事業主は、その雇用する労働者が多様な職業訓練を受けること等により職業能力の開発 及び向上を図ることができるように、その機会の確保について、次条から 第十条の四までに定める措置を通じて、配慮するものとする。
職業能力開発促進法
第三章 職業能力開発の促進
第一節 事業主等の行う職業能力開発促進の措置
事業主は、その雇用する労働者に対して職業訓練を行う場合には、その労働者の業務の遂行の過程内において又は当該業務の遂行の過程外において、自ら 又は共同して行うほか、第十五条の七第三項に規定する公共職業能力開発施設 その他職業能力の開発 及び向上について適切と認められる他の者の設置する施設により行われる職業訓練を受けさせることによつて行うことができる。
事業主は、前条の措置によるほか、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずること等により、その雇用する労働者に係る職業能力の開発 及び向上を促進するものとする。
他の者の設置する施設により行われる職業に関する教育訓練を受けさせること。
自ら 若しくは共同して行う職業能力検定 又は職業能力の開発 及び向上について適切と認められる他の者の行う職業能力検定を受けさせること。
事業主は、必要に応じ、実習併用職業訓練を実施することにより、その雇用する労働者の実践的な職業能力の開発 及び向上を促進するものとする。
前項の実習併用職業訓練とは、事業主が、その雇用する労働者の業務の遂行の過程内において行う職業訓練と次のいずれかの職業訓練 又は教育訓練とを効果的に組み合わせることにより実施するものであつて、これにより習得された技能 及びこれに関する知識についての評価を行うものをいう。
第十五条の七第三項に規定する公共職業能力開発施設により行われる職業訓練
第二十四条第三項に規定する認定職業訓練
前二号に掲げるもののほか、当該事業主以外の者の設置する施設であつて職業能力の開発 及び向上について適切と認められるものにより行われる教育訓練
厚生労働大臣は、前項に規定する実習併用職業訓練の適切かつ有効な実施を図るため事業主が講ずべき措置に関する指針を公表するものとする。
事業主は、前三条の措置によるほか、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずることにより、その雇用する労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発 及び向上を促進するものとする。
労働者が実務の経験を通じて自ら職業能力の開発 及び向上を図ることができるようにするために、労働者の配置 その他の雇用管理について配慮すること。
事業主は、前項第一号の規定によりキャリアコンサルティングの機会を確保する場合には、キャリアコンサルタントを有効に活用するように配慮するものとする。
事業主は、第九条から 前条までに定める措置によるほか、必要に応じ、その雇用する労働者が自ら職業に関する教育訓練 又は職業能力検定を受ける機会を確保するために必要な次に掲げる援助を行うこと等によりその労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発 及び向上を促進するものとする。
有給教育訓練休暇、長期教育訓練休暇、再就職準備休暇 その他の休暇を付与すること。
始業 及び終業の時刻の変更、 勤務時間の短縮 その他 職業に関する教育訓練 又は職業能力検定を受ける時間を確保するために必要な措置を講ずること。
前項第一号の有給教育訓練休暇とは、職業人としての資質の向上 その他職業に関する教育訓練を受ける労働者に対して与えられる有給休暇(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除く。)をいう。
第一項第一号の長期教育訓練休暇とは、職業人としての資質の向上 その他 職業に関する教育訓練を受ける労働者に対して与えられる休暇であつて長期にわたるもの(労働基準法第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるもの及び前項に規定する有給教育訓練休暇として与えられるものを除く。)をいう。
第一項第一号の再就職準備休暇とは、再就職のための準備として職業能力の開発 及び向上を図る労働者に対して与えられる休暇(労働基準法第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるもの、第二項に規定する有給教育訓練休暇として与えられるもの及び前項に規定する長期教育訓練休暇として与えられるものを除く。)をいう。
厚生労働大臣は、前二条の規定により労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発 及び向上を促進するために事業主が講ずる措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を公表するものとする。
事業主は、その雇用する労働者に係る職業能力の開発 及び向上が段階的かつ体系的に行われることを促進するため、第九条から 第十条の四までに定める措置に関する計画を作成するように努めなければならない。
事業主は、前項の計画を作成したときは、その計画の内容をその雇用する労働者に周知させるために必要な措置を講ずることによりその労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発 及び向上を促進するように努めるとともに、次条の規定により選任した職業能力開発推進者を有効に活用することによりその計画の円滑な実施に努めなければならない。
事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる業務を担当する者(以下「職業能力開発推進者」という。)を選任するように努めなければならない。
前条第一項の計画の作成 及び その実施に関する業務
第九条から 第十条の四までに定める措置に関し、その雇用する労働者に対して行う相談、指導等の業務
事業主に対して、国、都道府県 又は中央職業能力開発協会 若しくは都道府県職業能力開発協会(以下 この号において「国等」という。)により前条第一項の計画の作成 及び実施に関する助言 及び指導 その他の援助等が行われる場合にあつては、国等との連絡に関する業務
事業主は、必要に応じ、労働者がその習得に相当の期間を要する熟練した技能 及びこれに関する知識(以下この条において「熟練技能等」という。)に関する情報を体系的に管理し、提供すること その他の必要な措置を講ずることにより、その雇用する労働者の熟練技能等の効果的かつ効率的な習得による職業能力の開発 及び向上の促進に努めなければならない。
厚生労働大臣は、前項の規定により労働者の熟練技能等の習得を促進するために事業主が講ずる措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を公表するものとする。
事業主、事業主の団体 若しくは その連合団体、職業訓練法人 若しくは中央職業能力開発協会 若しくは都道府県職業能力開発協会 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人、法人である労働組合 その他の営利を目的としない法人で、職業訓練を行い、若しくは行おうとするもの(以下「事業主等」と総称する。)は、第四節 及び第七節に定めるところにより、当該事業主等の行う職業訓練が職業訓練の水準の維持向上のための基準に適合するものであることの認定を受けて、当該職業訓練を実施することができる。
事業主は、第五節に定めるところにより、当該事業主の行う実習併用職業訓練(第十条の二第二項に規定する実習併用職業訓練をいう。以下同じ。)の実施計画が青少年(厚生労働省令で定める者に限る。以下同じ。)の実践的な職業能力の開発 及び向上を図るために効果的であることの認定を受けて、当該実習併用職業訓練を実施することができる。
国 及び都道府県は、労働者が多様な職業訓練を受けること等により職業能力の開発 及び向上を図ることができるように、その機会の確保について、第十三条に定めるもののほか、この節 及び次節に定める措置を通じて、配慮するものとする。
第二節 国及び都道府県による職業能力開発促進の措置
都道府県の区域において職業訓練に関する事務 及び事業を行う国 及び都道府県の機関(以下 この項において「関係機関」という。)は、地域の実情に応じた職業能力の開発 及び向上の促進のための取組が適切かつ効果的に実施されるようにするため、関係機関 及び次に掲げる者により構成される協議会(以下この条において単に「協議会」という。)を組織することができる。
第十五条の七第三項に規定する公共職業能力開発施設を設置する市町村
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第四条第十項に規定する職業紹介事業者 若しくは同条第十一項に規定する特定募集情報等提供事業者 又は これらの団体
協議会は、職業能力の開発 及び向上の促進に有用な情報を共有し、その構成員の連携の緊密化を図りつつ、都道府県の区域における職業訓練 及び職業に関する教育訓練の需要 及び実施の状況 その他の地域の実情に応じた適切かつ効果的な職業訓練 及び職業に関する教育訓練の実施 並びにキャリアコンサルティングの機会の確保 その他の職業能力の開発 及び向上の促進のための取組について協議を行うものとする。
前三項に定めるもののほか、協議会の組織 及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
国 及び都道府県は、事業主等の行う職業訓練 及び職業能力検定 並びに労働者が自ら職業に関する教育訓練 又は職業能力検定を受ける機会を確保するために必要な援助 その他労働者が職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発 及び向上を図ることを容易にする等のために事業主の講ずる措置に関し、次の援助を行うように努めなければならない。
第十条の三第一項第一号のキャリアコンサルティングに関する講習の実施
第十一条の計画の作成 及び実施に関する助言 及び指導を行うこと。
職業能力の開発 及び向上の促進に関する技術的事項について相談 その他の援助を行うこと。
情報 及び資料を提供すること。
職業能力開発推進者に対する講習の実施 及び職業能力開発推進者相互の啓発の機会の提供を行うこと。
第二十七条第一項に規定する職業訓練指導員を派遣すること。
委託を受けて職業訓練の一部を行うこと。
前各号に掲げるもののほか、第十五条の七第三項に規定する公共職業能力開発施設を使用させる等の便益を提供すること。
国 及び都道府県は、職業能力の開発 及び向上を促進するため、 労働者に対し、前項第三号 及び第四号に掲げる援助を行うように努めなければならない。
国は、事業主等 及び労働者に対する第一項第二号から 第四号までに掲げる援助を適切かつ効果的に行うため必要な施設の設置等特別の措置を講ずることができる。
第一項 及び第二項の規定により国 及び都道府県が事業主等 及び労働者に対して援助を行う場合には、中央職業能力開発協会 又は都道府県職業能力開発協会と密接な連携の下に行うものとする。
国は、事業主等の行う職業訓練 及び職業能力検定の振興を図り、及び労働者に対する第十条の四第二項に規定する有給教育訓練休暇の付与その他の労働者が自ら職業に関する教育訓練 又は職業能力検定を受ける機会を確保するための援助 その他 労働者が第十五条の七第三項に規定する公共職業能力開発施設等の行う職業訓練、 職業能力検定等を受けることを容易にするための援助等の措置が事業主によつて講ぜられることを奨励するため、事業主等に対する助成 その他 必要な措置を講ずることができる。
国は、労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発 及び向上を促進するため、労働者の職務の経歴、職業能力 その他の労働者の職業能力の開発 及び向上に関する事項を明らかにする書面(次項において「職務経歴等記録書」という。)の様式を定め、その普及に努めなければならない。
国は、職務経歴等記録書の様式を定めるに当たつては、青少年の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発 及び向上が促進されるように、その特性にも配慮するものとする。
国は、中央職業能力開発協会の協力を得て、職業訓練、 職業能力検定 その他職業能力の開発 及び向上に関し、調査研究 及び情報の収集整理を行い、 事業主、 労働者 その他の関係者が当該調査研究の成果 及び その情報を利用することができるように努めなければならない。
国は、職業能力の開発 及び向上が円滑に促進されるような環境を整備するため、 職業に必要な技能について事業主 その他 国民一般の理解を高めるために必要な広報 その他の啓発活動等を行うものとする。
第三節 国及び都道府県等による職業訓練の実施等
国 及び都道府県は、労働者が段階的かつ体系的に職業に必要な技能 及びこれに関する知識を習得することができるように、次の各号に掲げる施設を第十六条に定めるところにより設置して、当該施設の区分に応じ当該各号に規定する職業訓練を行うものとする。
ただし、当該職業訓練のうち主として知識を習得するために行われるもので厚生労働省令で定めるもの(都道府県にあつては、当該職業訓練のうち厚生労働省令で定める要件を参酌して条例で定めるもの)については、当該施設以外の施設においても適切と認められる方法により行うことができる。
職業能力開発校(普通職業訓練(次号に規定する高度職業訓練以外の職業訓練をいう。以下同じ。)で長期間 及び短期間の訓練課程のものを行うための施設をいう。以下同じ。)
職業能力開発短期大学校(高度職業訓練(労働者に対し、職業に必要な高度の技能 及びこれに関する知識を習得させるための職業訓練をいう。以下同じ。)で長期間 及び短期間の訓練課程(次号の厚生労働省令で定める長期間の訓練課程を除く。)のものを行うための施設をいう。以下同じ。)
職業能力開発大学校(高度職業訓練で前号に規定する長期間 及び短期間の訓練課程のもの並びに高度職業訓練で専門的かつ応用的な職業能力を開発し、及び向上させるためのものとして厚生労働省令で定める長期間の訓練課程のものを行うための施設をいう。以下同じ。)
職業能力開発促進センター(普通職業訓練 又は高度職業訓練のうち短期間の訓練課程のものを行うための施設をいう。以下同じ。)
障害者職業能力開発校(前各号に掲げる施設において職業訓練を受けることが困難な身体 又は精神に障害がある者等に対して行う その能力に適応した普通職業訓練 又は高度職業訓練を行うための施設をいう。以下同じ。)
国 及び都道府県が設置する前項各号に掲げる施設は、当該各号に規定する職業訓練を行うほか、事業主、 労働者その他の関係者に対し、第十五条の二第一項第三号、 第四号 及び第六号から 第八号までに掲げる援助を行うように努めなければならない。
国 及び都道府県(第十六条第二項の規定により地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)が職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発促進センター 又は障害者職業能力開発校(次項 及び第十六条第二項において「職業能力開発短期大学校等」という。)を設置する場合には、当該指定都市を、市町村が職業能力開発校を設置する場合には、当該市町村を含む。以下 この項において同じ。)が第一項各号に掲げる施設を設置して職業訓練を行う場合には、その設置する同項各号に掲げる施設(以下「公共職業能力開発施設」という。)内において行うほか、国にあつては職業を転換しようとする労働者等に対する迅速かつ効果的な職業訓練を、都道府県にあつては厚生労働省令で定める要件を参酌して条例で定める職業訓練を実施するため必要があるときは、職業能力の開発 及び向上について適切と認められる他の施設により行われる教育訓練を当該公共職業能力開発施設の行う職業訓練とみなし、当該教育訓練を受けさせることによつて行うことができる。
公共職業能力開発施設は、第一項各号に規定する職業訓練 及び第二項に規定する援助(指定都市が設置する職業能力開発短期大学校等 及び市町村が設置する職業能力開発校に係るものを除く。)を行うほか、次に掲げる業務を行うことができる。
開発途上にある海外の地域において事業を行う者に当該地域において雇用されている者の訓練を担当する者になろうとする者 又は現に当該訓練を担当している者に対して、必要な技能 及びこれに関する知識を習得させるための訓練を行うこと。
前号に掲げるもののほか、 職業訓練 その他 この法律の規定による職業能力の開発 及び向上に関し必要な業務で厚生労働省令で定めるものを行うこと。
国が設置する公共職業能力開発施設の行う職業訓練 及び国が行う前条第一項ただし書に規定する職業訓練は、厚生労働大臣が厚生労働省令で定めるところにより作成する当該職業訓練の実施に関する計画に基づいて実施するものとする。
厚生労働大臣は、前項の計画を定めるに当たつては、あらかじめ、関係行政機関の長 その他の関係者の意見を聴くものとする。
国は、職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発促進センター 及び障害者職業能力開発校を設置し、都道府県は、職業能力開発校を設置する。
前項に定めるもののほか、都道府県 及び指定都市は職業能力開発短期大学校等を、市町村は職業能力開発校を設置することができる。
公共職業能力開発施設の位置、名称 その他 運営について必要な事項は、国が設置する公共職業能力開発施設については厚生労働省令で、都道府県 又は市町村が設置する公共職業能力開発施設については条例で定める。
国は、第一項の規定により設置した障害者職業能力開発校のうち、厚生労働省令で定めるものの運営を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に行わせるものとし、当該厚生労働省令で定めるもの以外の障害者職業能力開発校の運営を都道府県に委託することができる。
公共職業能力開発施設の長は、職業訓練に関し高い識見を有する者でなければならない。
公共職業能力開発施設でないもの(第二十五条の規定により設置される施設を除く。)は、その名称中に職業能力開発校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発促進センター 又は障害者職業能力開発校という文字を用いてはならない。
国、 都道府県 及び市町村は、その設置 及び運営について、公共職業能力開発施設が相互に競合することなく その機能を十分に発揮することができるように配慮するものとする。
国、 都道府県 及び市町村は、職業訓練の実施に当たり、関係地域における労働者の職業の安定 及び産業の振興に資するように、職業訓練の開始の時期、 期間 及び内容等について十分配慮するものとする。
公共職業能力開発施設は、職業訓練の水準の維持向上のための基準として当該職業訓練の訓練課程ごとに教科、訓練時間、設備 その他の厚生労働省令で定める事項に関し厚生労働省令で定める基準(都道府県 又は市町村が設置する公共職業能力開発施設にあつては、当該都道府県 又は市町村の条例で定める基準)に従い、普通職業訓練 又は高度職業訓練を行うものとする。
前項の訓練課程の区分は、厚生労働省令で定める。
都道府県 又は市町村が第一項の規定により条例を定めるに当たつては、公共職業能力開発施設における訓練生の数については同項に規定する厚生労働省令で定める基準を標準として定めるものとし、その他の事項については同項に規定する厚生労働省令で定める基準を参酌するものとする。
公共職業能力開発施設の行う普通職業訓練 又は高度職業訓練(以下「公共職業訓練」という。)においては、厚生労働大臣の認定を受けた教科書 その他の教材を使用するように努めなければならない。
公共職業能力開発施設の長は、公共職業訓練(長期間の訓練課程のものに限る。)を受ける者に対して、技能 及びこれに関する知識の照査(以下この条において「技能照査」という。)を行わなければならない。
技能照査に合格した者は、技能士補と称することができる。
技能照査の基準 その他 技能照査の実施に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
公共職業能力開発施設の長は、公共職業訓練を修了した者に対して、 厚生労働省令で定めるところにより、修了証書を交付しなければならない。
公共職業訓練のうち、次に掲げるものは、無料とする。
国が設置する職業能力開発促進センターにおいて職業の転換を必要とする求職者 その他の厚生労働省令で定める求職者に対して行う普通職業訓練(短期間の訓練課程で厚生労働省令で定めるものに限る。)
国が設置する障害者職業能力開発校において求職者に対して行う職業訓練
都道府県 又は市町村が設置する公共職業能力開発施設の行う職業訓練(厚生労働省令で定める基準を参酌して当該都道府県 又は市町村の条例で定めるものに限る。)
国 及び都道府県は、公共職業訓練のうち、職業能力開発校 及び職業能力開発促進センターにおいて職業の転換を必要とする求職者 その他の厚生労働省令で定める求職者に対して行う普通職業訓練(短期間の訓練課程で厚生労働省令で定めるものに限る。)並びに障害者職業能力開発校において求職者に対して行う職業訓練を受ける求職者に対して、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の規定に基づき、手当を支給することができる。
公共職業能力開発施設の長は、公共職業安定所長との密接な連携の下に、公共職業訓練を受ける求職者の就職の援助に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない。
公共職業能力開発施設の長は、公共職業訓練を受ける求職者が自ら職業能力の開発 及び向上に関する目標を定めることを容易にするために、必要に応じ、キャリアコンサルタントによる相談の機会の確保 その他の援助を行うように努めなければならない。
第四節 事業主等の行う職業訓練の認定等
都道府県知事は、事業主等の申請に基づき、当該事業主等の行う職業訓練について、第十九条第一項の厚生労働省令で定める基準に適合するものであることの認定をすることができる。
ただし、当該事業主等が当該職業訓練を的確に実施することができる能力を有しないと認めるときは、この限りでない。
都道府県知事は、前項の認定をしようとする場合において、当該職業訓練を受ける労働者が労働基準法第七十条の規定に基づく厚生労働省令 又は労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第六十一条第四項の規定に基づく厚生労働省令の適用を受けるべきものであるときは、厚生労働省令で定める場合を除き、都道府県労働局長の意見を聴くものとする。
都道府県知事は、第一項の認定に係る職業訓練(以下「認定職業訓練」という。)が第十九条第一項の厚生労働省令で定める基準に適合しなくなつたと認めるとき、又は事業主等が当該認定職業訓練を行わなくなつたとき、若しくは当該認定職業訓練を的確に実施することができる能力を有しなくなつたと認めるときは、当該認定を取り消すことができる。
認定職業訓練を行う事業主等は、厚生労働省令で定めるところにより、職業訓練施設として職業能力開発校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校 又は職業能力開発促進センターを設置することができる。
認定職業訓練を行う事業主等は、その事業に支障のない範囲内で、 認定職業訓練のための施設を他の事業主等の行う職業訓練のために使用させ、又は委託を受けて他の事業主等に係る労働者に対して職業訓練を行うように努めるものとする。
第二十条から 第二十二条までの規定は、認定職業訓練について準用する。
この場合において、
第二十一条第一項 及び第二十二条中
「公共職業能力開発施設の長」とあるのは、
「認定職業訓練を行う事業主等」と
読み替えるものとする。
第五節 実習併用職業訓練実施計画の認定等
実習併用職業訓練を実施しようとする事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、実習併用職業訓練の実施計画(以下 この節において「実施計画」という。)を作成し、厚生労働大臣の認定を申請することができる。
実施計画には、実習併用職業訓練に関する次に掲げる事項を記載しなければならない。
その他 厚生労働省令で定める事項
厚生労働大臣は、第一項の認定の申請があつた場合において、その実施計画が青少年の実践的な職業能力の開発 及び向上を図るために効果的な実習併用職業訓練に関する基準として厚生労働省令で定める基準に適合すると認めるときは、その認定をすることができる。
前条第三項の認定を受けた事業主(以下「認定事業主」という。)は、当該認定に係る実施計画を変更しようとするときは、厚生労働大臣の認定を受けなければならない。
厚生労働大臣は、前条第三項の認定に係る実施計画(前項の規定による変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下 この節において「認定実施計画」という。)が、同条第三項の厚生労働省令で定める基準に適合しなくなつたと認めるとき、又は認定事業主が認定実施計画に従つて実習併用職業訓練を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
前条第三項の規定は、第一項の認定について準用する。
認定事業主は、認定実施計画に係る実習併用職業訓練(以下「認定実習併用職業訓練」という。)を実施するときは、労働者の募集の広告 その他の厚生労働省令で定めるもの(次項において「広告等」という。)に、厚生労働省令で定めるところにより、当該認定実習併用職業訓練が実施計画の認定を受けている旨の表示を付することができる。
何人も、前項の規定による場合を除くほか、広告等に同項の表示 又は これと紛らわしい表示を付してはならない。
承認中小事業主団体の構成員である中小事業主(認定事業主に限る。以下同じ。)が、当該承認中小事業主団体をして認定実習併用職業訓練を担当する者(以下「訓練担当者」という。)の募集を行わせようとする場合において、当該承認中小事業主団体が当該募集に従事しようとするときは、職業安定法第三十六条第一項 及び第三項の規定は、当該構成員である中小事業主については、適用しない。
この条 及び次条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
中小事業主
中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成三年法律第五十七号)第二条第一項第一号から 第三号までに掲げる者をいう。
承認中小事業主団体
事業協同組合、協同組合連合会 その他の特別の法律により設立された組合 若しくは その連合会であつて厚生労働省令で定めるもの又は一般社団法人で中小事業主を直接 又は間接の構成員とするもの(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。以下 この号において「事業協同組合等」という。)であつて、その構成員である中小事業主に対し、認定実習併用職業訓練の適切かつ有効な実施を図るための人材確保に関する相談 及び援助を行うものとして、当該事業協同組合等の申請に基づき厚生労働大臣がその定める基準により適当であると承認したものをいう。
厚生労働大臣は、承認中小事業主団体が前項第二号の相談 及び援助を行うものとして適当でなくなつたと認めるときは、同号の承認を取り消すことができる。
第一項の承認中小事業主団体は、当該募集に従事しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、募集時期、募集人員、募集地域 その他の訓練担当者の募集に関する事項で厚生労働省令で定めるものを厚生労働大臣に届け出なければならない。
職業安定法第三十七条第二項の規定は前項の規定による届出があつた場合について、同法第五条の三第一項 及び第四項、第五条の四第一項 及び第二項、第五条の五、第三十九条、第四十一条第二項、第四十二条、第四十八条の三第一項、第四十八条の四、第五十条第一項 及び第二項 並びに第五十一条の規定は前項の規定による届出をして訓練担当者の募集に従事する者について、同法第四十条の規定は同項の規定による届出をして訓練担当者の募集に従事する者に対する報酬の供与について、同法第五十条第三項 及び第四項の規定は この項において準用する同条第二項に規定する職権を行う場合について準用する。
この場合において、
同法第三十七条第二項中
「労働者の募集を行おうとする者」とあるのは
「職業能力開発促進法第二十六条の六第四項の規定による届出をして同条第一項に規定する訓練担当者の募集に従事しようとする者」と、
同法第四十一条第二項中
「当該労働者の募集の業務の廃止を命じ、又は期間」とあるのは
「期間」と
読み替えるものとする。
職業安定法第三十六条第二項 及び第四十二条の二の規定の適用については、
同項中
「前項の」とあるのは
「被用者以外の者をして職業能力開発促進法第二十六条の六第一項に規定する訓練担当者の募集に従事させようとする者がその被用者以外の者に与えようとする」と、
同条中
「第三十九条に規定する募集受託者」とあるのは
「職業能力開発促進法第二十六条の六第四項の規定による届出をして同条第一項に規定する訓練担当者の募集に従事する者」と、
「同項に」とあるのは
「次項に」と
する。
厚生労働大臣は、承認中小事業主団体に対し、第二項第二号の相談 及び援助の実施状況について報告を求めることができる。
公共職業安定所は、前条第四項の規定による届出をして訓練担当者の募集に従事する承認中小事業主団体に対して、雇用情報 及び職業に関する調査研究の成果を提供し、かつ、これらに基づき当該募集の内容 又は方法について指導することにより、当該募集の効果的かつ適切な実施の促進に努めなければならない。
第六節 職業能力開発総合大学校
職業能力開発総合大学校は、公共職業訓練 その他の職業訓練の円滑な実施 その他 職業能力の開発 及び向上の促進に資するため、公共職業訓練 及び認定職業訓練(以下「準則訓練」という。)において訓練を担当する者(以下「職業訓練指導員」という。)になろうとする者 又は職業訓練指導員に対し、必要な技能 及びこれに関する知識を付与することによつて、職業訓練指導員を養成し、又は その能力の向上に資するための訓練(以下「指導員訓練」という。)、職業訓練のうち準則訓練の実施の円滑化に資するものとして厚生労働省令で定めるもの並びに職業能力の開発 及び向上に関する調査 及び研究を総合的に行うものとする。
職業能力開発総合大学校は、前項に規定する業務を行うほか、この法律の規定による職業能力の開発 及び向上に関し必要な業務で厚生労働省令で定めるものを行うことができる。
国は、職業能力開発総合大学校を設置する。
職業能力開発総合大学校でないものは、その名称中に職業能力開発総合大学校という文字を用いてはならない。
第十五条の七第二項 及び第四項(第二号を除く。)、第十六条第三項(国が設置する公共職業能力開発施設に係る部分に限る。)及び第五項 並びに第二十三条第三項 及び第四項の規定は職業能力開発総合大学校について、第十九条から 第二十二条までの規定は職業能力開発総合大学校において行う職業訓練について準用する。
この場合において、
第十五条の七第二項中
「当該各号に規定する職業訓練」とあり、及び同条第四項中
「第一項各号に規定する職業訓練」とあるのは
「第二十七条第一項に規定する業務」と、
第二十一条第一項 及び第二十二条中
「公共職業能力開発施設」とあるのは
「職業能力開発総合大学校」と、
第二十三条第三項 及び第四項中
「公共職業訓練を受ける」とあるのは
「指導員訓練(第二十七条第一項に規定する指導員訓練をいう。)又は職業訓練を受ける」と
読み替えるものとする。
第七節 職業訓練指導員等
指導員訓練の訓練課程の区分 及び訓練課程ごとの教科、訓練時間、設備 その他の事項に関する基準については、厚生労働省令で定める。
第二十二条 及び第二十四条第一項から 第三項までの規定は、指導員訓練について準用する。
この場合において、
第二十二条中
「公共職業能力開発施設の長」とあるのは
「職業能力開発総合大学校の長 及び第二十七条の二第二項において準用する第二十四条第一項の認定に係る第二十七条第一項に規定する指導員訓練を行う事業主等」と、
第二十四条第一項 及び第三項中
「第十九条第一項」とあるのは
「第二十七条の二第一項」と
読み替えるものとする。
準則訓練のうち普通職業訓練(短期間の訓練課程で厚生労働省令で定めるものを除く。以下 この項において同じ。)における職業訓練指導員は、都道府県知事の免許を受けた者(都道府県 又は市町村が設置する公共職業能力開発施設の行う普通職業訓練における職業訓練指導員にあつては、厚生労働省令で定める基準に従い当該都道府県 又は市町村の条例で定める者)でなければならない。
前項の免許(以下「職業訓練指導員免許」という。)は、厚生労働省令で定める職種ごとに行なう。
職業訓練指導員免許は、申請に基づき、次の各号のいずれかに該当する者に対して、免許証を交付して行なう。
指導員訓練のうち厚生労働省令で定める訓練課程を修了した者
第三十条第一項の職業訓練指導員試験に合格した者
職業訓練指導員の業務に関して前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者
前項第三号に掲げる者の範囲は、厚生労働省令で定める。
次の各号のいずれかに該当する者は、第三項の規定にかかわらず、職業訓練指導員免許を受けることができない。
心身の故障により職業訓練指導員の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
禁錮以上の刑に処せられた者
職業訓練指導員免許の取消しを受け、当該取消しの日から二年を経過しない者
都道府県知事は、職業訓練指導員免許を受けた者が前条第五項第一号 又は第二号に該当するに至つたときは、当該職業訓練指導員免許を取り消さなければならない。
都道府県知事は、職業訓練指導員免許を受けた者に職業訓練指導員としてふさわしくない非行があつたときは、当該職業訓練指導員免許を取り消すことができる。
職業訓練指導員試験は、厚生労働大臣が毎年定める職業訓練指導員試験に関する計画に従い、 都道府県知事が行う。
前項の職業訓練指導員試験(以下「職業訓練指導員試験」という。)は、実技試験 及び学科試験によつて行なう。
職業訓練指導員試験を受けることができる者は、次の者とする。
第四十四条第一項の技能検定に合格した者
厚生労働省令で定める実務の経験を有する者
前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者
前項第三号に掲げる者の範囲は、厚生労働省令で定める。
都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、一定の資格を有する者に対して、第二項の実技試験 又は学科試験の全部 又は一部を免除することができる。
第二十八条第五項第二号 又は第三号に該当する者は、職業訓練指導員試験を受けることができない。
準則訓練のうち高度職業訓練(短期間の訓練課程で厚生労働省令で定めるものを除く。以下 この項において同じ。)における職業訓練指導員は、当該訓練に係る教科につき、第二十八条第三項各号に掲げる者と同等以上の能力を有する者のうち、相当程度の知識 又は技能を有する者として厚生労働省令で定める者(都道府県 又は指定都市が設置する公共職業能力開発施設の行う高度職業訓練にあつては、厚生労働省令で定める基準を参酌して当該都道府県 又は指定都市の条例で定める者)であつて、同条第五項各号のいずれかに該当する者以外の者でなければならない。
第二十八条第一項に規定する職業訓練(都道府県 又は市町村が設置する公共職業能力開発施設の行うものを除く。)における職業訓練指導員については、当該職業訓練指導員が当該職業訓練に係る教科につき同条第三項各号に掲げる者と同等以上の能力を有する者として厚生労働省令で定める者(同条第五項各号のいずれかに該当する者を除く。)に該当するときは、当該教科に関しては、同条第一項の規定にかかわらず、職業訓練指導員免許を受けた者であることを要しない。
第八節 キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルタントの名称を用いて、キャリアコンサルティングを行うことを業とする。
キャリアコンサルタント試験は、厚生労働大臣が行う。
前項のキャリアコンサルタント試験(以下 この節において「キャリアコンサルタント試験」という。)は、学科試験 及び実技試験によつて行う。
次の各号のいずれかに該当する者でなければ、キャリアコンサルタント試験を受けることができない。
キャリアコンサルティングに必要な知識 及び技能に関する講習で厚生労働省令で定めるものの課程を修了した者
厚生労働省令で定める実務の経験を有する者
前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働省令で定めるもの
厚生労働大臣は、厚生労働省令で定める資格を有する者に対し、第二項の学科試験 又は実技試験の全部 又は一部を免除することができる。
厚生労働大臣は、厚生労働大臣の登録を受けた法人(以下「登録試験機関」という。)に、キャリアコンサルタント試験の実施に関する業務(以下「資格試験業務」という。)を行わせることができる。
前項の登録を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
名称 及び住所 並びに代表者の氏名
資格試験業務を行う事業所の所在地
前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
厚生労働大臣は、第一項の規定により登録試験機関に資格試験業務を行わせるときは、資格試験業務を行わないものとする。
厚生労働大臣は、前条第二項の規定により登録の申請を行う者(以下 この条 及び次条において「申請者」という。)が、次の各号のいずれかに該当するときは、登録をしてはならない。
この法律 又は この法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
第三十条の十五の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
申請者の役員のうちに第一号に該当する者がある者
申請者の役員のうちに第三十条の十二第一項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者がある者
厚生労働大臣は、申請者が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、その登録をしなければならない。
この場合において、登録に関して必要な手続は、厚生労働省令で定める。
次に掲げる科目について試験を行うこと。
この法律 その他関係法令に関する科目
キャリアコンサルティングの理論に関する科目
キャリアコンサルティングの実務に関する科目
その他 厚生労働省令で定める科目
次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する試験委員が試験の問題の作成 及び採点を行うこと。
学校教育法による大学において心理学、社会学 若しくは経営学に関する科目を担当する教授 若しくは准教授の職にあり、又は これらの職にあつた者
キャリアコンサルティングに五年以上従事した経験を有する者
イ 又はロに掲げる者と同等以上の知識 及び経験を有する者
資格試験業務の信頼性の確保のための次に掲げる措置がとられていること。
資格試験業務に関する規程(試験に関する秘密の保持に関することを含む。以下「試験業務規程」という。)に従い資格試験業務の管理を行う専任の部門を置くこと。
イに掲げるもののほか、 資格試験業務の信頼性を確保するための措置として厚生労働省令で定めるもの
第三十条の五第一項の登録は、登録試験機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
第三十条の五第二項各号に掲げる事項
登録試験機関は、前条第二項第二号に掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
登録試験機関は、役員 又は試験委員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
登録試験機関は、試験業務規程を定め、資格試験業務の開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
試験業務規程には、資格試験業務の実施方法、試験に関する料金 その他の厚生労働省令で定める事項を定めなければならない。
厚生労働大臣は、第一項の認可をした試験業務規程が試験の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、登録試験機関に対し、その試験業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
登録試験機関は、厚生労働大臣の許可を受けなければ、 資格試験業務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
登録試験機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表 及び損益計算書 又は収支計算書 並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項 及び第百五条の二において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間、その事務所に備えて置かなければならない。
キャリアコンサルタント試験を受けようとする者 その他の利害関係人は、登録試験機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号の請求をするには、登録試験機関の定めた費用を支払わなければならない。
財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
前号の書面の謄本 又は抄本の請求
財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて厚生労働省令で定めるものをいう。)により提供することの請求 又は当該事項を記載した書面の交付の請求
厚生労働大臣は、登録試験機関の役員 又は試験委員が、この法律、この法律に基づく命令 若しくは処分 若しくは試験業務規程に違反する行為をしたとき、又は資格試験業務の実施に関し著しく不適当な行為をしたときは、登録試験機関に対し、当該役員 又は試験委員の解任を命ずることができる。
前項の規定による命令により試験委員の職を解任され、解任の日から二年を経過しない者は、試験委員となることができない。
登録試験機関の役員 若しくは職員(試験委員を含む。次項において同じ。)又は これらの職にあつた者は、資格試験業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
資格試験業務に従事する登録試験機関の役員 及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
厚生労働大臣は、登録試験機関が第三十条の七第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該登録試験機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
厚生労働大臣は、前項に定めるもののほか、資格試験業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、登録試験機関に対し、資格試験業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
厚生労働大臣は、登録試験機関が第三十条の六各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、その登録を取り消さなければならない。
厚生労働大臣は、登録試験機関が次の各号のいずれかに該当するときは、当該登録試験機関に対し、その登録を取り消し、又は期間を定めて資格試験業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。
不正の手段により第三十条の五第一項の登録を受けたとき。
第三十条の九第一項の認可を受けた試験業務規程によらないで資格試験業務を行つたとき。
第三十条の九第三項、第三十条の十二第一項 又は前条の規定による命令に違反したとき。
第三十条の十、第三十条の十一第一項 又は次条の規定に違反したとき。
正当な理由がないのに第三十条の十一第二項の規定による請求を拒んだとき。
登録試験機関は、帳簿を備え、資格試験業務に関し厚生労働省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
厚生労働大臣は、資格試験業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、登録試験機関に対して資格試験業務に関し必要な報告を求め、 又は その職員に、登録試験機関の事務所に立ち入り、資格試験業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。
前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
第三十条の五第一項の登録をしたとき。
第三十条の八第一項の規定による届出があつたとき。
第三十条の十の許可をしたとき。
第三十条の十五の規定により登録を取り消したとき。
第三十条の十五第二項の規定により資格試験業務の全部 又は一部の停止の命令をしたとき。
キャリアコンサルタント試験に合格した者は、厚生労働省に備えるキャリアコンサルタント名簿に、氏名、事務所の所在地 その他 厚生労働省令で定める事項の登録を受けて、キャリアコンサルタントとなることができる。
次の各号のいずれかに該当する者は、前項の登録を受けることができない。
心身の故障によりキャリアコンサルタントの業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
この法律 又は この法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
この法律 及び この法律に基づく命令以外の法令に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から 二年を経過しない者
第三十条の二十二第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
第一項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、 その期間の経過によつて、その効力を失う。
前項の更新に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
厚生労働大臣は、キャリアコンサルタントの登録をしたときは、申請者に前条第一項に規定する事項を記載したキャリアコンサルタント登録証(次条第二項において「登録証」という。)を交付する。
キャリアコンサルタントは、第三十条の十九第一項に規定する事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
キャリアコンサルタントは、前項の規定による届出をするときは、当該届出に登録証を添えて提出し、その訂正を受けなければならない。
厚生労働大臣は、キャリアコンサルタントが第三十条の十九第二項第一号から 第三号までのいずれかに該当するに至つたときは、その登録を取り消さなければならない。
厚生労働大臣は、キャリアコンサルタントが第三十条の二十七の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めてキャリアコンサルタントの名称の使用の停止を命ずることができる。
厚生労働大臣は、キャリアコンサルタントの登録がその効力を失つたときは、その登録を消除しなければならない。
厚生労働大臣は、厚生労働大臣の指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、キャリアコンサルタントの登録の実施に関する事務(以下「登録事務」という。)を行わせることができる。
前項の指定は、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
指定登録機関が登録事務を行う場合における第三十条の十九第一項、第三十条の二十、第三十条の二十一第一項 及び前条の規定の適用については、
第三十条の十九第一項中
「厚生労働省に」とあるのは
「指定登録機関に」と、
第三十条の二十、第三十条の二十一第一項 及び前条中
「厚生労働大臣」とあるのは
「指定登録機関」と
する。
厚生労働大臣は、他に指定を受けた者がなく、 かつ、前条第二項の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
職員、設備、登録事務の実施の方法 その他の事項についての登録事務の実施に関する計画が、登録事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
前号の登録事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的 及び技術的な基礎を有するものであること。
営利を目的としない法人であること。
第三十条の五第三項、第三十条の六、第三十条の八第二項、第三十条の九、第三十条の十、第三十条の十二第一項 及び第三十条の十三から 第三十条の十八まで(第三十条の十五第二項第五号 及び第三十条の十八第二号を除く。)の規定は、第三十条の二十四第一項の指定、指定登録機関 及び登録事務について準用する。
この場合において、
第三十条の五第三項中
「第一項」とあるのは
「第三十条の二十四第一項」と、
第三十条の六中
「前条第二項」とあるのは
「第三十条の二十四第二項」と、
第三十条の八第二項中
「役員 又は試験委員」とあるのは
「役員」と、
第三十条の九第一項中
「試験業務規程」とあるのは
「登録事務に関する規程(以下「登録事務規程」という。)」と、
同条第二項中
「試験業務規程」とあるのは
「登録事務規程」と、
「実施方法、試験に関する料金」とあるのは
「実施方法」と、
同条第三項中
「試験業務規程」とあるのは
「登録事務規程」と、
「試験の」とあるのは
「登録事務の」と、
第三十条の十二第一項中
「役員 又は試験委員」とあるのは
「役員」と、
「試験業務規程」とあるのは
「登録事務規程」と、
第三十条の十三第一項中
「職員(試験委員を含む。次項において同じ。)」とあるのは
「職員」と、
第三十条の十四第一項中
「第三十条の七第一項各号」とあるのは
「第三十条の二十五各号」と、
第三十条の十五第二項第一号中
「第三十条の五第一項」とあるのは
「第三十条の二十四第一項」と、
同項第二号中
「試験業務規程」とあるのは
「登録事務規程」と、
同項第四号中
「第三十条の十、第三十条の十一第一項」とあるのは
「第三十条の十」と、
第三十条の十八第一号中
「第三十条の五第一項」とあるのは
「第三十条の二十四第一項」と
読み替えるものとする。
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルタントの信用を傷つけ、 又はキャリアコンサルタント全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
キャリアコンサルタントは、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
キャリアコンサルタントでなくなつた後においても、同様とする。
キャリアコンサルタントでない者は、キャリアコンサルタント 又は これに紛らわしい名称を用いてはならない。
この節に定めるもののほか、キャリアコンサルタント試験、キャリアコンサルタントの登録 その他 この節の規定の施行に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。