一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
第二章 一般社団法人
第一節 設立
⤏ 第一款 定款の作成
前項の定款は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をもって作成することができる。
この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、法務省令で定める署名 又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
一般社団法人の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
設立時社員の氏名 又は名称 及び住所
社員に剰余金 又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。
前条第一項各号に掲げる事項のほか、一般社団法人の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項 及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。
第十条第一項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)は、定款を設立時社員が定めた場所(一般社団法人の成立後にあっては、その主たる事務所 及び従たる事務所)に備え置かなければならない。
設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、その社員 及び債権者)は、設立時社員が定めた時間(一般社団法人の成立後にあっては、その業務時間)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めた費用を支払わなければならない。
定款が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧の請求
前号の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
定款が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)であって設立時社員(一般社団法人の成立後にあっては、当該一般社団法人)の定めたものにより提供することの請求 又はその事項を記載した書面の交付の請求
定款が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における前項第三号 及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっている一般社団法人についての第一項の規定の適用については、
同項中
「主たる事務所 及び従たる事務所」とあるのは、
「主たる事務所」と
する。
⤏ 第二款 設立時役員等の選任及び解任
定款で設立時理事(一般社団法人の設立に際して理事となる者をいう。以下この章、第二百七十八条 及び第三百十八条第二項において同じ。)を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後 遅滞なく、設立時理事を選任しなければならない。
設立しようとする一般社団法人が次の各号に掲げるものである場合において、定款で当該各号に定める者を定めなかったときは、設立時社員は、第十三条の公証人の認証の後遅滞なく、これらの者を選任しなければならない。
監事設置一般社団法人(監事を置く一般社団法人 又はこの法律の規定により監事を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。)
設立時監事(一般社団法人の設立に際して監事となる者をいう。以下この章、第二百五十四条第六号 及び第三百十八条第二項第三号において同じ。)
会計監査人設置一般社団法人(会計監査人を置く一般社団法人 又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない一般社団法人をいう。以下同じ。)
設立時会計監査人(一般社団法人の設立に際して会計監査人となる者をいう。次条第二項 及び第三百十八条第二項第四号において同じ。)
設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人(理事会を置く一般社団法人をいう。以下同じ。)である場合には、設立時理事は、三人以上でなければならない。
第六十五条第一項 又は第六十八条第一項 若しくは第三項の規定により成立後の一般社団法人の理事、監事 又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時理事、設立時監事 又は設立時会計監査人(以下この款において「設立時役員等」という。)となることができない。
第六十五条の二の規定は、設立時理事 及び設立時監事について準用する。
設立時役員等の選任は、設立時社員の議決権の過半数をもって決定する。
前項の場合には、設立時社員は、各一個の議決権を有する。
ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。
設立時社員は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時役員等を解任することができる。
設立時役員等の解任は、設立時社員の議決権の過半数(設立時監事を解任する場合にあっては、三分の二以上に当たる多数)をもって決定する。
第十七条第二項の規定は、前項の場合について準用する。
⤏ 第三款 設立時理事等による調査
設立時理事(設立しようとする一般社団法人が監事設置一般社団法人である場合にあっては、設立時理事 及び設立時監事。次項において同じ。)は、その選任後 遅滞なく、一般社団法人の設立の手続が法令 又は定款に違反していないことを調査しなければならない。
設立時理事は、前項の規定による調査により、一般社団法人の設立の手続が法令 若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、設立時社員にその旨を通知しなければならない。
⤏ 第四款 設立時代表理事の選定等
設立時理事は、設立しようとする一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合には、設立時理事の中から一般社団法人の設立に際して代表理事(一般社団法人を代表する理事をいう。以下この章 及び第三百一条第二項第六号において同じ。)となる者(以下この条 及び第三百十八条第二項において「設立時代表理事」という。)を選定しなければならない。
設立時理事は、一般社団法人の成立の時までの間、設立時代表理事を解職することができる。
前二項の規定による設立時代表理事の選定 及び解職は、設立時理事の過半数をもって決定する。
⤏ 第五款 一般社団法人の成立
一般社団法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
⤏ 第六款 設立時社員等の責任
設立時社員、設立時理事 又は設立時監事は、一般社団法人の設立についてその任務を怠ったときは、当該一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
設立時社員、設立時理事 又は設立時監事がその職務を行うについて悪意 又は重大な過失があったときは、当該設立時社員、設立時理事 又は設立時監事は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
設立時社員、設立時理事 又は設立時監事が一般社団法人 又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の設立時社員、設立時理事 又は設立時監事も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
第二十三条第一項の規定により設立時社員、設立時理事 又は設立時監事の負う責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。
一般社団法人が成立しなかったときは、設立時社員は、連帯して、一般社団法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、一般社団法人の設立に関して支出した費用を負担する。
第二節 社員
⤏ 第一款 総則
社員は、定款で定めるところにより、一般社団法人に対し、経費を支払う義務を負う。
社員は、いつでも退社することができる。
ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。
前項ただし書の規定による定款の定めがある場合であっても、やむを得ない事由があるときは、社員は、いつでも退社することができる。
前条の場合のほか、社員は、次に掲げる事由によって退社する。
社員の除名は、正当な事由があるときに限り、社員総会の決議によってすることができる。
この場合において、一般社団法人は、当該社員に対し、当該社員総会の日から一週間前までにその旨を通知し、かつ、社員総会において弁明する機会を与えなければならない。
除名は、除名した社員にその旨を通知しなければ、これをもって当該社員に対抗することができない。
⤏ 第二款 社員名簿等
一般社団法人は、社員の氏名 又は名称 及び住所を記載し、又は記録した名簿(以下「社員名簿」という。)を作成しなければならない。
一般社団法人は、社員名簿をその主たる事務所に備え置かなければならない。
社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
社員名簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
社員名簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保 又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
請求者が社員名簿の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
請求者が、過去二年以内において、社員名簿の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
一般社団法人が社員に対してする通知 又は催告は、社員名簿に記載し、又は記録した当該社員の住所(当該社員が別に通知 又は催告を受ける場所 又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所 又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知 又は催告は、その通知 又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
前二項の規定は、第三十九条第一項の通知に際して社員に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。
この場合において、
前項中
「到達したもの」とあるのは、
「当該書面の交付 又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と
読み替えるものとする。
一般社団法人が社員に対してする通知 又は催告が五年以上継続して到達しない場合には、一般社団法人は、当該社員に対する通知 又は催告をすることを要しない。
前項の場合には、同項の社員に対する一般社団法人の義務の履行を行う場所は、一般社団法人の住所地とする。
第三節 機関
⤏ 第一款 社員総会
社員総会は、この法律に規定する事項 及び一般社団法人の組織、運営、管理 その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができる。
前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、この法律に規定する事項 及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
前二項の規定にかかわらず、社員総会は、社員に剰余金を分配する旨の決議をすることができない。
この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会 その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。
定時社員総会は、毎事業年度の終了後 一定の時期に招集しなければならない。
社員総会は、必要がある場合には、いつでも、招集することができる。
社員総会は、次条第二項の規定により招集する場合を除き、理事が招集する。
総社員の議決権の十分の一(五分の一以下の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、理事に対し、社員総会の目的である事項 及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。
次に掲げる場合には、前項の規定による請求をした社員は、裁判所の許可を得て、社員総会を招集することができる。
前項の規定による請求の後 遅滞なく招集の手続が行われない場合
前項の規定による請求があった日から六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)以内の日を社員総会の日とする社員総会の招集の通知が発せられない場合
理事(前条第二項の規定により社員が社員総会を招集する場合にあっては、当該社員。次条から第四十二条までにおいて同じ。)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
社員総会の目的である事項があるときは、当該事項
社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
理事会設置一般社団法人においては、前条第二項の規定により社員が社員総会を招集するときを除き、前項各号に掲げる事項の決定は、理事会の決議によらなければならない。
社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。
ただし、前条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。
次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
前条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めた場合
一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合
理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。
この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
前条の規定にかかわらず、社員総会は、社員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
ただし、第三十八条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。
理事は、第三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「社員総会参考書類」という。)及び社員が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類 及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
ただし、社員の請求があったときは、これらの書類を当該社員に交付しなければならない。
理事は、第三十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、社員総会参考書類を交付しなければならない。
理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類の交付に代えて、当該社員総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
ただし、社員の請求があったときは、社員総会参考書類を当該社員に交付しなければならない。
理事は、第一項に規定する場合には、第三十九条第三項の承諾をした社員に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
理事は、第一項に規定する場合において、第三十九条第三項の承諾をしていない社員から社員総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社員に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。
社員は、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。
前項の規定にかかわらず、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、理事に対し、一定の事項を社員総会の目的とすることを請求することができる。
この場合において、その請求は、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までにしなければならない。
社員は、社員総会において、社員総会の目的である事項につき議案を提出することができる。
ただし、当該議案が法令 若しくは定款に違反する場合 又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合は、この限りでない。
社員は、理事に対し、社員総会の日の六週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員総会の目的である事項につき当該社員が提出しようとする議案の要領を社員に通知すること(第三十九条第二項 又は第三項の通知をする場合にあっては、その通知に記載し、又は記録すること)を請求することができる。
ただし、理事会設置一般社団法人においては、総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員に限り、当該請求をすることができる。
前項の規定は、同項の議案が法令 若しくは定款に違反する場合 又は実質的に同一の議案につき社員総会において総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の賛成を得られなかった日から三年を経過していない場合には、適用しない。
一般社団法人 又は総社員の議決権の三十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、社員総会に係る招集の手続 及び決議の方法を調査させるため、当該社員総会に先立ち、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
前項の規定による検査役の選任の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人(検査役の選任の申立てをした者が当該一般社団法人でない場合にあっては、当該一般社団法人 及びその者)に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
裁判所は、前条第四項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部 又は一部を命じなければならない。
一定の期間内に社員総会を招集すること。
前条第四項の調査の結果を社員に通知すること。
裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第四項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。
前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事 及び監事)は、前条第四項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。
一般社団法人は、理事が社員総会の招集の手続を行うときは、次に掲げる資料(第四十七条の四第三項において「社員総会参考書類等」という。)の内容である情報について、電子提供措置(電磁的方法により社員が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるものをいう。以下この款、第三百一条第二項第四号の二 及び第三百四十二条第十号の二において同じ。)をとる旨を定款で定めることができる。
この場合において、その定款には、電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。
第百二十五条の計算書類 及び事業報告 並びに監査報告
電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の理事は、第三十九条第二項各号に掲げる場合には、社員総会の日の三週間前の日 又は同条第一項の通知を発した日のいずれか早い日(第四十七条の六第三号において「電子提供措置開始日」という。)から社員総会の日後三箇月を経過する日までの間(第四十七条の六において「電子提供措置期間」という。)、次に掲げる事項に係る情報について継続して電子提供措置をとらなければならない。
第三十八条第一項各号に掲げる事項
第四十一条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類 及び議決権行使書面に記載すべき事項
第四十二条第一項に規定する場合には、社員総会参考書類に記載すべき事項
第四十五条第一項の規定による請求があった場合には、同項の議案の要領
一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合において、理事が定時社員総会を招集するときは、第百二十五条の計算書類 及び事業報告 並びに監査報告に記載され、又は記録された事項
前各号に掲げる事項を修正したときは、その旨 及び修正前の事項
前項の規定にかかわらず、理事が第三十九条第一項の通知に際して社員に対し議決権行使書面を交付するときは、議決権行使書面に記載すべき事項に係る情報については、前項の規定により電子提供措置をとることを要しない。
前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合における第三十九条第一項の規定の適用については、
同項中
「社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人以外の一般社団法人において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日」とあるのは、
「社員総会の日」と
する。
第三十九条第四項の規定にかかわらず、前条第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第二項 又は第三項の通知には、第三十八条第一項第五号に掲げる事項を記載し、又は記録することを要しない。
この場合において、当該通知には、同項第一号から第四号までに掲げる事項のほか、電子提供措置をとっている旨 その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない。
第四十一条第一項、第四十二条第一項 及び第百二十五条の規定にかかわらず、電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人においては、理事は、第三十九条第一項の通知に際して、社員に対し、社員総会参考書類等を交付し、又は提供することを要しない。
電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人における第四十五条第一項の規定の適用については、
同項中
「その通知に記載し、又は記録する」とあるのは、
「当該議案の要領について第四十七条の二に規定する電子提供措置をとる」と
する。
電子提供措置をとる旨の定款の定めがある一般社団法人の社員(第三十九条第三項の承諾をした社員を除く。)は、一般社団法人に対し、第四十七条の三第一項各号に掲げる事項(次項において「電子提供措置事項」という。)を記載した書面の交付を請求することができる。
理事は、第四十七条の三第一項の規定により電子提供措置をとる場合には、第三十九条第一項の通知に際して、前項の規定による請求(以下この条において「書面交付請求」という。)をした社員に対し、当該社員総会に係る電子提供措置事項を記載した書面を交付しなければならない。
書面交付請求をした社員がある場合において、その書面交付請求の日(当該社員が次項ただし書の規定により異議を述べた場合にあっては、当該異議を述べた日)から一年を経過したときは、一般社団法人は、当該社員に対し、前項の規定による書面の交付を終了する旨を通知し、かつ、これに異議のある場合には一定の期間(以下この条において「催告期間」という。)内に異議を述べるべき旨を催告することができる。
ただし、催告期間は、一箇月を下ることができない。
前項の規定による通知 及び催告を受けた社員がした書面交付請求は、催告期間を経過した時にその効力を失う。
ただし、当該社員が催告期間内に異議を述べたときは、この限りでない。
第四十七条の三第一項の規定にかかわらず、電子提供措置期間中に電子提供措置の中断(社員が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと 又は当該情報がその状態に置かれた後改変されたこと(同項第六号の規定により修正されたことを除く。)をいう。以下この条において同じ。)が生じた場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その電子提供措置の中断は、当該電子提供措置の効力に影響を及ぼさない。
電子提供措置の中断が生じた時間の合計が電子提供措置期間の十分の一を超えないこと。
電子提供措置開始日から社員総会の日までの期間中に電子提供措置の中断が生じたときは、当該期間中に電子提供措置の中断が生じた時間の合計が当該期間の十分の一を超えないこと。
一般社団法人が電子提供措置の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、電子提供措置の中断が生じた時間 及び電子提供措置の中断の内容について当該電子提供措置に付して電子提供措置をとったこと。
社員は、各一個の議決権を有する。
ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。
前項ただし書の規定にかかわらず、社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨の定款の定めは、その効力を有しない。
社員総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した当該社員の議決権の過半数をもって行う。
前項の規定にかかわらず、次に掲げる社員総会の決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
第三十条第一項の社員総会
第七十条第一項の社員総会(監事を解任する場合に限る。)
第百十三条第一項の社員総会
第百四十六条の社員総会
第百四十七条の社員総会
第百四十八条第三号 及び第百五十条の社員総会
第二百四十七条、第二百五十一条第一項 及び第二百五十七条の社員総会
理事会設置一般社団法人においては、社員総会は、第三十八条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。
ただし、第五十五条第一項 若しくは第二項に規定する者の選任 又は第百九条第二項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。
社員は、代理人によってその議決権を行使することができる。
この場合においては、当該社員 又は代理人は、代理権を証明する書面を一般社団法人に提出しなければならない。
前項の代理権の授与は、社員総会ごとにしなければならない。
第一項の社員 又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該社員 又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面 及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
代理権を証明する書面の閲覧 又は謄写の請求
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保 又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
請求者が代理権を証明する書面の閲覧 若しくは謄写 又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
請求者が、過去二年以内において、代理権を証明する書面の閲覧 若しくは謄写 又は前項第二号の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 若しくは謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該記載をした議決権行使書面を一般社団法人に提出して行う。
前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。
一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面をその主たる事務所に備え置かなければならない。
社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧 又は謄写の請求をすることができる。
この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保 又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
請求者が第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
請求者が、過去二年以内において、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該一般社団法人に提供して行う。
社員が第三十九条第三項の承諾をした者である場合には、一般社団法人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した社員の議決権の数に算入する。
一般社団法人は、社員総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求をすることができる。
この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保 又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
請求者が前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
請求者が、過去二年以内において、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事 及び監事)は、社員総会において、社員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。
ただし、当該事項が社員総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより社員の共同の利益を著しく害する場合 その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。
社員総会の議長は、当該社員総会の秩序を維持し、議事を整理する。
社員総会の議長は、その命令に従わない者 その他当該社員総会の秩序を乱す者を退場させることができる。
社員総会においては、その決議によって、理事、監事 及び会計監査人が当該社員総会に提出し、又は提供した資料を調査する者を選任することができる。
第三十七条の規定により招集された社員総会においては、その決議によって、一般社団法人の業務 及び財産の状況を調査する者を選任することができる。
社員総会においてその延期 又は続行について決議があった場合には、第三十八条 及び第三十九条の規定は、適用しない。
社員総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。
一般社団法人は、社員総会の日から十年間、前項の議事録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
一般社団法人は、社員総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその従たる事務所に備え置かなければならない。
ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、従たる事務所における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
社員 及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面 又は当該書面の写しの閲覧 又は謄写の請求
第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
理事 又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面 又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。
一般社団法人は、前項の規定により社員総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面 又は電磁的記録をその主たる事務所に備え置かなければならない。
社員 及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
前項の書面の閲覧 又は謄写の請求
前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
第一項の規定により定時社員総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時社員総会が終結したものとみなす。
理事が社員の全員に対して社員総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を社員総会に報告することを要しないことにつき社員の全員が書面 又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の社員総会への報告があったものとみなす。
⤏ 第二款 社員総会以外の機関の設置
一般社団法人には、一人 又は二人以上の理事を置かなければならない。
一般社団法人は、定款の定めによって、理事会、監事 又は会計監査人を置くことができる。
理事会設置一般社団法人 及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。
大規模一般社団法人は、会計監査人を置かなければならない。
⤏ 第三款 役員等の選任及び解任
役員(理事 及び監事をいう。以下この款において同じ。)及び会計監査人は、社員総会の決議によって選任する。
前項の決議をする場合には、法務省令で定めるところにより、役員が欠けた場合 又はこの法律 若しくは定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができる。
一般社団法人と役員 及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。
次に掲げる者は、役員となることができない。
この法律 若しくは会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定に違反し、又は民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条 若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪 若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで 若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
監事は、一般社団法人 又はその子法人の理事 又は使用人を兼ねることができない。
理事会設置一般社団法人においては、理事は、三人以上でなければならない。
成年被後見人が役員に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人 及び後見監督人の同意)を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない。
被保佐人が役員に就任するには、その保佐人の同意を得なければならない。
第一項の規定は、保佐人が民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百七十六条の四第一項の代理権を付与する旨の審判に基づき被保佐人に代わって就任の承諾をする場合について準用する。
この場合において、
第一項中
「成年被後見人の同意(後見監督人がある場合にあっては、成年被後見人 及び後見監督人の同意)」とあるのは、
「被保佐人の同意」と
読み替えるものとする。
成年被後見人 又は被保佐人がした役員の資格に基づく行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
理事の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。
ただし、定款 又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。
監事の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。
ただし、定款によって、その任期を選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることを限度として短縮することを妨げない。
前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期を退任した監事の任期の満了する時までとすることを妨げない。
前二項の規定にかかわらず、監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、監事の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
会計監査人は、公認会計士(外国公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士をいう。)を含む。以下同じ。)又は監査法人でなければならない。
会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを一般社団法人に通知しなければならない。
この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。
次に掲げる者は、会計監査人となることができない。
公認会計士法の規定により、第百二十三条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者
一般社団法人の子法人 若しくはその理事 若しくは監事から公認会計士 若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 又はその配偶者
監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの
会計監査人の任期は、選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。
会計監査人は、前項の定時社員総会において別段の決議がされなかったときは、当該定時社員総会において再任されたものとみなす。
前二項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人が会計監査人を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、会計監査人の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
役員 及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。
前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、一般社団法人に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
監事は、会計監査人が次のいずれかに該当するときは、その会計監査人を解任することができる。
職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
会計監査人としてふさわしくない非行があったとき。
心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
前項の規定による解任は、監事が二人以上ある場合には、監事の全員の同意によって行わなければならない。
第一項の規定により会計監査人を解任したときは、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、監事の互選によって定めた監事)は、その旨 及び解任の理由を解任後 最初に招集される社員総会に報告しなければならない。
理事は、監事がある場合において、監事の選任に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
監事は、理事に対し、監事の選任を社員総会の目的とすること 又は監事の選任に関する議案を社員総会に提出することを請求することができる。
監事設置一般社団法人においては、社員総会に提出する会計監査人の選任 及び解任 並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事が決定する。
監事が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、
同項中
「監事が」とあるのは、
「監事の過半数をもって」と
する。
監事は、社員総会において、監事の選任 若しくは解任 又は辞任について意見を述べることができる。
監事を辞任した者は、辞任後最初に招集される社員総会に出席して、辞任した旨 及びその理由を述べることができる。
理事は、前項の者に対し、同項の社員総会を招集する旨 及び第三十八条第一項第一号に掲げる事項を通知しなければならない。
第一項の規定は会計監査人について、前二項の規定は会計監査人を辞任した者 及び第七十一条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。
この場合において、
第一項中
「社員総会において、監事の選任 若しくは解任 又は辞任について」とあるのは
「会計監査人の選任、解任 若しくは不再任 又は辞任について、社員総会に出席して」と、
第二項中
「辞任後」とあるのは
「解任後 又は辞任後」と、
「辞任した旨 及びその理由」とあるのは
「辞任した旨 及びその理由 又は解任についての意見」と
読み替えるものとする。
役員が欠けた場合 又はこの法律 若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了 又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。
前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時役員の職務を行うべき者を選任することができる。
裁判所は、前項の一時役員の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
会計監査人が欠けた場合 又は定款で定めた会計監査人の員数が欠けた場合において、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監事は、一時会計監査人の職務を行うべき者を選任しなければならない。
第六十八条 及び第七十一条の規定は、前項の一時会計監査人の職務を行うべき者について準用する。
⤏ 第四款 理事
理事は、定款に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。以下この条において同じ。)の業務を執行する。
理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する。
前項の場合には、理事は、次に掲げる事項についての決定を各理事に委任することができない。
従たる事務所の設置、移転 及び廃止
第三十八条第一項各号に掲げる事項
理事の職務の執行が法令 及び定款に適合することを確保するための体制 その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除
大規模一般社団法人においては、理事は、前項第三号に掲げる事項を決定しなければならない。
理事は、一般社団法人を代表する。
ただし、他に代表理事 その他一般社団法人を代表する者を定めた場合は、この限りでない。
前項本文の理事が二人以上ある場合には、理事は、各自、一般社団法人を代表する。
一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)は、定款、定款の定めに基づく理事の互選 又は社員総会の決議によって、理事の中から代表理事を定めることができる。
代表理事は、一般社団法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
一般社団法人は、代表理事 その他の代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
代表理事が欠けた場合 又は定款で定めた代表理事の員数が欠けた場合には、任期の満了 又は辞任により退任した代表理事は、新たに選定された代表理事(次項の一時代表理事の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお代表理事としての権利義務を有する。
前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時代表理事の職務を行うべき者を選任することができる。
裁判所は、前項の一時代表理事の職務を行うべき者を選任した場合には、一般社団法人がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
民事保全法(平成元年法律第九十一号)第五十六条に規定する仮処分命令により選任された理事 又は代表理事の職務を代行する者は、仮処分命令に別段の定めがある場合を除き、一般社団法人の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
前項の規定に違反して行った理事 又は代表理事の職務を代行する者の行為は、無効とする。
ただし、一般社団法人は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
第七十七条第四項の規定にかかわらず、一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、社員総会は、当該訴えについて一般社団法人を代表する者を定めることができる。
一般社団法人は、代表理事以外の理事に理事長 その他一般社団法人を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該理事がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。
理事は、法令 及び定款 並びに社員総会の決議を遵守し、一般社団法人のため忠実にその職務を行わなければならない。
理事は、次に掲げる場合には、社員総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
理事が自己 又は第三者のために一般社団法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき。
理事が自己 又は第三者のために一般社団法人と取引をしようとするとき。
一般社団法人が理事の債務を保証すること その他理事以外の者との間において一般社団法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき。
民法第百八条の規定は、前項の承認を受けた同項第二号 又は第三号の取引については、適用しない。
理事は、一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を社員(監事設置一般社団法人にあっては、監事)に報告しなければならない。
一般社団法人の業務の執行に関し、不正の行為 又は法令 若しくは定款に違反する重大な事実があることを疑うに足りる事由があるときは、総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、当該一般社団法人の業務 及び財産の状況を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをすることができる。
前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第二項の検査役は、その職務を行うため必要があるときは、一般社団法人の子法人の業務 及び財産の状況を調査することができる。
第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
第二項の検査役は、第五項の報告をしたときは、一般社団法人 及び検査役の選任の申立てをした社員に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
裁判所は、前条第五項の報告があった場合において、必要があると認めるときは、理事に対し、次に掲げる措置の全部 又は一部を命じなければならない。
一定の期間内に社員総会を招集すること。
前条第五項の調査の結果を社員に通知すること。
裁判所が前項第一号に掲げる措置を命じた場合には、理事は、前条第五項の報告の内容を同号の社員総会において開示しなければならない。
前項に規定する場合には、理事(監事設置一般社団法人にあっては、理事 及び監事)は、前条第五項の報告の内容を調査し、その結果を第一項第一号の社員総会に報告しなければならない。
社員は、理事が一般社団法人の目的の範囲外の行為 その他法令 若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
監事設置一般社団法人における前項の規定の適用については、
同項中
「著しい損害」とあるのは、
「回復することができない損害」と
する。
理事の報酬等(報酬、賞与 その他の職務執行の対価として一般社団法人等から受ける財産上の利益をいう。以下同じ。)は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。
⤏ 第五款 理事会
理事会は、すべての理事で組織する。
理事会は、次に掲げる職務を行う。
理事会設置一般社団法人の業務執行の決定
理事会は、理事の中から代表理事を選定しなければならない。
理事会は、次に掲げる事項 その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。
従たる事務所 その他の重要な組織の設置、変更 及び廃止
理事の職務の執行が法令 及び定款に適合することを確保するための体制 その他一般社団法人の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第百十一条第一項の責任の免除
大規模一般社団法人である理事会設置一般社団法人においては、理事会は、前項第五号に掲げる事項を決定しなければならない。
次に掲げる理事は、理事会設置一般社団法人の業務を執行する。
代表理事以外の理事であって、理事会の決議によって理事会設置一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの
前項各号に掲げる理事は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。
ただし、定款で毎事業年度に四箇月を超える間隔で二回以上 その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでない。
理事会設置一般社団法人における第八十四条の規定の適用については、
同条第一項中
「社員総会」とあるのは、
「理事会」と
する。
理事会設置一般社団法人においては、第八十四条第一項各号の取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。
理事会は、各理事が招集する。
ただし、理事会を招集する理事を定款 又は理事会で定めたときは、その理事が招集する。
前項ただし書に規定する場合には、同項ただし書の規定により定められた理事(以下この項 及び第百一条第二項において「招集権者」という。)以外の理事は、招集権者に対し、理事会の目的である事項を示して、理事会の招集を請求することができる。
前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合には、その請求をした理事は、理事会を招集することができる。
理事会を招集する者は、理事会の日の一週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各理事 及び各監事に対してその通知を発しなければならない。
前項の規定にかかわらず、理事会は、理事 及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
理事会の決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
前項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。
理事会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した理事(定款で議事録に署名し、又は記名押印しなければならない者を当該理事会に出席した代表理事とする旨の定めがある場合にあっては、当該代表理事)及び監事は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名 又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
理事会の決議に参加した理事であって第三項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
理事会設置一般社団法人は、理事が理事会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき理事(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面 又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき(監事が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、当該提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。
理事会設置一般社団法人は、理事会の日(前条の規定により理事会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第九十五条第三項の議事録 又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面 若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその主たる事務所に備え置かなければならない。
社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。
前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
債権者は、理事 又は監事の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録等について前項各号に掲げる請求をすることができる。
裁判所は、前二項の請求に係る閲覧 又は謄写をすることにより、当該理事会設置一般社団法人に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、前二項の許可をすることができない。
理事、監事 又は会計監査人が理事 及び監事の全員に対して理事会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を理事会へ報告することを要しない。
前項の規定は、第九十一条第二項の規定による報告については、適用しない。
⤏ 第六款 監事
監事は、理事の職務の執行を監査する。
この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
監事は、いつでも、理事 及び使用人に対して事業の報告を求め、又は監事設置一般社団法人の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。
監事は、その職務を行うため必要があるときは、監事設置一般社団法人の子法人に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。
前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告 又は調査を拒むことができる。
監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令 若しくは定款に違反する事実 若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)に報告しなければならない。
監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
監事は、前条に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(第九十三条第一項ただし書に規定する場合にあっては、招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。
前項の規定による請求があった日から五日以内に、その請求があった日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。
監事は、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類 その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。
この場合において、法令 若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告しなければならない。
監事は、理事が監事設置一般社団法人の目的の範囲外の行為 その他法令 若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該監事設置一般社団法人に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の理事に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。
第七十七条第四項 及び第八十一条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人が理事(理事であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は理事が監事設置一般社団法人に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、監事が監事設置一般社団法人を代表する。
第七十七条第四項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監事が監事設置一般社団法人を代表する。
監事設置一般社団法人が第二百七十八条第一項の訴えの提起の請求(理事の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合
監事設置一般社団法人が第二百八十条第三項の訴訟告知(理事の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第二百八十一条第二項の規定による通知 及び催告(理事の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合
監事の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、社員総会の決議によって定める。
監事が二人以上ある場合において、各監事の報酬等について定款の定め又は社員総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監事の協議によって定める。
監事は、社員総会において、監事の報酬等について意見を述べることができる。
監事がその職務の執行について監事設置一般社団法人に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監事設置一般社団法人は、当該請求に係る費用 又は債務が当該監事の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
支出した費用 及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
⤏ 第七款 会計監査人
会計監査人は、次節の定めるところにより、一般社団法人の計算書類(第百二十三条第二項に規定する計算書類をいう。第百十七条第二項第一号イにおいて同じ。)及びその附属明細書を監査する。
この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。
会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧 及び謄写をし、又は理事 及び使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。
会計帳簿 又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
会計帳簿 又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置一般社団法人の子法人に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置一般社団法人 若しくはその子法人の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。
前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告 又は調査を拒むことができる。
会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。
第六十八条第三項第一号 又は第二号に掲げる者
会計監査人設置一般社団法人 又はその子法人の理事、監事 又は使用人である者
会計監査人設置一般社団法人 又はその子法人から公認会計士 又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者
会計監査人は、その職務を行うに際して理事の職務の執行に関し不正の行為 又は法令 若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監事に報告しなければならない。
監事は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。
第百七条第一項に規定する書類が法令 又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監事と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時社員総会に出席して意見を述べることができる。
定時社員総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時社員総会に出席して意見を述べなければならない。
理事は、会計監査人 又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
⤏ 第八款 役員等の損害賠償責任
理事、監事 又は会計監査人(以下この節 及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
理事が第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引によって理事 又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
第八十四条第一項第二号 又は第三号の取引によって一般社団法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠ったものと推定する。
第八十四条第一項の理事
一般社団法人が当該取引をすることを決定した理事
当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事
前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。
前条の規定にかかわらず、役員等の第百十一条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額(第百十五条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、社員総会の決議によって免除することができる。
当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額
代表理事
六
代表理事以外の理事であって、次に掲げるもの
四
理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの
当該一般社団法人の業務を執行した理事((1)に掲げる理事を除く。)
理事(イ 及びロに掲げるものを除く。)、監事 又は会計監査人
二
前項の場合には、理事は、同項の社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
責任の原因となった事実 及び賠償の責任を負う額
前項の規定により免除することができる額の限度 及びその算定の根拠
責任を免除すべき理由 及び免除額
監事設置一般社団法人においては、理事は、第百十一条第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。
第一項の決議があった場合において、一般社団法人が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金 その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、社員総会の承認を受けなければならない。
第百十二条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人(理事が二人以上ある場合に限る。)は、第百十一条第一項の責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況 その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として理事(当該責任を負う理事を除く。)の過半数の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。
前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(理事の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(理事の責任の免除に限る。)についての理事の同意を得る場合 及び当該責任の免除に関する議案を理事会に提出する場合について準用する。
第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)を行ったときは、理事は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項 及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を社員に通知しなければならない。
ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。
総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、一般社団法人は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。
前条第四項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。
第百十二条の規定にかかわらず、一般社団法人は、理事(業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう。次項 及び第百四十一条第三項において同じ。)又は当該一般社団法人の使用人でないものに限る。)、監事 又は会計監査人(以下この条 及び第三百一条第二項第十二号において「非業務執行理事等」という。)の第百十一条第一項の責任について、当該非業務執行理事等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる旨を定款で定めることができる。
前項の契約を締結した非業務執行理事等が当該一般社団法人の業務執行理事 又は使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。
第百十三条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する理事と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合について準用する。
第一項の契約を締結した一般社団法人が、当該契約の相手方である非業務執行理事等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
第百十三条第二項第一号 及び第二号に掲げる事項
当該契約の内容 及び当該契約を締結した理由
第百十一条第一項の損害のうち、当該非業務執行理事等が賠償する責任を負わないとされた額
第百十三条第四項の規定は、非業務執行理事等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。
第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第百十一条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。
前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。
役員等がその職務を行うについて悪意 又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。
ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
理事
次に掲げる行為
計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載 又は記録
基金(第百三十一条に規定する基金をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知 又は当該募集のための当該一般社団法人の事業 その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載 若しくは記録
虚偽の公告(第百二十八条第三項に規定する措置を含む。)
監事
監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載 又は記録
会計監査人
会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載 又は記録
役員等が一般社団法人 又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
⤏ 第九款 補償契約及び役員等のために締結される保険契約
一般社団法人が、役員等に対して次に掲げる費用等の全部 又は一部を当該一般社団法人が補償することを約する契約(以下この条において「補償契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。
当該役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、又は責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用
当該役員等が、その職務の執行に関し、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における次に掲げる損失
当該損害を当該役員等が賠償することにより生ずる損失
当該損害の賠償に関する紛争について当事者間に和解が成立したときは、当該役員等が当該和解に基づく金銭を支払うことにより生ずる損失
一般社団法人は、補償契約を締結している場合であっても、当該補償契約に基づき、次に掲げる費用等を補償することができない。
前項第一号に掲げる費用のうち通常要する費用の額を超える部分
当該一般社団法人が前項第二号の損害を賠償するとすれば当該役員等が当該一般社団法人に対して第百十一条第一項の責任を負う場合には、同号に掲げる損失のうち当該責任に係る部分
役員等がその職務を行うにつき悪意 又は重大な過失があったことにより前項第二号の責任を負う場合には、同号に掲げる損失の全部
補償契約に基づき第一項第一号に掲げる費用を補償した一般社団法人が、当該役員等が自己 若しくは第三者の不正な利益を図り、又は当該一般社団法人に損害を加える目的で同号の職務を執行したことを知ったときは、当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。
理事会設置一般社団法人においては、補償契約に基づく補償をした理事 及び当該補償を受けた理事は、遅滞なく、当該補償についての重要な事実を理事会に報告しなければならない。
第八十四条第一項、第九十二条第二項、第百十一条第三項 及び第百十六条第一項の規定は、一般社団法人と理事との間の補償契約については、適用しない。
民法第百八条の規定は、第一項の決議によってその内容が定められた前項の補償契約の締結については、適用しない。
一般社団法人が、保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと 又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、役員等を被保険者とするもの(当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。第三項ただし書において「役員等賠償責任保険契約」という。)の内容の決定をするには、社員総会(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会)の決議によらなければならない。
第八十四条第一項、第九十二条第二項 及び第百十一条第三項の規定は、一般社団法人が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関し責任を負うこと 又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が塡補することを約するものであって、理事を被保険者とするものの締結については、適用しない。
民法第百八条の規定は、前項の保険契約の締結については、適用しない。
ただし、当該契約が役員等賠償責任保険契約である場合には、第一項の決議によってその内容が定められたときに限る。
第四節 計算
⤏ 第一款 会計の原則
一般社団法人の会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。
⤏ 第二款 会計帳簿
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿 及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
会計帳簿 又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
会計帳簿 又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保 又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
請求者が当該一般社団法人の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
請求者が会計帳簿 又はこれに関する資料の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
請求者が、過去二年以内において、会計帳簿 又はこれに関する資料の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部 又は一部の提出を命ずることができる。
⤏ 第三款 計算書類等
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表 及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告 並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。
一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類 及びその附属明細書を保存しなければならない。
監事設置一般社団法人においては、前条第二項の計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。
前項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。
前条第二項の計算書類 及びその附属明細書
監事 及び会計監査人
前条第二項の事業報告 及びその附属明細書
監事
理事会設置一般社団法人においては、第一項 又は前項の監査を受けた計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。
理事会設置一般社団法人においては、理事は、定時社員総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類 及び事業報告 並びに監査報告(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。
次の各号に掲げる一般社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類 及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。
監事設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人 及び会計監査人設置一般社団法人を除く。)
第百二十四条第一項の監査を受けた計算書類 及び事業報告
会計監査人設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)
第百二十四条第二項の監査を受けた計算書類 及び事業報告
理事会設置一般社団法人
第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類 及び事業報告
前三号に掲げるもの以外の一般社団法人
第百二十三条第二項の計算書類 及び事業報告
前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。
理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。
会計監査人設置一般社団法人については、第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類が法令 及び定款に従い一般社団法人の財産 及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。
この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を定時社員総会に報告しなければならない。
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後 遅滞なく、貸借対照表(大規模一般社団法人にあっては、貸借対照表 及び損益計算書)を公告しなければならない。
前項の規定にかかわらず、その公告方法が第三百三十一条第一項第一号 又は第二号に掲げる方法である一般社団法人は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
前項の一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後 遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。
この場合においては、前二項の規定は、適用しない。
一般社団法人は、計算書類等(各事業年度に係る計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書(第百二十四条第一項 又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告 又は会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。
一般社団法人は、計算書類等の写しを、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。
ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号 及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
社員 及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該一般社団法人の定めた費用を支払わなければならない。
計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面 又は当該書面の写しの閲覧の請求
前号の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって一般社団法人の定めたものにより提供することの請求 又はその事項を記載した書面の交付の請求
裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類 及びその附属明細書の全部 又は一部の提出を命ずることができる。
第五節 基金
⤏ 第一款 基金を引き受ける者の募集
一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。次条から第百三十四条まで(第百三十三条第一項第一号を除く。)及び第百三十六条第一号において同じ。)は、基金(この款の規定により一般社団法人に拠出された金銭 その他の財産であって、当該一般社団法人が拠出者に対してこの法律 及び当該一般社団法人と当該拠出者との間の合意の定めるところに従い返還義務(金銭以外の財産については、拠出時の当該財産の価額に相当する金銭の返還義務)を負うものをいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集をすることができる旨を定款で定めることができる。
この場合においては、次に掲げる事項を定款で定めなければならない。
一般社団法人は、前条の募集をしようとするときは、その都度、次に掲げる事項(以下この款において「募集事項」という。)を定めなければならない。
金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨 並びに当該財産の内容 及びその価額
基金の拠出に係る金銭の払込み 又は前号の財産の給付の期日 又はその期間
設立時社員は、募集事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
一般社団法人は、第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
金銭の払込みをすべきときは、払込みの取扱いの場所
前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
第百三十一条の募集に応じて基金の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を一般社団法人に交付しなければならない。
申込みをする者の氏名 又は名称 及び住所
前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、一般社団法人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
一般社団法人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨 及び当該変更があった事項を第二項の申込みをした者(以下この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
一般社団法人が申込者に対してする通知 又は催告は、第二項第一号の住所(当該申込者が別に通知 又は催告を受ける場所 又は連絡先を当該一般社団法人に通知した場合にあっては、その場所 又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知 又は催告は、その通知 又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
一般社団法人は、申込者の中から基金の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる基金の額を定めなければならない。
この場合において、一般社団法人は、当該申込者に割り当てる基金の額を、前条第二項第二号の額よりも減額することができる。
一般社団法人は、第百三十二条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる基金の額を通知しなければならない。
前二条の規定は、基金を引き受けようとする者がその総額の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
次の各号に掲げる者は、当該各号に定める基金の額について基金の引受人となる。
申込者
一般社団法人の割り当てた基金の額
前条の契約により基金の総額を引き受けた者
その者が引き受けた基金の額
一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員。第六項において同じ。)は、第百三十二条第一項第二号に掲げる事項を定めたときは、募集事項の決定の後 遅滞なく、同号の財産(以下「現物拠出財産」という。)の価額を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。
前項の申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、検査役を選任しなければならない。
裁判所は、前項の検査役を選任した場合には、一般社団法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第二項の検査役は、必要な調査を行い、当該調査の結果を記載し、又は記録した書面 又は電磁的記録(法務省令で定めるものに限る。)を裁判所に提供して報告をしなければならない。
裁判所は、前項の報告について、その内容を明瞭にし、又はその根拠を確認するため必要があると認めるときは、第二項の検査役に対し、更に前項の報告を求めることができる。
第二項の検査役は、第四項の報告をしたときは、一般社団法人に対し、同項の書面の写しを交付し、又は同項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により提供しなければならない。
裁判所は、第四項の報告を受けた場合において、現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額(第二項の検査役の調査を経ていないものを除く。)を不当と認めたときは、これを変更する決定をしなければならない。
基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。第十項第二号において同じ。)は、前項の決定により現物拠出財産の価額の全部 又は一部が変更された場合には、当該決定の確定後一週間以内に限り、その基金の引受けの申込み 又は第百三十五条の契約に係る意思表示を取り消すことができる。
前各項の規定は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項については、適用しない。
現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額の総額が五百万円を超えない場合
当該現物拠出財産の価額
現物拠出財産のうち、市場価格のある有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項に規定する有価証券をいい、同条第二項の規定により有価証券とみなされる権利を含む。以下同じ。)について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合
当該有価証券についての現物拠出財産の価額
現物拠出財産について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、公認会計士、監査法人、税理士 又は税理士法人の証明(現物拠出財産が不動産である場合にあっては、当該証明 及び不動産鑑定士の鑑定評価。以下この号において同じ。)を受けた場合
当該証明を受けた現物拠出財産の価額
現物拠出財産が一般社団法人に対する金銭債権(弁済期が到来しているものに限る。)であって、当該金銭債権について定められた第百三十二条第一項第二号の価額が当該金銭債権に係る負債の帳簿価額を超えない場合
当該金銭債権についての現物拠出財産の価額
次に掲げる者は、前項第三号に規定する証明をすることができない。
理事、監事 又は使用人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員、設立時理事 又は設立時監事)
業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、監査法人 又は税理士法人であって、その社員の半数以上が第一号 又は第二号に掲げる者のいずれかに該当するもの
基金の引受人(現物拠出財産を給付する者を除く。)は、第百三十二条第一項第三号の期日 又は同号の期間内に、一般社団法人(一般社団法人の成立前にあっては、設立時社員)が定めた銀行等(銀行(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行をいう。)、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社をいう。第二百四十八条第五項において同じ。)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。第百五十七条第二項において同じ。)の払込みの取扱いの場所において、それぞれの基金の払込金額の全額を払い込まなければならない。
基金の引受人(現物拠出財産を給付する者に限る。)は、第百三十二条第一項第三号の期日 又は同号の期間内に、それぞれの基金の払込金額に相当する現物拠出財産を給付しなければならない。
ただし、一般社団法人の成立前に給付すべき場合において、設立時社員全員の同意があるときは、登記、登録 その他の権利の設定 又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、一般社団法人の成立後にすることを妨げない。
基金の引受人は、第一項の規定による払込み 又は前項の規定による給付(以下この款において「拠出の履行」という。)をする債務と一般社団法人に対する債権とを相殺することができない。
基金の引受人が拠出の履行をしないときは、基金の引受けは、その効力を失う。
基金の引受人は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める日に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。
第百三十二条第一項第三号の期日を定めた場合
当該期日
第百三十二条第一項第三号の期間を定めた場合
拠出の履行をした日
前項の規定にかかわらず、一般社団法人の成立前に基金を引き受ける者の募集をした場合には、一般社団法人の成立の時に、拠出の履行をした基金の拠出者となる。
民法第九十三条第一項ただし書 及び第九十四条第一項の規定は、基金の引受けの申込み 及び割当て並びに第百三十五条の契約に係る意思表示については、適用しない。
基金の引受人は、前条の規定により基金の拠出者となった日から一年を経過した後は、錯誤、詐欺 又は強迫を理由として基金の引受けの取消しをすることができない。
⤏ 第二款 基金の返還
基金の返還は、定時社員総会の決議によって行わなければならない。
一般社団法人は、ある事業年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合においては、当該事業年度の次の事業年度に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができる。
基金(第百四十四条第一項の代替基金を含む。)の総額
法務省令で定めるところにより資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額
前項の規定に違反して一般社団法人が基金の返還をした場合には、当該返還を受けた者 及び当該返還に関する職務を行った業務執行者(業務執行理事 その他当該業務執行理事の行う業務の執行に職務上関与した者をいう。次項 及び第五項において同じ。)は、当該一般社団法人に対し、連帯して、違法に返還された額を弁済する責任を負う。
前項の規定にかかわらず、業務執行者は、その職務を行うについて意を怠らなかったことを証明したときは、同項の責任を負わない。
第三項の業務執行者の責任は、免除することができない。
ただし、第二項の超過額を限度として当該責任を免除することについて総社員の同意がある場合は、この限りでない。
第二項の規定に違反して基金の返還がされた場合においては、一般社団法人の債権者は、当該返還を受けた者に対し、当該返還の額を当該一般社団法人に対して返還することを請求することができる。
一般社団法人は、次に掲げる場合に限り、自己を債務者とする基金の返還に係る債権を取得することができる。
合併 又は他の法人の事業の全部の譲受けによる場合
一般社団法人の権利の実行に当たり、その目的を達成するために必要な場合
一般社団法人が前項第一号 又は第二号に掲げる場合に同項の債権を取得したときは、民法第五百二十条本文の規定にかかわらず、当該債権は消滅しない。
この場合においては、一般社団法人は、当該債権を相当の時期に他に譲渡しなければならない。
基金の返還に係る債権には、利息を付することができない。
基金の返還をする場合には、返還をする基金に相当する金額を代替基金として計上しなければならない。
前項の代替基金は、取り崩すことができない。
合併により消滅する一般社団法人が代替基金を計上している場合において、合併後存続する一般社団法人 又は合併により設立する一般社団法人が当該合併に際して代替基金として計上すべき額については、法務省令で定める。
一般社団法人が破産手続開始の決定を受けた場合においては、基金の返還に係る債権は、破産法第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権 及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権に後れる。
第六節 定款の変更
一般社団法人は、その成立後、社員総会の決議によって、定款を変更することができる。
第七節 事業の譲渡
一般社団法人が事業の全部の譲渡をするには、社員総会の決議によらなければならない。
第八節 解散
一般社団法人は、次に掲げる事由によって解散する。
合併(合併により当該一般社団法人が消滅する場合に限る。)
第二百六十一条第一項 又は第二百六十八条の規定による解散を命ずる裁判
休眠一般社団法人(一般社団法人であって、当該一般社団法人に関する登記が最後にあった日から五年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠一般社団法人に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその主たる事務所の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。
ただし、当該期間内に当該休眠一般社団法人に関する登記がされたときは、この限りでない。
登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠一般社団法人に対し、その旨の通知を発しなければならない。
一般社団法人は、第百四十八条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、第四章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、社員総会の決議によって、一般社団法人を継続することができる。
一般社団法人が解散した場合には、当該一般社団法人は、当該一般社団法人が合併後存続する一般社団法人となる合併をすることができない。