この法律は、外国貿易 その他の対外取引において生ずる為替取引の制限 その他通常の保険によつて救済することができない危険を保険する制度を確立することによつて、外国貿易 その他の対外取引の健全な発達を図ることを目的とする。
貿易保険法
第一章 総則
この法律において「輸出契約」とは、本邦内で生産され、加工され、又は集荷される貨物を輸出する契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
この法律において「輸出者」とは、輸出契約の当事者であつて、貨物を輸出するものをいう。
この法律において「仲介貿易契約」とは、本邦法人 又は本邦人が一の外国の地域において生産され、加工され、又は集荷される貨物を他の外国の地域に販売し、又は賃貸する契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
この法律において「仲介貿易者」とは、仲介貿易契約の当事者であつて、貨物を販売し、又は賃貸するものをいう。
この法律において「技術提供契約」とは、本邦法人 又は本邦人が外国の政府、地方公共団体 若しくはこれらに準ずる者(以下「外国政府等」という。)、外国法人 又は外国人に対して、技術の提供 又はこれに伴う労務の提供をする契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
この法律において「技術提供者」とは、技術提供契約の当事者であつて、技術の提供 又はこれに伴う労務の提供をするものをいう。
この法律において「供給契約」とは、輸出者が輸出契約に基づいて輸出すべき貨物を本邦内で生産し、加工し、又は集荷して当該輸出者に引き渡す契約をいう。
この法律において「生産者」とは、輸出する目的をもつて本邦内で貨物を生産し、加工し、又は集荷する者をいう。
この法律において「出資外国法人等」とは、本邦法人 又は本邦人の出資に係る外国法人 又は外国人(本邦法人 又は本邦人と役員の派遣 その他の継続的な経済関係を有する外国法人 又は外国人を含む。)であつて、経済産業省令で定めるものをいう。
この法律において「出資外国法人等販売契約」とは、出資外国法人等が、その本店 又は主たる事務所が所在する外国の地域において生産され、加工され、又は集荷される貨物を販売し、又は賃貸する契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
この法律において「出資外国法人等仲介貿易契約」とは、出資外国法人等が一の国(出資外国法人等の本店 又は主たる事務所が所在する外国を除く。)の地域において生産され、加工され、又は集荷される貨物を他の国(出資外国法人等の本店 又は主たる事務所が所在する外国を除く。)の地域に販売し、又は賃貸する契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
この法律において「出資外国法人等技術提供契約」とは、出資外国法人等が技術の提供 又はこれに伴う労務の提供をする契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
この法律において「貿易代金貸付」とは、本邦法人 若しくは本邦人 又は国際機関、外国政府等、外国法人 若しくは外国人が行う国際機関、外国政府等、外国法人 若しくは外国人に対する次に掲げるものの支払に充てられる資金に充てられる貸付金に係る債権 若しくは当該資金を調達するために発行される国際機関、外国政府等 若しくは外国法人の公債、社債 その他これらに準ずる債券(以下「貿易代金貸付金債権等」という。)の取得 又は当該資金に充てられる国際機関、外国政府等、外国法人 若しくは外国人の借入金 若しくは当該資金を調達するために発行される国際機関、外国政府等 若しくは外国法人の公債、社債 その他これらに準ずる債券に係る保証債務(保証債務を履行した場合に、その履行した者がその履行した金額につき主たる債務者に対する求償権を取得するものとされるものに限る。)の負担をいう。
この法律において「輸出保証」とは、次に掲げる保証であつて、保証金額 その他政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
輸出契約 又は技術提供契約に関する入札(以下「入札」という。)の条件に含まれる保証条項に従い入札に基づく債務について当該入札の相手方に対してする保証(違約金 その他これに類する金銭を支払い、又はその支払に代えて主たる債務の全部 若しくは一部を主たる債務者に代わつて履行し、若しくは第三者に履行させる旨の保証をいう。次号において同じ。)
前二号に掲げる保証(前二号に掲げる保証に係る保証であつて、この号に該当するものを含む。)をした者(以下「保証人」という。)がその保証の条件に従い保証債務を履行した場合における主たる債務者の当該保証人に対する賠償債務について当該保証人に対してする金銭の支払の保証
この法律において「前払購入契約」とは、本邦法人 又は本邦人が一の外国の地域において生産され、加工され、又は集荷される貨物(本邦 又は他の外国の地域に引き渡されるものに限る。)を購入する契約のうち、その貨物の代金 又は賃借料の全部 又は一部を当該貨物の船積期日前に支払うことを条件とする契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
この法律において「前払購入者」とは、前払購入契約の当事者であつて、貨物を購入するものをいう。
この法律において「海外投資」とは、本邦法人、本邦人 又は出資外国法人等が行う次に掲げるものをいう。
外国法人の株式 その他の持分(以下「株式等」という。)の取得
本邦外において行う事業の用に供する不動産 若しくは設備に関する権利 若しくは鉱業権、工業所有権 その他の権利 又はこれらに類する利益(以下「不動産に関する権利等」という。)の取得
この法律において「海外事業資金貸付」とは、本邦法人 若しくは本邦人 又は国際機関、外国政府等、外国法人 若しくは外国人が行う本邦法人 若しくは本邦人 若しくは国際機関、外国政府等、外国法人 若しくは外国人に対する本邦外において行う事業に必要な資金に充てられる貸付金に係る債権 若しくは当該資金を調達するために発行される本邦法人 若しくは国際機関、外国政府等 若しくは外国法人の公債、社債 その他これらに準ずる債券(以下「海外事業資金貸付金債権等」という。)の取得 又は当該資金に充てられる本邦法人 若しくは本邦人 若しくは国際機関、外国政府等、外国法人 若しくは外国人の借入金 若しくは当該資金を調達するために発行される本邦法人 若しくは国際機関、外国政府等 若しくは外国法人の公債、社債 その他これらに準ずる債券に係る保証債務(保証債務を履行した場合に、その履行した者がその履行した金額につき主たる債務者に対する求償権を取得するものとされるものに限る。)の負担をいう。
ただし、次に掲げるものにあつては、本邦法人 又は本邦人が輸出する貨物を使用する事業 その他の対外取引に係る事業のうち、対外取引の健全な発達を図るために特に必要な事業として経済産業省令で定める事業に必要なものに限る。
この法律において「信用状確認契約」とは、銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行 その他政令で定める者(以下「信用状確認者」という。)が、輸出契約、仲介貿易契約 又は技術提供契約に係る信用状を発行する者(以下「信用状発行者」という。)に対して、当該輸出契約に基づく貨物の代金 若しくは賃貸料、当該仲介貿易契約に基づく貨物の代金 若しくは賃貸料 又は当該技術提供契約に基づく技術 若しくは労務の提供の対価に相当する金額をそれぞれ輸出者、仲介貿易者 又は技術提供者に支払うことを約する契約をいう。
第二章 株式会社日本貿易保険
第一節 総則
株式会社日本貿易保険(以下「会社」という。)は、対外取引において生ずる通常の保険によつて救済することができない危険を保険する事業を行うことを目的とする株式会社とする。
政府は、常時、会社の発行済株式の総数を保有していなければならない。
政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、会社に出資することができる。
会社は、前項の規定による政府の出資があつたときは、会社法(平成十七年法律第八十六号)第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、当該出資された額の二分の一を超える額を資本金として計上しないことができる。
この場合において、
同条第一項中
「この法律」とあるのは、
「この法律 又は貿易保険法(昭和二十五年法律第六十七号)」と
する。
会社は、第一項の規定による政府の出資があつたときは、その出資により増加する資本金 又は準備金を、第二十条の二に定める経理の区分に従い、同条各号に掲げる業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。
会社でない者は、その商号中に株式会社日本貿易保険という文字を使用してはならない。
第二節 役員及び職員
会社の役員等(取締役、執行役 及び監査役をいう。以下同じ。)の選任 及び解任の決議は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
会社の代表取締役 又は代表執行役の選定 及び解職の決議は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
政府 又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、会社の役員等となることができない。
会社の役員等(非常勤の者を除く。以下この条において同じ。)は、会社以外の営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
ただし、経済産業大臣が役員等としての職務の執行に支障がないものと認めて承認したときは、この限りでない。
会社の役員等、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。次条において同じ。)及び職員は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
これらの者がその職を退いた後も、同様とする。
会社の役員等、会計参与 及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三節 業務
会社は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
次章の規定による貿易保険の事業を行うこと。
産業競争力強化法(平成二十五年法律第九十八号)第二十一条の二十二第五項(同法第二十一条の二十三第五項において準用する場合を含む。)の規定により意見を求められたときは、意見を述べること。
前二号の業務に附帯する業務を行うこと。
会社は、前項の業務のほか、同項の業務の遂行に支障のない範囲内で、次の業務を行うことができる。
貿易保険により塡補される損失と同種の損失についての保険(再保険を含む。)の事業を行う国際機関、外国政府等 又は外国法人を相手方として、これらの者が負う保険責任につき再保険を引き受けること。
貿易保険以外の保険(通常の保険を除く。)であつて対外取引の健全な発達を図るために必要なものとして政令で定めるものの引受けを行う本邦法人を相手方として、当該保険の引受けによつて当該法人が負う保険責任につき再保険を引き受けること。
会社による前項各号の再保険の引受けに係る再保険料率は、第一項の業務の健全な運営に支障を生ずることのないように定めなければならない。
会社は、第一項 及び第二項の業務のほか、経済産業大臣の認可を受けて、貿易保険により塡補される損失と同種の損失についての保険(再保険を含む。)の事業を行う外国法人に対する出資を行うことができる。
会社は、貿易保険により塡補される損失と同種の損失についての保険(再保険を含む。)の事業を行う国際機関、外国政府等 又は外国法人を相手方として、この法律により会社が負う保険責任につき再保険を行うことができる。
会社は、経済産業大臣の認可を受けて、金融機関に対し、第十二条第一項第一号の業務(保険契約の締結を除く。)の一部を委託することができる。
金融機関は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定による委託を受け、当該業務を行うことができる。
第一項の規定により業務の委託を受けた金融機関(以下「受託金融機関」という。)の役員 及び職員であつて当該委託業務に従事するものは、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
経済産業大臣は、会社が貿易保険の引受けを決定するに当たつて従うべき基準(次項 及び次条第一項において「貿易保険引受基準」という。)及び再保険の引受けを決定するに当たつて従うべき基準(次項 及び次条第一項において「再保険引受基準」という。)を定めるものとする。
経済産業大臣は、前項の規定により貿易保険引受基準 及び再保険引受基準を定めたときは、これを公表するものとする。
会社は、貿易保険 又は再保険の引受け(次条第一項に規定する特定引受けを除く。以下この条において同じ。)を行おうとするときは、貿易保険引受基準 又は再保険引受基準に従つて、貿易保険 又は再保険の引受けを決定しなければならない。
会社は、貿易保険 又は再保険の引受け(経済産業省令で定めるものに限る。)を決定しようとするときは、あらかじめ、経済産業大臣にその旨を通知し、相当の期間を定めて、意見を述べる機会を与えなければならない。
経済産業大臣は、会社が特定引受け(我が国の機械設備 その他の製品の海外の需要の開拓 又は我が国の経済活動が依拠している重要な物資の安定的な供給の確保による本邦企業の供給網の強靱化の対応のため特に必要な日本国政府と日本国以外の国の政府との間の取決めとして経済産業大臣が定める取決めに係る貿易保険 又は再保険の引受けをいう。以下同じ。)に係る第十二条第一項 及び第二項の業務(以下「特定引受業務」という。)を行うに当たつて従うべき指針(以下「特定引受業務指針」という。)を定め、これを公表するものとする。
特定引受業務指針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
特定引受業務の実施に関する基本的な事項(当該特定引受業務の実施に関し留意すべき事項を含む。)
経済産業大臣は、特定引受業務指針を勘案して、会社が特定引受けを決定するに当たつて従うべき基準(以下「特定引受基準」という。)を定めるものとする。
経済産業大臣は、前項の規定により特定引受基準を定めたときは、これを公表するものとする。
会社は、特定引受けを行おうとするときは、特定引受基準に従つて、特定引受けを決定しなければならない。
会社は、特定引受けを行うかどうかを決定しようとするときは、あらかじめ、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
経済産業大臣は、前項の認可の申請が特定引受基準に適合すると認めるときは、その認可をするものとする。
第四節 財務及び会計
会社の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わるものとする。
会社は、毎事業年度の開始前に、経済産業省令で定めるところにより、その事業年度の事業計画を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
会社の剰余金の配当 その他の剰余金の処分(損失の処理を除く。)の決議は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
会社は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書 その他経済産業省令で定める書類 及び事業報告書 並びにこれらの附属明細書(第八十一条第四号において「財務諸表」という。)を経済産業大臣に提出しなければならない。
会社は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
特定引受業務以外の業務
会社法第二百九十五条、第三百三十七条、第三百七十四条、第三百九十六条、第四百三十一条から第四百四十三条まで、第四百四十六条 及び第四百五十条から第四百五十四条までの規定は、前条の規定により会社が区分して行う経理について準用する。
この場合において、
同法第四百四十六条中
「株式会社の」とあるのは
「貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する」と、
「の合計額から第五号から第七号までに掲げる額」とあるのは
「であって当該剰余金の属する勘定に計上されるものの合計額から第五号から第七号までに掲げる額であって当該剰余金の属する勘定に計上されるもの」と、
同法第四百五十条第一項 及び第三項、第四百五十一条第一項 及び第三項、第四百五十三条 並びに第四百五十四条第一項、第二項 及び第五項中
「剰余金」とあるのは
「貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する剰余金」と、
同法第四百五十条第一項中
「資本金の額を」とあるのは
「同条の規定により設けられた勘定に属する資本金の額を」と、
同項第二号中
「資本金」とあるのは
「貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、
同法第四百五十一条第一項中
「準備金の額を」とあるのは
「同条の規定により設けられた勘定に属する準備金の額を」と、
同項第二号中
「準備金」とあるのは
「貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、
同法第四百五十二条中
「損失」とあるのは
「貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する損失」と、
「及び剰余金」とあるのは
「及び同条の規定により設けられた勘定に属する剰余金」と
読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第四百四十七条から第四百四十九条まで 並びに第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)の規定は、前条の規定により会社が区分して行う経理について準用する。
この場合において、
同法第四百四十七条第一項 及び第二項中
「資本金」とあるのは
「貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、
同条第一項第二号中
「を準備金」とあるのは
「を同条の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、
「及び準備金」とあるのは
「及び当該準備金」と、
同条第三項中
「に資本金」とあるのは
「に貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、
「の資本金」とあるのは
「の同条の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、
同法第四百四十八条第一項 及び第二項中
「準備金」とあるのは
「貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、
同条第一項第二号中
「を資本金」とあるのは
「を同条の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、
「及び資本金」とあるのは
「及び当該資本金」と、
同条第三項中
「に準備金」とあるのは
「に貿易保険法第二十条の二の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、
「の準備金」とあるのは
「の同条の規定により設けられた勘定に属する準備金」と
読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社が前条の規定により設けられた勘定に属する資本金の額を増加し、又は減少したときの会社の資本金の額は当該増加し、又は減少した後の会社の全ての勘定に属する資本金の額の合計額とし、会社が同条の規定により設けられた勘定に属する準備金の額を増加し、又は減少したときの会社の準備金の額は当該増加し、又は減少した後の会社の全ての勘定に属する準備金の額の合計額とする。
この場合において、会社法第四百四十七条から第四百五十一条まで 並びに第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
会社は、責任準備金の算出方法書を作成し、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
前項の算出方法書に記載すべき事項は、経済産業省令で定める。
経済産業大臣は、第一項の認可の申請があつたときは、経済産業省令で定める基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
経済産業大臣は、事情の変更により対外取引の健全な発達を図るため 又は被保険者 若しくは保険金を受け取るべき者の保護を図るため必要があると認めるときは、会社に対し、第一項の認可をした責任準備金の算出方法書に記載した事項を変更すべきことを命ずることができる。
会社は、経済産業省令で定めるところにより、毎事業年度末において、貿易保険の保険契約 又は再保険の契約(以下「保険契約等」という。)に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てなければならない。
会社は、毎事業年度末において、貿易保険の保険金 又は再保険の再保険金(以下「保険金等」という。)であつて保険契約等に基づいて支払義務が発生したもの(これに準ずるものとして経済産業省令で定めるものを含む。)がある場合において、保険金等の支出として計上していないものがあるときは、経済産業省令で定めるところにより、支払備金を積み立てなければならない。
会社は、社債を発行し、又は弁済期限が一年を超える資金を借り入れようとするときは、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
前項の規定は、会社が、社債券を失つた者に交付するために政令で定めるところにより社債券を発行し、当該社債券の発行により新たに債務を負担することとなる場合には、適用しない。
会社がこの条の規定により社債を発行し、又は資金を借り入れることによつて調達した資金は、第二十条の二に定める経理の区分に従い、同条各号に掲げる業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。
会社の社債権者は、会社の財産について他の債権者に先立つて自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、会社の第二十四条第一項の社債 又は借入金(弁済期限が一年を超えるものに限る。次条 及び第二十八条において同じ。)に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条第一項の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について、保証契約をすることができる。
政府は、前項の規定によるほか、会社が社債券 又はその利札を失つた者に交付するために政令で定めるところにより発行する社債券 又は利札に係る債務について、保証契約をすることができる。
会社は、毎事業年度の開始前に、経済産業省令で定めるところにより、社債 及び借入金の償還計画を立てて、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
政府は、会社が、第二十四条第一項の規定により、社債を発行し、又は資金を借り入れることによつても、なお第十二条第一項 若しくは第二項に規定する業務に要する費用 又は社債 若しくは借入金の償還に充てるための資金の調達をすることが困難であると認められるときは、予算で定める金額の範囲内において、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
会社は、次に掲げる方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
国債、地方債、政府保証債(その元本の償還 及び利息の支払について政府が保証する債券をいう。)その他経済産業大臣の指定する有価証券の取得
信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)への金銭信託
前各号に掲げる方法に準ずるものとして経済産業省令で定める方法
この法律 及びこの法律に基づく政令に規定するもののほか、会社の財務 及び会計に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
第五節 雑則
会社は、経済産業大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。
経済産業大臣は、会社の運営 又は管理について、法令 若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるとき その他この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社に対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
経済産業大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、会社 若しくは受託金融機関に対して報告をさせ、又はその職員に、会社 若しくは受託金融機関の事務所 その他の施設に立ち入り、帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。
ただし、受託金融機関に対しては、その委託を受けた業務の範囲内に限る。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
会社の定款の変更の決議は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
会社を当事者とする合併、会社分割、株式交換、株式交付、事業の全部 又は一部の譲渡 及び譲受け 並びに会社の解散については、会社法第二編第七章 及び第八章 並びに第五編第二章、第三章、第四章第一節 及び第四章の二の規定にかかわらず、別に法律で定める。
経済産業大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
第十四条第一項、第十八条、第十九条、第二十一条第一項、第二十四条第一項、第二十七条 又は第三十三条(会社が発行することができる株式の総数を変更するものに限る。)の認可をしようとするとき。
第十六条の二第一項の取決めを定めようとするとき。
第二十一条第二項 若しくは第三項、第二十二条 又は第二十九条第五号の経済産業省令を定めようとするとき。
第二十九条第一号 又は第二号の規定による指定をしようとするとき。
政府は、会社が外国政府等、外国法人 又は外国人に関する貿易保険 又は再保険に関して取得した債権 又は回収金を受ける権利(以下この条において「債権等」という。)についてその免除をし、又は放棄をした場合において、その免除 又は放棄をしたことが我が国が締結した条約 その他の国際約束に照らして特に必要なものであると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、会社に対し、その免除 又は放棄をした債権等の額の全部 又は一部に相当する額の交付金を交付することができる。
会社が、各事業年度について青色申告書を提出する法人である場合において、当該事業年度において、責任準備金の積立てに当たり、保険契約等に基づく債務の履行に備えるため、当該事業年度の決算において積み立てる責任準備金の金額のうち外国貿易 その他の対外取引において生ずる為替取引の制限 その他通常の保険によつて救済することができない危険で将来発生が見込まれるものを勘案して財務省令で定める金額以下の金額を損金経理(法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第七十二条第一項第一号に掲げる金額を計算する場合にあつては、同項に規定する期間に係る決算において費用 又は損失として経理することをいう。)の方法により異常危険準備金として積み立てたとき(当該事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法により異常危険準備金として積み立てたときを含む。)は、その積み立てた金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
会社の各事業年度開始の日の前日を含む事業年度において前項の規定により当該前日を含む事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された異常危険準備金の金額がある場合には、当該異常危険準備金の金額は、当該各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする事業年度の確定申告書等に異常危険準備金として積み立てた金額の損金算入に関する申告の記載があり、かつ、当該確定申告書等にその積み立てた金額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用する。
この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
事業年度
法人税法第十三条 及び第十四条に規定する事業年度をいう。
青色申告書
法人税法第二条第三十六号に規定する青色申告書をいう。
損金経理
法人税法第二条第二十五号に規定する損金経理をいう。
確定申告書等
租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第二条第二項第二十八号に規定する確定申告書等をいう。
前各項に定めるもののほか、会社が各事業年度終了の時において有する外国政府等を債務者とする金銭債権のうち当該外国政府等の長期にわたる債務の履行遅滞により弁済を受けることが著しく困難なものとして財務省令で定める金銭債権について法人税法第五十二条の規定を適用する場合における当該金銭債権に係る同条第一項に規定する個別貸倒引当金繰入限度額の特例 その他会社に対する法人税に関する法令の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第五条第一項の規定による政府の出資があつた場合において会社が受ける資本金の額の増加の登記については、登録免許税を課さない。
特定引受業務 及び第二十条の二第二号に掲げる業務に係る勘定(以下「特別勘定」という。)の廃止については、別に法律で定める。
会社は、特別勘定の廃止の際、特別勘定に残余があるときは、別に法律で定めるところにより、当該残余の額を国庫に納付しなければならない。
第三章 貿易保険
第一節 総則
貿易保険は、普通貿易保険、出資外国法人等貿易保険、貿易代金貸付保険、為替変動保険、輸出手形保険、輸出保証保険、前払購入保険、海外投資保険、海外事業資金貸付保険、スワップ取引保険 及び信用状確認保険とする。
会社は、貿易保険の保険料率 その他の引受けに関する条件(以下「引受条件」という。)を定め、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
経済産業大臣は、前項の規定による届出に係る引受条件が次の各号のいずれかに該当しないと認めるときは、会社に対し、期限を定めてその引受条件を変更すべきことを命ずることができる。
会社は、第一項の規定による届出をした引受条件以外の引受条件により、貿易保険を引き受けてはならない。
会社は、貿易保険の保険契約の保険契約者、被保険者 又は保険金を受け取るべき者がこの法律(これに基づく命令を含む。)の規定 又は貿易保険の保険契約の条項に違反したときは、当該保険契約に基づく保険金の全部 若しくは一部を支払わず、若しくは保険金の全部 若しくは一部を返還させ、又は将来にわたつて当該保険契約を解除することができる。
会社は、普通貿易保険、出資外国法人等貿易保険、貿易代金貸付保険、輸出保証保険、前払購入保険、海外投資保険、海外事業資金貸付保険、スワップ取引保険 若しくは信用状確認保険について第四十四条第二項、第四十八条第二項、第五十一条第二項、第六十二条第二項、第六十六条第二項、第六十九条第二項、第七十一条第二項、第七十四条第二項 若しくは第七十六条第二項に規定する損失が生じた場合 又は輸出手形保険について第五十七条第一項に規定する銀行等が荷為替手形の満期において支払を受けることができなかつた場合 若しくは荷為替手形につき遡求を受けて支払つた場合において、被保険者 又は保険金を受け取るべき者に対して保険金を支払つたときは、当該保険金の額に相当する金額を限度として、保険契約者 又は被保険者が第三者に対して有する権利を取得する。
一の契約が、輸出契約、仲介貿易契約 又は技術提供契約のうち二以上に該当する場合における第五節 及び第七節の規定の適用については、次に定めるところによる。
一の契約が、次号に規定する場合を除き、輸出契約 及び仲介貿易契約のいずれにも該当する場合、輸出契約 及び技術提供契約のいずれにも該当する場合 又は仲介貿易契約 及び技術提供契約のいずれにも該当する場合には、当該一の契約は、当該契約に基づく輸出貨物の代金の額 又は賃貸料の合計額(以下「輸出代金等」という。)が当該契約に基づく仲介貿易貨物(仲介貿易者が仲介貿易契約に基づいて販売し、又は賃貸する貨物をいう。以下同じ。)の代金の額 若しくは賃貸料の合計額(以下「仲介貿易代金等」という。)に等しく 若しくはこれを超え、又は当該契約に基づく技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供の対価の額(以下「技術提供対価等」という。)に等しく 若しくはこれを超えるときは輸出契約と、仲介貿易代金等が輸出代金等 又は技術提供対価等を超えるときは仲介貿易契約と、技術提供対価等が輸出代金等を超え、又は仲介貿易代金等に等しく 若しくはこれを超えるときは技術提供契約とみなす。
一の契約が輸出契約、仲介貿易契約 及び技術提供契約のいずれにも該当する場合には、当該一の契約は、仲介貿易代金等が輸出代金等 及び技術提供対価等を超えるときは仲介貿易契約と、技術提供対価等が輸出代金等を超え、かつ、仲介貿易代金等に等しく 又はこれを超えるときは技術提供契約と、その他のときは輸出契約とみなす。
前二号の規定により一の契約が輸出契約とみなされる場合には、当該契約の当事者であつて貨物の輸出 及び仲介貿易貨物の販売 若しくは賃貸 又は技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供をするもの、当該契約に基づく仲介貿易貨物の販売 若しくは賃貸 又は技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供 並びにその仲介貿易貨物の代金 若しくは賃貸料 又は当該技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供の対価は、それぞれ、輸出者、貨物(第五十四条第二項の規定を適用する場合にあつては同項の政令で定める貨物、第六十二条第二項の規定を適用する場合にあつては同項の政令で定める貨物)の輸出 及びその輸出貨物の代金とみなす。
第一号 又は第二号の規定により一の契約が技術提供契約とみなされる場合には、当該契約の当事者であつて技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供 及び貨物の輸出 又は仲介貿易貨物の販売 若しくは賃貸をするもの、当該契約に基づく貨物の輸出 又は仲介貿易貨物の販売 若しくは賃貸 並びにその輸出貨物の代金 若しくは賃貸料 又はその仲介貿易貨物の代金 若しくは賃貸料は、それぞれ、技術提供者、技術の提供 又はこれに伴う労務の提供(第六十二条第二項の規定を適用する場合にあつては、技術の提供 又はこれに伴う労務の提供であつて同項の政令で定めるもの)及びこれらの対価とみなす。
第二節 普通貿易保険
会社は、普通貿易保険を引き受けることができる。
普通貿易保険は、次の各号のいずれかに該当する損失を塡補する貿易保険とする。
輸出者が保険契約の締結後生じた次のいずれかに該当する事由によつて輸出契約に基づいて貨物を輸出することができなくなつたこと(イからホまで 又はヌのいずれかに該当する事由が生じたため当該貨物の輸出が著しく困難となつたと認められる場合において、輸出契約で定める船積期日から保険契約で定める期間を経過した日まで当該貨物を輸出することができなかつたことを含む。)により受ける損失(輸出貨物について生じた損失を除く。)又は仲介貿易者が保険契約の締結後生じた次のいずれかに該当する事由によつて仲介貿易契約に基づいて貨物を販売し、若しくは賃貸することができなくなつたこと(イからホまで 又はヌのいずれかに該当する事由が生じたため当該貨物の販売 又は賃貸が著しく困難となつたと認められる場合において、仲介貿易契約で定める船積期日から保険契約で定める期間を経過した日まで当該貨物を販売し、又は賃貸することができなかつたことを含む。)により受ける損失(仲介貿易貨物について生じた損失を除く。)
イからホまでに掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、輸出契約 又は仲介貿易契約の当事者の責めに帰することができないもの
外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)による輸出 又は仲介貿易貨物の販売 若しくは賃貸の制限 又は禁止(同法第二十五条の二 又は第五十三条の規定による禁止を除く。)
輸出契約 又は仲介貿易契約の相手方が当該輸出契約 若しくは仲介貿易契約を一方的に破棄したこと 又は当該相手方の責めに帰すべき相当の事由により輸出者 若しくは仲介貿易者が当該輸出契約 若しくは仲介貿易契約を解除したこと。
輸出契約 又は仲介貿易契約の相手方の保険契約で定める期間以上の債務の履行遅滞(当該輸出契約 又は仲介貿易契約に基づく債務以外の輸出者 又は仲介貿易者に対する債務に係るものを含み、輸出者 又は仲介貿易者の責めに帰することができないものに限る。)
輸出者が輸出契約に基づいて貨物を輸出した場合に次のいずれかに該当する事由によつて当該貨物の代金 若しくは賃貸料を回収することができないことにより受ける損失(仕向国における戦争、革命 又は内乱により輸出貨物について生じた損失以外の輸出貨物について生じた損失を除く。)、仲介貿易者が仲介貿易契約に基づいて貨物を販売し、若しくは賃貸した場合に次のいずれかに該当する事由によつて当該貨物の代金 若しくは賃貸料を回収することができないことにより受ける損失(仕向国における戦争、革命 又は内乱により仲介貿易貨物について生じた損失以外の仲介貿易貨物について生じた損失を除く。)又は技術提供者が技術提供契約に基づいて技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供をした場合に次のいずれかに該当する事由によつて当該技術 若しくは労務の提供の対価を回収することができないことにより受ける損失
イ 及びロに掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、輸出契約、仲介貿易契約 又は技術提供契約の当事者の責めに帰することができないもの
輸出契約、仲介貿易契約 又は技術提供契約の相手方の保険契約で定める期間以上の債務の履行遅滞(輸出者、仲介貿易者 又は技術提供者の責めに帰することができないものに限る。)
輸出者が第一号の損失 又は前号の損失(同号イからハまでのいずれかに該当する事由により受ける損失に限る。第四十六条第三項において同じ。)を受けたことによつて供給契約の当事者たる政令で定める貨物に係る生産者が供給契約に基づいて当該貨物を引き渡し、又は当該貨物の代金を回収することができなくなつたことにより受ける損失
輸出者、仲介貿易者 又は技術提供者が保険契約の締結後生じた第一号ロ、ホ 若しくはト 又は第二号イからハまでのいずれかに該当する事由により運賃 その他の政令で定める費用を新たに負担すべきこととなつたことにより受ける損失
前条第二項第二号の損失に係る普通貿易保険においては、輸出契約に基づく貨物の代金 若しくは賃貸料、仲介貿易契約に基づく貨物の代金 若しくは賃貸料 又は技術提供契約に基づく技術 若しくは労務の提供の対価(二以上の時期に分割して代金 又は対価の決済を受けるべきときは、一の時期において決済を受けるべき当該代金 又は対価の部分)の額を保険価額とする。
第四十四条第二項第一号の損失に係る普通貿易保険において会社が塡補すべき額は、輸出者が同号イからヌまでのいずれかに該当する事由により輸出することができなくなつた貨物(同号イからホまで 又はヌのいずれかに該当する事由が生じたためその輸出が著しく困難となつたと認められる場合において、輸出契約で定める船積期日から保険契約で定める期間を経過した日まで輸出することができなかつた貨物を含む。)の輸出契約に基づく代金の額 又は仲介貿易者が同号イからヌまでのいずれかに該当する事由により販売し、若しくは賃貸することができなくなつた貨物(同号イからホまで 又はヌのいずれかに該当する事由が生じたためその販売 又は賃貸が著しく困難となつたと認められる場合において、仲介貿易契約で定める船積期日から保険契約で定める期間を経過した日まで販売し、又は賃貸することができなかつた貨物を含む。)の仲介貿易契約に基づく代金の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険契約で定める一定の割合(以下「一定割合」という。)を乗じて得た金額とする。
貨物の輸出 又は販売 若しくは賃貸によつて取得すべきであつた利益(当該貨物に係る部分に限る。)の額
第四十四条第二項第二号の損失に係る普通貿易保険において会社が塡補すべき額は、保険価額のうち同号イからホまでのいずれかに該当する事由により輸出者 若しくは仲介貿易者 又は技術提供者が決済期限(同号ホに該当する事由によるときは、決済期限後保険契約で定める期間を経過した時。第二号において同じ。)までに回収することができない代金 若しくは賃貸料 又は対価の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
第四十四条第二項第三号の損失に係る普通貿易保険において会社が塡補すべき額は、輸出者が同項第一号の損失 又は同項第二号の損失を受けたことによつて生産者が供給契約に基づいて引き渡すことができなくなつた貨物の供給契約に基づく代金の額 又は供給契約に基づいて引き渡した貨物の代金の額のうち回収することができなくなつた金額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、一定割合を乗じて得た金額とする。
貨物の引渡しによつて取得すべきであつた利益(当該貨物に係る部分に限る。)の額
第四十四条第二項第四号の損失に係る普通貿易保険において会社が塡補すべき額は、輸出者、仲介貿易者 又は技術提供者が同項第一号ロ、ホ 若しくはト 又は第二号イからハまでのいずれかに該当する事由により新たに負担すべきこととなつた同項第四号の政令で定める費用の増加額から当該費用の増加額を新たに負担すべきこととなつたことにより取得した金額 又は取得し得べき金額を控除した残額に、一定割合を乗じて得た金額とする。
輸出契約が、一の契約で当該契約に基づいて一の外国の地域から他の外国の地域に貨物が引き渡されるもの(以下この項において「貨物引渡契約」という。)の当事者であつて貨物を引き渡すものに当該貨物引渡契約に基づく債務の一部の履行に必要な貨物を輸出するもの(輸出貨物の代金の全部 又は一部の決済期限が当該貨物引渡契約に基づく債務の履行の対価の全部 又は一部の受領の日を基準として定められているものに限る。)である場合における第四十四条第二項第一号の規定の適用については、
同号ヘ中
「又は仲介貿易契約」とあるのは
「、仲介貿易契約 又は貨物引渡契約(第四十七条第一項の貨物引渡契約をいう。以下この号において同じ。)」と、
同号チ中
「又は仲介貿易契約の相手方」とあるのは
「、仲介貿易契約 又は貨物引渡契約の相手方(貨物引渡契約にあつては、その当事者であつて、貨物の引渡しを受けるものをいう。以下この号において同じ。)」と、
「若しくは仲介貿易契約」とあるのは
「、仲介貿易契約 若しくは貨物引渡契約」と、
「若しくは仲介貿易者」とあるのは
「、仲介貿易者 若しくは貨物引渡契約の当事者であつて貨物を引き渡すもの」と、
同号リ中
「又は仲介貿易契約」とあるのは
「、仲介貿易契約 又は貨物引渡契約」と
する。
輸出契約 又は技術提供契約が、一の契約で当該契約に基づいて一の外国の地域から他の外国の地域に貨物が引き渡され、又は技術 若しくは労務が提供されるもの(以下この項において「貨物等提供契約」という。)の当事者であつて貨物を引き渡し、又は技術 若しくは労務を提供するものに当該貨物等提供契約に基づく債務の一部の履行に必要な貨物を輸出し、又は技術 若しくは労務を提供するもの(輸出貨物の代金 若しくは賃貸料 又は技術 若しくは労務の提供の対価の全部 又は一部の決済期限が当該貨物等提供契約に基づく債務の履行の対価の全部 又は一部の受領の日を基準として定められているものに限る。)である場合における第四十四条第二項第二号 及び前条第二項の規定の適用については、
同号ハ中
「又は技術提供契約」とあるのは
「、技術提供契約 又は貨物等提供契約(第四十七条第二項の貨物等提供契約をいう。以下この号 及び第四十六条第二項において同じ。)」と、
同号ニ中
「又は技術提供契約の相手方」とあるのは
「、技術提供契約 又は貨物等提供契約の相手方(貨物等提供契約にあつては、その当事者であつて、貨物の引渡し 又は技術 若しくは労務の提供を受けるものをいう。ホにおいて同じ。)」と、
同号ホ中
「又は技術提供契約」とあるのは
「、技術提供契約 又は貨物等提供契約」と、
同項中
「決済期限」とあるのは
「貨物等提供契約に基づく債務の履行の対価を受領すべき日を基準とする決済期限」と
する。
第三節 出資外国法人等貿易保険
会社は、出資外国法人等貿易保険を引き受けることができる。
出資外国法人等貿易保険は、次の各号のいずれかに該当する損失を塡補する貿易保険とする。
出資外国法人等が保険契約の締結後生じた次のいずれかに該当する事由によつて出資外国法人等販売契約に基づいて貨物を販売し、若しくは賃貸することができなくなつたこと(イからホまで 又はリのいずれかに該当する事由が生じたため当該貨物の販売 又は賃貸が著しく困難となつたと認められる場合において、出資外国法人等販売契約で定める船積期日(出資外国法人等が、当該貨物をその本店 又は主たる事務所が所在する外国の地域に販売し、又は賃貸する場合にあつては、引渡しの期日)から保険契約で定める期間を経過した日まで当該貨物を販売し、又は賃貸することができなかつたことを含む。)により受ける損失(出資外国法人等販売貨物(出資外国法人等が出資外国法人等販売契約に基づいて販売し、又は賃貸する貨物をいう。次号において同じ。)について生じた損失を除く。)又は出資外国法人等が保険契約の締結後生じた次のいずれかに該当する事由によつて出資外国法人等仲介貿易契約に基づいて貨物を販売し、若しくは賃貸することができなくなつたこと(イからホまで 又はリのいずれかに該当する事由が生じたため当該貨物の販売 又は賃貸が著しく困難となつたと認められる場合において、出資外国法人等仲介貿易契約で定める船積期日から保険契約で定める期間を経過した日まで当該貨物を販売し、又は賃貸することができなかつたことを含む。)により受ける損失(出資外国法人等仲介貿易貨物(出資外国法人等が出資外国法人等仲介貿易契約に基づいて販売し、又は賃貸する貨物をいう。同号において同じ。)について生じた損失を除く。)
仕向国(本邦を除く。ニ 及び次号において同じ。)において実施される輸入 又は販売 若しくは賃貸の制限 又は禁止
イからホまでに掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、出資外国法人等販売契約 又は出資外国法人等仲介貿易契約の当事者の責めに帰することができないもの
出資外国法人等販売契約 又は出資外国法人等仲介貿易契約の相手方(政令で定める者を除く。リにおいて同じ。)が当該出資外国法人等販売契約 若しくは出資外国法人等仲介貿易契約を一方的に破棄したこと 又は当該相手方の責めに帰すべき相当の事由により出資外国法人等が当該出資外国法人等販売契約 若しくは出資外国法人等仲介貿易契約を解除したこと。
出資外国法人等販売契約 又は出資外国法人等仲介貿易契約の相手方の保険契約で定める期間以上の債務の履行遅滞(当該出資外国法人等販売契約 又は出資外国法人等仲介貿易契約に基づく債務以外の出資外国法人等に対する債務に係るものを含み、出資外国法人等の責めに帰することができないものに限る。)
出資外国法人等が出資外国法人等販売契約に基づいて政令で定める貨物を販売し、若しくは賃貸した場合に次のいずれかに該当する事由によつて当該貨物の代金 若しくは賃貸料を回収することができないことにより受ける損失(仕向国における戦争、革命 又は内乱により出資外国法人等販売貨物について生じた損失以外の出資外国法人等販売貨物について生じた損失を除く。)、出資外国法人等が出資外国法人等仲介貿易契約に基づいて貨物を販売し、若しくは賃貸した場合に次のいずれかに該当する事由によつて当該貨物の代金 若しくは賃貸料を回収することができないことにより受ける損失(仕向国における戦争、革命 又は内乱により出資外国法人等仲介貿易貨物について生じた損失以外の出資外国法人等仲介貿易貨物について生じた損失を除く。)又は出資外国法人等が出資外国法人等技術提供契約に基づいて技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供をした場合に次のいずれかに該当する事由によつて当該技術 若しくは労務の提供の対価を回収することができないことにより受ける損失
イ 及びロに掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、出資外国法人等販売契約、出資外国法人等仲介貿易契約 又は出資外国法人等技術提供契約の当事者の責めに帰することができないもの
出資外国法人等販売契約、出資外国法人等仲介貿易契約 又は出資外国法人等技術提供契約の相手方(前号トの政令で定める者を除く。)の保険契約で定める期間以上の債務の履行遅滞(出資外国法人等の責めに帰することができないものに限る。)
出資外国法人等が保険契約の締結後生じた第一号ロ 若しくはホ 又は前号イからハまでのいずれかに該当する事由により運賃 その他の政令で定める費用を新たに負担すべきこととなつたことにより受ける損失
前条第二項第二号の損失に係る出資外国法人等貿易保険においては、出資外国法人等販売契約に基づく貨物の代金 若しくは賃貸料、出資外国法人等仲介貿易契約に基づく貨物の代金 若しくは賃貸料 又は出資外国法人等技術提供契約に基づく技術 若しくは労務の提供の対価(二以上の時期に分割して代金 又は対価の決済を受けるべきときは、一の時期において決済を受けるべき当該代金 又は対価の部分)の額を保険価額とする。
第四十八条第二項第一号の損失に係る出資外国法人等貿易保険において会社が塡補すべき額は、出資外国法人等が同号イからリまでのいずれかに該当する事由により販売し、若しくは賃貸することができなくなつた貨物(同号イからホまで 又はリのいずれかに該当する事由が生じたためその販売 又は賃貸が著しく困難となつたと認められる場合において、出資外国法人等販売契約 又は出資外国法人等仲介貿易契約で定める船積期日(出資外国法人等が、出資外国法人等販売契約に基づいて貨物をその本店 又は主たる事務所が所在する外国の地域に販売し、又は賃貸する場合にあつては、引渡しの期日)から保険契約で定める期間を経過した日まで販売し、又は賃貸することができなかつた貨物を含む。)の出資外国法人等販売契約 又は出資外国法人等仲介貿易契約に基づく代金の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、一定割合を乗じて得た金額とする。
貨物の販売 又は賃貸によつて取得すべきであつた利益(当該貨物に係る部分に限る。)の額
第四十八条第二項第二号の損失に係る出資外国法人等貿易保険において会社が塡補すべき額は、保険価額のうち同号イからホまでのいずれかに該当する事由により出資外国法人等が決済期限(同号ホに該当する事由によるときは、決済期限後保険契約で定める期間を経過した時。第二号において同じ。)までに回収することができない代金 若しくは賃貸料 又は対価の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
第四十八条第二項第三号の損失に係る出資外国法人等貿易保険において会社が塡補すべき額は、出資外国法人等が同項第一号ロ 若しくはホ 又は第二号イからハまでのいずれかに該当する事由により新たに負担すべきこととなつた同項第三号の政令で定める費用の増加額から当該費用の増加額を新たに負担すべきこととなつたことにより取得した金額 又は取得し得べき金額を控除した残額に、一定割合を乗じて得た金額とする。
第四節 貿易代金貸付保険
会社は、貿易代金貸付保険を引き受けることができる。
貿易代金貸付保険は、貿易代金貸付を行つた者が次の各号のいずれかに該当する事由により貿易代金貸付金債権等の元本 若しくは利子 その他の附帯の債権で政令で定めるもの(以下「貸付金等」という。)を回収することができないことにより受ける損失 又は第一号から第四号までのいずれかに該当する事由により保証債務に係る主たる債務者の債務の不履行が生じたことによつて保証債務を履行したことにより受ける損失 若しくは保証債務に係る主たる債務者の債務の不履行(第一号から第四号までのいずれかに該当する事由によるものを除く。)が生じたことによつて保証債務を履行したことにより取得した求償権に基づき取得し得べき金額の回収ができないこと(保証債務を負担した者の責めに帰することができず、かつ、その状態が求償権の取得の日から保険契約で定める期間を経過する日までの期間にわたるものに限る。)により受ける損失を塡補する貿易保険とする。
前二号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、貿易代金貸付(保証債務の負担を除く。以下この項において同じ。)を行つた者 若しくはその相手方 又は保証債務を負担した者 若しくは保証債務に係る主たる債務者 若しくは債権者の責めに帰することができないもの
貿易代金貸付の相手方の保険契約で定める期間以上の債務の履行遅滞(貿易代金貸付を行つた者の責めに帰することができないものに限る。)
貿易代金貸付保険においては、貿易代金貸付に係る貸付金等 又は保証債務(二以上の時期に分割して貸付金等の償還を受けるべきとき、又は保証債務を履行すべきときは、一の時期において償還を受けるべき当該貸付金等の部分 又は履行すべき当該保証債務の部分)の額を保険価額とする。
貿易代金貸付保険において会社が塡補すべき額は、保険価額のうち貿易代金貸付を行つた者が第五十一条第二項各号のいずれかに該当する事由により償還期限(同項第五号に該当する事由によるときは、償還期限後保険契約で定める期間を経過した時。以下同じ。)までに回収することができない貸付金等の額 又は同項第一号から第四号までのいずれかに該当する事由により保証債務に係る主たる債務者の債務の不履行が生じたことにより保証債務の履行として支払つた額 若しくは保証債務に係る主たる債務者の債務の不履行(同項第一号から第四号までのいずれかに該当する事由によるものを除く。)が生じたことによつて保証債務を履行したことにより取得した求償権に基づき取得し得べき金額について当該求償権の取得の日から保険契約で定める期間を経過する日までに回収することができない金額(保証債務を負担した者の責めに帰すべき事由により回収することができない金額を除く。)から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
第五節 為替変動保険
会社は、為替変動保険を引き受けることができる。
為替変動保険は、輸出者が輸出契約(政令で定める貨物の輸出に係るものであつて、その貨物の代金 又は賃貸料の全部 又は一部が政令で定める外国通貨(以下「特定外国通貨」という。)をもつて表示されているものに限る。)に基づいて当該貨物を輸出した場合 又は技術提供者が技術提供契約(技術 又は労務の提供の対価の全部 又は一部が特定外国通貨をもつて表示されているものに限る。)に基づいて技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供をした場合に、第一号に掲げる外国為替相場が第二号に掲げる外国為替相場に対してその百分の三を超えて低落したことにより、当該輸出貨物の代金 若しくは賃貸料 又は当該技術 若しくは労務の提供の対価のうち、特定外国通貨をもつて表示されている部分(決済期限が保険契約の締結の申込みがあつた日から政令で定める期間を経過するまでに満了するもの及び決済期限が保険契約の締結の申込みがあつた日から政令で定める期間を経過した後に満了するものを除く。以下「代金等」という。)について受ける損失を塡補する貿易保険とする。
決済期限の満了の日の本邦における本邦通貨をもつて表示される当該特定外国通貨の外国為替相場(以下「特定外国為替相場」という。)。
ただし、当該特定外国為替相場が代金等を回収した日の特定外国為替相場より低いときは、その日の特定外国為替相場
保険契約の締結の申込みがあつた日の特定外国為替相場。
ただし、当該特定外国為替相場が当該輸出契約 又は技術提供契約を締結した日の特定外国為替相場より高いときは、その日の特定外国為替相場
為替変動保険において会社が塡補すべき額は、輸出者 又は技術提供者が回収した代金等の当該特定外国通貨をもつて表示された額(以下「外国通貨表示額」という。)を前条第二項第二号に掲げる特定外国為替相場で本邦通貨に換算して得た金額(以下「本邦通貨表示額」という。)から、当該代金等の外国通貨表示額を同項第一号に掲げる特定外国為替相場で本邦通貨に換算して得た金額 及び当該代金等の本邦通貨表示額に百分の三を乗じて得た金額の合計額を控除した残額(当該代金等の本邦通貨表示額に政令で定める割合を乗じて得た金額を超えるときは、その額)とする。
保険契約者は、代金等が回収された日の特定外国為替相場が第五十四条第二項第二号に掲げる特定外国為替相場に対してその百分の三を超えて高騰したときは、回収された代金等の外国通貨表示額を代金等が回収された日の特定外国為替相場で本邦通貨に換算して得た金額から、当該代金等の本邦通貨表示額に百分の百三を乗じて得た金額を控除した残額(当該代金等の本邦通貨表示額に前条の政令で定める割合を乗じて得た金額を超えるときは、その額)を会社に納付しなければならない。
第六節 輸出手形保険
会社は、事業年度 又はその半期ごとに、銀行法第二条第一項に規定する銀行 その他政令で定める者(以下この節において「銀行等」という。)を相手方として、輸出手形保険の保険契約を締結することができる。
輸出手形保険は、銀行等が輸出貨物の代金の回収のため振り出された荷為替手形をその振出人から買い取つたことを会社に通知することにより、その買取りにつき会社と銀行等との間に、銀行等が荷為替手形の満期において支払を受けることができなかつた金額 又は荷為替手形につき遡求を受けて支払つた金額を塡補すべき保険関係が成立する貿易保険とする。
輸出手形保険においては、手形金額を保険価額とする。
輸出手形保険の保険関係に基づいて会社が塡補すべき額は、保険価額のうち銀行等が荷為替手形の満期において支払を受けることができなかつた金額 又は荷為替手形につき遡求を受けて支払つた金額から次に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
会社は、保険金を支払い、第四十二条の規定により、荷為替手形上の権利を取得した場合において、銀行等がその荷為替手形の満期において支払を受けることができず、又はその荷為替手形につき遡求を受けたことについて荷為替手形の振出人の責めに帰すべき事由がないときは、支払つた保険金の額に相当する金額について遡求権を行使しないものとする。
会社は、取引上の危険が大であるとき、その他貿易保険の事業の経営上必要があるときは、将来にわたつて、輸出手形保険の保険契約に基づく保険関係を成立させないことができる。
第七節 輸出保証保険
会社は、輸出保証保険を引き受けることができる。
輸出保証保険は、銀行法第二条第一項に規定する銀行 その他政令で定める者(以下この節において「保証者」という。)が、入札をする者、輸出者 又は技術提供者(以下「入札者等」という。)の委託に基づき政令で定める貨物の輸出 又は技術の提供 若しくはこれに伴う労務の提供であつて政令で定めるものに関してこれらの者のためにした輸出保証について、次の各号のいずれかに該当する場合において、保険契約の締結後に当該輸出保証の相手方から保証債務の履行の請求を受け、保証の条件に従いこれを履行したことにより受ける損失を塡補する貿易保険とする。
主たる債務者たる入札者等が入札 又は輸出契約 若しくは技術提供契約に基づく債務であつて第二条第十四項第一号 又は第二号に掲げる保証の対象とされるもの(以下「保証対象債務」という。)をその本旨に従つて履行したとき。
主たる債務者たる入札者等が保証対象債務をその本旨に従つて履行せず、又は履行することができなかつた場合において、それが第四十四条第二項第一号イからリまでに掲げる事由 その他の当該入札者等の責めに帰することができない事由のうち、当該入札者等が債務不履行の責任を負わないものとして当事者が定めたものによるものであるとき。
輸出保証保険においては、輸出保証の保証金額を保険価額とする。
輸出保証保険において会社が塡補すべき額は、保険価額のうち第六十二条第二項各号のいずれかに該当する場合において保証者が輸出保証の相手方から請求を受けて保証の条件に従い支払つた金額(当該輸出保証が第二条第十四項第一号 又は第二号の保証である場合において、違約金 その他これに類する金銭の支払に代えて主たる債務の全部 又は一部を主たる債務者に代わつて履行し、又は第三者に履行させたときは、そのために要した費用の額と違約金 その他これに類する金銭の額とのいずれか少ない金額)から輸出保証の相手方から回収した金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
会社は、保険金を支払い、第四十二条の規定により、保証者が輸出保証の保証債務の履行により取得した主たる債務者たる入札者等に対する求償権 又は第二条第十四項第三号に掲げる保証を受けている場合における当該入札者等の賠償債務について保証した者に対する保証に係る金銭の支払請求権を取得した場合においては、これらを行使しないものとする。
第八節 前払購入保険
会社は、前払購入保険を引き受けることができる。
前払購入保険は、前払購入者が前払購入契約に基づいて貨物の引渡しを受けることができなくなつた場合に次の各号のいずれかに該当する事由によつて当該前払購入契約に基づいて当該貨物の船積期日前に支払つた代金 又は賃借料(以下「前払金」という。)の返還を受けることができないことにより受ける損失を塡補する貿易保険とする。
前二号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、前払購入契約の当事者の責めに帰することができないもの
前払購入契約の相手方の前払金に係る債務の保険契約で定める期間以上の履行遅滞(前払購入者の責めに帰することができないものに限る。)
前払購入保険においては、前払金の額を保険価額とする。
前払購入保険において会社が塡補すべき額は、保険価額のうち第六十六条第二項各号のいずれかに該当する事由により前払購入者が前払金の返還の期限(同項第五号に該当する事由によるときは、前払金の返還の期限後保険契約で定める期間を経過した時。第二号において同じ。)までに返還を受けることができない前払金の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
第九節 海外投資保険
会社は、海外投資保険を引き受けることができる。
海外投資保険は、海外投資を行つた者が次の各号のいずれかに該当する事由により受ける損失を塡補する貿易保険とする。
株式等(第二条第十七項第一号に掲げる海外投資の相手方の出資(二以上の段階にわたる出資を含む。)に係る外国法人(以下「関係外国法人」という。)の株式等を含む。以下この号 及び第四号において同じ。)の元本(以下この節において「元本」という。)、株式等に対する配当金の支払請求権(以下「配当金請求権」という。)又は不動産に関する権利等を外国政府等により奪われたこと。
第二条第十七項第一号に掲げる海外投資の相手方(関係外国法人を含む。以下この号 及び第五号において同じ。)が戦争、革命、内乱、暴動、騒乱 その他本邦外において生じた事由であつて海外投資を行つた者 若しくはその相手方の責めに帰することができないものにより損害を受け、又は不動産、設備、原材料 その他の物に関する権利、鉱業権、工業所有権 その他の権利 若しくは利益であつて事業の遂行上特に重要なものを外国政府等によつて侵害されたことにより損害を受けて当該海外投資の相手方の事業の継続の不能 その他政令で定める事由が生じたこと。
元本の喪失(第一号、第二号 又は次号の事由によるものを除く。)に伴い支払われた金額、株式等に対する配当金 又は不動産に関する権利等の喪失(第一号 又は前号の事由によるものを除く。)に伴い支払われた金額(以下この号において「支払金等」という。)を次のいずれかに該当する事由により政令で定める期間以上の期間本邦(出資外国法人等が行つた海外投資に係る支払金等(関係外国法人に係るものを除く。)にあつてはその本店 又は主たる事務所が所在する外国の地域、関係外国法人に係る支払金等にあつては保険契約で定める地域)に送金することができなかつたこと。
当該支払金等の送金の許可の取消し 又は外国政府等がその許可をすべきことをあらかじめ約していた場合においてその許可をしなかつたこと。
イからニまでに掲げる事由の発生後における外国政府等による支払金等の没収
第二条第十七項第一号に掲げる海外投資について、海外投資の相手方についての破産手続開始の決定(第二号に掲げるものを除き、海外投資を行つた者の責めに帰することができないものに限る。)その他これに準ずる事由が生じたこと。
海外投資保険の保険期間は、十年以上において政令で定める期間を超えてはならない。
前条第二項第一号から第四号まで(同号にあつては、関係外国法人に係る部分に限る。)のいずれかに該当する事由により受けた損失に係る海外投資保険において会社が塡補すべき額は、当該事由に係る元本 若しくは配当金請求権(第二条第十七項第一号に掲げる海外投資の相手方に係るものに限る。)又は不動産に関する権利等の保険契約で定める方法により算出した評価額の減少額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、一定割合を乗じて得た金額とする。
前条第二項第四号(関係外国法人に係る部分を除く。)の事由により受けた損失に係る海外投資保険において会社が塡補すべき額は、元本(第二条第十七項第一号に掲げる海外投資の相手方に係るものに限る。次項において同じ。)又は不動産に関する権利等(以下この項 及び第四項において「元本等」という。)の喪失に伴い支払われた金額に係る損失にあつては前条第二項第四号イからホまでのいずれかに該当する事由により同号の政令で定める期間以上の期間本邦(出資外国法人等が行つた海外投資に係るものにあつては、その本店 又は主たる事務所が所在する外国の地域。以下この項 及び第五項において同じ。)に送金することができなかつた金額(その事由の発生前に本邦に送金し得べきであつた金額を除く。以下「送金不能額」という。)と当該元本等の取得のための対価の額(当該元本等を取得した後に保険契約に基づいて当該元本等を評価した場合にあつては、その直近の評価額)とのいずれか少ない金額から、第二条第十七項第一号に掲げる海外投資の相手方の株式等に対する配当金に係る損失にあつては送金不能額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、一定割合を乗じて得た金額とする。
前条第二項第五号に該当する事由により受けた損失に係る海外投資保険において会社が塡補すべき額は、元本に係る損失にあつては当該事由に係る元本の取得のための対価の額(当該元本を取得した後に保険契約に基づいて当該元本を評価した場合にあつては、その直近の評価額)から、配当金請求権(第二条第十七項第一号に掲げる海外投資の相手方に係るものに限る。以下この項において同じ。)に係る損失にあつては当該事由に係る配当金請求権に基づき取得し得べき配当金の額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、一定割合を乗じて得た金額とする。
元本等について前三項の規定により算定した会社が塡補すべき額 又はその累計額が当該元本等の取得のための対価の額(当該元本等を取得した後に保険契約に基づいて当該元本等を評価した場合にあつては、その直近の評価額)から次の各号に掲げる金額を控除した残額を超えるときは、会社が塡補すべき額は、これらの規定にかかわらず、その残額とする。
当該事由の発生前における当該元本等の喪失(前条第二項第一号から第三号まで 又は第五号のいずれかに該当する事由によるものを除く。)により取得した金額 又は取得し得べき金額(送金不能額が含まれる場合にあつては、これらの金額から当該送金不能額を控除した残額)と その喪失した元本等の取得のための対価の額(当該元本等を取得した後に保険契約に基づいて当該元本等を評価した場合にあつては、その直近の評価額)とのいずれか多い金額
当該事由発生前における前条第二項第一号から第三号まで又は第五号のいずれかに該当する事由の発生により取得した金額 又は取得し得べき金額
第一項各号、第二項各号 又は前項各号に規定する金額
会社は、第一項 及び前二項の規定にかかわらず、前条第二項第一号から第三号まで 又は第五号のいずれかに該当する事由の発生により取得した金額 又は取得し得べき金額のうち次の各号のいずれかに該当する事由により本邦に送金することができない金額(その事由の発生前に本邦に送金し得べきであつた金額を除く。以下「送金不能取得額」という。)が生じたときは、第一項 及び前二項の規定により算定した会社が塡補すべき額のほか、その額と第一項第一号、第三項第一号 又は前項第二号に規定する金額から送金不能取得額を控除した残額をそれぞれ第一項第一号、第三項第一号 又は前項第二号に規定する金額とみなして第一項 及び前二項の規定を適用して算定した会社が塡補すべき額との差額を塡補しなければならない。
外国政府等による管理(政令で定める期間以上の期間継続して行われたものに限る。)
前二号に準ずる事由であつて、政令で定めるもの
第十節 海外事業資金貸付保険
会社は、海外事業資金貸付保険を引き受けることができる。
海外事業資金貸付保険は、海外事業資金貸付を行つた者が次の各号のいずれかに該当する事由により海外事業資金貸付金債権等の貸付金等を回収することができないことにより受ける損失 又は第一号から第四号までのいずれかに該当する事由により保証債務に係る主たる債務者の債務の不履行が生じたことによつて保証債務を履行したことにより受ける損失 若しくは保証債務に係る主たる債務者の債務の不履行(第一号から第四号までのいずれかに該当する事由によるものを除く。)が生じたことによつて保証債務を履行したことにより取得した求償権に基づき取得し得べき金額の回収ができないこと(保証債務を負担した者の責めに帰することができず、かつ、その状態が求償権の取得の日から保険契約で定める期間を経過する日までの期間にわたるものに限る。)により受ける損失を塡補する貿易保険とする。
前二号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、海外事業資金貸付(保証債務の負担を除く。以下この項において同じ。)を行つた者 若しくはその相手方 又は保証債務を負担した者 若しくは保証債務に係る主たる債務者 若しくは債権者の責めに帰することができないもの
海外事業資金貸付の相手方の保険契約で定める期間以上の債務の履行遅滞(海外事業資金貸付を行つた者の責めに帰することができないものに限る。)
海外事業資金貸付保険においては、海外事業資金貸付に係る貸付金等 又は保証債務(二以上の時期に分割して貸付金等の償還を受けるべきとき、又は保証債務を履行すべきときは、一の時期において償還を受けるべき当該貸付金等の部分 又は履行すべき当該保証債務の部分)の額を保険価額とする。
海外事業資金貸付保険において会社が塡補すべき額は、保険価額のうち海外事業資金貸付を行つた者が第七十一条第二項各号のいずれかに該当する事由により償還期限(同項第五号に該当する事由によるときは、償還期限後保険契約で定める期間を経過した時。以下同じ。)までに回収することができない貸付金等の額 又は同項第一号から第四号までのいずれかに該当する事由により保証債務に係る主たる債務者の債務の不履行が生じたことにより保証債務の履行として支払つた額 若しくは保証債務に係る主たる債務者の債務の不履行(同項第一号から第四号までのいずれかに該当する事由によるものを除く。)が生じたことによつて保証債務を履行したことにより取得した求償権に基づき取得し得べき金額について当該求償権の取得の日から保険契約で定める期間を経過する日までに回収することができない金額(保証債務を負担した者の責めに帰すべき事由により回収することができない金額を除く。)から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
第十一節 スワップ取引保険
会社は、スワップ取引保険を引き受けることができる。
スワップ取引保険は、スワップ取引者(貿易代金貸付 又は海外事業資金貸付の相手方と貿易代金貸付金債権等 又は海外事業資金貸付金債権等に係るスワップ取引(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第二十二項第五号に掲げる取引をいう。以下この項において同じ。)を行つた者をいう。以下同じ。)が次の各号のいずれかに該当する事由により当該スワップ取引の解約に伴う清算金 その他の債権で政令で定めるもの(次条において「解約清算金等」という。)の支払を受けることができないことにより受ける損失を塡補する貿易保険とする。
前二号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、スワップ取引者 又はその相手方の責めに帰することができないもの
スワップ取引の相手方の保険契約で定める期間以上の債務の履行遅滞(スワップ取引者の責めに帰することができないものに限る。)
スワップ取引保険において会社が塡補すべき額は、スワップ取引者が前条第二項各号のいずれかに該当する事由により支払期日(同項第五号に該当する事由によるときは、支払期日後保険契約で定める期間を経過した時。第二号において同じ。)までに支払を受けることができない解約清算金等の額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、一定割合を乗じて得た金額とする。
第十二節 信用状確認保険
会社は、信用状確認保険を引き受けることができる。
信用状確認保険は、信用状確認者が信用状確認契約に基づいて支払をした場合に当該信用状確認契約に基づいて信用状発行者から償還を受けるべき金額を回収することができないことにより受ける損失を塡補する貿易保険とする。
信用状確認保険においては、信用状確認者が前条第二項に規定する場合において信用状発行者から償還を受けるべき金額を保険価額とする。
信用状確認保険において会社が塡補すべき額は、保険価額のうち信用状発行者から回収することができない金額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
第四章 罰則
第十条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の拘禁刑 又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)、監査役 若しくは職員 又は受託金融機関の役員 若しくは職員は、三十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした会社の取締役、執行役、会計参与 若しくはその職務を行うべき社員 又は監査役は、百万円以下の過料に処する。
第十二条第一項、第二項 及び第四項に規定する業務以外の業務を行つたとき。
第十六条第二項の規定に違反して、経済産業大臣に通知をしなかつたとき。
第二十条の規定に違反して、財務諸表を提出せず、又は虚偽の記載 若しくは記録をした財務諸表を提出したとき。
第二十一条第四項、第三十一条第二項 又は第四十条第二項の規定による命令に違反したとき。
第二十二条の規定に違反して責任準備金を積み立てなかつたとき。
第二十三条の規定に違反して支払備金を積み立てなかつたとき。
第二十九条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
第四十条第三項の規定に違反して貿易保険を引き受けたとき。
第六条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。