公証人法
第一章 総則
会社法(平成十七年法律第八十六号)第三十条第一項及其ノ準用規定並一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第十三条 及第百五十五条ノ規定ニ依リ定款ニ認証ヲ与フルコト
電磁的記録(電子的方式、磁気的方式其ノ他人ノ知覚ヲ以テ認識スルコト能ハザル方式(以下電磁的方式ト称ス)ニ依リ作ラルル記録ニシテ電子計算機ニ依ル情報処理ノ用ニ供セラルルモノヲ謂フ以下之ニ同ジ)ニ認証ヲ与フルコト
但シ公務員ガ職務上作成シタル電磁的記録以外ノモノニ与フル場合ニ限ル
公証人ノ作成シタル文書 又ハ電磁的記録ハ 本法及他ノ法律ノ定ムル要件ヲ具備スルニ非サレハ公正ノ効力ヲ有セス
公証人ハ法律ニ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外其ノ取扱ヒタル事件ヲ漏泄スルコトヲ得ス
但シ嘱託人ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラス
公証人ハ他ノ公務ヲ兼ネ、商業ヲ営ミ又ハ商事会社 若ハ営利ヲ目的トスル社団法人ノ代表者 若ハ使用人ト為ルコトヲ得ス
但シ 法務大臣ノ許可ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラス
公証人ハ 嘱託人ヨリ手数料、送達ニ要スル料金、第五十七条ノ三ノ登記ノ手数料相当額(第三項ニ於テ登記手数料ト称ス)、日当 及旅費ヲ受ク
公証人ハ前項ニ記載シタルモノヲ除クノ外何等ノ名義ヲ以テスルモ其ノ取扱ヒタル事件ニ関シテ報酬ヲ受クルコトヲ得ス
手数料、送達ニ要スル料金、登記手数料、日当及旅費ニ関スル規程ハ政令ヲ以テ之ヲ定ム
本法及 他ノ法令ニ依リ公 証人ガ行フコトトセラレタル電磁的記録ニ関スル事務ハ 法務大臣ノ指定シタル公証人(以下指定公証人ト称ス)之ヲ取扱フ
前項ノ指定ハ 告示シテ之ヲ為ス
第六章ノ規定ハ本法 及他ノ法令ノ定ムルトコロニ依リ指定公証人ガ行フ電磁的記録ニ関スル事務ニ付テハ之ヲ適用セズ
本法ニ規定スルモノノ外指定公証人ガ行フ電磁的記録ニ関スル事務ニ付テハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム
法務局 若ハ地方法務局 又ハ其ノ支局ノ管轄区域内ニ公証人ナキ場合 又ハ公証人其ノ職務ヲ行フコト能ハサル場合ニ於テハ法務大臣ハ当該法務局 若ハ地方法務局 又ハ其ノ支局ニ勤務スル法務事務官ヲシテ管轄区域内ニ於テ 公証人ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
本法及他ノ法令中 公証人ノ職務ニ関スル規定ハ公証人ノ職務ヲ行フ法務事務官ニ之ヲ準用ス
但シ第七条ニ依ル手数料、日当 及旅費ハ国庫ノ収入トス
第二章 任免及所属
公証人ハ法務局 又ハ地方法務局ノ所属トス
各法務局 又ハ地方法務局ニ所属スル公証人ノ員数ハ法務局 若ハ地方法務局 又ハ其ノ支局ノ管轄区域毎ニ法務大臣之ヲ定ム
公証人ハ 法務大臣之ヲ任シ 及其ノ属スヘキ法務局 又ハ地方法務局ヲ指定ス
左ノ条件ヲ具備スル者ニ非サレハ公証人ニ任セラルルコトヲ得ス
一定ノ試験ニ合格シタル後六月以上公証人見習トシテ実地修習ヲ為シタルコト
試験 及実地修習ニ関スル規程ハ法務大臣之ヲ定ム
裁判官(簡易裁判所判事ヲ除ク)、検察官(副検事ヲ除ク) 又ハ弁護士タルノ資格ヲ有スル者ハ試験及実地修習ヲ経スシテ公証人ニ任セラルルコトヲ得
法務大臣ハ 当分ノ間多年法務ニ携ハリ 前条ノ者ニ準スル学識経験ヲ有スル者ニシテ政令ヲ以テ定ムル審議会等(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条ニ定ムル機関ヲ謂フ)ノ選考ヲ経タル者ヲ試験及実地修習ヲ経スシテ公証人ニ任スルコトヲ得
但シ第八条ニ規定スル場合ニ限ル
禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者但シ二年以下ノ禁錮ニ処セラレタル者ニシテ刑ノ執行ヲ終リ 又ハ其ノ執行ヲ受クルコトナキニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラス
罷免ノ裁判ヲ受ケタル者、懲戒ノ処分ニ因リ免官 若ハ免職セラレタル者 又ハ弁護士法ニ依リ除名セラレタル者ニシテ罷免、免官、免職 又ハ除名後二年ヲ経過セサル者
法務大臣ハ左ノ場合ニ於テ公証人ヲ免スルコトヲ得
公証人年齢七十歳ニ達シタルトキ
公証人身体又ハ精神ノ衰弱ニ因リ其ノ職務ヲ執ルコト能ハサルニ至リタルトキ
前項第四号ノ場合ニ於テハ第十三条ノ二ノ政令ヲ以テ定ムル審議会等ノ議決ヲ経ヘシ
公証人第十四条第一号 又ハ第二号ニ該当スルニ至リタルトキハ当然其ノ職ヲ失フ
第三章 職務執行ニ関スル通則
公証人ノ職務執行ノ区域ハ其ノ所属スル法務局 又ハ地方法務局ノ管轄区域ニ依ル
公証人ハ役場ニ於テ其ノ職務ヲ行フコトヲ要ス
但シ事件ノ性質カ之ヲ許ササル場合 又ハ法令ニ別段ノ定アル場合ハ此ノ限ニ在ラス
公証人ハ任命ノ辞令書ヲ受ケタル日ヨリ十五日以内ニ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ニ身元保証金ヲ納ムヘシ
身元保証金ノ額ニ不足ヲ生シ補充ノ命令ヲ受ケタルトキハ其ノ命令ヲ受ケタル日ヨリ三十日以内ニ其ノ不足額ヲ補充スヘシ
身元保証金ヲ還付スヘキ場合ニ於テハ其ノ身元保証金ノ上ニ権利ヲ有スル者ニ対シ六月ヲ下ラサル期間内ニ申出ツヘキ旨ヲ公告スヘシ
身元保証金ハ前項ノ期間ヲ経過スルニ非サレハ之ヲ還付セス
身元保証金ハ他ノ公課及債権ニ先チテ之ヲ第一項ノ公告費用ニ充ツ
公証人ハ其ノ職印ノ印鑑ニ氏名ヲ自署シ之ヲ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ニ差出スヘシ
公証人前項ノ印鑑ヲ差出ササル間ハ其ノ職務ヲ行フコトヲ得ス
嘱託人、其ノ代理人 又ハ嘱託セラレタル事項ニ付利害ノ関係ヲ有スル者ノ配偶者、四親等内ノ親族 又ハ同居ノ親族タルトキ親族関係カ止ミタル後亦同シ
嘱託人 又ハ其ノ代理人ノ法定代理人、保佐人 又ハ補助人タルトキ
嘱託セラレタル事項ニ付代理人 若ハ輔佐人タルトキ 又ハ代理人 若ハ輔佐人タリシトキ
公証人職務上署名スルトキハ其ノ職名、 所属及役場所在地ヲ記載スヘシ
公証人ハ其ノ所属スル法務局 又ハ地方法務局ノ長ノ認可ヲ受ケテ書記ヲ置キ執務ノ補助ヲ為サシムルコトヲ得
前項ノ認可ハ 必要ナル場合ニ於テハ何時ニテモ之ヲ取消スコトヲ得
公証人ノ作成シタル証書ノ原本 及其ノ附属書類、第五十八条ノ二第四項ノ規定ニ依リ公証人ノ保存スル証書 及其ノ附属書類、第六十二条ノ三第三項ノ規定ニ依リ公証人ノ保存スル定款 及其ノ附属書類並法令ニ依リ公証人ノ調製シタル帳簿ハ事変ヲ避クル為ニスル場合ヲ除クノ外之ヲ役場外ニ持出スコトヲ得ス
但シ裁判所ノ命令又ハ嘱託アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ書類ノ保存及廃毀ニ関スル規程ハ法務大臣之ヲ定ム
第四章 証書ノ作成
公証人ハ法令ニ違反シタル事項、無効ノ法律行為及行為能力ノ制限ニ因リテ取消スコトヲ得ヘキ法律行為ニ付証書ヲ作成スルコトヲ得ス
急迫ナル場合ニ於テ公証人証書ヲ作成スルトキハ前項ノ手続ハ証書ヲ作成シタル後三日内ニ証書ノ作成ニ関スル規定ニ依リ之ヲ為スコトヲ得
前項ノ手続ヲ為シタルトキハ証書ハ急迫ナル場合ニ非サルカ為其ノ効力ヲ妨ケラルルコトナシ
嘱託人日本語ヲ解セサル場合 又ハ聾者 若ハ唖者 其ノ他言語ヲ発スルコト能ハサル者ニシテ文字ヲ解セサル場合ニ於テ公証人証書ヲ作成スルニハ通事ヲ立会ハシムルコトヲ要ス
前項ノ規定ハ嘱託人立会人ヲ立会ハシムルコトヲ請求シタル場合ニ之ヲ準用ス
代理人ニ依リ嘱託セラレタル場合ニ於テハ前三条ノ規定ハ其ノ代理人ニ之ヲ適用ス
代理人ニ依リ嘱託セラレタル場合ニ於テ公証人証書ヲ作成スルニハ其ノ代理人ノ権限ヲ証スヘキ証書ヲ提出セシメ其ノ権限ヲ証明セシムルコトヲ要ス
前項ノ証書カ認証ヲ受ケサル私署証書ナルトキハ其ノ証書ノ外官公署ノ作成シタル印鑑又ハ署名ニ関スル証明書ヲ提出セシメ証書ノ真正ナルコトヲ証明セシムルコトヲ要ス
但シ当該公証人ノ保存スル書類ニ依リ証書ノ真正ナルコト明ナル場合ハ此ノ限ニ在ラス
証書ノ作成ニ関スル規定ニ依リ代理 又ハ其ノ方式ノ欠缺ヲ追完シタルトキハ証書ハ其ノ欠缺アリタルカ為効力ヲ妨ケラルルコトナシ
第三者ノ許可 又ハ同意ヲ要スヘキ法律行為ニ付公証人証書ヲ作成スルニハ其ノ許可 又ハ同意アリタルコトヲ証スヘキ証書ヲ提出セシメ其ノ許可 又ハ同意ヲ証明セシムルコトヲ要ス
前条第二項 及第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
通事及立会人ハ 嘱託人 又ハ其ノ代理人之ヲ選定スルコトヲ要ス
左ニ掲クル者ハ立会人タルコトヲ得ス
但シ第三十条第二項ノ場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十四条ニ掲ケタル者
公証人 又ハ嘱託人 若ハ其ノ代理人ノ配偶者、四親等内ノ親族、法定代理人、保佐人、補助人、雇人 又ハ同居人
公証人証書ヲ作成スルニハ其ノ聴取シタル陳述、其ノ目撃シタル状況 其ノ他自ラ実験シタル事実ヲ録取シ且其ノ実験ノ方法ヲ記載シテ之ヲ為スコトヲ要ス
代理人ニ依リ嘱託セラレタルトキハ其ノ旨並其ノ代理人ノ住所、 職業、氏名及年齢
第三者ノ許可 又ハ同意アリタルトキハ其ノ旨 及其ノ事由並其ノ第三者ノ住所、 職業、氏名及年齢若法人ナルトキハ其ノ名称及事務所
印鑑証明書ノ提出其ノ他之ニ準スヘキ確実ナル方法ニ依リ人違ナキコトヲ証明セシメ又ハ印鑑若ハ署名ニ関スル証明書ヲ提出セシメテ証書ノ真正ナルコトヲ証明セシメタルトキハ其ノ旨及其ノ事由
第三十二条第二項但書ノ場合ハ 其ノ旨及其ノ事由
急迫ナル場合ニ於テ人違ナキコトヲ証明セシメサリシトキハ其ノ旨
通事又ハ立会人ヲ立会ハシメタルトキハ其ノ旨及其ノ事由並其ノ通事又ハ立会人ノ 住所、職業、氏名及年齢
証書ニ文字ヲ挿入スルトキハ其ノ字数及其ノ箇所ヲ欄外 又ハ末尾ノ余白ニ記載シ公証人 及嘱託人 又ハ其ノ代理人之ニ捺印スルコトヲ要ス
証書ノ文字ヲ削除スルトキハ其ノ文字ハ尚明ニ読得ヘキ為字体ヲ存シ削除シタル字数 及箇所ヲ欄外又ハ末尾ノ余白ニ記載シ公証人及嘱託人 又ハ其ノ代理人之ニ捺印スルコトヲ要ス
前三項ノ規定ニ違反シテ為シタル訂正ハ其ノ効力ヲ有セス
公証人ハ其ノ作成シタル証書ヲ列席者ニ読聞カセ 又ハ閲覧セシメ嘱託人 又ハ其ノ代理人ノ承認ヲ得且其ノ旨ヲ証書ニ記載スルコトヲ要ス
通事ヲ立会ハシメタル場合ニ於テハ前項ノ外通事ヲシテ証書ノ趣旨ヲ通訳セシメ且其ノ旨ヲ証書ニ記載スルコトヲ要ス
前二項ノ記載ヲ為シタルトキハ公証人及列席者各自証書ニ署名捺印スルコトヲ要ス
公証人ノ作成スル証書ニ他ノ書面ヲ引用シ且之ヲ其ノ証書ニ添附スルトキハ公証人其ノ証書ト添附書面トノ綴目ニ契印ヲ為スコトヲ要ス
前三条ノ規定ハ前項ノ添附書面ニ之ヲ準用ス
前二項ニ依ル添附書面ハ公証人ノ作成シタル証書ノ一部ト看做ス
代理人ノ権限ヲ証スヘキ証書、官公署ノ証明書、第三者ノ許可 又ハ同意ヲ証スヘキ証書 其ノ他ノ附属書類ハ公証人ノ作成シタル証書ニ之ヲ連綴スヘシ
但シ 嘱託人ヨリ附属書類ノ原本ノ還付ヲ請求シタルトキハ其ノ謄本ヲ原本ニ代ヘテ連綴スルコトヲ得
公証人ハ証書ト其ノ附属書類トノ綴目 及附属書類相互ノ綴目ニ契印ヲ為スヘシ
証書ノ原本滅失シタルトキハ公証人ハ既ニ交付シタル証書ノ正本 又ハ謄本ヲ徴シ其ノ所属スル法務局 又ハ地方法務局ノ長ノ認可ヲ受ケ滅失シタル証書ニ代ヘテ之ヲ保存スルコトヲ要ス
前項ノ証書ニハ其ノ所属スル法務局 又ハ地方法務局ノ長ノ認可ヲ受ケ滅失シタル証書ニ代ヘテ之ヲ保存スル旨 及其ノ認可ノ年月日ヲ記載シ公証人之ニ署名捺印スルコトヲ要ス
公証人ハ嘱託人ヲシテ印紙税法ニ依リ証書ノ原本ニ印紙ヲ貼用セシムヘシ
嘱託人、其ノ承継人 又ハ証書ノ趣旨ニ付法律上利害ノ関係ヲ有スルコトヲ証明シタル者ハ証書ノ原本ノ閲覧ヲ請求スルコトヲ得
第二十八条第一項 及第二項、第三十一条 並第三十二条第一項ノ規定ハ前項ニ依リ 公証人証書ノ原本ヲ閲覧セシムヘキ場合ニ之ヲ準用ス
公証人嘱託人ノ承継人ニ証書ノ原本ヲ閲覧セシムヘキ場合ニ於テハ承継人タルコトヲ証スヘキ証書ヲ提出セシメ其ノ承継人タルコトヲ証明セシムヘシ
検察官ハ何時ニテモ証書ノ原本ノ閲覧ヲ請求スルコトヲ得
前項ノ規定ハ証書ノ作成ヲ記入スヘキ帳簿ニ関シ法令ニ別段ノ定アル場合ニ之ヲ適用セス
第二十八条第一項 及第二項、第三十一条、第三十二条第一項及第二項並第四十四条第三項ノ規定ハ前項ニ依リ 公証人証書ノ正本ヲ作成スヘキ場合ニ之ヲ準用ス
第三十二条第二項ノ規定ハ嘱託人ノ承継人カ証書ノ正本ノ交付ヲ請求スル場合ニ提出スヘキ証書ニ之ヲ準用ス
前項ノ規定ニ違反スルモノハ証書ノ正本タルノ効力ヲ有セス
数事件ヲ列記スル証書又ハ数人各自ニ関係ヲ異ニスル証書ニ付テハ有用ノ部分及証書ノ方式ニ関スル記載ヲ抄録シテ其ノ正本ヲ作成スルコトヲ得
前項ノ正本ニハ抄録正本タルコトヲ記載シ前条第一項第二号ノ記載ニ代フルコトヲ要ス
公証人証書ノ正本ヲ交付シタルトキハ其ノ証書ノ末尾ニ嘱託人又ハ其ノ承継人何某ノ為正本ヲ交付シタル旨及其ノ交付ノ年月日ヲ記載シ之ニ署名捺印スヘシ
嘱託人、其ノ承継人又ハ証書ノ趣旨ニ付法律上利害ノ関係ヲ有スルコトヲ証明シタル者ハ証書又ハ其ノ附属書類ノ謄本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
第二十八条第一項 及第二項、第三十一条、第三十二条第一項並第四十四条第三項ノ規定ハ前項ニ依リ 公証人証書ノ謄本ヲ作成スヘキ場合ニ之ヲ準用ス
前項ノ謄本ニハ抄録謄本タルコトヲ記載スヘシ
前二条ノ規定ハ証書ノ附属書類ノ謄本ノ作成ニ之ヲ準用ス
証書ノ正本 若ハ謄本 又ハ其ノ附属書類ノ謄本ヲ請求スル者ハ之ニ記載スヘキ事項ヲ自ラ記載シ公証人ノ署名捺印ノミヲ請求スルコトヲ得
公証人前項ノ正本 又ハ謄本ニ署名捺印シタルトキハ其ノ正本又ハ謄本ハ公証人自ラ之ヲ作成シタルト同一ノ効力ヲ有ス
証書ノ正本 若ハ謄本 又ハ其ノ附属書類ノ謄本数葉ニ渉ルトキハ公証人ハ毎葉ノ綴目ニ契印ヲ為スヘシ
第三十七条 及第三十八条ノ規定ハ証書ノ正本及謄本 並其ノ附属書類ノ謄本ノ作成ニ之ヲ準用ス
第十八条第二項ノ規定ハ公証人遺言書ヲ作成スル場合ニ、第二十八条 乃至第三十二条ノ規定ハ公証人拒絶証書ヲ作成スル場合ニ之ヲ適用セス
民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二十二条第五号ニ掲グル債務名義ニ付テハ其ノ正本若ハ謄本又ハ同法第二十九条後段ノ執行文及文書ノ謄本ノ送達ハ郵便 又ハ最高裁判所規則ノ定ムル方法ニ依ル
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十九条第二項、第百一条乃至第百三条、第百五条、第百六条、第百七条第一項 及第三項 並第百九条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
公証人任意後見契約に関する法律(平成十一年法律第百五十号)第三条ニ規定スル証書ヲ作成シタルトキハ登記所ニ任意後見契約ノ登記ヲ嘱託スルコトヲ要ス
前項ノ登記ノ嘱託書ニハ証書ノ謄本ヲ添付スルコトヲ要ス
第五章 認証
公証人私署証書ニ認証ヲ与フルニハ当事者其ノ面前ニ於テ証書ニ署名若ハ捺印シタルトキ又ハ証書ノ署名若ハ捺印ヲ自認シタルトキ其ノ旨ヲ記載シテ之ヲ為スコトヲ要ス
私署証書ノ謄本ニ認証ヲ与フルニハ証書ト対照シ其ノ符合スルコトヲ認メタルトキ其ノ旨ヲ記載シテ之ヲ為スコトヲ要ス
私署証書ニ文字ノ挿入、 削除、改竄、欄外ノ記載其ノ他ノ訂正アルトキ又ハ破損 若ハ外見上著ク疑フヘキ点アルトキハ 其ノ状況ヲ認証文ニ記載スルコトヲ要ス
公証人私署証書ニ認証ヲ与フル場合ニ於テ当事者其ノ面前ニ於テ証書ノ記載ノ真実ナルコトヲ宣誓シタル上証書ニ署名 若ハ捺印シ 又ハ証書ノ署名 若ハ捺印ヲ自認シタルトキハ其ノ旨ヲ記載シテ之ヲ為スコトヲ要ス
前項ノ認証ノ嘱託ハ証書二通ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
第一項ノ認証ノ嘱託ハ代理人ニ依リテ之ヲ為スコトヲ得ズ
公証人ハ第一項ノ規定ニ依ル記載ヲ為シタル証書ノ中一通ヲ自ラ保存シ他ノ一通ヲ嘱託人ニ還付スルコトヲ要ス
認証ヲ与フヘキ証書ニハ登簿番号、認証ノ年月日 及其ノ場所ヲ記載シ公証人及立会人之ニ署名捺印シ且公証人其ノ証書ト認証簿トニ契印ヲ為スコトヲ要ス此場合ニ於テ嘱託人ノ申立アルトキハ第三十六条第四号 及第六号 乃至第八号ニ掲グル事項ヲ記載スルコトヲ要ス
第二十六条乃至第三十四条、第三十七条、第三十八条及第三十九条第五項ノ規定ハ私署証書ニ認証ヲ与フル場合ニ之ヲ準用ス
官公署ノ証明書、第三者ノ許可 又ハ同意ヲ証スベキ証書其ノ他ノ附属書類ハ第五十八条ノ二第四項ノ規定ニ依リ公証人ノ保存スル証書ニ之ヲ連綴スベシ
第四十一条第一項但書 及第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十八条ノ二第四項ノ規定ニ依リテ 保存スル証書滅失シタルトキハ公証人ハ嘱託人ニ還付シタル証書ニ依リテ 謄本ヲ作成シ又ハ既ニ交付シタル証書ノ謄本ヲ徴シ 其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ノ長ノ認可ヲ受ケ 滅失シタル証書ニ代ヘテ之ヲ保存スルコトヲ要ス
第四十二条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十四条 及第五十一条乃至第五十六条ノ規定ハ第五十八条ノ二第四項ノ規定ニ依リ 公証人ノ保存スル証書及其ノ附属書類ニ之ヲ準用ス
証書ノ記載ガ虚偽ナルコトヲ知リテ第五十八条ノ二第一項ニ規定スル 宣誓ヲ為シタル者ハ十万円以下ノ過料ニ処ス
会社法第三十条第一項及其ノ準用規定並一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第十三条 及第百五十五条ノ規定ニ依ル定款ノ認証ノ事務ハ法人ノ本店又ハ主タル事務所ノ所在地ヲ管轄スル法務局 又ハ地方法務局ノ所属公証人之ヲ取扱フ
前条ノ定款(其ノ定款ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ヲ除ク以下之ニ同ジ)ノ認証ノ嘱託ハ定款二通ヲ提出シテ之ヲ為スコトヲ要ス
公証人前項ノ定款ノ認証ヲ与フルニハ嘱託人ヲシテ其ノ面前ニ於テ定款各通ニ付其ノ署名又ハ記名捺印ヲ自認セシメ其ノ旨ヲ之ニ記載スルコトヲ要ス
第五十八条第三項、第五十九条、第六十条、第六十一条 及第六十二条ノ規定ハ第二項ノ場合ニ之ヲ準用ス
代理人ノ権限ヲ証スヘキ証書、 官公署ノ証明書、第三者ノ許可 又ハ同意ヲ証スヘキ証書 其ノ他ノ附属書類ハ前条第三項ノ規定ニ依リ公証人ノ保存スル定款ニ之ヲ連綴スヘシ
第四十一条第一項但書 及第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十条ノ三 及第六十条ノ四ノ規定ハ第六十二条ノ三第三項ノ規定ニ依リ 公証人ノ保存スル定款及其ノ附属書類ニ之ヲ準用ス
指定公証人電磁的記録ニ認証ヲ与フルニハ法務省令ノ定ムルトコロニ依リ当事者其ノ面前ニ於テ嘱託ニ係ル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ付左ノ行為(第六十二条ノ二ノ定款ガ電磁的記録ヲ以テ作ラレタル場合ニ於ケル其ノ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ付テハ第二号ノ行為ニ限ル)ヲ為シタルトキ其ノ旨ヲ内容トスル情報ヲ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ電磁的方式ニ依リ付シテ之ヲ為スコトヲ要ス
嘱託ニ係ル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ガ其ノ者ノ作成ニ係ルモノナルコトヲ示ス措置ニシテ当該情報ガ他ノ情報ニ改変セラレタルヤ否ヤヲ確認シ得ル等作成者ヲ確実ニ示スコトヲ得ルモノトシテ法務省令ニ定ムルモノヲ為シタルトキ
前号ニ規定スル措置ヲ為シタルコトヲ自認シタルトキ
指定公証人電磁的記録ニ認証ヲ与フル場合ニ於テ当事者其ノ面前ニ於テ嘱託ニ係ル電磁的記録ノ内容ノ真実ナルコトヲ宣誓シタル上前項各号ノ行為ヲ為シタルトキハ其ノ旨ヲ内容トスル情報ヲ電磁的記録ニ記録セラレタル情報ニ電磁的方式ニ依リ付シテ之ヲ為スコトヲ要ス此場合ニ於テハ第五十八条ノ二第三項ノ規定ヲ準用ス
前二項ノ認証ノ嘱託ハ法務省令ノ定ムルトコロニ依リ之ヲ為スコトヲ要ス
第二十六条 及第二十九条乃至第三十一条ノ規定ハ第一項 及第二項ノ規定ニ依リ 電磁的記録ニ認証ヲ与フル場合ニ之ヲ準用ス
嘱託ニ係ル電磁的記録ノ内容ガ 虚偽ナルコトヲ知リテ第二項ノ宣誓ヲ為シタル者ハ十万円以下ノ過料ニ処ス
指定公証人ハ 法務省令ノ定ムルトコロニ依リ前条第一項 又ハ第二項ノ規定ニ依リ認証ヲ受ケタル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ノ 同一性ヲ確認スルニ足ル情報ヲ保存ス
嘱託人ハ前条第一項 又ハ第二項ノ規定ニ依リ認証ヲ受ケタル電磁的記録ニ 記録セラレタル情報ト同一ノ情報ヲ記録シタル電磁的記録ノ 保存ヲ請求スルコトヲ得
自己ノ保有スル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ト第一項ニ規定スル電磁的記録ニ記録セラレタル情報トガ同一ナルコトニ関スル証明
第二項ノ規定ニ依リ保存セラレタル電磁的記録ニ記録セラレタル情報ト同一ノ情報ノ提供
前項第二号ノ情報ノ提供ハ法務省令ノ定ムルトコロニ依リ同号ノ電磁的記録ノ内容ヲ証スル書面ノ交付ヲ以テ之ヲ為スコトヲ得
前条第三項ノ規定ハ第二項 及第三項ノ請求ニ之ヲ準用ス
指定公証人 前二条ノ規定ニ依リ認証ヲ与ヘ又ハ電磁的方式ニ依ル証明 若ハ情報ノ提供ヲ行フ場合ニ於テハ認証ヲ与フル 電磁的記録ニ記録セラレタル情報及第六十二条ノ六ノ規定ニ依リ之ニ付セラレタル情報又ハ当該証明ヲ内容トスル情報若ハ提供スル情報ニ左ノ措置ヲ為スコトヲ要ス
電磁的記録ニ記録セラレタル情報ガ其ノ指定公証人ノ作成ニ係ルモノナルコトヲ示ス措置ニシテ当該情報ガ他ノ情報ニ改変セラレタルヤ否ヤヲ確認シ得ル等作成者ヲ確実ニ示スコトヲ得ルモノトシテ法務省令ニ定ムルモノヲ為スコト
前項第二号ノ情報ハ法務大臣 又ハ法務大臣ノ指定シタル法務局若ハ地方法務局ノ長之ヲ作ル
前項ノ指定ハ告示シテ之ヲ為ス
第六章 代理兼務及受継
公証人疾病其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ職務ヲ行フコト能ハサルトキハ同一ノ法務局又ハ地方法務局ノ管轄区域内ノ公証人ニ代理ヲ嘱託スルコトヲ得
公証人前項ニ依リ代理ヲ嘱託シタルトキハ遅滞ナク其ノ旨ヲ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ノ長ニ届出ツヘシ其ノ代理ヲ解キタルトキ亦同シ
公証人前条第一項ニ依リ代理ヲ嘱託セス又ハ之ヲ嘱託スルコト能ハサルトキハ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ノ長ハ同一ノ法務局又ハ地方法務局ノ管轄区域内ノ公証人ニ代理ヲ命スルコトヲ得
公証人其ノ職務ヲ行フコトヲ得ルニ至リタルトキハ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ノ長ハ前項ノ代理ヲ解クヘシ
公証人ノ代理者前二条ニ依リ其ノ職務ヲ行フノ役場ハ代理セラルル公証人ノ役場トス
公証人ノ代理者職務上 署名スルトキハ代理セラルル公証人ノ職 氏名、所属、 役場所在地 及其ノ代理者タルコトヲ記載スヘシ
第二十二条ノ規定ハ 代理セラルル公証人ノ外其ノ代理者ニモ之ヲ適用ス
公証人ノ死亡、免職、失職又ハ転属ノ場合ニ於テ直ニ後任者ノ任命セラレサルトキハ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ノ長ハ同一ノ法務局又ハ地方法務局ノ管轄区域内ノ公証人ニ兼務ヲ命スルコトヲ得
後任者其ノ職務ヲ行フコトヲ得ルニ至リタルトキハ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ノ長ハ前項ノ兼務ヲ解クヘシ
公証人ノ免職、失職又ハ転属ノ場合ニ於テハ後任者又ハ兼務者ハ前任者ト立会ヒ遅滞ナク書類ノ授受ヲ為スヘシ
第六十六条ニ依ル書類ノ封印後ニ命セラレタル後任者又ハ兼務者ハ其ノ所属スル法務局又ハ地方法務局ノ長ノ指定シタル官吏ノ立会ヲ以テ封印ヲ解キ書類ヲ受取ルヘシ
前条ノ規定ハ兼務者カ書類ヲ更ニ他ノ公証人ニ引渡スヘキ場合ニ之ヲ準用ス
公証人ノ死亡、免職、失職又ハ転属ノ場合ニ於テ定員ノ改正ニ因リ後任者ヲ要セサルトキハ法務大臣ハ同一ノ法務局若ハ地方法務局又ハ其ノ支局ノ管轄区域内ノ公証人ニ書類ノ引継ヲ命スヘシ
第六十八条及前条第二項ノ規定ハ前項ニ依リ書類ノ引継ヲ命セラレタル公証人ニ之ヲ準用ス
第六十六条、第六十七条、第六十八条第三項 及第七十条第一項ノ規定ハ公証人ノ停職ノ場合ニ之ヲ準用ス
第六十八条 及第六十九条ノ規定ハ法務事務官カ第八条ニ依リ 公証人ノ職務ヲ行フ場合ニ之ヲ準用ス
第七章 監督及懲戒
第七十四条ノ監督権ハ左ノ事項ヲ包含ス
公証人ノ不適当ニ取扱ヒタル職務ニ付 其ノ注意ヲ促シ 及適当ニ其ノ職務ヲ取扱フヘキコトヲ之ニ訓令スルコト
職務ノ内外ヲ問ハス公証人ノ地位ニ不相応ナル行状ニ付之ニ諭告スルコト
但シ諭告ヲ為ス前 其ノ公証人ヲシテ弁明ヲ為スコトヲ得セシムヘシ
前項ノ規定ハ指定公証人ノ保存スル電磁的記録ニ之ヲ準用ス
前項ノ異議ニ付為シタル処分ニ対シ不服アル者ハ更ニ法務大臣ニ異議ヲ申出ルコトヲ得
懲戒ハ左ノ五種トス
十万円以下ノ過料
一年以下ノ停職
過料、停職、転属及免職ハ第十三条ノ二ノ政令ヲ以テ定ムル 審議会等ノ議決ニ依リ法務大臣之ヲ行フ
前項ノ執行ニ付テハ非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百二十一条ノ規定ヲ準用ス
公証人ノ納メタル身元保証金ハ第二十条第三項ノ場合ヲ除クノ外 他ノ公課及債権ニ先チテ之ヲ過料ニ充ツ