地方公務員法

# 昭和二十五年法律第二百六十一号 #
略称 : 地公法 

第三章 職員に適用される基準

分類 法律
カテゴリ   地方自治
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


第一節 通則

1項

全て国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならず、人種、信条、性別、社会的身分 若しくは門地によつて、又はに該当する場合を除くほか、政治的意見 若しくは政治的所属関係によつて、差別されてはならない。

1項

地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間 その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。

2項

人事委員会は、随時、前項の規定により講ずべき措置について地方公共団体の議会 及び長に勧告することができる。

第二節 任用

1項

職員の任用は、この法律の定めるところにより、受験成績、人事評価 その他の能力の実証に基づいて行わなければならない。

1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

採用

職員以外の者を職員の職に任命すること(臨時的任用を除く)をいう。

二 号

昇任

職員をその職員が現に任命されている職より上位の職制上の段階に属する職員の職に任命することをいう。

三 号

降任

職員をその職員が現に任命されている職より下位の職制上の段階に属する職員の職に任命することをいう。

四 号

転任

職員をその職員が現に任命されている職以外の職員の職に任命することであつて前二号に定めるものに該当しないものをいう。

五 号

標準職務遂行能力

職制上の段階の標準的な職(職員の職に限る。以下同じ。)の職務を遂行する上で発揮することが求められる能力として任命権者が定めるものをいう。

2項

前項第五号の標準的な職は、職制上の段階 及び職務の種類に応じ、任命権者が定める。

3項

地方公共団体の長 及び議会の議長以外の任命権者は、標準職務遂行能力 及び第一項第五号の標準的な職を定めようとするときは、あらかじめ、地方公共団体の長に協議しなければならない。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験 若しくは選考を受けることができない

一 号

禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

二 号

当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者

三 号

人事委員会 又は公平委員会の委員の職にあつて、に規定する罪を犯し、刑に処せられた者

四 号

人事委員会 又は公平委員会の委員の職にあつて、に規定する罪を犯し刑に処せられた者

1項

職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は、採用、昇任、降任 又は転任のいずれかの方法により、職員を任命することができる。

2項

人事委員会(競争試験等を行う公平委員会を含む。以下において同じ。)を置く地方公共団体においては、人事委員会は、前項の任命の方法のうちのいずれによるべきかについての一般的基準を定めることができる。

1項

人事委員会を置く地方公共団体においては、職員の採用は、競争試験によるものとする。


ただし、人事委員会規則(競争試験等を行う公平委員会を置く地方公共団体においては、公平委員会規則。以下において同じ。)で定める場合には、選考(競争試験以外の能力の実証に基づく試験をいう。以下同じ。)によることを妨げない。

2項

人事委員会を置かない地方公共団体においては、職員の採用は、競争試験 又は選考によるものとする。

3項

人事委員会(人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者とする。以下において「人事委員会等」という。)は、正式任用になつてある職に就いていた職員が、職制 若しくは定数の改廃 又は予算の減少に基づく廃職 又は過員によりその職を離れた後において、再びその職に復する場合における資格要件、採用手続 及び採用の際における身分に関し必要な事項を定めることができる。

1項

採用のための競争試験(以下「採用試験」という。)又は選考は、人事委員会等が行うものとする。


ただし、人事委員会等は、他の地方公共団体の機関との協定によりこれと共同して、又は国 若しくは他の地方公共団体の機関との協定によりこれらの機関に委託して、採用試験 又は選考を行うことができる。

1項

採用試験は、人事委員会等の定める受験の資格を有する全ての国民に対して平等の条件で公開されなければならない。

1項

試験機関に属する者 その他職員は、受験を阻害し、又は受験に不当な影響を与える目的をもつて特別 若しくは秘密の情報を提供してはならない。

1項

人事委員会等は、受験者に必要な資格として職務の遂行上必要であつて最少かつ適当な限度の客観的かつ画一的な要件を定めるものとする。

1項

採用試験は、受験者が、当該採用試験に係る職の属する職制上の段階の標準的な職に係る標準職務遂行能力 及び当該採用試験に係る職についての適性を有するかどうかを正確に判定することをもつてその目的とする。

2項

採用試験は、筆記試験 その他の人事委員会等が定める方法により行うものとする。

1項

人事委員会を置く地方公共団体における採用試験による職員の採用については、人事委員会は、試験ごとに採用候補者名簿を作成するものとする。

2項

採用候補者名簿には、採用試験において合格点以上を得た者の氏名 及び得点を記載するものとする。

3項

採用候補者名簿による職員の採用は、任命権者が、人事委員会の提示する当該名簿に記載された者の中から行うものとする。

4項

採用候補者名簿に記載された者の数が採用すべき者の数よりも少ない場合 その他の人事委員会規則で定める場合には、人事委員会は、他の最も適当な採用候補者名簿に記載された者を加えて提示することを妨げない。

5項

前各項に定めるものを除くほか、採用候補者名簿の作成 及びこれによる採用の方法に関し必要な事項は、人事委員会規則で定めなければならない。

1項

選考は、当該選考に係る職の属する職制上の段階の標準的な職に係る標準職務遂行能力 及び当該選考に係る職についての適性を有するかどうかを正確に判定することをもつてその目的とする。

2項

選考による職員の採用は、任命権者が、人事委員会等の行う選考に合格した者の中から行うものとする。

3項

人事委員会等は、その定める職員の職についてに規定する採用候補者名簿がなく、かつ、人事行政の運営上必要であると認める場合においては、その職の採用試験 又は選考に相当する国 又は他の地方公共団体の採用試験 又は選考に合格した者を、その職の選考に合格した者とみなすことができる。

1項

職員の昇任は、任命権者が、職員の受験成績、人事評価 その他の能力の実証に基づき、任命しようとする職の属する職制上の段階の標準的な職に係る標準職務遂行能力 及び当該任命しようとする職についての適性を有すると認められる者の中から行うものとする。

1項

任命権者が職員を人事委員会規則で定める職(人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者が定める職)に昇任させる場合には、当該職について昇任のための競争試験(以下「昇任試験」という。)又は選考が行われなければならない。

2項

人事委員会は、前項の人事委員会規則を定めようとするときは、あらかじめ、任命権者の意見を聴くものとする。

3項

昇任試験は、人事委員会等の指定する職に正式に任用された職員に限り、受験することができる。

4項

の規定は、第一項の規定による職員の昇任試験を実施する場合について準用する。


この場合において、


「定める受験の資格を有する全ての国民」とあるのは
「指定する職に正式に任用された全ての職員」と、


「職員の採用」とあるのは
「職員の昇任」と、

「採用候補者名簿」とあるのは
「昇任候補者名簿」と、


「採用すべき」とあるのは
「昇任させるべき」と、


「採用の方法」とあるのは
「昇任の方法」と

読み替えるものとする。

5項

並びに 及びの規定は、第一項の規定による職員の昇任のための選考を実施する場合について準用する。


この場合において、


「職員の採用」とあるのは、
「職員の昇任」と

読み替えるものとする。

1項

任命権者は、職員を降任させる場合には、当該職員の人事評価 その他の能力の実証に基づき、任命しようとする職の属する職制上の段階の標準的な職に係る標準職務遂行能力 及び当該任命しようとする職についての適性を有すると認められる職に任命するものとする。

2項

職員の転任は、任命権者が、職員の人事評価 その他の能力の実証に基づき、任命しようとする職の属する職制上の段階の標準的な職に係る標準職務遂行能力 及び当該任命しようとする職についての適性を有すると認められる者の中から行うものとする。

1項

職員の採用は、全て条件付のものとし、当該職員がその職において六月の期間を勤務し、その間 その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなるものとする。


この場合において、人事委員会等は、人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則。 及びにおいて同じ。)で定めるところにより、条件付採用の期間を一年を超えない範囲内で延長することができる。

1項

次に掲げる職員(以下この条において「会計年度任用職員」という。)の採用は、 及びの規定にかかわらず、競争試験 又は選考によるものとする。

一 号

一会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤の職(に規定する短時間勤務の職を除く)(次号において「会計年度任用の職」という。)を占める職員であつて、その一週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間であるもの

二 号

会計年度任用の職を占める職員であつて、その一週間当たりの通常の勤務時間が常時勤務を要する職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間と同一の時間であるもの

2項

会計年度任用職員の任期は、その採用の日から同日の属する会計年度の末日までの期間の範囲内で任命権者が定める。

3項

任命権者は、前二項の規定により会計年度任用職員を採用する場合には、当該会計年度任用職員にその任期を明示しなければならない。

4項

任命権者は、会計年度任用職員の任期が第二項に規定する期間に満たない場合には、当該会計年度任用職員の勤務実績を考慮した上で、当該期間の範囲内において、その任期を更新することができる。

5項

第三項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。

6項

任命権者は、会計年度任用職員の採用 又は任期の更新に当たつては、職務の遂行に必要かつ十分な任期を定めるものとし、必要以上に短い任期を定めることにより、採用 又は任期の更新を反復して行うことのないよう配慮しなければならない。

7項

会計年度任用職員に対するの規定の適用については、


六月」とあるのは、
一月」と

する。

1項

人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、常時勤務を要する職に欠員を生じた場合において、緊急のとき、臨時の職に関するとき、又は採用候補者名簿(において読み替えて準用するに規定する昇任候補者名簿を含む。)がないときは、人事委員会の承認を得て、六月を超えない期間で臨時的任用を行うことができる。


この場合において、任命権者は、人事委員会の承認を得て、当該臨時的任用を六月を超えない期間で更新することができるが、再度更新することはできない

2項

前項の場合において、人事委員会は、臨時的に任用される者の資格要件を定めることができる。

3項

人事委員会は、前二項の規定に違反する臨時的任用を取り消すことができる。

4項

人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者は、地方公共団体の規則で定めるところにより、常時勤務を要する職に欠員を生じた場合において、緊急のとき、又は臨時の職に関するときは、六月を超えない期間で臨時的任用を行うことができる。


この場合において、任命権者は、当該臨時的任用を六月を超えない期間で更新することができるが、再度更新することはできない

5項

臨時的任用は、正式任用に際して、いかなる優先権をも与えるものではない。

6項

前各項に定めるもののほか、臨時的に任用された職員に対しては、この法律を適用する。

1項

任命権者は、当該任命権者の属する地方公共団体の条例年齢以上退職者(条例で定める年齢に達した日以後に退職(臨時的に任用される職員 その他の法律により任期を定めて任用される職員 及び非常勤職員が退職する場合を除く)をした者をいう。以下同じ。)を、条例で定めるところにより、従前の勤務実績 その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、短時間勤務の職(当該職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種の職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間である職をいう。以下同じ。)に採用することができる。


ただし、条例年齢以上退職者がその者を採用しようとする短時間勤務の職に係る定年退職日相当日(短時間勤務の職を占める職員が、常時勤務を要する職でその職務が当該短時間勤務の職と同種の職を占めているものとした場合におけるに規定する定年退職日をいう。第三項 及び第四項において同じ。)を経過した者であるときは、この限りでない。

2項

前項の条例で定める年齢は、国の職員につき定められている国家公務員法昭和二十二年法律第百二十号に規定する年齢を基準として定めるものとする。

3項

第一項の規定により採用された職員(以下この条 及びにおいて「定年前再任用短時間勤務職員」という。)の任期は、採用の日から定年退職日相当日までとする。

4項

任命権者は、条例年齢以上退職者のうちその者を採用しようとする短時間勤務の職に係る定年退職日相当日を経過していない者以外の者を当該短時間勤務の職に採用することができず、定年前再任用短時間勤務職員のうち当該定年前再任用短時間勤務職員を昇任し、降任し、又は転任しようとする短時間勤務の職に係る定年退職日相当日を経過していない定年前再任用短時間勤務職員以外の職員を当該短時間勤務の職に昇任し、降任し、又は転任することができない。

5項

任命権者は、定年前再任用短時間勤務職員を、常時勤務を要する職に昇任し、降任し、又は転任することができない。

6項

第一項の規定による採用については、の規定は、適用しない

1項

地方公共団体の組合を組織する地方公共団体の任命権者は、本文の規定によるほか、当該地方公共団体の組合の条例年齢以上退職者を、条例で定めるところにより、従前の勤務実績 その他の人事委員会規則で定める情報に基づく選考により、短時間勤務の職に採用することができる。

2項

地方公共団体の組合の任命権者は、本文の規定によるほか、当該地方公共団体の組合を組織する地方公共団体の条例年齢以上退職者を、条例で定めるところにより、従前の勤務実績 その他の地方公共団体の組合の規則(競争試験等を行う公平委員会を置く地方公共団体の組合においては、公平委員会規則)で定める情報に基づく選考により、短時間勤務の職に採用することができる。

3項

前二項の場合においては、ただし書 及びの規定を準用する。

第三節 人事評価

1項

職員の人事評価は、公正に行われなければならない。

2項

任命権者は、人事評価を任用、給与、分限 その他の人事管理の基礎として活用するものとする。

1項

職員の執務については、その任命権者は、定期的に人事評価を行わなければならない。

2項

人事評価の基準 及び方法に関する事項 その他人事評価に関し必要な事項は、任命権者が定める。

3項

前項の場合において、任命権者が地方公共団体の長 及び議会の議長以外の者であるときは、同項に規定する事項について、あらかじめ、地方公共団体の長に協議しなければならない。

1項

任命権者は、の人事評価の結果に応じた措置を講じなければならない。

1項

人事委員会は、人事評価の実施に関し、任命権者に勧告することができる。

第四節 給与、勤務時間その他の勤務条件

1項

職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。

2項

職員の給与は、生計費 並びに国 及び他の地方公共団体の職員 並びに民間事業の従事者の給与 その他の事情を考慮して定められなければならない。

3項

職員は、他の職員の職を兼ねる場合においても、これに対して給与を受けてはならない。

4項

職員の勤務時間 その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国 及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

5項

職員の給与、勤務時間 その他の勤務条件は、条例で定める。

1項

職員の給与は、の規定による給与に関する条例に基づいて支給されなければならず、また、これに基づかずには、いかなる金銭 又は有価物も職員に支給してはならない。

2項

職員の給与は、法律 又は条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。

3項

給与に関する条例には、次に掲げる事項を規定するものとする。

一 号
給料表
二 号
等級別基準職務表
三 号
昇給の基準に関する事項
四 号

時間外勤務手当、夜間勤務手当 及び休日勤務手当に関する事項

五 号

前号に規定するものを除くほか、に規定する手当を支給する場合には、当該手当に関する事項

六 号

非常勤の職 その他勤務条件の特別な職があるときは、これらについて行う給与の調整に関する事項

七 号

前各号に規定するものを除くほか、給与の支給方法 及び支給条件に関する事項

4項

前項第一号の給料表には、職員の職務の複雑、困難 及び責任の度に基づく等級ごとに明確な給料額の幅を定めていなければならない。

5項

第三項第二号の等級別基準職務表には、職員の職務を前項の等級ごとに分類する際に基準となるべき職務の内容を定めていなければならない。

1項

人事委員会は、毎年少くとも一回、給料表が適当であるかどうかについて、地方公共団体の議会 及び長に同時に報告するものとする。


給与を決定する諸条件の変化により、給料表に定める給料額を増減することが適当であると認めるときは、あわせて適当な勧告をすることができる。

1項

任命権者は、職員(臨時的に任用される職員 その他の法律により任期を定めて任用される職員 及び非常勤職員を除く。以下この条 及びにおいて同じ。)が申請した場合において、公務の運営に支障がなく、かつ、当該職員の公務に関する能力の向上に資すると認めるときは、条例で定めるところにより、当該職員が、大学 その他の条例で定める教育施設における修学のため、当該修学に必要と認められる期間として条例で定める期間中、一週間の勤務時間の一部について勤務しないこと(以下この条において「修学部分休業」という。)を承認することができる。

2項

前項の規定による承認は、修学部分休業をしている職員が休職 又は停職の処分を受けた場合には、その効力を失う。

3項

職員が第一項の規定による承認を受けて勤務しない場合には、条例で定めるところにより、減額して給与を支給するものとする。

4項

前三項に定めるもののほか、修学部分休業に関し必要な事項は、条例で定める。

1項

任命権者は、高年齢として条例で定める年齢に達した職員が申請した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、条例で定めるところにより、当該職員が当該条例で定める年齢に達した日以後の日で当該申請において示した日から当該職員に係る定年退職日(に規定する定年退職日をいう。)までの期間中、一週間の勤務時間の一部について勤務しないこと(次項において「高齢者部分休業」という。)を承認することができる。

2項

の規定は、高齢者部分休業について準用する。

第四節の二 休業

1項

職員の休業は、自己啓発等休業、配偶者同行休業、育児休業 及び大学院修学休業とする。

2項

育児休業 及び大学院修学休業については、別に法律で定めるところによる。

1項

任命権者は、職員(臨時的に任用される職員 その他の法律により任期を定めて任用される職員 及び非常勤職員を除く。以下この条 及び第八項 及び第九項除く)において同じ。)が申請した場合において、公務の運営に支障がなく、かつ、当該職員の公務に関する能力の向上に資すると認めるときは、条例で定めるところにより、当該職員が、三年を超えない範囲内において条例で定める期間、大学等課程の履修(大学 その他の条例で定める教育施設の課程の履修をいう。第五項において同じ。)又は国際貢献活動(国際協力の促進に資する外国における奉仕活動(当該奉仕活動を行うために必要な国内における訓練 その他の準備行為を含む。)のうち職員として参加することが適当であると認められるものとして条例で定めるものに参加することをいう。第五項において同じ。)のための休業(以下この条において「自己啓発等休業」という。)をすることを承認することができる。

2項

自己啓発等休業をしている職員は、自己啓発等休業を開始した時 就いていた職 又は自己啓発等休業の期間中に異動した職を保有するが、職務に従事しない。

3項

自己啓発等休業をしている期間については、給与を支給しない。

4項

自己啓発等休業の承認は、当該自己啓発等休業をしている職員が休職 又は停職の処分を受けた場合には、その効力を失う。

5項

任命権者は、自己啓発等休業をしている職員が当該自己啓発等休業の承認に係る大学等課程の履修 又は国際貢献活動を取りやめたこと その他条例で定める事由に該当すると認めるときは、当該自己啓発等休業の承認を取り消すものとする。

6項

前各項に定めるもののほか、自己啓発等休業に関し必要な事項は、条例で定める。

1項

任命権者は、職員が申請した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、条例で定めるところにより、当該申請をした職員の勤務成績 その他の事情を考慮した上で、当該職員が、三年を超えない範囲内において条例で定める期間、配偶者同行休業(職員が、外国での勤務 その他の条例で定める事由により外国に住所 又は居所を定めて滞在するその配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。第五項 及び第六項において同じ。)と、当該住所 又は居所において生活を共にするための休業をいう。以下この条において同じ。)をすることを承認することができる。

2項

配偶者同行休業をしている職員は、当該配偶者同行休業を開始した日から引き続き配偶者同行休業をしようとする期間が前項の条例で定める期間を超えない範囲内において、条例で定めるところにより、任命権者に対し、配偶者同行休業の期間の延長を申請することができる。

3項

配偶者同行休業の期間の延長は、条例で定める特別の事情がある場合を除き一回に限るものとする。

4項

第一項の規定は、配偶者同行休業の期間の延長の承認について準用する。

5項

配偶者同行休業の承認は、当該配偶者同行休業をしている職員が休職 若しくは停職の処分を受けた場合 又は当該配偶者同行休業に係る配偶者が死亡し、若しくは当該職員の配偶者でなくなつた場合には、その効力を失う。

6項

任命権者は、配偶者同行休業をしている職員が当該配偶者同行休業に係る配偶者と生活を共にしなくなつたこと その他条例で定める事由に該当すると認めるときは、当該配偶者同行休業の承認を取り消すものとする。

7項

任命権者は、第一項 又は第二項の規定による申請があつた場合において、当該申請に係る期間(以下この項 及び次項において「申請期間」という。)について職員の配置換え その他の方法によつて当該申請をした職員の業務を処理することが困難であると認めるときは、条例で定めるところにより、当該業務を処理するため、次の各号に掲げる任用のいずれかを行うことができる。


この場合において、第二号に掲げる任用は、申請期間について一年を超えて行うことができない。

一 号

申請期間を任用の期間(以下この条において「任期」という。)の限度として行う任期を定めた採用

二 号

申請期間を任期の限度として行う臨時的任用

8項

任命権者は、条例で定めるところにより、前項の規定により任期を定めて採用された職員の任期が申請期間に満たない場合には、当該申請期間の範囲内において、その任期を更新することができる。

9項

任命権者は、第七項の規定により任期を定めて採用された職員を、任期を定めて採用した趣旨に反しない場合に限り、その任期中、他の職に任用することができる。

10項

第七項の規定に基づき臨時的任用を行う場合には、の規定は、適用しない

11項

及びの規定は、配偶者同行休業について準用する。

第五節 分限及び懲戒

1項
全て職員の分限 及び懲戒については、公正でなければならない。
2項
職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、又は免職されず、この法律 又は条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して、休職され、又は降給されることがない。
3項

職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない。

1項

職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。

一 号

人事評価 又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合

二 号

心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合

三 号

前二号に規定する場合のほか、その職に必要な適格性を欠く場合

四 号

職制 若しくは定数の改廃 又は予算の減少により廃職 又は過員を生じた場合

2項

職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを休職することができる。

一 号

心身の故障のため、長期の休養を要する場合

二 号

刑事事件に関し起訴された場合

3項

職員の意に反する降任、免職、休職 及び降給の手続 及び効果は、法律に特別の定がある場合を除くほか、条例で定めなければならない。

4項

職員は、除く)のいずれかに該当するに至つたときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う。

1項

任命権者は、管理監督職(に規定する管理職手当を支給される職員の職 及びこれに準ずる職であつて条例で定める職をいう。以下において同じ。)を占める職員でその占める管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している職員について、異動期間(当該管理監督職勤務上限年齢に達した日の翌日から同日以後における最初の四月一日までの間をいう。以下において同じ。)(の規定により延長された期間を含む。以下この項において同じ。)に、管理監督職以外の職 又は管理監督職勤務上限年齢が当該職員の年齢を超える管理監督職(以下この項 及び第四項においてこれらの職を「他の職」という。)への降任 又は転任(降給を伴う転任に限る)をするものとする。


ただし、異動期間に、この法律の他の規定により当該職員について他の職への昇任、降任 若しくは転任をした場合 又はの規定により当該職員を管理監督職を占めたまま引き続き勤務させることとした場合は、この限りでない。

2項
前項の管理監督職勤務上限年齢は、条例で定めるものとする。
3項
管理監督職 及び管理監督職勤務上限年齢を定めるに当たつては、国 及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。
4項

第一項本文の規定による他の職への降任 又は転任(以下 及びただし書において「他の職への降任等」という。)を行うに当たつて任命権者が遵守すべき基準に関する事項 その他の他の職への降任等に関し必要な事項は、条例で定める。

1項

任命権者は、採用し、昇任し、降任し、又は転任しようとする管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している者を、その者が当該管理監督職を占めているものとした場合における異動期間の末日の翌日(他の職への降任等をされた職員にあつては、当該他の職への降任等をされた日)以後、当該管理監督職に採用し、昇任し、降任し、又は転任することができない。

1項

の規定は、臨時的に任用される職員 その他の法律により任期を定めて任用される職員には適用しない

1項

任命権者は、他の職への降任等をすべき管理監督職を占める職員について、次に掲げる事由があると認めるときは、条例で定めるところにより、当該職員が占める管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して一年を超えない期間内(当該期間内にに規定する定年退職日(以下この項 及び次項において「定年退職日」という。)がある職員にあつては、当該異動期間の末日の翌日から定年退職日までの期間内。第三項において同じ。)で当該異動期間を延長し、引き続き当該管理監督職を占める職員に、当該管理監督職を占めたまま勤務をさせることができる。

一 号
当該職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の他の職への降任等により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として条例で定める事由
二 号
当該職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の他の職への降任等により、当該管理監督職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として条例で定める事由
2項

任命権者は、前項 又はこの項の規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)が延長された管理監督職を占める職員について、前項各号に掲げる事由が引き続きあると認めるときは、条例で定めるところにより、延長された当該異動期間の末日の翌日から起算して一年を超えない期間内(当該期間内に定年退職日がある職員にあつては、延長された当該異動期間の末日の翌日から定年退職日までの期間内。第四項において同じ。)で延長された当該異動期間を更に延長することができる。


ただし、更に延長される当該異動期間の末日は、当該職員が占める管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して三年を超えることができない

3項

任命権者は、第一項の規定により異動期間を延長することができる場合を除き、他の職への降任等をすべき特定管理監督職群(職務の内容が相互に類似する複数の管理監督職であつて、これらの欠員を容易に補充することができない年齢別構成 その他の特別の事情がある管理監督職として人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める管理監督職をいう。以下この項において同じ。)に属する管理監督職を占める職員について、当該職員の他の職への降任等により、当該特定管理監督職群に属する管理監督職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として条例で定める事由があると認めるときは、条例で定めるところにより、当該職員が占める管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して一年を超えない期間内で当該異動期間を延長し、引き続き当該管理監督職を占めている職員に当該管理監督職を占めたまま勤務をさせ、又は当該職員を当該管理監督職が属する特定管理監督職群の他の管理監督職に降任し、若しくは転任することができる。

4項

任命権者は、第一項 若しくは第二項の規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)が延長された管理監督職を占める職員について前項に規定する事由があると認めるとき(第二項の規定により延長された当該異動期間を更に延長することができるときを除く)、又は前項 若しくはこの項の規定により異動期間(前三項 又はこの項の規定により延長された期間を含む。)が延長された管理監督職を占める職員について前項に規定する事由が引き続きあると認めるときは、条例で定めるところにより、延長された当該異動期間の末日の翌日から起算して一年を超えない期間内で延長された当該異動期間を更に延長することができる。

5項

前各項に定めるもののほか、これらの規定による異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)の延長 及び当該延長に係る職員の降任 又は転任に関し必要な事項は、条例で定める。

1項

職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の三月三十一日までの間において、条例で定める日( 及びただし書において「定年退職日」という。)に退職する。

2項

前項の定年は、国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるものとする。

3項

前項の場合において、地方公共団体における当該職員に関しその職務と責任に特殊性があること 又は欠員の補充が困難であることにより国の職員につき定められている定年を基準として定めることが実情に即さないと認められるときは、当該職員の定年については、条例で別の定めをすることができる。


この場合においては、国 及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

4項

前三項の規定は、臨時的に任用される職員 その他の法律により任期を定めて任用される職員 及び非常勤職員には適用しない

1項

任命権者は、定年に達した職員がの規定により退職すべきこととなる場合において、次に掲げる事由があると認めるときは、の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、当該職員に係る定年退職日の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を定め、当該職員を当該定年退職日において従事している職務に従事させるため、引き続き勤務させることができる。


ただしの規定により異動期間(これらの規定により延長された期間を含む。)を延長した職員であつて、定年退職日において管理監督職を占めている職員については、 又はの規定により当該定年退職日まで当該異動期間を延長した場合に限るものとし、当該期限は、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日の翌日から起算して三年を超えることができない

一 号

の規定により退職すべきこととなる職員の職務の遂行上の特別の事情を勘案して、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として条例で定める事由

二 号

の規定により退職すべきこととなる職員の職務の特殊性を勘案して、当該職員の退職により、当該職員が占める職の欠員の補充が困難となることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として条例で定める事由

2項

任命権者は、前項の期限 又はこの項の規定により延長された期限が到来する場合において、前項各号に掲げる事由が引き続きあると認めるときは、条例で定めるところにより、これらの期限の翌日から起算して一年を超えない範囲内で期限を延長することができる。


ただし、当該期限は、当該職員に係る定年退職日(同項ただし書に規定する職員にあつては、当該職員が占めている管理監督職に係る異動期間の末日)の翌日から起算して三年を超えることができない

3項

前二項に定めるもののほか、これらの規定による勤務に関し必要な事項は、条例で定める。

1項

職員が次の各号いずれかに該当する場合には、当該職員に対し、懲戒処分として戒告、減給、停職 又は免職の処分をすることができる。

一 号

この法律 若しくはに規定する特例を定めた法律 又はこれらに基づく条例、地方公共団体の規則 若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合

二 号

職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合

三 号

全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

2項

職員が、任命権者の要請に応じ当該地方公共団体の特別職に属する地方公務員、他の地方公共団体 若しくは特定地方独立行政法人の地方公務員、国家公務員 又は地方公社(地方住宅供給公社、地方道路公社 及び土地開発公社をいう。)その他その業務が地方公共団体 若しくは国の事務 若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち条例で定めるものに使用される者(以下この項において「特別職地方公務員等」という。)となるため退職し、引き続き特別職地方公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合(一の特別職地方公務員等として在職した後、引き続き一以上の特別職地方公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合を含む。)において、当該退職までの引き続く職員としての在職期間(当該退職前に同様の退職(以下この項において「先の退職」という。)、特別職地方公務員等としての在職 及び職員としての採用がある場合には、当該先の退職までの引き続く職員としての在職期間を含む。次項において「要請に応じた退職前の在職期間」という。)中に前項各号いずれかに該当したときは、当該職員に対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。

3項

定年前再任用短時間勤務職員(の規定により採用された職員に限る。以下この項において同じ。)が、条例年齢以上退職者となつた日までの引き続く職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)又はの規定によりかつて採用されて定年前再任用短時間勤務職員として在職していた期間中に第一項各号いずれかに該当したときは、当該職員に対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。

4項

職員の懲戒の手続 及び効果は、法律に特別の定めがある場合を除くほか、条例で定めなければならない。

1項

次に掲げる職員 及びこれに対する処分については、 及び 並びに平成二十六年法律第六十八号)の規定を適用しない

一 号

条件附採用期間中の職員

二 号

臨時的に任用された職員

2項

前項各号に掲げる職員の分限については、条例で必要な事項を定めることができる。

第六節 服務

1項

すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

1項

職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。

1項

職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則 及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

1項

職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

1項

職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。


その職を退いた後も、また、同様とする。

2項

法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職 又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。

3項

前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない

1項

職員は、法律 又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間 及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

1項

職員は、政党 その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。

2項

職員は、特定の政党 その他の政治的団体 又は特定の内閣 若しくは地方公共団体の執行機関を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、あるいは公の選挙 又は投票において特定の人 又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない。


ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域当該職員が都道府県の支庁 若しくは地方事務所 又はの指定都市の区 若しくは総合区に勤務する者であるときは、当該支庁 若しくは地方事務所 又は区 若しくは総合区の所管区域において、第一号から第三号まで 及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる。

一 号

公の選挙 又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること。

二 号

署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。

三 号

寄附金 その他の金品の募集に関与すること。

四 号

文書 又は図画を地方公共団体 又は特定地方独立行政法人の庁舎(特定地方独立行政法人にあつては、事務所。以下この号において同じ。)、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体 又は特定地方独立行政法人の庁舎、施設、資材 又は資金を利用し、又は利用させること。

五 号

前各号に定めるものを除く外、条例で定める政治的行為

3項

何人も前二項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め、職員をそそのかし、若しくはあおつてはならず、又は職員が前二項に規定する政治的行為をなし、若しくはなさないことに対する代償 若しくは報復として、任用、職務、給与 その他職員の地位に関してなんらかの利益 若しくは不利益を与え、与えようと企て、若しくは約束してはならない。

4項

職員は、前項に規定する違法な行為に応じなかつたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。

5項

本条の規定は、職員の政治的中立性を保障することにより、地方公共団体の行政 及び特定地方独立行政法人の業務の公正な運営を確保するとともに職員の利益を保護することを目的とするものであるという趣旨において解釈され、及び運用されなければならない。

1項

職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業 その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。


又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。

2項

職員で前項の規定に違反する行為をしたものは、その行為の開始とともに、地方公共団体に対し、法令 又は条例、地方公共団体の規則 若しくは地方公共団体の機関の定める規程に基いて保有する任命上又は雇用上の権利をもつて対抗することができなくなるものとする。

1項

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業 又は金融業 その他営利を目的とする私企業(以下この項 及びにおいて「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社 その他の団体の役員 その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業 若しくは事務にも従事してはならない。


ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員 及びに掲げる職員を除く)については、この限りでない。

2項

人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。

第六節の二 退職管理

1項

職員(臨時的に任用された職員、条件付採用期間中の職員 及び非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員を除く)を除く。以下 及びにおいて同じ。)であつた者であつて離職後に営利企業等(営利企業 及び営利企業以外の法人(国、国際機関、地方公共団体、独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号に規定する行政執行法人 及び特定地方独立行政法人を除く)をいう。以下同じ。)の地位に就いている者(退職手当通算予定職員であつた者であつて引き続いて退職手当通算法人の地位に就いている者 及び公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律平成十二年法律第五十号に規定する退職派遣者を除く。以下「再就職者」という。)は、離職前五年間に在職していた地方公共団体の執行機関の組織(当該執行機関(当該執行機関の附属機関を含む。)の補助機関 及び当該執行機関の管理に属する機関の総体をいう。において同じ。)若しくは議会の事務局(事務局を置かない場合には、これに準ずる組織。において同じ。)若しくは特定地方独立行政法人(以下「地方公共団体の執行機関の組織等」という。)の職員 若しくは特定地方独立行政法人の役員(以下「役職員」という。)又はこれらに類する者として人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則。以下この条第七項除く)、 及びにおいて同じ。)で定めるものに対し、当該地方公共団体 若しくは当該特定地方独立行政法人と当該営利企業等 若しくはその子法人(に規定する子法人の例を基準として人事委員会規則で定めるものをいう。以下同じ。)との間で締結される売買、貸借、請負 その他の契約 又は当該営利企業等 若しくはその子法人に対して行われる行政手続法平成五年法律第八十八号に規定する処分に関する事務(以下「契約等事務」という。)であつて離職前五年間の職務に属するものに関し、離職後二年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。

2項

前項の「退職手当通算法人」とは、に規定する地方独立行政法人 その他その業務が地方公共団体 又は国の事務 又は事業と密接な関連を有する法人のうち人事委員会規則で定めるもの(退職手当(これに相当する給付を含む。)に関する規程において、職員が任命権者 又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて当該法人の役員 又は当該法人に使用される者となつた場合に、職員としての勤続期間を当該法人の役員 又は当該法人に使用される者としての勤続期間に通算することと定められており、かつ、当該地方公共団体の条例において、当該法人の役員 又は当該法人に使用される者として在職した後引き続いて再び職員となつた者の当該法人の役員 又は当該法人に使用される者としての勤続期間を当該職員となつた者の職員としての勤続期間に通算することと定められている法人に限る)をいう。

3項

第一項の「退職手当通算予定職員」とは、任命権者 又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて退職手当通算法人(前項に規定する退職手当通算法人をいう。以下同じ。)の役員 又は退職手当通算法人に使用される者となるため退職することとなる職員であつて、当該退職手当通算法人に在職した後、特別の事情がない限り引き続いて選考による採用が予定されている者のうち人事委員会規則で定めるものをいう。

4項

第一項の規定によるもののほか、再就職者のうち、に規定する普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の長 又はこれに準ずる職であつて人事委員会規則で定めるものに離職した日の五年前の日より前に就いていた者は、当該職に就いていた時に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等の役職員 又はこれに類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、契約等事務であつて離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る)に属するものに関し、離職後二年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。

5項

第一項 及び前項の規定によるもののほか、再就職者は、在職していた地方公共団体の執行機関の組織等の役職員 又はこれに類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、当該地方公共団体 若しくは当該特定地方独立行政法人と営利企業等(当該再就職者が現にその地位に就いているものに限る)若しくはその子法人との間の契約であつて当該地方公共団体 若しくは当該特定地方独立行政法人においてその締結について自らが決定したもの又は当該地方公共団体 若しくは当該特定地方独立行政法人による当該営利企業等 若しくはその子法人に対するに規定する処分であつて自らが決定したものに関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならない。

6項

第一項 及び前二項の規定(第八項の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。)は、次に掲げる場合には適用しない

一 号

試験、検査、検定 その他の行政上の事務であつて、法律の規定に基づく行政庁による指定 若しくは登録 その他の処分(以下「指定等」という。)を受けた者が行う当該指定等に係るもの若しくは行政庁から委託を受けた者が行う当該委託に係るものを遂行するために必要な場合、又は地方公共団体 若しくは国の事務 若しくは事業と密接な関連を有する業務として人事委員会規則で定めるものを行うために必要な場合

二 号

行政庁に対する権利 若しくは義務を定めている法令の規定 若しくは地方公共団体 若しくは特定地方独立行政法人との間で締結された契約に基づき、権利を行使し、若しくは義務を履行する場合、行政庁の処分により課された義務を履行する場合 又はこれらに類する場合として人事委員会規則で定める場合

三 号

に規定する申請 又はに規定する届出を行う場合

四 号

に規定する一般競争入札 若しくはせり売りの手続 又は特定地方独立行政法人が公告して申込みをさせることによる競争の手続に従い、売買、貸借、請負 その他の契約を締結するために必要な場合

五 号

法令の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報の提供を求める場合(一定の日以降に公にすることが予定されている情報を同日前に開示するよう求める場合を除く

六 号

再就職者が役職員(これに類する者を含む。以下この号において同じ。)に対し、契約等事務に関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼することにより公務の公正性の確保に支障が生じないと認められる場合として人事委員会規則で定める場合において、人事委員会規則で定める手続により任命権者の承認を得て、再就職者が当該承認に係る役職員に対し、当該承認に係る契約等事務に関し、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼する場合

7項

職員は、前項各号に掲げる場合を除き、再就職者から第一項第四項 又は第五項の規定(次項の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。)により禁止される要求 又は依頼を受けたとき(において準用する第一項第四項 又は第五項の規定(において準用する次項の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。)により禁止される要求 又は依頼を受けたときを含む。)は、人事委員会規則 又は公平委員会規則で定めるところにより、人事委員会 又は公平委員会にその旨を届け出なければならない。

8項

地方公共団体は、その組織の規模 その他の事情に照らして必要があると認めるときは、再就職者のうち、国家行政組織法昭和二十三年法律第百二十号に規定する部長 又は課長の職に相当する職として人事委員会規則で定めるものに離職した日の五年前の日より前に就いていた者について、当該職に就いていた時に在職していた地方公共団体の執行機関の組織等の役職員 又はこれに類する者として人事委員会規則で定めるものに対し、契約等事務であつて離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る)に属するものに関し、離職後二年間、職務上の行為をするように、又はしないように要求し、又は依頼してはならないことを条例により定めることができる。

1項

任命権者は、職員 又は職員であつた者にの規定(の規定に基づく条例が定められているときは、当該条例の規定を含む。)に違反する行為(以下「規制違反行為」という。)を行つた疑いがあると思料するときは、その旨を人事委員会 又は公平委員会に報告しなければならない。

1項

任命権者は、職員 又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料して当該規制違反行為に関して調査を行おうとするときは、人事委員会 又は公平委員会にその旨を通知しなければならない。

2項

人事委員会 又は公平委員会は、任命権者が行う前項の調査の経過について、報告を求め、又は意見を述べることができる。

3項

任命権者は、第一項の調査を終了したときは、遅滞なく、人事委員会 又は公平委員会に対し、当該調査の結果を報告しなければならない。

1項

人事委員会 又は公平委員会は、の届出、の報告 又はその他の事由により職員 又は職員であつた者に規制違反行為を行つた疑いがあると思料するときは、任命権者に対し、当該規制違反行為に関する調査を行うよう求めることができる。

2項

及びの規定は、前項の規定により行われる調査について準用する。

1項

地方公共団体は、中 退職管理に関する規定の趣旨 及び当該地方公共団体の職員の離職後の就職の状況を勘案し、退職管理の適正を確保するために必要と認められる措置を講ずるものとする。

2項

地方公共団体は、の規定の円滑な実施を図り、又は前項の規定による措置を講ずるため必要と認めるときは、条例で定めるところにより、職員であつた者で条例で定めるものが、条例で定める法人の役員 その他の地位であつて条例で定めるものに就こうとする場合 又は就いた場合には、離職後条例で定める期間、条例で定める事項を条例で定める者に届け出させることができる。

1項

職員であつた者が在職していた地方公共団体(この条の規定により当該職員であつた者が在職していた地方公共団体とみなされる地方公共団体を含む。)の廃置分合により当該職員であつた者が在職していた地方公共団体(以下この条において「元在職団体」という。)の事務が他の地方公共団体に承継された場合には、当該他の地方公共団体を当該元在職団体と、当該他の地方公共団体の執行機関の組織 若しくは議会の事務局で当該元在職団体の執行機関の組織 若しくは議会の事務局に相当するものの職員 又はこれに類する者として当該他の地方公共団体の人事委員会規則で定めるものを当該元在職団体の執行機関の組織 若しくは議会の事務局の職員 又はこれに類する者として当該元在職団体の人事委員会規則で定めるものと、それぞれみなして、の規定(の規定に基づく条例が定められているときは当該条例の規定を含み、これらの規定に係る罰則を含む。)並びに 及びの規定を適用する。

第七節 研修

1項

職員には、その勤務能率の発揮 及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない。

2項

前項の研修は、任命権者が行うものとする。

3項

地方公共団体は、研修の目標、研修に関する計画の指針となるべき事項 その他研修に関する基本的な方針を定めるものとする。

4項

人事委員会は、研修に関する計画の立案 その他研修の方法について任命権者に勧告することができる。

第八節 福祉及び利益の保護

第一款 厚生福利制度

1項

地方公共団体は、職員の保健、元気回復 その他厚生に関する事項について計画を樹立し、これを実施しなければならない。

1項

職員の病気、負傷、出産、休業、災害、退職、障害 若しくは死亡 又はその被扶養者の病気、負傷、出産、死亡 若しくは災害に関して適切な給付を行なうための相互救済を目的とする共済制度が、実施されなければならない。

2項

前項の共済制度には、職員が相当年限忠実に勤務して退職した場合 又は公務に基づく病気 若しくは負傷により退職し、若しくは死亡した場合におけるその者 又はその遺族に対する退職年金に関する制度が含まれていなければならない。

3項

前項の退職年金に関する制度は、退職 又は死亡の時の条件を考慮して、本人 及びその退職 又は死亡の当時 その者が直接扶養する者のその後における適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならない。

4項

第一項の共済制度については、国の制度との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

5項

第一項の共済制度は、健全な保険数理を基礎として定めなければならない。

6項

第一項の共済制度は、法律によつてこれを定める。

第二款 公務災害補償

1項

職員が公務に因り死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、若しくは公務に因る負傷 若しくは疾病により死亡し、若しくは障害の状態となり、又は船員である職員が公務に因り行方不明となつた場合においてその者 又はその者の遺族 若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害は、補償されなければならない。

2項

前項の規定による補償の迅速かつ公正な実施を確保するため必要な補償に関する制度が実施されなければならない。

3項

前項の補償に関する制度には、次に掲げる事項が定められなければならない。

一 号

職員の公務上の負傷 又は疾病に対する必要な療養 又は療養の費用の負担に関する事項

二 号

職員の公務上の負傷 又は疾病に起因する療養の期間 又は船員である職員の公務による行方不明の期間におけるその職員の所得の喪失に対する補償に関する事項

三 号

職員の公務上の負傷 又は疾病に起因して、永久に、又は長期に所得能力を害された場合におけるその職員の受ける損害に対する補償に関する事項

四 号

職員の公務上の負傷 又は疾病に起因する死亡の場合におけるその遺族 又は職員の死亡の当時 その収入によつて生計を維持した者の受ける損害に対する補償に関する事項

4項

第二項の補償に関する制度は、法律によつて定めるものとし、当該制度については、国の制度との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

第三款 勤務条件に関する措置の要求

1項

職員は、給与、勤務時間 その他の勤務条件に関し、人事委員会 又は公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当な措置が執られるべきことを要求することができる。

1項

に規定する要求があつたときは、人事委員会 又は公平委員会は、事案について口頭審理 その他の方法による審査を行い、事案を判定し、その結果に基いて、その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、当該事項に関し権限を有する地方公共団体の機関に対し、必要な勧告をしなければならない。

1項

の規定による要求 及び審査、判定の手続 並びに審査、判定の結果執るべき措置に関し必要な事項は、人事委員会規則 又は公平委員会規則で定めなければならない。

第四款 不利益処分に関する審査請求

1項

任命権者は、職員に対し、懲戒 その他その意に反すると認める不利益な処分を行う場合においては、その際、当該職員に対し、処分の事由を記載した説明書を交付しなければならない。


ただし、他の職への降任等に該当する降任をする場合 又は他の職への降任等に伴い降給をする場合は、この限りでない。

2項

職員は、その意に反して不利益な処分を受けたと思うときは、任命権者に対し処分の事由を記載した説明書の交付を請求することができる。

3項

前項の規定による請求を受けた任命権者は、その日から十五日以内に、同項の説明書を交付しなければならない。

4項

第一項 又は第二項の説明書には、当該処分につき、人事委員会 又は公平委員会に対して審査請求をすることができる旨 及び審査請求をすることができる期間を記載しなければならない。

1項

に規定する処分を受けた職員は、人事委員会 又は公平委員会に対してのみ審査請求をすることができる。

2項

に規定する処分を除くほか、職員に対する処分については、審査請求をすることができない


職員がした申請に対する不作為についても、同様とする。

3項

第一項に規定する審査請求については、の規定を適用しない

1項

に規定する審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して三月以内にしなければならず、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。

1項

に規定する審査請求を受理したときは、人事委員会 又は公平委員会は、直ちにその事案を審査しなければならない。


この場合において、処分を受けた職員から請求があつたときは、口頭審理を行わなければならない。


口頭審理は、その職員から請求があつたときは、公開して行わなければならない。

2項

人事委員会 又は公平委員会は、必要があると認めるときは、当該審査請求に対する裁決を除き、審査に関する事務の一部を委員 又は事務局長に委任することができる。

3項

人事委員会 又は公平委員会は、第一項に規定する審査の結果に基いて、その処分を承認し、修正し、又は取り消し、及び必要がある場合においては、任命権者にその職員の受けるべきであつた給与 その他の給付を回復するため必要で且つ適切な措置をさせる等 その職員がその処分によつて受けた不当な取扱を是正するための指示をしなければならない。

1項

審査請求の手続 及び審査の結果執るべき措置に関し必要な事項は、人事委員会規則 又は公平委員会規則で定めなければならない。

1項

に規定する処分であつて人事委員会 又は公平委員会に対して審査請求をすることができるものの取消しの訴えは、審査請求に対する人事委員会 又は公平委員会の裁決を経た後でなければ、提起することができない

1項

職員の福祉 及び利益の保護は、適切であり、且つ、公正でなければならない。

第九節 職員団体

1項

この法律において「職員団体」とは、職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体 又はその連合体をいう。

2項

前項の「職員」とは、第五項に規定する職員以外の職員をいう。

3項

職員は、職員団体を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。


ただし、重要な行政上の決定を行う職員、重要な行政上の決定に参画する管理的地位にある職員、職員の任免に関して直接の権限を持つ監督的地位にある職員、職員の任免、分限、懲戒 若しくは服務、職員の給与 その他の勤務条件 又は職員団体との関係についての当局の計画 及び方針に関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが職員団体の構成員としての誠意と責任とに直接に抵触すると認められる監督的地位にある職員 その他職員団体との関係において当局の立場に立つて遂行すべき職務を担当する職員(以下「管理職員等」という。)と管理職員等以外の職員とは、同一の職員団体を組織することができず、管理職員等と管理職員等以外の職員とが組織する団体は、この法律にいう「職員団体」ではない。

4項

前項ただし書に規定する管理職員等の範囲は、人事委員会規則 又は公平委員会規則で定める。

5項

警察職員 及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない。

1項

職員団体は、条例で定めるところにより、理事 その他の役員の氏名 及び条例で定める事項を記載した申請書に規約を添えて人事委員会 又は公平委員会に登録を申請することができる。

2項

前項に規定する職員団体の規約には、少くとも左に掲げる事項を記載するものとする。

一 号
名称
二 号
目的 及び業務
三 号
主たる事務所の所在地
四 号

構成員の範囲 及びその資格の得喪に関する規定

五 号

理事 その他の役員に関する規定

六 号

第三項に規定する事項を含む業務執行、会議 及び投票に関する規定

七 号

経費 及び会計に関する規定

八 号

他の職員団体との連合に関する規定

九 号

規約の変更に関する規定

十 号
解散に関する規定
3項

職員団体が登録される資格を有し、及び引き続き登録されているためには、規約の作成 又は変更、役員の選挙 その他これらに準ずる重要な行為が、すべての構成員が平等に参加する機会を有する直接且つ秘密の投票による全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によつて決定される旨の手続を定め、且つ、現実に、その手続によりこれらの重要な行為が決定されることを必要とする。


但し、連合体である職員団体にあつては、すべての構成員が平等に参加する機会を有する構成団体ごとの直接且つ秘密の投票による投票者の過半数で代議員を選挙し、すべての代議員が平等に参加する機会を有する直接且つ秘密の投票によるその全員の過半数(役員の選挙については、投票者の過半数)によつて決定される旨の手続を定め、且つ、現実に、その手続により決定されることをもつて足りるものとする。

4項

前項に定めるもののほか、職員団体が登録される資格を有し、及び引き続き登録されているためには、当該職員団体が同一の地方公共団体に属するに規定する職員以外の職員のみをもつて組織されていることを必要とする。


ただしに規定する職員以外の職員であつた者でその意に反して免職され、若しくは懲戒処分としての免職の処分を受け、当該処分を受けた日の翌日から起算して一年以内のもの又はその期間内に当該処分について法律の定めるところにより審査請求をし、若しくは訴えを提起し、これに対する裁決 若しくは裁判が確定するに至らないものを構成員にとどめていること、及び当該職員団体の役員である者を構成員としていることを妨げない。

5項

人事委員会 又は公平委員会は、登録を申請した職員団体が前三項の規定に適合するものであるときは、条例で定めるところにより、規約 及び第一項に規定する申請書の記載事項を登録し、当該職員団体にその旨を通知しなければならない。


この場合において、職員でない者の役員就任を認めている職員団体を、そのゆえをもつて登録の要件に適合しないものと解してはならない。

6項

登録を受けた職員団体が職員団体でなくなつたとき、登録を受けた職員団体について第二項から第四項までの規定に適合しない事実があつたとき、又は登録を受けた職員団体が第九項の規定による届出をしなかつたときは、人事委員会 又は公平委員会は、条例で定めるところにより、六十日を超えない範囲内で当該職員団体の登録の効力を停止し、又は当該職員団体の登録を取り消すことができる。

7項

前項の規定による登録の取消しに係る聴聞の期日における審理は、当該職員団体から請求があつたときは、公開により行わなければならない。

8項

第六項の規定による登録の取消しは、当該処分の取消しの訴えを提起することができる期間内 及び当該処分の取消しの訴えの提起があつたときは当該訴訟が裁判所に係属する間は、その効力を生じない。

9項

登録を受けた職員団体は、その規約 又は第一項に規定する申請書の記載事項に変更があつたときは、条例で定めるところにより、人事委員会 又は公平委員会にその旨を届け出なければならない。


この場合においては、第五項の規定を準用する。

10項

登録を受けた職員団体は、解散したときは、条例で定めるところにより、人事委員会 又は公平委員会にその旨を届け出なければならない。

1項

地方公共団体の当局は、登録を受けた職員団体から、職員の給与、勤務時間 その他の勤務条件に関し、及びこれに附帯して、社交的 又は厚生的活動を含む適法な活動に係る事項に関し、適法な交渉の申入れがあつた場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする。

2項

職員団体と地方公共団体の当局との交渉は、団体協約を締結する権利を含まないものとする。

3項

地方公共団体の事務の管理 及び運営に関する事項は、交渉の対象とすることができない

4項

職員団体が交渉することのできる地方公共団体の当局は、交渉事項について適法に管理し、又は決定することのできる地方公共団体の当局とする。

5項

交渉は、職員団体と地方公共団体の当局があらかじめ取り決めた員数の範囲内で、職員団体がその役員の中から指名する者と地方公共団体の当局の指名する者との間において行なわなければならない。


交渉に当たつては、職員団体と地方公共団体の当局との間において、議題、時間、場所 その他必要な事項をあらかじめ取り決めて行なうものとする。

6項

前項の場合において、特別の事情があるときは、職員団体は、役員以外の者を指名することができるものとする。


ただし、その指名する者は、当該交渉の対象である特定の事項について交渉する適法な委任を当該職員団体の執行機関から受けたことを文書によつて証明できる者でなければならない。

7項

交渉は、前二項の規定に適合しないこととなつたとき、又は他の職員の職務の遂行を妨げ、若しくは地方公共団体の事務の正常な運営を阻害することとなつたときは、これを打ち切ることができる。

8項

本条に規定する適法な交渉は、勤務時間中においても行なうことができる。

9項

職員団体は、法令、条例、地方公共団体の規則 及び地方公共団体の機関の定める規程にてい触しない限りにおいて、当該地方公共団体の当局と書面による協定を結ぶことができる。

10項

前項の協定は、当該地方公共団体の当局 及び職員団体の双方において、誠意と責任をもつて履行しなければならない。

11項

職員は、職員団体に属していないという理由で、第一項に規定する事項に関し、不満を表明し、又は意見を申し出る自由を否定されてはならない。

1項

職員は、職員団体の業務にもつぱら従事することができない


ただし、任命権者の許可を受けて、登録を受けた職員団体の役員としてもつぱら従事する場合は、この限りでない。

2項

前項ただし書の許可は、任命権者が相当と認める場合に与えることができるものとし、これを与える場合においては、任命権者は、その許可の有効期間を定めるものとする。

3項

第一項ただし書の規定により登録を受けた職員団体の役員として専ら従事する期間は、職員としての在職期間を通じて五年地方公営企業等の労働関係に関する法律(昭和二十七年法律第二百八十九号)第六条第一項ただし書(同法附則第五項において準用する場合を含む。)の規定により労働組合の業務に専ら従事したことがある職員については、五年からその専ら従事した期間を控除した期間)を超えることができない

4項

第一項ただし書の許可は、当該許可を受けた職員が登録を受けた職員団体の役員として当該職員団体の業務にもつぱら従事する者でなくなつたときは、取り消されるものとする。

5項

第一項ただし書の許可を受けた職員は、その許可が効力を有する間は、休職者とし、いかなる給与も支給されず、また、その期間は、退職手当の算定の基礎となる勤続期間に算入されないものとする。

6項

職員は、条例で定める場合を除き、給与を受けながら、職員団体のためその業務を行ない、又は活動してはならない。

1項

職員は、職員団体の構成員であること、職員団体を結成しようとしたこと、若しくはこれに加入しようとしたこと 又は職員団体のために正当な行為をしたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。