協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送(国内放送である基幹放送をいう。以下同じ。)を行うとともに、放送 及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送 及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。
放送法
第三章 日本放送協会
第一節 通則
協会は、前条の目的を達成するためにこの法律の規定に基づき設立される法人とする。
協会は、主たる事務所を東京都に置く。
協会は、必要な地に従たる事務所を置くことができる。
協会は、定款をもつて、次に掲げる事項を規定しなければならない。
事務所の所在地
資産 及び会計に関する事項
経営委員会、監査委員会、理事会 及び役員に関する事項
業務 及びその執行に関する事項
放送債券の発行に関する事項
定款は、総務大臣の認可を受けて変更することができる。
協会は、主たる事務所の変更、従たる事務所の新設 その他政令で定める事項について、政令で定める手続により登記しなければならない。
前項の規定により登記を必要とする事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
第二節 業務
協会は、第十五条の目的を達成するため、次の業務を行う。
次に掲げる放送による国内基幹放送(特定地上基幹放送局 又は次条第三項に規定する基幹放送局提供子会社の中継地上基幹放送局(第九十一条第二項第三号に規定する放送系において他の放送局から放送をされる放送番組を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする地上基幹放送の業務に主として用いられる基幹放送局をいう。以下同じ。)を用いて行われるものに限る。)を行うこと。
テレビジョン放送による国内基幹放送(電波法の規定により協会以外の者が受けた免許に係る基幹放送局を用いて行われる衛星基幹放送に限る。)を行うこと。
放送 及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うこと。
邦人向け国際放送 及び外国人向け国際放送を行うこと。
邦人向け協会国際衛星放送 及び外国人向け協会国際衛星放送を行うこと。
協会は、前項の業務のほか、第十五条の目的を達成するため、次の業務を行うことができる。
前項第四号の国際放送の放送番組の外国における送信を外国放送事業者に係る放送局を用いて行う場合に必要と認めるときにおいて、当該外国放送事業者との間の協定に基づき基幹放送局をその者に係る中継国際放送の業務の用に供すること。
協会が放送した 又は放送する放送番組 及びその編集上必要な資料 その他の協会が放送した 又は放送する放送番組に対する理解の増進に資する情報(これらを編集したものを含む。次号において「放送番組等」という。)を電気通信回線を通じて一般の利用に供すること(放送に該当するものを除く。)。
放送番組等を、放送番組を電気通信回線を通じて一般の利用に供する事業を行う者(放送事業者 及び外国放送事業者を除く。)に提供すること(協会のテレビジョン放送による国内基幹放送の全ての放送番組を当該国内基幹放送と同時に提供することを除く。)。
放送番組 及びその編集上必要な資料を外国放送事業者に提供すること。
テレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の放送番組 及びその編集上必要な資料を放送事業者に提供すること。
前項の業務に附帯する業務を行うこと(前各号に掲げるものを除く。)。
多重放送を行おうとする者に放送設備を賃貸すること。
委託により、放送 及びその受信の進歩発達に寄与する調査研究、放送設備の設計 その他の技術援助 並びに放送に従事する者の養成を行うこと。
前各号に掲げるもののほか、放送 及びその受信の進歩発達に特に必要な業務を行うこと。
協会は、前二項の業務のほか、当該業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において、次の業務を行うことができる。
協会の保有する施設 又は設備(協会がその所有する土地についてした信託の終了により取得したものを含む。)を一般の利用に供し、又は賃貸すること。
委託により、放送番組等を制作する業務 その他の協会が前二項の業務を行うために保有する設備 又は技術を活用して行う業務であつて、協会が行うことが適切であると認められるものを行うこと。
協会は、前三項の業務を行うに当たつては、営利を目的としてはならない。
協会は、中波放送と超短波放送とのいずれか 及びテレビジョン放送がそれぞれあまねく全国において受信できるように措置をしなければならない。
協会は、第一項第一号の業務を行うに当たつては、当該業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において、他の特定地上基幹放送事業者 及び基幹放送局提供事業者(電波法の規定により衛星基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許を受けた者を除く。次項において同じ。)が第九十二条の責務にのつとり講ずる措置の円滑な実施に必要な協力をしなければならない。
協会は、他の特定地上基幹放送事業者 又は基幹放送局提供事業者から、前項の協力の具体的な内容に関する協議の求めがあつたときは、正当な理由がある場合を除き、当該協議に応じなければならない。
協会は、第一項第一号 又は第二号の業務を行うに当たつては、当該業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において、他の放送事業者が第四条第二項の責務にのつとり講ずる措置の円滑な実施に必要な協力をするよう努めなければならない。
協会は、第一項第三号の業務を行うについて、放送に関係を有する者 その他学識経験を有する者から意見の申出があつた場合において、その内容が放送 及びその受信の進歩発達に寄与するものであり、かつ、同項 及び第二項の業務の遂行に支障を生じないものであるときは、これを尊重するものとし、同号の業務による成果は、できる限り一般の利用に供しなければならない。
協会は、外国人向け協会国際衛星放送を行うに当たつては、その全部 又は一部をテレビジョン放送によるものとしなければならない。
第二項第一号の協定は、中継国際放送に係る放送区域、放送時間 その他総務省令で定める放送設備に関する事項を内容とするものとし、協会は、当該協定を締結し、又は変更しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
協会は、第二項第二号 又は第三号の業務を行おうとするときは、次に掲げる事項について実施基準を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
第二項第二号 又は第三号の業務の種類、内容 及び実施方法
第二項第二号 又は第三号の業務の実施に要する費用に関する事項
第二項第二号 又は第三号の業務の種類、内容 及び実施方法 並びに同項第二号の業務に関する料金 その他の提供条件に関する事項が、特定受信設備(第六十四条第一項に規定する特定受信設備をいう。)を設置した者について、同条第一項の規定により協会と同項に規定する受信契約を締結しなければならないこととされている趣旨に照らして、不適切なものでないこと。
その他総務省令で定める事項
総務大臣は、前項の認可の申請が、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、同項の認可をするものとする。
第十五条の目的の達成に資するものであること。
第二項第二号 又は第三号の業務の種類、内容 及び実施方法が適正かつ明確に定められていること。
第二項第二号 又は第三号の業務の種類、内容 及び実施方法 並びに同項第二号の業務に関する料金 その他の提供条件に関する事項が、特定受信設備(第六十四条第一項に規定する特定受信設備をいう。)を設置した者について、同条第一項の規定により協会と同項に規定する受信契約を締結しなければならないこととされている趣旨に照らして、不適切なものでないこと。
第二項第二号 又は第三号の業務の実施に過大な費用を要するものでないこと。
第二項第二号の業務にあつては、特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
第二項第二号の業務にあつては、利用者(同号に規定する一般の利用について、協会と契約を締結する者をいう。)の利益を不当に害するものでないこと。
協会は、第二項第二号 又は第三号の業務を行うに当たつては、第十二項の認可を受けた実施基準に定めるところに従わなければならない。
協会は、第十二項の認可を受けたときは、遅滞なく、その実施基準を公表しなければならない。
協会は、第二項第二号 又は第三号の業務を行うに当たつては、第十二項の認可を受けた実施基準に基づき、総務省令で定めるところにより、毎事業年度の当該業務の実施計画を定め、当該事業年度の開始前に、これを総務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
協会は、第二項第二号の業務を行うに当たつては、全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を電気通信回線を通じて一般の利用に供するよう努めるとともに、他の放送事業者が実施する当該業務に相当する業務の円滑な実施に必要な協力をするよう努めなければならない。
総務大臣は、次の各号に掲げる場合に該当すると認めるときは、協会に対し、期限を定めて、当該各号に定める勧告をすることができる。
第十二項の認可を受けた実施基準が第十三項各号のいずれかに該当しないこととなつた場合
その実施基準を変更すべき旨の勧告
協会が第十四項の規定に違反している場合
第十二項の認可を受けた実施基準に従い第二項第二号 又は第三号の業務を行うべき旨の勧告
総務大臣は、協会が前項の勧告に従わなかつたときは、第十二項の認可を取り消すことができる。
協会は、少なくとも三年ごとに、第二項第二号 又は第三号の業務に関する技術の発達 及び需要の動向 その他の事情を勘案し、当該業務の実施の状況について評価を行うとともに、その結果に基づき当該業務の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
協会は、第二項第九号 又は第三項の業務を行おうとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。
協会は、基幹放送の受信用機器 又はその部品を認定し、基幹放送の受信用機器の修理業者を指定し、その他いかなる名目であつても、無線用機器の製造業者、販売業者 及び修理業者の行う業務を規律し、又はこれに干渉するような行為をしてはならない。
協会は、前条第一項第一号の業務を効率的に遂行するため、総務大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことを主たる目的とする会社に出資することができる。
この場合において、協会は、当該出資をしている間、当該出資をした者を子会社(協会がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社 その他の協会がその経営を支配している法人として総務省令で定めるものをいう。第二十二条の二第一号を除き、以下この章 及び第百九十一条第二項において同じ。)として保有しなければならない。
指定地上基幹放送地域(人口、地理的条件 その他の事情により協会が当該地域における地上基幹放送の提供に必要な放送設備の全部を自ら保有するための費用が他の地域に比して多額であり、協会が基幹放送局提供事業者の提供する基幹放送局設備(中継地上基幹放送局に係るものに限る。以下この条において同じ。)を利用することにより業務の効率化を図る必要性が特に高い地域として総務大臣が指定する地域をいう。以下この条において同じ。)において、基幹放送局設備の保有 及び管理をすること。
指定地上基幹放送地域において、協会 その他の基幹放送事業者との契約に基づき、前号の基幹放送局設備を当該基幹放送事業者の地上基幹放送の業務の用に供すること。
前項第一号の規定による指定は、告示によつて行う。
協会は、指定地上基幹放送地域において地上基幹放送の業務を行うに当たつては、第一項の規定に基づき出資した子会社(以下この条 及び第二十二条において「基幹放送局提供子会社」という。)との契約に基づき、基幹放送局提供子会社の提供する基幹放送局設備を用いることができる。
協会は、第八十五条第一項の総務大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、基幹放送局提供子会社に対し、指定地上基幹放送地域における地上基幹放送の業務に用いられる中継地上基幹放送局 及びこれに附属する放送設備を譲渡することができる。
協会は、テレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の業務を円滑に遂行するため、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことを主たる目的とする会社を一に限り子会社として保有しなければならない。
協会の委託を受けてテレビジョン放送による外国人向け放送番組を制作すること。
協会の委託を受けて、電波法の規定により基幹放送局の免許を受けた協会以外の者 又は外国の放送局を運用する者に対し、その放送局を協会が行うテレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の業務の用に供させること。
協会は、テレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の業務を行うに当たつては、当該業務を円滑に遂行できるようにするために協会が定める基準に従い、当該業務の一部を前項に規定する子会社に委託しなければならない。
協会は、前項の基準を定めたときは、遅滞なく、その基準を総務大臣に届け出なければならない。
これを変更したときも、同様とする。
協会は、基幹放送局提供子会社 又は前条第一項に規定する子会社に対して出資する場合のほか、第二十条第一項 又は第二項の業務を遂行するために必要がある場合には、総務大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、次に掲げる者に出資することができる。
第百四十条第二項に規定する指定再放送事業者
前二号に掲げる者のほか、第二十条第一項 又は第二項の業務に密接に関連する政令で定める事業を行う者
協会は、前条の場合のほか、協会 及びその子会社から成る集団の業務の効率的な遂行を確保するために必要がある場合には、総務大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画 及び資金計画で定めるところにより、関連事業持株会社(その定款で次に掲げる事項を定める会社をいう。以下この条 及び次条第一項において同じ。)に出資することができる。
この場合において、協会は、当該出資をしている間、当該出資をした者を関連事業持株会社たる子会社として保有しなければならない。
専ら前条第三号に掲げる者を子会社(会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社 その他の当該会社がその経営を支配している法人として総務省令で定めるものをいう。)として保有することを目的とすること。
出資は、次条第一項の認定に係る同項に規定する関連事業出資計画(同条第三項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。同項 及び同条第五項において「認定出資計画」という。)に従い、専ら前条第三号に掲げる者に対して行うこと。
協会は、前条の認可を受け、又は受けようとするときは、関連事業持株会社と共同して、総務省令で定めるところにより、当該関連事業持株会社の出資に関する計画(以下この条 及び第二十九条第一項第一号ヰにおいて「関連事業出資計画」という。)を作成し、これを総務大臣に提出して、その関連事業出資計画が適当である旨の認定を受けることができる。
総務大臣は、前項の認定の申請があつた場合において、当該申請に係る関連事業出資計画の実施が、協会が第二十条第一項 又は第二項の業務を遂行するために必要なものであると認めるときは、その認定をするものとする。
協会は、第一項の認定を受けた場合において、認定出資計画を変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、総務大臣の認定を受けなければならない。
第二項の規定は、前項の認定について準用する。
協会は、第二十一条第二項の場合のほか、第二十条第一項の業務 又は第六十五条第一項 若しくは第六十六条第一項の規定によりその行う業務(次項において「第二十条第一項の業務等」という。)については、協会が定める基準に従う場合に限り、その一部を他に委託することができる。
前項の基準は、同項の規定による委託をすることにより、当該委託業務が効率的に行われ、かつ、第二十条第一項の業務等の円滑な遂行に支障が生じないようにするものでなければならない。
協会は、第一項の基準を定めたときは、遅滞なく、その基準を総務大臣に届け出なければならない。
これを変更したときも、同様とする。
総務大臣が協会について第九十三条第一項の規定による認定の審査を行う場合における同項の規定の適用については、
同項中
「次に掲げる要件」とあるのは、
「次に掲げる要件(第五号、第六号 及び第七号(イからハまでに係る部分に限る。)を除く。)」と
する。
総務大臣が協会について第九十六条第二項の規定による認定の更新の審査を行う場合における同項の規定の適用については、
同項中
「第九十三条第一項第四号 及び第五号」とあるのは、
「第九十三条第一項第四号」と
する。
協会は、外国の放送局を用いて国際放送 又は協会国際衛星放送を開始したときは、遅滞なく、放送区域、放送事項 その他総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。
これらの事項を変更したときも、同様とする。
協会は、第二十条第十項の規定によるテレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送(第二十一条第二項の規定による子会社への放送番組の制作の委託を含む。)を行うに当たり、当該放送を実施するため特に必要があると認めるときは、協会以外の基幹放送事業者(放送大学学園法(平成十四年法律第百五十六号)第三条に規定する放送大学学園(以下「学園」という。)を除く。第三項において同じ。)に対し、協会が定める基準 及び方法に従つて、放送番組の編集上必要な資料の提供 その他必要な協力を求めることができる。
協会は、前項に規定する基準 及び方法を定め、又はこれらを変更しようとするときは、第八十二条第一項に規定する国際放送番組審議会に諮問しなければならない。
前項の国際放送番組審議会は、同項の規定により諮問を受けた場合には、協会以外の基幹放送事業者の意見を聴かなければならない。
協会は、第一項に規定する基準 及び方法を定めたときは、遅滞なく、その基準 及び方法を総務大臣に届け出なければならない。
これらを変更した場合も、同様とする。
協会は、その業務に関して申出のあつた苦情 その他の意見については、適切かつ迅速にこれを処理しなければならない。
第三節 経営委員会
協会に経営委員会を置く。
経営委員会は、次に掲げる職務を行う。
次に掲げる事項の議決
協会の経営に関する基本方針
監査委員会の職務の執行のため必要なものとして総務省令で定める事項
協会の業務 並びに協会 及びその子会社から成る集団の業務の適正を確保するために必要なものとして次に掲げる体制の整備
会長、副会長 及び理事の職務の執行が法令 及び定款に適合することを確保するための体制
会長、副会長 及び理事の職務の執行に係る情報の保存 及び管理に関する体制
協会の損失の危険の管理に関する体制
会長、副会長 及び理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
協会の職員の職務の執行が法令 及び定款に適合することを確保するための体制
次に掲げる体制 その他の協会 及びその子会社から成る集団の業務の適正を確保するための体制
当該子会社の取締役、執行役、業務を執行する社員(業務を執行する社員が法人である場合にあつては、その職務を行うべき者)又はこれらに準ずる者((ii)及び(iv)において「取締役等」という。)及び使用人の職務の執行が法令 及び定款に適合することを確保するための体制
当該子会社の取締役等の職務の執行に関する事項の協会への報告に関する体制
当該子会社の損失の危険の管理に関する体制
当該子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
経営委員会の事務局に関する体制
収支予算、事業計画 及び資金計画
第七十一条の二第一項に規定する中期経営計画(第七十条第一項 及び第二項において単に「中期経営計画」という。)
第七十二条第一項に規定する業務報告書 及び第七十四条第一項に規定する財務諸表
放送局の設置計画 並びに放送局の開設、休止 及び廃止(放送局の開設、休止 及び廃止にあつては、経営委員会が軽微と認めたものを除く。)
国内基幹放送(電波法の規定により協会以外の者が受けた免許に係る基幹放送局を用いて行われるものに限る。)並びに国際放送(外国の放送局を用いて行われるものに限る。以下このチにおいて同じ。)及び協会国際衛星放送の開始、休止 及び廃止(国際放送 及び協会国際衛星放送の開始、休止 及び廃止にあつては、経営委員会が軽微と認めたものを除く。)
番組基準 及び放送番組の編集に関する基本計画
第六十四条第一項に規定する受信契約の条項 及び受信料の免除の基準
放送債券の発行 及び借入金の借入れ
第二十条第十二項に規定する実施基準 及び同条第十六項に規定する実施計画
第二十一条第二項 及び第二十三条第一項に規定する基準
第二十六条第一項に規定する基準 及び方法
第六十一条に規定する給与等の支給の基準 及び第六十二条に規定する服務に関する準則
役員の報酬、退職金 及び交際費(いかなる名目によるかを問わずこれに類するものを含む。)
収支予算に基づき議決を必要とする事項
重要な不動産の取得 及び処分に関する基本事項
外国放送事業者 及びその団体との協力に関する基本事項
第二十条第十一項の総務大臣の認可を受けて行う協定の締結 及び変更
第二十条第二十一項の総務大臣の認可を受けて行う業務
第二十条の二第一項、第二十二条 又は第二十二条の二の総務大臣の認可を受けて行う出資
関連事業出資計画
第八十五条第一項の総務大臣の認可を受けて行う放送設備の譲渡等
情報公開及び個人情報保護に係る審議を行うため協会が設置する組織の委員の委嘱
イからオまでに掲げるもののほか、これらに類するものとして経営委員会が認めた事項
役員の職務の執行の監督
経営委員会は、その職務の執行を委員に委任することができない。
経営委員会は、第一項に規定する権限の適正な行使に資するため、総務省令で定めるところにより、広く一般の意見を求めるものとする。
経営委員会は、委員十二人をもつて組織する。
経営委員会に委員長一人を置き、委員の互選によつてこれを定める。
委員長は、委員会の会務を総理する。
経営委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代行する者を定めて置かなければならない。
委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
この場合において、その選任については、教育、文化、科学、産業 その他の各分野 及び全国各地方が公平に代表されることを考慮しなければならない。
委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会 又は衆議院の解散のため、両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、両議院の同意を得ないで委員を任命することができる。
この場合においては、任命後 最初の国会において、両議院の同意を得なければならない。
次の各号のいずれかに該当する者は、委員となることができない。
禁錮以上の刑に処せられた者
国家公務員として懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
国家公務員(審議会、協議会等の委員 その他これに準ずる地位にある者であつて非常勤のものを除く。)
政党の役員(任命の日以前一年間においてこれに該当した者を含む。)
放送用の送信機 若しくは放送受信用の受信機の製造業者 若しくは販売業者 又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わずこれと同等以上の職権 又は支配力を有する者を含む。以下この条において同じ。)若しくはその法人の議決権の十分の一以上を有する者(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)
放送事業者、認定放送持株会社、第百五十二条第二項に規定する有料放送管理事業者 若しくは新聞社、通信社 その他ニュース 若しくは情報の頒布を業とする事業者 又はこれらの事業者が法人であるときはその役員 若しくは職員若しくはその法人の議決権の十分の一以上を有する者
前二号に掲げる事業者の団体の役員
委員の任命については、五人以上が同一の政党に属する者となることとなつてはならない。
委員は、この法律 又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集 その他の協会の業務を執行することができない。
委員は、個別の放送番組の編集について、第三条の規定に抵触する行為をしてはならない。
委員の任期は、三年とする。
ただし、補欠の委員は、前任者の残任期間在任する。
委員は、再任されることができる。
委員は、任期が満了した場合においても、新たに委員が任命されるまでは、第一項の規定にかかわらず、引き続き在任する。
委員は、第三十一条第二項後段の規定による両議院の同意が得られなかつたときは、当然 退職するものとする。
内閣総理大臣は、委員が第三十一条第三項各号のいずれかに該当するに至つたときは、これを罷免しなければならない。
内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反 その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。
この場合において、各議院は、その院の定めるところにより、当該委員に弁明の機会を与えなければならない。
内閣総理大臣は、委員のうち五人以上が同一の政党に属することとなつたときは、同一の政党に属する者が四人になるように、両議院の同意を得て、委員を罷免するものとする。
委員は、前二条の場合を除くほか、その意に反して罷免されることがない。
常勤の委員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
経営委員会は、委員長が招集する。
委員長は、総務省令で定めるところにより、定期的に経営委員会を招集しなければならない。
監査委員は、第四十五条の規定により経営委員会に報告しなければならないと認めるときは、経営委員会を招集することができる。
会長は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況 並びに第二十七条の苦情 その他の意見 及びその処理の結果の概要を経営委員会に報告しなければならない。
会長は、経営委員会の要求があつたときは、経営委員会に出席し、経営委員会が求めた事項について説明をしなければならない。
監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務の執行の状況を経営委員会に報告しなければならない。
経営委員会は、委員長 又は第三十条第四項に規定する委員長の職務を代行する者 及び六人以上の委員が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
経営委員会の議事は、別に規定するものの外、出席委員の過半数をもつて決する。
可否同数のときは、委員長が決する。
会長は、経営委員会に出席し、意見を述べることができる。
委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない。
第四節 監査委員会
協会に監査委員会を置く。
監査委員会は、監査委員三人以上をもつて組織する。
監査委員は、経営委員会の委員の中から、経営委員会が任命し、そのうち少なくとも一人以上は、常勤としなければならない。
監査委員会は、役員の職務の執行を監査する。
監査委員がその職務の執行について協会に対して次に掲げる請求をしたときは、協会は、当該請求に係る費用 又は債務が当該監査委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
費用の前払の請求
支出をした費用 及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあつては、相当の担保の提供)の請求
監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、役員 及び職員に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は協会の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。
監査委員会が選定する監査委員は、役員の職務の執行を監査するため必要があるときは、協会の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。
前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告 又は調査を拒むことができる。
第一項 及び第二項の監査委員は、当該各項の報告の徴収 又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。
監査委員は、役員が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令 若しくは定款に違反する事実 若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を経営委員会に報告しなければならない。
監査委員は、役員が協会の目的の範囲外の行為 その他法令 若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によつて協会に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該役員に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
第五十一条第一項から第三項まで 及び第五十八条の規定にかかわらず、協会が役員(役員であつた者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は役員が協会に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が協会を代表する。
監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合
経営委員会が定める者
前号に掲げる場合以外の場合
監査委員会が選定する監査委員
前項の規定にかかわらず、役員が協会に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、協会に対して効力を有する。
監査委員会は、各監査委員が招集する。
監査委員会は、過半数の監査委員が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
監査委員会の議事は、出席委員の過半数をもつて決する。
役員は、監査委員会の要求があつたときは、監査委員会に出席し、監査委員会が求めた事項について説明をしなければならない。
この法律に定めるものを除くほか、議事の手続 その他監査委員会の運営に関し必要な事項は、監査委員会が定める。
第五節 役員及び職員
協会に、役員として、経営委員会の委員のほか、会長一人、副会長一人 及び理事七人以上十人以内を置く。
会長、副会長 及び理事をもつて理事会を構成する。
理事会は、定款の定めるところにより、協会の重要業務の執行について審議する。
会長は、協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する。
副会長は、会長の定めるところにより、協会を代表し、会長を補佐して協会の業務を掌理し、会長に事故があるときはその職務を代行し、会長が欠員のときはその職務を行う。
理事は、会長の定めるところにより、協会を代表し、会長 及び副会長を補佐して協会の業務を掌理し、会長 及び副会長に事故があるときはその職務を代行し、会長 及び副会長が欠員のときはその職務を行う。
会長、副会長 及び理事は、協会に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。
会長は、経営委員会が任命する。
前項の任命に当たつては、経営委員会は、委員九人以上の多数による議決によらなければならない。
副会長 及び理事は、経営委員会の同意を得て、会長が任命する。
会長、副会長 及び理事の任命については、第三十一条第三項の規定を準用する。
この場合において、
同項第六号中
「放送事業者、認定放送持株会社、第百五十二条第二項に規定する有料放送管理事業者 若しくは新聞社」とあるのは
「新聞社」と、
「十分の一以上を有する者」とあるのは
「十分の一以上を有する者(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)」と、
同項第七号中
「役員」とあるのは
「役員(任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。)」と
読み替えるものとする。
会長 及び副会長の任期は三年、理事の任期は二年とする。
会長、副会長 及び理事は、再任されることができる。
会長は、任期が満了した場合においても、新たに会長が任命されるまでは、第一項の規定にかかわらず、引き続き在任する。
経営委員会 又は会長は、それぞれ第五十二条第一項から第三項までの規定により任命した役員が同条第四項において準用する第三十一条第三項各号のいずれかに該当するに至つたときは、当該役員が同項第六号の事業者 又はその団体のうち協会がその構成員であるものの役員となつたことにより同項第六号 又は第七号に該当するに至つた場合を除くほか、これを罷免しなければならない。
経営委員会は、会長、監査委員 若しくは会計監査人が職務の執行の任に堪えないと認めるとき、又は会長、監査委員 若しくは会計監査人に職務上の義務違反 その他会長、監査委員 若しくは会計監査人たるに適しない非行があると認めるときは、これを罷免することができる。
会長は、副会長 若しくは理事が職務執行の任にたえないと認めるとき、又は副会長 若しくは理事に職務上の義務違反 その他副会長 若しくは理事たるに適しない非行があると認めるときは、経営委員会の同意を得て、これを罷免することができる。
会長、副会長 又は理事の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
会長、副会長 及び理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。
協会と会長、副会長 又は理事との利益が相反する事項については、会長、副会長 又は理事は、代表権を有しない。
この場合においては、裁判所は、利害関係人 又は検察官の請求により、特別代理人を選任しなければならない。
仮理事 又は特別代理人の選任に関する事件は、協会の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
会長、副会長 及び理事は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。
会長、副会長 及び理事は、放送事業 及び第百五十二条第一項に規定する有料放送管理業務を行う事業に投資し、又は認定放送持株会社の株式を保有してはならない。
役員は、法令 及び定款 並びに経営委員会の議決を遵守し、協会のため忠実にその職務を行わなければならない。
協会は、その役員の報酬 及び退職金 並びにその職員の給与 及び退職金の支給の基準を定め、これを公表しなければならない。
これを変更したときも、同様とする。
協会は、その役員 及び職員の職務の適切な執行を確保するため、役員 及び職員の職務に専念する義務 その他の服務に関する準則を定め、これを公表しなければならない。
これを変更したときも、同様とする。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条 及び第七十八条の規定は、協会について準用する。
第六節 受信料等
協会の放送を受信することのできる受信設備(次に掲げるものを除く。以下この項 及び第三項第二号において「特定受信設備」という。)を設置した者は、同項の認可を受けた受信契約(協会の放送の受信についての契約をいう。以下この条 及び第七十条第四項において同じ。)の条項(以下この項において「認可契約条項」という。)で定めるところにより、協会と受信契約を締結しなければならない。
ただし、特定受信設備を住居(住居とみなされる場所として認可契約条項で定める場所を含む。)に設置した場合において当該住居に設置された他の特定受信設備について当該住居 及び生計を共にする他の者がこの項本文の規定により受信契約を締結しているとき、その他この項本文の規定による受信契約の締結をする必要がない場合として認可契約条項で定める場合は、この限りでない。
ラジオ放送(音声 その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送 及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)又は多重放送に限り受信することのできる受信設備
協会は、あらかじめ、総務大臣の認可を受けた受信料の免除の基準によるのでなければ、前項の規定により受信契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。
協会は、受信契約の条項については、次に掲げる事項を定め、あらかじめ、総務大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
受信契約の申込みの方法 及び期限に関する事項(特定受信設備の設置の日 その他の当該申込みの際に協会に対し通知すべき事項を含む。)
正当な理由がなくて第二号に規定する期限までに受信契約の申込みをしなかつた場合
前項第四号に規定する受信料の額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じそれぞれ当該各号に定める額とし、同項第四号に規定する割増金の額は、当該各号に掲げる場合の区分に応じそれぞれ当該各号に定める額に総務省令で定める倍数を乗じて得た額を超えない額とする。
前項第四号イに掲げる場合に該当する場合
支払を免れた受信料の額
前項第四号ロに掲げる場合に該当する場合
同項第二号に規定する期限が到来する日に受信契約を締結したとしたならば現に受信契約を締結した日の前日までに支払うべきこととなる受信料の額に相当する額
協会の放送を受信し、その内容に変更を加えないで同時にその再放送をする放送は、これを協会の放送とみなして前各項の規定を適用する。
総務大臣は、協会に対し、放送区域、放送事項(邦人の生命、身体 及び財産の保護に係る事項、国の重要な政策に係る事項、国の文化、伝統 及び社会経済に係る重要事項 その他の国の重要事項に係るものに限る。)その他必要な事項を指定して国際放送 又は協会国際衛星放送を行うことを要請することができる。
総務大臣は、前項の要請をする場合には、協会の放送番組の編集の自由に配慮しなければならない。
協会は、総務大臣から第一項の要請があつたときは、これに応じるよう努めるものとする。
協会は、第一項の国際放送を外国放送事業者に係る放送局を用いて行う場合において、必要と認めるときは、当該外国放送事業者との間の協定に基づき基幹放送局をその者に係る中継国際放送の業務の用に供することができる。
第二十条第十一項の規定は、前項の協定について準用する。
この場合において、
同条第十一項中
「又は変更し」とあるのは、
「変更し、又は廃止し」と
読み替えるものとする。
総務大臣は、放送 及びその受信の進歩発達を図るため必要と認めるときは、協会に対し、事項を定めてその研究を命ずることができる。
前項の規定によつて行われた研究の成果は、放送事業の発達 その他公共の利益になるように利用されなければならない。
第六十五条第一項の要請に応じて協会が行う国際放送 又は協会国際衛星放送に要する費用 及び前条第一項の命令を受けて協会が行う研究に要する費用は、国の負担とする。
第六十五条第一項の要請 及び前条第一項の命令は、前項の規定により国が負担する金額が国会の議決を経た予算の金額を超えない範囲内でしなければならない。
第七節 財務及び会計
協会の事業年度は、毎年四月に始まり、翌年三月に終わる。
協会の会計は、総務省令で定めるところにより、原則として企業会計原則によるものとする。
協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画 及び資金計画を作成し、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え、総務大臣に提出しなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
総務大臣が前項の収支予算、事業計画 及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を付すとともに同項の中期経営計画を添え、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。
前項の収支予算、事業計画 及び資金計画に同項の規定によりこれを変更すべき旨の意見が付してあるときは、国会の委員会は、協会の意見を徴するものとする。
第六十四条第一項の規定により受信契約を締結した者から徴収する受信料の額は、国会が、第一項の収支予算を承認することによつて、定める。
協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画 及び資金計画が国会の閉会 その他やむを得ない理由により当該事業年度の開始の日までにその承認を受けることができない場合においては、三箇月以内に限り、事業の経常的運営 及び施設の建設 又は改修の工事(国会の承認を受けた前事業年度の事業計画に基づいて実施したこれらの工事の継続に係るものに限る。)に必要な範囲の収支予算、事業計画 及び資金計画を作成し、総務大臣の認可を受けてこれを実施することができる。
この場合において、前条第四項に規定する受信料の額は、同項の規定にかかわらず、前事業年度終了の日における受信料の額とする。
前項の規定による収支予算、事業計画 及び資金計画は、当該事業年度の収支予算、事業計画 及び資金計画の国会による承認があつたときは、失効するものとし、同項の規定による収支予算、事業計画 及び資金計画に基づいてした収入、支出、事業の実施 並びに資金の調達 及び返済は、当該事業年度の収支予算、事業計画 及び資金計画に基づいてしたものとみなす。
総務大臣は、第一項の認可をしたときは、事後にこれを国会に報告しなければならない。
協会は、三年以上五年以下の期間ごとに、協会の経営に関する計画(次項において「中期経営計画」という。)を定め、これを公表しなければならない。
これを変更したときも、同様とする。
中期経営計画の期間(前項の期間の範囲内で経営委員会が定める期間をいう。第七十三条の二第三項 及び第五項第二号において同じ。)
中期経営計画の期間(前項の期間の範囲内で経営委員会が定める期間をいう。)
協会の経営に関する基本的な方向
協会が行う業務の種類 及び内容
協会の業務 並びに協会 及びその子会社から成る集団の業務の適正を確保するための体制に関する事項
受信料の体系 及び水準に関する事項 その他受信料に関する事項
その他協会の経営に関する重要事項
協会は、毎事業年度の業務報告書を作成し、これに監査委員会の意見書を添え、当該事業年度経過後三箇月以内に、総務大臣に提出しなければならない。
総務大臣は、前項の業務報告書を受理したときは、これに意見を付すとともに同項の監査委員会の意見書を添え、内閣を経て国会に報告しなければならない。
協会は、第一項の規定による提出を行つたときは、遅滞なく、同項の書類を、各事務所に備えて置き、総務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
協会の収入は、第二十条第一項から第三項までの業務の遂行以外の目的に支出してはならない。
協会は、次に掲げる業務に係る経理については、総務省令で定めるところにより、その他の経理と区分し、それぞれ特別の勘定を設けて整理しなければならない。
第二十条第二項第二号 及び第三号の業務(専ら受信料を財源とするものを除く。)
第二十条第三項の業務
協会は、毎事業年度の損益計算において第二十条第一項 及び第二項の業務(前条第二項第一号に掲げる業務を除く。)から生じた収支差額が零を上回るときは、当該上回る額のうち総務省令で定めるところにより計算した額を還元目的積立金として積み立てなければならない。
還元目的積立金は、協会が次項の規定により収支予算を作成し国会の承認を受けた場合において当該収支予算に係る事業年度の損益計算において前項に規定する収支差額が零を下回るときに、当該下回る額を当該事業年度の予想収支差額(当該収支予算で定める当該収支差額が零を下回る場合における当該下回る額をいう。次項において同じ。)を限度として補う場合を除き、取り崩してはならない。
ただし、総務大臣の認可を受けた場合は、この限りでない。
協会は、中期経営計画の期間の最後の事業年度の前事業年度に係る収支差額の処理を行つた後、還元目的積立金の額から当該最後の事業年度の予想収支差額を減じた額(第五項第二号において「予想積立額」という。)が零を上回るときは、当該中期経営計画の期間の次の中期経営計画の期間(同項において「還元実施期間」という。)の事業年度については、還元受信料額により受信料収入(協会の受信料による収入をいう。同項において同じ。)の予想額を計算した収支予算を作成しなければならない。
ただし、当該収支予算を作成しないことについて合理的な理由がある場合は、この限りでない。
前項ただし書に規定する場合において、同項に規定する収支予算を作成しないときにおける第七十条第一項 及び第二項の規定の適用については、
同条第一項 及び第二項中
「中期経営計画」とあるのは、
「中期経営計画 及び第七十三条の二第三項ただし書に規定する理由を記載した書類」と
する。
第三項に規定する「還元受信料額」とは、還元実施期間の受信料収入の予想額の合計額が第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を減じた額を超えない額となるように計算した受信料の額をいう。
基準受信料額(還元実施期間において第一項に規定する業務に係る収入の予想額の合計額と当該業務に係る支出の予想額の合計額が同額となるように計算した受信料の額をいう。)により計算した当該還元実施期間の受信料収入の予想額の合計額
協会は、毎事業年度の財産目録、貸借対照表、損益計算書 その他総務省令で定める書類 及びこれらに関する説明書(以下「財務諸表」という。)を作成し、これらに監査委員会 及び会計監査人の意見書を添え、当該事業年度経過後 三箇月以内に、総務大臣に提出しなければならない。
総務大臣は、前項の書類を受理したときは、これを内閣に提出しなければならない。
内閣は、前項の書類を会計検査院の検査を経て国会に提出しなければならない。
協会は、第一項の規定による提出を行つたときは、遅滞なく、貸借対照表 及び損益計算書を官報に公告し、かつ、同項の書類を、各事務所に備えて置き、総務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
協会は、財務諸表について、監査委員会の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならない。
会計監査人は、経営委員会が任命する。
会計監査人は、公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人でなければならない。
次に掲げる者は、会計監査人となることができない。
公認会計士法の規定により、財務諸表について監査をすることができない者
協会の子会社 若しくはその取締役、会計参与、監査役 若しくは執行役から公認会計士 若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者 又はその配偶者
監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの
会計監査人は、いつでも、会計帳簿 若しくはこれに関する資料の閲覧 及び謄写をし、又は役員 及び職員に対し、会計に関する報告を求めることができる。
会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、協会の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は協会 若しくはその子会社の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。
前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告 又は調査を拒むことができる。
会計監査人は、その職務を行うに際して役員の職務の執行に関し不正の行為 又は法令 若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査委員会に報告しなければならない。
監査委員会が選定した監査委員は、役員の職務の執行を監査するため必要があるときは、会計監査人に対し、会計監査に関する報告を求めることができる。
会計監査人の任期は、その選任の日以後最初に終了する事業年度の財務諸表についての第七十四条第一項の規定による総務大臣への提出の時までとする。
協会の会計については、会計検査院が検査する。
協会は、放送設備の建設 又は改修の資金に充てるため、放送債券を発行することができる。
前項の放送債券の発行額は、会計検査院の検査を経た最近の事業年度の貸借対照表による協会の純財産額の三倍を超えることができない。
協会は、発行済みの放送債券の借換えのため、一時前項の規定による制限を超えて放送債券を発行することができる。
この場合においては、発行する放送債券の払込みの期日(数回に分けて払込みをさせるときは、第一回の払込みの期日)から六箇月以内にその発行額に相当する額の発行済みの放送債券を償却しなければならない。
協会は、第一項の規定により放送債券を発行したときは、毎事業年度末現在の発行債券未償却額の十分の一に相当する額を償却積立金として積み立てなければならない。
協会は、放送債券を償却する場合に限り、前項に規定する積立金を充当することができる。
協会の放送債券の債権者は、協会の財産について他の債権者に先立ち自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
前項の先取特権の順位は、民法の一般の先取特権に次ぐものとする。
前各項に定めるもののほか、放送債券に関し必要な事項については、政令の定めるところにより、会社法(平成十七年法律第八十六号)及び社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号。以下「社債等振替法」という。)の社債に関する規定を準用する。
第八節 放送番組の編集等に関する特例
協会は、国内基幹放送の放送番組の編集 及び放送に当たつては、第四条第一項に定めるところによるほか、次の各号の定めるところによらなければならない。
豊かで、かつ、良い放送番組の放送を行うことによつて公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するように、最大の努力を払うこと。
全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を有するようにすること。
我が国の過去の優れた文化の保存 並びに新たな文化の育成 及び普及に役立つようにすること。
協会は、公衆の要望を知るため、定期的に、科学的な世論調査を行い、かつ、その結果を公表しなければならない。
第百六条第一項の規定は協会の中波放送 及び超短波放送の放送番組の編集について、
第百七条の規定は中波放送 及び超短波放送を行う場合における協会について準用する。
協会は、邦人向け国際放送 若しくは邦人向け協会国際衛星放送の放送番組の編集 及び放送 又は外国放送事業者に提供する邦人向けの放送番組の編集に当たつては、海外同胞向けの適切な報道番組 及び娯楽番組を有するようにしなければならない。
協会は、外国人向け国際放送 若しくは外国人向け協会国際衛星放送の放送番組の編集 及び放送 又は外国放送事業者に提供する外国人向けの放送番組の編集に当たつては、我が国の文化、産業 その他の事情を紹介して我が国に対する正しい認識を培い、及び普及すること等によつて国際親善の増進 及び外国との経済交流の発展に資するようにしなければならない。
第五条第一項、第六条、第八条から第十一条まで、第十三条、第百十条、第百七十四条 及び第百七十五条の規定は、協会が外国の放送局を用いて国際放送 又は協会国際衛星放送を行う場合について準用する。
協会は、第六条第一項(前条第六項において準用する場合を含む。)の審議機関として、国内基幹放送に係る中央放送番組審議会(以下「中央審議会」という。)及び地方放送番組審議会(以下「地方審議会」という。)並びに国際放送 及び協会国際衛星放送(以下この条において「国際放送等」という。)に係る国際放送番組審議会(以下「国際審議会」という。)を置くものとする。
地方審議会は、政令で定める地域ごとに置くものとする。
中央審議会は委員十五人以上、地方審議会は委員七人以上、国際審議会は委員十人以上をもつて組織する。
中央審議会 及び国際審議会の委員は、学識経験を有する者のうちから、経営委員会の同意を得て、会長が委嘱する。
地方審議会の委員は、学識経験を有する者であつて、当該地方審議会に係る第二項に規定する地域に住所を有するもののうちから、会長が委嘱する。
第六条第二項(前条第六項において準用する場合を含む。第八項において同じ。)の規定により協会の諮問に応じて審議する事項は、中央審議会にあつては国内基幹放送に係る第六条第三項に規定するもの及び全国向けの放送番組に係るもの、地方審議会にあつては第二項に規定する地域向けの放送番組に係るもの、国際審議会にあつては国際放送等に係る同条第三項に規定するもの及び国際放送等の放送番組に係るものとする。
協会は、第二項に規定する地域向けの放送番組の編集 及び放送に関する計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、地方審議会に諮問しなければならない。
第六条第二項の規定により協会に対して意見を述べることができる事項は、中央審議会 及び地方審議会にあつては国内基幹放送の放送番組に係るもの、国際審議会にあつては国際放送等の放送番組に係るものとする。
協会は、他人の営業に関する広告の放送をしてはならない。
前項の規定は、放送番組編集上必要であつて、かつ、他人の営業に関する広告のためにするものでないと認められる場合において、著作者 又は営業者の氏名 又は名称等を放送することを妨げるものではない。
第七条、第十二条、第十四条、第九十五条第二項、第九十八条、第百条、第百九条 及び第百十六条の二の規定は、協会については、適用しない。
第九節 雑則
協会は、総務省令で定めるところにより、その保有する次に掲げる情報であつて総務省令で定めるものを記録した文書、図画 又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を作成し、適時に、かつ、一般にとつて利用しやすい方法により提供するものとする。
協会の組織、業務 及び財務に関する基礎的な情報
協会の組織、業務 及び財務についての評価 及び監査に関する情報
協会の出資 又は拠出に係る法人 その他の総務省令で定める法人に関する基礎的な情報
前項に定めるもののほか、協会は、その諸活動についての一般の理解を深めるため、その保有する情報の公開に関する施策の充実に努めるものとする。
協会は、総務大臣の認可を受けなければ、放送設備の全部 又は一部を譲渡し、賃貸し、担保に供し、その運用を委託し、その他いかなる方法によるかを問わず、これを他人の支配に属させることができない。
総務大臣は、前項の認可をしようとするときは、両議院の同意を得なければならない。
ただし、協会が第二十条第二項第七号 又は第三項第一号の業務を行う場合 並びに協会が第二十条の二第四項の規定に基づき中継地上基幹放送局 及びこれに附属する放送設備の譲渡を行う場合については、この限りでない。
協会は、総務大臣の認可を受けなければ、その基幹放送局 若しくはその放送の業務を廃止し、又はその放送を十二時間以上(協会国際衛星放送にあつては、二十四時間以上)休止することができない。
ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
不可抗力により廃止し、又は休止する場合
一の外国の放送局を用いて行われる協会国際衛星放送(当該協会国際衛星放送を受信することができる者の数を勘案して総務省令で定めるものを除く。)の放送区域の全部が当該一の外国の放送局以外の放送局を用いて行われる協会国際衛星放送の放送区域に含まれる場合において当該一の外国の放送局を用いて行われる協会国際衛星放送の業務を廃止し、又は休止するとき その他これに準ずる場合として総務省令で定める場合
外国の放送局を用いて行われる国際放送の業務を廃止し、又は休止する場合
協会は、その放送の業務を廃止したときは、前項の認可を受けた場合を除き、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
協会は、その放送を休止したときは、第一項の認可を受けた場合 又は第百十三条の規定により報告をすべき場合を除き、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
総務大臣が第九十三条第一項の認定を受けた協会の放送の業務について第一項の廃止の認可をした場合については、
第百五条中
「第百条の規定による業務の廃止の届出を受けた」とあるのは
「第八十六条第一項の廃止の認可をした」と、
「当該届出」とあるのは
「当該認可」と
読み替えて、同条の規定を適用する。
総務大臣が第九十三条第一項の認定を受けた協会の放送の業務について第二項の廃止の届出を受けた場合については、
第百五条中
「第百条」とあるのは、
「第八十六条第二項」と
読み替えて、同条の規定を適用する。
協会の解散については、別に法律で定める。
協会が解散した場合においては、協会の残余財産は、国に帰属する。