変更に反対した設立時株主は、当該決議後二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
第五十七条第一項の募集をする場合において、発行可能株式総数を定款で定めていないときは、株式会社の成立の時までに、創立総会の決議によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
設立しようとする会社が種類株式発行会社である場合において、次の各号に掲げるときは、当該各号の種類の設立時発行株式の設立時種類株主 全員の同意を得なければならない。
ある種類の株式の内容として第百八条第一項第六号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするとき。
ある種類の株式について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めを設けようとするとき。
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、定款を変更してある種類の株式の内容として第百八条第一項第四号 又は第七号に掲げる事項についての定款の定めを設けるときは、当該定款の変更は、次に掲げる設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。
ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。
当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主
第百八条第二項第五号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得請求権付株式の設立時種類株主
第百八条第二項第六号ロの他の株式を当該種類の株式とする定めがある取得条項付株式の設立時種類株主
前項に規定する種類創立総会において当該定款の変更に反対した設立時種類株主は、当該種類創立総会の決議後 二週間以内に限り、その設立時発行株式の引受けに係る意思表示を取り消すことができる。
設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、次に掲げる事項についての定款の変更をすることにより、ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該定款の変更は、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会(当該設立時種類株主に係る設立時発行株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の設立時発行株式の種類別に区分された設立時種類株主を構成員とする各種類創立総会)の決議がなければ、その効力を生じない。
ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。
発行可能株式総数 又は発行可能種類株式総数(株式会社が発行することができる一の種類の株式の総数をいう。以下同じ。)の増加
前項の規定は、単元株式数についての定款の変更であって、当該定款の変更について第三百二十二条第二項の規定による定款の定めがある場合における当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主を構成員とする種類創立総会については、適用しない。
⤏ 第七款 設立手続等の特則等
設立時募集株式の引受人は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第三十一条第二項各号に掲げる請求をすることができる。
ただし、同項第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、発起人の定めた費用を支払わなければならない。
設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。
設立時募集株式の引受人は、第六十三条第一項の規定による払込みを仮装した場合には、次条第一項 又は第百三条第二項の規定による支払がされた後でなければ、払込みを仮装した設立時発行株式について、設立時株主 及び株主の権利を行使することができない。
前項の設立時発行株式 又はその株主となる権利を譲り受けた者は、当該設立時発行株式についての設立時株主 及び株主の権利を行使することができる。
ただし、その者に悪意 又は重大な過失があるときは、この限りでない。
民法第九十三条第一項ただし書 及び第九十四条第一項の規定は、設立時募集株式の引受けの申込み 及び割当て並びに第六十一条の契約に係る意思表示については、適用しない。
設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後 又は創立総会 若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺 又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。
設立時募集株式の引受人は、前条第三項に規定する場合には、株式会社に対し、払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務を負う。
前項の規定により設立時募集株式の引受人の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
第五十七条第一項の募集をした場合における第五十二条第二項の規定の適用については、
同項中
「次に」とあるのは、
「第一号に」と
する。
第百二条第三項に規定する場合には、払込みを仮装することに関与した発起人 又は設立時取締役として法務省令で定める者は、株式会社に対し、前条第一項の引受人と連帯して、同項に規定する支払をする義務を負う。
ただし、その者(当該払込みを仮装したものを除く。)がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は、この限りでない。
前項の規定により発起人 又は設立時取締役の負う義務は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
第五十七条第一項の募集をした場合において、当該募集の広告 その他当該募集に関する書面 又は電磁的記録に自己の氏名 又は名称 及び株式会社の設立を賛助する旨を記載し、又は記録することを承諾した者(発起人を除く。)は、発起人とみなして、前節 及び前三項の規定を適用する。