道路における車両 及び路面電車の交通方法については、この章の定めるところによる。
道路交通法
第三章 車両及び路面電車の交通方法
第一節 通則
この章の規定の適用については、自動車 又は原動機付自転車により他の車両を牽引する場合における当該牽引される車両は、その牽引する自動車 又は原動機付自転車の一部とする。
この章の規定のうち交差点における交通に係る規定は、本線車道を通行している自動車については、適用しない。
この章の規定の適用については、自転車道が設けられている道路における自転車道と自転車道以外の車道の部分とは、それぞれ一の車道とする。
車両は、歩道 又は路側帯(以下 この条 及び次条第一項において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。
ただし、道路外の施設 又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項 若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。
前項ただし書の場合において、車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。
特定小型原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号ロに該当するものをいう。以下同じ。)、二輪 又は三輪の自転車 その他車体の大きさ 及び構造が自転車道における他の車両の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当する車両(これらの車両で側車付きのもの 及び他の車両を牽引しているものを除く。)以外の車両は、自転車道を通行してはならない。
ただし、道路外の施設 又は場所に出入するためやむを得ないときは、自転車道を横断することができる。
車両は、道路(歩道等と車道の区別のある道路においては、車道。以下第九節の二までにおいて同じ。)の中央(軌道が道路の側端に寄つて設けられている場合においては当該道路の軌道敷を除いた部分の中央とし、道路標識等による中央線が設けられているときはその中央線の設けられた道路の部分を中央とする。以下同じ。)から左の部分(以下「左側部分」という。)を通行しなければならない。
車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、道路の中央から右の部分(以下「右側部分」という。)にその全部 又は一部をはみ出して通行することができる。
この場合において、車両は、第一号に掲げる場合を除き、そのはみ出し方ができるだけ少なくなるようにしなければならない。
当該道路が一方通行(道路における車両の通行につき一定の方向にする通行が禁止されていることをいう。以下同じ。)となつているとき。
当該道路の左側部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
当該車両が道路の損壊、道路工事 その他の障害のため当該道路の左側部分を通行することができないとき。
当該道路の左側部分の幅員が六メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするとき(当該道路の右側部分を見とおすことができ、かつ、反対の方向からの交通を妨げるおそれがない場合に限るものとし、道路標識等により追越しのため右側部分にはみ出して通行することが禁止されている場合を除く。)。
勾配の急な道路のまがりかど附近について、道路標識等により通行の方法が指定されている場合において、当該車両が当該指定に従い通行するとき。
車両は、安全地帯 又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない。
特定小型原動機付自転車のうち、次の各号のいずれにも該当するもので、他の車両を牽引していないもの(遠隔操作により通行させることができるものを除く。以下 この条 及び次条において「特例特定小型原動機付自転車」という。)は、前条第一項の規定にかかわらず、道路標識等により特例特定小型原動機付自転車が歩道を通行することができることとされているときは、当該歩道を通行することができる。
ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
前号の規定による表示をしている場合においては、車体の構造上、歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのない速度として内閣府令で定める速度を超える速度を出すことができないものであること。
前二号に規定するもののほか、車体の構造が歩道等における歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当すること。
前項の場合において、特例特定小型原動機付自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(普通自転車通行指定部分があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、特例特定小型原動機付自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。
ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
特例特定小型原動機付自転車 及び軽車両は、第十七条第一項の規定にかかわらず、著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、道路の左側部分に設けられた路側帯(特例特定小型原動機付自転車 及び軽車両の通行を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたものを除く。)を通行することができる。
前項の場合において、特例特定小型原動機付自転車 及び軽車両は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で進行しなければならない。
車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車 及び一般原動機付自転車(原動機付自転車のうち第二条第一項第十号イに該当するものをいう。以下同じ。)にあつては道路の左側に寄つて、特定小型原動機付自転車 及び軽車両(以下「特定小型原動機付自転車等」という。)にあつては道路の左側端に寄つて、それぞれ当該道路を通行しなければならない。
ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項 若しくは第三十四条第二項 若しくは第四項の規定により道路の中央 若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況 その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合 その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。
軽車両は、軽車両が並進することとなる場合においては、他の軽車両と並進してはならない。
車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。
ただし、自動車(小型特殊自動車 及び道路標識等によつて指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
車両は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により前項に規定する通行の区分と異なる通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に従い、当該車両通行帯を通行しなければならない。
車両は、追越しをするとき、第二十五条第一項 若しくは第二項、第三十四条第一項から第五項まで 若しくは第三十五条の二の規定により道路の左側端、中央 若しくは右側端に寄るとき、第三十五条第一項の規定に従い通行するとき、第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき、第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況 その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。
この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。
道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行の用に供する自動車 その他の政令で定める自動車(以下この条において「路線バス等」という。)の優先通行帯であることが道路標識等により表示されている車両通行帯が設けられている道路においては、自動車(路線バス等を除く。以下この条において同じ。)は、路線バス等が後方から接近してきた場合に当該道路における交通の混雑のため当該車両通行帯から出ることができないこととなるときは、当該車両通行帯を通行してはならず、また、当該車両通行帯を通行している場合において、後方から路線バス等が接近してきたときは、その正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに当該車両通行帯の外に出なければならない。
ただし、この法律の他の規定により通行すべきこととされている道路の部分が当該車両通行帯であるとき、又は道路の状況 その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
前条第一項本文の規定は、前項の車両通行帯の直近の右側の車両通行帯 又は道路の部分を通行する自動車については、適用しない。
車両(トロリーバスを除く。以下 この条 及び次条第一項において同じ。)は、左折し、右折し、横断し、若しくは転回するため軌道敷を横切る場合 又は危険防止のためやむを得ない場合を除き、軌道敷内を通行してはならない。
車両は、次の各号に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、軌道敷内を通行することができる。
この場合において、車両は、路面電車の通行を妨げてはならない。
当該道路の左側部分から軌道敷を除いた部分の幅員が当該車両の通行のため十分なものでないとき。
当該車両が、道路の損壊、道路工事 その他の障害のため当該道路の左側部分から軌道敷を除いた部分を通行することができないとき。
道路標識等により軌道敷内を通行することができることとされている自動車が通行するとき。
軌道敷内を通行する車両は、後方から路面電車が接近してきたときは、当該路面電車の正常な運行に支障を及ぼさないように、すみやかに軌道敷外に出るか、又は当該路面電車から必要な距離を保つようにしなければならない。
第二節 速度
車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
路面電車 又はトロリーバスは、軌道法(大正十年法律第七十六号)第十四条(同法第三十一条において準用する場合を含む。第六十二条において同じ。)の規定に基づく命令で定める最高速度をこえない範囲内で道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては当該命令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。
車両の運転者が前条の規定に違反する行為(以下 この条 及び第七十五条の二第一項において「最高速度違反行為」という。)を当該車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)の業務に関してした場合において、当該最高速度違反行為に係る車両の使用者が当該車両につき最高速度違反行為を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、最高速度違反行為となる運転が行われることのないよう運転者に指導し又は助言すること その他最高速度違反行為を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
前項の規定による指示に係る車両の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物利用運送事業法(平成元年法律第八十二号)の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者 又は軌道法の規定による軌道経営者(トロリーバスを運行するものに限る。)である場合における当該指示は、公安委員会が当該事業を監督する行政庁とあらかじめ協議して定めたところによつてしなければならない。
自動車は、道路標識等によりその最低速度が指定されている道路(第七十五条の四に規定する高速自動車国道の本線車道を除く。)においては、法令の規定により速度を減ずる場合 及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その最低速度に達しない速度で進行してはならない。
車両等の運転者は、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない。
第三節 横断等
車両は、道路外に出るため左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、徐行しなければならない。
車両(特定小型原動機付自転車等 及びトロリーバスを除く。)は、道路外に出るため右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端)に寄り、かつ、徐行しなければならない。
道路外に出るため左折 又は右折をしようとする車両が、前二項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央 又は右側端に寄ろうとして手 又は方向指示器による合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度 又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。
車両は、歩行者 又は他の車両等の正常な交通を妨害するおそれがあるときは、道路外の施設 若しくは場所に出入するための左折 若しくは右折をし、横断し、転回し、又は後退してはならない。
車両は、道路標識等により横断、転回 又は後退が禁止されている道路の部分においては、当該禁止された行為をしてはならない。
第四節 追越し等
車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。
車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度 又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。
第四十条の規定により道路の左側 若しくは右側に寄るとき、
又は道路の損壊、道路工事 その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。
第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事 その他の障害のため、通行することができなかつた車両通行帯を通行の区分に関する規定に従つて通行しようとするとき。
車両(道路運送法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者による同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行 又は同法第三条第二号に掲げる特定旅客自動車運送事業の用に供する自動車(以下「乗合自動車」という。)及びトロリーバスを除く。)は、第二十二条第一項の規定に基づく政令で定める最高速度(以下この条において「最高速度」という。)が高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が当該車両の追越しを終わるまで速度を増してはならない。
最高速度が同じであるか 又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
車両(乗合自動車 及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下 この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。
最高速度が同じであるか 又は低い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
車両は、他の車両を追い越そうとするときは、その追い越されようとする車両(以下 この節において「前車」という。)の右側を通行しなければならない。
車両は、他の車両を追い越そうとする場合において、前車が第二十五条第二項 又は第三十四条第二項 若しくは第四項の規定により道路の中央 又は右側端に寄つて通行しているときは、前項の規定にかかわらず、その左側を通行しなければならない。
車両は、路面電車を追い越そうとするときは、当該車両が追いついた路面電車の左側を通行しなければならない。
ただし、軌道が道路の左側端に寄つて設けられているときは、この限りでない。
前三項の場合においては、追越しをしようとする車両(次条において「後車」という。)は、反対の方向 又は後方からの交通 及び前車 又は路面電車の前方の交通にも十分に注意し、かつ、前車 又は路面電車の速度 及び進路 並びに道路の状況に応じて、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
後車は、前車が他の自動車 又はトロリーバスを追い越そうとしているときは、追越しを始めてはならない。
車両は、道路標識等により追越しが禁止されている道路の部分 及び次に掲げるその他の道路の部分においては、他の車両(特定小型原動機付自転車等を除く。)を追い越すため、進路を変更し、又は前車の側方を通過してはならない。
トンネル(車両通行帯の設けられた道路以外の道路の部分に限る。)
交差点(当該車両が第三十六条第二項に規定する優先道路を通行している場合における当該優先道路にある交差点を除く。)、踏切、横断歩道 又は自転車横断帯 及びこれらの手前の側端から前に三十メートル以内の部分
車両は、乗客の乗降のため停車中の路面電車に追いついたときは、当該路面電車の乗客が乗降を終わり、又は当該路面電車から降りた者で当該車両の前方において当該路面電車の左側を横断し、若しくは横断しようとしているものがいなくなるまで、当該路面電車の後方で停止しなければならない。
ただし、路面電車に乗降する者の安全を図るため設けられた安全地帯があるとき、又は当該路面電車に乗降する者がいない場合において当該路面電車の左側に当該路面電車から一・五メートル以上の間隔を保つことができるときは、徐行して当該路面電車の左側を通過することができる。
停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手 又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度 又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。
車両は、法令の規定 若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため、停止し、若しくは停止しようとして徐行している車両等 又はこれらに続いて停止し、若しくは徐行している車両等に追いついたときは、その前方にある車両等の側方を通過して当該車両等の前方に割り込み、又はその前方を横切つてはならない。
第五節 踏切の通過
車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下 この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。
ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。
車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間 又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。
車両等の運転者は、故障 その他の理由により踏切において当該車両等を運転することができなくなつたときは、直ちに非常信号を行う等踏切に故障 その他の理由により停止している車両等があることを鉄道 若しくは軌道の係員 又は警察官に知らせるための措置を講ずるとともに、当該車両等を踏切以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。
第六節 交差点における通行方法等
車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
自動車、一般原動機付自転車 又はトロリーバスは、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
特定小型原動機付自転車等は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。
自動車、一般原動機付自転車 又はトロリーバスは、一方通行となつている道路において右折するときは、第二項の規定にかかわらず、あらかじめその前からできる限り道路の右側端に寄り、かつ、交差点の中心の内側(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)を徐行しなければならない。
一般原動機付自転車は、第二項 及び前項の規定にかかわらず、道路標識等により交通整理の行われている交差点における一般原動機付自転車の右折につき交差点の側端に沿つて通行すべきことが指定されている道路 及び道路の左側部分(一方通行となつている道路にあつては、道路)に車両通行帯が三以上設けられているその他の道路(以下 この項において「多通行帯道路」という。)において右折するとき(交通整理の行われている交差点において右折する場合に限る。)は、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿つて徐行しなければならない。
ただし、多通行帯道路において、交通整理の行われている交差点における一般原動機付自転車の右折につきあらかじめ道路の中央 又は右側端に寄るべきことが道路標識等により指定されているときは、この限りでない。
左折 又は右折しようとする車両が、前各項の規定により、それぞれ道路の左側端、中央 又は右側端に寄ろうとして手 又は方向指示器による合図をした場合においては、その後 方にある車両は、その速度 又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした車両の進路の変更を妨げてはならない。
車両(特定小型原動機付自転車等 及び右折につき一般原動機付自転車が前条第五項本文の規定によることとされる交差点において左折 又は右折をする一般原動機付自転車を除く。)は、車両通行帯の設けられた道路において、道路標識等により交差点で進行する方向に関する通行の区分が指定されているときは、同条第一項、第二項 及び第四項の規定にかかわらず、当該通行の区分に従い当該車両通行帯を通行しなければならない。
ただし、第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事 その他の障害のためやむを得ないときは、この限りでない。
前条第六項の規定は、車両が前項の通行の区分に従い通行するため進路を変更しようとして手 又は方向指示器による合図をした場合について準用する。
車両は、環状交差点において左折し、又は右折するときは、第三十四条第一項から第五項までの規定にかかわらず、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り環状交差点の側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
車両は、環状交差点において直進し、又は転回するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り環状交差点の側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。
車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。
車両である場合
その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両 及び交差道路を通行する路面電車
路面電車である場合
交差道路を左方から進行してくる路面電車
車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線 又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
車両等(優先道路を通行している車両等を除く。)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない。
車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等 及び当該交差点 又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。
車両等は、環状交差点においては、第三十六条第一項 及び第二項 並びに前条の規定にかかわらず、当該環状交差点内を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
車両等は、環状交差点に入ろうとするときは、第三十六条第三項の規定にかかわらず、徐行しなければならない。
車両等は、環状交差点に入ろうとし、及び環状交差点内を通行するときは、第三十六条第四項の規定にかかわらず、当該環状交差点の状況に応じ、当該環状交差点に入ろうとする車両等、当該環状交差点内を通行する車両等 及び当該環状交差点 又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
第六節の二 横断歩行者等の保護のための通行方法
車両等は、横断歩道 又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者 又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下 この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。
この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号 又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
車両等は、横断歩道等 及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(特定小型原動機付自転車等を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。
車両等は、交差点 又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。
第七節 緊急自動車等
緊急自動車(消防用自動車、救急用自動車 その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下同じ。)は、第十七条第五項に規定する場合のほか、追越しをするためその他やむを得ない必要があるときは、同条第四項の規定にかかわらず、道路の右側部分にその全部 又は一部をはみ出して通行することができる。
緊急自動車は、法令の規定により停止しなければならない場合においても、停止することを要しない。
この場合においては、他の交通に注意して徐行しなければならない。
交差点 又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。
緊急自動車については、第八条第一項、第十七条第六項、第十八条、第二十条第一項 及び第二項、第二十条の二、第二十五条第一項 及び第二項、第二十五条の二第二項、第二十六条の二第三項、第二十九条、第三十条、第三十四条第一項、第二項 及び第四項、第三十五条第一項 並びに第三十八条第一項前段 及び第三項の規定は、適用しない。
前項に規定するもののほか、第二十二条の規定に違反する車両等を取り締まる場合における緊急自動車については、同条の規定は、適用しない。
もつぱら交通の取締りに従事する自動車で内閣府令で定めるものについては、第十八条第一項、第二十条第一項 及び第二項、第二十条の二 並びに第二十五条の二第二項の規定は、適用しない。
政令で定めるところにより道路の維持、修繕等のための作業に従事している場合における道路維持作業用自動車(専ら道路の維持、修繕等のために使用する自動車で政令で定めるものをいう。以下第七十五条の九において同じ。)については、第十七条第四項 及び第六項、第十八条第一項、第二十条第一項 及び第二項、第二十条の二、第二十三条 並びに第二十五条の二第二項の規定は、適用しない。
交差点 又はその付近において、消防用車両(消防用自動車以外の消防の用に供する車両で、消防用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下 この条 及び第七十五条の二十二第二項において同じ。)が接近してきたときは、車両等(車両にあつては、緊急自動車 及び消防用車両を除く。)は、交差点を避けて一時停止しなければならない。
前項以外の場所において、消防用車両が接近してきたときは、車両(緊急自動車 及び消防用車両を除く。)は、当該消防用車両の通行を妨げてはならない。
第三十九条の規定は、消防用車両について準用する。
消防用車両については、第八条第一項、第十七条第六項、第十八条、第二十条第一項 及び第二項、第二十五条第一項 及び第二項、第二十五条の二第二項、第二十六条の二第三項、第二十九条、第三十条、第三十四条第一項から第五項まで、第三十五条第一項、第三十八条第一項前段 及び第三項、第四十条第一項、第六十三条の六 並びに第六十三条の七の規定は、適用しない。
第八節 徐行及び一時停止
車両等は、道路標識等により徐行すべきことが指定されている道路の部分を通行する場合 及び次に掲げるその他の場合においては、徐行しなければならない。
左右の見とおしがきかない交差点に入ろうとし、又は交差点内で左右の見とおしがきかない部分を通行しようとするとき(当該交差点において交通整理が行なわれている場合 及び優先道路を通行している場合を除く。)。
道路のまがりかど附近、上り坂の頂上附近 又は勾配の急な下り坂を通行するとき。
車両等は、交通整理が行なわれていない交差点 又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。
この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
第九節 停車及び駐車
車両は、道路標識等により停車 及び駐車が禁止されている道路の部分 及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定 若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂 又はトンネル
交差点の側端 又は道路の曲がり角から五メートル以内の部分
横断歩道 又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分 及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
乗合自動車の停留所 又はトロリーバス 若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱 又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所 又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス 又は路面電車の運行時間中に限る。)
踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
乗合自動車 又はトロリーバスが、その属する運行系統に係る停留所 又は停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するとき。
道路運送法第三条第一号に規定する一般旅客自動車運送事業の用に供する自動車(同号イに規定する一般乗合旅客自動車運送事業の用に供する自動車にあつては同法第五条第一項第三号に規定する路線定期運行の用に供するものを除く。第四十九条の三第一項において「一般旅客自動車運送事業用自動車」という。)又は同法第七十八条第二号に規定する自家用有償旅客運送の用に供する自動車(同項において「自家用有償旅客運送自動車」という。)が、乗合自動車の停留所 又はトロリーバス 若しくは路面電車の停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するとき(当該停留所 又は停留場における停車 又は駐車であつて、地域住民の生活に必要な旅客輸送を確保するために有用であり、かつ、道路 又は交通の状況により支障がないことについて、内閣府令で定めるところにより、同法第九条第一項に規定する一般乗合旅客自動車運送事業者、公安委員会 その他の当該停車 又は駐車に関係のある者として内閣府令で定める者が合意し、その旨を公安委員会が公示したものをする場合に限る。)。
車両は、道路標識等により駐車が禁止されている道路の部分 及び次に掲げるその他の道路の部分においては、駐車してはならない。
ただし、公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたときは、この限りでない。
人の乗降、貨物の積卸し、駐車 又は自動車の格納 若しくは修理のため道路外に設けられた施設 又は場所の道路に接する自動車用の出入口から三メートル以内の部分
道路工事が行なわれている場合における当該工事区域の側端から五メートル以内の部分
消防用機械器具の置場 若しくは消防用防火水槽の側端 又はこれらの道路に接する出入口から五メートル以内の部分
消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置 又は消防用防火水槽の吸水口 若しくは吸管投入孔から五メートル以内の部分
火災報知機から一メートル以内の部分
車両は、第四十七条第二項 又は第三項の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に三・五メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場所においては、駐車してはならない。
ただし、貨物の積卸しを行なう場合で運転者がその車両を離れないとき、若しくは運転者がその車両を離れたが直ちに運転に従事することができる状態にあるとき、又は傷病者の救護のためやむを得ないときは、この限りでない。
公安委員会が交通がひんぱんでないと認めて指定した区域においては、前項本文の規定は、適用しない。
次の各号のいずれかに該当する者(以下 この項 及び次項において「高齢運転者等」という。)が運転する普通自動車(当該高齢運転者等が内閣府令で定めるところによりその者の住所地を管轄する公安委員会に届出をしたものに限る。)であつて、当該高齢運転者等が同項の規定により交付を受けた高齢運転者等標章をその停車 又は駐車をしている間前面の見やすい箇所に掲示したもの(以下「高齢運転者等標章自動車」という。)は、第四十四条第一項の規定による停車 及び駐車を禁止する道路の部分 又は前条第一項の規定による駐車を禁止する道路の部分の全部 又は一部について、道路標識等により停車 又は駐車をすることができることとされているときは、これらの規定にかかわらず、停車し、又は駐車することができる。
第七十一条の五第三項に規定する普通自動車対応免許(以下この条において単に「普通自動車対応免許」という。)を受けた者で七十歳以上のもの
第七十一条の六第二項 又は第三項に規定する者
前二号に掲げるもののほか、普通自動車対応免許を受けた者で、妊娠 その他の事由により身体の機能に制限があることからその者の運転する普通自動車が停車 又は駐車をすることができる場所について特に配慮する必要があるものとして政令で定めるもの
公安委員会は、高齢運転者等に対し、その申請により、その者が前項の届出に係る普通自動車の運転をする高齢運転者等であることを示す高齢運転者等標章を交付するものとする。
高齢運転者等標章の交付を受けた者は、当該高齢運転者等標章を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損したときは、その者の住所地を管轄する公安委員会に高齢運転者等標章の再交付を申請することができる。
高齢運転者等標章の交付を受けた者は、普通自動車対応免許が取り消され、又は失効したとき、第一項第三号に規定する事由がなくなつたとき その他内閣府令で定める事由が生じたときは、速やかに、当該高齢運転者等標章をその者の住所地を管轄する公安委員会に返納しなければならない。
前三項に定めるもののほか、高齢運転者等標章について必要な事項は、内閣府令で定める。
前条第一項に規定するもののほか、車両は、第四十四条第一項 又は第四十五条第一項の規定による停車 及び駐車を禁止する道路の部分 又は駐車を禁止する道路の部分の一部について、道路標識等により停車 又は駐車をすることができることとされているときは、これらの規定にかかわらず、停車し、又は駐車することができる。
車両は、人の乗降 又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
車両は、駐車するときは、道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
車両は、車道の左側端に接して路側帯(当該路側帯における停車 及び駐車を禁止することを表示する道路標示によつて区画されたもの及び政令で定めるものを除く。)が設けられている場所において、停車し、又は駐車するときは、前二項の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、当該路側帯に入り、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない。
車両は、道路標識等により停車 又は駐車の方法が指定されているときは、前条の規定にかかわらず、当該方法によつて停車し、又は駐車しなければならない。
公安委員会は、時間を限つて同一の車両が引き続き駐車することができる道路の区間であることが道路標識等により指定されている道路の区間(以下「時間制限駐車区間」という。)について、当該時間制限駐車区間における駐車の適正を確保するため、パーキング・メーター(内閣府令で定める機能を有するものに限る。以下同じ。)又はパーキング・チケット(内閣府令で定める様式の標章であつて、発給を受けた時刻 その他内閣府令で定める事項を表示するものをいう。以下同じ。)を発給するための設備で内閣府令で定める機能を有するもの(以下「パーキング・チケット発給設備」という。)を設置し、及び管理するものとする。
前項に定めるもののほか、公安委員会は、時間制限駐車区間において駐車しようとする車両の運転者に対する情報の提供、時間制限駐車区間において駐車する車両の整理 その他時間制限駐車区間における駐車の適正を確保するために必要な措置を講じなければならない。
公安委員会は、第一項のパーキング・メーター 及びパーキング・チケット発給設備の管理に関する事務 並びに前項に規定する措置に関する事務の全部 又は一部を内閣府令で定める者に委託することができる。
公安委員会は、時間制限駐車区間を、時間を限つて同一の高齢運転者等標章自動車に限り引き続き駐車することができる道路の区間として指定することができる。
この場合において、公安委員会は、前条第一項の道路標識等にその旨を表示するものとする。
時間制限駐車区間における車両の駐車(第四十四条第二項各号に掲げる場合における当該乗合自動車 若しくはトロリーバス 又は当該一般旅客自動車運送事業用自動車 若しくは自家用有償旅客運送自動車の駐車を除く。次条において同じ。)については、第四十四条から第四十八条までの規定にかかわらず、この条から第四十九条の五までに定めるところによる。
車両(前条の規定により指定された道路の区間(次条において「高齢運転者等専用時間制限駐車区間」という。)にあつては、高齢運転者等標章自動車に限る。以下 この条、第四十九条の六 及び第百十九条の三第一項第二号において同じ。)は、時間制限駐車区間においては、当該駐車につき第四十九条第一項のパーキング・メーターが車両を感知した時 又は同項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を受けた時から、それぞれ道路標識等により表示されている時間を超えて引き続き駐車してはならない。
車両は、時間制限駐車区間においては、駐車につき道路標識等により指定されている道路の部分 及び方法でなければ、駐車してはならない。
車両の運転者は、時間制限駐車区間において車両を駐車したときは、政令で定めるところにより、第四十九条第一項のパーキング・メーターを直ちに作動させ、又は同項のパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を直ちに受けて、これを当該車両が駐車している間(当該パーキング・チケットの発給を受けた時から道路標識等により表示されている時間を経過する時までの間に限る。)、当該車両の前面の見やすい箇所に掲示しなければならない。
高齢運転者等専用時間制限駐車区間においては、高齢運転者等標章自動車以外の車両は、駐車をしてはならない。
警察署長が公安委員会の定めるところにより時間制限駐車区間における車両の駐車につき駐車することができる場所 及び駐車の方法 並びに駐車を開始することができる時刻 及び駐車を終了すべき時刻を指定して許可をした場合において、当該許可に係る車両が、指定された場所 及び方法で、指定された駐車を開始することができる時刻から駐車を終了すべき時刻までの間において駐車を開始したときは、当該車両 及びその運転者については、前二条(第四十九条の三第一項を除く。)の規定は、適用しない。
この場合において、当該車両は、当該指定された駐車を終了すべき時刻を過ぎて引き続き駐車してはならない。
車両は、第四十九条の三第三項の道路標識等により車両が駐車することができる道路の部分として指定されている時間制限駐車区間の第四十四条第一項各号に掲げる道路の部分においては、同項の規定にかかわらず、停車することができる。
時間制限駐車区間に駐車場法(昭和三十二年法律第百六号)第五条第一項の規定により同法第二条第一号に規定する路上駐車場(以下 この条 及び第百十条の二において「路上駐車場」という。)が設置されている場合における当該路上駐車場に係る道路の部分については、第四十九条の規定は適用しない。
時間制限駐車区間に設置されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、駐車場法第六条第一項に規定する路上駐車場管理者によりパーキング・メーター 又はパーキング・チケット発給設備が設置されているものについては、当該パーキング・メーター 又はパーキング・チケット発給設備を第四十九条第一項のパーキング・メーター 又はパーキング・チケット発給設備とみなして、第四十九条の三の規定を適用する。
時間制限駐車区間に設置されている路上駐車場に係る道路の部分のうち、パーキング・メーター 又はパーキング・チケット発給設備が設置されていないものについては、第四十九条の三から第四十九条の五までの規定は適用しない。
交通整理の行なわれている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点(交差点内に道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線をこえた部分。以下 この項において同じ。)に入つた場合においては当該交差点内で停止することとなり、よつて交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入つてはならない。
車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、横断歩道、自転車横断帯、踏切 又は道路標示によつて区画された部分に入つた場合においてはその部分で停止することとなるおそれがあるときは、これらの部分に入つてはならない。
第九節の二 違法停車及び違法駐車に対する措置
車両(トロリーバスを除く。以下 この条、次条 及び第五十一条の四において同じ。)が第四十四条第一項、第四十七条第一項 若しくは第三項 又は第四十八条の規定に違反して停車していると認められるときは、警察官等は、当該車両の運転者に対し、当該車両の停車の方法を変更し、又は当該車両を当該停車が禁止されている場所から移動すべきことを命ずることができる。
車両が第四十四条第一項、第四十五条第一項 若しくは第二項、第四十七条第二項 若しくは第三項、第四十八条、第四十九条の三第二項 若しくは第三項、第四十九条の四 若しくは第四十九条の五後段の規定に違反して駐車していると認められるとき、又は第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第四十九条の三第四項の規定に違反していると認められるとき(第五十一条の四第一項 及び第七十五条の二十二第三項において「違法駐車と認められる場合」と総称する。)は、警察官等は、当該車両の運転者 その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条において「運転者等」という。)に対し、当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと 又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。
車両の故障 その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法を変更し、又は当該車両を移動することができる。
第一項の場合において、現場に当該車両の運転者等がいないために、当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは、警察官等は、道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法の変更 その他必要な措置をとり、又は当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所に当該車両を移動することができる。
前項の規定により車両の移動をしようとする場合において、当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは、警察官等は、当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
前項の報告を受けた警察署長は、駐車場、空地、第三項に規定する場所以外の道路上の場所 その他の場所に当該車両を移動することができる。
警察署長は、前項の規定により車両を移動したときは、当該車両を保管しなければならない。
この場合において、警察署長は、車両の保管の場所の形状、管理の態様等に応じ、当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため、警察署長が当該車両を保管している旨の表示、車輪止め装置の取付け その他の必要な措置を講じなければならない。
警察署長は、前項の規定により車両を保管したときは、当該車両の使用者に対し、保管を始めた日時 及び保管の場所 並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知しなければならない。
警察署長は、前項の場合において、当該車両の使用者の氏名 及び住所を知ることができないとき、その他当該使用者に当該車両を返還することが困難であると認められるときは、当該車両の所有者に対し、同項に規定する旨を告知しなければならない。
警察署長は、前項の場合において、当該車両の所有者の氏名 及び住所を知ることができないときは、政令で定めるところにより、当該車両の保管の場所 その他の政令で定める事項を公示しなければならない。
警察署長は、前項の規定による公示をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該公示の日付 及び内容をインターネットの利用 その他の方法により公表するものとする。
第七項から前項までに定めるもののほか、第六項の規定により保管した車両の返還に関し必要な事項は、政令で定める。
警察署長は、第六項の規定により保管した車両につき、第八項の規定による告知の日 又は第九項の規定による公示の日から起算して一月を経過してもなお当該車両を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該車両の価額に比し、その保管に不相当な費用を要するときは、政令で定めるところにより、当該車両を売却し、その売却した代金を保管することができる。
警察署長は、前項の規定による車両の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該車両を廃棄することができる。
第十二項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。
第二項、第三項 又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動、車両の保管、公示 その他の措置に要した費用は、当該車両の運転者等 又は使用者 若しくは所有者(以下 この条 及び次条において「使用者等」という。)の負担とする。
警察署長は、前項の規定により運転者等 又は使用者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限 及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。
この場合において、納付すべき金額は、同項に規定する費用につき実費を勘案して都道府県規則でその額を定めたときは、その定めた額とする。
警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金 及び督促に要した手数料を徴収することができる。
前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金 並びに同項後段の延滞金 及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により、負担金等を徴収することができる。
この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。
納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。
第八項の規定による告知の日 又は第九項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお第六項の規定により保管した車両(第十二項の規定により売却した代金を含む。以下 この項において同じ。)を返還することができないときは、当該車両の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。
警察署長は、第十二項の規定による車両(道路運送車両法による登録を受けた自動車に限る。以下 この項において同じ。)の売却、第十三項の規定による車両の廃棄 又は前項の規定による車両の所有権の都道府県への帰属があつたときは、政令で定めるところにより、当該車両について、これらの処分等に係る同法による登録を国土交通大臣 又は同法第百五条第一項 若しくは第二項の規定により委任を受けた者に嘱託しなければならない。
第六項、第七項 及び第九項から第二十項までの規定は、第六項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。
この場合において、
第七項中
「使用者」とあるのは
「所有者、占有者 その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)」と、
第九項中
「前項」とあるのは
「第二十二項において読み替えて準用する第七項」と、
「知ることができない」とあるのは
「知ることができず、かつ、当該積載物の所有者以外の者に当該積載物を返還することが困難であると認められる」と、
第十一項中
「第七項から前項まで」とあるのは
「第二十二項において読み替えて準用する第七項 及び前二項」と、
第十二項中
「第八項の規定による告知の日 又は」とあるのは
「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する告知の日 若しくは」と、
「費用」とあるのは
「費用 若しくは手数」と、
第十五項中
「第二項、第三項 又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動、」とあるのは
「第二十二項において準用する第六項、第七項 又は第九項から第十一項までの規定による」と、
「運転者等 又は使用者 若しくは所有者(以下 この条 及び次条において「使用者等」という。)」とあるのは
「所有者等」と、
第十六項中
「運転者等 又は使用者等」とあるのは
「所有者等」と、
第二十項中
「第八項の規定による」とあるのは
「第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する」と
読み替えるものとする。
警察署長は、前条の規定の施行のため必要があると認めるときは、同条第六項の規定により保管した車両の使用者等その他の関係者 又は同条第二十二項において準用する同条第六項の規定により保管した積載物の所有者、占有者 その他当該積載物について権原を有する者 その他の関係者に対し、当該車両 又は積載物に関し必要な報告 又は資料の提出を求めることができる。
警察署長は、前条の規定の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体 その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
警察署長は、第五十一条第五項 及び第六項(同条第二十二項において準用する場合を含む。)の規定による車両(積載物を含む。以下 この項において同じ。)の移動 及び保管に関する事務(当該車両の移動、返還、売却 及び廃棄の決定、同条第十六項の規定による命令、滞納処分 その他の政令で定めるものを除く。)の全部 又は一部を内閣府令で定める法人に委託することができる。
前項の規定により警察署長から事務の委託を受けた法人の役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
警察署長は、警察官等に、違法駐車と認められる場合における車両(軽車両にあつては、牽引されるための構造 及び装置を有し、かつ、車両総重量(道路運送車両法第四十条第三号の車両総重量をいう。)が七百五十キログラムを超えるもの(以下「重被牽引車」という。)に限る。以下この条において同じ。)であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるもの(以下「放置車両」という。)の確認をさせ、内閣府令で定めるところにより、当該確認をした旨 及び当該車両に係る違法駐車行為(違法駐車と認められる場合に係る車両の運転者の行為をいう。第四項 及び第十六項において同じ。)をした者について第四項ただし書に規定する場合に該当しないときは同項本文の規定により当該車両の使用者が放置違反金の納付を命ぜられることがある旨を告知する標章を当該車両の見やすい箇所に取り付けさせることができる。
何人も、前項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、若しくは汚損し、又はこれを取り除いてはならない。
ただし、当該車両の使用者、運転者 その他当該車両の管理について責任がある者が取り除く場合は、この限りでない。
警察署長は、第一項の規定により車両に標章を取り付けさせたときは、当該車両の駐車に関する状況を公安委員会に報告しなければならない。
前項の規定による報告を受けた公安委員会は、当該報告に係る車両を放置車両と認めるときは、当該車両の使用者に対し、放置違反金の納付を命ずることができる。
ただし、第一項の規定により当該車両に標章が取り付けられた日の翌日から起算して三十日以内に、当該車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第百二十八条第一項の規定による反則金の納付をした場合 又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付された場合は、この限りでない。
前項本文の規定による命令(以下「納付命令」という。)は、放置違反金の額 並びに納付の期限 及び場所を記載した文書により行うものとする。
公安委員会は、納付命令をしようとするときは、当該車両の使用者に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を書面で通知し、相当の期間を指定して、当該事案について弁明を記載した書面(以下 この項 及び第九項において「弁明書」という。)及び有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
当該納付命令の原因となる事実
弁明書の提出先 及び提出期限
公安委員会は、納付命令を受けるべき者の所在が判明しないときは、前項の規定による通知を、その者の氏名 及び同項第二号に掲げる事項 並びに公安委員会が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでも その者に交付する旨を当該公安委員会の掲示板に掲示することによつて行うことができる。
この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。
放置違反金の額は、別表第一に定める金額の範囲内において、政令で定める。
第六項の規定による通知を受けた者は、弁明書の提出期限までに、政令で定めるところにより、放置違反金に相当する金額を仮に納付することができる。
納付命令は、前項の規定による仮納付をした者については、政令で定めるところにより、公示して行うことができる。
第九項の規定による仮納付をした者について同項の通知に係る納付命令があつたときは、当該放置違反金に相当する金額の仮納付は、当該納付命令による放置違反金の納付とみなす。
公安委員会は、第九項の規定による仮納付をした者について同項の通知に係る納付命令をしないこととしたときは、速やかに、その者に対し、理由を明示してその旨を書面で通知し、当該仮納付に係る金額を返還しなければならない。
公安委員会は、納付命令を受けた者が納付の期限を経過しても放置違反金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。
この場合において、公安委員会は、放置違反金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金 及び督促に要した手数料を徴収することができる。
前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに放置違反金 並びに同項後段の延滞金 及び手数料(以下 この条 及び第五十一条の七において「放置違反金等」という。)を納付しないときは、公安委員会は、地方税の滞納処分の例により、放置違反金等を徴収することができる。
この場合における放置違反金等の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。
納付され、又は徴収された放置違反金等は、当該公安委員会が置かれている都道府県の収入とする。
公安委員会は、納付命令をした場合において、当該納付命令の原因となつた車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第百二十八条第一項の規定による反則金の納付をしたとき、又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付されたときは、当該納付命令を取り消さなければならない。
公安委員会は、前項の規定により納付命令を取り消したときは、速やかに、理由を明示してその旨を当該納付命令を受けた者に通知しなければならない。
この場合において、既に当該納付命令に係る放置違反金等が納付され、又は徴収されているときは、公安委員会は、当該放置違反金等に相当する金額を還付しなければならない。
放置違反金等の徴収 又は還付に関する書類の送達 及び公示送達については、地方税の例による。
公安委員会は、前条の規定の施行のため必要があると認めるときは、同条第一項の規定により標章を取り付けられた車両の使用者、所有者 その他の関係者に対し、当該車両の使用に関し必要な報告 又は資料の提出を求めることができる。
公安委員会は、前条の規定の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体 その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
国家公安委員会は、前項前段の規定により、督促をした旨の報告を受けたときは、当該報告に係る事項(内閣府令で定めるものに限る。)を国土交通大臣等(国土交通大臣 若しくはその権限の委任を受けた地方運輸局長、運輸監理部長 若しくは運輸支局長 又は軽自動車検査協会(道路運送車両法第五章の二の規定により設立された軽自動車検査協会をいう。)をいう。次条 及び第七十五条の十三第二項第一号において同じ。)に通知するものとする。当該督促に係る納付命令を取り消した旨の報告を受けたときも、同様とする。
国家公安委員会は、前項前段の規定により、督促をした旨の報告を受けたときは、当該報告に係る事項(内閣府令で定めるものに限る。)を国土交通大臣等(国土交通大臣 若しくはその権限の委任を受けた地方運輸局長、運輸監理部長 若しくは運輸支局長 又は軽自動車検査協会(道路運送車両法第五章の二の規定により設立された軽自動車検査協会をいう。)をいう。次条において同じ。)に通知するものとする。
当該督促に係る納付命令を取り消した旨の報告を受けたときも、同様とする。
自動車検査証の返付(道路運送車両法第六十二条第二項(同法第六十七条第四項において準用する場合を含む。)又は総合特別区域法(平成二十三年法律第八十一号)第二十二条の二第三項の規定による自動車検査証の返付をいう。以下この条において同じ。)を受けようとする者は、その自動車(道路運送車両法第五十八条第一項に規定する自動車をいう。)が最後に同法第六十条第一項 若しくは第七十一条第四項の規定による自動車検査証の交付 又は自動車検査証の返付を受けた後に第五十一条の四第十三項の規定による督促(当該自動車が原因となつた納付命令(同条第十六項の規定により取り消されたものを除く。)に係るものに限る。)を受けたことがあるときは、国土交通大臣等に対して、当該督促に係る放置違反金等を納付したこと 又はこれを徴収されたことを証する書面を提示しなければならない。
国土交通大臣等は、前項の規定により同項の書面を提示しなければならないこととされる者(前条第二項前段の通知に係る者に限る。)による当該書面の提示がないときは、自動車検査証の返付をしないものとする。
警察署長は、第五十一条の四第一項に規定する放置車両の確認 及び標章の取付け(以下「放置車両の確認等」という。)に関する事務(以下「確認事務」という。)の全部 又は一部を、公安委員会の登録を受けた法人に委託することができる。
前項の登録(以下 この条から第五十一条の十一までにおいて「登録」という。)は、委託を受けて確認事務を行おうとする法人の申請により行う。
次の各号のいずれかに該当する法人は、登録を受けることができない。
第五十一条の十の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない法人
役員(業務を執行する社員、取締役、執行役 又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問 その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役 又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第七十五条の十四において同じ。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
禁錮以上の刑に処せられ、又は第百十九条の二の四第二項の罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
集団的に、又は常習的に暴力的不法行為 その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第十二条 若しくは第十二条の六の規定による命令 又は同法第十二条の四第二項の規定による指示を受けた者であつて、当該命令 又は指示を受けた日から起算して二年を経過しないもの
アルコール、麻薬、大麻、あへん 又は覚醒剤の中毒者
心身の障害により確認事務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
公安委員会は、第二項の規定により登録を申請した法人が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。
車両、携帯電話用装置 その他の携帯用の無線通話装置、地図、写真機 及び電子計算機を用いて確認事務を行うものであること。
第五十一条の十二第三項の駐車監視員が放置車両の確認等を行うものであること。
当該公安委員会が置かれている都道府県の区域内に事務所を有するものであること。
登録は、登録簿に登録を受ける法人の名称、代表者の氏名、主たる事務所の所在地、登録の年月日 及び登録番号を記載してするものとする。
登録は、三年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
第二項から第五項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。
公安委員会は、登録を受けた法人が前条第四項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その法人に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
公安委員会は、登録を受けた法人が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
第五十一条の八第三項第二号に該当するに至つたとき。
前条の規定による命令に違反したとき。
次条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
第五十一条の十二第二項から第四項までの規定に違反したとき。
偽りその他不正の手段により登録を受けたとき。
公安委員会は、第五十一条の八から前条までの規定の施行に必要な限度において、登録を受けた法人に対し、その業務 又は経理の状況に関し報告をさせ、又は警察職員に、登録を受けた法人の事務所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。
前項の規定により立入検査をする警察職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
警察署長は、第五十一条の八第一項の規定により確認事務を委託したときは、その受託者(以下「放置車両確認機関」という。)の名称 及び主たる事務所の所在地 その他政令で定める事項を公示しなければならない。
放置車両確認機関は、公正に、かつ、第五十一条の八第四項第一号 及び第二号に掲げる要件に適合する方法により確認事務を行わなければならない。
放置車両確認機関は、次条第一項の駐車監視員資格者証の交付を受けている者のうちから選任した駐車監視員以外の者に放置車両の確認等を行わせてはならない。
放置車両確認機関は、駐車監視員に制服を着用させ、又はその他の方法によりその者が駐車監視員であることを表示させ、かつ、国家公安委員会規則でその制式を定める記章を着用させなければ、その者に放置車両の確認等を行わせてはならない。
駐車監視員は、放置車両の確認等を行うときは、次条第一項の駐車監視員資格者証を携帯し、警察官等から提示を求められたときは、これを提示しなければならない。
放置車両確認機関の役員 若しくは職員(駐車監視員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、確認事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
確認事務に従事する放置車両確認機関の役員 又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。
第五十一条の八第一項の規定により確認事務を委託した場合における第五十一条の四第一項の規定の適用については、
同項中 「警察官等」とあるのは、「警察官等 又は第五十一条の十二第一項の放置車両確認機関」と
する。
公安委員会は、次の各号のいずれにも該当する者に対し、駐車監視員資格者証を交付する。
公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関する技能 及び知識に関して行う講習を受け、その課程を修了した者
公安委員会が国家公安委員会規則で定めるところにより放置車両の確認等に関しイに掲げる者と同等以上の技能 及び知識を有すると認める者
次のいずれにも該当しない者
十八歳未満の者
第五十一条の八第三項第二号イからヘまでのいずれかに該当する者
次項第二号 又は第三号に該当して同項の規定により駐車監視員資格者証の返納を命ぜられ、その返納の日から起算して二年を経過しない者
公安委員会は、駐車監視員資格者証の交付を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者に係る駐車監視員資格者証の返納を命ずることができる。
第五十一条の八第三項第二号イからヘまでのいずれかに該当するに至つたとき。
偽りその他不正の手段により駐車監視員資格者証の交付を受けたとき。
前条第五項の規定に違反し、又は放置車両の確認等に関し不正な行為をし、その情状が駐車監視員として不適当であると認められるとき。
第五十一条の八から前条までに定めるもののほか、確認事務の委託の手続 及び駐車監視員資格者証に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
公安委員会は、第五十一条の四に規定する放置違反金に関する事務(確認事務、納付命令、督促 及び滞納処分を除く。)の全部 又は一部を会社 その他の法人に委託することができる。
前項の規定により公安委員会から事務の委託を受けた法人の役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、当該事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第十節 灯火及び合図
車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下 この条 及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯 その他の灯火をつけなければならない。
政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合 又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等 灯火を操作しなければならない。
車両(自転車以外の軽車両を除く。次項 及び第四項において同じ。)の運転者は、左折し、右折し、転回し、徐行し、停止し、後退し、又は同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器 又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
車両の運転者は、環状交差点においては、前項の規定にかかわらず、当該環状交差点を出るとき、又は当該環状交差点において徐行し、停止し、若しくは後退するときは、手、方向指示器 又は灯火により合図をし、かつ、これらの行為が終わるまで当該合図を継続しなければならない。
前二項の合図を行う時期 及び合図の方法について必要な事項は、政令で定める。
車両の運転者は、第一項 又は第二項に規定する行為を終わつたときは、当該合図をやめなければならないものとし、また、これらの規定に規定する合図に係る行為をしないのにかかわらず、当該合図をしてはならない。
車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど 又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
山地部の道路 その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど 又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。
ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
第十一節 乗車、積載及び牽引
車両の運転者は、当該車両の乗車のために設備された場所以外の場所に乗車させ、又は乗車 若しくは積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない。
ただし、もつぱら貨物を運搬する構造の自動車(以下次条 及び第五十七条において「貨物自動車」という。)で貨物を積載しているものにあつては、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。
車両の運転者は、運転者の視野 若しくはハンドル その他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯 若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
車両に乗車する者は、当該車両の運転者が前二項の規定に違反することとなるような方法で乗車をしてはならない。
車両の運転者は、当該車両の出発地を管轄する警察署長(以下第五十八条までにおいて「出発地警察署長」という。)が当該車両の構造 又は道路 若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載の場所を指定して許可をしたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該車両の乗車 又は積載のために設備された場所以外の場所で指定された場所に積載して車両を運転することができる。
貨物自動車の運転者は、出発地警察署長が道路 又は交通の状況により支障がないと認めて人員を限つて許可をしたときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該許可に係る人員の範囲内で当該貨物自動車の荷台に乗車させて貨物自動車を運転することができる。
車両(軽車両を除く。以下 この項 及び第五十八条の二から第五十八条の五までにおいて同じ。)の運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員 又は積載物の重量、大きさ 若しくは積載の方法(以下この条において「積載重量等」という。)の制限を超えて乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
ただし、第五十五条第一項ただし書の規定により、又は前条第二項の規定による許可を受けて貨物自動車の荷台に乗車させる場合にあつては、当該制限を超える乗車をさせて運転することができる。
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、軽車両の乗車人員 又は積載重量等の制限について定めることができる。
貨物が分割できないものであるため第一項の政令で定める積載重量等の制限 又は前項の規定に基づき公安委員会が定める積載重量等を超えることとなる場合において、出発地警察署長が当該車両の構造 又は道路 若しくは交通の状況により支障がないと認めて積載重量等を限つて許可をしたときは、車両の運転者は、前二項の規定にかかわらず、当該許可に係る積載重量等の範囲内で当該制限を超える積載をして車両を運転することができる。
出発地警察署長は、第五十六条 又は前条第三項の規定による許可(以下この条において「制限外許可」という。)をしたときは、許可証を交付しなければならない。
前項の規定により許可証の交付を受けた車両の運転者は、当該許可に係る車両の運転中、当該許可証を携帯していなければならない。
制限外許可を与える場合において、必要があると認めるときは、出発地警察署長は、政令で定めるところにより、当該許可に危険を防止するため必要な条件を付することができる。
第一項の許可証の様式 その他制限外許可の手続について必要な事項は、内閣府令で定める。
警察官は、第五十七条第一項の積載物の重量の制限を超える積載をしていると認められる車両が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証(道路運送車両法第六十条の自動車検査証をいう。第六十三条第一項において同じ。)その他政令で定める書類の提示を求め、及び当該車両の積載物の重量を測定することができる。
警察官は、過積載(車両に積載をする積載物の重量が第五十七条第一項の制限に係る重量(同条第三項の規定による許可に係る積載物については、当該許可に係る重量)を超える場合における当該積載をいう。以下同じ。)をしている車両の運転者に対し、当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
警察官は、前項の規定による命令によつては車両に係る積載が過積載とならないようにすることができないと認められる場合において、当該車両に係る過積載の程度 及び道路 又は交通の状況を勘案して当該車両を警察官が指示した事項を遵守して運転させることに支障がないと認めるときは、当該車両の運転者に対し、第五十七条第一項の規定にかかわらず、車両の通行の区間 及び経路、道路における危険を防止するためにとるべき必要な措置 その他の事項であつて警察官が指示したものを遵守して当該車両を運転し、及び当該車両に係る積載が過積載とならないようにするため必要な措置をとることを命ずることができる。
この場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、通行指示書を交付しなければならない。
前項の規定により通行指示書の交付を受けた車両の運転者は、同項の規定による命令に係る運転に当たつては、当該通行指示書を携帯していなければならない。
第二項の通行指示書の様式 その他同項の通行指示書に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
前条第一項 又は第二項の規定による命令がされた場合において、当該命令に係る車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)が当該車両に係る過積載を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、車両を運転者に運転させる場合にあらかじめ車両の積載物の重量を確認することを運転者に指導し又は助言すること その他車両に係る過積載を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
第七十五条第一項に規定する使用者等以外の者は、次に掲げる行為をしてはならない。
車両の運転者に対し、過積載をして車両を運転することを要求すること。
車両の運転者に対し、当該車両への積載が過積載となるとの情を知りながら、第五十七条第一項の制限に係る重量を超える積載物を当該車両に積載をさせるため売り渡し、又は当該積載物を引き渡すこと。
警察署長は、前項の規定に違反する行為が行われた場合において、当該行為をした者が反復して同項の規定に違反する行為をするおそれがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、当該行為をした者に対し、同項の規定に違反する行為をしてはならない旨を命ずることができる。
自動車の運転者は、牽引するための構造 及び装置を有する自動車によつて牽引されるための構造 及び装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引してはならない。
ただし、故障 その他の理由により自動車を牽引することがやむを得ない場合において、政令で定めるところにより当該自動車を牽引するときは、この限りでない。
自動車の運転者は、他の車両を牽引する場合においては、大型自動二輪車、普通自動二輪車 又は小型特殊自動車によつて牽引するときは一台を超える車両を、その他の自動車によつて牽引するときは二台を超える車両を牽引してはならず、また、牽引する自動車の前端から牽引される車両の後端(牽引される車両が二台のときは二台目の車両の後端)までの長さが二十五メートルを超えることとなるときは、牽引をしてはならない。
ただし、公安委員会が当該自動車について、道路を指定し、又は時間を限つて牽引の許可をしたときは、この限りでない。
前項ただし書の規定による許可をしたときは、公安委員会は、許可証を交付しなければならない。
前項の規定により許可証の交付を受けた自動車の運転者は、当該許可に係る牽引中、当該許可証を携帯していなければならない。
第三項の許可証の様式 その他第二項ただし書の許可の手続について必要な事項は、内閣府令で定める。
公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要があると認めるときは、自動車以外の車両によつてする牽引の制限について定めることができる。
警察官は、第五十八条の三第一項 及び第二項の規定による場合のほか、車両等の乗車、積載 又は牽引について危険を防止するため特に必要があると認めるときは、当該車両等を停止させ、及び当該車両等の運転者に対し、危険を防止するため必要な応急の措置をとることを命ずることができる。
第十二節 整備不良車両の運転の禁止等
車両等の使用者 その他車両等の装置の整備について責任を有する者 又は運転者は、その装置が道路運送車両法第三章 若しくはこれに基づく命令の規定(同法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第百十四条第二項の規定による防衛大臣の定め。以下同じ。)又は軌道法第十四条 若しくはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合しないため交通の危険を生じさせ、又は他人に迷惑を及ぼすおそれがある車両等(次条第一項 及び第七十一条の四の二第二項第一号において「整備不良車両」という。)を運転させ、又は運転してはならない。
警察官は、整備不良車両に該当すると認められる車両(軽車両を除く。以下この条において同じ。)が運転されているときは、当該車両を停止させ、並びに当該車両の運転者に対し、自動車検査証 その他政令で定める書類 及び作動状態記録装置(道路運送車両法第四十一条第二項に規定する作動状態の確認に必要な情報を記録するための装置をいう。第六十三条の二の二において同じ。)により記録された記録の提示を求め、並びに当該車両の装置について検査をすることができる。
この場合において、警察官は、当該記録を人の視覚 又は聴覚により認識することができる状態にするための措置が必要であると認めるときは、当該車両を製作し、又は輸入した者 その他の関係者に対し、当該措置を求めることができる。
前項の場合において、警察官は、当該車両の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図り、又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によつては必要な整備をすることができないと認められる車両(以下この条において「故障車両」という。)については、当該故障車両の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。
前項の場合において、当該故障車両の整備不良の程度 及び道路 又は交通の状況により支障がないと認めるときは、警察官は、前条の規定にかかわらず、当該故障車両を整備するため必要な限度において、区間 及び通行の経路を指定し、その他道路における危険 又は他人に及ぼす迷惑を防止するため必要な条件を付して当該故障車両を運転することを許可することができる。
この場合において、警察官は、許可証を交付しなければならない。
警察官は、第二項の規定による措置をとつたときは、当該故障車両の運転者に対し、当該故障車両について整備を要する事項を記載した文書を交付し、かつ、当該故障車両の前面の見やすい箇所に標章を貼り付けなければならない。
警察官は、前項の措置をとつたときは、その旨を当該措置をとつた場所を管轄する警察署長に報告しなければならない。
警察署長は、前項の報告を受けたときは、当該故障車両の使用の本拠の位置を管轄する地方運輸局長に対し、内閣府令・国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。
第四項の規定により貼り付けられた標章は、何人も、これを破損し、又は汚損してはならず、また、当該故障車両の必要な整備がされたことについて、内閣府令・国土交通省令で定める手続により、最寄りの警察署の警察署長 又は車両の整備に係る事項について権限を有する行政庁の確認を受けた後でなければ、これを取り除いてはならない。
第三項の許可証の様式、第四項の規定により故障車両の運転者に対し交付する文書の様式 及び同項の標章の様式は、内閣府令・国土交通省令で定める。
自動車の使用者 その他自動車の装置の整備について責任を有する者 又は運転者は、道路運送車両法第三章 又はこれに基づく命令の規定により運行記録計を備えなければならないこととされている自動車で、これらの規定により定められた運行記録計を備えていないか、又は当該運行記録計についての調整がされていないためこれらの規定により定められた事項を記録することができないものを運転させ、又は運転してはならない。
前項の運行記録計を備えなければならないこととされている自動車の使用者は、運行記録計により記録された当該自動車に係る記録を、内閣府令で定めるところにより一年間保存しなければならない。
自動車の使用者 その他自動車の装置の整備について責任を有する者 又は運転者は、自動運行装置を備えている自動車で、作動状態記録装置により道路運送車両法第四十一条第二項に規定する作動状態の確認に必要な情報を正確に記録することができないものを運転させ、又は運転してはならない。
自動運行装置を備えている自動車の使用者は、作動状態記録装置により記録された記録を、内閣府令で定めるところにより保存しなければならない。
第十三節 自転車の交通方法の特例
車体の大きさ 及び構造が内閣府令で定める基準に適合する自転車で、他の車両を牽引していないもの(以下 この節において「普通自転車」という。)は、自転車道が設けられている道路においては、自転車道以外の車道を横断する場合 及び道路の状況 その他の事情によりやむを得ない場合を除き、自転車道を通行しなければならない。
普通自転車は、次に掲げるときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる。
ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき。
当該普通自転車の運転者が、児童、幼児 その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき。
前二号に掲げるもののほか、車道 又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき。
前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下 この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。
ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。
普通自転車は、道路標識等により並進することができることとされている道路においては、第十九条の規定にかかわらず、他の普通自転車と並進することができる。
ただし、普通自転車が三台以上並進することとなる場合においては、この限りでない。
自転車は、道路を横断しようとするときは、自転車横断帯がある場所の付近においては、その自転車横断帯によつて道路を横断しなければならない。
自転車は、前条に規定するもののほか、交差点を通行しようとする場合において、当該交差点 又はその付近に自転車横断帯があるときは、第十七条第四項、第三十四条第一項 及び第三項 並びに第三十五条の二の規定にかかわらず、当該自転車横断帯を進行しなければならない。
普通自転車は、交差点 又はその手前の直近において、当該交差点への進入の禁止を表示する道路標示があるときは、当該道路標示を越えて当該交差点に入つてはならない。
警察官等は、第六十三条の六 若しくは前条第一項の規定に違反して通行している自転車の運転者に対し、これらの規定に定める通行方法により当該自転車を通行させ、又は同条第二項の規定に違反して通行している普通自転車の運転者に対し、当該普通自転車を歩道により通行させるべきことを指示することができる。
自転車の運転者は、内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。
自転車の運転者は、夜間(第五十二条第一項後段の場合を含む。)、内閣府令で定める基準に適合する反射器材を備えていない自転車を運転してはならない。
ただし、第五十二条第一項前段の規定により尾灯をつけている場合は、この限りでない。
警察官は、前条第一項の内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車と認められる自転車が運転されているときは、当該自転車を停止させ、及び当該自転車の制動装置について検査をすることができる。
前項の場合において、警察官は、当該自転車の運転者に対し、道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要な応急の措置をとることを命じ、また、応急の措置によつては必要な整備をすることができないと認められる自転車については、当該自転車の運転を継続してはならない旨を命ずることができる。