届出は、届出事件の本人の本籍地 又は届出人の所在地でこれをしなければならない。
戸籍法
第四章 届出
第一節 通則
外国人に関する届出は、届出人の所在地でこれをしなければならない。
本籍が明かでない者 又は本籍がない者について、届出があつた後に、その者の本籍が明かになつたとき、又はその者が本籍を有するに至つたときは、届出人 又は届出事件の本人は、その事実を知つた日から十日以内に、届出事件を表示して、届出を受理した市町村長にその旨を届け出なければならない。
届出は、書面 又は口頭でこれをすることができる。
市町村長は、届出によつて効力を生ずべき認知、縁組、離縁、婚姻 又は離婚の届出(以下この条において「縁組等の届出」という。)が市役所 又は町村役場に出頭した者によつてされる場合には、当該出頭した者に対し、法務省令で定めるところにより、当該出頭した者が届出事件の本人(認知にあつては認知する者、民法第七百九十七条第一項に規定する縁組にあつては養親となる者 及び養子となる者の法定代理人、同法第八百十一条第二項に規定する離縁にあつては養親 及び養子の法定代理人となるべき者とする。次項 及び第三項において同じ。)であるかどうかの確認をするため、当該出頭した者を特定するために必要な氏名 その他の法務省令で定める事項を示す運転免許証 その他の資料の提供 又はこれらの事項についての説明を求めるものとする。
市町村長は、縁組等の届出があつた場合において、届出事件の本人のうちに、前項の規定による措置によつては市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを確認することができない者があるときは、当該縁組等の届出を受理した後 遅滞なく、その者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出を受理したことを通知しなければならない。
何人も、その本籍地の市町村長に対し、あらかじめ、法務省令で定める方法により、自らを届出事件の本人とする縁組等の届出がされた場合であつても、自らが市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができないときは当該縁組等の届出を受理しないよう申し出ることができる。
市町村長は、前項の規定による申出に係る縁組等の届出があつた場合において、当該申出をした者が市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができなかつたときは、当該縁組等の届出を受理することができない。
市町村長は、前項の規定により縁組等の届出を受理することができなかつた場合は、遅滞なく、第三項の規定による申出をした者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出があつたことを通知しなければならない。
市町村長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、届出人、届出事件の本人 その他の関係者に対し、質問をし、又は必要な書類の提出を求めることができる。
届出の受理に際し、この法律の規定により届出人が明らかにすべき事項が明らかにされていないとき。
その他戸籍の記載のために必要があるとき。
法務大臣は、事件の種類によつて、届書の様式を定めることができる。
前項の場合には、その事件の届出は、当該様式によつてこれをしなければならない。
但し、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
届書には、次の事項を記載し、届出人が、これに署名しなければならない。
届出人の出生の年月日、住所 及び戸籍の表示
届出人と届出事件の本人と異なるときは、届出事件の本人の氏名、出生の年月日、住所、戸籍の表示 及び届出人の資格
届出事件によつて、届出人 又は届出事件の本人が他の戸籍に入るべきときは、その戸籍の表示を、その者が従前の戸籍から除かれるべきときは、従前の戸籍の表示を、その者について新戸籍を編製すべきときは、その旨、新戸籍編製の原因 及び新本籍を、届書に記載しなければならない。
届出事件によつて、届出人 若しくは届出事件の本人でない者が他の戸籍に入り、又はその者について新戸籍を編製すべきときは、届書にその者の氏名、出生の年月日 及び住所を記載する外、その者が他の戸籍に入るか 又はその者について新戸籍を編製するかの区別に従つて、前項に掲げる事項を記載しなければならない。
届出人でない者について新戸籍を編製すべきときは、その者の従前の本籍と同一の場所を新本籍と定めたものとみなす。
届出をすべき者が未成年者 又は成年被後見人であるときは、親権を行う者 又は後見人を届出義務者とする。
ただし、未成年者 又は成年被後見人が届出をすることを妨げない。
親権を行う者 又は後見人が届出をする場合には、届書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
届出をすべき者の氏名、出生の年月日 及び本籍
届出人が親権を行う者 又は後見人である旨
未成年者 又は成年被後見人がその法定代理人の同意を得ないですることができる行為については、未成年者 又は成年被後見人が、これを届け出なければならない。
証人を必要とする事件の届出については、証人は、届書に出生の年月日、住所 及び本籍を記載して署名しなければならない。
届書に記載すべき事項であつて、存しないもの 又は知れないものがあるときは、その旨を記載しなければならない。
市町村長は、特に重要であると認める事項を記載しない届書を受理することができない。
届書には、この法律 その他の法令に定める事項の外、戸籍に記載すべき事項を明かにするために必要であるものは、これを記載しなければならない。
二箇所以上の市役所 又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合には、市役所 又は町村役場の数と同数の届書を提出しなければならない。
本籍地外で届出をするときは、前項の規定によるものの外、なお、一通の届書を提出しなければならない。
前二項の場合に、相当と認めるときは、市町村長は、届書の謄本を作り、これを届書に代えることができる。
口頭で届出をするには、届出人は、市役所 又は町村役場に出頭し、届書に記載すべき事項を陳述しなければならない。
市町村長は、届出人の陳述を筆記し、届出の年月日を記載して、これを届出人に読み聞かせ、かつ、届出人に、その書面に署名させなければならない。
届出人が疾病 その他の事故によつて出頭することができないときは、代理人によつて届出をすることができる。
ただし、第六十条、第六十一条、第六十六条、第六十八条、第七十条から第七十二条まで、第七十四条 及び第七十六条の届出については、この限りでない。
届出事件について父母 その他の者の同意 又は承諾を必要とするときは、届書にその同意 又は承諾を証する書面を添付しなければならない。
ただし、同意 又は承諾をした者に、届書にその旨を付記させて、署名させるだけで足りる。
届出事件について裁判 又は官庁の許可を必要とするときは、届書に裁判 又は許可書の謄本を添付しなければならない。
届書に関する規定は、第三十七条第二項 及び前条第一項の書面にこれを準用する。
外国に在る日本人は、この法律の規定に従つて、その国に駐在する日本の大使、公使 又は領事に届出をすることができる。
外国に在る日本人が、その国の方式に従つて、届出事件に関する証書を作らせたときは、三箇月以内にその国に駐在する日本の大使、公使 又は領事にその証書の謄本を提出しなければならない。
大使、公使 又は領事がその国に駐在しないときは、三箇月以内に本籍地の市町村長に証書の謄本を発送しなければならない。
大使、公使 又は領事は、前二条の規定によつて書類を受理したときは、遅滞なく、外務大臣を経由してこれを本人の本籍地の市町村長に送付しなければならない。
届出期間は、届出事件発生の日からこれを起算する。
裁判が確定した日から期間を起算すべき場合に、裁判が送達 又は交付前に確定したときは、その送達 又は交付の日からこれを起算する。
市町村長は、届出を怠つた者があることを知つたときは、相当の期間を定めて、届出義務者に対し、その期間内に届出をすべき旨を催告しなければならない。
届出義務者が前項の期間内に届出をしなかつたときは、市町村長は、更に相当の期間を定めて、催告をすることができる。
前二項の催告をすることができないとき、又は催告をしても届出がないときは、市町村長は、管轄法務局長等の許可を得て、戸籍の記載をすることができる。
第二十四条第四項の規定は、裁判所 その他の官庁、検察官 又は吏員がその職務上 届出を怠つた者があることを知つた場合にこれを準用する。
市町村長は、届出を受理した場合に、届書に不備があるため戸籍の記載をすることができないときは、届出人に、その追完をさせなければならない。
この場合には、前条の規定を準用する。
届出期間が経過した後の届出であつても、市町村長は、これを受理しなければならない。
市町村長は、届出人がその生存中に郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者 若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便によつて発送した届書については、当該届出人の死亡後であつても、これを受理しなければならない。
前項の規定によつて届書が受理されたときは、届出人の死亡の時に届出があつたものとみなす。
届出人は、届出の受理 又は不受理の証明書を請求することができる。
利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、届書 その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し、又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。
第十条第三項 及び第十条の三の規定は、前二項の場合に準用する。
第二節 出生
出生の届出は、十四日以内(国外で出生があつたときは、三箇月以内)にこれをしなければならない。
届書には、次の事項を記載しなければならない。
子の男女の別 及び嫡出子 又は嫡出でない子の別
出生の年月日時分 及び場所
父母の氏名 及び本籍、父 又は母が外国人であるときは、その氏名 及び国籍
その他法務省令で定める事項
医師、助産師 又はその他の者が出産に立ち会つた場合には、医師、助産師、その他の者の順序に従つてそのうちの一人が法務省令・厚生労働省令の定めるところによつて作成する出生証明書を届書に添付しなければならない。
ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。
出生の届出は、出生地でこれをすることができる。
汽車 その他の交通機関(船舶を除く。以下同じ。)の中で出生があつたときは母がその交通機関から降りた地で、航海日誌を備えない船舶の中で出生があつたときはその船舶が最初に入港した地で、出生の届出をすることができる。
嫡出子出生の届出は、父 又は母がこれをし、子の出生前に父母が離婚をした場合には、母がこれをしなければならない。
嫡出でない子の出生の届出は、母がこれをしなければならない。
前二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には、左の者は、その順序に従つて、届出をしなければならない。
第一項 又は第二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には、その者以外の法定代理人も、届出をすることができる。
嫡出子否認の訴を提起したときであつても、出生の届出をしなければならない。
民法第七百七十三条の規定によつて裁判所が父を定むべきときは、出生の届出は、母がこれをしなければならない。
この場合には、届書に、父が未定である事由を記載しなければならない。
第五十二条第三項 及び第四項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
航海中に出生があつたときは、船長は、二十四時間以内に、第四十九条第二項に掲げる事項を航海日誌に記載して、署名しなければならない。
前項の手続をした後に、船舶が日本の港に到着したときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその地の市町村長に送付しなければならない。
船舶が外国の港に到着したときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその国に駐在する日本の大使、公使 又は領事に送付し、大使、公使 又は領事は、遅滞なく外務大臣を経由してこれを本籍地の市町村長に送付しなければならない。
病院、刑事施設 その他の公設所で出生があつた場合に、父母が共に届出をすることができないときは、公設所の長 又は管理人が、届出をしなければならない。
棄児を発見した者 又は棄児発見の申告を受けた警察官は、二十四時間以内にその旨を市町村長に申し出なければならない。
前項の申出があつたときは、市町村長は、氏名をつけ、本籍を定め、且つ、附属品、発見の場所、年月日時 その他の状況 並びに氏名、男女の別、出生の推定年月日 及び本籍を調書に記載しなければならない。
その調書は、これを届書とみなす。
前条第一項に規定する手続をする前に、棄児が死亡したときは、死亡の届出とともにその手続をしなければならない。
父 又は母は、棄児を引き取つたときは、その日から一箇月以内に、出生の届出をし、且つ、戸籍の訂正を申請しなければならない。
第三節 認知
認知をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
父が認知をする場合には、母の氏名 及び本籍
死亡した子を認知する場合には、死亡の年月日 並びにその直系卑属の氏名、出生の年月日 及び本籍
胎内に在る子を認知する場合には、届書にその旨、母の氏名 及び本籍を記載し、母の本籍地でこれを届け出なければならない。
民法第七百八十九条第二項の規定によつて嫡出子となるべき者について、父母が嫡出子出生の届出をしたときは、その届出は、認知の届出の効力を有する。
認知の裁判が確定したときは、訴を提起した者は、裁判が確定した日から十日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければならない。
その届書には、裁判が確定した日を記載しなければならない。
訴えを提起した者が前項の規定による届出をしないときは、その相手方は、裁判の謄本を添付して、認知の裁判が確定した旨を届け出ることができる。
この場合には、同項後段の規定を準用する。
遺言による認知の場合には、遺言執行者は、その就職の日から十日以内に、認知に関する遺言の謄本を添附して、第六十条 又は第六十一条の規定に従つて、その届出をしなければならない。
認知された胎児が死体で生まれたときは、出生届出義務者は、その事実を知つた日から十四日以内に、認知の届出地で、その旨を届け出なければならない。
但し、遺言執行者が前条の届出をした場合には、遺言執行者が、その届出をしなければならない。
第四節 養子縁組
縁組をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
民法第七百九十七条の規定によつて縁組の承諾をする場合には、届出は、その承諾をする者がこれをしなければならない。
第六十三条第一項の規定は、縁組の裁判が確定した場合に準用する。
第六十三条の規定は、縁組取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
第七十三条の二の規定は、民法第八百八条第二項において準用する同法第八百十六条第二項の規定によつて縁組の取消しの際に称していた氏を称しようとする場合に準用する。
第五節 養子離縁
離縁をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
民法第八百十一条第二項の規定によつて協議上の離縁をする場合には、届出は、その協議をする者がこれをしなければならない。
民法第八百十一条第六項の規定によつて離縁をする場合には、生存当事者だけで、その届出をすることができる。
第六十三条の規定は、離縁 又は離縁取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
第七十五条第二項の規定は、検察官が離縁の裁判を請求した場合に準用する。
民法第八百十六条第二項の規定によつて離縁の際に称していた氏を称しようとする者は、離縁の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第六節 婚姻
婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
その他法務省令で定める事項
第六十三条の規定は、婚姻取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
検察官が訴を提起した場合には、裁判が確定した後に、遅滞なく戸籍記載の請求をしなければならない。
第七十七条の二の規定は、民法第七百四十九条において準用する同法第七百六十七条第二項の規定によつて婚姻の取消しの際に称していた氏を称しようとする場合に準用する。
第七節 離婚
離婚をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
親権者と定められる当事者の氏名 及びその親権に服する子の氏名
その他法務省令で定める事項
第六十三条の規定は、離婚 又は離婚取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
前項に規定する離婚の届書には、左の事項をも記載しなければならない。
親権者と定められた当事者の氏名 及びその親権に服する子の氏名
その他法務省令で定める事項
民法第七百六十七条第二項(同法第七百七十一条において準用する場合を含む。)の規定によつて離婚の際に称していた氏を称しようとする者は、離婚の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第八節 親権及び未成年者の後見
民法第八百十九条第三項但書 又は第四項の規定によつて協議で親権者を定めようとする者は、その旨を届け出なければならない。
第六十三条第一項の規定は、民法第八百十九条第三項ただし書 若しくは第四項の協議に代わる審判が確定し、又は親権者変更の裁判が確定した場合において親権者に、親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判の取消しの裁判が確定した場合においてその裁判を請求した者について準用する。
親権 若しくは管理権を辞し、又はこれを回復しようとする者は、その旨を届け出なければならない。
民法第八百三十八条第一号に規定する場合に開始する後見(以下「未成年者の後見」という。)の開始の届出は、同法第八百三十九条の規定による指定をされた未成年後見人が、その就職の日から十日以内に、これをしなければならない。
届書には、次に掲げる事項を記載し、未成年後見人の指定に関する遺言の謄本を添付しなければならない。
後見開始の原因 及び年月日
未成年後見人が就職した年月日
未成年後見人が死亡し、又は民法第八百四十七条第二号から第五号までに掲げる者に該当することとなつたことによりその地位を失つたことによつて未成年後見人が欠けたときは、後任者は、就職の日から十日以内に、未成年後見人が地位を失つた旨の届出をしなければならない。
数人の未成年後見人の一部の者が死亡し、又は民法第八百四十七条第二号から第五号までに掲げる者に該当することとなつたことによりその地位を失つたときは、他の未成年後見人は、その事実を知つた日から十日以内に、未成年後見人が地位を失つた旨の届出をしなければならない。
未成年者、その親族 又は未成年後見監督人は、前二項の届出をすることができる。
届書には、未成年後見人がその地位を失つた原因 及び年月日を記載しなければならない。
未成年者の後見の終了の届出は、未成年後見人が、十日以内に、これをしなければならない。
その届書には、未成年者の後見の終了の原因 及び年月日を記載しなければならない。
未成年後見人に関するこの節の規定は、未成年後見監督人について準用する。
第九節 死亡及び失踪
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
届書には、次の事項を記載し、診断書 又は検案書を添付しなければならない。
死亡の年月日時分 及び場所
その他法務省令で定める事項
やむを得ない事由によつて診断書 又は検案書を得ることができないときは、死亡の事実を証すべき書面を以てこれに代えることができる。
この場合には、届書に診断書 又は検案書を得ることができない事由を記載しなければならない。
次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。
ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。
死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人 及び任意後見受任者も、これをすることができる。
死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。
死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地で、汽車 その他の交通機関の中で死亡があつたときは死体をその交通機関から降ろした地で、航海日誌を備えない船舶の中で死亡があつたときはその船舶が最初に入港した地で、死亡の届出をすることができる。
水難、火災 その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁 又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
但し、外国 又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
死刑の執行があつたときは、刑事施設の長は、遅滞なく刑事施設の所在地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
前項の規定は、刑事施設に収容中 死亡した者の引取人がない場合にこれを準用する。
この場合には、報告書に診断書 又は検案書を添付しなければならない。
前二条に規定する報告書には、第八十六条第二項に掲げる事項を記載しなければならない。
死亡者の本籍が明かでない場合 又は死亡者を認識することができない場合には、警察官は、検視調書を作り、これを添附して、遅滞なく 死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
死亡者の本籍が明かになり、又は死亡者を認識することができるに至つたときは、警察官は、遅滞なく その旨を報告しなければならない。
第一項の報告があつた後に、第八十七条第一項第一号 又は第二号に掲げる者が、死亡者を認識したときは、その日から十日以内に、死亡の届出をしなければならない。
第五十五条 及び第五十六条の規定は、死亡の届出にこれを準用する。
第六十三条第一項の規定は、失踪宣告 又は失踪宣告取消の裁判が確定した場合においてその裁判を請求した者にこれを準用する。
この場合には、失踪宣告の届書に民法第三十一条の規定によつて死亡したとみなされる日をも記載しなければならない。
第十節 生存配偶者の復氏及び姻族関係の終了
民法第七百五十一条第一項の規定によつて婚姻前の氏に復しようとする者は、その旨を届け出なければならない。
民法第七百二十八条第二項の規定によつて姻族関係を終了させる意思を表示しようとする者は、死亡した配偶者の氏名、本籍 及び死亡の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第十一節 推定相続人の廃除
第六十三条第一項の規定は、推定相続人の廃除 又は廃除取消の裁判が確定した場合において、その裁判を請求した者にこれを準用する。
第十二節 入籍
民法第七百九十一条第一項から第三項までの規定によつて父 又は母の氏を称しようとする者は、その父 又は母の氏名 及び本籍を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
民法第七百九十一条第二項の規定によつて父母の氏を称しようとする者に配偶者がある場合には、配偶者とともに届け出なければならない。
民法第七百九十一条第四項の規定によつて従前の氏に復しようとする者は、同条第一項から第三項までの規定によつて氏を改めた年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
前項の者に配偶者がある場合には、配偶者とともに届け出なければならない。
第十三節 分籍
分籍をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
他の市町村に新本籍を定める場合には、戸籍の謄本を届書に添附しなければならない。
分籍の届出は、分籍地でこれをすることができる。
第十四節 国籍の得喪
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第三条第一項 又は第十七条第一項 若しくは第二項の規定によつて国籍を取得した場合の国籍取得の届出は、国籍を取得した者が、その取得の日から一箇月以内(その者がその日に国外に在るときは、三箇月以内)に、これをしなければならない。
届書には、次の事項を記載し、国籍取得を証すべき書面を添付しなければならない。
国籍取得の際に有していた外国の国籍
父母の氏名 及び本籍、父 又は母が外国人であるときは、その氏名 及び国籍
配偶者の氏名 及び本籍、配偶者が外国人であるときは、その氏名 及び国籍
その他法務省令で定める事項
帰化の届出は、帰化した者が、告示の日から一箇月以内に、これをしなければならない。
この場合における届書の記載事項については、前条第二項の規定を準用する。
国籍喪失の届出は、届出事件の本人、配偶者 又は四親等内の親族が、国籍喪失の事実を知つた日から一箇月以内(届出をすべき者がその事実を知つた日に国外に在るときは、その日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
届書には、次の事項を記載し、国籍喪失を証すべき書面を添付しなければならない。
国籍喪失の原因 及び年月日
新たに外国の国籍を取得したときは、その国籍
国籍法第十二条に規定する国籍の留保の意思の表示は、出生の届出をすることができる者(第五十二条第三項の規定によつて届出をすべき者を除く。)が、出生の日から三箇月以内に、日本の国籍を留保する旨を届け出ることによつて、これをしなければならない。
前項の届出は、出生の届出とともにこれをしなければならない。
天災 その他第一項に規定する者の責めに帰することができない事由によつて同項の期間内に届出をすることができないときは、その期間は、届出をすることができるに至つた時から十四日とする。
国籍法第十四条第二項の規定による日本の国籍の選択の宣言は、その宣言をしようとする者が、その旨を届け出ることによつて、これをしなければならない。
届書には、その者が有する外国の国籍を記載しなければならない。
市町村長は、戸籍事務の処理に際し、国籍法第十四条第一項の規定により国籍の選択をすべき者が同項に定める期限内にその選択をしていないと思料するときは、その者の氏名、本籍 その他法務省令で定める事項を管轄法務局長等に通知しなければならない。
官庁 又は公署がその職務上国籍を喪失した者があることを知つたときは、遅滞なく 本籍地の市町村長に、国籍喪失を証すべき書面を添附して、国籍喪失の報告をしなければならない。
報告書には、第百三条第二項に掲げる事項を記載しなければならない。
外国の国籍を有する日本人がその外国の国籍を喪失したときは、その者は、その喪失の事実を知つた日から一箇月以内(その者がその事実を知つた日に国外に在るときは、その日から三箇月以内)に、その旨を届け出なければならない。
届書には、外国の国籍の喪失の原因 及び年月日を記載し、その喪失を証すべき書面を添付しなければならない。
第十五節 氏名の変更
やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者 及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
外国人と婚姻をした者がその氏を配偶者の称している氏に変更しようとするときは、その者は、その婚姻の日から六箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
前項の規定によつて氏を変更した者が離婚、婚姻の取消し又は配偶者の死亡の日以後にその氏を変更の際に称していた氏に変更しようとするときは、その者は、その日から三箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
第一項の規定は、父 又は母が外国人である者(戸籍の筆頭に記載した者 又はその配偶者を除く。)でその氏をその父 又は母の称している氏に変更しようとするものに準用する。
正当な事由によつて名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
第十六節 転籍及び就籍
転籍をしようとするときは、新本籍を届書に記載して、戸籍の筆頭に記載した者 及びその配偶者が、その旨を届け出なければならない。
他の市町村に転籍をする場合には、戸籍の謄本を届書に添附しなければならない。
転籍の届出は、転籍地でこれをすることができる。
本籍を有しない者は、家庭裁判所の許可を得て、許可の日から十日以内に就籍の届出をしなければならない。
届書には、第十三条に掲げる事項の外、就籍許可の年月日を記載しなければならない。
前条の規定は、確定判決によつて就籍の届出をすべき場合にこれを準用する。
この場合には、判決の謄本を届書に添附しなければならない。
就籍の届出は、就籍地でこれをすることができる。