裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣 又は株主、社員、債権者 その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。
会社法
第七編 雑則
第一章 会社の解散命令等
第一節 会社の解散命令
会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。
会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。
業務執行取締役、執行役 又は業務を執行する社員が、法令 若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し 若しくは濫用する行為 又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。
株主、社員、債権者 その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項 及び第七項 並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。
裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣 若しくは株主、社員、債権者 その他の利害関係人の申立てにより 又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。
裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。
裁判所は、法務大臣 若しくは株主、社員、債権者 その他の利害関係人の申立てにより 又は職権で、前項の管理人を解任することができる。
裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第二項の管理人は、裁判所が監督する。
裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。
民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条 及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。
この場合において、
同法第六百四十六条、第六百四十七条 及び第六百五十条中
「委任者」とあるのは、
「会社」と
読み替えるものとする。
裁判所 その他の官庁、検察官 又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て 又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。
第二節 外国会社の取引継続禁止又は営業所閉鎖の命令
裁判所は、次に掲げる場合には、法務大臣 又は株主、社員、債権者 その他の利害関係人の申立てにより、外国会社が日本において取引を継続してすることの禁止 又はその日本に設けられた営業所の閉鎖を命ずることができる。
外国会社の事業が不法な目的に基づいて行われたとき。
外国会社が正当な理由がないのに外国会社の登記の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。
外国会社が正当な理由がないのに支払を停止したとき。
外国会社の日本における代表者 その他その業務を執行する者が、法令で定める外国会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為 又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。
第八百二十四条第二項から第四項まで 及び前二条の規定は、前項の場合について準用する。
この場合において、
第八百二十四条第二項中
「前項」とあり、
同条第三項 及び第四項中
「第一項」とあり、
並びに第八百二十五条第一項中
「前条第一項」とあるのは
「第八百二十七条第一項」と、
前条中
「第八百二十四条第一項」とあるのは
「次条第一項」と、
「同項第三号」とあるのは
「同項第四号」と
読み替えるものとする。
第二章 訴訟
第一節 会社の組織に関する訴え
次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
会社の設立
会社の成立の日から二年以内
株式会社の成立後における株式の発行
株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)
自己株式の処分
自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内)
新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下 この章において同じ。)の発行
新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内)
株式会社における資本金の額の減少
資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内
会社の組織変更
組織変更の効力が生じた日から六箇月以内
会社の吸収合併
吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内
会社の新設合併
新設合併の効力が生じた日から六箇月以内
会社の吸収分割
吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内
会社の新設分割
新設分割の効力が生じた日から六箇月以内
株式会社の株式交換株式交換の効力が生じた日から六箇月以内
株式会社の株式移転
株式移転の効力が生じた日から六箇月以内
株式会社の株式交付株式
交付の効力が生じた日から六箇月以内
次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。
前項第一号に掲げる行為
設立する株式会社の株主等(株主、取締役 又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役 又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役 又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員 又は清算人をいう。以下この項において同じ。)
前項第二号に掲げる行為
当該株式会社の株主等
前項第三号に掲げる行為
当該株式会社の株主等
前項第四号に掲げる行為
当該株式会社の株主等 又は新株予約権者
前項第五号に掲げる行為
当該株式会社の株主等、破産管財人 又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者
前項第六号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは組織変更について承認をしなかった債権者
前項第七号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者
前項第八号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは新設合併について承認をしなかった債権者
前項第九号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者
前項第十号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は新設分割をする会社 若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは新設分割について承認をしなかった債権者
前項第十一号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等 若しくは社員等であった者 又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人 若しくは株式交換について承認をしなかった債権者
前項第十二号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者 又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人 若しくは株式移転について承認をしなかった債権者
前項第十三号に掲げる行為
当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式 若しくは新株予約権等を譲り渡した者 又は株式交付親会社の株主等、破産管財人 若しくは株式交付について承認をしなかった債権者
次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。
株主総会 若しくは種類株主総会 又は創立総会 若しくは種類創立総会(以下 この節 及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。
株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。
次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会 又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役 又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。
当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役。以下 この項において同じ。)、監査役 若しくは清算人(当該決議が株主総会 又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役 又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会 又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役 又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
株主総会等の招集の手続 又は決議の方法が法令 若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続 又は決議の方法が法令 又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。
次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める者は、持分会社の成立の日から二年以内に、訴えをもって持分会社の設立の取消しを請求することができる。
社員が民法 その他の法律の規定により設立に係る意思表示を取り消すことができるとき
当該社員
社員がその債権者を害することを知って持分会社を設立したとき
当該債権者
次に掲げる場合において、やむを得ない事由があるときは、総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 又は発行済株式(自己株式を除く。)の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、訴えをもって株式会社の解散を請求することができる。
株式会社が業務の執行において著しく困難な状況に至り、当該株式会社に回復することができない損害が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。
株式会社の財産の管理 又は処分が著しく失当で、当該株式会社の存立を危うくするとき。
やむを得ない事由がある場合には、持分会社の社員は、訴えをもって持分会社の解散を請求することができる。
次の各号に掲げる訴え(以下 この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。
会社の設立の無効の訴え
設立する会社
株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。)
株式の発行をした株式会社
自己株式の処分の無効の訴え
自己株式の処分をした株式会社
新株予約権の発行の無効の訴え
新株予約権の発行をした株式会社
株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え
当該株式会社
会社の組織変更の無効の訴え
組織変更後の会社
会社の吸収合併の無効の訴え
吸収合併後存続する会社
会社の新設合併の無効の訴え
新設合併により設立する会社
会社の吸収分割の無効の訴え
吸収分割契約をした会社
会社の新設分割の無効の訴え
新設分割をする会社 及び新設分割により設立する会社
株式会社の株式交換の無効の訴え
株式交換契約をした会社
株式会社の株式移転の無効の訴え
株式移転をする株式会社 及び株式移転により設立する株式会社
株式会社の株式交付の無効の訴え
株式交付親会社
株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え
株式の発行をした株式会社
自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え
自己株式の処分をした株式会社
新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え
新株予約権の発行をした株式会社
株主総会等の決議が存在しないこと 又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え
当該株式会社
株主総会等の決議の取消しの訴え
当該株式会社
第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え
当該持分会社
第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え
当該持分会社 及び同号の社員
株式会社の解散の訴え
当該株式会社
持分会社の解散の訴え
当該持分会社
会社の組織に関する訴えは、被告となる会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
前条第九号から第十二号までの規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、当該各号に掲げる訴えは、先に訴えの提起があった地方裁判所が管轄する。
前項の場合には、裁判所は、当該訴えに係る訴訟がその管轄に属する場合においても、著しい損害 又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てにより 又は職権で、訴訟を他の管轄裁判所に移送することができる。
会社の組織に関する訴えであって、株主 又は設立時株主が提起することができるものについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該会社の組織に関する訴えを提起した株主 又は設立時株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
ただし、当該株主が取締役、監査役、執行役 若しくは清算人であるとき、又は当該設立時株主が設立時取締役 若しくは設立時監査役であるときは、この限りでない。
前項の規定は、会社の組織に関する訴えであって、債権者 又は株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式 若しくは新株予約権等を譲り渡した者が提起することができるものについて準用する。
被告は、第一項(前項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。
同一の請求を目的とする会社の組織に関する訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論 及び裁判は、併合してしなければならない。
会社の組織に関する訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対しても その効力を有する。
会社の組織に関する訴え(第八百三十四条第一号から第十二号の二まで、第十八号 及び第十九号に掲げる訴えに限る。)に係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされ、又は取り消された行為(当該行為によって会社が設立された場合にあっては当該設立を含み、当該行為に際して株式 又は新株予約権が交付された場合にあっては当該株式 又は新株予約権を含む。)は、将来に向かってその効力を失う。
新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額 又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。
この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該株式に係る旧株券(前条の規定により効力を失った株式に係る株券をいう。以下 この節において同じ。)を返還することを請求することができる。
前項の金銭の金額が同項の判決が確定した時における会社財産の状況に照らして著しく不相当であるときは、裁判所は、同項前段の株式会社 又は株主の申立てにより、当該金額の増減を命ずることができる。
前項の申立ては、同項の判決が確定した日から六箇月以内にしなければならない。
第一項前段に規定する場合には、同項前段の株式を目的とする質権は、同項の金銭について存在する。
第一項前段に規定する場合には、前項の質権の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社から同項の金銭を受領し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済に充てることができる。
前項の債権の弁済期が到来していないときは、同項の登録株式質権者は、第一項前段の株式会社に同項の金銭に相当する金額を供託させることができる。
この場合において、質権は、その供託金について存在する。
自己株式の処分の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該自己株式に係る株主に対し、払込みを受けた金額 又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。
この場合において、当該株式会社が株券発行会社であるときは、当該株式会社は、当該株主に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、当該自己株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。
前条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。
この場合において、
同条第四項中
「株式」とあるのは、
「自己株式」と
読み替えるものとする。
新株予約権の発行の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該株式会社は、当該判決の確定時における当該新株予約権に係る新株予約権者に対し、払込みを受けた金額 又は給付を受けた財産の給付の時における価額に相当する金銭を支払わなければならない。
この場合において、当該新株予約権に係る新株予約権証券(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債に係る新株予約権付社債券。以下 この項において同じ。)を発行しているときは、当該株式会社は、当該新株予約権者に対し、当該金銭の支払をするのと引換えに、第八百三十九条の規定により効力を失った新株予約権に係る新株予約権証券を返還することを請求することができる。
第八百四十条第二項から第六項までの規定は、前項の場合について準用する。
この場合において、
同条第二項中
「株主」とあるのは
「新株予約権者」と、
同条第四項中
「株式」とあるのは
「新株予約権」と、
同条第五項 及び第六項中
「登録株式質権者」とあるのは
「登録新株予約権質権者」と
読み替えるものとする。
次の各号に掲げる行為の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該行為をした会社は、当該行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が負担した債務について、連帯して弁済する責任を負う。
会社の吸収合併
吸収合併後存続する会社
会社の新設合併
新設合併により設立する会社
会社の吸収分割
吸収分割をする会社がその事業に関して有する権利義務の全部 又は一部を当該会社から承継する会社
会社の新設分割
新設分割により設立する会社
前項に規定する場合には、同項各号に掲げる行為の効力が生じた日後に当該各号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした会社の共有に属する。
ただし、同項第四号に掲げる行為を一の会社がした場合には、同号に定める会社が取得した財産は、当該行為をした一の会社に属する。
第一項 及び前項本文に規定する場合には、各会社の第一項の債務の負担部分 及び前項本文の財産の共有持分は、各会社の協議によって定める。
各会社の第一項の債務の負担部分 又は第二項本文の財産の共有持分について、前項の協議が調わないときは、裁判所は、各会社の申立てにより、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時における各会社の財産の額 その他一切の事情を考慮して、これを定める。
株式会社の株式交換 又は株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交換 又は株式移転をする株式会社(以下 この条において「旧完全子会社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式会社(以下 この条において「旧完全親会社」という。)が当該株式交換 又は株式移転に際して当該旧完全親会社の株式(以下 この条において「旧完全親会社株式」という。)を交付したときは、当該旧完全親会社は、当該判決の確定時における当該旧完全親会社株式に係る株主に対し、当該株式交換 又は株式移転の際に当該旧完全親会社株式の交付を受けた者が有していた旧完全子会社の株式(以下 この条において「旧完全子会社株式」という。)を交付しなければならない。
この場合において、旧完全親会社が株券発行会社であるときは、当該旧完全親会社は、当該株主に対し、当該旧完全子会社株式を交付するのと引換えに、当該旧完全親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。
前項前段に規定する場合には、旧完全親会社株式を目的とする質権は、旧完全子会社株式について存在する。
前項の質権の質権者が登録株式質権者であるときは、旧完全親会社は、第一項の判決の確定後遅滞なく、旧完全子会社に対し、当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を通知しなければならない。
前項の規定による通知を受けた旧完全子会社は、その株主名簿に同項の登録株式質権者の質権の目的である株式に係る株主名簿記載事項を記載し、又は記録した場合には、直ちに、当該株主名簿に当該登録株式質権者についての第百四十八条各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
第三項に規定する場合において、同項の旧完全子会社が株券発行会社であるときは、旧完全親会社は、登録株式質権者に対し、第二項の旧完全子会社株式に係る株券を引き渡さなければならない。
ただし、第一項前段の株主が旧完全子会社株式の交付を受けるために旧完全親会社株式に係る旧株券を提出しなければならない場合において、旧株券の提出があるまでの間は、この限りでない。
株式会社の株式交付の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、株式交付親会社が当該株式交付に際して当該株式交付親会社の株式(以下この条において「旧株式交付親会社株式」という。)を交付したときは、当該株式交付親会社は、当該判決の確定時における当該旧株式交付親会社株式に係る株主に対し、当該株式交付の際に当該旧株式交付親会社株式の交付を受けた者から給付を受けた株式交付子会社の株式 及び新株予約権等(以下この条において「旧株式交付子会社株式等」という。)を返還しなければならない。
この場合において、株式交付親会社が株券発行会社であるときは、当該株式交付親会社は、当該株主に対し、当該旧株式交付子会社株式等を返還するのと引換えに、当該旧株式交付親会社株式に係る旧株券を返還することを請求することができる。
前項前段に規定する場合には、旧株式交付親会社株式を目的とする質権は、旧株式交付子会社株式等について存在する。
持分会社の設立の無効 又は取消しの訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合において、その無効 又は取消しの原因が一部の社員のみにあるときは、他の社員の全員の同意によって、当該持分会社を継続することができる。
この場合においては、当該原因がある社員は、退社したものとみなす。
会社の組織に関する訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意 又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。
第一節の二 売渡株式等の取得の無効の訴え
株式等売渡請求に係る売渡株式等の全部の取得の無効は、取得日(第百七十九条の二第一項第五号に規定する取得日をいう。以下 この条において同じ。)から六箇月以内(対象会社が公開会社でない場合にあっては、当該取得日から一年以内)に、訴えをもってのみ主張することができる。
前項の訴え(以下 この節において「売渡株式等の取得の無効の訴え」という。)は、次に掲げる者に限り、提起することができる。
取得日において売渡株主(株式売渡請求に併せて新株予約権売渡請求がされた場合にあっては、売渡株主 又は売渡新株予約権者。第八百四十六条の五第一項において同じ。)であった者
取得日において対象会社の取締役(監査役設置会社にあっては取締役 又は監査役、指名委員会等設置会社にあっては取締役 又は執行役。以下 この号において同じ。)であった者又は対象会社の取締役 若しくは清算人
売渡株式等の取得の無効の訴えについては、特別支配株主を被告とする。
売渡株式等の取得の無効の訴えは、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
売渡株式等の取得の無効の訴えについては、裁判所は、被告の申立てにより、当該売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した売渡株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
ただし、当該売渡株主が対象会社の取締役、監査役、執行役 又は清算人であるときは、この限りでない。
被告は、前項の申立てをするには、原告の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。
同一の請求を目的とする売渡株式等の取得の無効の訴えに係る訴訟が数個同時に係属するときは、その弁論 及び裁判は、併合してしなければならない。
売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決は、第三者に対しても その効力を有する。
売渡株式等の取得の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、当該判決において無効とされた売渡株式等の全部の取得は、将来に向かってその効力を失う。
売渡株式等の取得の無効の訴えを提起した原告が敗訴した場合において、原告に悪意 又は重大な過失があったときは、原告は、被告に対し、連帯して損害を賠償する責任を負う。
第二節 株式会社における責任追及等の訴え
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面 その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。)若しくは清算人(以下 この節において「発起人等」という。)の責任を追及する訴え、第百二条の二第一項、第二百十二条第一項 若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え 又は第二百十三条の二第一項 若しくは第二百八十六条の二第一項の規定による支払 若しくは給付を求める訴え(以下 この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。
ただし、責任追及等の訴えが当該株主 若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、
同項中
「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、
「株主」と
する。
株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。
株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該請求をした株主 又は同項の発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面 その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
第一項 及び第三項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項の株主は、株式会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。
ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き株式会社の株主であった者(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主であった者を除く。以下 この条において「旧株主」という。)は、当該株式会社の株主でなくなった場合であっても、当該各号に定めるときは、当該株式会社(第二号に定める場合にあっては、同号の吸収合併後存続する株式会社。以下 この節において「株式交換等完全子会社」という。)に対し、書面 その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴え(次の各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務に係るものに限る。以下 この条において同じ。)の提起を請求することができる。
ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主 若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社 若しくは次の各号の完全親会社(特定の株式会社の発行済株式の全部を有する株式会社 その他これと同等のものとして法務省令で定める株式会社をいう。以下 この節において同じ。)に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
当該株式会社の株式交換 又は株式移転
当該株式交換 又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。
当該株式会社が吸収合併により消滅する会社となる吸収合併
当該吸収合併により、吸収合併後存続する株式会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。
公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、
同項中
「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日の六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から当該日まで引き続き」とあるのは、
「次の各号に掲げる行為の効力が生じた日において」と
する。
旧株主は、第一項各号の完全親会社の株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、株式交換等完全子会社に対し、書面 その他の法務省令で定める方法により、責任追及等の訴えの提起を請求することができる。
ただし、責任追及等の訴えが当該旧株主 若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式交換等完全子会社 若しくは次の各号の株式を発行している株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。
当該完全親会社の株式交換 又は株式移転により当該完全親会社の完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。
当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社 若しくはその完全親会社の株式を取得し、引き続き当該株式を有するとき。
前項の規定は、同項第一号(この項 又は次項において準用する場合を含む。以下 この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。
第三項の規定は、同項第二号(前項 又はこの項において準用する場合を含む。以下 この項において同じ。)に掲げる場合において、旧株主が同号の株式の株主でなくなったときについて準用する。
この場合において、
第三項(前項 又はこの項において準用する場合を含む。)中
「当該完全親会社」とあるのは、
「合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社 若しくはその完全親会社」と
読み替えるものとする。
株式交換等完全子会社が第一項 又は第三項(前二項において準用する場合を含む。以下 この条において同じ。)の規定による請求(以下 この条において「提訴請求」という。)の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該提訴請求をした旧株主は、株式交換等完全子会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる。
株式交換等完全子会社は、提訴請求の日から六十日以内に 責任追及等の訴えを提起しない場合において、当該提訴請求をした旧株主 又は当該提訴請求に係る責任追及等の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、責任追及等の訴えを提起しない理由を書面 その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
第一項、第三項 及び第六項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式交換等完全子会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、提訴請求をすることができる旧株主は、株式交換等完全子会社のために、直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。
株式交換等完全子会社に係る適格旧株主(第一項本文 又は第三項本文の規定によれば提訴請求をすることができることとなる旧株主をいう。以下 この節において同じ。)がある場合において、第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務を免除するときにおける第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項 及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、
これらの規定中
「総株主」とあるのは、
「総株主 及び第八百四十七条の二第九項に規定する適格旧株主の全員」と
する。
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社の最終完全親会社等(当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないものをいう。以下 この節において同じ。)の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主 又は当該最終完全親会社等の発行済株式(自己株式を除く。)の百分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を有する株主は、当該株式会社に対し、書面 その他の法務省令で定める方法により、特定責任に係る責任追及等の訴え(以下 この節において「特定責任追及の訴え」という。)の提起を請求することができる。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
特定責任追及の訴えが当該株主 若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社 若しくは当該最終完全親会社等に損害を加えることを目的とする場合
当該特定責任の原因となった事実によって当該最終完全親会社等に損害が生じていない場合
前項に規定する「完全親会社等」とは、次に掲げる株式会社をいう。
株式会社の発行済株式の全部を他の株式会社 及び その完全子会社等(株式会社がその株式 又は持分の全部を有する法人をいう。以下 この条 及び第八百四十九条第三項において同じ。)又は他の株式会社の完全子会社等が有する場合における当該 他の株式会社(完全親会社を除く。)
前項第二号の場合において、同号の他の株式会社 及びその完全子会社等 又は同号の他の株式会社の完全子会社等が他の法人の株式 又は持分の全部を有する場合における当該他の法人は、当該他の株式会社の完全子会社等とみなす。
第一項に規定する「特定責任」とは、当該株式会社の発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等 及びその完全子会社等(前項の規定により当該完全子会社等とみなされるものを含む。次項 及び第八百四十九条第三項において同じ。)における当該株式会社の株式の帳簿価額が当該最終完全親会社等の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超える場合における当該発起人等の責任をいう(第十項 及び同条第七項において同じ。)。
最終完全親会社等が、発起人等の責任の原因となった事実が生じた日において最終完全親会社等であった株式会社をその完全子会社等としたものである場合には、前項の規定の適用については、当該最終完全親会社等であった株式会社を同項の最終完全親会社等とみなす。
公開会社でない最終完全親会社等における第一項の規定の適用については、
同項中
「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式会社」とあるのは、
「株式会社」と
する。
株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しないときは、当該請求をした最終完全親会社等の株主は、株式会社のために、特定責任追及の訴えを提起することができる。
株式会社は、第一項の規定による請求の日から六十日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合において、当該請求をした最終完全親会社等の株主 又は当該請求に係る特定責任追及の訴えの被告となることとなる発起人等から請求を受けたときは、当該請求をした者に対し、遅滞なく、特定責任追及の訴えを提起しない理由を書面 その他の法務省令で定める方法により通知しなければならない。
第一項 及び第七項の規定にかかわらず、同項の期間の経過により株式会社に回復することができない損害が生ずるおそれがある場合には、第一項に規定する株主は、株式会社のために、直ちに特定責任追及の訴えを提起することができる。
ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
株式会社に最終完全親会社等がある場合において、特定責任を免除するときにおける第五十五条、第百三条第三項、第百二十条第五項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項ただし書、第四百六十四条第二項 及び第四百六十五条第二項の規定の適用については、
これらの規定中
「総株主」とあるのは、
「総株主 及び株式会社の第八百四十七条の三第一項に規定する最終完全親会社等の総株主」と
する。
第八百四十七条第三項 若しくは第五項、第八百四十七条の二第六項 若しくは第八項又は前条第七項 若しくは第九項の責任追及等の訴えは、訴訟の目的の価額の算定については、財産権上の請求でない請求に係る訴えとみなす。
株主等(株主、適格旧株主 又は最終完全親会社等の株主をいう。以下 この節において同じ。)が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主等に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
被告が前項の申立てをするには、責任追及等の訴えの提起が悪意によるものであることを疎明しなければならない。
責任追及等の訴えは、株式会社 又は株式交換等完全子会社(以下 この節において「株式会社等」という。)の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
株主等 又は株式会社等は、共同訴訟人として、又は当事者の一方を補助するため、責任追及等の訴え(適格旧株主にあっては第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務に係るものに限り、最終完全親会社等の株主にあっては特定責任追及の訴えに限る。)に係る訴訟に参加することができる。
ただし、不当に訴訟手続を遅延させることとなるとき、又は裁判所に対し過大な事務負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。
次の各号に掲げる者は、株式会社等の株主でない場合であっても、当事者の一方を補助するため、当該各号に定める者が提起した責任追及等の訴えに係る訴訟に参加することができる。
ただし、前項ただし書に規定するときは、この限りでない。
株式交換等完全親会社(第八百四十七条の二第一項各号に定める場合 又は同条第三項第一号(同条第四項 及び第五項において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。 )若しくは第二号(同条第四項 及び第五項において準用する場合を含む。以下 この号において同じ。 )に掲げる場合における株式交換等完全子会社の完全親会社(同条第一項各号に掲げる行為 又は同条第三項第一号の株式交換 若しくは株式移転 若しくは同項第二号の合併の効力が生じた時においてその完全親会社があるものを除く。 )であって、当該完全親会社の株式交換 若しくは株式移転 又は当該完全親会社が合併により消滅する会社となる合併によりその完全親会社となった株式会社がないものをいう。以下この条において同じ。)> 適格旧株主
最終完全親会社等
当該最終完全親会社等の株主
株式会社等、株式交換等完全親会社 又は最終完全親会社等が、当該株式会社等、当該株式交換等完全親会社の株式交換等完全子会社 又は当該最終完全親会社等の完全子会社等である株式会社の取締役(監査等委員 及び監査委員を除く。)、執行役 及び清算人 並びにこれらの者であった者を補助するため、責任追及等の訴えに係る訴訟に参加するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。
監査役設置会社
監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)
監査等委員会設置会社
各監査等委員
指名委員会等設置会社
各監査委員
株主等は、責任追及等の訴えを提起したときは、遅滞なく、当該株式会社等に対し、訴訟告知をしなければならない。
株式会社等は、責任追及等の訴えを提起したとき、又は前項の訴訟告知を受けたときは、遅滞なく、その旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。
株式会社等に株式交換等完全親会社がある場合であって、前項の責任追及等の訴え 又は訴訟告知が第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務に係るものであるときは、当該株式会社等は、前項の規定による公告 又は通知のほか、当該株式交換等完全親会社に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。
株式会社等に最終完全親会社等がある場合であって、第五項の責任追及等の訴え 又は訴訟告知が特定責任に係るものであるときは、当該株式会社等は、同項の規定による公告 又は通知のほか、当該最終完全親会社等に対し、遅滞なく、当該責任追及等の訴えを提起し、又は当該訴訟告知を受けた旨を通知しなければならない。
第六項の株式交換等完全親会社が株式交換等完全子会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定 及び前項の最終完全親会社等が株式会社の発行済株式の全部を有する場合における同項の規定の適用については、
これらの規定中
「のほか」とあるのは、
「に代えて」と
する。
公開会社でない株式会社等における第五項から第七項までの規定の適用については、
第五項中
「公告し、又は株主に通知し」とあるのは
「株主に通知し」と、
第六項 及び第七項中
「公告 又は通知」とあるのは
「通知」と
する。
次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する株式会社は、遅滞なく、その旨を公告し、又は当該各号に定める者に通知しなければならない。
株式交換等完全親会社が第六項の規定による通知を受けた場合
適格旧株主
最終完全親会社等が第七項の規定による通知を受けた場合
当該最終完全親会社等の株主
前項各号に規定する株式会社が公開会社でない場合における同項の規定の適用については、
同項中
「公告し、又は当該各号に定める者に通知し」とあるのは、
「当該各号に定める者に通知し」と
する。
株式会社等が、当該株式会社等の取締役(監査等委員 及び監査委員を除く。)、執行役 及び清算人 並びにこれらの者であった者の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解をするには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。
監査役設置会社
監査役(監査役が二人以上ある場合にあっては、各監査役)
監査等委員会設置会社
各監査等委員
指名委員会等設置会社
各監査委員
民事訴訟法第二百六十七条の規定は、株式会社等が責任追及等の訴えに係る訴訟における和解の当事者でない場合には、当該訴訟における訴訟の目的については、適用しない。
ただし、当該株式会社等の承認がある場合は、この限りでない。
前項に規定する場合において、裁判所は、株式会社等に対し、和解の内容を通知し、かつ、当該和解に異議があるときは二週間以内に異議を述べるべき旨を催告しなければならない。
株式会社等が前項の期間内に書面により異議を述べなかったときは、同項の規定による通知の内容で株主等が和解をすることを承認したものとみなす。
第五十五条、第百二条の二第二項、第百三条第三項、第百二十条第五項、第二百十三条の二第二項、第二百八十六条の二第二項、第四百二十四条(第四百八十六条第四項において準用する場合を含む。)、第四百六十二条第三項(同項ただし書に規定する分配可能額を超えない部分について負う義務に係る部分に限る。)、第四百六十四条第二項 及び第四百六十五条第二項の規定は、責任追及等の訴えに係る訴訟における和解をする場合には、適用しない。
責任追及等の訴えを提起した株主 又は第八百四十九条第一項の規定により共同訴訟人として当該責任追及等の訴えに係る訴訟に参加した株主が当該訴訟の係属中に株主でなくなった場合であっても、次に掲げるときは、その者が、訴訟を追行することができる。
その者が当該株式会社の株式交換 又は株式移転により当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき。
その者が当該株式会社が合併により消滅する会社となる合併により、合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社若しくはその完全親会社の株式を取得したとき。
前項の規定は、同項第一号(この項 又は次項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、前項の株主が同項の訴訟の係属中に当該株式会社の完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。
この場合において、
同項(この項 又は次項において準用する場合を含む。)中
「当該株式会社」とあるのは、
「当該完全親会社」と
読み替えるものとする。
第一項の規定は、同項第二号(前項 又はこの項において準用する場合を含む。)に掲げる場合において、第一項の株主が同項の訴訟の係属中に合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社 若しくはその完全親会社の株式の株主でなくなったときについて準用する。
この場合において、
同項(前項 又はこの項において準用する場合を含む。)中
「当該株式会社」とあるのは、
「合併により設立する株式会社 又は合併後存続する株式会社 若しくはその完全親会社」と
読み替えるものとする。
責任追及等の訴えを提起した株主等が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該責任追及等の訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき 又は弁護士、弁護士法人 若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該株式会社等に対し、その費用の額の範囲内 又はその報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。
責任追及等の訴えを提起した株主等が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該株主等は、当該株式会社等に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。
前二項の規定は、第八百四十九条第一項の規定により同項の訴訟に参加した株主等について準用する。
責任追及等の訴えが提起された場合において、原告 及び被告が共謀して責任追及等の訴えに係る訴訟の目的である株式会社等の権利を害する目的をもって判決をさせたときは、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める訴えに係る確定した終局判決に対し、再審の訴えをもって、不服を申し立てることができる。
株主 又は株式会社等
責任追及等の訴え
適格旧株主
責任追及等の訴え(第八百四十七条の二第一項各号に掲げる行為の効力が生じた時までにその原因となった事実が生じた責任 又は義務に係るものに限る。)
最終完全親会社等の株主
特定責任追及の訴え
前条の規定は、前項の再審の訴えについて準用する。
第三節 株式会社の役員の解任の訴え
役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下 この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為 又は法令 若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき 又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない株主
発行済株式(次に掲げる株主の有する株式を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の数の株式を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
公開会社でない株式会社における前項各号の規定の適用については、
これらの規定中
「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期)前から引き続き有する」とあるのは、
「有する」と
する。
第百八条第一項第九号に掲げる事項(取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、
同項中
「株主総会」とあるのは、
「株主総会(第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む)」と
する。
第百八条第一項第九号に掲げる事項(監査役に関するものに限る。)についての定めがある種類の株式を発行している場合における第一項の規定の適用については、
同項中
「株主総会」とあるのは、
「株主総会(第三百四十七条第二項の規定により読み替えて適用する第三百三十九条第一項の種類株主総会を含む。)」と
する。
前条第一項の訴え(次条 及び第九百三十七条第一項第一号ヌにおいて「株式会社の役員の解任の訴え」という。)については、当該株式会社 及び前条第一項の役員を被告とする。
株式会社の役員の解任の訴えは、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
第四節 特別清算に関する訴え
第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。
役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下 この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下 この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。
第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。
第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。
役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。
役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
第五節 持分会社の社員の除名の訴え等
持分会社の社員(以下 この条 及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる。
第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。
業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。
持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。
前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。
持分会社の業務を執行する社員(以下 この条 及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利 又は代表権の消滅を請求することができる。
前条各号に掲げる事由があるとき。
持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき。
次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。
第八百五十九条の訴え(次条 及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。)
対象社員
前条の訴え(次条 及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権 又は代表権の消滅の訴え」という。)
対象業務執行社員
持分会社の社員の除名の訴え 及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
第六節 清算持分会社の財産処分の取消しの訴え
清算持分会社(合名会社 及び合資会社に限る。以下 この項において同じ。)が次の各号に掲げる行為をしたときは、当該各号に定める者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。
ただし、当該行為がその者を害しないものであるときは、この限りでない。
第六百七十条の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分
清算持分会社の債権者
第六百七十一条第一項の規定に違反して行った清算持分会社の財産の処分
清算持分会社の社員の持分を差し押さえた債権者
民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項 及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定は、前項の場合について準用する。
この場合において、
同法第四百二十四条第一項ただし書中
「その行為によって」とあるのは
「会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百六十三条第一項各号に掲げる行為によって」と、
同法第四百二十四条の五第一号中
「債務者」とあるのは
「清算持分会社(会社法第六百四十五条に規定する清算持分会社をいい、合名会社 及び合資会社に限る。以下同じ。)」と、
同条第二号 並びに同法第四百二十四条の七第二項 及び第四百二十五条から第四百二十六条までの規定中
「債務者」とあるのは
「清算持分会社」と
読み替えるものとする。
前条第一項の訴えについては、同項各号に掲げる行為の相手方 又は転得者を被告とする。
第七節 社債発行会社の弁済等の取消しの訴え
社債を発行した会社が社債権者に対してした弁済、社債権者との間でした和解 その他の社債権者に対してし、又は社債権者との間でした行為が著しく不公正であるときは、社債管理者は、訴えをもって当該行為の取消しを請求することができる。
前項の訴えは、社債管理者が同項の行為の取消しの原因となる事実を知った時から六箇月を経過したときは、提起することができない。
同項の行為の時から一年を経過したときも、同様とする。
第一項に規定する場合において、社債権者集会の決議があるときは、代表社債権者 又は決議執行者(第七百三十七条第二項に規定する決議執行者をいう。)も、訴えをもって第一項の行為の取消しを請求することができる。
ただし、同項の行為の時から一年を経過したときは、この限りでない。
民法第四百二十四条第一項ただし書、第四百二十四条の五、第四百二十四条の七第二項 及び第四百二十五条から第四百二十五条の四までの規定は、第一項 及び前項本文の場合について準用する。
この場合において、
同法第四百二十四条第一項ただし書中
「その行為によって」とあるのは
「会社法第八百六十五条第一項に規定する行為によって」と、
「債権者を害すること」とあるのは
「その行為が著しく不公正であること」と、
同法第四百二十四条の五各号中
「債権者を害すること」とあるのは
「著しく不公正であること」と、
同法第四百二十五条中
「債権者」とあるのは
「社債権者」と
読み替えるものとする。
前条第一項 又は第三項の訴えについては、同条第一項の行為の相手方 又は転得者を被告とする。
第八百六十五条第一項 又は第三項の訴えは、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
第三章 非訟
第一節 総則
この法律の規定による非訟事件(次項から第六項までに規定する事件を除く。)は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
親会社社員(会社である親会社の株主 又は社員に限る。)によるこの法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面 又は電磁的記録についての次に掲げる閲覧等(閲覧、謄写、謄本 若しくは抄本の交付、事項の提供 又は事項を記載した書面の交付をいう。第八百七十条第二項第一号において同じ。)の許可の申立てに係る事件は、当該株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
当該書面の閲覧 若しくは謄写 又はその謄本 若しくは抄本の交付
当該電磁的記録に記録された事項を表示したものの閲覧 若しくは謄写 又は電磁的方法による当該事項の提供 若しくは当該事項を記載した書面の交付
第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定の申立てに係る事件は、対象会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第七百五条第四項 及び第七百六条第四項の規定、第七百七条、第七百十一条第三項、第七百十三条 並びに第七百十四条第一項 及び第三項(これらの規定を第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の規定 並びに第七百十八条第三項、第七百三十二条、第七百四十条第一項 及び第七百四十一条第一項の規定による裁判の申立てに係る事件は、社債を発行した会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第八百二十二条第一項の規定による外国会社の清算に係る事件 並びに第八百二十七条第一項の規定による裁判 及び同条第二項において準用する第八百二十五条第一項の規定による保全処分に係る事件は、当該外国会社の日本における営業所の所在地(日本に営業所を設けていない場合にあっては、日本における代表者の住所地)を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
第八百四十三条第四項の申立てに係る事件は、同条第一項各号に掲げる行為の無効の訴えの第一審の受訴裁判所の管轄に属する。
この法律の規定による許可の申立てをする場合には、その原因となる事実を疎明しなければならない。
裁判所は、この法律の規定(第二編第九章第二節を除く。)による非訟事件についての裁判のうち、次の各号に掲げる裁判をする場合には、当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。
ただし、不適法 又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。
第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項 若しくは第四百一条第三項(第四百三条第三項 及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会 又は報酬委員会の委員をいう。第八百七十四条第一号において同じ。)、執行役 若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項 若しくは第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人 若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役 又は第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の報酬の額の決定
当該会社(第八百二十七条第二項において準用する第八百二十五条第二項の管理人の報酬の額の決定にあっては、当該外国会社)及び報酬を受ける者
清算人、社債管理者 又は社債管理補助者の解任についての裁判
当該清算人、社債管理者 又は社債管理補助者
第三十三条第七項の規定による裁判
設立時取締役、第二十八条第一号の金銭以外の財産を出資する者 及び同条第二号の譲渡人
第二百七条第七項 又は第二百八十四条第七項の規定による裁判
当該株式会社 及び第百九十九条第一項第三号 又は第二百三十六条第一項第三号の規定により金銭以外の財産を出資する者
第四百五十五条第二項第二号 又は第五百五条第三項第二号の規定による裁判
当該株主
第四百五十六条 又は第五百六条の規定による裁判
当該株主
第七百三十二条の規定による裁判
利害関係人
第七百四十条第一項の規定による申立てを認容する裁判
社債を発行した会社
第七百四十一条第一項の許可の申立てについての裁判
社債を発行した会社
第八百二十四条第一項の規定による裁判
当該会社
第八百二十七条第一項の規定による裁判
当該外国会社
裁判所は、次の各号に掲げる裁判をする場合には、審問の期日を開いて、申立人 及び当該各号に定める者の陳述を聴かなければならない。
ただし、不適法 又は理由がないことが明らかであるとして申立てを却下する裁判をするときは、この限りでない。
この法律の規定により株式会社が作成し、又は備え置いた書面 又は電磁的記録についての閲覧等の許可の申立てについての裁判
当該株式会社
第百十七条第二項、第百十九条第二項、第百八十二条の五第二項、第百九十三条第二項(第百九十四条第四項において準用する場合を含む。)、第四百七十条第二項、第七百七十八条第二項、第七百八十六条第二項、第七百八十八条第二項、第七百九十八条第二項、第八百七条第二項 又は第八百九条第二項の規定による株式 又は新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合において、当該新株予約権付社債についての社債の買取りの請求があったときは、当該社債を含む。)の価格の決定
価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。)
第百四十四条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。) 又は第百七十七条第二項の規定による株式の売買価格の決定
売買価格の決定の申立てをすることができる者(申立人を除く。)
第百七十二条第一項の規定による株式の価格の決定
当該株式会社
第百七十九条の八第一項の規定による売渡株式等の売買価格の決定
特別支配株主
第八百四十三条第四項の申立てについての裁判
同項に規定する行為をした会社
裁判所は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあったときは、当該各号に定める者に対し、申立書の写しを送付しなければならない。
前項の規定により申立書の写しを送付することができない場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
申立書の写しの送付に必要な費用を予納しない場合も、同様とする。
前項の場合において、申立人が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、申立書を却下しなければならない。
前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判所は、第一項の申立てがあった場合において、当該申立てについての裁判をするときは、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を定め、申立人 及び前条第二項各号に定める者に告知しなければならない。
ただし、これらの者が立ち会うことができる期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。
裁判所は、前項の規定により審理を終結したときは、裁判をする日を定め、これを同項の者に告知しなければならない。
裁判所は、第一項の申立てが不適法であるとき、又は申立てに理由がないことが明らかなときは、同項 及び前二項の規定にかかわらず、直ちに申立てを却下することができる。
前項の規定は、前条第二項各号に掲げる裁判の申立てがあった裁判所が民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当該各号に定める者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときについて準用する。
この法律の規定による非訟事件についての裁判には、理由を付さなければならない。
ただし、次に掲げる裁判については、この限りでない。
第八百七十条第一項第一号に掲げる裁判
第八百七十四条各号に掲げる裁判
次の各号に掲げる裁判に対しては、当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。
第六百九条第三項 又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分についての裁判
利害関係人
第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについての裁判
申立人、株主 及び株式会社
第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の規定による申立てについての裁判
申立人、新株予約権者 及び株式会社
第八百七十条第一項各号に掲げる裁判
申立人 及び当該各号に定める者(同項第一号、第三号 及び第四号に掲げる裁判にあっては、当該各号に定める者)
第八百七十条第二項各号に掲げる裁判
申立人 及び当該各号に定める者
裁判所は、第八百七十条第二項各号に掲げる裁判に対する即時抗告があったときは、申立人 及び当該各号に定める者(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。
この場合においては、第八百七十条の二第二項 及び第三項の規定を準用する。
第八百七十条の二第五項から第八項までの規定は、前項の即時抗告があった場合について準用する。
第八百七十二条の即時抗告は、執行停止の効力を有する。
ただし、第八百七十条第一項第一号から第四号まで 及び第八号に掲げる裁判に対するものについては、この限りでない。
次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
第八百七十条第一項第一号に規定する一時取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役 若しくは代表執行役の職務を行うべき者、清算人、代表清算人、清算持分会社を代表する清算人、同号に規定する一時清算人 若しくは代表清算人の職務を行うべき者、検査役、第五百一条第一項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百六十二条第一項の鑑定人、第五百八条第二項(第八百二十二条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第六百七十二条第三項の帳簿資料の保存をする者、社債管理者 若しくは社債管理補助者の特別代理人 又は第七百十四条第三項(第七百十四条の七において準用する場合を含む。)の事務を承継する社債管理者 若しくは社債管理補助者の選任 又は選定の裁判
第八百二十五条第二項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の管理人の選任 又は解任についての裁判
第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による裁判
この法律の規定による許可の申立てを認容する裁判(第八百七十条第一項第九号 及び第二項第一号に掲げる裁判を除く。)
この法律の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条 及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。
この法律に定めるもののほか、この法律の規定による非訟事件の手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第二節 新株発行の無効判決後の払戻金増減の手続に関する特則
第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項 及び第八百四十二条第二項において準用する場合を含む。)の申立てに係る事件が数個同時に係属するときは、審問 及び裁判は、併合してしなければならない。
第八百四十条第二項(第八百四十一条第二項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判は、総株主に対してその効力を生ずる。
第八百四十二条第二項において準用する第八百四十条第二項の申立てについての裁判は、総新株予約権者に対してその効力を生ずる。
第三節 特別清算の手続に関する特則
⤏ 第一款 通則
第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下 この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件 又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
前項に規定する株式会社 又は親法人 及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
前二項の規定の適用については、第三百八条第一項の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。
第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について第四百四十四条の規定により当該株式会社 及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。
第八百六十八条第一項の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての第二編第九章第一節(第五百八条を除く。)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下 この節において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。
通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官 又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。
第二編第九章第二節(第五百四十七条第三項を除く。)の規定による許可の申立てについては、第八百六十九条の規定は、適用しない。
特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。
ただし、第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)及び第五百三十二条第一項(第五百三十四条において準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。
特別清算の手続に関する決定については、第八百七十一条の規定は、適用しない。
この節の規定による裁判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条を除く。)の規定を準用する。
特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この節に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、この節に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。
この節の規定による公告は、官報に掲載してする。
前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、第二編第九章第二節 若しくはこの節 又は非訟事件手続法第二編(特別清算開始の命令があった場合にあっては、同章第一節 若しくは第二節 若しくは第一節(同章第一節の規定による申立てに係る事件に係る部分に限る。)若しくはこの節 又は非訟事件手続法第二編)の規定(これらの規定において準用するこの法律 その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書 その他の物件(以下 この条 及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を\請求することができる。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
前項の規定は、文書等のうち録音テープ 又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。
この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分 又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。
ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。
清算株式会社以外の利害関係人
第五百十二条の規定による中止の命令、第五百四十条第二項の規定による保全処分、第五百四十一条第二項の規定による処分 又は特別清算開始の申立てについての裁判
清算株式会社
特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判 又は前号に定める命令、保全処分、処分 若しくは裁判
非訟事件手続法第三十二条第一項から第四項までの規定は、特別清算の手続には、適用しない。
次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧 若しくは謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付 又はその複製(以下 この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下 この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社 又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者 及び清算株式会社に限ることができる。
第五百二十条の規定による報告又は第五百二十二条第一項に規定する調査の結果の報告に係る文書等
第五百三十五条第一項 又は第五百三十六条第一項の許可を得るために裁判所に提出された文書等
前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者 及び清算株式会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。
支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと 又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。
第一項の申立てを却下する決定 及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
⤏ 第二款 特別清算の開始の手続に関する特則
債権者 又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。
債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。
特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、第五百十四条第一号に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判所は、第五百十二条の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
前項の中止の命令 及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。
特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。
特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。
特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。
特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。
特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。
裁判所は、第五百十六条の規定による中止の命令を発する場合には、同条に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。
裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
第一項の中止の命令 及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第三項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
⤏ 第三款 特別清算の実行の手続に関する特則
裁判所は調査命令(第五百二十二条第一項に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。
調査命令 及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第二項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
裁判所は、第五百二十四条第一項の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。
第五百二十四条第一項の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第五百二十六条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。
第五百三十二条第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前条の規定は、調査委員について準用する。
清算人は、第五百三十六条第一項の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。
裁判所は、第五百三十六条第一項の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。
第五百三十九条第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。
第五百四十条第一項 又は第二項の規定による保全処分
第五百四十一条第一項 又は第二項の規定による処分
第五百四十二条第一項 又は第二項の規定による保全処分
第五百四十三条の規定による処分
前項各号に掲げる裁判 及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
第二項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。
当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。
清算株式会社は、第五百四十五条第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下 この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。
裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。
役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
第八百五十八条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。
第五百四十七条第三項の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
利害関係人は、第五百六十八条の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。
共助対象外国租税の請求権について、協定において減免 その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。
第五百六十九条第一項の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。
第五百六十八条の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。
前各項の規定は、第五百七十二条の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。
⤏ 第四款 特別清算の終了の手続に関する特則
特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。
特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。
特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。
特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。
第四節 外国会社の清算の手続に関する特則
前節の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。
第五節 会社の解散命令等の手続に関する特則
裁判所は、第八百二十四条第一項 又は第八百二十七条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。
法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。
裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと 及び前項の審問の期日を通知しなければならない。
第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第八百七十二条第四号に定める者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。
裁判所が第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の保全処分をした場合には、非訟事件の手続の費用は、会社 又は外国会社の負担とする。
当該保全処分について必要な費用も、同様とする。
前項の保全処分 又は第八百二十五条第一項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定による申立てを却下する裁判に対して即時抗告があった場合において、抗告裁判所が当該即時抗告を理由があると認めて原裁判を取り消したときは、その抗告審における手続に要する裁判費用及び抗告人が負担した前審における手続に要する裁判費用は、会社 又は外国会社の負担とする。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、第八百二十五条第六項(第八百二十七条第二項において準用する場合を含む。)の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。
利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写 又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。
前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ 又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。
この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。
民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。
第四章 登記
第一節 総則
この法律の規定により登記すべき事項(第九百三十八条第三項の保全処分の登記に係る事項を除く。)は、当事者の申請 又は裁判所書記官の嘱託により、商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)の定めるところに従い、商業登記簿にこれを登記する。
この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。
故意 又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記 又は消滅の登記をしなければならない。
この法律の規定により登記すべき事項のうち官庁の許可を要するものの登記の期間については、その許可書の到達した日から起算する。
第二節 会社の登記
株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日)
前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日
第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日
第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日
第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日
第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
株式会社の存続期間 又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数 及び発行する各種類の株式の内容)
単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数
発行済株式の総数 並びにその種類 及び種類ごとの数
株主名簿管理人を置いたときは、その氏名 又は名称 及び住所 並びに営業所
新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項
第二百三十六条第一項第一号から第四号まで(ハに規定する場合にあっては、第二号を除く。)に掲げる事項
第二百三十六条第三項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め
第二百三十六条第一項第七号 並びに第二百三十八条第一項第二号 及び第三号に掲げる事項
第二百三十六条第一項第七号 及び第二百三十八条第一項第二号に掲げる事項
第二百三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法)
第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め
取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名
代表取締役の氏名 及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。)
会計参与設置会社であるときは、その旨 並びに会計参与の氏名 又は名称 及び第三百七十八条第一項の場所
監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨 及び次に掲げる事項
監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨
監査役会設置会社であるときは、その旨 及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨
会計監査人設置会社であるときは、その旨 及び会計監査人の氏名 又は名称
第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名 又は名称
第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項
第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨
取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
監査等委員会設置会社であるときは、その旨 及び次に掲げる事項
監査等委員である取締役及びそれ以外の取締役の氏名
取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
第三百九十九条の十三第六項の規定による重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定款の定めがあるときは、その旨
指名委員会等設置会社であるときは、その旨 及び次に掲げる事項
取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
各委員会の委員 及び執行役の氏名
第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役 又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め
第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。
合名会社の存続期間 又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
合名会社を代表する社員の氏名 又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。)
合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名 及び住所
第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。
合資会社の存続期間 又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
社員が有限責任社員 又は無限責任社員のいずれであるかの別
有限責任社員の出資の目的 及びその価額 並びに既に履行した出資の価額
合資会社を代表する社員の氏名 又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。)
合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名 及び住所
第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。
合同会社の存続期間 又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
合同会社の業務を執行する社員の氏名 又は名称
合同会社を代表する社員の氏名 又は名称 及び住所
合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名 及び住所
第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め
第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
会社において第九百十一条第三項各号 又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。
前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。
第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。
第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ 若しくはニ 又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。)
会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。
株式会社
第九百十一条第三項各号に掲げる事項
合名会社
第九百十二条各号に掲げる事項
合資会社
第九百十三条各号に掲げる事項
合同会社
第九百十四条各号に掲げる事項
次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令 又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。
株式会社
取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会 又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役 又は代表執行役
合名会社
社員
合資会社
社員
合同会社
業務を執行する社員
会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。
持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。
会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。
会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。
二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。
新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合
次に掲げる日のいずれか遅い日
第八百四条第一項の株主総会の決議の日
新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日
第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日
新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知 又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日
第八百十条の規定による手続が終了した日
新設合併により消滅する会社が合意により定めた日
新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合
次に掲げる日のいずれか遅い日
第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日)
第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日
新設合併により消滅する会社が合意により定めた日
新設合併により消滅する会社が株式会社 及び持分会社である場合
前二号に定める日のいずれか遅い日
二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。
新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合
次に掲げる日のいずれか遅い日
第八百四条第二項の総株主の同意を得た日
新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知 又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日
第八百十条の規定による手続が終了した日
新設合併により消滅する会社が合意により定めた日
新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合
次に掲げる日のいずれか遅い日
第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日)
第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日
新設合併により消滅する会社が合意により定めた日
新設合併により消滅する会社が株式会社 及び持分会社である場合
前二号に定める日のいずれか遅い日
会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社 及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部 又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。
一 又は二以上の株式会社 又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。
新設分割をする会社が株式会社のみである場合
次に掲げる日のいずれか遅い日
第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日
新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日
第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日
第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知 又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日
第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日
新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日)
新設分割をする会社が合同会社のみである場合
次に掲げる日のいずれか遅い日
第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日)
第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日
新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日)
新設分割をする会社が株式会社 及び合同会社である場合
前二号に定める日のいずれか遅い日
一 又は二以上の株式会社 又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。
新設分割をする会社が株式会社のみである場合
次に掲げる日のいずれか遅い日
第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日
新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日
第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知 又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日
第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日
新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日)
新設分割をする会社が合同会社のみである場合
次に掲げる日のいずれか遅い日
第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日)
第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日
新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日)
新設分割をする会社が株式会社 及び合同会社である場合
前二号に定める日のいずれか遅い日
一 又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。
第八百四条第一項の株主総会の決議の日
株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日
第八百六条第三項の規定による通知 又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日
第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日 又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日
第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日
株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日)
第四百七十一条第一号から第三号まで 又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。
第四百七十三条、第六百四十二条第一項 又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。
第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。
清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨
第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。
清算持分会社を代表する清算人の氏名 又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。)
清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名 及び住所
清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。
第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。
清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。
清算株式会社
第五百七条第三項の承認の日
清算持分会社(合名会社 及び合資会社に限る。)
第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日)
清算持分会社(合同会社に限る。)
第六百六十七条第一項の承認の日
第三節 外国会社の登記
外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。
日本に営業所を設けていない場合
日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下 この節において同じ。)の住所地
日本に営業所を設けた場合
当該営業所の所在地
外国会社の登記においては、日本における同種の会社 又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。
日本における代表者の氏名 及び住所
日本における同種の会社 又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法
前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め
前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め
第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号 又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。
第九百十五条 及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。
この場合において、
これらの規定中
「二週間」とあるのは
「三週間」と、
「本店の所在地」とあるのは
「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と
読み替えるものとする。
前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。
日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。
日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。
日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。
ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。
日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。
ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。
日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。
ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。
日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。
ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。
第四節 登記の嘱託
次に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定したとき。
株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え
新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下 この節において同じ。)の発行の無効の訴え
株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え
株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え
新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え
株主総会等の決議した事項についての登記があった場合における次に掲げる訴え
株主総会等の決議が存在しないこと 又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え
持分会社の業務を執行する社員の業務執行権 又は代表権の消滅の訴え
第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項 又は第四百一条第三項(第四百三条第三項 及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定による一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役 又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会 又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役 又は代表執行役の職務を行うべき者の選任の裁判
第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項 又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人 又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判(次条第二項第一号に規定する裁判を除く。)
イ 又はロに掲げる裁判を取り消す裁判(次条第二項第二号に規定する裁判を除く。)
清算人 又は代表清算人 若しくは清算持分会社を代表する清算人の選任 又は選定の裁判を取り消す裁判(次条第二項第三号に規定する裁判を除く。)
清算人の解任の裁判(次条第二項第四号に規定する裁判を除く。)
前号ホに掲げる裁判を取り消す裁判
第八百二十四条第一項の規定による会社の解散を命ずる裁判
第八百二十七条第一項の規定による外国会社の日本における取引の継続の禁止 又は営業所の閉鎖を命ずる裁判が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、次の各号に掲げる外国会社の区分に応じ、当該各号に定める地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。
日本に営業所を設けていない外国会社
日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地
日本に営業所を設けている外国会社
当該営業所の所在地
次の各号に掲げる訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、各会社の本店の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。
会社の組織変更の無効の訴え
組織変更後の会社についての解散の登記 及び組織変更をする会社についての回復の登記
会社の吸収合併の無効の訴え
吸収合併後存続する会社についての変更の登記 及び吸収合併により消滅する会社についての回復の登記
会社の新設合併の無効の訴え
新設合併により設立する会社についての解散の登記 及び新設合併により消滅する会社についての回復の登記
会社の吸収分割の無効の訴え
吸収分割をする会社 及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部 又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記
会社の新設分割の無効の訴え
新設分割をする会社についての変更の登記 及び新設分割により設立する会社についての解散の登記
株式会社の株式交換の無効の訴え
株式交換をする株式会社(第七百六十八条第一項第四号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)及び株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社についての変更の登記
株式会社の株式移転の無効の訴え
株式移転をする株式会社(第七百七十三条第一項第九号に掲げる事項についての定めがある場合に限る。)についての変更の登記 及び株式移転により設立する株式会社についての解散の登記
株式会社の株式交付の無効の訴え
株式交付親会社についての変更の登記
次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店(第三号に掲げる場合であって特別清算の結了により特別清算終結の決定がされたときにあっては、本店 及び支店)の所在地を管轄する登記所に当該各号に定める登記を嘱託しなければならない。
特別清算開始の命令があったとき
特別清算開始の登記
特別清算開始の命令を取り消す決定が確定したとき
特別清算開始の取消しの登記
特別清算終結の決定が確定したとき
特別清算終結の登記
次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、清算株式会社の本店の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託しなければならない。
特別清算開始後における第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項 又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定による一時清算人 又は代表清算人の職務を行うべき者の選任の裁判があったとき。
前号の裁判を取り消す裁判があったとき。
特別清算開始後における清算人 又は代表清算人の選任 又は選定の裁判を取り消す裁判があったとき。
特別清算開始後における清算人の解任の裁判があったとき。
前号の裁判を取り消す裁判が確定したとき。
次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。
清算株式会社の財産に属する権利で登記されたものに関し第五百四十条第一項 又は第二項の規定による保全処分があったとき。
登記のある権利に関し第五百四十二条第一項 又は第二項の規定による保全処分があったとき。
前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更 若しくは取消しがあった場合 又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。
前二項の規定は、登録のある権利について準用する。
前各項の規定は、その性質上許されないものを除き、第八百二十二条第一項の規定による日本にある外国会社の財産についての清算について準用する。
第五章 公告
第一節 総則
会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができる。
時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
外国会社は、公告方法として、前項各号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
会社 又は外国会社が第一項第三号に掲げる方法を公告方法とする旨を定める場合には、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足りる。
この場合においては、事故 その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、同項第一号 又は第二号に掲げる方法のいずれかを定めることができる。
第一項 又は第二項の規定による定めがない会社 又は外国会社の公告方法は、第一項第一号の方法とする。
株式会社 又は持分会社が電子公告によりこの法律の規定による公告をする場合には、次の各号に掲げる公告の区分に応じ、当該各号に定める日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。
この法律の規定により特定の日の一定の期間前に公告しなければならない場合における当該公告
当該特定の日
第四百四十条第一項の規定による公告
同項の定時株主総会の終結の日後五年を経過する日
公告に定める期間内に異議を述べることができる旨の公告
当該期間を経過する日
前三号に掲げる公告以外の公告
当該公告の開始後一箇月を経過する日
外国会社が電子公告により第八百十九条第一項の規定による公告をする場合には、同項の手続の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電子公告による公告をしなければならない。
前二項の規定にかかわらず、これらの規定により電子公告による公告をしなければならない期間(以下 この章において「公告期間」という。)中 公告の中断(不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれた情報がその状態に置かれないこととなったこと 又はその情報がその状態に置かれた後改変されたことをいう。以下 この項において同じ。)が生じた場合において、次のいずれにも該当するときは、その公告の中断は、当該公告の効力に影響を及ぼさない。
公告の中断が生ずることにつき会社が善意でかつ重大な過失がないこと 又は会社に正当な事由があること。
公告の中断が生じた時間の合計が公告期間の十分の一を超えないこと。
会社が公告の中断が生じたことを知った後速やかにその旨、公告の中断が生じた時間 及び公告の中断の内容を当該公告に付して公告したこと。
第二節 電子公告調査機関
この法律 又は他の法律の規定による公告(第四百四十条第一項の規定による公告を除く。以下 この節において同じ。)を電子公告によりしようとする会社は、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、法務省令で定めるところにより、法務大臣の登録を受けた者(以下 この節において「調査機関」という。)に対し、調査を行うことを求めなければならない。
前条の登録(以下 この節において単に「登録」という。)は、同条の規定による調査(以下 この節において「電子公告調査」という。)を行おうとする者の申請により行う。
登録を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
次のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。
この節の規定 若しくは農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第九十七条の四第五項、金融商品取引法第五十条の二第十項 及び第六十六条の四十第六項、公認会計士法第三十四条の二十第六項 及び第三十四条の二十三第四項、消費生活協同組合法(昭和二十三年法律第二百号)第二十六条第六項、水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第百二十六条の四第五項、中小企業等協同組合法(昭和二十四年法律第百八十一号)第三十三条第七項(輸出水産業の振興に関する法律(昭和二十九年法律第百五十四号)第二十条 並びに中小企業団体の組織に関する法律(昭和三十二年法律第百八十五号)第五条の二十三第三項 及び第四十七条第二項において準用する場合を含む。)、弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の二十八第六項(同法第四十三条第三項 並びに外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第六十七条第二項、第八十条第一項 及び第八十二条第三項において準用する場合を含む。)、船主相互保険組合法(昭和二十五年法律第百七十七号)第五十五条第三項、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第四十五条の二第六項、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第四十条の二第六項、商品先物取引法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第十一条第九項、行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第十三条の二十の二第六項、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二十五条第二項(同法第五十九条において準用する場合を含む。)及び第百八十六条の二第四項、税理士法第四十八条の十九の二第六項(同法第四十九条の十二第三項において準用する場合を含む。)、信用金庫法(昭和二十六年法律第二百三十八号)第八十七条の四第四項、輸出入取引法(昭和二十七年法律第二百九十九号)第十五条第六項(同法第十九条の六において準用する場合を含む。)、中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)第五十五条第五項、労働金庫法(昭和二十八年法律第二百二十七号)第九十一条の四第四項、技術研究組合法(昭和三十六年法律第八十一号)第十六条第八項、農業信用保証保険法(昭和三十六年法律第二百四号)第四十八条の三第五項(同法第四十八条の九第七項において準用する場合を含む。)、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二十五条の二十三の二第六項、森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第八条の二第五項、銀行法第四十九条の二第二項 及び第五十二条の六十の三十六第七項(協同組合による金融事業に関する法律(昭和二十四年法律第百八十三号)第六条の五第一項 及び信用金庫法第八十九条第七項において準用する場合を含む。)、保険業法(平成七年法律第百五号)第六十七条の二 及び第二百十七条第三項、資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)第百九十四条第四項、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第五十三条の二第六項、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第九十六条の二第四項、信託業法第五十七条第六項、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第三百三十三条、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二十条第四項、第六十一条第七項、第六十二条の二十五第七項 及び第六十三条の二十第七項 並びに労働者協同組合法(令和二年法律第七十八号)第二十九条第六項(同法第百十一条第二項において準用する場合を含む。)(以下この節において「電子公告関係規定」と総称する。)において準用する第九百五十五条第一項の規定 又はこの節の規定に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
第九百五十四条の規定により登録を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
法人であって、その業務を行う理事等(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事 若しくは監査役 又はこれらに準ずる者をいう。第九百四十七条において同じ。)のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
法務大臣は、第九百四十二条第一項の規定により登録を申請した者が、次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。
この場合において、登録に関して必要な手続は、法務省令で定める。
電子公告調査に必要な電子計算機(入出力装置を含む。以下 この号において同じ。)及びプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下 この号において同じ。)であって次に掲げる要件のすべてに適合するものを用いて電子公告調査を行うものであること。
当該電子計算機 及びプログラムが電子公告により公告されている情報をインターネットを利用して閲覧することができるものであること。
当該電子計算機 若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは当該電子計算機に虚偽の情報 若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、当該電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせることを防ぐために必要な措置が講じられていること。
当該電子計算機 及びプログラムがその電子公告調査を行う期間を通じて当該電子計算機に入力された情報 及び指令 並びにインターネットを利用して提供を受けた情報を保存する機能を有していること。
電子公告調査を適正に行うために必要な実施方法が定められていること。
登録は、調査機関登録簿に次に掲げる事項を記載し、又は記録してするものとする。
登録を受けた者の氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあっては、その代表者の氏名
登録を受けた者が電子公告調査を行う事業所の所在地
登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
前三条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
調査機関は、電子公告調査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、電子公告調査を行わなければならない。
調査機関は、公正に、かつ、法務省令で定める方法により電子公告調査を行わなければならない。
調査機関は、電子公告調査を行う場合には、法務省令で定めるところにより、電子公告調査を行うことを求めた者(以下 この節において「調査委託者」という。)の商号 その他の法務省令で定める事項を法務大臣に報告しなければならない。
調査機関は、電子公告調査の後遅滞なく、調査委託者に対して、法務省令で定めるところにより、当該電子公告調査の結果を通知しなければならない。
調査機関は、次に掲げる者の電子公告による公告 又はその者 若しくはその理事等が電子公告による公告に関与した場合として法務省令で定める場合における当該公告については、電子公告調査を行うことができない。
当該調査機関が株式会社である場合における親株式会社(当該調査機関を子会社とする株式会社をいう。)
理事等 又は職員(過去二年間にそのいずれかであった者を含む。次号において同じ。)が当該調査機関の理事等に占める割合が二分の一を超える法人
理事等 又は職員のうちに当該調査機関(法人であるものを除く。) 又は当該調査機関の代表権を有する理事等が含まれている法人
調査機関は、電子公告調査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、法務大臣に届け出なければならない。
調査機関は、電子公告調査の業務に関する規程(次項において「業務規程」という。)を定め、電子公告調査の業務の開始前に、法務大臣に届け出なければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
業務規程には、電子公告調査の実施方法、電子公告調査に関する料金 その他の法務省令で定める事項を定めておかなければならない。
調査機関は、電子公告調査の業務の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を法務大臣に届け出なければならない。
調査機関は、毎事業年度経過後三箇月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表 及び損益計算書 又は収支計算書 並びに事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備え置かなければならない。
調査委託者 その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。
財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
前号の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求 又は当該事項を記載した書面の交付の請求
法務大臣は、調査機関が第九百四十四条第一項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その調査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
法務大臣は、調査機関が第九百四十六条の規定に違反していると認めるときは、その調査機関に対し、電子公告調査を行うべきこと 又は電子公告調査の方法 その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
法務大臣は、調査機関が次のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて電子公告調査の業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。
第九百四十三条第一号 又は第三号に該当するに至ったとき。
第九百四十七条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)から第九百五十条まで、第九百五十一条第一項 又は次条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定に違反したとき。
正当な理由がないのに第九百五十一条第二項各号 又は次条第二項各号(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだとき。
第九百五十二条 又は前条(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の命令に違反したとき。
不正の手段により第九百四十一条の登録を受けたとき。
調査機関は、法務省令で定めるところにより、調査記録 又はこれに準ずるものとして法務省令で定めるもの(以下 この条において「調査記録簿等」という。)を備え、電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載し、又は記録し、及び当該調査記録簿等を保存しなければならない。
調査委託者 その他の利害関係人は、調査機関に対し、その業務時間内は、いつでも、当該調査機関が前項 又は次条第二項の規定により保存している調査記録簿等(利害関係がある部分に限る。)について、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、当該請求をするには、当該調査機関の定めた費用を支払わなければならない。
調査記録簿等が書面をもって作成されているときは、当該書面の写しの交付の請求
調査記録簿等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって調査機関の定めたものにより提供することの請求 又は当該事項を記載した書面の交付の請求
調査機関は、電子公告調査の業務の全部の廃止をしようとするとき、又は第九百五十四条の規定により登録が取り消されたときは、その保存に係る前条第一項(電子公告関係規定において準用する場合を含む。)の調査記録簿等を他の調査機関に引き継がなければならない。
前項の規定により同項の調査記録簿等の引継ぎを受けた調査機関は、法務省令で定めるところにより、その調査記録簿等を保存しなければならない。
法務大臣は、登録を受ける者がないとき、第九百五十条の規定による電子公告調査の業務の全部 又は一部の休止 又は廃止の届出があったとき、第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は調査機関に対し電子公告調査の業務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、調査機関が天災 その他の事由によって電子公告調査の業務の全部 又は一部を実施することが困難となったとき、その他必要があると認めるときは、当該電子公告調査の業務の全部 又は一部を自ら行うことができる。
法務大臣が前項の規定により電子公告調査の業務の全部 又は一部を自ら行う場合における電子公告調査の業務の引継ぎ その他の必要な事項については、法務省令で定める。
第一項の規定により法務大臣が行う電子公告調査を求める者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
法務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、調査機関に対し、その業務 若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、調査機関の事務所 若しくは事業所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。
前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
法務大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
第九百四十五条第一項の規定により登録が効力を失ったことを確認したとき。
第九百四十八条 又は第九百五十条の届出があったとき。
第九百五十四条の規定により登録を取り消し、又は電子公告調査の業務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき。
第九百五十七条第一項の規定により法務大臣が電子公告調査の業務の全部 若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は自ら行っていた電子公告調査の業務の全部 若しくは一部を行わないこととするとき。