この法律は、電子計算機の高度利用 及びプログラムの開発を促進し、プログラムの流通を円滑にし、情報処理システムの良好な状態を維持することでその高度利用を促進し、並びに情報処理サービス業等の育成のための措置を講ずること等によつて、情報処理システムが戦略的に利用され、及び多様なデータが活用される高度な情報化社会の実現を図り、もつて国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
情報処理の促進に関する法律
第一章 総則
この法律において「情報処理」とは、電子計算機(計数型のものに限る。以下同じ。)を使用して、情報につき計算、検索 その他これらに類する処理を行うことをいう。
この法律において「プログラム」とは、電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。
この法律において「情報処理システム」とは、電子計算機 及びプログラムの集合体であつて、情報処理の業務を一体的に行うよう構成されたものをいう。
この法律において「情報処理サービス業」とは、他人の需要に応じてする情報処理の事業をいい、「ソフトウェア業」とは、他人の需要に応じてするプログラムの作成の事業をいう。
第二章 電子計算機の高度利用等
第一節 電子計算機利用高度化計画の策定等
次に掲げる電子計算機 及びプログラムについて、電子計算機利用高度化計画(以下「計画」という。)を経済産業大臣(電子計算機に電気通信回線を接続してする情報処理のために開発するプログラムに係る部分については、経済産業大臣 及び総務大臣。以下この条において同じ。)が定めるものとする。
情報処理の振興を図るため利用を特に促進する必要がある電子計算機
情報処理の振興を図るため開発を特に促進する必要があり、かつ、広く利用される種類のプログラム(主として一の事業の分野における情報処理を目的とするものを除く。)
計画には、電子計算機の設置 及びプログラムの開発の目標となるべき事項について定めるものとする。
計画を定めるに当たつては、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、政令で定めるところにより、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条に規定する機関で政令で定めるものの意見を聴くものとする。
関係行政機関の長は、前項の協議を受けたときは、関係審議会等の意見を聴くものとする。
第一項の規定により計画を定めたときは、経済産業大臣は、その要旨を公表しなければならない。
前三項の規定は、計画の変更について準用する。
主務大臣(電子計算機を利用する事業者(以下単に「事業者」という。)の行う事業を所管する大臣をいう。)は、その事業の分野に属する事業者が広く連携して当該事業の分野における電子計算機の効率的な利用を図ることが必要であり、かつ、適切であると認めるときは、計画を勘案して、その事業の分野において事業者が連携して行う電子計算機の利用の態様、その実施の方法 及びその実施に当たつて配慮すべき事項に関する指針を定め、これを公表するものとする。
前項の指針は、関連中小企業者の利益が不当に害されることのないよう配慮されたものでなければならない。
第一項の指針を定めるに当たつては、あらかじめ、関係審議会等の意見を聴くものとする。
前項の規定は、第一項の指針の変更について準用する。
政府は、情報処理の高度化を図るために必要な資金の確保 又はその融通のあつせんに努めるものとする。
前項の措置を講ずるに当たつては、中小企業者に対する特別の配慮がなされなければならない。
第二節 情報処理安全確保支援士等
⤏ 第一款 情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士は、情報処理安全確保支援士の名称を用いて、事業者 その他の電子計算機を利用する者によるサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)第二条に規定するサイバーセキュリティをいう。以下同じ。)の確保のための取組に関し、サイバーセキュリティに関する相談に応じ、必要な情報の提供 及び助言を行うとともに、必要に応じ その取組の実施の状況についての調査、分析 及び評価を行い、その結果に基づき指導 及び助言を行うこと その他事業者 その他の電子計算機を利用する者のサイバーセキュリティの確保を支援することを業とする。
情報処理安全確保支援士試験に合格した者 その他これと同等以上の能力を有すると認められる者で、経済産業省令で定めるものは、情報処理安全確保支援士となる資格を有する。
次の各号のいずれかに該当する者は、情報処理安全確保支援士となることができない。
心身の故障により情報処理安全確保支援士の業務を適正に行うことができない者として経済産業省令で定める者
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
この法律の規定 その他情報処理に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
第十九条第一項第二号 又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
情報処理安全確保支援士試験(以下この款において「支援士試験」という。)は、情報処理安全確保支援士として必要な知識 及び技能について行う。
経済産業大臣は、経済産業省令で定めるところにより、経済産業省令で定める資格を有する者に対し、支援士試験の全部 又は一部を免除することができる。
経済産業大臣は、独立行政法人情報処理推進機構(以下この節 及び第三十三条において「機構」という。)に、支援士試験の実施に関する事務(以下この款 及び第五十一条第二項において「支援士試験事務」という。)を行わせることができる。
経済産業大臣は、前項の規定により機構に支援士試験事務を行わせるときは、その旨を官報で公示しなければならないものとし、この場合には、経済産業大臣は、支援士試験事務を行わないものとする。
機構は、支援士試験事務の開始前に、支援士試験事務の実施に関する規程(次項 及び第三項において「支援士試験事務規程」という。)を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
支援士試験事務規程で定めるべき事項は、経済産業省令で定める。
経済産業大臣は、第一項の認可をした支援士試験事務規程が支援士試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、機構に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
経済産業大臣は、支援士試験に関して不正の行為があつた場合には、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させ、又はその支援士試験を無効とすることができる。
経済産業大臣は、前項の規定による処分を受けた者に対し、期間を定めて支援士試験を受けることができないものとすることができる。
機構は、支援士試験事務の実施に関し第一項に規定する経済産業大臣の職権を行うことができる。
支援士試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を国に納付しなければならない。
前項の受験手数料は、これを納付した者が支援士試験を受けない場合においても、返還しない。
機構が支援士試験事務を行うときは、第一項の規定による受験手数料は、機構に納付するものとする。
この場合において、納付された受験手数料は、機構の収入とする。
機構が行う支援士試験事務に係る処分 又はその不作為については、経済産業大臣に対し審査請求をすることができる。
この場合において、経済産業大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項 及び第三項、第四十六条第一項 及び第二項 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、機構の上級行政庁とみなす。
情報処理安全確保支援士となる資格を有する者が情報処理安全確保支援士となるには、情報処理安全確保支援士登録簿に、氏名、生年月日 その他経済産業省令で定める事項の登録を受けなければならない。
前項の登録(以下単に「登録」という。)は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
前項の更新に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
情報処理安全確保支援士登録簿は、経済産業省に備える。
経済産業大臣は、登録をしたときは、申請者に第十五条第一項に規定する事項を記載した情報処理安全確保支援士登録証(次条第二項 及び第二十一条において「登録証」という。)を交付する。
情報処理安全確保支援士は、登録を受けた事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
情報処理安全確保支援士は、前項の規定による届出をするときは、当該届出に登録証を添えて提出し、その訂正を受けなければならない。
経済産業大臣は、情報処理安全確保支援士が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録を取り消さなければならない。
第八条各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至つた場合
虚偽 又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合
経済産業大臣は、情報処理安全確保支援士が第二十四条から第二十六条までの規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて情報処理安全確保支援士の名称の使用の停止を命ずることができる。
経済産業大臣は、登録がその効力を失つたときは、その登録を消除しなければならない。
登録証の記載事項の変更を受けようとする者 及び登録証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
経済産業大臣は、機構に、登録の実施に関する事務(第十九条の規定による登録の取消し 及び命令に関する事務を除く。次条第一項 及び第二項 並びに第五十一条第二項において「登録事務」という。)を行わせることができる。
機構が登録事務を行う場合における第十六条、第十七条、第十八条第一項、第二十条 及び第二十一条の規定の適用については、
これらの規定中
「経済産業省」とあり、
「経済産業大臣」とあり、
及び
「国」とあるのは、
「機構」と
する。
第十条第二項、第十一条 及び第十四条の規定は、登録事務について準用する。
この場合において、
同項中
「前項」とあるのは
「第二十二条」と、
第十一条(見出しを含む。)中
「支援士試験事務規程」とあるのは
「登録事務規程」と
読み替えるものとする。
機構が登録を行う場合において、登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を機構に納付しなければならない。
第一項の規定により読み替えて適用する第二十一条 及び前項の規定により機構に納められた手数料は、機構の収入とする。
情報処理安全確保支援士は、情報処理安全確保支援士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。
情報処理安全確保支援士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
情報処理安全確保支援士でなくなつた後においても、同様とする。
情報処理安全確保支援士は、経済産業省令で定めるところにより、機構の行うサイバーセキュリティに関する講習(第二十八条において「機構の講習」という。)又はこれと同等以上の効果を有すると認められる講習として経済産業省令で定めるもの(同条において「特定講習」という。)を受けなければならない。
情報処理安全確保支援士でない者は、情報処理安全確保支援士という名称を使用してはならない。
この款に定めるもののほか、支援士試験、登録、機構の講習、特定講習 その他この款の規定の施行に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
⤏ 第二款 情報処理技術者試験
経済産業大臣は、情報処理に関する業務を行う者の技術の向上に資するため、情報処理に関して必要な知識 及び技能について情報処理技術者試験を行う。
経済産業大臣は、機構に、情報処理技術者試験の実施に関する事務(次項 及び第五十一条第二項において「技術者試験事務」という。)を行わせることができる。
第十条第二項 及び第十一条から第十四条までの規定は、情報処理技術者試験 及び技術者試験事務について準用する。
この場合において、
同項中
「前項」とあるのは
「第二十九条第二項」と、
第十一条(見出しを含む。)中
「支援士試験事務規程」とあるのは
「技術者試験事務規程」と
読み替えるものとする。
前三項に定めるもののほか、情報処理技術者試験に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
第三章 情報処理システムの運用及び管理に関する指針等
経済産業大臣は、情報処理システムを良好な状態に維持し、企業経営において戦略的に利用することが重要であることに鑑み、情報処理システムを良好な状態に維持するために必要な情報処理システムの運用 及び管理(以下この章 及び第五十一条第一項第九号において単に「情報処理システムの運用 及び管理」という。)に関する指針(以下この条において単に「指針」という。)を定めるものとする。
指針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
情報処理システムの運用 及び管理に関する基本的事項
情報処理システムの運用 及び管理を適切に行うために必要な体制の整備に関する事項
情報処理システムの運用 及び管理に係る具体的な方法に関する事項
その他情報処理システムの運用 及び管理を適切に行うために必要な事項
経済産業大臣は、指針を定めるに当たつては、我が国産業における情報処理システムの利用の状況 及び情報処理技術の動向を勘案するものとする。
経済産業大臣は、指針を定めようとするときは、総務大臣 その他の関係行政機関の長に協議しなければならない。
経済産業大臣は、指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
経済産業大臣は、おおむね二年ごとに指針に検討を加え、必要があると認めるときは、これを変更するものとする。
第三項から第五項までの規定は、前項の規定による指針の変更について準用する。
経済産業大臣は、事業者からの申請に基づき、経済産業省令で定めるところにより、当該事業者について、前条第二項各号に掲げる事項に関する取組の実施の状況が優良なものであること その他の経済産業省令で定める基準に適合するものであることの認定を行うことができる。
前条の認定は、二年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
前条の規定は、前項の更新について準用する。
経済産業大臣は、第三十一条の認定(前条第一項の更新を含む。)に関する事務(申請の受付、第三十一条の基準に適合するかどうかの審査 その他これらに準ずるものとして経済産業省令で定めるものに限る。第五十一条第二項において「認定審査事務」という。)を機構に行わせるものとする。
経済産業大臣は、第三十一条の認定を受けた事業者(以下この章 及び第五十一条第一項第九号において「認定事業者」という。)に対し、情報処理システムの運用 及び管理に関する取組の実施の状況について報告を求めることができる。
経済産業大臣は、認定事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
第三十一条の経済産業省令で定める基準に適合しなくなつたとき。
前条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
不正の手段により第三十一条の認定 又は第三十二条第一項の更新を受けたとき。
経済産業大臣は、前項の規定により認定を取り消したときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その理由を示して、その旨を当該認定を受けていた者に通知しなければならない。
経済産業大臣は、認定事業者に対し、情報処理システムの運用 及び管理に関する取組の適確な実施に必要な助言 及び指導を行うものとする。
中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第三条第一項に規定する普通保険(以下この条において「普通保険」という。)、同法第三条の二第一項に規定する無担保保険(第三項において「無担保保険」という。)又は同法第三条の三第一項に規定する特別小口保険(第三項において「特別小口保険」という。)の保険関係であつて、情報処理システム運用・管理関連保証(同法第三条第一項、第三条の二第一項 又は第三条の三第一項に規定する債務の保証であつて、認定事業者の情報処理システムの運用 及び管理に要する資金のうち経済産業省令で定めるものに係るものをいう。以下この条において同じ。)を受けた中小企業者に係るものについての次の表の上欄に掲げる同法の規定の適用については、これらの規定中 同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
第三条第一項 | 保険価額の合計額が | 情報処理の促進に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)第三十七条第一項に規定する 情報処理システム運用・管理関連保証(以下「情報処理システム運用・管理関連保証」という。)に係る保険関係の保険価額の合計額と その他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ |
第三条の二第一項 及び第三条の三第一項 | 保険価額の合計額が | 情報処理システム運用・管理関連保証に係る保険関係の保険価額の合計額と その他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ |
第三条の二第三項 及び第三条の三第二項 | 当該借入金の額のうち | 情報処理システム運用・管理関連保証 及び その他の保証ごとに、それぞれ当該借入金の額のうち |
当該債務者 | 情報処理システム運用・管理関連保証 及び その他の保証ごとに、当該債務者 |
普通保険の保険関係であつて、情報処理システム運用・管理関連保証に係るものについての中小企業信用保険法第三条第二項 及び第五条の規定の適用については、
同項中
「百分の七十」とあり、
及び同条中
「百分の七十(無担保保険、特別小口保険、流動資産担保保険、公害防止保険、エネルギー対策保険、海外投資関係保険、新事業開拓保険、事業再生保険 及び特定社債保険にあつては、百分の八十)」とあるのは、
「百分の八十」と
する。
普通保険、無担保保険 又は特別小口保険の保険関係であつて、情報処理システム運用・管理関連保証に係るものについての保険料の額は、中小企業信用保険法第四条の規定にかかわらず、保険金額に年百分の二以内において政令で定める率を乗じて得た額とする。
第四章 独立行政法人情報処理推進機構
第一節 総則
独立行政法人情報処理推進機構の名称、目的、業務の範囲等に関する事項については、この章の定めるところによる。
この法律 及び独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人情報処理推進機構とする。
独立行政法人情報処理推進機構(以下「機構」という。)は、プログラムの開発 及び利用の促進、情報処理に関する安全性 及び信頼性の確保、情報処理システムの高度利用の促進、情報処理サービス業等を営む者に対する助成 並びに情報処理に関して必要な知識 及び技能の向上に関する業務を行うことにより、情報処理の高度化を推進することを目的とする。
機構は、通則法第二条第二項に規定する中期目標管理法人とする。
機構は、主たる事務所を東京都に置く。
機構の資本金は、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成十四年法律第百四十四号。以下「改正法」という。)附則第二条第六項 及び第九項の規定により政府 及び政府以外の者から出資があつたものとされた金額の合計額とする。
政府は、第五十一条第一項第一号及び第二号に掲げる業務に必要な資金に充てるため又は第五十四条第一項の信用基金に充てるため必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
この場合において、政府は、第五十一条第一項第一号及び第二号に掲げる業務に必要な資金 又は第五十四条第一項の信用基金のそれぞれに充てるべき金額を示すものとする。
機構は、前項の規定による政府の出資があつたときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
機構は、通則法第四十六条の二第一項 若しくは第二項の規定による国庫への納付 又は通則法第四十六条の三第三項の規定による払戻しをする場合を除くほか、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。
機構は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
出資者は、その持分を譲渡することができる。
ただし、第五十四条第一項の信用基金に係る出資に係る政府の持分については、この限りでない。
出資者の持分の移転は、取得者の氏名 又は名称 及びその住所を出資者原簿に記載した後でなければ、機構 その他の第三者に対抗することができない。
出資者の持分については、信託財産に属する財産である旨を出資者原簿に記載しなければ、当該持分が信託財産に属することを機構 その他の第三者に対抗することができない。
第二節 役員及び職員
出資者の持分については、信託財産に属する財産である旨を出資者原簿に記載しなければ、当該持分が信託財産に属することを機構 その他の第三者に対抗することができない。
機構に、役員として、理事二人以内を置くことができる。
理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理する。
通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は、理事とする。
ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し 又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行つてはならない。
理事の任期は、二年とする。
機構の役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、その職務上知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
機構の役員 及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第三節 業務等
機構は、第四十条の目的を達成するため、次の業務を行う。
情報処理を行う者の利便性の向上 又は情報処理に関する安全性 及び信頼性の確保に著しく寄与すると認められるプログラム(事業活動に広く用いられるものに限る。)であつて、その開発を特に促進する必要があり、かつ、企業等が自ら開発することが困難なものを開発すること。
前号に掲げる業務に係るプログラムについて、対価を得て、普及すること。
情報処理サービス業者等(情報処理サービス業 又はソフトウェア業を営む会社 又は個人をいう。以下同じ。)が金融機関から電子計算機の導入、プログラムの開発 その他業務 又は技術の改善 又は向上に必要な資金を借り入れる場合における当該借入れに係る債務を保証すること。
情報処理サービス業者等以外の者が金融機関からその事業活動の効率化に寄与するプログラムの開発 又はプログラムの開発に関する業務を行う者の技術の向上に必要な資金を借り入れる場合における当該借入れに係る債務を保証すること。
情報処理に関する安全性 及び信頼性の確保を図るため、情報処理システムに関する技術上の評価 及び情報処理サービス業を営む者の技術的能力 その他事業の適正な実施に必要な能力に関する評価を行うこと。
サイバーセキュリティに関する講習を行うこと。
情報処理に関する調査を行い、及びその成果を普及すること。
各省各庁の長(財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十条第二項に規定する各省各庁の長をいう。)又は事業者(情報処理システムを設計し、開発し、又は利用する者に限る。)の依頼に応じて、運用 及び管理を行う者が異なる複数の情報処理システムの連携の仕組み 並びに当該連携に係る運用 及び管理の方法に関する調査研究 並びにその成果の普及 その他の当該連携を促進するために必要な取組を行うこと。
認定事業者の依頼に応じて、専門家の派遣 その他情報処理システムの運用 及び管理に関し必要な協力を行うこと。
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第六十条の二に規定する調査を行うこと。
ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第百七十条の二に規定する調査を行うこと。
中小企業支援法(昭和三十八年法律第百四十七号)第十七条に規定する業務を行うこと。
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第百五条の二に規定する調査を行うこと。
中小企業等経営強化法(平成十一年法律第十八号)第四十五条に規定する業務を行うこと。
地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律(平成十九年法律第四十号)第八条第三項に規定する業務を行うこと。
産業競争力強化法(平成二十五年法律第九十八号)第七十七条に規定する業務を行うこと。
前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
機構は、前項の業務のほか、支援士試験事務、登録事務 若しくは技術者試験事務(次条第二号において「試験事務等」という。)若しくは認定審査事務 又はサイバーセキュリティ基本法第三十一条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定による事務を行う。
機構は、第一項第七号に規定する調査のうちサイバーセキュリティに関するものを行つた場合において、必要があると認めるときは、その結果に基づき、事業者 その他の電子計算機を利用する者によるサイバーセキュリティの確保のため事業者 その他の電子計算機を利用する者が講ずべき措置の内容を公表するものとする。
前項の規定による公表の方法 及び手続については、経済産業省令で定める。
機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
前条第一項第一号 及び第二号に掲げる業務 並びにこれらに附帯する業務のうち、これに要する費用を政府が財政投融資特別会計の投資勘定から出資するもの
前条第一項第六号に掲げる業務 及びこれに附帯する業務 並びに試験事務等
前二号に掲げる業務以外の業務
機構は、前条第二号 及び第三号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定において、通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項 又は第二項の規定による整理を行つた後、同条第一項の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち経済産業大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項の認可を受けた中期計画(同項後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における第五十一条に規定する業務の財源に充てることができる。
経済産業大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
機構は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
前条第一号に掲げる業務に係る勘定(次項において「第一号勘定」という。)における通則法第四十四条第一項ただし書の規定の適用については、
同項ただし書中
「第三項の規定により同項の使途に充てる場合」とあるのは、
「政令で定めるところにより計算した額を国庫に納付する場合 又は第三項の規定により同項の使途に充てる場合」と
する。
第一項から第三項までの規定は、第一号勘定について準用する。
この場合において、
第一項中
「通則法第四十四条第一項」とあるのは、
「第四項の規定により読み替えられた通則法第四十四条第一項」と
読み替えるものとする。
前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続 その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
機構は、第五十一条第一項第三号 及び第四号に規定する資金の借入れに係る債務の保証 並びにこれに附帯する業務に関する信用基金を設け、改正法附則第九条第一項の規定により政府 及び政府以外の者から信用基金に充てるべきものとして出資されたものとされた金額、同条第三項の規定により政府以外の者から信用基金に充てるべきものとして出えんされたものとされた金額並びに第四十三条第二項の規定により政府から信用基金に充てるべきものとして出資された金額の合計額に相当する金額をもつてこれに充てるものとする。
第四節 雑則
機構は、出資者原簿を備えて置かなければならない。
出資者原簿には、第五十一条第一項第一号 及び第二号に掲げる業務に係る出資並びに前条第一項の信用基金に係る出資ごとに、各出資者について次の事項を記載しなければならない。
氏名 又は名称 及び住所
出資の引受け 及び払込みの年月日
政府以外の出資者は、出資者原簿の閲覧を求めることができる。
機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、当該残余財産の額のうち、第五十二条第一号に掲げる業務に係る勘定に属する額に相当する額を国庫に納付し、同条第三号に掲げる業務に係る勘定に属する額に相当する額を第五十一条第一項第一号 及び第二号に掲げる業務(これに要する費用を政府が財政投融資特別会計の投資勘定から出資したものを除く。)に係る各出資者並びに第五十四条第一項の信用基金に係る各出資者に対し、それぞれ、その出資額に応じて分配するものとする。
前項の規定により第五十四条第一項の信用基金に係る各出資者に分配することができる額は、その出資額を限度とする。
機構に係る通則法における主務大臣 及び主務省令は、それぞれ経済産業大臣 及び経済産業省令とする。
国家公務員宿舎法(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、機構の役員 及び職員には、適用しない。
第五章 罰則
第二十五条の規定に違反した者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第四十九条の規定に違反した者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第十九条第二項の規定により情報処理安全確保支援士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、情報処理安全確保支援士の名称を使用したもの
第二十七条の規定に違反した者
第三十四条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処する。
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
第五十一条第一項 及び第二項に規定する業務以外の業務を行つたとき。
第五十三条第一項の規定により経済産業大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかつたとき。