文化財保護法

# 昭和二十五年法律第二百十四号 #

第十二章 補則

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 07月08日 10時02分


第一節 聴聞、意見の聴取及び審査請求

1項

文化庁長官(第百八十四条第一項の規定により文化庁長官の権限に属する事務を都道府県 又は市の教育委員会が行う場合には、当該都道府県 又は市の教育委員会)は、次に掲げる処分を行おうとするときは、行政手続法平成五年法律第八十八号第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

一 号

第四十五条第一項 又は第百二十八条第一項の規定による制限、禁止 又は命令で特定の者に対して行われるもの

二 号

第五十一条第五項第五十一条の二第八十五条において準用する場合を含む。)、第八十四条第二項 及び第八十五条において準用する場合を含む。)の規定による公開の中止命令

三 号

第九十二条第二項の規定による発掘の禁止 又は中止命令

四 号

第九十六条第二項の規定による同項の調査のための停止命令 若しくは禁止命令又は同条第五項の規定によるこれらの命令の期間の延長

五 号

第百二十五条第七項第百二十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定による原状回復の命令

2項

文化庁長官(第百八十四条第一項 又は第百八十四条の二第一項の規定により文化庁長官の権限に属する事務を都道府県 又は市町村の教育委員会が行う場合には、当該都道府県 又は市町村の教育委員会。次条において同じ。)は、前項の聴聞 又は第四十三条第四項第百二十五条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第五十三条第四項の規定による許可の取消しに係る聴聞をしようとするときは、当該聴聞の期日の十日前までに、行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、当該処分の内容 並びに当該聴聞の期日 及び場所を公示しなければならない。

3項

前項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

1項

文化庁長官は、次に掲げる措置を行おうとするときは、関係者 又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。

一 号

第三十八条第一項又は第百二十三条第一項の規定による修理 若しくは復旧 又は措置の施行

二 号

第五十五条第一項 又は第百三十一条第一項の規定による立入調査 又は調査のため必要な措置の施行

三 号

第九十八条第一項の規定による発掘の施行

2項

文化庁長官は、前項の意見の聴取を行おうとするときは、その期日の十日前までに、同項各号に掲げる措置を行おうとする理由、その措置の内容 並びに当該意見の聴取の期日 及び場所を当該関係者に通告し、かつ、その措置の内容 並びに当該意見の聴取の期日 及び場所を公示しなければならない。

3項

第一項の意見の聴取においては、当該関係者 又はその代理人は、自己 又は本人のために意見を述べ、又は釈明し、かつ、証拠を提出することができる。

4項

当該関係者 又はその代理人が正当な理由がなくて第一項の意見の聴取に応じなかつたときは、文化庁長官は、当該意見の聴取を行わないで同項各号に掲げる措置をすることができる。

1項

第一号に掲げる処分 若しくはその不作為 又は第二号に掲げる処分についての審査請求に対する裁決は、行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、当該審査請求がされた日(同法第二十三条の規定により不備を補正すべきことを命じた場合にあつては、当該不備が補正された日)から三十日以内に、審査請求人 及び参加人(同法第十三条第四項に規定する参加人をいう。以下同じ。) 又はこれらの者の代理人の出頭を求めて、審理員(同法第十一条第二項に規定する審理員をいい、審査庁(同法第九条第一項に規定する審査庁をいう。以下この条において同じ。)が都道府県 又は市町村の教育委員会である場合にあつては、審査庁とする。次項 及び次条において同じ。)が公開による意見の聴取をした後でなければ、してはならない。

一 号

第四十三条第一項 又は第百二十五条第一項の規定による現状変更又は保存に影響を及ぼす行為の許可 又は不許可

二 号

第百十三条第一項第百三十三条において準用する場合を含む。)の規定による地方公共団体 その他の法人の指定

2項

審理員は、前項の意見の聴取の期日 及び場所をその期日の十日前までに全ての審理関係人(行政不服審査法第二十八条に規定する審理関係人をいい、審査庁が都道府県 又は市町村の教育委員会である場合にあつては、審査請求人 及び参加人とする。)に通告し、かつ、事案の要旨 並びに当該意見の聴取の期日 及び場所を公示しなければならない。

3項

第一項に規定する審査請求については、行政不服審査法第三十一条の規定は適用せず、同項の意見の聴取については、同条第二項から第五項まで同法第九条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定を準用する。

1項

審査請求人、参加人 及び代理人のほか、当該処分について利害関係を有する者で前条第一項の意見の聴取に参加して意見を述べようとするものは、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、審理員にその旨を申し出て、その許可を受けなければならない。

1項

第百五十六条第一項の意見の聴取においては、審査請求人、参加人 及び前条の規定により意見の聴取に参加した者 又はこれらの者の代理人に対して、当該事案について、証拠を提示し、かつ、意見を述べる機会を与えなければならない。

1項

鉱業 又は採石業との調整に関する事案に係る審査請求に対する裁決(却下の裁決を除く)は、あらかじめ公害等調整委員会に協議した後にしなければならない。

2項

関係各行政機関の長は、審査請求に係る事案について意見を述べることができる。

1項

第百五十六条から前条まで 及び行政不服審査法に定めるもののほか、審査請求に関する手続は、文部科学省令で定める。

第二節 国に関する特例

1項

国 又は国の機関に対し この法律の規定を適用する場合において、この節に特別の規定のあるときは、その規定による。

1項

重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡名勝天然記念物 又は重要文化的景観が国有財産法に規定する国有財産であるときは、そのものは、文部科学大臣が管理する。


ただし、そのものが文部科学大臣以外の者が管理している同法第三条第二項に規定する行政財産であるとき その他文部科学大臣以外の者が管理すべき特別の必要のあるものであるときは、そのものを関係各省各庁の長が管理するか、又は文部科学大臣が管理するかは、文部科学大臣、関係各省各庁の長 及び財務大臣が協議して定める。

1項

前条の規定により重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡名勝天然記念物 又は重要文化的景観を文部科学大臣が管理するため、所属を異にする会計の間において所管換え 又は所属替えをするときは、国有財産法第十五条の規定にかかわらず、無償として整理することができる。

1項

国の所有に属する有形文化財 又は有形の民俗文化財を国宝 若しくは重要文化財 又は重要有形民俗文化財に指定したときは、第二十八条第一項 又は第三項第七十八条第二項で準用する場合を含む。)の規定により所有者に対し行うべき通知 又は指定書の交付は、当該有形文化財 又は有形の民俗文化財を管理する各省各庁の長に対し行うものとする。


この場合においては、国宝の指定書を受けた各省各庁の長は、直ちに国宝に指定された重要文化財の指定書を文部科学大臣に返付しなければならない。

2項

国の所有に属する国宝 若しくは重要文化財 又は重要有形民俗文化財の指定を解除したときは、第二十九条第二項第七十九条第二項で準用する場合を含む。)又は第五項の規定により所有者に対し行うべき通知 又は指定書の交付は、当該国宝 若しくは重要文化財 又は重要有形民俗文化財を管理する各省各庁の長に対し行うものとする。


この場合においては、当該各省各庁の長は、直ちに指定書を文部科学大臣に返付しなければならない。

3項

国の所有 又は占有に属するものを特別史跡名勝天然記念物 若しくは史跡名勝天然記念物に指定し、若しくは仮指定し、又はその指定 若しくは仮指定を解除したときは、第百九条第三項第百十条第三項 及び第百十二条第四項で準用する場合を含む。)の規定により所有者 又は占有者に対し行うべき通知は、その指定 若しくは仮指定 又は指定 若しくは仮指定の解除に係るものを管理する各省各庁の長に対し行うものとする。

4項

国の所有 又は占有に属するものを重要文化的景観に選定し、又はその選定を解除したときは、第百三十四条第二項第百三十五条第二項で準用する場合を含む。)で準用する第百九条第三項の規定により所有者 又は占有者に対し行うべき通知は、当該重要文化的景観を管理する各省各庁の長に対し行うものとする。

1項

重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡名勝天然記念物 又は重要文化的景観を管理する各省各庁の長は、この法律 並びにこれに基づいて発する文部科学省令 及び文化庁長官の勧告に従い、重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡名勝天然記念物 又は重要文化的景観を管理しなければならない。

1項

次に掲げる場合には、関係各省各庁の長は、文部科学大臣を通じ文化庁長官に通知しなければならない。

一 号

重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物を取得したとき。

二 号

重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物の所管換えを受け、又は所属替えをしたとき。

三 号

所管に属する重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡名勝天然記念物 又は重要文化的景観の全部 又は一部が滅失し、き損し、若しくは衰亡し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき。

四 号

所管に属する重要文化財 又は重要有形民俗文化財の所在の場所を変更しようとするとき。

五 号

所管に属する重要文化財 又は史跡名勝天然記念物を修理し、又は復旧しようとするとき(次条第一項第一号の規定により文化庁長官の同意を求めなければならない場合 その他文部科学省令の定める場合を除く)。

六 号

所管に属する重要有形民俗文化財 又は重要文化的景観の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするとき。

七 号

所管に属する史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目 又は地積に異動があつたとき。

2項

前項第一号 及び第二号の場合に係る通知には、第三十二条第一項第八十条 及び第百二十条で準用する場合を含む。)の規定を、前項第三号の場合に係る通知には、第三十三条第八十条 及び第百二十条で準用する場合を含む。)及び第百三十六条の規定を、前項第四号の場合に係る通知には、第三十四条第八十条で準用する場合を含む。)の規定を、前項第五号の場合に係る通知には、第四十三条の二第一項 及び第百二十七条第一項の規定を、前項第六号の場合に係る通知には、第八十一条第一項 及び第百三十九条第一項の規定を、前項第七号の場合に係る通知には、第百十五条第二項の規定を準用する。

3項

文化庁長官は、第一項第五号 又は第六号の通知に係る事項に関し必要な勧告をすることができる。

1項

次に掲げる場合には、関係各省各庁の長は、あらかじめ、文部科学大臣を通じ文化庁長官の同意を求めなければならない。

一 号

重要文化財 又は史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするとき。

二 号

所管に属する重要文化財 又は重要有形民俗文化財を輸出しようとするとき。

三 号

所管に属する重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物の貸付、交換、売払、譲与 その他の処分をしようとするとき。

2項

各省各庁の長以外の国の機関が、重要文化財 又は史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめ、文化庁長官の同意を求めなければならない。

3項

第一項第一号 及び前項の場合には、第四十三条第一項ただし書 及び同条第二項並びに第百二十五条第一項ただし書 及び同条第二項の規定を準用する。

4項

文化庁長官は、第一項第一号 又は第二項に規定する措置につき同意を与える場合においては、その条件としてその措置に関し 必要な勧告をすることができる。

5項

関係各省各庁の長 その他の国の機関は、前項の規定による文化庁長官の勧告を十分に尊重しなければならない。

1項

文化庁長官は、必要があると認めるときは、文部科学大臣を通じ各省各庁の長に対し、次に掲げる事項につき必要な勧告をすることができる。

一 号

所管に属する重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物の管理方法

二 号

所管に属する重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡名勝天然記念物 又は重要文化的景観の修理 若しくは復旧 又は滅失、き損、衰亡 若しくは盗難の防止の措置

三 号

重要文化財 又は史跡名勝天然記念物の環境保全のため必要な施設

四 号

所管に属する重要文化財又は重要有形民俗文化財の出品 又は公開

2項

前項の勧告については、前条第五項の規定を準用する。

3項

第一項の規定による文化庁長官の勧告に基づいて施行する同項第二号に規定する修理、復旧 若しくは措置 又は同項第三号に規定する施設に要する経費の分担については、文部科学大臣と各省各庁の長が協議して定める。

1項

文化庁長官は、次の各号いずれかに該当する場合においては、国の所有に属する国宝 又は特別史跡名勝天然記念物につき、自ら修理 若しくは復旧を行い、又は滅失、き損、衰亡 若しくは盗難の防止の措置をすることができる。


この場合においては、文化庁長官は、当該文化財が文部科学大臣以外の各省各庁の長の所管に属するものであるときは、あらかじめ、修理 若しくは復旧 又は措置の内容、着手の時期 その他必要な事項につき、文部科学大臣を通じ当該文化財を管理する各省各庁の長と協議し、当該文化財が文部科学大臣の所管に属するものであるときは、文部科学大臣の定める場合を除いて、その承認を受けなければならない。

一 号

関係各省各庁の長が前条第一項第二号に規定する修理 若しくは復旧 又は措置についての文化庁長官の勧告に応じないとき。

二 号

国宝 又は特別史跡名勝天然記念物がき損し、若しくは衰亡している場合 又は滅失し、き損し、衰亡し、若しくは盗み取られるおそれのある場合において、関係各省各庁の長に当該修理 若しくは復旧 又は措置をさせることが適当でないと認められるとき。

1項

国の所有に属する重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物を管理する各省各庁の長は、文部科学省令で定めるところにより、重要文化財保存活用計画、重要有形民俗文化財保存活用計画 又は史跡名勝天然記念物保存活用計画を作成し、文部科学大臣を通じ文化庁長官の同意を求めることができる。

2項

文化庁長官は、前項の規定による同意の求めがあつた場合において、その重要文化財保存活用計画、重要有形民俗文化財保存活用計画 又は史跡名勝天然記念物保存活用計画がそれぞれ第五十三条の二第四項各号第八十五条の二第四項各号 又は第百二十九条の二第四項各号いずれにも適合するものであると認めるときは、その同意をするものとする。

1項

前条第二項の同意を得た各省各庁の長は、当該同意を得た重要文化財保存活用計画、重要有形民俗文化財保存活用計画 又は史跡名勝天然記念物保存活用計画の変更(文部科学省令で定める軽微な変更を除く)をしようとするときは、文部科学大臣を通じ文化庁長官の同意を求めなければならない。

2項

前条第二項の規定は、前項の同意について準用する。

1項

第五十三条の二第三項第一号に掲げる事項が記載された重要文化財保存活用計画、第八十五条の二第三項に規定する事項が記載された重要有形民俗文化財保存活用計画 又は第百二十九条の二第三項に規定する事項が記載された史跡名勝天然記念物保存活用計画について第百七十条の二第二項の同意(前条第一項の変更の同意を含む。次条 及び第百七十条の六において同じ。)を得た場合において、当該重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物の現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為をその記載された事項の内容に即して行うに当たり、第百六十七条第一項第六号に係る部分に限る)の規定による通知をし、又は第百六十八条第一項第一号に係る部分に限る)の規定による同意を求めなければならないときは、これらの規定にかかわらず、当該現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為が終了した後遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文部科学大臣を通じ文化庁長官に通知することをもつて足りる。

1項

第五十三条の二第三項第二号に掲げる事項が記載された重要文化財保存活用計画について第百七十条の二第二項の同意を得た場合において、当該重要文化財の修理をその記載された事項の内容に即して行うに当たり、第百六十七条第一項第五号に係る部分に限る)の規定による通知をしなければならないときは、同項の規定にかかわらず、当該修理が終了した後遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文部科学大臣を通じ文化庁長官に通知することをもつて足りる。

1項

文部科学大臣は、第百七十条の二第二項の同意を得た各省各庁の長に対し、当該同意を得た重要文化財保存活用計画、重要有形民俗文化財保存活用計画 又は史跡名勝天然記念物保存活用計画(いずれも変更があつたときは、その変更後のもの)の実施の状況について報告を求めることができる。

1項

文部科学大臣は、国の所有に属するものを国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物 若しくは史跡名勝天然記念物に指定し、若しくは重要文化的景観に選定するに当たり、又は国の所有に属する国宝、重要文化財、重要有形民俗文化財、特別史跡名勝天然記念物、史跡名勝天然記念物 若しくは重要文化的景観に関する状況を確認するため必要があると認めるときは、関係各省各庁の長に対し調査のため必要な報告を求め、又は、重要有形民俗文化財 及び重要文化的景観に係る場合を除き、調査に当たる者を定めて実地調査をさせることができる。

1項

文化庁長官は、国の所有に属する重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物の保存のため特に必要があると認めるときは、適当な地方公共団体 その他の法人を指定して当該文化財の保存のため必要な管理(当該文化財の保存のため必要な施設、設備 その他の物件で国の所有 又は管理に属するものの管理を含む。)を行わせることができる。

2項

前項の規定による指定をするには、文化庁長官は、あらかじめ、文部科学大臣を通じ当該文化財を管理する各省各庁の長の同意を求めるとともに、指定しようとする地方公共団体 その他の法人の同意を得なければならない。

3項

第一項の規定による指定には、第三十二条の二第三項 及び第四項の規定を準用する。

4項

第一項の規定による管理によつて生ずる収益は、当該地方公共団体 その他の法人の収入とする。

5項

地方公共団体 その他の法人が第一項の規定による管理を行う場合には、重要文化財 又は重要有形民俗文化財の管理に係るときは、第三十条第三十一条第一項第三十二条の四第一項第三十三条第三十四条第三十五条第三十六条第四十七条の二第三項 及び第五十四条の規定を、史跡名勝天然記念物に係るときは、第三十条第三十一条第一項第三十三条第三十五条第百十五条第一項 及び第二項第百十六条第一項 及び第三項第百二十一条 並びに第百三十条の規定を準用する。

1項

前条第一項の規定による指定の解除については、第三十二条の三の規定を準用する。

1項

文化庁長官は、重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物の保護のため特に必要があると認めるときは、第百七十二条第一項の規定による指定を受けた地方公共団体 その他の法人に当該文化財の修理 又は復旧を行わせることができる。

2項

前項の規定による修理 又は復旧を行わせる場合には、第百七十二条第二項の規定を準用する。

3項

地方公共団体 その他の法人が第一項の規定による修理 又は復旧を行う場合には、重要文化財 又は重要有形民俗文化財に係るときは、第三十二条の四第一項 及び第三十五条の規定を、


史跡名勝天然記念物に係るときは、第三十五条第百十六条第一項 及び第百十七条の規定を準用する。

1項

第百七十二条第一項の規定による指定を受けた地方公共団体 その他の法人が作成する重要文化財保存活用計画、重要有形民俗文化財保存活用計画 又は史跡名勝天然記念物保存活用計画については、それぞれ第五十三条の二から第五十三条の八までの規定、第八十五条の二から第八十五条の四までの規定 又は第百二十九条の二から第百二十九条の七までの規定を準用する。

2項

文化庁長官は、前項において準用する第五十三条の二第四項第八十五条の二第四項 又は第百二十九条の二第四項の認定(前項において準用する第五十三条の三第一項前項において準用する第八十五条の四において準用する場合を含む。)又は第百二十九条の三第一項の変更の認定を含む。)をしようとするときは、あらかじめ、文部科学大臣を通じ当該重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物を管理する各省各庁の長と協議しなければならない。


ただし、当該各省各庁の長が文部科学大臣であるときは、その承認を受けるべきものとする。

1項

第百七十二条第一項の規定による指定を受けた地方公共団体は、その管理する国の所有に属する重要文化財、重要有形民俗文化財 又は史跡名勝天然記念物でその指定に係る土地 及び建造物を、その管理のため必要な限度において、無償で使用することができる。

2項

国有財産法第二十二条第二項 及び第三項の規定は、前項の規定により土地 及び建造物を使用させる場合について準用する。

1項

文化庁長官は、第九十八条第一項の規定により発掘を施行しようとする場合において、その発掘を施行しようとする土地が国の所有に属し、又は国の機関の占有するものであるときは、あらかじめ、発掘の目的、方法、着手の時期 その他必要と認める事項につき、文部科学大臣を通じ関係各省各庁の長と協議しなければならない。


ただし、当該各省各庁の長が文部科学大臣であるときは、その承認を受けるべきものとする。

1項

第百四条第一項の規定により国庫に帰属した文化財は、文化庁長官が管理する。


ただし、その保存のため又はその効用から見て他の機関に管理させることが適当であるときは、これを当該機関の管理に移さなければならない。

1項

国の所有に属する有形文化財 又は有形の民俗文化財について第五十七条第一項 又は第九十条第一項の規定による登録をしたときは、第五十八条第一項 又は第三項これらの規定を第九十条第三項で準用する場合を含む。)の規定により所有者に対して行うべき通知 又は登録証の交付は、当該登録有形文化財 又は登録有形民俗文化財を管理する各省各庁の長に対して行うものとする。

2項

国の所有に属する登録有形文化財 又は登録有形民俗文化財について、第五十九条第一項から第三項までこれらの規定を第九十条第三項で準用する場合を含む。)の規定による登録の抹消をしたときは、第五十九条第四項第九十条第三項で準用する場合を含む。)の規定により所有者に対して行うべき通知は、当該登録有形文化財 又は登録有形民俗文化財を管理する各省各庁の長に対して行うものとする。


この場合においては、当該各省各庁の長は、直ちに登録証を文部科学大臣に返付しなければならない。

3項

国の所有 又は占有に属する記念物について第百三十二条第一項の規定による登録をし、又は第百三十三条で準用する第五十九条第一項から第三項までの規定による登録の抹消をしたときは、第百三十二条第二項で準用する第百九条第三項 又は第百三十三条で読み替えて準用する第五十九条第四項の規定により所有者 又は占有者に対して行うべき通知は、当該登録記念物を管理する各省各庁の長に対して行うものとする。

1項

次に掲げる場合には、関係各省各庁の長は、文部科学大臣を通じ文化庁長官に通知しなければならない。

一 号

登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物を取得したとき。

二 号

登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物の所管換えを受け、又は所属替えをしたとき。

三 号

所管に属する登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物の全部 又は一部が滅失し、き損し、若しくは衰亡し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたとき。

四 号

所管に属する登録有形文化財 又は登録有形民俗文化財の所在の場所を変更しようとするとき。

五 号

登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物の現状を変更しようとするとき。

六 号

所管に属する登録有形文化財 又は登録有形民俗文化財を輸出しようとするとき。

七 号

所管に属する登録記念物の所在する土地について、その土地の所在、地番、地目 又は地積に異動があつたとき。

2項

各省各庁の長以外の国の機関が登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物の現状を変更しようとするときは、文化庁長官に通知しなければならない。

3項

第一項第一号 及び第二号に掲げる場合に係る通知には第三十二条第一項の規定を、第一項第三号に掲げる場合に係る通知には第三十三条 又は第六十一条第九十条第三項で準用する場合を含む。)の規定を、第一項第四号に掲げる場合に係る通知には第六十二条第九十条第三項で準用する場合を含む。)の規定を、第一項第五号 及び前項に規定する場合に係る通知には第六十四条第一項第九十条第三項 及び第百三十三条で準用する場合を含む。)の規定を、第一項第六号に掲げる場合に係る通知には第六十五条第一項第九十条第三項で準用する場合を含む。)の規定を、第一項第七号に掲げる場合に係る通知には第百十五条第二項の規定を準用する。

4項

第一項第五号 及び第二項に規定する現状変更については、第六十四条第一項ただし書 及び第二項の規定を準用する。

5項

登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物の保護上必要があると認めるときは、文化庁長官は、第一項第五号 又は第二項に規定する現状変更に関し、文部科学大臣を通じ関係各省各庁の長に対し、又は各省各庁の長以外の国の機関に対して意見を述べることができる。

1項

国の所有に属する登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物を管理する各省各庁の長は、文部科学省令で定めるところにより、登録有形文化財保存活用計画、登録有形民俗文化財保存活用計画 又は登録記念物保存活用計画を作成し、文部科学大臣を通じ文化庁長官の同意を求めることができる。

2項

文化庁長官は、前項の規定による同意の求めがあつた場合において、その登録有形文化財保存活用計画、登録有形民俗文化財保存活用計画 又は登録記念物保存活用計画がそれぞれ第六十七条の二第四項各号第九十条の二第四項各号 又は第百三十三条の二第四項各号いずれにも適合するものであると認めるときは、その同意をするものとする。

1項

前条第二項の同意を得た各省各庁の長は、当該同意を得た登録有形文化財保存活用計画、登録有形民俗文化財保存活用計画 又は登録記念物保存活用計画の変更(文部科学省令で定める軽微な変更を除く)をしようとするときは、文部科学大臣を通じ文化庁長官の同意を求めなければならない。

2項

前条第二項の規定は、前項の同意について準用する。

1項

第六十七条の二第三項第一号に掲げる事項が記載された登録有形文化財保存活用計画、第九十条の二第三項に規定する事項が記載された登録有形民俗文化財保存活用計画 又は第百三十三条の二第三項に規定する事項が記載された登録記念物保存活用計画について第百七十九条の二第二項の同意(前条第一項の変更の同意を含む。次条において同じ。)を得た場合において、当該登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物の現状変更をその記載された事項の内容に即して行うに当たり、第百七十九条第一項第五号に係る部分に限る)の規定による通知をしなければならないときは、同項の規定にかかわらず、当該現状変更が終了した後遅滞なく、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文部科学大臣を通じ文化庁長官に通知することをもつて足りる。

1項

文部科学大臣は、第百七十九条の二第二項の同意を得た各省各庁の長に対し、当該同意を得た登録有形文化財保存活用計画、登録有形民俗文化財保存活用計画 又は登録記念物保存活用計画(いずれも変更があつたときは、その変更後のもの)の実施の状況について報告を求めることができる。

1項

文部科学大臣は、国の所有に属する登録有形文化財、登録有形民俗文化財 又は登録記念物に関する状況を確認するため必要があると認めるときは、関係各省各庁の長に対し調査のため必要な報告を求めることができる。

1項

国の所有に属する登録有形文化財 又は登録有形民俗文化財については、第六十条第三項から第五項まで第六十三条第二項 及び第六十七条第三項これらの規定を第九十条第三項で準用する場合を含む。)の規定は、適用しない

2項

国の所有に属する登録記念物については、第百三十三条で準用する第百十三条から第百十八条までの規定は、適用しない

第三節 地方公共団体及び教育委員会

1項

地方公共団体は、文化財の管理、修理、復旧、公開その他その保存 及び活用に要する経費につき補助することができる。

2項

地方公共団体は、条例の定めるところにより、重要文化財、重要無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財及び史跡名勝天然記念物以外の文化財で当該地方公共団体の区域内に存するもののうち重要なものを指定して、その保存 及び活用のため必要な措置を講ずることができる。

3項

地方公共団体は、条例の定めるところにより、重要文化財、登録有形文化財、重要無形文化財、登録無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財、登録有形民俗文化財、登録無形民俗文化財、史跡名勝天然記念物 及び登録記念物以外の文化財で当該地方公共団体の区域内に存するもの(前項に規定する指定を行つているものを除く)のうち、その文化財としての価値に鑑み保存 及び活用のための措置が特に必要とされるものを当該地方公共団体の文化財に関する登録簿に登録して、その保存 及び活用のため必要な措置を講ずることができる。

4項

第二項に規定する条例の制定 若しくはその改廃 又は同項に規定する文化財の指定 若しくはその解除を行つた場合には、教育委員会は、文部科学省令の定めるところにより、文化庁長官にその旨を報告しなければならない。

1項

都道府県 又は市町村の教育委員会(地方文化財保護審議会を置くものに限る。以下この条において同じ。)は、前条第三項に規定する登録をした文化財であつて第五十七条第一項第七十六条の七第一項第九十条第一項第九十条の五第一項 又は第百三十二条第一項の規定により登録されることが適当であると思料するものがあるときは、文部科学省令で定めるところにより、文部科学大臣に対し、当該文化財を文化財登録原簿に登録することを提案することができる。

2項

都道府県 又は市町村の教育委員会は、前項の規定による提案をするときは、あらかじめ、地方文化財保護審議会の意見を聴かなければならない。

3項

文部科学大臣は、第一項の規定による提案が行われた場合において、当該提案に係る文化財について第五十七条第一項第七十六条の七第一項第九十条第一項第九十条の五第一項 又は第百三十二条第一項の規定による登録をしないこととしたときは、遅滞なく、その旨 及びその理由を当該提案をした都道府県 又は市町村の教育委員会に通知しなければならない。

1項

地方公共団体が文化財の保存 及び活用を図るために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、法令の範囲内において、資金事情 及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、適切な配慮をするものとする。

1項

都道府県の教育委員会は、当該都道府県の区域における文化財の保存 及び活用に関する総合的な施策の大綱(次項 及び次条において「文化財保存活用大綱」という。)を定めることができる。

2項

都道府県の教育委員会は、文化財保存活用大綱を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、文化庁長官 及び関係市町村に送付しなければならない。

1項

市町村の教育委員会(地方文化財保護審議会を置くものに限る)は、文部科学省令で定めるところにより、単独で又は共同して、文化財保存活用大綱が定められているときは当該文化財保存活用大綱を勘案して、当該市町村の区域における文化財の保存 及び活用に関する総合的な計画(以下この節 及び第百九十二条の六第一項において「文化財保存活用地域計画」という。)を作成し、文化庁長官の認定を申請することができる。

2項

文化財保存活用地域計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。

一 号

当該市町村の区域における文化財の保存 及び活用に関する基本的な方針

二 号

当該市町村の区域における文化財の保存 及び活用を図るために当該市町村が講ずる措置の内容

三 号

当該市町村の区域における文化財を把握するための調査に関する事項

四 号
計画期間
五 号

その他文部科学省令で定める事項

3項

市町村の教育委員会は、文化財保存活用地域計画を作成しようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催 その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、地方文化財保護審議会(第百八十三条の九第一項に規定する協議会が組織されている場合にあつては、地方文化財保護審議会 及び当該協議会。第百八十三条の五第二項において同じ。)の意見を聴かなければならない。

4項

文化財保存活用地域計画は、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律平成二十年法律第四十号第五条第一項に規定する歴史的風致維持向上計画が定められているときは、当該歴史的風致維持向上計画との調和が保たれたものでなければならない。

5項

文化庁長官は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、その文化財保存活用地域計画が次の各号いずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。

一 号

当該文化財保存活用地域計画の実施が当該市町村の区域における文化財の保存 及び活用に寄与するものであると認められること。

二 号

円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

三 号

文化財保存活用大綱が定められているときは、当該文化財保存活用大綱に照らし適切なものであること。

6項

文化庁長官は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ、文部科学大臣を通じ関係行政機関の長に協議しなければならない。

7項

文化庁長官は、第五項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該認定を申請した市町村の教育委員会に通知しなければならない。

8項

市町村の教育委員会は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、当該通知に係る文化財保存活用地域計画を公表するよう努めなければならない。

1項

前条第五項の認定を受けた市町村(以下この節 及び第百九十二条の六第二項において「認定市町村」という。)の教育委員会は、当該認定を受けた文化財保存活用地域計画の変更(文部科学省令で定める軽微な変更を除く)をしようとするときは、文化庁長官の認定を受けなければならない。

2項

前条第三項から第八項までの規定は、前項の認定について準用する。

1項

認定市町村の教育委員会は、第百八十三条の三第五項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。第百八十三条の七第一項 及び第二項において同じ。)を受けた文化財保存活用地域計画(変更があつたときは、その変更後のもの。以下この節 及び第百九十二条の六において「認定文化財保存活用地域計画」という。)の計画期間内に限り、当該認定市町村の区域内に存する文化財であつて第五十七条第一項第七十六条の七第一項第九十条第一項第九十条の五第一項又は第百三十二条第一項の規定により登録されることが適当であると思料するものがあるときは、文部科学省令で定めるところにより、文部科学大臣に対し、当該文化財を文化財登録原簿に登録することを提案することができる。

2項

認定市町村の教育委員会は、前項の規定による提案をしようとするときは、あらかじめ、地方文化財保護審議会の意見を聴かなければならない。

3項

文部科学大臣は、第一項の規定による提案が行われた場合において、当該提案に係る文化財について第五十七条第一項第七十六条の七第一項第九十条第一項第九十条の五第一項又は第百三十二条第一項の規定による登録をしないこととしたときは、遅滞なく、その旨 及びその理由を当該提案をした認定市町村の教育委員会に通知しなければならない。

1項

文化庁長官は、認定市町村の教育委員会に対し、認定文化財保存活用地域計画の実施の状況について報告を求めることができる。

1項

文化庁長官は、認定文化財保存活用地域計画が第百八十三条の三第五項各号いずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

2項

文化庁長官は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を当該認定を受けていた市町村の教育委員会に通知しなければならない。

3項

市町村の教育委員会は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公表するよう努めなければならない。

1項

都道府県の教育委員会は、市町村に対し、文化財保存活用地域計画の作成 及び認定文化財保存活用地域計画の円滑かつ確実な実施に関し 必要な助言をすることができる。

2項

国は、市町村に対し、文化財保存活用地域計画の作成 及び認定文化財保存活用地域計画の円滑かつ確実な実施に関し 必要な情報の提供 又は指導若しくは助言をするように努めなければならない。

3項

前二項に定めるもののほか、国、都道府県 及び市町村は、文化財保存活用地域計画の作成 及び認定文化財保存活用地域計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。

4項

市町村の長 及び教育委員会は、文化財保存活用地域計画の作成 及び認定文化財保存活用地域計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に緊密な連携を図りながら協力しなければならない。

1項

市町村の教育委員会は、単独で又は共同して、文化財保存活用地域計画の作成 及び変更に関する協議 並びに認定文化財保存活用地域計画の実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。

2項

協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。

一 号
当該市町村
二 号

当該市町村の区域をその区域に含む都道府県

三 号

第百九十二条の二第一項の規定により当該市町村の教育委員会が指定した文化財保存活用支援団体

四 号

文化財の所有者、学識経験者、商工関係団体、観光関係団体 その他の市町村の教育委員会が必要と認める者

3項

協議会は、必要があると認めるときは、関係行政機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明 その他必要な協力を求めることができる。

4項

協議会において協議が調つた事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。

5項

前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

1項

次に掲げる文化庁長官の権限に属する事務の全部 又は一部は、政令で定めるところにより、都道府県 又は市の教育委員会が行うこととすることができる。

一 号

第三十五条第三項第三十六条第三項第八十三条第百二十一条第二項第百七十二条第五項で準用する場合を含む。)及び第百七十二条第五項で準用する場合を含む。)、第三十七条第四項第八十三条 及び第百二十二条第三項で準用する場合を含む。)、第四十六条の二第二項第七十四条第二項第七十六条の十第二項第七十七条第二項第九十一条で準用する場合を含む。)、第八十三条第八十七条第二項第九十条の七第二項第百十八条第百二十条第百二十九条第二項第百七十二条第五項 及び第百七十四条第三項で準用する場合を含む。)の規定による指揮監督

二 号

第四十三条 又は第百二十五条の規定による現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為の許可 及びその取消し 並びにその停止命令(重大な現状変更 又は保存に重大な影響を及ぼす行為の許可 及びその取消しを除く

三 号

第五十一条第五項第五十一条の二第八十五条で準用する場合を含む。)、第八十四条第二項 及び第八十五条で準用する場合を含む。)の規定による公開の停止命令

四 号

第五十三条第一項第三項 及び第四項の規定による公開の許可 及びその取消し 並びに公開の停止命令

五 号

第五十四条第八十六条 及び第百七十二条第五項で準用する場合を含む。)、第五十五条第百三十条第百七十二条第五項で準用する場合を含む。)又は第百三十一条の規定による調査 又は調査のため必要な措置の施行

六 号

第九十二条第一項第九十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による届出の受理、第九十二条第二項の規定による指示 及び命令、第九十三条第二項の規定による指示、第九十四条第一項の規定による通知の受理、同条第二項の規定による通知、同条第三項の規定による協議、同条第四項の規定による勧告、第九十六条第一項の規定による届出の受理、同条第二項 又は第七項の規定による命令、同条第三項の規定による意見の聴取、同条第五項 又は第七項の規定による期間の延長、同条第八項の規定による指示、第九十七条第一項の規定による通知の受理、同条第二項の規定による通知、同条第三項の規定による協議 並びに同条第四項の規定による勧告

2項

都道府県 又は市の教育委員会が前項の規定によつてした同項第五号に掲げる第五十五条 又は第百三十一条の規定による立入調査 又は調査のための必要な措置の施行については、審査請求をすることができない

3項

都道府県 又は市の教育委員会が、第一項の規定により、同項第六号に掲げる事務のうち第九十四条第一項から第四項まで 又は第九十七条第一項から第四項までの規定によるものを行う場合には、第九十四条第五項 又は第九十七条第五項の規定は適用しない

4項

都道府県 又は市の教育委員会が第一項の規定によつてした次の各号に掲げる事務(当該事務が地方自治法第二条第八項に規定する自治事務である場合に限る)により損失を受けた者に対しては、当該各号に定める規定にかかわらず、当該都道府県 又は市が、その通常生ずべき損失を補償する。

一 号

第一項第二号に掲げる第四十三条 又は第百二十五条の規定による現状変更 又は保存に影響を及ぼす行為の許可

第四十三条第五項 又は第百二十五条第五項

二 号

第一項第五号に掲げる第五十五条 又は第百三十一条の規定による調査 又は調査のため必要な措置の施行

第五十五条第三項 又は第百三十一条第二項

三 号

第一項第六号に掲げる第九十六条第二項の規定による命令

同条第九項

5項

前項の補償の額は、当該都道府県 又は市の教育委員会が決定する。

6項

前項の規定による補償額については、第四十一条第三項の規定を準用する。

7項

前項において準用する第四十一条第三項の規定による訴えにおいては、都道府県 又は市を被告とする。

8項

都道府県 又は市の教育委員会が第一項の規定によつてした処分 その他公権力の行使に当たる行為のうち地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務に係るものについての審査請求は、文化庁長官に対してするものとする。

1項

前条第一項第二号第四号 又は第五号に掲げる文化庁長官の権限に属する事務であつて認定市町村の区域内に係るものの全部 又は一部は、認定文化財保存活用地域計画の計画期間内に限り、政令で定めるところにより、当該認定文化財保存活用地域計画の実施に必要な範囲内において、当該認定市町村の教育委員会が行うこととすることができる。

2項

前項の規定により認定市町村の教育委員会が同項に規定する事務を行う場合には、前条第二項第四項第三号に係る部分を除く)及び第五項から第八項までの規定を準用する。

3項

第一項の規定により認定市町村の教育委員会が同項に規定する事務を開始する日前になされた当該事務に係る許可等の処分 その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又は許可の申請 その他の行為(以下この条において「申等の行為」という。)は、同日以後においては、当該認定市町村の教育委員会のした処分等の行為 又は当該認定市町村の教育委員会に対して行つた申請等の行為とみなす。

4項

認定文化財保存活用地域計画の計画期間の終了 その他の事情により認定市町村の教育委員会が第一項に規定する事務を終了する日以前になされた当該事務に係る処分等の行為 又は申請等の行為は、同日の翌日以後においては、その終了後に当該事務を行うこととなる者のした処分等の行為 又は当該者に対して行つた申請等の行為とみなす。

1項

文化庁長官は、政令で定めるところにより、第四十八条第八十五条で準用する場合を含む。)の規定により出品された重要文化財 又は重要有形民俗文化財の管理の事務の全部 又は一部を、都道府県 又は指定都市等の教育委員会が行うこととすることができる。

2項

前項の規定により、都道府県 又は指定都市等の教育委員会が同項の管理の事務を行う場合には、都道府県 又は指定都市等の教育委員会は、その職員のうちから、当該重要文化財 又は重要有形民俗文化財の管理の責めに任ずべき者を定めなければならない。

1項

文化庁長官は、必要があると認めるときは、第三十八条第一項 又は第百七十条の規定による国宝の修理 又は滅失、き損 若しくは盗難の防止の措置の施行、第九十八条第一項の規定による発掘の施行 及び第百二十三条第一項 又は第百七十条の規定による特別史跡名勝天然記念物の復旧 又は滅失、き損、衰亡 若しくは盗難の防止の措置の施行につき、都道府県の教育委員会に対し、その全部 又は一部を委託することができる。

2項

都道府県の教育委員会が前項の規定による委託に基づき、第三十八条第一項の規定による修理 又は措置の施行の全部 又は一部を行う場合には、第三十九条の規定を、第九十八条第一項の規定による発掘の施行の全部 又は一部を行う場合には、同条第三項で準用する第三十九条の規定を、第百二十三条第一項の規定による復旧 又は措置の施行の全部 又は一部を行う場合には、同条第二項で準用する第三十九条の規定を準用する。

1項

都道府県 又は指定都市の教育委員会は、次の各号に掲げる者の求めに応じ、当該各号に定める管理、修理 又は復旧につき委託を受け、又は技術的指導をすることができる。

一 号

重要文化財の所有者(管理団体がある場合は、その者)又は管理責任者

当該重要文化財の管理(管理団体がある場合を除く)又は修理

二 号

重要有形民俗文化財の所有者(管理団体がある場合は、その者) 又は管理責任者(第八十条において準用する第三十一条第二項の規定により選任された管理の責めに任ずべき者をいう。

当該重要有形民俗文化財の管理(管理団体がある場合を除く)又は修理

三 号

史跡名勝天然記念物の所有者(管理団体がある場合は、その者)又は管理責任者

当該史跡名勝天然記念物の管理(管理団体がある場合を除く)又は復旧

2項

都道府県 又は指定都市の教育委員会が前項の規定により管理、修理 又は復旧の委託を受ける場合には、第三十九条第一項 及び第二項の規定を準用する。

1項

この法律の規定により文化財に関し 文部科学大臣 又は文化庁長官に提出すべき届書 その他の書類 及び物件の提出は、都道府県の教育委員会(当該文化財が指定都市の区域内に存する場合にあつては、当該指定都市の教育委員会。以下この条において同じ。)を経由すべきものとする。

2項

都道府県の教育委員会は、前項に規定する書類 及び物件を受理したときは、意見を具してこれを文部科学大臣 又は文化庁長官に送付しなければならない。

3項

この法律の規定により文化財に関し文部科学大臣 又は文化庁長官が発する命令、勧告、指示 その他の処分の告知は、都道府県の教育委員会を経由すべきものとする。


ただし、特に緊急な場合は、この限りでない。

1項

都道府県 及び市町村の教育委員会は、当該都道府県 又は市町村の区域内に存する文化財の保存 及び活用に関し、文部科学大臣 又は文化庁長官に対して意見を具申することができる。

1項

都道府県 及び市町村(いずれも特定地方公共団体であるものを除く)の教育委員会に、条例の定めるところにより、文化財に関して優れた識見を有する者により構成される地方文化財保護審議会を置くことができる。

2項

特定地方公共団体に、条例の定めるところにより、地方文化財保護審議会を置くものとする。

3項

地方文化財保護審議会は、都道府県 又は市町村の教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存 及び活用に関する重要事項について調査審議し、並びにこれらの事項に関して当該都道府県 又は市町村の教育委員会に建議する。

4項

地方文化財保護審議会の組織 及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。

1項

都道府県 及び市町村の教育委員会(当該都道府県 及び市町村が特定地方公共団体である場合には、当該特定地方公共団体)に、文化財保護指導委員を置くことができる。

2項

文化財保護指導委員は、文化財について、随時、巡視を行い、並びに所有者 その他の関係者に対し、文化財の保護に関する指導 及び助言をするとともに、地域住民に対し、文化財保護思想について普及活動を行うものとする。

3項

文化財保護指導委員は、非常勤とする。

1項

第百十条第一項 及び第二項第百十二条第一項 並びに第百十条第三項 及び第百十二条第四項において準用する第百九条第三項 及び第四項の規定により都道府県 又は指定都市が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

第四節 文化財保存活用支援団体

1項

市町村の教育委員会は、法人 その他これに準ずるものとして文部科学省令で定める団体であつて、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、文化財保存活用支援団体(以下この節において「支援団体」という。)として指定することができる。

2項

市町村の教育委員会は、前項の規定による指定をしたときは、当該支援団体の名称、住所 及び事務所の所在地を公示しなければならない。

3項

支援団体は、その名称、住所 又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を市町村の教育委員会に届け出なければならない。

4項

市町村の教育委員会は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

1項

支援団体は、次に掲げる業務を行うものとする。

一 号

当該市町村の区域内に存する文化財の保存 及び活用を行うこと。

二 号

当該市町村の区域内に存する文化財の保存 及び活用を図るための事業を行う者に対し、情報の提供、相談 その他の援助を行うこと。

三 号

文化財の所有者の求めに応じ、当該文化財の管理、修理 又は復旧 その他その保存 及び活用のため必要な措置につき委託を受けること。

四 号

文化財の保存 及び活用に関する調査研究を行うこと。

五 号

前各号に掲げるもののほか、当該市町村の区域における文化財の保存 及び活用を図るために必要な業務を行うこと。

1項

市町村の教育委員会は、前条各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、支援団体に対し、その業務に関し報告をさせることができる。

2項

市町村の教育委員会は、支援団体が前条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、支援団体に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

3項

市町村の教育委員会は、支援団体が前項の規定による命令に違反したときは、第百九十二条の二第一項の規定による指定を取り消すことができる。

4項

市町村の教育委員会は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

1項

国 及び関係地方公共団体は、支援団体に対し、その業務の実施に関し 必要な情報の提供 又は指導若しくは助言をするものとする。

1項

支援団体は、市町村の教育委員会に対し、文化財保存活用地域計画の作成 又は認定文化財保存活用地域計画の変更をすることを提案することができる。

2項

支援団体は、認定市町村の教育委員会に対し、認定文化財保存活用地域計画の計画期間内に限り、当該認定市町村の区域内に存する文化財であつて第五十七条第一項第七十六条の七第一項第九十条第一項第九十条の五第一項 又は第百三十二条第一項の規定により登録されることが適当であると思料するものがあるときは、文部科学省令で定めるところにより、当該文化財について第百八十三条の五第一項の規定による提案をするよう要請することができる。