本章において「普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与」とは、普通地方公共団体の事務の処理に関し、国の行政機関(内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四条第三項に規定する事務をつかさどる機関たる内閣府、宮内庁、同法第四十九条第一項 若しくは第二項に規定する機関、デジタル庁設置法(令和三年法律第三十六号)第四条第二項に規定する事務をつかさどる機関たるデジタル庁、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関、法律の規定に基づき内閣の所轄の下に置かれる機関 又はこれらに置かれる機関をいう。以下本章において同じ。)又は都道府県の機関が行う次に掲げる行為(普通地方公共団体がその固有の資格において当該行為の名あて人となるものに限り、国 又は都道府県の普通地方公共団体に対する支出金の交付 及び返還に係るものを除く。)をいう。
地方自治法
第十一章 国と普通地方公共団体との関係及び普通地方公共団体相互間の関係
第一節 普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与等
⤏ 第一款 普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与等
普通地方公共団体に対する次に掲げる行為
是正の要求(普通地方公共団体の事務の処理が法令の規定に違反しているとき 又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害しているときに当該普通地方公共団体に対して行われる当該違反の是正 又は改善のため必要な措置を講ずべきことの求めであつて、当該求めを受けた普通地方公共団体がその違反の是正 又は改善のため必要な措置を講じなければならないものをいう。)
同意
許可、認可 又は承認
指示
代執行(普通地方公共団体の事務の処理が法令の規定に違反しているとき 又は当該普通地方公共団体がその事務の処理を怠つているときに、その是正のための措置を当該普通地方公共団体に代わつて行うことをいう。)
普通地方公共団体との協議
前二号に掲げる行為のほか、一定の行政目的を実現するため普通地方公共団体に対して具体的かつ個別的に関わる行為(相反する利害を有する者の間の利害の調整を目的としてされる裁定 その他の行為(その双方を名あて人とするものに限る。)及び審査請求 その他の不服申立てに対する裁決、決定 その他の行為を除く。)
普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律 又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない。
国は、普通地方公共団体が、その事務の処理に関し、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与を受け、又は要することとする場合には、その目的を達成するために必要な最小限度のものとするとともに、普通地方公共団体の自主性 及び自立性に配慮しなければならない。
国は、できる限り、普通地方公共団体が、自治事務の処理に関しては普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与のうち第二百四十五条第一号ト 及び第三号に規定する行為を、法定受託事務の処理に関しては普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与のうち同号に規定する行為を受け、又は要することとすることのないようにしなければならない。
国は、国 又は都道府県の計画と普通地方公共団体の計画との調和を保つ必要がある場合等国 又は都道府県の施策と普通地方公共団体の施策との間の調整が必要な場合を除き、普通地方公共団体の事務の処理に関し、普通地方公共団体が、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与のうち第二百四十五条第二号に規定する行為を要することとすることのないようにしなければならない。
国は、法令に基づき国がその内容について財政上 又は税制上の特例措置を講ずるものとされている計画を普通地方公共団体が作成する場合等国 又は都道府県の施策と普通地方公共団体の施策との整合性を確保しなければこれらの施策の実施に著しく支障が生ずると認められる場合を除き、自治事務の処理に関し、普通地方公共団体が、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与のうち第二百四十五条第一号ニに規定する行為を要することとすることのないようにしなければならない。
国は、普通地方公共団体が特別の法律により法人を設立する場合等自治事務の処理について国の行政機関 又は都道府県の機関の許可、認可 又は承認を要することとすること以外の方法によつてその処理の適正を確保することが困難であると認められる場合を除き、自治事務の処理に関し、普通地方公共団体が、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与のうち第二百四十五条第一号ホに規定する行為を要することとすることのないようにしなければならない。
国は、国民の生命、身体 又は財産の保護のため緊急に自治事務の的確な処理を確保する必要がある場合等特に必要と認められる場合を除き、自治事務の処理に関し、普通地方公共団体が、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与のうち第二百四十五条第一号ヘに規定する行為に従わなければならないこととすることのないようにしなければならない。
各大臣(内閣府設置法第四条第三項に規定する事務を分担管理する大臣たる内閣総理大臣 又は国家行政組織法第五条第一項に規定する各省大臣をいう。以下本章、次章 及び第十四章において同じ。)又は都道府県知事 その他の都道府県の執行機関は、その担任する事務に関し、普通地方公共団体に対し、普通地方公共団体の事務の運営 その他の事項について適切と認める技術的な助言 若しくは勧告をし、又は当該助言 若しくは勧告をするため 若しくは普通地方公共団体の事務の適正な処理に関する情報を提供するため必要な資料の提出を求めることができる。
各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県知事 その他の都道府県の執行機関に対し、前項の規定による市町村に対する助言 若しくは勧告 又は資料の提出の求めに関し、必要な指示をすることができる。
普通地方公共団体の長 その他の執行機関は、各大臣 又は都道府県知事 その他の都道府県の執行機関に対し、その担任する事務の管理 及び執行について技術的な助言 若しくは勧告 又は必要な情報の提供を求めることができる。
各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該自治事務の処理について違反の是正 又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
各大臣は、その担任する事務に関し、市町村の次の各号に掲げる事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該各号に定める都道府県の執行機関に対し、当該事務の処理について違反の是正 又は改善のため必要な措置を講ずべきことを当該市町村に求めるよう指示をすることができる。
市町村長 その他の市町村の執行機関(教育委員会 及び選挙管理委員会を除く。)の担任する事務(第一号法定受託事務を除く。次号 及び第三号において同じ。)
都道府県知事
市町村教育委員会の担任する事務
都道府県教育委員会
市町村選挙管理委員会の担任する事務
都道府県選挙管理委員会
前項の指示を受けた都道府県の執行機関は、当該市町村に対し、当該事務の処理について違反の是正 又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めなければならない。
各大臣は、第二項の規定によるほか、その担任する事務に関し、市町村の事務(第一号法定受託事務を除く。)の処理が法令の規定に違反していると認める場合、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認める場合において、緊急を要するとき その他特に必要があると認めるときは、自ら当該市町村に対し、当該事務の処理について違反の是正 又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
普通地方公共団体は、第一項、第三項 又は前項の規定による求めを受けたときは、当該事務の処理について違反の是正 又は改善のための必要な措置を講じなければならない。
次の各号に掲げる都道府県の執行機関は、市町村の当該各号に定める自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、当該自治事務の処理について違反の是正 又は改善のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
都道府県知事
市町村長 その他の市町村の執行機関(教育委員会 及び選挙管理委員会を除く。)の担任する自治事務
都道府県教育委員会
市町村教育委員会の担任する自治事務
都道府県選挙管理委員会
市町村選挙管理委員会の担任する自治事務
各大臣は、その所管する法律 又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該法定受託事務の処理について違反の是正 又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。
次の各号に掲げる都道府県の執行機関は、市町村の当該各号に定める法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、当該法定受託事務の処理について違反の是正 又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。
都道府県知事
市町村長 その他の市町村の執行機関(教育委員会 及び選挙管理委員会を除く。)の担任する法定受託事務
都道府県教育委員会
市町村教育委員会の担任する法定受託事務
都道府県選挙管理委員会
市町村選挙管理委員会の担任する法定受託事務
各大臣は、その所管する法律 又はこれに基づく政令に係る市町村の第一号法定受託事務の処理について、前項各号に掲げる都道府県の執行機関に対し、同項の規定による市町村に対する指示に関し、必要な指示をすることができる。
各大臣は、前項の規定によるほか、その所管する法律 又はこれに基づく政令に係る市町村の第一号法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認める場合、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認める場合において、緊急を要するとき その他特に必要があると認めるときは、自ら当該市町村に対し、当該第一号法定受託事務の処理について違反の是正 又は改善のため講ずべき措置に関し、必要な指示をすることができる。
各大臣は、その所管する法律 若しくはこれに基づく政令に係る都道府県知事の法定受託事務の管理 若しくは執行が法令の規定 若しくは当該各大臣の処分に違反するものがある場合 又は当該法定受託事務の管理 若しくは執行を怠るものがある場合において、本項から第八項までに規定する措置以外の方法によつてその是正を図ることが困難であり、かつ、それを放置することにより著しく公益を害することが明らかであるときは、文書により、当該都道府県知事に対して、その旨を指摘し、期限を定めて、当該違反を是正し、又は当該怠る法定受託事務の管理 若しくは執行を改めるべきことを勧告することができる。
各大臣は、都道府県知事が前項の期限までに同項の規定による勧告に係る事項を行わないときは、文書により、当該都道府県知事に対し、期限を定めて当該事項を行うべきことを指示することができる。
各大臣は、都道府県知事が前項の期限までに当該事項を行わないときは、高等裁判所に対し、訴えをもつて、当該事項を行うべきことを命ずる旨の裁判を請求することができる。
各大臣は、高等裁判所に対し前項の規定により訴えを提起したときは、直ちに、文書により、その旨を当該都道府県知事に通告するとともに、当該高等裁判所に対し、その通告をした日時、場所 及び方法を通知しなければならない。
当該高等裁判所は、第三項の規定により訴えが提起されたときは、速やかに口頭弁論の期日を定め、当事者を呼び出さなければならない。
その期日は、同項の訴えの提起があつた日から十五日以内の日とする。
当該高等裁判所は、各大臣の請求に理由があると認めるときは、当該都道府県知事に対し、期限を定めて当該事項を行うべきことを命ずる旨の裁判をしなければならない。
第三項の訴えは、当該都道府県の区域を管轄する高等裁判所の専属管轄とする。
各大臣は、都道府県知事が第六項の裁判に従い同項の期限までに、なお、当該事項を行わないときは、当該都道府県知事に代わつて当該事項を行うことができる。
この場合においては、各大臣は、あらかじめ当該都道府県知事に対し、当該事項を行う日時、場所 及び方法を通知しなければならない。
第三項の訴えに係る高等裁判所の判決に対する上告の期間は、一週間とする。
前項の上告は、執行停止の効力を有しない。
各大臣の請求に理由がない旨の判決が確定した場合において、既に第八項の規定に基づき第二項の規定による指示に係る事項が行われているときは、都道府県知事は、当該判決の確定後三月以内にその処分を取り消し、又は原状の回復 その他必要な措置を執ることができる。
前各項の規定は、市町村長の法定受託事務の管理 若しくは執行が法令の規定 若しくは各大臣 若しくは都道府県知事の処分に違反するものがある場合又は当該法定受託事務の管理 若しくは執行を怠るものがある場合において、本項に規定する措置以外の方法によつてその是正を図ることが困難であり、かつ、それを放置することにより著しく公益を害することが明らかであるときについて準用する。
この場合においては、
前各項の規定中
「各大臣」とあるのは
「都道府県知事」と、
「都道府県知事」とあるのは
「市町村長」と、
「当該都道府県の区域」とあるのは
「当該市町村の区域」と
読み替えるものとする。
各大臣は、その所管する法律 又はこれに基づく政令に係る市町村長の第一号法定受託事務の管理 又は執行について、都道府県知事に対し、前項において準用する第一項から第八項までの規定による措置に関し、必要な指示をすることができる。
第三項(第十二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の訴えについては、行政事件訴訟法第四十三条第三項の規定にかかわらず、同法第四十一条第二項の規定は、準用しない。
前各項に定めるもののほか、第三項の訴えについては、主張 及び証拠の申出の時期の制限 その他審理の促進に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
各大臣は、その所管する法律 又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理について、都道府県が当該法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。
次の各号に掲げる都道府県の執行機関は、市町村の当該各号に定める法定受託事務の処理について、市町村が当該法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。
この場合において、都道府県の執行機関の定める基準は、次項の規定により各大臣の定める基準に抵触するものであつてはならない。
都道府県知事
市町村長 その他の市町村の執行機関(教育委員会 及び選挙管理委員会を除く。)の担任する法定受託事務
都道府県教育委員会
市町村教育委員会の担任する法定受託事務
都道府県選挙管理委員会
市町村選挙管理委員会の担任する法定受託事務
各大臣は、特に必要があると認めるときは、その所管する法律 又はこれに基づく政令に係る市町村の第一号法定受託事務の処理について、市町村が当該第一号法定受託事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。
各大臣は、その所管する法律 又はこれに基づく政令に係る市町村の第一号法定受託事務の処理について、第二項各号に掲げる都道府県の執行機関に対し、同項の規定により定める基準に関し、必要な指示をすることができる。
第一項から第三項までの規定により定める基準は、その目的を達成するために必要な最小限度のものでなければならない。
⤏ 第二款 普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与等の手続
次条から第二百五十条の五までの規定は、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与について適用する。
ただし、他の法律に特別の定めがある場合は、この限りでない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、普通地方公共団体に対し、助言、勧告 その他これらに類する行為(以下本条 及び第二百五十二条の十七の三第二項において「助言等」という。)を書面によらないで行つた場合において、当該普通地方公共団体から当該助言等の趣旨 及び内容を記載した書面の交付を求められたときは、これを交付しなければならない。
前項の規定は、次に掲げる助言等については、適用しない。
普通地方公共団体に対しその場において完了する行為を求めるもの
既に書面により当該普通地方公共団体に通知されている事項と同一の内容であるもの
国 又は都道府県の職員は、普通地方公共団体が国の行政機関 又は都道府県の機関が行つた助言等に従わなかつたことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、普通地方公共団体に対し、資料の提出の要求 その他これに類する行為(以下本条 及び第二百五十二条の十七の三第二項において「資料の提出の要求等」という。)を書面によらないで行つた場合において、当該普通地方公共団体から当該資料の提出の要求等の趣旨 及び内容を記載した書面の交付を求められたときは、これを交付しなければならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、普通地方公共団体に対し、是正の要求、指示 その他これらに類する行為(以下本条 及び第二百五十二条の十七の三第二項において「是正の要求等」という。)をするときは、同時に、当該是正の要求等の内容 及び理由を記載した書面を交付しなければならない。
ただし、当該書面を交付しないで是正の要求等をすべき差し迫つた必要がある場合は、この限りでない。
前項ただし書の場合においては、国の行政機関 又は都道府県の機関は、是正の要求等をした後相当の期間内に、同項の書面を交付しなければならない。
普通地方公共団体から国の行政機関 又は都道府県の機関に対して協議の申出があつたときは、国の行政機関 又は都道府県の機関 及び普通地方公共団体は、誠実に協議を行うとともに、相当の期間内に当該協議が調うよう努めなければならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、普通地方公共団体の申出に基づく協議について意見を述べた場合において、当該普通地方公共団体から当該協議に関する意見の趣旨 及び内容を記載した書面の交付を求められたときは、これを交付しなければならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、普通地方公共団体からの法令に基づく申請 又は協議の申出(以下 この款、第二百五十条の十三第二項、第二百五十一条の三第二項、第二百五十一条の五第一項、第二百五十一条の六第一項 及び第二百五十二条の十七の三第三項において「申請等」という。)があつた場合において、許可、認可、承認、同意 その他これらに類する行為(以下 この款 及び第二百五十二条の十七の三第三項において「許認可等」という。)をするかどうかを法令の定めに従つて判断するために必要とされる基準を定め、かつ、行政上特別の支障があるときを除き、これを公表しなければならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、普通地方公共団体に対し、許認可等の取消しその他これに類する行為(以下本条 及び第二百五十条の四において「許認可等の取消し等」という。)をするかどうかを法令の定めに従つて判断するために必要とされる基準を定め、かつ、これを公表するよう努めなければならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、第一項 又は前項に規定する基準を定めるに当たつては、当該許認可等 又は許認可等の取消し等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、申請等が当該国の行政機関 又は都道府県の機関の事務所に到達してから当該申請等に係る許認可等をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該国の行政機関 又は都道府県の機関と異なる機関が当該申請等の提出先とされている場合は、併せて、当該申請等が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該国の行政機関 又は都道府県の機関の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定め、かつ、これを公表するよう努めなければならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、申請等が法令により当該申請等の提出先とされている機関の事務所に到達したときは、遅滞なく当該申請等に係る許認可等をするための事務を開始しなければならない。
国の行政機関 又は都道府県の機関は、普通地方公共団体に対し、申請等に係る許認可等を拒否する処分をするとき又は許認可等の取消し等をするときは、当該許認可等を拒否する処分 又は許認可等の取消し等の内容 及び理由を記載した書面を交付しなければならない。
普通地方公共団体から国の行政機関 又は都道府県の機関への届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていること その他の法令に定められた届出の形式上の要件に適合している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする。
国の行政機関は、自治事務として普通地方公共団体が処理している事務と同一の内容の事務を法令の定めるところにより自らの権限に属する事務として処理するときは、あらかじめ当該普通地方公共団体に対し、当該事務の処理の内容 及び理由を記載した書面により通知しなければならない。
ただし、当該通知をしないで当該事務を処理すべき差し迫つた必要がある場合は、この限りでない。
前項ただし書の場合においては、国の行政機関は、自ら当該事務を処理した後相当の期間内に、同項の通知をしなければならない。
第二節 国と普通地方公共団体との間並びに普通地方公共団体相互間及び普通地方公共団体の機関相互間の紛争処理
⤏ 第一款 国地方係争処理委員会
総務省に、国地方係争処理委員会(以下本節において「委員会」という。)を置く。
委員会は、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与のうち国の行政機関が行うもの(以下本節において「国の関与」という。)に関する審査の申出につき、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。
委員会は、委員五人をもつて組織する。
委員は、非常勤とする。
ただし、そのうち二人以内は、常勤とすることができる。
委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、総務大臣が任命する。
委員の任命については、そのうち三人以上が同一の政党 その他の政治団体に属することとなつてはならない。
委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会 又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、総務大臣は、第一項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。
前項の場合においては、任命後最初の国会において両議院の事後承認を得なければならない。
この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、総務大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。
委員の任期は、三年とする。
ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
委員は、再任されることができる。
委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。
総務大臣は、委員が破産手続開始の決定を受け、又は禁錮以上の刑に処せられたときは、その委員を罷免しなければならない。
総務大臣は、両議院の同意を得て、次に掲げる委員を罷免するものとする。
委員のうち何人も属していなかつた同一の政党 その他の政治団体に新たに三人以上の委員が属するに至つた場合においては、これらの者のうち二人を超える員数の委員
委員のうち一人が既に属している政党 その他の政治団体に新たに二人以上の委員が属するに至つた場合においては、これらの者のうち一人を超える員数の委員
総務大臣は、委員のうち二人が既に属している政党 その他の政治団体に新たに属するに至つた委員を直ちに罷免するものとする。
総務大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反 その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
委員は、第四項後段 及び第八項から前項までの規定による場合を除くほか、その意に反して罷免されることがない。
委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
その職を退いた後も、同様とする。
委員は、在任中、政党 その他の政治団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
常勤の委員は、在任中、総務大臣の許可がある場合を除き、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行つてはならない。
委員は、自己に直接利害関係のある事件については、その議事に参与することができない。
委員の給与は、別に法律で定める。
委員会に、委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
委員会は、委員長が招集する。
委員会は、委員長 及び二人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
委員会の議事は、出席者の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
委員長に事故がある場合の第二項の規定の適用については、前条第三項に規定する委員は、委員長とみなす。
この法律に規定するもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第二款 国地方係争処理委員会による審査の手続
普通地方公共団体の長 その他の執行機関は、その担任する事務に関する国の関与のうち是正の要求、許可の拒否 その他の処分 その他公権力の行使に当たるもの(次に掲げるものを除く。)に不服があるときは、委員会に対し、当該国の関与を行つた国の行政庁を相手方として、文書で、審査の申出をすることができる。
第二百四十五条の八第二項 及び第十三項の規定による指示
第二百四十五条の八第八項の規定に基づき都道府県知事に代わつて同条第二項の規定による指示に係る事項を行うこと。
第二百五十二条の十七の四第二項の規定により読み替えて適用する第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第二項の規定による指示
第二百五十二条の十七の四第二項の規定により読み替えて適用する第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第八項の規定に基づき市町村長に代わつて前号の指示に係る事項を行うこと。
普通地方公共団体の長 その他の執行機関は、その担任する事務に関する国の不作為(国の行政庁が、申請等が行われた場合において、相当の期間内に何らかの国の関与のうち許可 その他の処分 その他公権力の行使に当たるものをすべきにかかわらず、これをしないことをいう。以下本節において同じ。)に不服があるときは、委員会に対し、当該国の不作為に係る国の行政庁を相手方として、文書で、審査の申出をすることができる。
普通地方公共団体の長 その他の執行機関は、その担任する事務に関する当該普通地方公共団体の法令に基づく協議の申出が国の行政庁に対して行われた場合において、当該協議に係る当該普通地方公共団体の義務を果たしたと認めるにもかかわらず当該協議が調わないときは、委員会に対し、当該協議の相手方である国の行政庁を相手方として、文書で、審査の申出をすることができる。
第一項の規定による審査の申出は、当該国の関与があつた日から三十日以内にしなければならない。
ただし、天災 その他同項の規定による審査の申出をしなかつたことについてやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
前項ただし書の場合における第一項の規定による審査の申出は、その理由がやんだ日から一週間以内にしなければならない。
第一項の規定による審査の申出に係る文書を郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者 若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便(第二百六十条の二第十二項において「信書便」という。)で提出した場合における前二項の期間の計算については、送付に要した日数は、算入しない。
普通地方公共団体の長 その他の執行機関は、第一項から第三項までの規定による審査の申出(以下本款において「国の関与に関する審査の申出」という。)をしようとするときは、相手方となるべき国の行政庁に対し、その旨をあらかじめ通知しなければならない。
委員会は、自治事務に関する国の関与について前条第一項の規定による審査の申出があつた場合においては、審査を行い、相手方である国の行政庁の行つた国の関与が違法でなく、かつ、普通地方公共団体の自主性 及び自立性を尊重する観点から不当でないと認めるときは、理由を付してその旨を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関 及び当該国の行政庁に通知するとともに、これを公表し、当該国の行政庁の行つた国の関与が違法 又は普通地方公共団体の自主性 及び自立性を尊重する観点から当該国の行政庁に対し、理由を付し、かつ、期間を示して、必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を当該普通地方公共団体の長 その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
委員会は、法定受託事務に関する国の関与について前条第一項の規定による審査の申出があつた場合においては、審査を行い、相手方である国の行政庁の行つた国の関与が違法でないと認めるときは、理由を付してその旨を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関 及び当該国の行政庁に通知するとともに、これを公表し、当該国の行政庁の行つた国の関与が違法であると認めるときは、当該国の行政庁に対し、理由を付し、かつ、期間を示して、必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を当該普通地方公共団体の長 その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
委員会は、前条第二項の規定による審査の申出があつた場合においては、審査を行い、当該審査の申出に理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関 及び相手方である国の行政庁に通知するとともに、これを公表し、当該審査の申出に理由があると認めるときは、当該国の行政庁に対し、理由を付し、かつ、期間を示して、必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を当該普通地方公共団体の長 その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
委員会は、前条第三項の規定による審査の申出があつたときは、当該審査の申出に係る協議について当該協議に係る普通地方公共団体がその義務を果たしているかどうかを審査し、理由を付してその結果を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関 及び相手方である国の行政庁に通知するとともに、これを公表しなければならない。
前各項の規定による審査 及び勧告は、審査の申出があつた日から九十日以内に行わなければならない。
委員会は、関係行政機関を審査の手続に参加させる必要があると認めるときは、国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関、相手方である国の行政庁 若しくは当該関係行政機関の申立てにより 又は職権で、当該関係行政機関を審査の手続に参加させることができる。
委員会は、前項の規定により関係行政機関を審査の手続に参加させるときは、あらかじめ、当該国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関 及び相手方である国の行政庁 並びに当該関係行政機関の意見を聴かなければならない。
委員会は、審査を行うため必要があると認めるときは、国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関、相手方である国の行政庁 若しくは前条第一項の規定により当該審査の手続に参加した関係行政機関(以下本条において「参加行政機関」という。)の申立てにより 又は職権で、次に掲げる証拠調べをすることができる。
適当と認める者に、参考人としてその知つている事実を陳述させ、又は鑑定を求めること。
書類 その他の物件の所持人に対し、その物件の提出を求め、又はその提出された物件を留め置くこと。
必要な場所につき検証をすること。
国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関、相手方である国の行政庁 若しくは参加行政機関 又はこれらの職員を審尋すること。
委員会は、審査を行うに当たつては、国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関、相手方である国の行政庁 及び参加行政機関に証拠の提出 及び陳述の機会を与えなければならない。
国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関は、第二百五十条の十四第一項から第四項までの規定による審査の結果の通知 若しくは勧告があるまで 又は第二百五十条の十九第二項の規定により調停が成立するまでは、いつでも当該国の関与に関する審査の申出を取り下げることができる。
国の関与に関する審査の申出の取下げは、文書でしなければならない。
第二百五十条の十四第一項から第三項までの規定による委員会の勧告があつたときは、当該勧告を受けた国の行政庁は、当該勧告に示された期間内に、当該勧告に即して必要な措置を講ずるとともに、その旨を委員会に通知しなければならない。
この場合においては、委員会は、当該通知に係る事項を当該勧告に係る審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
委員会は、前項の勧告を受けた国の行政庁に対し、同項の規定により講じた措置についての説明を求めることができる。
委員会は、国の関与に関する審査の申出があつた場合において、相当であると認めるときは、職権により、調停案を作成して、これを当該国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関 及び相手方である国の行政庁に示し、その受諾を勧告するとともに、理由を付してその要旨を公表することができる。
前項の調停案に係る調停は、調停案を示された普通地方公共団体の長 その他の執行機関 及び国の行政庁から、これを受諾した旨を記載した文書が委員会に提出されたときに成立するものとする。
この場合においては、委員会は、直ちにその旨 及び調停の要旨を公表するとともに、当該普通地方公共団体の長 その他の執行機関 及び国の行政庁にその旨を通知しなければならない。
この法律に規定するもののほか、委員会の審査 及び勧告 並びに調停に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第三款 自治紛争処理委員
自治紛争処理委員は、この法律の定めるところにより、普通地方公共団体相互の間 又は普通地方公共団体の機関相互の間の紛争の調停、普通地方公共団体に対する国 又は都道府県の関与のうち都道府県の機関が行うもの(以下 この節において「都道府県の関与」という。)に関する審査、第二百五十二条の二第一項に規定する連携協約に係る紛争を処理するための方策の提示 及び第百四十三条第三項(第百八十条の五第八項 及び第百八十四条第二項において準用する場合を含む。)の審査請求 又はこの法律の規定による審査の申立て若しくは審決の申請に係る審理を処理する。
自治紛争処理委員は、三人とし、事件ごとに、優れた識見を有する者のうちから、総務大臣 又は都道府県知事がそれぞれ任命する。
この場合においては、総務大臣 又は都道府県知事は、あらかじめ当該事件に関係のある事務を担任する各大臣 又は都道府県の委員会 若しくは委員に協議するものとする。
自治紛争処理委員は、非常勤とする。
自治紛争処理委員は、次の各号のいずれかに該当するときは、その職を失う。
当事者が次条第二項の規定により調停の申請を取り下げたとき。
自治紛争処理委員が次条第六項の規定により当事者に調停を打ち切つた旨を通知したとき。
総務大臣 又は都道府県知事が次条第七項 又は第二百五十一条の三第十三項の規定により調停が成立した旨を当事者に通知したとき。
市町村長 その他の市町村の執行機関が第二百五十一条の三第五項から第七項までにおいて準用する第二百五十条の十七の規定により自治紛争処理委員の審査に付することを求める旨の申出を取り下げたとき。
自治紛争処理委員が第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 若しくは第二百五十一条の三第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による審査の結果の通知 若しくは勧告 及び勧告の内容の通知 又は第二百五十一条の三第七項において準用する第二百五十条の十四第四項の規定による審査の結果の通知をし、かつ、これらを公表したとき。
普通地方公共団体が第二百五十一条の三の二第二項の規定により同条第一項の処理方策の提示を求める旨の申請を取り下げたとき。
自治紛争処理委員が第二百五十一条の三の二第三項の規定により当事者である普通地方公共団体に同条第一項に規定する処理方策を提示するとともに、総務大臣 又は都道府県知事にその旨 及び当該処理方策を通知し、かつ、公表したとき。
第二百五十五条の五第一項の規定による審理に係る審査請求、審査の申立て又は審決の申請をした者が、当該審査請求、審査の申立て又は審決の申請を取り下げたとき。
第二百五十五条の五第一項の規定による審理を経て、総務大臣 又は都道府県知事が審査請求に対する裁決をし、審査の申立てに対する裁決 若しくは裁定をし、又は審決をしたとき。
総務大臣 又は都道府県知事は、自治紛争処理委員が当該事件に直接利害関係を有することとなつたときは、当該自治紛争処理委員を罷免しなければならない。
第二百五十条の九第二項、第八項、第九項(第二号を除く。)及び第十項から第十四項までの規定は、自治紛争処理委員に準用する。
この場合において、
同条第二項中
「三人以上」とあるのは
「二人以上」と、
同条第八項中
「総務大臣」とあるのは
「総務大臣 又は都道府県知事」と、
同条第九項中
「総務大臣は、両議院の同意を得て」とあるのは
「総務大臣 又は都道府県知事は」と、
「三人以上」とあるのは
「二人以上」と、
「二人」とあるのは
「一人」と、
同条第十項中
「総務大臣」とあるのは
「総務大臣 又は都道府県知事」と、
「二人」とあるのは
「一人」と、
同条第十一項中
「総務大臣」とあるのは
「総務大臣 又は都道府県知事」と、
「両議院の同意を得て、その委員を」とあるのは
「その自治紛争処理委員を」と、
同条第十二項中
「第四項後段 及び第八項から前項まで」とあるのは
「第八項、第九項(第二号を除く。)、第十項 及び前項 並びに第二百五十一条第五項」と
読み替えるものとする。
⤏ 第四款 自治紛争処理委員による調停、審査及び処理方策の提示の手続
普通地方公共団体相互の間 又は普通地方公共団体の機関相互の間に紛争があるときは、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、都道府県 又は都道府県の機関が当事者となるものにあつては総務大臣、その他のものにあつては都道府県知事は、当事者の文書による申請に基づき 又は職権により、紛争の解決のため、前条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、その調停に付することができる。
当事者の申請に基づき開始された調停においては、当事者は、総務大臣 又は都道府県知事の同意を得て、当該申請を取り下げることができる。
自治紛争処理委員は、調停案を作成して、これを当事者に示し、その受諾を勧告するとともに、理由を付してその要旨を公表することができる。
自治紛争処理委員は、前項の規定により調停案を当事者に示し、その受諾を勧告したときは、直ちに調停案の写しを添えてその旨 及び調停の経過を総務大臣 又は都道府県知事に報告しなければならない。
自治紛争処理委員は、調停による解決の見込みがないと認めるときは、総務大臣 又は都道府県知事の同意を得て、調停を打ち切り、事件の要点 及び調停の経過を公表することができる。
自治紛争処理委員は、前項の規定により調停を打ち切つたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。
第一項の調停は、当事者のすべてから、調停案を受諾した旨を記載した文書が総務大臣 又は都道府県知事に提出されたときに成立するものとする。
この場合においては、総務大臣 又は都道府県知事は、直ちにその旨 及び調停の要旨を公表するとともに、当事者に調停が成立した旨を通知しなければならない。
総務大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により当事者から文書の提出があつたときは、その旨を自治紛争処理委員に通知するものとする。
自治紛争処理委員は、第三項に規定する調停案を作成するため必要があると認めるときは、当事者 及び関係人の出頭 及び陳述を求め、又は当事者 及び関係人 並びに紛争に係る事件に関係のある者に対し、紛争の調停のため必要な記録の提出を求めることができる。
第三項の規定による調停案の作成 及びその要旨の公表についての決定、第五項の規定による調停の打切りについての決定 並びに事件の要点 及び調停の経過の公表についての決定 並びに前項の規定による出頭、陳述 及び記録の提出の求めについての決定は、自治紛争処理委員の合議によるものとする。
総務大臣は、市町村長 その他の市町村の執行機関が、その担任する事務に関する都道府県の関与のうち是正の要求、許可の拒否 その他の処分 その他公権力の行使に当たるもの(次に掲げるものを除く。)に不服があり、文書により、自治紛争処理委員の審査に付することを求める旨の申出をしたときは、速やかに、第二百五十一条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、当該申出に係る事件をその審査に付さなければならない。
第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第二項の規定による指示
第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第八項の規定に基づき市町村長に代わつて前号の指示に係る事項を行うこと。
総務大臣は、市町村長 その他の市町村の執行機関が、その担任する事務に関する都道府県の不作為(都道府県の行政庁が、申請等が行われた場合において、相当の期間内に何らかの都道府県の関与のうち許可 その他の処分 その他公権力の行使に当たるものをすべきにかかわらず、これをしないことをいう。以下本節において同じ。)に不服があり、文書により、自治紛争処理委員の審査に付することを求める旨の申出をしたときは、速やかに、第二百五十一条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、当該申出に係る事件をその審査に付さなければならない。
総務大臣は、市町村長 その他の市町村の執行機関が、その担任する事務に関する当該市町村の法令に基づく協議の申出が都道府県の行政庁に対して行われた場合において、当該協議に係る当該市町村の義務を果たしたと認めるにもかかわらず当該協議が調わないことについて、文書により、自治紛争処理委員の審査に付することを求める旨の申出をしたときは、速やかに、第二百五十一条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、当該申出に係る事件をその審査に付さなければならない。
前三項の規定による申出においては、次に掲げる者を相手方としなければならない。
第一項の規定による申出の場合は、当該申出に係る都道府県の関与を行つた都道府県の行政庁
第二項の規定による申出の場合は、当該申出に係る都道府県の不作為に係る都道府県の行政庁
前項の規定による申出の場合は、当該申出に係る協議の相手方である都道府県の行政庁
第二百五十条の十三第四項から第七項まで、第二百五十条の十四第一項、第二項 及び第五項 並びに第二百五十条の十五から第二百五十条の十七までの規定は、第一項の規定による申出について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「普通地方公共団体の長 その他の執行機関」とあるのは
「市町村長 その他の市町村の執行機関」と、
「国の行政庁」とあるのは
「都道府県の行政庁」と、
「委員会」とあるのは
「自治紛争処理委員」と、
第二百五十条の十三第四項 並びに第二百五十条の十四第一項 及び第二項中
「国の関与」とあるのは
「都道府県の関与」と、
第二百五十条の十七第一項中
「第二百五十条の十九第二項」とあるのは
「第二百五十一条の三第十三項」と
読み替えるものとする。
第二百五十条の十三第七項、第二百五十条の十四第三項 及び第五項 並びに第二百五十条の十五から第二百五十条の十七までの規定は、第二項の規定による申出について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「普通地方公共団体の長 その他の執行機関」とあるのは
「市町村長 その他の市町村の執行機関」と、
「国の行政庁」とあるのは
「都道府県の行政庁」と、
「委員会」とあるのは
「自治紛争処理委員」と、
第二百五十条の十七第一項中
「第二百五十条の十九第二項」とあるのは
「第二百五十一条の三第十三項」と
読み替えるものとする。
第二百五十条の十三第七項、第二百五十条の十四第四項 及び第五項 並びに第二百五十条の十五から第二百五十条の十七までの規定は、第三項の規定による申出について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「普通地方公共団体の長 その他の執行機関」とあるのは
「市町村長 その他の市町村の執行機関」と、
「国の行政庁」とあるのは
「都道府県の行政庁」と、
「委員会」とあるのは
「自治紛争処理委員」と、
第二百五十条の十四第四項中
「当該協議に係る普通地方公共団体」とあるのは
「当該協議に係る市町村」と、
第二百五十条の十七第一項中
「第二百五十条の十九第二項」とあるのは
「第二百五十一条の三第十三項」と
読み替えるものとする。
自治紛争処理委員は、第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 若しくは第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による審査の結果の通知 若しくは勧告 及び勧告の内容の通知 又は前項において準用する第二百五十条の十四第四項の規定による審査の結果の通知をしたときは、直ちにその旨 及び審査の結果 又は勧告の内容を総務大臣に報告しなければならない。
第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 又は第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による自治紛争処理委員の勧告があつたときは、当該勧告を受けた都道府県の行政庁は、当該勧告に示された期間内に、当該勧告に即して必要な措置を講ずるとともに、その旨を総務大臣に通知しなければならない。
この場合においては、総務大臣は、当該通知に係る事項を当該勧告に係る第一項 又は第二項の規定による申出をした市町村長 その他の市町村の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
総務大臣は、前項の勧告を受けた都道府県の行政庁に対し、同項の規定により講じた措置についての説明を求めることができる。
自治紛争処理委員は、第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項、第六項において準用する第二百五十条の十四第三項 又は第七項において準用する第二百五十条の十四第四項の規定により審査をする場合において、相当であると認めるときは、職権により、調停案を作成して、これを第一項から第三項までの規定による申出をした市町村長 その他の市町村の執行機関 及び相手方である都道府県の行政庁に示し、その受諾を勧告するとともに、理由を付してその要旨を公表することができる。
自治紛争処理委員は、前項の規定により調停案を第一項から第三項までの規定による申出をした市町村長 その他の市町村の執行機関 及び相手方である都道府県の行政庁に示し、その受諾を勧告したときは、直ちに調停案の写しを添えてその旨 及び調停の経過を総務大臣に報告しなければならない。
第十一項の調停案に係る調停は、調停案を示された市町村長 その他の市町村の執行機関 及び都道府県の行政庁から、これを受諾した旨を記載した文書が総務大臣に提出されたときに成立するものとする。
この場合においては、総務大臣は、直ちにその旨 及び調停の要旨を公表するとともに、当該市町村長 その他の市町村の執行機関 及び都道府県の行政庁にその旨を通知しなければならない。
総務大臣は、前項の規定により市町村長 その他の市町村の執行機関 及び都道府県の行政庁から文書の提出があつたときは、その旨を自治紛争処理委員に通知するものとする。
次に掲げる事項は、自治紛争処理委員の合議によるものとする。
第五項において準用する第二百五十条の十四第一項の規定による都道府県の関与が違法 又は普通地方公共団体の自主性 及び自立性を尊重する観点から不当であるかどうかについての決定 及び同項の規定による勧告の決定
第五項において準用する第二百五十条の十四第二項の規定による都道府県の関与が違法であるかどうかについての決定 及び同項の規定による勧告の決定
第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による第二項の申出に理由があるかどうかについての決定 及び第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による勧告の決定
第七項において準用する第二百五十条の十四第四項の規定による第三項の申出に係る協議について当該協議に係る市町村がその義務を果たしているかどうかについての決定
第五項から第七項までにおいて準用する第二百五十条の十五第一項の規定による関係行政機関の参加についての決定
第五項から第七項までにおいて準用する第二百五十条の十六第一項の規定による証拠調べの実施についての決定
第十一項の規定による調停案の作成 及びその要旨の公表についての決定
総務大臣 又は都道府県知事は、第二百五十二条の二第七項の規定により普通地方公共団体から自治紛争処理委員による同条第一項に規定する連携協約に係る紛争を処理するための方策(以下この条において「処理方策」という。)の提示を求める旨の申請があつたときは、第二百五十一条第二項の規定により自治紛争処理委員を任命し、処理方策を定めさせなければならない。
前項の申請をした普通地方公共団体は、総務大臣 又は都道府県知事の同意を得て、当該申請を取り下げることができる。
自治紛争処理委員は、処理方策を定めたときは、これを当事者である普通地方公共団体に提示するとともに、その旨 及び当該処理方策を総務大臣 又は都道府県知事に通知し、かつ、これらを公表しなければならない。
自治紛争処理委員は、処理方策を定めるため必要があると認めるときは、当事者 及び関係人の出頭 及び陳述を求め、又は当事者 及び関係人 並びに紛争に係る事件に関係のある者に対し、処理方策を定めるため必要な記録の提出を求めることができる。
第三項の規定による処理方策の決定 並びに前項の規定による出頭、陳述 及び記録の提出の求めについての決定は、自治紛争処理委員の合議によるものとする。
第三項の規定により処理方策の提示を受けたときは、当事者である普通地方公共団体は、これを尊重して必要な措置を執るようにしなければならない。
この法律に規定するもののほか、自治紛争処理委員の調停、審査 及び勧告 並びに処理方策の提示に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第五款 普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与に関する訴え
第二百五十条の十三第一項 又は第二項の規定による審査の申出をした普通地方公共団体の長 その他の執行機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、高等裁判所に対し、当該審査の申出の相手方となつた国の行政庁(国の関与があつた後 又は申請等が行われた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁)を被告として、訴えをもつて当該審査の申出に係る違法な国の関与の取消し 又は当該審査の申出に係る国の不作為の違法の確認を求めることができる。
ただし、違法な国の関与の取消しを求める訴えを提起する場合において、被告とすべき行政庁がないときは、当該訴えは、国を被告として提起しなければならない。
第二百五十条の十四第一項から第三項までの規定による委員会の審査の結果 又は勧告に不服があるとき。
第二百五十条の十八第一項の規定による国の行政庁の措置に不服があるとき。
当該審査の申出をした日から九十日を経過しても、委員会が第二百五十条の十四第一項から第三項までの規定による審査 又は勧告を行わないとき。
国の行政庁が第二百五十条の十八第一項の規定による措置を講じないとき。
前項の訴えは、次に掲げる期間内に提起しなければならない。
前項第一号の場合は、第二百五十条の十四第一項から第三項までの規定による委員会の審査の結果 又は勧告の内容の通知があつた日から三十日以内
前項第二号の場合は、第二百五十条の十八第一項の規定による委員会の通知があつた日から三十日以内
前項第三号の場合は、当該審査の申出をした日から九十日を経過した日から三十日以内
前項第四号の場合は、第二百五十条の十四第一項から第三項までの規定による委員会の勧告に示された期間を経過した日から三十日以内
第一項の訴えは、当該普通地方公共団体の区域を管轄する高等裁判所の管轄に専属する。
原告は、第一項の訴えを提起したときは、直ちに、文書により、その旨を被告に通知するとともに、当該高等裁判所に対し、その通知をした日時、場所 及び方法を通知しなければならない。
当該高等裁判所は、第一項の訴えが提起されたときは、速やかに口頭弁論の期日を指定し、当事者を呼び出さなければならない。
その期日は、同項の訴えの提起があつた日から十五日以内の日とする。
第一項の訴えに係る高等裁判所の判決に対する上告の期間は、一週間とする。
国の関与を取り消す判決は、関係行政機関に対しても効力を有する。
第一項の訴えのうち違法な国の関与の取消しを求めるものについては、行政事件訴訟法第四十三条第一項の規定にかかわらず、同法第八条第二項、第十一条から第二十二条まで、第二十五条から第二十九条まで、第三十一条、第三十二条 及び第三十四条の規定は、準用しない。
第一項の訴えのうち国の不作為の違法の確認を求めるものについては、行政事件訴訟法第四十三条第三項の規定にかかわらず、同法第四十条第二項 及び第四十一条第二項の規定は、準用しない。
前各項に定めるもののほか、第一項の訴えについては、主張 及び証拠の申出の時期の制限 その他審理の促進に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第二百五十一条の三第一項 又は第二項の規定による申出をした市町村長 その他の市町村の執行機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、高等裁判所に対し、当該申出の相手方となつた都道府県の行政庁(都道府県の関与があつた後 又は申請等が行われた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁)を被告として、訴えをもつて当該申出に係る違法な都道府県の関与の取消し 又は当該申出に係る都道府県の不作為の違法の確認を求めることができる。
ただし、違法な都道府県の関与の取消しを求める訴えを提起する場合において、被告とすべき行政庁がないときは、当該訴えは、当該都道府県を被告として提起しなければならない。
第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 又は第二百五十一条の三第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による自治紛争処理委員の審査の結果 又は勧告に不服があるとき。
第二百五十一条の三第九項の規定による都道府県の行政庁の措置に不服があるとき。
当該申出をした日から九十日を経過しても、自治紛争処理委員が第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 又は第二百五十一条の三第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による審査 又は勧告を行わないとき。
都道府県の行政庁が第二百五十一条の三第九項の規定による措置を講じないとき。
前項の訴えは、次に掲げる期間内に提起しなければならない。
前項第一号の場合は、第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 又は第二百五十一条の三第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による自治紛争処理委員の審査の結果 又は勧告の内容の通知があつた日から三十日以内
前項第二号の場合は、第二百五十一条の三第九項の規定による総務大臣の通知があつた日から三十日以内
前項第三号の場合は、当該申出をした日から九十日を経過した日から三十日以内
前項第四号の場合は、第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第一項 若しくは第二項 又は第二百五十一条の三第六項において準用する第二百五十条の十四第三項の規定による自治紛争処理委員の勧告に示された期間を経過した日から三十日以内
前条第三項から第七項までの規定は、第一項の訴えに準用する。
この場合において、
同条第三項中
「当該普通地方公共団体の区域」とあるのは
「当該市町村の区域」と、
同条第七項中
「国の関与」とあるのは
「都道府県の関与」と
読み替えるものとする。
第一項の訴えのうち違法な都道府県の関与の取消しを求めるものについては、行政事件訴訟法第四十三条第一項の規定にかかわらず、同法第八条第二項、第十一条から第二十二条まで、第二十五条から第二十九条まで、第三十一条、第三十二条 及び第三十四条の規定は、準用しない。
第一項の訴えのうち都道府県の不作為の違法の確認を求めるものについては、行政事件訴訟法第四十三条第三項の規定にかかわらず、同法第四十条第二項 及び第四十一条第二項の規定は、準用しない。
前各項に定めるもののほか、第一項の訴えについては、主張 及び証拠の申出の時期の制限 その他審理の促進に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第二百四十五条の五第一項 若しくは第四項の規定による是正の要求 又は第二百四十五条の七第一項 若しくは第四項の規定による指示を行つた各大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、高等裁判所に対し、当該是正の要求 又は指示を受けた普通地方公共団体の不作為(是正の要求 又は指示を受けた普通地方公共団体の行政庁が、相当の期間内に是正の要求に応じた措置 又は指示に係る措置を講じなければならないにもかかわらず、これを講じないことをいう。以下 この項、次条 及び第二百五十二条の十七の四第三項において同じ。)に係る普通地方公共団体の行政庁(当該是正の要求 又は指示があつた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁)を被告として、訴えをもつて当該普通地方公共団体の不作為の違法の確認を求めることができる。
普通地方公共団体の長 その他の執行機関が当該是正の要求 又は指示に関する第二百五十条の十三第一項の規定による審査の申出をせず(審査の申出後に第二百五十条の十七第一項の規定により当該審査の申出が取り下げられた場合を含む。)、かつ、当該是正の要求に応じた措置 又は指示に係る措置を講じないとき。
普通地方公共団体の長 その他の執行機関が当該是正の要求 又は指示に関する第二百五十条の十三第一項の規定による審査の申出をした場合において、次に掲げるとき。
委員会が第二百五十条の十四第一項 又は第二項の規定による審査の結果 又は勧告の内容の通知をした場合において、当該普通地方公共団体の長 その他の執行機関が第二百五十一条の五第一項の規定による当該是正の要求 又は指示の取消しを求める訴えの提起をせず(訴えの提起後に当該訴えが取り下げられた場合を含む。ロにおいて同じ。)、かつ、当該是正の要求に応じた措置 又は指示に係る措置を講じないとき。
委員会が当該審査の申出をした日から九十日を経過しても第二百五十条の十四第一項 又は第二項の規定による審査 又は勧告を行わない場合において、当該普通地方公共団体の長 その他の執行機関が第二百五十一条の五第一項の規定による当該是正の要求 又は指示の取消しを求める訴えの提起をせず、かつ、当該是正の要求に応じた措置 又は指示に係る措置を講じないとき。
前項の訴えは、次に掲げる期間が経過するまでは、提起することができない。
前項第一号の場合は、第二百五十条の十三第四項本文の期間
前項第二号イの場合は、第二百五十一条の五第二項第一号、第二号 又は第四号に掲げる期間
前項第二号ロの場合は、第二百五十一条の五第二項第三号に掲げる期間
第二百五十一条の五第三項から第六項までの規定は、第一項の訴えについて準用する。
第一項の訴えについては、行政事件訴訟法第四十三条第三項の規定にかかわらず、同法第四十条第二項 及び第四十一条第二項の規定は、準用しない。
前各項に定めるもののほか、第一項の訴えについては、主張 及び証拠の申出の時期の制限 その他審理の促進に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第二百四十五条の五第二項の指示を行つた各大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、同条第三項の規定による是正の要求を行つた都道府県の執行機関に対し、高等裁判所に対し、当該是正の要求を受けた市町村の不作為に係る市町村の行政庁(当該是正の要求があつた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁。次項において同じ。)を被告として、訴えをもつて当該市町村の不作為の違法の確認を求めるよう指示をすることができる。
市町村長 その他の市町村の執行機関が当該是正の要求に関する第二百五十一条の三第一項の規定による申出をせず(申出後に同条第五項において準用する第二百五十条の十七第一項の規定により当該申出が取り下げられた場合を含む。)、かつ、当該是正の要求に応じた措置を講じないとき。
市町村長 その他の市町村の執行機関が当該是正の要求に関する第二百五十一条の三第一項の規定による申出をした場合において、次に掲げるとき。
自治紛争処理委員が第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第一項の規定による審査の結果 又は勧告の内容の通知をした場合において、当該市町村長 その他の市町村の執行機関が第二百五十一条の六第一項の規定による当該是正の要求の取消しを求める訴えの提起をせず(訴えの提起後に当該訴えが取り下げられた場合を含む。ロにおいて同じ。)、かつ、当該是正の要求に応じた措置を講じないとき。
自治紛争処理委員が当該申出をした日から九十日を経過しても第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第一項の規定による審査 又は勧告を行わない場合において、当該市町村長 その他の市町村の執行機関が第二百五十一条の六第一項の規定による当該是正の要求の取消しを求める訴えの提起をせず、かつ、当該是正の要求に応じた措置を講じないとき。
前項の指示を受けた都道府県の執行機関は、高等裁判所に対し、当該市町村の不作為に係る市町村の行政庁を被告として、訴えをもつて当該市町村の不作為の違法の確認を求めなければならない。
第二百四十五条の七第二項の規定による指示を行つた都道府県の執行機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、高等裁判所に対し、当該指示を受けた市町村の不作為に係る市町村の行政庁(当該指示があつた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該 他の行政庁)を被告として、訴えをもつて当該市町村の不作為の違法の確認を求めることができる。
市町村長 その他の市町村の執行機関が当該指示に関する第二百五十一条の三第一項の規定による申出をせず(申出後に同条第五項において準用する第二百五十条の十七第一項の規定により当該申出が取り下げられた場合を含む。)、かつ、当該指示に係る措置を講じないとき。
市町村長 その他の市町村の執行機関が当該指示に関する第二百五十一条の三第一項の規定による申出をした場合において、次に掲げるとき。
自治紛争処理委員が第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第二項の規定による審査の結果 又は勧告の内容の通知をした場合において、当該市町村長 その他の市町村の執行機関が第二百五十一条の六第一項の規定による当該指示の取消しを求める訴えの提起をせず(訴えの提起後に当該訴えが取り下げられた場合を含む。ロにおいて同じ。)、かつ、当該指示に係る措置を講じないとき。
自治紛争処理委員が当該申出をした日から九十日を経過しても第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十四第二項の規定による審査 又は勧告を行わない場合において、当該市町村長 その他の市町村の執行機関が第二百五十一条の六第一項の規定による当該指示の取消しを求める訴えの提起をせず、かつ、当該指示に係る措置を講じないとき。
第二百四十五条の七第三項の指示を行つた各大臣は、前項の都道府県の執行機関に対し、同項の規定による訴えの提起に関し、必要な指示をすることができる。
第二項 及び第三項の訴えは、次に掲げる期間が経過するまでは、提起することができない。
第一項第一号 及び第三項第一号の場合は、第二百五十一条の三第五項において準用する第二百五十条の十三第四項本文の期間
第一項第二号イ 及び第三項第二号イの場合は、第二百五十一条の六第二項第一号、第二号 又は第四号に掲げる期間
第一項第二号ロ 及び第三項第二号ロの場合は、第二百五十一条の六第二項第三号に掲げる期間
第二百五十一条の五第三項から第六項までの規定は、第二項 及び第三項の訴えについて準用する。
この場合において、
同条第三項中
「当該普通地方公共団体の区域」とあるのは、
「当該市町村の区域」と
読み替えるものとする。
第二項 及び第三項の訴えについては、行政事件訴訟法第四十三条第三項の規定にかかわらず、同法第四十条第二項 及び第四十一条第二項の規定は、準用しない。
前各項に定めるもののほか、第二項 及び第三項の訴えについては、主張 及び証拠の申出の時期の制限 その他審理の促進に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第三節 普通地方公共団体相互間の協力
⤏ 第一款 連携協約
普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体 及び他の普通地方公共団体の区域における当該普通地方公共団体 及び当該 他の普通地方公共団体の事務の処理に当たつての当該 他の普通地方公共団体との連携を図るため、協議により、当該普通地方公共団体 及び当該他の普通地方公共団体が連携して事務を処理するに当たつての基本的な方針 及び役割分担を定める協約(以下「連携協約」という。)を当該 他の普通地方公共団体と締結することができる。
普通地方公共団体は、連携協約を締結したときは、その旨 及び当該連携協約を告示するとともに、都道府県が締結したものにあつては総務大臣、その他のものにあつては都道府県知事に届け出なければならない。
第一項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
普通地方公共団体は、連携協約を変更し、又は連携協約を廃止しようとするときは、前三項の例によりこれを行わなければならない。
公益上必要がある場合においては、都道府県が締結するものについては総務大臣、その他のものについては都道府県知事は、関係のある普通地方公共団体に対し、連携協約を締結すべきことを勧告することができる。
連携協約を締結した普通地方公共団体は、当該連携協約に基づいて、当該連携協約を締結した他の普通地方公共団体と連携して事務を処理するに当たつて当該普通地方公共団体が分担すべき役割を果たすため必要な措置を執るようにしなければならない。
連携協約を締結した普通地方公共団体相互の間に連携協約に係る紛争があるときは、当事者である普通地方公共団体は、都道府県が当事者となる紛争にあつては総務大臣、その他の紛争にあつては都道府県知事に対し、文書により、自治紛争処理委員による当該紛争を処理するための方策の提示を求める旨の申請をすることができる。
⤏ 第二款 協議会
普通地方公共団体は、普通地方公共団体の事務の一部を共同して管理し 及び執行し、若しくは普通地方公共団体の事務の管理 及び執行について連絡調整を図り、又は広域にわたる総合的な計画を共同して作成するため、協議により規約を定め、普通地方公共団体の協議会を設けることができる。
普通地方公共団体は、協議会を設けたときは、その旨 及び規約を告示するとともに、都道府県の加入するものにあつては総務大臣、その他のものにあつては都道府県知事に届け出なければならない。
第一項の協議については、関係普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
ただし、普通地方公共団体の事務の管理 及び執行について連絡調整を図るため普通地方公共団体の協議会を設ける場合は、この限りでない。
公益上必要がある場合においては、都道府県の加入するものについては総務大臣、その他のものについては都道府県知事は、のある普通地方公共団体に対し、普通地方公共団体の協議会を設けるべきことを勧告することができる。
普通地方公共団体の協議会が広域にわたる総合的な計画を作成したときは、関係普通地方公共団体は、当該計画に基づいて、その事務を処理するようにしなければならない。
普通地方公共団体の協議会は、必要があると認めるときは、関係のある公の機関の長に対し、資料の提出、意見の開陳、説明 その他必要な協力を求めることができる。
普通地方公共団体の協議会は、会長 及び委員をもつてこれを組織する。
普通地方公共団体の協議会の会長 及び委員は、規約の定めるところにより常勤 又は非常勤とし、関係普通地方公共団体の職員のうちから、これを選任する。
普通地方公共団体の協議会の会長は、普通地方公共団体の協議会の事務を掌理し、協議会を代表する。
普通地方公共団体の協議会の規約には、次に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
協議会の名称
協議会を設ける普通地方公共団体
協議会の管理し 及び執行し、若しくは協議会において連絡調整を図る関係普通地方公共団体の事務 又は協議会の作成する計画の項目
協議会の組織 並びに会長 及び委員の選任の方法
協議会の経費の支弁の方法
普通地方公共団体の事務の一部を共同して管理し 及び執行するため普通地方公共団体の協議会を設ける場合には、協議会の規約には、前項各号に掲げるもののほか、次に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
協議会の管理し 及び執行する関係普通地方公共団体の事務(以下本項中「協議会の担任する事務」という。)の管理 及び執行の方法
協議会の担任する事務を管理し 及び執行する場所
協議会の担任する事務に従事する関係普通地方公共団体の職員の身分取扱い
協議会の担任する事務の用に供する関係普通地方公共団体の財産の取得、管理 及び処分 又は公の施設の設置、管理 及び廃止の方法
前各号に掲げるものを除くほか、協議会と協議会を設ける関係普通地方公共団体との関係 その他協議会に関し必要な事項
普通地方公共団体の協議会が関係普通地方公共団体 又は関係普通地方公共団体の長 その他の執行機関の名においてした事務の管理 及び執行は、関係普通地方公共団体の長 その他の執行機関が管理し 及び執行したものとしての効力を有する。
普通地方公共団体は、普通地方公共団体の協議会を設ける普通地方公共団体の数を増減し、若しくは協議会の規約を変更し、又は協議会を廃止しようとするときは、第二百五十二条の二の二第一項から第三項までの例によりこれを行わなければならない。
前条の規定にかかわらず、協議会を設ける普通地方公共団体は、その議会の議決を経て、脱退する日の二年前までに他の全ての関係普通地方公共団体に書面で予告をすることにより、協議会から脱退することができる。
前項の予告を受けた関係普通地方公共団体は、当該予告をした普通地方公共団体が脱退する時までに、第二百五十二条の二の二第一項から第三項までの例により、当該脱退により必要となる規約の変更を行わなければならない。
ただし、第二百五十二条の四第一項第二号に掲げる事項のみに係る規約の変更については、第二百五十二条の二の二第三項本文の例によらないものとする。
第一項の予告の撤回は、他の全ての関係普通地方公共団体が議会の議決を経て同意をした場合に限り、することができる。
この場合において、同項の予告をした普通地方公共団体が他の関係普通地方公共団体に当該予告の撤回について同意を求めるに当たつては、あらかじめ、その議会の議決を経なければならない。
普通地方公共団体は、第一項の規定により協議会から脱退したときは、その旨を告示しなければならない。
第一項の規定による脱退により協議会を設ける普通地方公共団体が一となつたときは、当該協議会は廃止されるものとする。
この場合において、当該普通地方公共団体は、その旨を告示するとともに、第二百五十二条の二の二第二項の例により、総務大臣 又は都道府県知事に届け出なければならない。
⤏ 第三款 機関等の共同設置
普通地方公共団体は、協議により規約を定め、共同して、第百三十八条第一項 若しくは第二項に規定する事務局 若しくはその内部組織(次項 及び第二百五十二条の十三において「議会事務局」という。)、第百三十八条の四第一項に規定する委員会 若しくは委員、同条第三項に規定する附属機関、第百五十六条第一項に規定する行政機関、第百五十八条第一項に規定する内部組織、委員会 若しくは委員の事務局 若しくはその内部組織(次項 及び第二百五十二条の十三において「委員会事務局」という。)、普通地方公共団体の議会、長、委員会 若しくは委員の事務を補助する職員、第百七十四条第一項に規定する専門委員 又は第二百条の二第一項に規定する監査専門委員を置くことができる。
ただし、政令で定める委員会については、この限りでない。
前項の規定による議会事務局、執行機関、附属機関、行政機関、内部組織、委員会事務局 若しくは職員を共同設置する普通地方公共団体の数を増減し、若しくはこれらの議会事務局、執行機関、附属機関、行政機関、内部組織、委員会事務局 若しくは職員の共同設置に関する規約を変更し、又はこれらの議会事務局、執行機関、附属機関、行政機関、内部組織、委員会事務局 若しくは職員の共同設置を廃止しようとするときは、関係普通地方公共団体は、同項の例により、協議してこれを行わなければならない。
第二百五十二条の二の二第二項 及び第三項本文の規定は前二項の場合について、同条第四項の規定は第一項の場合について、それぞれ準用する。
前条第二項の規定にかかわらず、同条第一項の規定により機関等を共同設置する普通地方公共団体は、その議会の議決を経て、脱退する日の二年前までに他の全ての関係普通地方公共団体に書面で予告をすることにより、共同設置から脱退することができる。
前項の予告を受けた関係普通地方公共団体は、当該予告をした普通地方公共団体が脱退する時までに、協議して当該脱退により必要となる規約の変更を行わなければならない。
第二百五十二条の二の二第二項 及び第三項本文の規定は、前項の場合について準用する。
ただし、次条第二号(第二百五十二条の十三において準用する場合を含む。)に掲げる事項のみに係る規約の変更については、第二百五十二条の二の二第三項本文の規定は、準用しない。
第一項の予告の撤回は、他の全ての関係普通地方公共団体が議会の議決を経て同意をした場合に限り、することができる。
この場合において、同項の予告をした普通地方公共団体が他の関係普通地方公共団体に当該予告の撤回について同意を求めるに当たつては、あらかじめ、その議会の議決を経なければならない。
普通地方公共団体は、第一項の規定により機関等の共同設置から脱退したときは、その旨を告示しなければならない。
第一項の規定による脱退により機関等を共同設置する普通地方公共団体が一となつたときは、当該共同設置は廃止されるものとする。
この場合において、当該普通地方公共団体は、その旨を告示するとともに、第二百五十二条の二の二第二項の例により、総務大臣 又は都道府県知事に届け出なければならない。
第二百五十二条の七の規定により共同設置する普通地方公共団体の委員会 若しくは委員 又は附属機関(以下この条において「共同設置する機関」という。)の共同設置に関する規約には、次に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
共同設置する機関の名称
共同設置する機関を設ける普通地方公共団体
共同設置する機関の執務場所
共同設置する機関を組織する委員 その他の構成員の選任の方法 及びその身分取扱い
前各号に掲げるものを除くほか、共同設置する機関と関係普通地方公共団体との関係 その他共同設置する機関に関し必要な事項
普通地方公共団体が共同設置する委員会の委員で、普通地方公共団体の議会が選挙すべきものの選任については、規約で、次の各号のいずれの方法によるかを定めるものとする。
規約で定める普通地方公共団体の議会が選挙すること。
関係普通地方公共団体の長が協議により定めた共通の候補者について、すべての関係普通地方公共団体の議会が選挙すること。
普通地方公共団体が共同設置する委員会の委員(教育委員会にあつては、教育長 及び委員)若しくは委員 又は附属機関の委員 その他の構成員で、普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体の議会の同意を得て選任すべきものの選任については、規約で、次の各号のいずれの方法によるかを定めるものとする。
規約で定める普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体の議会の同意を得て選任すること。
関係普通地方公共団体の長が協議により定めた共通の候補者について、それぞれの関係普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体の議会の同意を得た上、規約で定める普通地方公共団体の長が選任すること。
普通地方公共団体が共同設置する委員会の委員 若しくは委員 又は附属機関の委員 その他の構成員で、普通地方公共団体の長、委員会 又は委員が選任すべきものの選任については、規約で、次の各号のいずれの方法によるかを定めるものとする。
規約で定める普通地方公共団体の長、委員会 又は委員が選任すること。
関係普通地方公共団体の長、委員会 又は委員が協議により定めた者について、規約で定める普通地方公共団体の長、委員会 又は委員がこれを選任すること。
普通地方公共団体が共同設置する委員会の委員(教育委員会にあつては、教育長 及び委員)若しくは委員 又は附属機関の委員 その他の構成員で第一項 又は第二項の規定により選任するものの身分取扱いについては、規約で定める普通地方公共団体の議会が選挙し 又は規約で定める普通地方公共団体の長が選任する場合においては、当該普通地方公共団体の職員とみなし、全ての関係普通地方公共団体の議会が選挙する場合においては、規約で定める普通地方公共団体の職員とみなす。
普通地方公共団体が共同設置する委員会の委員 若しくは委員 又は附属機関の委員 その他の構成員で第三項の規定により選任するものの身分取扱いについては、これらの者を選任する普通地方公共団体の長、委員会 又は委員の属する普通地方公共団体の職員とみなす。
普通地方公共団体が共同設置する委員会の委員(教育委員会にあつては、教育長 及び委員)若しくは委員 又は附属機関の委員 その他の構成員で、法律の定めるところにより選挙権を有する者の請求に基づき普通地方公共団体の議会の議決によりこれを解職することができるものの解職については、関係普通地方公共団体における選挙権を有する者が、政令の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の長に対し、解職の請求を行い、二の普通地方公共団体の共同設置する場合においては全ての関係普通地方公共団体の議会において解職に同意する旨の議決があつたとき、又は三以上の普通地方公共団体の共同設置する場合においてはその半数を超える関係普通地方公共団体の議会において解職に同意する旨の議決があつたときは、当該解職は、成立するものとする。
普通地方公共団体が共同設置する委員会 又は委員の事務を補助する職員は、第二百五十二条の九第四項 又は第五項の規定により共同設置する委員会の委員(教育委員会にあつては、教育長 及び委員)又は委員が属するものとみなされる普通地方公共団体(以下この条において「規約で定める普通地方公共団体」という。)の長の補助機関である職員をもつて充て、普通地方公共団体が共同設置する附属機関の庶務は、規約で定める普通地方公共団体の執行機関においてこれをつかさどるものとする。
普通地方公共団体が共同設置する委員会 若しくは委員 又は附属機関に要する経費は、関係普通地方公共団体がこれを負担し、規約で定める普通地方公共団体の歳入歳出予算にこれを計上して支出するものとする。
普通地方公共団体が共同設置する委員会が徴収する手数料 その他の収入は、規約で定める普通地方公共団体の収入とする。
普通地方公共団体が共同設置する委員会が行う関係普通地方公共団体の財務に関する事務の執行 及び関係普通地方公共団体の経営に係る事業の管理の通常の監査は、規約で定める普通地方公共団体の監査委員が毎会計年度少なくとも一回以上期日を定めてこれを行うものとする。
この場合において、規約で定める普通地方公共団体の監査委員は、第百九十九条第九項の規定による監査の結果に関する報告を他の関係普通地方公共団体の長に提出するとともに、これを公表しなければならない。
前項の場合において、規約で定める普通地方公共団体の監査委員は、第百九十九条第九項の規定による監査の結果に関する報告の決定について、各監査委員の意見が一致しないことにより、同条第十二項の合議により決定することができない事項がある場合には、その旨 及び当該事項についての各監査委員の意見を他の関係普通地方公共団体の長に提出するとともに、これらを公表しなければならない。
普通地方公共団体が共同設置する委員会 若しくは委員 又は附属機関は、この法律 その他これらの機関の権限に属する事務の管理 及び執行に関する法令、条例、規則 その他の規程の適用については、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、それぞれ関係普通地方公共団体の委員会 若しくは委員 又は附属機関とみなす。
第二百五十二条の八から前条までの規定は、政令で定めるところにより、第二百五十二条の七の規定による議会事務局、行政機関、内部組織、委員会事務局、普通地方公共団体の議会、長、委員会 若しくは委員の事務を補助する職員、専門委員 又は監査専門委員の共同設置について準用する。
⤏ 第四款 事務の委託
普通地方公共団体は、協議により規約を定め、普通地方公共団体の事務の一部を、他の普通地方公共団体に委託して、当該他の普通地方公共団体の長 又は同種の委員会 若しくは委員をして管理し 及び執行させることができる。
前項の規定により委託した事務を変更し、又はその事務の委託を廃止しようとするときは、関係普通地方公共団体は、同項の例により、協議してこれを行わなければならない。
第二百五十二条の二の二第二項 及び第三項本文の規定は前二項の規定により普通地方公共団体の事務を委託し、又は委託した事務を変更し、若しくはその事務の委託を廃止する場合に、同条第四項の規定は第一項の場合にこれを準用する。
前条の規定により委託する普通地方公共団体の事務(以下本条中「委託事務」という。)の委託に関する規約には、次に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
委託する普通地方公共団体 及び委託を受ける普通地方公共団体
委託事務の範囲 並びに委託事務の管理 及び執行の方法
委託事務に要する経費の支弁の方法
前各号に掲げるもののほか、委託事務に関し必要な事項
普通地方公共団体の事務を、他の普通地方公共団体に委託して、当該 他の普通地方公共団体の長又は同種の委員会 若しくは委員をして管理し及び執行させる場合においては、当該事務の管理 及び執行に関する法令中委託した普通地方公共団体 又はその執行機関に適用すべき規定は、当該委託された事務の範囲内において、その事務の委託を受けた普通地方公共団体 又はその執行機関について適用があるものとし、別に規約で定めをするものを除くほか、事務の委託を受けた普通地方公共団体の当該委託された事務の管理 及び執行に関する条例、規則 又はその機関の定める規程は、委託した普通地方公共団体の条例、規則 又はその機関の定める規程としての効力を有する。
⤏ 第五款 事務の代替執行
普通地方公共団体は、他の普通地方公共団体の求めに応じて、協議により規約を定め、当該 他の普通地方公共団体の事務の一部を、当該他の普通地方公共団体 又は当該他の普通地方公共団体の長 若しくは同種の委員会 若しくは委員の名において管理し 及び執行すること(以下この条 及び次条において「事務の代替執行」という。)ができる。
前項の規定により事務の代替執行をする事務(以下この款において「代替執行事務」という。)を変更し、又は事務の代替執行を廃止しようとするときは、関係普通地方公共団体は、同項の例により、協議してこれを行わなければならない。
第二百五十二条の二の二第二項 及び第三項本文の規定は前二項の規定により事務の代替執行をし、又は代替執行事務を変更し、若しくは事務の代替執行を廃止する場合に、同条第四項の規定は第一項の場合に準用する。
事務の代替執行に関する規約には、次に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
事務の代替執行をする普通地方公共団体 及びその相手方となる普通地方公共団体
代替執行事務の範囲 並びに代替執行事務の管理 及び執行の方法
代替執行事務に要する経費の支弁の方法
前三号に掲げるもののほか、事務の代替執行に関し必要な事項
第二百五十二条の十六の二の規定により普通地方公共団体が他の普通地方公共団体 又は他の普通地方公共団体の長 若しくは同種の委員会 若しくは委員の名において管理し 及び執行した事務の管理 及び執行は、当該他の普通地方公共団体の長 又は同種の委員会 若しくは委員が管理し 及び執行したものとしての効力を有する。
⤏ 第六款 職員の派遣
普通地方公共団体の長 又は委員会 若しくは委員は、法律に特別の定めがあるものを除くほか、当該普通地方公共団体の事務の処理のため特別の必要があると認めるときは、他の普通地方公共団体の長 又は委員会 若しくは委員に対し、当該普通地方公共団体の職員の派遣を求めることができる。
前項の規定による求めに応じて派遣される職員は、派遣を受けた普通地方公共団体の職員の身分をあわせ有することとなるものとし、その給料、手当(退職手当を除く。)及び旅費は、当該職員の派遣を受けた普通地方公共団体の負担とし、退職手当 及び退職年金 又は退職一時金は、当該職員の派遣をした普通地方公共団体の負担とする。
ただし、当該派遣が長期間にわたること その他の特別の事情があるときは、当該職員の派遣を求める普通地方公共団体 及びその求めに応じて当該職員の派遣をしようとする普通地方公共団体の長 又は委員会 若しくは委員の協議により、当該派遣の趣旨に照らして必要な範囲内において、当該職員の派遣を求める普通地方公共団体が当該職員の退職手当の全部 又は一部を負担することとすることができる。
普通地方公共団体の委員会 又は委員が、第一項の規定により職員の派遣を求め、若しくはその求めに応じて職員を派遣しようとするとき、又は前項ただし書の規定により退職手当の負担について協議しようとするときは、あらかじめ、当該普通地方公共団体の長に協議しなければならない。
第二項に規定するもののほか、第一項の規定に基づき派遣された職員の身分取扱いに関しては、当該職員の派遣をした普通地方公共団体の職員に関する法令の規定の適用があるものとする。
ただし、当該法令の趣旨に反しない範囲内で政令で特別の定めをすることができる。
第四節 条例による事務処理の特例
都道府県は、都道府県知事の権限に属する事務の一部を、条例の定めるところにより、市町村が処理することとすることができる。
この場合においては、当該市町村が処理することとされた事務は、当該市町村の長が管理し及び執行するものとする。
前項の条例(同項の規定により都道府県の規則に基づく事務を市町村が処理することとする場合で、同項の条例の定めるところにより、規則に委任して当該事務の範囲を定めるときは、当該規則を含む。以下本節において同じ。)を制定し 又は改廃する場合においては、都道府県知事は、あらかじめ、その権限に属する事務の一部を処理し 又は処理することとなる市町村の長に協議しなければならない。
市町村の長は、その議会の議決を経て、都道府県知事に対し、第一項の規定によりその権限に属する事務の一部を当該市町村が処理することとするよう要請することができる。
前項の規定による要請があつたときは、都道府県知事は、速やかに、当該市町村の長と協議しなければならない。
前条第一項の条例の定めるところにより、都道府県知事の権限に属する事務の一部を市町村が処理する場合においては、当該条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務について規定する法令、条例 又は規則中都道府県に関する規定は、当該事務の範囲内において、当該市町村に関する規定として当該市町村に適用があるものとする。
前項の規定により市町村に適用があるものとされる法令の規定により国の行政機関が市町村に対して行うものとなる助言等、資料の提出の要求等 又は是正の要求等は、都道府県知事を通じて行うことができるものとする。
第一項の規定により市町村に適用があるものとされる法令の規定により市町村が国の行政機関と行うものとなる協議は、都道府県知事を通じて行うものとし、当該法令の規定により国の行政機関が市町村に対して行うものとなる許認可等に係る申請等は、都道府県知事を経由して行うものとする。
都道府県知事は、第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該市町村に対し、第二百四十五条の五第二項に規定する各大臣の指示がない場合であつても、同条第三項の規定により、当該自治事務の処理について違反の是正 又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち法定受託事務に対する第二百四十五条の八第十二項において準用する同条第一項から第十一項までの規定の適用については、
同条第十二項において読み替えて準用する同条第二項から第四項まで、第六項、第八項 及び第十一項中
「都道府県知事」とあるのは、
「各大臣」と
する。
この場合においては、同条第十三項の規定は適用しない。
第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち自治事務の処理について第二百四十五条の五第三項の規定による是正の要求(第一項の規定による是正の要求を含む。)を行つた都道府県知事は、第二百五十二条第一項各号のいずれかに該当するときは、同項に規定する各大臣の指示がない場合であつても、同条第二項の規定により、訴えをもつて当該是正の要求を受けた市町村の不作為の違法の確認を求めることができる。
第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち法定受託事務に係る市町村長の処分についての第二百五十五条の二第一項の審査請求の裁決に不服がある者は、当該処分に係る事務を規定する法律 又はこれに基づく政令を所管する各大臣に対して再審査請求をすることができる。
市町村長が第二百五十二条の十七の二第一項の条例の定めるところにより市町村が処理することとされた事務のうち法定受託事務に係る処分をする権限をその補助機関である職員 又はその管理に属する行政機関の長に委任した場合において、委任を受けた職員 又は行政機関の長がその委任に基づいてした処分につき、第二百五十五条の二第二項の再審査請求の裁決があつたときは、当該裁決に不服がある者は、再々審査請求をすることができる。
この場合において、再々審査請求は、当該処分に係る再審査請求 若しくは審査請求の裁決 又は当該処分を対象として、当該処分に係る事務を規定する法律 又はこれに基づく政令を所管する各大臣に対してするものとする。
前項の再々審査請求については、行政不服審査法第四章の規定を準用する。
前項において準用する行政不服審査法の規定に基づく処分 及びその不作為については、行政不服審査法第二条 及び第三条の規定は、適用しない。
第五節 雑則
総務大臣 又は都道府県知事は、普通地方公共団体の組織 及び運営の合理化に資するため、普通地方公共団体に対し、適切と認める技術的な助言 若しくは勧告をし、又は当該助言 若しくは勧告をするため 若しくは普通地方公共団体の組織 及び運営の合理化に関する情報を提供するため必要な資料の提出を求めることができる。
総務大臣は、都道府県知事に対し、前項の規定による市町村に対する助言 若しくは勧告 又は資料の提出の求めに関し、必要な指示をすることができる。
普通地方公共団体の長は、第二条第十四項 及び第十五項の規定の趣旨を達成するため必要があると認めるときは、総務大臣 又は都道府県知事に対し、当該普通地方公共団体の組織 及び運営の合理化に関する技術的な助言 若しくは勧告 又は必要な情報の提供を求めることができる。
総務大臣は、必要があるときは、都道府県について財務に関係のある事務に関し、実地の検査を行うことができる。
都道府県知事は、必要があるときは、市町村について財務に関係のある事務に関し、実地の検査を行うことができる。
総務大臣は、都道府県知事に対し、前項の規定による検査に関し、必要な指示をすることができる。
総務大臣は、前項の規定によるほか、緊急を要するとき その他特に必要があると認めるときは、市町村について財務に関係のある事務に関し、実地の検査を行うことができる。
総務大臣は、第二百五十二条の十七の五第一項 及び第二項 並びに前条第三項 及び第四項の規定による権限の行使のためその他市町村の適正な運営を確保するため必要があるときは、都道府県知事に対し、市町村についてその特に指定する事項の調査を行うよう指示をすることができる。
第百五十二条の規定により普通地方公共団体の長の職務を代理する者がないときは、都道府県知事については総務大臣、市町村長については都道府県知事は、普通地方公共団体の長の被選挙権を有する者で当該普通地方公共団体の区域内に住所を有するもののうちから臨時代理者を選任し、当該普通地方公共団体の長の職務を行わせることができる。
臨時代理者は、当該普通地方公共団体の長が選挙され、就任する時まで、普通地方公共団体の長の権限に属するすべての職務を行う。
臨時代理者により選任 又は任命された当該普通地方公共団体の職員は、当該普通地方公共団体の長が選挙され、就任した時は、その職を失う。
普通地方公共団体の選挙管理委員会が成立しない場合において、当該普通地方公共団体の議会もまた成立していないときは、都道府県にあつては総務大臣、市町村にあつては都道府県知事は、臨時選挙管理委員を選任し、選挙管理委員の職務を行わせることができる。
前条の臨時選挙管理委員に対する給与は、当該普通地方公共団体の選挙管理委員に対する給与の例によりこれを定める。
都道府県は、恩給法(大正十二年法律第四十八号)第十九条に規定する公務員(同法同条に規定する公務員とみなされる者を含む。以下本条中「公務員」という。)であつた者、他の都道府県の退職年金 及び退職一時金に関する条例(以下本条中「退職年金条例」という。)の適用を受ける職員(その都道府県の退職年金条例の適用を受ける市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条 及び第二条に規定する職員を含む。以下本条中「他の都道府県の職員」という。)であつた者 又は市町村の退職年金条例の適用を受ける学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する大学、高等学校 及び幼稚園の職員 並びに市町村の教育事務に従事する職員中政令で定める者(以下本条中「市町村の教育職員」という。)であつた者が、当該都道府県の退職年金条例の適用を受ける職員(その都道府県の退職年金条例の適用を受ける市町村立学校職員給与負担法第一条 及び第二条に規定する職員を含む。以下本条中「当該都道府県の職員」という。)となつた場合においては、政令の定める基準に従い、当該公務員、他の都道府県の職員 又は市町村の教育職員としての在職期間を当該都道府県の退職年金条例の規定による退職年金 及び退職一時金の基礎となるべき在職期間に通算する措置を講じなければならない。
ただし、市町村の教育職員としての在職期間については、当該市町村の教育職員に適用される退職年金条例の規定が政令の定める基準に従つて定められていないときは、この限りでない。
都道府県は、当該都道府県の職員であつた者が公務員、他の都道府県の職員 又は市町村の教育職員となり、その当該都道府県の職員としての在職期間が恩給法の規定による恩給の基礎となるべき在職期間 又は他の都道府県 若しくは市町村の退職年金条例の規定による退職年金 及び退職一時金の基礎となるべき在職期間に通算される場合における必要な調整措置を、政令の定める基準に従い、講じなければならない。
第一項の規定は、公務員であつた者、都道府県の職員(都道府県の退職年金条例の適用を受ける職員(その都道府県の退職年金条例の適用を受ける市町村立学校職員給与負担法第一条 及び第二条に規定する職員を含む。)をいう。以下本項において同じ。)であつた者 又は他の市町村の教育職員であつた者が市町村の教育職員となつた場合における当該市町村について、前項の規定は、市町村の教育職員であつた者が公務員、都道府県の職員 又は他の市町村の教育職員となつた場合における当該市町村について、これを準用する。
普通地方公共団体は、第一項 及び前項の規定の適用がある場合のほか、他の普通地方公共団体の退職年金条例の適用を受ける職員であつた者が当該普通地方公共団体の退職年金条例の適用を受ける職員となつた場合においては、当該他の普通地方公共団体の退職年金条例の適用を受ける職員としての在職期間を当該普通地方公共団体の退職年金条例の規定による退職年金 及び退職一時金の基礎となる在職期間に通算する措置を講ずるように努めなければならない。
普通地方公共団体は、国 又は他の普通地方公共団体の職員から引き続いて当該普通地方公共団体の職員となつた者に係る退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の当該国 又は他の普通地方公共団体の職員としての引き続いた在職期間を当該普通地方公共団体の職員としての引き続いた在職期間に通算する措置を講ずるように努めなければならない。