この法律は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることにより、国民の保健、休養 及び教化に資するとともに、生物の多様性の確保に寄与することを目的とする。
自然公園法
第一章 総則
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
自然公園
国立公園、国定公園 及び都道府県立自然公園をいう。
国立公園
我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地(海域の景観地を含む。次章第六節 及び第七十四条を除き、以下同じ。)であつて、環境大臣が第五条第一項の規定により指定するものをいう。
国定公園
国立公園に準ずる優れた自然の風景地であつて、環境大臣が第五条第二項の規定により指定するものをいう。
都道府県立自然公園
優れた自然の風景地であつて、都道府県が第七十二条の規定により指定するものをいう。
公園計画
国立公園 又は国定公園の保護 又は利用のための規制 又は事業に関する計画をいう。
公園事業
公園計画に基づいて執行する事業であつて、国立公園 又は国定公園の保護 又は利用のための施設で政令で定めるものに関するものをいう。
生態系維持回復事業
公園計画に基づいて行う事業であつて、国立公園 又は国定公園における生態系の維持 又は回復を図るものをいう。
国、地方公共団体、事業者 及び自然公園の利用者は、環境基本法(平成五年法律第九十一号)第三条から第五条までに定める環境の保全についての基本理念にのつとり、優れた自然の風景地の保護と その適正な利用が図られるように、それぞれの立場において努めるとともに、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。
国 及び地方公共団体は、自然公園に生息し、又は生育する動植物の保護が自然公園の風景の保護に重要であることにかんがみ、自然公園における生態系の多様性の確保 その他の生物の多様性の確保を旨として、自然公園の風景の保護に関する施策を講ずるものとする。
この法律の適用に当たつては、自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)第三条で定めるところによるほか、関係者の所有権、鉱業権 その他の財産権を尊重するとともに、国土の開発 その他の公益との調整に留意しなければならない。
第二章 国立公園及び国定公園
第一節 指定
国立公園は、環境大臣が、関係都道府県 及び中央環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴き、区域を定めて指定する。
国定公園は、環境大臣が、関係都道府県の申出により、審議会の意見を聴き、区域を定めて指定する。
環境大臣は、国立公園 又は国定公園を指定する場合には、その旨 及びその区域を官報で公示しなければならない。
国立公園 又は国定公園の指定は、前項の公示によつてその効力を生ずる。
環境大臣は、国立公園の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、関係都道府県 及び審議会の意見を聴かなければならない。
環境大臣は、国定公園の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、関係都道府県 及び審議会の意見を聴かなければならない。
ただし、その区域を拡張するには、関係都道府県の申出によらなければならない。
前条第三項 及び第四項の規定は、国立公園 又は国定公園の指定の解除 及びその区域の変更について準用する。
第二節 公園計画
国立公園に関する公園計画は、環境大臣が、関係都道府県 及び審議会の意見を聴いて決定する。
国定公園に関する公園計画は、環境大臣が、関係都道府県の申出により、審議会の意見を聴いて決定する。
公園計画は、国立公園 又は国定公園ごとに、当該公園内の自然の風景地の保護と その適正な利用を図るための規制に関する事項、公園事業に関する事項 その他必要な事項について定めるものとする。
環境大臣は、必要があると認めるときは、公園計画において、質の高い自然体験活動の促進に関する基本的な事項を定めることができる。
環境大臣は、公園計画を決定したときは、その概要を官報で公示し、かつ、その公園計画を一般の閲覧に供しなければならない。
環境大臣は、国立公園に関する公園計画を廃止し、又は変更しようとするときは、関係都道府県 及び審議会の意見を聴かなければならない。
環境大臣は、国定公園に関する公園計画を廃止し、又は変更しようとするときは、関係都道府県 及び審議会の意見を聴かなければならない。
ただし、その公園計画を追加するには、関係都道府県の申出によらなければならない。
前条第五項の規定は、環境大臣が公園計画を廃止し、又は変更したときについて準用する。
第十六条の二第一項に規定する協議会は第十六条の三第一項に規定する利用拠点整備改善計画について、第四十二条の二第一項に規定する協議会は第四十二条の四第一項に規定する自然体験活動促進計画について、環境大臣に対し、その作成のために必要な国立公園に関する公園計画の変更をすることを提案することができる。
この場合においては、当該提案に係る公園計画の素案 その他環境省令で定める書類を添付しなければならない。
環境大臣は、前項の規定による提案を踏まえた公園計画の変更をする必要がないと判断したときは、その旨 及びその理由を当該提案をした協議会に通知しなければならない。
第十六条の七第一項に規定する協議会は同条第三項において準用する第十六条の三第一項に規定する利用拠点整備改善計画について、第四十二条の三第一項に規定する協議会は第四十二条の四第一項に規定する自然体験活動促進計画について、関係都道府県に対し、その作成のために必要な国定公園に関する公園計画の変更に係る環境大臣に対する申出をすることを提案することができる。
この場合においては、当該提案に係る公園計画の素案 その他環境省令で定める書類を添付しなければならない。
前項の関係都道府県は、同項の規定による提案を踏まえた公園計画の変更に係る申出をする必要がないと判断したときは、その旨 及びその理由を当該提案をした協議会に通知しなければならない。
第三節 公園事業
国立公園に関する公園事業(以下「国立公園事業」という。)は、環境大臣が、審議会の意見を聴いて決定する。
この場合において、審議会が軽微な事項と認めるものについては、審議会の意見を聴くことを要しない。
国定公園に関する公園事業(以下「国定公園事業」という。)は、都道府県知事が決定する。
環境大臣は、国立公園事業を決定したときは、その概要を公示しなければならない。
都道府県知事は、国定公園事業を決定したときは、その概要を公示しなければならない。
第一項 及び第三項の規定は環境大臣が行う国立公園事業の廃止 又は変更について、前項の規定は都道府県知事が行う国定公園事業の廃止 又は変更について準用する。
第十六条の二第一項に規定する協議会は、環境大臣に対し、第十六条の三第一項に規定する利用拠点整備改善計画の作成のために必要な国立公園事業の決定 又は変更をすることを提案することができる。
この場合においては、当該提案に係る国立公園事業の素案 その他環境省令で定める書類を添付しなければならない。
前二項の規定は、第十六条の七第一項に規定する協議会について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「国立公園事業」とあるのは
「国定公園事業」と、
第一項中
「環境大臣」とあるのは
「都道府県知事」と、
「第十六条の三第一項」とあるのは
「第十六条の七第三項において準用する第十六条の三第一項」と、
前項中
「環境大臣は、前項」とあるのは
「前項の都道府県知事は、同項」と
読み替えるものとする。
国立公園事業は、国が執行する。
地方公共団体 及び政令で定めるその他の公共団体(以下「公共団体」という。)は、環境省令で定めるところにより、環境大臣に協議して、国立公園事業の一部を執行することができる。
国 及び公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、環境大臣の認可を受けて、国立公園事業の一部を執行することができる。
第二項の協議をしようとする者 又は前項の認可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した協議書 又は申請書を環境大臣に提出しなければならない。
氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名
第二条第六号に規定する政令で定める施設(以下この条において「公園施設」という。)の種類
公園施設の位置
公園施設の規模
公園施設の管理 又は経営の方法
前各号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項
前項の協議書 又は申請書には、公園施設の位置を示す図面 その他の環境省令で定める書類を添付しなければならない。
第二項の協議をした者 又は第三項の認可を受けた者(以下「国立公園事業者」という。)は、第四項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、公共団体にあつては環境大臣に協議しなければならず、国 及び公共団体以外の者にあつては環境大臣の認可を受けなければならない。
ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
前項の協議をしようとする者 又は同項の認可を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した協議書 又は申請書を環境大臣に提出しなければならない。
第五項の規定は、前項の協議書 又は申請書について準用する。
国立公園事業者は、第六項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
第三項 又は第六項の認可には、国立公園の保護 又は利用のために必要な限度において、条件を付することができる。
環境大臣は、国立公園事業の適正な執行を確保するため必要があると認めるときは、前条第三項の認可を受けた者に対し、当該国立公園事業に係る施設の改善 その他の当該国立公園事業の執行を改善するために必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
国立公園事業者(第十条第三項の認可を受けた者に限る。)が国 及び公共団体以外の者にその国立公園事業の全部を譲渡する場合において、譲渡人 及び譲受人があらかじめその譲渡 及び譲受けについて環境大臣の承認を受けたときは、譲受人は、譲渡人に係る国立公園事業者の地位を承継する。
国立公園事業者である法人が合併(国立公園事業者である法人と国立公園事業者でない法人の合併であつて、国立公園事業者である法人が存続するものを除く。)又は分割(その国立公園事業の全部を承継させるものに限る。)をした場合において、合併後存続する法人 若しくは合併により設立される法人 又は分割によりその国立公園事業の全部を承継する法人(以下この項において「合併法人等」という。)が公共団体である場合にあつては環境大臣に協議したとき、合併法人等が国 及び公共団体以外の法人である場合にあつては環境大臣の承認を受けたときは、当該合併法人等は、当該国立公園事業者の地位を承継する。
国立公園事業者が死亡した場合において、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意によりその国立公園事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この条において同じ。)がその国立公園事業を引き続き行おうとするときは、その相続人は、被相続人の死亡後六十日以内に環境大臣に申請して、その承認を受けなければならない。
相続人が前項の承認の申請をした場合においては、被相続人の死亡の日からその承認を受ける日 又は承認をしない旨の通知を受ける日までは、被相続人に対してした第十条第三項の認可は、その相続人に対してしたものとみなす。
第三項の承認を受けた相続人は、被相続人に係る国立公園事業者の地位を承継する。
国立公園事業者は、国立公園事業の全部 若しくは一部を休止し、又は廃止しようとするときは、環境省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
国立公園事業として行う事業が他の法令の規定により行政庁の許可、認可 その他の処分を必要とするものである場合において、その処分が取り消されたとき、その他その効力が失われたときは、当該事業に係る第十条第三項の認可は、その効力を失う。
前項の規定により第十条第三項の認可が失効したときは、当該認可が失効した者は、その日から三十日以内に、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
環境大臣は、第十条第三項の認可を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の認可を取り消すことができる。
第十条第六項 若しくは第九項 又は前条の規定に違反したとき。
第十条第十項の規定により同条第三項 又は第六項の認可に付された条件に違反したとき。
第十一条の規定による命令に違反したとき。
偽り その他不正の手段により第十条第三項 又は第六項の認可を受けたとき。
環境大臣は、第十条第三項の認可を受けた者がその国立公園事業を廃止した場合、同項の認可が失効した場合 又は同項の認可を取り消した場合において、国立公園の保護のために必要があると認めるときは、当該廃止した者、当該認可が失効した者 又は当該認可を取り消された者に対して、相当の期限を定めて、その保護のために必要な限度において、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
前項の規定により原状回復 又はこれに代わるべき必要な措置(以下この条において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、環境大臣は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者 若しくは委任した者にこれを行わせることができる。
この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨 及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、環境大臣 又はその命じた者 若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。
前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
国定公園事業は、都道府県が執行する。
ただし、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)その他他の法律の定めるところにより、国が道路に係る事業 その他の事業を執行することを妨げない。
都道府県以外の公共団体は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に協議して、国定公園事業の一部を執行することができる。
国 及び公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事の認可を受けて、国定公園事業の一部を執行することができる。
第十条第四項 及び第五項の規定は第二項の協議 及び前項の認可について、第十条第六項から第九項まで、第十二条第二項 及び第十三条の規定は第二項の協議をした者について、第十条第六項から第十項まで、第十一条から第十三条まで、第十四条第三項 及び前条の規定は前項の認可を受けた者について、第十四条第一項 及び第二項の規定は前項の認可について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「環境大臣」とあるのは
「都道府県知事」と、
第十条第十項中
「国立公園」とあるのは
「国定公園」と、
第十一条、第十四条第一項 及び前条第一項中
「国立公園事業」とあるのは
「国定公園事業」と、
第十二条第一項から第三項までの規定中
「その国立公園事業」とあるのは
「その国定公園事業」と、
同条第二項中
「公共団体である」とあるのは
「都道府県以外の公共団体である」と、
第十三条中
「国立公園事業の」とあるのは
「国定公園事業の」と、
前条第一項中
「国立公園の」とあるのは
「国定公園の」と
読み替えるものとする。
国立公園の区域をその区域に含む市町村 又は都道府県は、市町村にあつては単独で又は共同して、都道府県にあつては当該都道府県の区域内の市町村であつて当該国立公園の区域をその区域に含むものと共同して、当該国立公園の区域内における第三十六条第一項に規定する集団施設地区 その他の公園の利用のための拠点(以下「利用拠点」という。)となる区域(以下「利用拠点区域」という。)について、国立公園事業に係る施設の整備改善を中心とした当該利用拠点の質の向上のための整備改善に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。
前項に規定する協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
市町村のみが組織する場合にあつては当該市町村、市町村 及び都道府県が共同して組織する場合にあつては当該市町村 及び都道府県
当該利用拠点区域内において国立公園事業を執行し、又は執行すると見込まれる者
当該利用拠点区域内の施設、土地 又は木竹であつて利用拠点の整備改善に関する事業(以下「利用拠点整備改善事業」という。)に係るものの所有者 又は使用 及び収益を目的とする権利を有する者
その他当該市町村 又は都道府県が必要と認める者
当該国立公園の区域内において国立公園事業を執行し、又は執行しようとする者は、当該国立公園事業に係る施設の整備改善を含む地域における利用拠点の質の向上のための整備改善に関して協議を行う協議会が組織されていない場合にあつては、市町村 又は都道府県に対して、第一項に規定する協議会を組織するよう要請することができる。
市町村 又は都道府県は、第一項の規定により協議会を組織したときは、遅滞なく、環境省令で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。
当該利用拠点区域内において国立公園事業を執行し、又は執行しようとする者 及び第二項第三号に掲げる者であつて第一項に規定する協議会の構成員でないものは、同項の規定により協議会を組織する市町村 又は都道府県に対して、自己を当該協議会の構成員として加えるよう申し出ることができる。
前項の規定による申出を受けた市町村 又は都道府県は、正当な理由がない限り、当該申出に応じなければならない。
第一項に規定する協議会は、必要があると認めるときは、関係行政機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明 その他必要な協力を求めることができる。
第一項に規定する協議会において協議が調つた事項については、当該協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
前各項に定めるもののほか、第一項に規定する協議会の運営に関し必要な事項は、当該協議会が定める。
前条第一項に規定する協議会において、公園計画に基づき、環境省令で定めるところにより、当該協議会の構成員である市町村の区域内の国立公園の区域内における利用拠点区域について、公園事業に係る施設の整備改善を中心とした利用拠点の質の向上のための整備改善に関する計画(以下「利用拠点整備改善計画」という。)を作成したときは、当該協議会の構成員である市町村 又は都道府県 及び当該利用拠点整備改善計画に記載された利用拠点整備改善事業を実施しようとする者は、共同で、環境大臣の認定を申請することができる。
利用拠点整備改善計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
利用拠点整備改善計画の区域(以下この条において「計画区域」という。)
前号の目標を達成するために行う利用拠点整備改善事業の内容、実施主体 及び実施時期
第十条第二項の協議 又は同条第三項の認可を要する利用拠点整備改善事業にあつては、同条第四項各号に掲げる事項
第十条第六項の協議 若しくは認可 又は同条第九項の規定による届出を要する利用拠点整備改善事業にあつては、同条第四項各号に掲げる事項のうち変更に係るもの
利用拠点整備改善計画は、景観法(平成十六年法律第百十号)第八条第一項に規定する景観計画に適合するものでなければならない。
環境大臣は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、当該申請に係る利用拠点整備改善計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
公園計画に照らして適切なものであること。
当該利用拠点整備改善計画の実施が計画区域における利用拠点の質の向上に寄与するものであると認められること。
当該国立公園の保護に支障を及ぼすおそれがないものであること。
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
環境大臣は、当該国立公園の保護 又は利用のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、前項の認定に条件を付し、及びこれを変更することができる。
環境大臣は、第四項の認定をしたときは、環境省令で定めるところにより、当該認定に係る利用拠点整備改善計画の概要を公表しなければならない。
前条第四項の認定を受けた利用拠点整備改善計画の変更をしようとするときは、第十六条の二第一項に規定する協議会において当該変更に係る利用拠点整備改善計画を作成し、当該協議会の構成員である市町村 又は都道府県 及び当該利用拠点整備改善計画に記載された利用拠点整備改善事業を実施しようとする者は、共同で、環境大臣の認定を受けなければならない。
ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
前条第四項の認定(前項の変更の認定を含む。次条第一項 及び第十六条の六において同じ。)を受けた者は、前項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
前条第四項から第六項までの規定は、第一項の変更の認定について準用する。
環境大臣は、第十六条の三第四項の認定を受けた利用拠点整備改善計画(変更があつたときは、その変更後のもの。次条において同じ。)が同項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
環境大臣は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を公表するものとする。
利用拠点整備改善事業を実施しようとする者が、その利用拠点整備改善計画について第十六条の三第四項の認定を受けたときは、当該認定を受けた利用拠点整備改善計画に記載された利用拠点整備改善事業のうち、第十条第二項 若しくは第六項の協議をし、同条第三項 若しくは第六項の認可を受け、又は同条第九項の規定による届出をしなければならないものについては、これらの規定により協議をし、認可を受け、又は届出をしたものとみなす。
国定公園の区域をその区域に含む市町村は、単独で又は共同して、当該国定公園の区域内における利用拠点区域について、国定公園事業に係る施設の整備改善を中心とした当該利用拠点の質の向上のための整備改善に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。
前項に規定する協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
当該利用拠点区域内において国定公園事業を執行し、又は執行すると見込まれる者
当該利用拠点区域内の施設、土地 又は木竹であつて利用拠点整備改善事業に係るものの所有者 又は使用 及び収益を目的とする権利を有する者
その他当該市町村が必要と認める者
第十六条の二(第一項 及び第二項を除く。)から前条までの規定は、第一項に規定する協議会について準用する。
この場合において、
第十六条の二第三項 並びに第十六条の三第一項、第四項第三号 及び第五項中
「国立公園の」とあるのは
「国定公園の」と、
第十六条の二第三項 及び第五項 並びに前条の見出し中
「国立公園事業」とあるのは
「国定公園事業」と、
第十六条の二第三項から第六項まで、第十六条の三第一項 及び第十六条の四第一項中
「市町村 又は都道府県」とあるのは
「市町村」と、
第十六条の二第四項中
「第一項」とあるのは
「第十六条の七第一項」と、
同条第五項中
「第二項第三号」とあるのは
「第十六条の七第二項第三号」と、
第十六条の三第一項 及び第四項から第六項まで、第十六条の四第一項 及び第二項 並びに第十六条の五中
「環境大臣」とあるのは
「都道府県知事」と、
第十六条の三第二項第五号中
「第十条第二項」とあるのは
「第十六条第二項」と、
「同条第四項各号」とあるのは
「同条第四項において準用する第十条第四項各号」と、
同項第六号中
「第十条第六項」とあるのは
「第十六条第四項において準用する第十条第六項」と、
「同条第九項」とあるのは
「第十六条第四項において準用する第十条第九項」と、
「同条第四項各号」とあるのは
「第十六条第四項において準用する第十条第四項各号」と、
前条中
「第十条第二項 若しくは第六項」とあるのは
「第十六条第二項 若しくは同条第四項において準用する第十条第六項」と、
「同条第三項 若しくは第六項」とあるのは
「第十六条第三項 若しくは同条第四項において準用する第十条第六項」と、
「同条第九項」とあるのは
「第十六条第四項において準用する第十条第九項」と
読み替えるものとする。
都道府県知事は、前項において準用する第十六条の三第四項の認定(前項において準用する第十六条の四第一項の変更の認定を含む。)をしようとする場合において、その申請に係る利用拠点整備改善計画に記載された利用拠点整備改善事業として行う行為が第二十条第五項、第二十一条第五項 又は第二十二条第五項の環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議しなければならない。
環境大臣は第十条第三項の認可を受けた者に対し、都道府県知事は第十六条第三項の認可を受けた者に対し、この節の規定の施行に必要な限度において、その国立公園事業 若しくは国定公園事業の執行状況 その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、その国立公園事業 若しくは国定公園事業に係る施設に立ち入り、設備、帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、この節の規定の施行に必要な限度において、第十六条の三第四項(前条第三項において準用する場合を含む。)の認定(第十六条の四第一項(前条第三項において準用する場合を含む。)の変更の認定を含む。)を受けた者に対し、当該認定を受けた利用拠点整備改善計画(変更があつたときは、その変更後のもの。以下「認定利用拠点整備改善計画」という。)の実施状況 その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、認定利用拠点整備改善計画に係る土地 若しくは建物内に立ち入り、認定利用拠点整備改善計画に係る建物、帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前二項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項 及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この節に定めるもののほか、公園事業の執行に関し必要な事項は、政令で定める。
国 又は地方公共団体は、国立公園 又は国定公園内の道路、広場、キャンプ場、スキー場、水泳場 その他の公共の場所について、必要があると認めるときは、当該公共の場所の管理者と協力して、その清潔を保持するものとする。
第四節 保護及び利用
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風致を維持するため、公園計画に基づいて、その区域(海域を除く。)内に、特別地域を指定することができる。
第五条第三項 及び第四項の規定は、特別地域の指定 及び指定の解除 並びにその区域の変更について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「環境大臣」とあるのは
「環境大臣 又は都道府県知事」と、
「官報」とあるのは
「それぞれ官報 又は都道府県の公報」と
読み替えるものとする。
特別地域(特別保護地区を除く。以下この条において同じ。)内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。
ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為 又は第三号に掲げる行為で森林の整備 及び保全を図るために行うものは、この限りでない。
工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
木竹を伐採すること。
河川、湖沼等の水位 又は水量に増減を及ぼさせること。
環境大臣が指定する湖沼 又は湿原 及びこれらの周辺一キロメートルの区域内において当該湖沼 若しくは湿原 又はこれらに流水が流入する水域 若しくは水路に汚水 又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
広告物 その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告 その他これに類するものを工作物等に表示すること。
水面を埋め立て、又は干拓すること。
土地を開墾し その他土地の形状を変更すること。
高山植物 その他の植物で環境大臣が指定するものを採取し、又は損傷すること。
環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生育地でない植物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを植栽し、又は当該植物の種子をまくこと。
環境大臣が指定する区域内において当該区域が本来の生息地でない動物で、当該区域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがあるものとして環境大臣が指定するものを放つこと(当該指定する動物が家畜である場合における当該家畜である動物の放牧を含む。)。
屋根、壁面、塀、橋、鉄塔、送水管 その他これらに類するものの色彩を変更すること。
湿原 その他これに類する地域のうち環境大臣が指定する区域内へ当該区域ごとに指定する期間内に立ち入ること。
前各号に掲げるもののほか、特別地域における風致の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
環境大臣 又は都道府県知事は、前項各号に掲げる行為で環境省令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。
都道府県知事は、国定公園について第三項の許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が当該国定公園の風致に及ぼす影響 その他の事情を考慮して環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議しなければならない。
第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該行為に着手している者は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。
この場合において、その者は、その規制されることとなつた日から起算して三月以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
特別地域内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
特別地域内において木竹の植栽 又は家畜の放牧(第三項第十二号 又は第十四号に掲げる行為に該当するものを除く。)をしようとする者は、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
次に掲げる行為については、第三項 及び前三項の規定は、適用しない。
公園事業の執行 又は認定利用拠点整備改善事業(認定利用拠点整備改善計画に係る利用拠点整備改善事業をいう。以下同じ。)として行う行為
認定生態系維持回復事業等(第三十九条第一項 又は第四十一条第一項の規定により行われる生態系維持回復事業 及び第三十九条第二項 若しくは第四十一条第二項の確認 又は第三十九条第三項 若しくは第四十一条第三項の認定を受けた生態系維持回復事業をいう。以下同じ。)として行う行為
認定自然体験活動促進事業(第四十二条の六第一項に規定する認定自然体験活動促進計画に係る第四十二条の二第二項第二号に規定する自然体験活動促進事業をいう。以下同じ。)として行う行為
第四十三条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号 又は第三号に掲げる事項に従つて行うもの
通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為であつて、環境省令で定めるもの
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の景観を維持するため、特に必要があるときは、公園計画に基づいて、特別地域内に特別保護地区を指定することができる。
第五条第三項 及び第四項の規定は、特別保護地区の指定 及び指定の解除 並びにその区域の変更について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「環境大臣」とあるのは
「環境大臣 又は都道府県知事」と、
「官報」とあるのは
「それぞれ官報 又は都道府県の公報」と
読み替えるものとする。
特別保護地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。
ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。
前条第三項第一号、第二号、第四号から第七号まで、第九号、第十号、第十五号 及び第十六号に掲げる行為
木竹を損傷すること。
動物を放つこと(家畜の放牧を含む。)。
屋外において物を集積し、又は貯蔵すること。
火入れ 又はたき火をすること。
木竹以外の植物を採取し、若しくは損傷し、又は落葉 若しくは落枝を採取すること。
木竹以外の植物を植栽し、又は植物の種子をまくこと。
動物を捕獲し、若しくは殺傷し、又は動物の卵を採取し、若しくは損傷すること。
道路 及び広場以外の地域内において車馬 若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
前各号に掲げるもののほか、特別保護地区における景観の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
環境大臣 又は都道府県知事は、前項各号に掲げる行為で環境省令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。
都道府県知事は、国定公園について第三項の許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が当該国定公園の景観に及ぼす影響 その他の事情を考慮して環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議しなければならない。
第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該行為に着手している者は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。
この場合において、その者は、その規制されることとなつた日から起算して三月以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
特別保護地区内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
次に掲げる行為については、第三項 及び前二項の規定は、適用しない。
公園事業の執行 又は認定利用拠点整備改善事業として行う行為
認定生態系維持回復事業等として行う行為
第四十三条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号 又は第三号に掲げる事項に従つて行うもの
通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為であつて、環境省令で定めるもの
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の海域の景観を維持するため、公園計画に基づいて、その区域の海域内に、海域公園地区を指定することができる。
第五条第三項 及び第四項の規定は、海域公園地区の指定 及び指定の解除 並びにその区域の変更について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「環境大臣」とあるのは
「環境大臣 又は都道府県知事」と、
「官報」とあるのは
「それぞれ官報 又は都道府県の公報」と
読み替えるものとする。
海域公園地区内においては、次の各号に掲げる行為は、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。
ただし、非常災害のために必要な応急措置として行う行為 又は第一号、第四号、第五号 及び第七号に掲げる行為で漁具の設置 その他漁業を行うために必要とされるものは、この限りでない。
第二十条第三項第一号、第四号 及び第七号に掲げる行為
環境大臣が指定する区域内において、熱帯魚、さんご、海藻 その他の動植物で、当該区域ごとに環境大臣が農林水産大臣の同意を得て指定するものを捕獲し、若しくは殺傷し、又は採取し、若しくは損傷すること。
海面を埋め立て、又は干拓すること。
環境大臣が指定する区域内において当該区域ごとに指定する期間内に動力船を使用すること。
前各号に掲げるもののほか、海域公園地区における景観の維持に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの
環境大臣 又は都道府県知事は、前項各号に掲げる行為で環境省令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。
都道府県知事は、国定公園について第三項の許可をしようとする場合において、当該許可に係る行為が当該国定公園の海域の景観に及ぼす影響 その他の事情を考慮して環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議しなければならない。
第三項の規定により同項各号に掲げる行為が規制されることとなつた時において既に当該行為に着手している者は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該行為をすることができる。
この場合において、その者は、その規制されることとなつた日から起算して三月以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
海域公園地区内において非常災害のために必要な応急措置として第三項各号に掲げる行為をした者は、その行為をした日から起算して十四日以内に、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
次に掲げる行為については、第三項 及び前二項の規定は、適用しない。
公園事業の執行 又は認定利用拠点整備改善事業として行う行為
通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為であつて、環境省令で定めるもの
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風致 又は景観の維持と その適正な利用を図るため、特に必要があるときは、公園計画に基づいて、特別地域 又は海域公園地区内に利用調整地区を指定することができる。
第五条第三項 及び第四項の規定は、利用調整地区の指定 及び指定の解除 並びにその区域の変更について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「環境大臣」とあるのは
「環境大臣 又は都道府県知事」と、
「官報」とあるのは
「それぞれ官報 又は都道府県の公報」と
読み替えるものとする。
何人も、環境大臣が定める期間内は、次条第一項 又は第七項の認定を受けてする立入りに該当する場合を除き、利用調整地区の区域内に立ち入つてはならない。
ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
第二十条第三項、第二十一条第三項 若しくは前条第三項の許可を受けた行為(第六十八条第一項後段の規定による協議に係る行為を含む。)又は第二十条第六項後段 若しくは第八項、第二十一条第六項後段 若しくは前条第六項後段の届出をした行為(第六十八条第三項の規定による通知に係る行為を含む。)を行うために立ち入る場合
認定生態系維持回復事業等を行うために立ち入る場合
認定自然体験活動促進事業を行うために立ち入る場合
第四十三条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号 又は第三号に掲げる事項に従つて行うものを行うために立ち入る場合
通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為であつて、環境省令で定めるものを行うために立ち入る場合
前各号に掲げるもののほか、環境大臣 又は都道府県知事がやむを得ない事由があると認めて許可した場合
国立公園 又は国定公園の利用者は、利用調整地区の区域内へ前条第三項に規定する期間内に立ち入ろうとするときは、次の各号のいずれにも適合していることについて、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の認定を受けなければならない。
ただし、第七項の認定を受けて立ち入る場合は、この限りでない。
国立公園 又は国定公園を利用する目的で立ち入るものであること。
風致 又は景観の維持とその適正な利用に支障を及ぼすおそれがないものとして、環境省令で定める基準に適合するものであること。
前項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に認定の申請をしなければならない。
環境大臣 又は都道府県知事は、第一項の認定の申請に係る立入りが同項各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認定をするものとする。
環境大臣 又は都道府県知事は、第一項の認定をしたときは、環境省令で定めるところにより、立入認定証を交付しなければならない。
第一項の認定を受けた者は、前項の立入認定証を亡失し、又はその立入認定証が滅失したときは、環境省令で定めるところにより、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に申請をして、その立入認定証の再交付を受けることができる。
第一項の認定を受けた者は、当該利用調整地区の区域内に立ち入るときは、第四項の立入認定証を携帯しなければならない。
国立公園 又は国定公園の利用者であつて環境省令で定める要件に適合する者は、その監督の下に、他の利用者を利用調整地区の区域内へ前条第三項に規定する期間内に立ち入らせようとするときは、その者 及びその者の監督の下に立ち入る者の立入りが第一項各号のいずれにも適合していることについて、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の認定を受けることができる。
第二項から第六項までの規定は、前項の認定について準用する。
この場合において、
第五項中
「亡失し」とあるのは
「その者 若しくはその者の監督の下に立ち入る者が亡失し」と、
第六項中
「受けた者」とあるのは
「受けた者 及びその者の監督の下に立ち入る者」と
読み替えるものとする。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、その指定する者(以下「指定認定機関」という。)に、前条に規定する環境大臣 又は都道府県知事の事務(以下「認定関係事務」という。)の全部 又は一部を行わせることができる。
指定認定機関の指定(以下この条から第二十九条までにおいて単に「指定」という。)は、認定関係事務を行おうとする者の申請により行う。
次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
未成年者
心身の故障によりその認定関係事務を適確に行うことができない者として環境省令で定める者
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律 若しくは自然環境保全法の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
第二十九条第二項 又は第三項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
環境大臣 又は都道府県知事は、指定をしたときは、指定に係る利用調整地区に関する認定関係事務を行わないものとする。
環境大臣 又は都道府県知事は、指定をしたときは、その旨をそれぞれ官報 又は都道府県の公報で公示しなければならない。
指定認定機関がその認定関係事務を行う場合における前条の規定の適用については、
同条第一項 及び第七項中
「国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事」とあり、
同条第二項 及び第五項(これらの規定を同条第八項において準用する場合を含む。)中
「国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事」とあり、
並びに同条第三項 及び第四項(これらの規定を同条第八項において準用する場合を含む。)中
「環境大臣 又は都道府県知事」とあるのは、
「指定認定機関」と
する。
環境大臣 又は都道府県知事は、前条第二項の申請に係る利用調整地区につき他に指定認定機関の指定を受けた者がなく、かつ、当該申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
職員、認定関係事務の実施の方法 その他の事項についての認定関係事務の実施に関する計画が、認定関係事務の適確な実施のために適切なものであること。
前号の認定関係事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的 及び技術的な基礎を有するものであること。
認定関係事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて認定関係事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
前三号に定めるもののほか、認定関係事務を公正かつ適確に行うことができるものであること。
指定認定機関は、その認定関係事務の開始前に、環境省令で定めるところにより、その認定関係事務の実施に関する規程を定め、環境大臣 又は都道府県知事の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
指定認定機関は、毎事業年度の事業計画 及び収支予算を作成し、その事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、指定を受けた後遅滞なく)環境大臣 又は都道府県知事の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
指定認定機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書 及び収支決算書を作成し、環境大臣 又は都道府県知事に提出しなければならない。
指定認定機関は、環境大臣 又は都道府県知事の許可を受けなければ、その認定関係事務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
環境大臣 又は都道府県知事は、指定認定機関が前項の許可を受けてその認定関係事務の全部 若しくは一部を休止したとき、又は指定認定機関が天災 その他の事由によりその認定関係事務の全部 若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、その認定関係事務の全部 又は一部を自ら行うものとする。
環境大臣 若しくは都道府県知事が前項の規定により認定関係事務の全部 若しくは一部を自ら行う場合、指定認定機関が第四項の許可を受けてその認定関係事務の全部 若しくは一部を廃止する場合 又は環境大臣 若しくは都道府県知事が第二十九条第二項 若しくは第三項の規定により指定を取り消した場合における認定関係事務の引継ぎ その他の必要な事項は、環境省令で定める。
指定認定機関(その者が法人である場合にあつては、その役員。次項において同じ。)及びその職員 並びにこれらの者であつた者は、認定関係事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。
指定認定機関 及びその職員で認定関係事務に従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
環境大臣 又は都道府県知事は、第二十四条から第三十一条までの規定の施行に必要な限度において、指定認定機関に対し、認定関係事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、指定認定機関が第二十五条第三項各号(第五号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、指定を取り消さなければならない。
環境大臣 又は都道府県知事は、指定認定機関が第二十七条の規定に違反したとき、同条第一項の規程によらないでその認定関係事務を実施したとき、第一項の規定による命令に違反したとき、その他その認定関係事務を適正かつ確実に実施することができないと認めるときは、指定を取り消すことができる。
第二十五条第五項の規定は、前二項の規定による指定の取消しについて準用する。
環境大臣 又は都道府県知事は、第二十四条から次条までの規定の施行に必要な限度において、指定認定機関に対し、その認定関係事務に関し報告を求め、又はその職員に、指定認定機関の事務所に立ち入り、指定認定機関の帳簿、書類 その他必要な物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
国立公園について第二十四条第一項 若しくは第七項の認定 又は同条第五項(同条第八項において準用する場合を含む。)の立入認定証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国(指定認定機関が認定関係事務を行う場合にあつては、指定認定機関)に納めなければならない。
都道府県は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定に基づき第二十四条第一項 若しくは第七項の認定 又は同条第五項(同条第八項において準用する場合を含む。)の立入認定証の再交付に係る手数料を徴収する場合においては、第二十五条の規定により指定認定機関が行う認定 又は立入認定証の再交付を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定認定機関に納めさせることができる。
前二項の規定により指定認定機関に納められた手数料は、当該指定認定機関の収入とする。
第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項 及び第二十三条第三項第八号の許可には、国立公園 又は国定公園の風致 又は景観を保護するために必要な限度において、条件を付することができる。
国立公園 又は国定公園の区域のうち特別地域 及び海域公園地区に含まれない区域(以下「普通地域」という。)内において、次に掲げる行為をしようとする者は、国立公園にあつては環境大臣に対し、国定公園にあつては都道府県知事に対し、環境省令で定めるところにより、行為の種類、場所、施行方法 及び着手予定日 その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。
ただし、第一号、第三号、第五号 及び第七号に掲げる行為で海域内において漁具の設置 その他漁業を行うために必要とされるものをしようとする者は、この限りでない。
その規模が環境省令で定める基準を超える工作物を新築し、改築し、又は増築すること(改築 又は増築後において、その規模が環境省令で定める基準を超えるものとなる場合における改築 又は増築を含む。)。
特別地域内の河川、湖沼等の水位 又は水量に増減を及ぼさせること。
広告物 その他これに類する物を掲出し、若しくは設置し、又は広告 その他これに類するものを工作物等に表示すること。
鉱物を掘採し、又は土石を採取すること(海域内においては、海域公園地区の周辺一キロメートルの当該海域公園地区に接続する海域内においてする場合に限る。)。
土地の形状を変更すること。
海底の形状を変更すること(海域公園地区の周辺一キロメートルの当該海域公園地区に接続する海域内においてする場合に限る。)。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、普通地域内において前項の規定により届出を要する行為をしようとする者 又はした者に対して、その風景を保護するために必要な限度において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
前項の処分は、第一項の届出をした者に対しては、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、することができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、第一項の届出があつた場合において、実地の調査をする必要があるとき、その他前項の期間内に第二項の処分をすることができない合理的な理由があるときは、その理由が存続する間、前項の期間を延長することができる。
この場合においては、同項の期間内に、第一項の届出をした者に対し、その旨 及び期間を延長する理由を通知しなければならない。
第一項の届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る行為に着手してはならない。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の風景の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項の期間を短縮することができる。
次に掲げる行為については、第一項 及び第二項の規定は、適用しない。
公園事業の執行 又は認定利用拠点整備改善事業として行う行為
第四十三条第一項の規定により締結された風景地保護協定に基づいて同項第一号の風景地保護協定区域内で行う行為であつて、同項第二号 又は第三号に掲げる事項に従つて行うもの
通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為であつて、環境省令で定めるもの
国立公園、国定公園 若しくは海域公園地区が指定され、又はその区域が拡張された際既に着手していた行為
非常災害のために必要な応急措置として行う行為
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の保護のために必要があると認めるときは、第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項 若しくは第二十三条第三項の規定、第三十二条の規定により許可に付された条件 又は前条第二項の規定による処分に違反した者に対して、その保護のために必要な限度において、その行為の中止を命じ、又はこれらの者 若しくはこれらの者から当該土地、建築物 その他の工作物 若しくは物件についての権利を承継した者に対して、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、若しくは原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
前項の規定により原状回復 又はこれに代わるべき必要な措置(以下この条において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、環境大臣 又は都道府県知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者 若しくは委任した者にこれを行わせることができる。
この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨 及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、環境大臣 若しくは都道府県知事 又はその命じた者 若しくは委任した者が当該原状回復等を行う旨をあらかじめ公告しなければならない。
前項の規定により原状回復等を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の保護のために必要があると認めるときは、第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項 若しくは第二十三条第三項第八号の規定による許可を受けた者 又は第三十三条第二項の規定により行為を制限され、若しくは必要な措置を執るべき旨を命ぜられた者に対して、当該行為の実施状況 その他必要な事項について報告を求めることができる。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項、第二十三条第三項第八号、第三十三条第二項 又は前条の規定による処分をするために必要があると認めるときは、その必要な限度において、その職員に、当該公園の区域内の土地 若しくは建物内に立ち入り、第二十条第三項各号、第二十一条第三項各号、第二十二条第三項各号、第二十三条第三項第八号 若しくは第三十三条第一項各号に掲げる行為の実施状況を検査させ、又はこれらの行為の風景に及ぼす影響を調査させることができる。
前項の規定による立入検査 又は立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項 及び第二項の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、当該公園の利用のための施設を集団的に整備するため、公園計画に基づいて、その区域内に集団施設地区を指定するものとする。
第五条第三項 及び第四項の規定は、集団施設地区の指定 及び指定の解除 並びにその区域の変更について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「環境大臣」とあるのは
「環境大臣 又は都道府県知事」と、
「官報」とあるのは
「それぞれ官報 又は都道府県の公報」と
読み替えるものとする。
国立公園 又は国定公園の特別地域、海域公園地区 又は集団施設地区内においては、何人も、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
当該国立公園 又は国定公園の利用者に著しく不快の念を起こさせるような方法で、ごみ その他の汚物 又は廃物を捨て、又は放置すること。
著しく悪臭を発散させ、拡声機、ラジオ等により著しく騒音を発し、展望所、休憩所等をほしいままに占拠し、嫌悪の情を催させるような仕方で客引きをし、その他当該国立公園 又は国定公園の利用者に著しく迷惑をかけること。
野生動物(鳥類 又は哺乳類に属するものに限る。以下この号において同じ。)に餌を与えること その他の野生動物の生態に影響を及ぼす行為で政令で定めるものであつて、当該国立公園 又は国定公園の利用に支障を及ぼすおそれのあるものを行うこと。
国 又は都道府県の当該職員は、特別地域、海域公園地区 又は集団施設地区内において前項第二号 又は第三号に掲げる行為をしている者があるときは、その行為をやめるべきことを指示することができる。
前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第五節 生態系維持回復事業
環境大臣 及び生態系維持回復事業を行おうとする国の機関の長(以下この条において「環境大臣等」という。)は、国立公園における生態系維持回復事業の適正かつ効果的な実施に資するため、公園計画に基づき、審議会の意見を聴いて、国立公園における生態系維持回復事業に関する計画(以下「生態系維持回復事業計画」という。)を定めるものとする。
都道府県知事は、国定公園における生態系維持回復事業の適正かつ効果的な実施に資するため、公園計画に基づき、国定公園における生態系維持回復事業計画を定めることができる。
生態系維持回復事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
生態系維持回復事業の目標
生態系維持回復事業を行う区域
生態系維持回復事業の内容
前三号に掲げるもののほか、生態系維持回復事業が適正かつ効果的に実施されるために必要な事項
環境大臣等 又は都道府県知事は、生態系維持回復事業計画を定めたときは、その概要を公示しなければならない。
環境大臣等は、生態系維持回復事業計画を廃止し、又は変更しようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。
第四項の規定は、環境大臣等 又は都道府県知事が生態系維持回復事業計画を廃止し、又は変更したときについて準用する。
国は、国立公園内の自然の風景地の保護のため生態系の維持 又は回復を図る必要があると認めるときは、国立公園における生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行うものとする。
地方公共団体は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について国立公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の環境大臣の確認を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
国 及び地方公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について、その者がその生態系維持回復事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその生態系維持回復事業が国立公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の環境大臣の認定を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
第二項の確認 又は前項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名
前三号に掲げるもののほか、環境省令で定める事項
前項の申請書には、生態系維持回復事業を行う区域を示す図面 その他の環境省令で定める書類を添付しなければならない。
第二項の確認 又は第三項の認定を受けた者は、第四項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、地方公共団体にあつては環境大臣の確認を、国 及び地方公共団体以外の者にあつては環境大臣の認定を受けなければならない。
ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
前項の確認 又は同項の認定を受けようとする者は、環境省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を環境大臣に提出しなければならない。
第五項の規定は、前項の申請書について準用する。
第二項の確認 又は第三項の認定を受けた者は、第六項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出なければならない。
環境大臣は、前条第三項の認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、同項の認定を取り消すことができる。
国立公園における生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行つていないと認めるとき。
その生態系維持回復事業を適正かつ確実に行うことができなくなつたと認めるとき。
前条第六項 又は第九項の規定に違反したとき。
第四十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
偽りその他の不正の手段により前条第三項 又は第六項の認定を受けたとき。
都道府県は、国定公園内の自然の風景地の保護のため生態系の維持 又は回復を図る必要があると認めるときは、国定公園における生態系維持回復事業計画に従つて生態系維持回復事業を行うことができる。
国 及び都道府県以外の地方公共団体は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について国定公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の都道府県知事の確認を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
国 及び地方公共団体以外の者は、環境省令で定めるところにより、その行う生態系維持回復事業について、その者がその生態系維持回復事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその生態系維持回復事業が国定公園における生態系維持回復事業計画に適合する旨の都道府県知事の認定を受けて、当該生態系維持回復事業計画に従つてその生態系維持回復事業を行うことができる。
第三十九条第四項 及び第五項の規定は第二項の確認 及び前項の認定について、同条第六項から第九項までの規定は第二項の確認を受けた者について、同条第六項から第九項まで 及び前条の規定は前項の認定を受けた者について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「環境大臣」とあるのは
「都道府県知事」と、
前条第一号中
「国立公園」とあるのは
「国定公園」と
読み替えるものとする。
環境大臣は第三十九条第三項の認定を受けた者に対し、都道府県知事は前条第三項の認定を受けた者に対し、その生態系維持回復事業の実施状況 その他必要な事項に関し報告を求めることができる。
第五節の二 質の高い自然体験活動の促進のための措置
国立公園の区域をその区域に含む市町村 又は都道府県は、市町村にあつては単独で 又は共同して、都道府県にあつては当該都道府県の区域内の市町村であつて当該国立公園の区域をその区域に含むものと共同して、当該国立公園の区域について、質の高い自然体験活動の促進に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。
前項に規定する協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
市町村のみが組織する場合にあつては当該市町村、市町村 及び都道府県が共同して組織する場合にあつては当該市町村 及び都道府県
当該国立公園の区域内において自然体験活動の促進に関する事業(以下「自然体験活動促進事業」という。)を実施し、又は実施すると見込まれる者
当該市町村の区域内の施設、土地 又は木竹であつて自然体験活動促進事業に係るものの所有者、使用 及び収益を目的とする権利を有する者 又は管理者
その他当該市町村 又は都道府県が必要と認める者
第十六条の二第三項から第九項までの規定は、第一項に規定する協議会について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「国立公園事業を執行し、又は執行しようとする者は、当該国立公園事業に係る施設の整備改善を含む地域における利用拠点の質の向上のための整備改善」とあるのは
「自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする者は、当該自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする地域における質の高い自然体験活動の促進」と、
同条第四項中
「第一項」とあるのは
「第四十二条の二第一項」と、
同条第五項中
「当該利用拠点区域内において国立公園事業を執行し、又は執行しようとする者 及び第二項第三号」とあるのは
「当該国立公園の区域内において自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする者 及び第四十二条の二第二項第三号」と
読み替えるものとする。
国定公園の区域をその区域に含む市町村は、単独で又は共同して、当該国定公園の区域について、質の高い自然体験活動の促進に関し必要な協議を行うための協議会を組織することができる。
前項に規定する協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
当該国定公園の区域内において自然体験活動促進事業を実施し、又は実施すると見込まれる者
第十六条の二第三項から第九項までの規定は、第一項に規定する協議会について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「国立公園の」とあるのは
「国定公園の」と、
「国立公園事業を執行し、又は執行しようとする者は、当該国立公園事業に係る施設の整備改善を含む地域における利用拠点の質の向上のための整備改善」とあるのは
「自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする者は、当該自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする地域における質の高い自然体験活動の促進」と、
同項から同条第六項までの規定中
「市町村 又は都道府県」とあるのは
「市町村」と、
同条第四項中
「第一項」とあるのは
「第四十二条の三第一項」と、
同条第五項中
「当該利用拠点区域内において国立公園事業を執行し、又は執行しようとする者 及び第二項第三号」とあるのは
「当該国定公園の区域内において自然体験活動促進事業を実施し、又は実施しようとする者 及び第四十二条の三第二項第三号」と
読み替えるものとする。
第四十二条の二第一項 又は前条第一項に規定する協議会(以下この項 及び次条第一項において単に「協議会」という。)において、公園計画に基づき、環境省令で定めるところにより、当該協議会の構成員である市町村の区域内の国立公園 又は国定公園の区域について、質の高い自然体験活動の促進に関する計画(以下「自然体験活動促進計画」という。)を作成したときは、当該協議会の構成員である市町村 又は都道府県 及び当該自然体験活動促進計画に記載された自然体験活動促進事業を実施しようとする者は、共同で、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の認定を申請することができる。
自然体験活動促進計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
自然体験活動促進計画の区域(以下この条において「計画区域」という。)
計画区域における質の高い自然体験活動の促進に関する基本的な方針
前号の目標を達成するために行う自然体験活動促進事業の内容 及び実施主体
環境大臣 又は都道府県知事は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、当該申請に係る自然体験活動促進計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
公園計画に照らして適切なものであること。
当該自然体験活動促進計画の実施が計画区域における質の高い自然体験活動の促進に寄与するものであると認められること。
当該公園の保護に支障を及ぼすおそれがないものであること。
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
都道府県知事は、前項の認定をしようとする場合において、その申請に係る自然体験活動促進計画に記載された自然体験活動促進事業として行う行為が第二十条第五項、第二十一条第五項 又は第二十二条第五項の環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議しなければならない。
環境大臣 又は都道府県知事は、当該公園の保護 又は利用のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、第三項の認定に条件を付し、及びこれを変更することができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、第三項の認定をしたときは、環境省令で定めるところにより、当該認定に係る自然体験活動促進計画の概要を公表しなければならない。
前条第三項の認定を受けた自然体験活動促進計画の変更をしようとするときは、協議会において当該変更に係る自然体験活動促進計画を作成し、当該協議会の構成員である市町村 又は都道府県 及び当該自然体験活動促進計画に記載された自然体験活動促進事業を実施しようとする者は、共同で、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の認定を受けなければならない。
ただし、環境省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
前条第三項の認定(前項の変更の認定を含む。以下同じ。)を受けた者は、前項ただし書の環境省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に届け出なければならない。
前条第三項から第六項までの規定は、第一項の変更の認定について準用する。
環境大臣 又は都道府県知事は、第四十二条の四第三項の認定を受けた自然体験活動促進計画(変更があつたときは、その変更後のもの。次条第一項において「認定自然体験活動促進計画」という。)が第四十二条の四第三項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により認定を取り消したときは、遅滞なく、その旨を公表するものとする。
環境大臣 又は都道府県知事は、この節の規定の施行に必要な限度において、第四十二条の四第三項の認定を受けた者に対し、認定自然体験活動促進計画の実施状況 その他必要な事項に関し報告を求め、又はその職員に、認定自然体験活動促進計画に係る土地 若しくは建物内に立ち入り、認定自然体験活動促進計画に係る工作物、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第六節 風景地保護協定
環境大臣 若しくは地方公共団体 又は第四十九条第一項の規定により指定された公園管理団体で第五十条第一項第一号に掲げる業務のうち風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理に関するものを行うものは、国立公園 又は国定公園内の自然の風景地の保護のため必要があると認めるときは、当該公園の区域(海域を除く。)内の土地 又は木竹の所有者 又は使用 及び収益を目的とする権利(臨時設備 その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(以下「土地の所有者等」と総称する。)と次に掲げる事項を定めた協定(以下「風景地保護協定」という。)を締結して、当該土地の区域内の自然の風景地の管理を行うことができる。
風景地保護協定の目的となる土地の区域(以下「風景地保護協定区域」という。)
風景地保護協定区域内の自然の風景地の管理の方法に関する事項
風景地保護協定区域内の自然の風景地の保護に関連して必要とされる施設の整備が必要な場合にあつては、当該施設の整備に関する事項
第一項各号に掲げる事項について環境省令で定める基準に適合するものであること。
地方公共団体が風景地保護協定を締結しようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に協議し、同意を得なければならない。
ただし、国定公園について都道府県が当該都道府県の区域内の土地について風景地保護協定を締結する場合は、この限りでない。
第一項の公園管理団体が風景地保護協定を締結しようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の認可を受けなければならない。
環境大臣、地方公共団体 又は都道府県知事は、風景地保護協定を締結しようとするとき、又は前条第五項の規定による風景地保護協定の認可の申請があつたときは、環境省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該風景地保護協定を当該公告の日から二週間関係者の縦覧に供さなければならない。
前項の規定による公告があつたときは、関係者は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該風景地保護協定について、環境大臣、地方公共団体 又は都道府県知事に意見書を提出することができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、第四十三条第五項の規定による風景地保護協定の認可の申請が、次の各号のいずれにも該当するときは、当該風景地保護協定を認可しなければならない。
申請手続が法令に違反しないこと。
風景地保護協定の内容が、第四十三条第三項各号に掲げる基準に適合するものであること。
環境大臣、地方公共団体 又は都道府県知事は、風景地保護協定を締結し、又は前条の認可をしたときは、環境省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該風景地保護協定の写しを公衆の縦覧に供するとともに、風景地保護協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。
第四十三条第二項から第五項まで 及び前三条の規定は、風景地保護協定において定めた事項の変更について準用する。
第四十六条(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告のあつた風景地保護協定は、その公告のあつた後において当該風景地保護協定区域内の土地の所有者等となつた者に対しても、その効力があるものとする。
第七節 公園管理団体
環境大臣は国立公園について、都道府県知事は国定公園について、国立公園 又は国定公園内の自然の風景地の保護と その適正な利用を図ることを目的とする一般社団法人 又は一般財団法人、特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項の特定非営利活動法人 その他環境省令で定める法人であつて、次条第一項各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、公園管理団体として指定することができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による指定をしたときは、当該公園管理団体の名称、住所 及び事務所の所在地を公示しなければならない。
公園管理団体は、その名称、住所 又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
環境大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
公園管理団体は、次に掲げる業務を行うものとする。
風景地保護協定に基づく自然の風景地の管理 その他の自然の風景地の保護に資する活動を行うこと。
前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
公園管理団体は、前項各号に掲げる業務のほか、次に掲げる業務を行うことができる。
国立公園 又は国定公園の保護とその適正な利用の推進に関する情報 又は資料を収集し、及び提供すること。
国立公園 又は国定公園の保護とその適正な利用の推進に関し必要な助言 及び指導を行うこと。
国立公園 又は国定公園の保護とその適正な利用の推進に関する調査 及び研究を行うこと。
前三号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
公園管理団体は、環境大臣 及び地方公共団体との密接な連携の下に前条第一項第一号に掲げる業務を行わなければならない。
環境大臣 又は都道府県知事は、公園管理団体の業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、公園管理団体に対し、その改善に必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、公園管理団体が前条の規定による命令に違反したときは、その指定を取り消すことができる。
環境大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
国 及び地方公共団体は、公園管理団体に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供 又は指導 及び助言を行うものとする。
第八節 費用
公園事業の執行に要する費用は、その公園事業を執行する者の負担とする。
国は、予算の範囲内において、政令の定めるところにより、公園事業を執行する都道府県に対して、その公園事業の執行に要する費用の一部を補助することができる。
国が国立公園事業を執行する場合において、当該国立公園事業の執行が特に地方公共団体を利するものであるときは、当該地方公共団体に、その受益の限度において、その執行に要する費用の一部を負担させることができる。
前項の規定により国立公園事業の執行に要する費用の一部を地方公共団体に負担させようとする場合においては、国は、当該地方公共団体の意見を聴かなければならない。
国 又は地方公共団体は、公園事業の執行により著しく利益を受ける者がある場合においては、その者に、その受益の限度において、その公園事業の執行に要する費用の一部を負担させることができる。
国 又は地方公共団体は、他の工事 又は他の行為により公園事業の執行が必要となつた場合においては、その原因となつた工事 又は行為について費用を負担する者に、その公園事業の執行が必要となつた限度において、その費用の全部 又は一部を負担させることができる。
前三条の規定による負担金の徴収方法 その他負担金に関して必要な事項は、政令で定める。
この節の規定は、公園事業のうち、道路法による道路に係る事業 及び他の法律にその執行に要する費用に関して別段の規定があるその他の事業については、適用しない。
第九節 雑則
環境大臣は国立公園 若しくは国定公園の指定、公園計画の決定 若しくは公園事業の執行 又は国立公園の公園事業の決定に関し、都道府県知事は国定公園の指定 若しくはその区域の拡張に係る申出、公園計画の決定 若しくは追加に係る申出 若しくは公園事業の決定 又は公園事業の執行に関し、環境大臣以外の国の機関は公園事業の執行に関し、実地調査のため必要があるときは、それぞれ当該職員をして、他人の土地に立ち入らせ、標識を設置させ、測量させ、又は実地調査の障害となる木竹 若しくは垣、さく等を伐採させ、若しくは除去させることができる。
ただし、道路法 その他他の法律に実地調査に関する規定があるときは、当該規定の定めるところによる。
国の機関 又は都道府県知事は、当該職員をして前項の規定による行為をさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者(所有者の住所が明らかでないときは、その占有者。この条において以下同じ。)及び占有者 並びに木竹 又は垣、さく等の所有者にその旨を通知し、意見書を提出する機会を与えなければならない。
第一項の職員は、日出前 及び日没後においては、宅地 又は垣、さく等で囲まれた土地に立ち入つてはならない。
第一項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
土地の所有者 若しくは占有者 又は木竹 若しくは垣、さく等の所有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入り 又は標識の設置 その他の行為を拒み、又は妨げてはならない。
第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項 又は第三十三条第二項の規定による環境大臣 又は都道府県知事の処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業 又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定を申請することができる。この場合には、審査請求をすることができない。
行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十二条の規定は、前項の処分につき、処分をした行政庁が誤つて審査請求 又は再調査の請求をすることができる旨を教示した場合に準用する。
国は国立公園について、都道府県は国定公園について、第二十条第三項、第二十一条第三項 若しくは第二十二条第三項の許可を得ることができないため、第三十二条の規定により許可に条件を付されたため、又は第三十三条第二項の規定による処分を受けたため損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。
前項の規定による補償を受けようとする者は、国に係る当該補償については環境大臣に、都道府県に係る当該補償については都道府県知事にこれを請求しなければならない。
環境大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による請求を受けたときは、補償すべき金額を決定し、当該請求者にこれを通知しなければならない。
国 又は都道府県は、第六十二条第一項の規定によるそれぞれの当該職員の行為によつて損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。
第二項 及び第三項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。
この場合において、
第二項 及び第三項中
「環境大臣」とあるのは、
「第六十二条第一項に規定する実地調査に関する事務を所掌する大臣」と
読み替えるものとする。
前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による決定に不服がある者は、その通知を受けた日から六月以内に訴えをもつて補償すべき金額の増額を請求することができる。
前項の訴えにおいては、国 又は都道府県を被告とする。
この法律の規定により国に納付すべき負担金を納付しない者があるときは、環境大臣は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
前項の場合においては、環境大臣は、環境省令の定めるところにより、延滞金を徴収することができる。
ただし、延滞金は、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額を超えない範囲内で定めなければならない。
第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、環境大臣は、国税滞納処分の例により前二項に規定する負担金 及び延滞金を徴収することができる。
この場合における負担金 及び延滞金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。
延滞金は、負担金に先立つものとする。
国 及び都道府県は、国立公園 又は国定公園の利用の増進に資するため、国内外における国立公園 又は国定公園に関する情報の提供 及び普及宣伝を行うように努めるものとする。
環境大臣は、国立公園 若しくは国定公園の指定、その区域の拡張 若しくは公園計画の決定 若しくは変更 又は国立公園の特別地域、特別保護地区、海域公園地区 若しくは利用調整地区の指定 若しくはその区域の拡張をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
都道府県知事は、国定公園の特別地域、特別保護地区、海域公園地区 又は利用調整地区の指定 又はその区域の拡張をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
環境大臣以外の国の機関は、第十条第一項の規定により国立公園事業を執行しようとするときは、環境大臣に協議しなければならない。
国の機関は、第十六条第一項ただし書の規定により国定公園事業を執行しようとするときは、都道府県知事に協議しなければならない。
国の機関が行う行為については、第二十条第三項、第二十一条第三項、第二十二条第三項 又は第二十三条第三項第八号の規定による許可を受けることを要しない。
この場合において、当該国の機関は、その行為をしようとするときは、あらかじめ、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事に協議しなければならない。
都道府県知事は、国定公園について前項の規定による協議を受けた場合において、当該協議に係る行為が当該国定公園の風致 又は景観に及ぼす影響 その他の事情を考慮して環境省令で定める行為に該当するときは、環境大臣に協議しなければならない。
国の機関は、第二十条第六項後段、第七項 若しくは第八項、第二十一条第六項後段 若しくは第七項、第二十二条第六項後段 若しくは第七項 又は第三十三条第一項の規定により届出を要する行為をしたとき、又はしようとするときは、これらの規定による届出の例により、国立公園にあつては環境大臣に、国定公園にあつては都道府県知事にその旨を通知しなければならない。
環境大臣 又は都道府県知事は、第三十三条第一項の規定による届出の例による通知があつた場合において、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、当該国の機関に対し、風景の保護のために執るべき措置について協議を求めることができる。
この法律に規定する環境大臣の権限は、環境省令で定めるところにより、地方環境事務所長に委任することができる。
第二十条第一項、同条第二項において準用する第五条第三項、第二十一条第一項、同条第二項において準用する第五条第三項、第二十二条第一項、同条第二項において準用する第五条第三項 及び第六十七条第二項(利用調整地区に係る部分を除く。)の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
自然環境保全法第十四条第一項の規定により指定された原生自然環境保全地域の区域は、国立公園 又は国定公園の区域に含まれないものとする。
第三章 都道府県立自然公園
都道府県は、条例の定めるところにより、区域を定めて都道府県立自然公園を指定することができる。
都道府県は、条例の定めるところにより、都道府県立自然公園の風致を維持するためその区域内に特別地域を、都道府県立自然公園の風致の維持と その適正な利用を図るため特別地域内に利用調整地区を指定し、かつ、特別地域内、利用調整地区内 及び当該都道府県立自然公園の区域のうち特別地域に含まれない区域内における行為につき、それぞれ国立公園の特別地域、利用調整地区 又は普通地域内における行為に関する前章第四節の規定による規制の範囲内において、条例で必要な規制を定めることができる。
都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し認定関係事務の実施のため必要がある場合に、都道府県知事が第二十五条から第三十一条までの規定の例により指定認定機関を指定し、当該指定認定機関に認定関係事務を行わせることができる旨を定めることができる。
都道府県は、都道府県立自然公園の利用のための施設を集団的に整備するため、条例の定めるところにより、その区域内に集団施設地区を指定し、かつ、第三十七条の規定の例により、条例で、特別地域 及び集団施設地区内における同条第一項各号に掲げる行為を禁止することができる。
都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し自然の風景地の保護のため必要がある場合に、地方公共団体 又は次条の規定に基づく条例の規定により指定された公園管理団体が前章第六節の規定の例により土地の所有者等と風景地保護協定を締結することができる旨を定めることができる。
都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し自然の風景地の保護とその適正な利用を図るため必要がある場合に、都道府県知事が前章第七節の規定の例により公園管理団体を指定することができる旨を定めることができる。
都道府県は、条例で、都道府県立自然公園に関し実地調査のため必要がある場合に、都道府県知事が第六十二条の規定の例により当該職員をして他人の土地に立ち入らせ、又は同条第一項に規定する標識の設置 その他の行為をさせることができる旨を定めることができる。
都道府県は、第七十三条第一項の規定に基づく条例の規定による処分 又は前条の規定に基づく条例の規定による当該職員の行為によつて損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
第七十三条第一項の規定に基づく条例の規定による都道府県知事の処分に不服がある者は、その不服の理由が鉱業、採石業 又は砂利採取業との調整に関するものであるときは、公害等調整委員会に裁定を申請することができる。
この場合には、第六十三条第一項後段 及び第二項の規定を準用する。
都道府県は、都道府県立自然公園の特別地域 又は利用調整地区の指定 又はその区域の拡張をしようとするときは、国の関係地方行政機関の長に協議しなければならない。
都道府県が第七十三条第一項の規定に基づく条例で都道府県立自然公園の区域内における行為につき規制を定めた場合における国の機関が行う行為に関する特例については、第六十八条の規定の例による。
環境大臣は、都道府県に対し、都道府県立自然公園に関し、必要な報告を求めることができる。
環境大臣は、都道府県に対し、都道府県立自然公園の行政 又は技術に関し、必要な助言 又は勧告をすることができる。
国立公園 若しくは国定公園 又は自然環境保全法第十四条第一項の規定により指定された原生自然環境保全地域の区域は、都道府県立自然公園の区域に含まれないものとする。
第四章 罰則
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。
第十五条第一項(第十六条第四項において準用する場合を含む。)又は第三十四条第一項の規定による命令に違反したとき。
第二十条第三項、第二十一条第三項 又は第二十二条第三項の規定に違反したとき。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
第十条第三項 又は第十六条第三項の認可を受けた者が、第十条第六項(第十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、第十条第四項各号(第十六条第四項において準用する場合を含む。)に掲げる事項を変更したとき。
第十条第十項(第十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定により認可に付された条件に違反したとき。
第二十三条第三項の規定に違反したとき。
偽り その他不正の手段により第二十四条第一項 又は第七項の認定を受けたとき。
第三十二条の規定により許可に付された条件に違反したとき。
第二十八条第一項の規定に違反した者は、六月以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
第十一条(第十六条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条第二項 又は第五十二条の規定による命令に違反したときは、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
第十七条第一項 若しくは第二項、第三十条第一項 若しくは第四十二条の七第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
偽り その他不正の手段により第二十四条第五項(同条第八項において準用する場合を含む。)の立入認定証の再交付を受けたとき。
第二十七条第四項の許可を受けないで認定関係事務の全部を廃止したとき。
第三十三条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
第三十三条第五項の規定に違反したとき。
第三十五条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第三十五条第二項の規定による立入検査 又は立入調査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
国立公園 又は国定公園の特別地域、海域公園地区 又は集団施設地区内において、みだりに第三十七条第一項第一号に掲げる行為をしたとき。
国立公園 又は国定公園の特別地域、海域公園地区 又は集団施設地区内において、第三十七条第二項の規定による当該職員の指示に従わないで、みだりに同条第一項第二号 又は第三号に掲げる行為をしたとき。
第六十二条第五項の規定に違反して、同条第一項の規定による立入り又は標識の設置 その他の行為を拒み、又は妨げたとき。
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関して第八十二条、第八十三条、第八十五条 又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。
第十条第九項、第十三条 又は第十四条第二項(これらの規定を第十六条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者(第十条第三項 又は第十六条第三項の認可を受けた者に限る。)は、二十万円以下の過料に処する。
第二十四条第六項(同条第八項において準用する場合を含む。)の規定に違反して立入認定証を携帯しないで立ち入つた者は、十万円以下の過料に処する。
第七十三条、第七十五条 又は第七十六条の規定に基づく条例には、その条例に違反した者に対して、その違反行為の態様に応じ、それぞれ、第八十二条から第八十七条まで 及び前条に定める処罰の程度を超えない限度において、刑 又は過料を科する旨の規定を設けることができる。