居住者に対して課する所得税の額は、次に定める順序により計算する。
所得税法
第二編 居住者の納税義務
第一章 通則
次章第二節(各種所得の金額の計算)の規定により、その所得を利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得 又は雑所得に区分し、これらの所得ごとに所得の金額を計算する。
前号の所得の金額を基礎として、次条 及び次章第三節(損益通算 及び損失の繰越控除)の規定により同条に規定する総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額を計算する。
次章第四節(所得控除)の規定により前号の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から 基礎控除 その他の控除をして第八十九条第二項(税率)に規定する課税総所得金額、課税退職所得金額 又は課税山林所得金額を計算する。
前号の課税総所得金額、課税退職所得金額 又は課税山林所得金額を基礎として、第三章第一節(税率)の規定により所得税の額を計算する。
第三章第二節(税額控除)の規定により配当控除、分配時調整外国税相当額控除 及び外国税額控除を受ける場合には、前号の所得税の額に相当する金額から その控除をした後の金額をもつて所得税の額とする。
前項の場合において、 居住者が第四章(税額の計算の特例)の規定に該当するときは、その者に対して課する所得税の額については、同章に定めるところによる。
第二章 課税標準及びその計算並びに所得控除
第一節 課税標準
居住者に対して課する所得税の課税標準は、総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額とする。
総所得金額は、次節(各種所得の金額の計算)の規定により計算した次に掲げる金額の合計額(第七十条第一項 若しくは第二項(純損失の繰越控除)又は第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)とする。
利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、給与所得の金額、譲渡所得の金額(第三十三条第三項第一号(譲渡所得の金額の計算)に掲げる所得に係る部分の金額に限る。)及び雑所得の金額(これらの金額につき第六十九条(損益通算)の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)の合計額
譲渡所得の金額(第三十三条第三項第二号に掲げる所得に係る部分の金額に限る。) 及び一時所得の金額(これらの金額につき第六十九条の規定の適用がある場合には、その適用後の金額)の合計額の二分の一に相当する金額
退職所得金額 又は山林所得金額は、それぞれ次節の規定により計算した退職所得の金額 又は山林所得の金額(これらの金額につき第六十九条から 第七十一条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額)とする。
第二節 各種所得の金額の計算
⤏ 第一款 所得の種類及び各種所得の金額
利子所得とは、公社債 及び預貯金の利子(公社債で元本に係る部分と利子に係る部分とに分離されてそれぞれ独立して取引されるもののうち、当該利子に係る部分であつた公社債に係るものを除く。)並びに合同運用信託、公社債投資信託 及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配(以下この条において「利子等」という。)に係る所得をいう。
利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額とする。
配当所得とは、法人(法人税法第二条第六号(定義)に規定する公益法人等 及び人格のない社団等を除く。)から受ける剰余金の配当(株式 又は出資(公募公社債等運用投資信託以外の公社債等運用投資信託の受益権 及び社債的受益権を含む。次条において同じ。)に係るものに限るものとし、資本剰余金の額の減少に伴うもの並びに分割型分割(同法第二条第十二号の九に規定する分割型分割をいい、法人課税信託に係る信託の分割を含む。以下 この項 及び次条において同じ。)によるもの及び株式分配(同法第二条第十二号の十五の二に規定する株式分配をいう。以下 この項 及び次条において同じ。)を除く。)、利益の配当(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配を含むものとし、分割型分割によるもの及び株式分配を除く。)、剰余金の分配(出資に係るものに限る。)、投資信託及び投資法人に関する法律第百三十七条(金銭の分配)の金銭の分配(出資総額等の減少に伴う金銭の分配として財務省令で定めるもの(次条第一項第四号において「出資等減少分配」という。)を除く。)、基金利息(保険業法第五十五条第一項(基金利息の支払等の制限)に規定する基金利息をいう。)並びに投資信託(公社債投資信託 及び公募公社債等運用投資信託を除く。)及び特定受益証券発行信託の収益の分配(法人税法第二条第十二号の十五に規定する適格現物分配に係るものを除く。以下この条において「配当等」という。)に係る所得をいう。
配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額とする。
ただし、株式 その他配当所得を生ずべき元本を取得するために要した負債の利子(事業所得 又は雑所得の基因となつた有価証券を取得するために要した負債の利子を除く。以下 この項において同じ。)でその年中に支払うものがある場合は、当該収入金額から、その支払う負債の利子の額のうちその年においてその元本を有していた期間に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額の合計額を控除した金額とする。
法人(法人税法第二条第六号(定義)に規定する公益法人等 及び人格のない社団等を除く。以下 この項において同じ。)の株主等が当該法人の次に掲げる事由により金銭 その他の資産の交付を受けた場合において、 その金銭の額 及び金銭以外の資産の価額(同条第十二号の十五に規定する適格現物分配に係る資産にあつては、当該法人のその交付の直前の当該資産の帳簿価額に相当する金額)の合計額が当該法人の同条第十六号に規定する資本金等の額のうちその交付の基因となつた当該法人の株式 又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、この法律の規定の適用については、その超える部分の金額に係る金銭 その他の資産は、前条第一項に規定する剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配 又は金銭の分配とみなす。
当該法人の合併(法人課税信託に係る信託の併合を含むものとし、法人税法第二条第十二号の八に規定する適格合併を除く。)
当該法人の分割型分割(法人税法第二条第十二号の十二に規定する適格分割型分割を除く。)
当該法人の株式分配(法人税法第二条第十二号の十五の三に規定する適格株式分配を除く。)
当該法人の資本の払戻し(株式に係る剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち分割型分割によるもの及び株式分配以外のもの並びに出資等減少分配をいう。) 又は当該法人の解散による残余財産の分配
当該法人の自己の株式 又は出資の取得(金融商品取引法第二条第十六項(定義)に規定する金融商品取引所の開設する市場における購入による取得 その他の政令で定める取得 及び第五十七条の四第三項第一号から 第三号まで(株式交換等に係る譲渡所得等の特例)に掲げる株式 又は出資の同項に規定する場合に該当する場合における取得を除く。)
当該法人の出資の消却(取得した出資について行うものを除く。)、当該法人の出資の払戻し、当該法人からの社員 その他の出資者の退社 若しくは脱退による持分の払戻し又は当該法人の株式 若しくは出資を当該法人が取得することなく消滅させること。
当該法人の組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をした当該法人の株式 又は出資以外の資産を交付したものに限る。)
合併法人(法人税法第二条第十二号に規定する合併法人をいう。以下 この項において同じ。) 又は分割法人(同条第十二号の二に規定する分割法人をいう。以下 この項において同じ。)が被合併法人(同条第十一号に規定する被合併法人をいう。)の株主等 又は当該分割法人の株主等に対し合併 又は分割型分割により株式(出資を含む。以下 この項において同じ。) その他の資産の交付をしなかつた場合においても、当該合併 又は分割型分割が合併法人 又は分割承継法人(同条第十二号の三に規定する分割承継法人をいう。以下 この項において同じ。)の株式の交付が省略されたと認められる合併 又は分割型分割として政令で定めるものに該当するときは、政令で定めるところによりこれらの株主等が当該合併法人 又は分割承継法人の株式の交付を受けたものとみなして、前項の規定を適用する。
第一項に規定する株式 又は出資に対応する部分の金額の計算の方法 その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶 又は航空機(以下 この項において「不動産等」という。)の貸付け(地上権 又は永小作権の設定 その他他人に不動産等を使用させることを含む。)による所得(事業所得 又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
不動産所得の金額は、その年中の不動産所得に係る総収入金額から 必要経費を控除した金額とする。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業 その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得 又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。
事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費 及び賞与 並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。
給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から 給与所得控除額を控除した残額とする。
前項に規定する給与所得控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
前項に規定する収入金額が百八十万円以下である場合
当該収入金額の百分の四十に相当する金額から十万円を控除した残額(当該残額が五十五万円に満たない場合には、五十五万円)
前項に規定する収入金額が百八十万円を超え三百六十万円以下である場合
六十二万円と当該収入金額から百八十万円を控除した金額の百分の三十に相当する金額との合計額
前項に規定する収入金額が三百六十万円を超え六百六十万円以下である場合
百十六万円と当該収入金額から三百六十万円を控除した金額の百分の二十に相当する金額との合計額
前項に規定する収入金額が六百六十万円を超え八百五十万円以下である場合
百七十六万円と当該収入金額から六百六十万円を控除した金額の百分の十に相当する金額との合計額
前項に規定する収入金額が八百五十万円を超える場合
百九十五万円
その年中の給与等の収入金額が六百六十万円未満である場合には、当該給与等に係る給与所得の金額は、前二項の規定にかかわらず、 当該収入金額を別表第五の給与等の金額として、同表により当該金額に応じて求めた同表の給与所得控除後の給与等の金額に相当する金額とする。
退職所得とは、退職手当、一時恩給 その他の退職により一時に受ける給与 及びこれらの性質を有する給与(以下この条において「退職手当等」という。)に係る所得をいう。
退職所得の金額は、その年中の退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額(当該退職手当等が、短期退職手当等である場合には次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とし、特定役員退職手当等である場合には当該退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額とする。)とする。
当該退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額が三百万円以下である場合
当該残額の二分の一に相当する金額
前号に掲げる場合以外の場合
百五十万円と当該退職手当等の収入金額から三百万円に退職所得控除額を加算した金額を控除した残額との合計額
前項に規定する退職所得控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
政令で定める勤続年数(以下 この項 及び第七項において「勤続年数」という。)が二十年以下である場合
四十万円に当該勤続年数を乗じて計算した金額
勤続年数が二十年を超える場合
八百万円と七十万円に当該勤続年数から二十年を控除した年数を乗じて計算した金額との合計額
第二項に規定する短期退職手当等とは、退職手当等のうち、退職手当等の支払をする者から短期勤続年数(前項第一号に規定する勤続年数のうち、次項に規定する役員等以外の者としての政令で定める勤続年数が五年以下であるものをいう。第七項において同じ。)に対応する退職手当等として支払を受けるものであつて、次項に規定する特定役員退職手当等に該当しないものをいう。
第二項に規定する特定役員退職手当等とは、退職手当等のうち、役員等(次に掲げる者をいう。)としての政令で定める勤続年数(以下 この項 及び第七項において「役員等勤続年数」という。)が五年以下である者が、退職手当等の支払をする者から当該役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものをいう。
法人税法第二条第十五号(定義)に規定する役員
次の各号に掲げる場合に該当するときは、第二項に規定する退職所得控除額は、第三項の規定にかかわらず、当該各号に定める金額とする。
その年の前年以前に他の退職手当等の支払を受けている場合で政令で定める場合
第三項の規定により計算した金額から、 当該 他の退職手当等につき政令で定めるところにより同項の規定に準じて計算した金額を控除した金額
第三項 及び前号の規定により計算した金額が八十万円に満たない場合(次号に該当する場合を除く。)
八十万円
障害者になつたことに直接基因して退職したと認められる場合で政令で定める場合
第三項 及び第一号の規定により計算した金額(当該金額が八十万円に満たない場合には、八十万円)に百万円を加算した金額
その年中に一般退職手当等(退職手当等のうち、短期退職手当等(第四項に規定する短期退職手当等をいう。以下 この項において同じ。)及び特定役員退職手当等(第五項に規定する特定役員退職手当等をいう。以下 この項において同じ。)のいずれにも該当しないものをいう。以下 この項において同じ。)、短期退職手当等 又は特定役員退職手当等のうち二以上の退職手当等があり、当該一般退職手当等に係る勤続年数、当該短期退職手当等に係る短期勤続年数 又は当該特定役員退職手当等に係る役員等勤続年数に重複している期間がある場合の退職所得の金額の計算については、政令で定める。
次に掲げる一時金は、この法律の規定の適用については、前条第一項に規定する退職手当等とみなす。
国民年金法、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)、私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)及び独立行政法人農業者年金基金法(平成十四年法律第百二十七号)の規定に基づく一時金 その他 これらの法律の規定による社会保険 又は共済に関する制度に類する制度に基づく一時金(これに類する給付を含む。以下この条において同じ。)で政令で定めるもの
石炭鉱業年金基金法(昭和四十二年法律第百三十五号)の規定に基づく一時金で同法第十六条第一項(坑内員に関する給付) 又は第十八条第一項(坑外員に関する給付)に規定する坑内員 又は坑外員の退職に基因して支払われるものその他同法の規定による社会保険に関する制度に類する制度に基づく一時金で政令で定めるもの
確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)の規定に基づいて支給を受ける一時金で同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者の退職により支払われるもの(同法第三条第一項(確定給付企業年金の実施)に規定する確定給付企業年金に係る規約に基づいて拠出された掛金のうちに当該加入者の負担した金額がある場合には、その一時金の額から その負担した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する一時金として政令で定めるもの
山林所得とは、山林の伐採 又は譲渡による所得をいう。
山林をその取得の日以後五年以内に伐採し 又は譲渡することによる所得は、山林所得に含まれないものとする。
山林所得の金額は、その年中の山林所得に係る総収入金額から必要経費を控除し、その残額から山林所得の特別控除額を控除した金額とする。
前項に規定する山林所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。
譲渡所得とは、資産の譲渡(建物 又は構築物の所有を目的とする地上権 又は賃借権の設定 その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為で政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)による所得をいう。
次に掲げる所得は、譲渡所得に含まれないものとする。
たな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)の譲渡 その他営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得
前号に該当するもののほか、 山林の伐採 又は譲渡による所得
譲渡所得の金額は、次の各号に掲げる所得につき、それぞれ その年中の当該所得に係る総収入金額から 当該所得の基因となつた資産の取得費 及び その資産の譲渡に要した費用の額の合計額を控除し、その残額の合計額(当該各号のうちいずれかの号に掲げる所得に係る総収入金額が当該所得の基因となつた資産の取得費 及び その資産の譲渡に要した費用の額の合計額に満たない場合には、その不足額に相当する金額を他の号に掲げる所得に係る残額から 控除した金額。以下この条において「譲渡益」という。)から 譲渡所得の特別控除額を控除した金額とする。
資産の譲渡(前項の規定に該当するものを除く。次号において同じ。)でそ の資産の取得の日以後五年以内にされたものによる所得(政令で定めるものを除く。)
資産の譲渡による所得で前号に掲げる所得以外のもの
前項に規定する譲渡所得の特別控除額は、五十万円(譲渡益が五十万円に満たない場合には、当該譲渡益)とする。
第三項の規定により譲渡益から同項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除する場合には、まず、当該譲渡益のうち同項第一号に掲げる所得に係る部分の金額から控除するものとする。
一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得 及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務 その他の役務 又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額から その収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又は その収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。
前項に規定する一時所得の特別控除額は、五十万円(同項に規定する残額が五十万円に満たない場合には、当該残額)とする。
雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得 及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。
雑所得の金額は、次の各号に掲げる金額の合計額とする。
その年中の公的年金等の収入金額から 公的年金等控除額を控除した残額
その年中の雑所得(公的年金等に係るものを除く。)に係る総収入金額から 必要経費を控除した金額
前項に規定する公的年金等とは、次に掲げる年金をいう。
第三十一条第一号 及び第二号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定に基づく年金その他同条第一号 及び第二号に規定する制度に基づく年金(これに類する給付を含む。第三号において同じ。)で政令で定めるもの
恩給(一時恩給を除く。)及び過去の勤務に基づき使用者であつた者から支給される年金
確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金(第三十一条第三号に規定する規約に基づいて拠出された掛金のうちにその年金が支給される同法第二十五条第一項(加入者)に規定する加入者(同項に規定する加入者であつた者を含む。)の負担した金額がある場合には、その年金の額から その負担した金額のうちその年金の額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額に相当する部分に限る。)その他これに類する年金として政令で定めるもの
第二項に規定する公的年金等控除額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
その年中の公的年金等の収入金額がないものとして計算した場合における第二条第一項第三十号(定義)に規定する合計所得金額(次号 及び第三号において「公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額」という。)が千万円以下である場合
次に掲げる金額の合計額(当該合計額が六十万円に満たない場合には、六十万円)
四十万円
その年中の公的年金等の収入金額から五十万円を控除した残額の次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
当該残額が三百六十万円以下である場合
当該残額の百分の二十五に相当する金額
当該残額が三百六十万円を超え七百二十万円以下である場合
九十万円と当該残額から 三百六十万円を控除した金額の百分の十五に相当する金額との合計額
当該残額が七百二十万円を超え九百五十万円以下である場合
百四十四万円と当該残額から 七百二十万円を控除した金額の百分の五に相当する金額との合計額
当該残額が九百五十万円を超える場合
百五十五万五千円
その年中の公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が千万円を超え二千万円以下である場合
次に掲げる金額の合計額(当該合計額が五十万円に満たない場合には、五十万円)
三十万円
前号ロに掲げる金額
その年中の公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が二千万円を超える場合
次に掲げる金額の合計額(当該合計額が四十万円に満たない場合には、四十万円)
二十万円
第一号ロに掲げる金額
⤏ 第二款 所得金額の計算の通則
その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額 又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、 その年において収入すべき金額(金銭以外の物 又は権利 その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物 又は権利 その他経済的な利益の価額)とする。
前項の金銭以外の物 又は権利 その他 経済的な利益の価額は、当該物 若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。
無記名の公社債の利子、無記名の株式(無記名の公募公社債等運用投資信託以外の公社債等運用投資信託の受益証券 及び無記名の社債的受益権に係る受益証券を含む。第百六十九条第二号(分離課税に係る所得税の課税標準)、第二百二十四条第一項 及び第二項(利子、配当等の受領者の告知)並びに第二百二十五条第一項 及び第二項(支払調書 及び支払通知書)において「無記名株式等」という。)の剰余金の配当(第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当をいう。)又は無記名の貸付信託、投資信託 若しくは特定受益証券発行信託の受益証券に係る収益の分配については、その年分の利子所得の金額 又は配当所得の金額の計算上収入金額とすべき金額は、第一項の規定にかかわらず、その年において支払を受けた金額とする。
その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 又は雑所得の金額(事業所得の金額 及び雑所得の金額のうち山林の伐採 又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価 その他 当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額 及びその年における販売費、一般管理費 その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。
山林につきその年分の事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その山林の植林費、取得に要した費用、管理費、伐採費 その他その山林の育成 又は譲渡に要した費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。
譲渡所得の金額の計算上控除する資産の取得費は、別段の定めがあるものを除き、その資産の取得に要した金額 並びに設備費 及び改良費の額の合計額とする。
譲渡所得の基因となる資産が家屋 その他使用 又は期間の経過により減価する資産である場合には、前項に規定する資産の取得費は、同項に規定する合計額に相当する金額から、その取得の日から譲渡の日までの期間のうち次の各号に掲げる期間の区分に応じ当該各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。
その資産が不動産所得、事業所得、山林所得 又は雑所得を生ずべき業務の用に供されていた期間
第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算 及び その償却の方法)の規定により当該期間内の日の属する各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるその資産の償却費の額の累積額
前号に掲げる期間以外の期間
第四十九条第一項の規定に準じて政令で定めるところにより計算したその資産の当該期間に係る減価の額
⤏ 第三款 収入金額の計算
居住者がたな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)を家事のために消費した場合 又は山林を伐採して家事のために消費した場合には、その消費した時におけるこれらの資産の価額に相当する金額は、その者のその消費した日の属する年分の事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
次の各号に掲げる事由により居住者の有するたな卸資産(事業所得の基因となる山林 その他たな卸資産に準ずる資産として政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)の移転があつた場合には、当該各号に掲げる金額に相当する金額は、その者のその事由が生じた日の属する年分の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
贈与(相続人に対する贈与で被相続人である贈与者の死亡により効力を生ずるものを除く。) 又は遺贈(包括遺贈 及び相続人に対する特定遺贈を除く。)
当該贈与 又は遺贈の時におけるそのたな卸資産の価額
著しく低い価額の対価による譲渡
当該対価の額と当該譲渡の時におけるそのたな卸資産の価額との差額のうち実質的に贈与をしたと認められる金額
居住者が前項各号に掲げる贈与 若しくは遺贈 又は譲渡により取得したたな卸資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、次に定めるところによる。
前項第一号に掲げる贈与 又は遺贈により取得したたな卸資産については、同号に掲げる金額をもつて取得したものとみなす。
前項第二号に掲げる譲渡により取得したたな卸資産については、当該譲渡の対価の額と同号に掲げる金額との合計額をもつて取得したものとみなす。
農業を営む居住者が農産物(米、麦 その他政令で定めるものに限る。)を収穫した場合には、その収穫した時における当該農産物の価額(以下この条において「収穫価額」という。)に相当する金額は、その者のその収穫の日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
前項の農産物は、同項に規定する時にその収穫価額をもつて取得したものとみなす。
居住者が株式を無償 又は有利な価額により取得することができる権利として政令で定める権利を発行法人から与えられた場合において、当該居住者 又は当該居住者の相続人 その他の政令で定める者が当該権利をその発行法人に譲渡したときは、当該譲渡の対価の額から当該権利の取得価額を控除した金額を、その発行法人が支払をする事業所得に係る収入金額、第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の収入金額、第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等の収入金額、一時所得に係る収入金額 又は雑所得(第三十五条第三項(雑所得)に規定する公的年金等に係るものを除く。)に係る収入金額とみなして、この法律(第二百二十四条の三(株式等の譲渡の対価の受領者等の告知)、第二百二十五条(支払調書 及び支払通知書)及び第二百二十八条(名義人受領の株式等の譲渡の対価の調書)並びにこれらの規定に係る罰則を除く。)の規定を適用する。
居住者が、各年において固定資産(山林を含む。以下 この条 及び次条において同じ。)の取得 又は改良に充てるための国 又は地方公共団体の補助金 又は給付金 その他政令で定めるこれらに準ずるもの(以下 この条 及び次条において「国庫補助金等」という。)の交付を受けた場合(その国庫補助金等の返還を要しないことがその年十二月三十一日(その者がその年の中途において死亡し、又は出国をした場合には、その死亡 又は出国の時。以下 この項 及び同条第一項において同じ。)までに確定した場合に限る。)において、その年十二月三十一日までにその交付の目的に適合した固定資産の取得 又は改良をしたときは、その交付を受けた国庫補助金等の額に相当する金額(その固定資産がその年の前年以前の各年において取得 又は改良をした減価償却資産である場合には、当該国庫補助金等の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額)は、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
居住者が各年において国庫補助金等の交付に代わるべきものとして交付を受ける固定資産を取得した場合には、その固定資産の価額に相当する金額は、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定の適用を受ける旨、これらの規定により総収入金額に算入されない金額 その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合 又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出がなかつたこと 又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項 又は第二項の規定を適用することができる。
第一項 又は第二項の規定の適用を受けた居住者が第一項の規定の適用を受けた固定資産 又は その取得した第二項に規定する固定資産について行うべき第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算 及び その償却の方法)に規定する償却費の計算 及び その者がその固定資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
前項の規定の適用を受けた居住者が交付を受けた同項の国庫補助金等の全部 又は一部の返還を要しないことが確定した場合には、その国庫補助金等の額のうちその確定した部分に相当する金額は、その国庫補助金等の交付の目的に適合した固定資産の取得 又は改良に充てられた金額のうち政令で定める金額を除き、その者のその確定した日の属する年分の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
第一項の規定の適用を受けた居住者が交付を受けた同項の国庫補助金等の全部 又は一部の返還をすべきことが確定した場合には、その国庫補助金等の額のうちその確定した部分に相当する金額は、その者のその確定した日の属する年分の各種所得の金額の計算上、 必要経費 又は支出した金額に算入しない。
第一項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨、同項の規定により総収入金額に算入されない金額 その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、 その提出がなかつたこと又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第一項の規定の適用を受けた居住者が国庫補助金等により取得し、又は改良した固定資産について行うべき第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算 及び その償却の方法)に規定する償却費の計算 及び その者がその固定資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者が、国 若しくは地方公共団体から その行政目的の遂行のために必要なその者の資産の移転、移築 若しくは除却 その他 これらに類する行為(固定資産の改良 その他政令で定める行為を除く。以下 この項において「資産の移転等」という。)の費用に充てるため補助金の交付を受け、又は土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の規定による収用 その他政令で定めるやむを得ない事由の発生に伴い その者の資産の移転等の費用に充てるための金額の交付を受けた場合において、その交付を受けた金額をその交付の目的に従つて資産の移転等の費用に充てたときは、その費用に充てた金額は、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
ただし、その費用に充てた金額のうち各種所得の金額の計算上必要経費に算入され 又は譲渡に要した費用とされる部分の金額に相当する金額については、この限りでない。
居住者が、破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百五十二条第一項(免責許可の決定の要件等)に規定する免責許可の決定 又は再生計画認可の決定があつた場合 その他資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合にその有する債務の免除を受けたときは、当該免除により受ける経済的な利益の価額については、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
前項の場合において、同項の債務の免除により受ける経済的な利益の価額のうち同項の居住者の次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額(第一号から 第四号までに定める金額にあつては当該経済的な利益の価額がないものとして計算した金額とし、第五号に定める金額にあつては同項の規定の適用がないものとして総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額を計算した場合における金額とする。)の合計額に相当する部分については、同項の規定は、適用しない。
不動産所得を生ずべき業務に係る債務の免除を受けた場合
当該免除を受けた日の属する年分の不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額
事業所得を生ずべき事業に係る債務の免除を受けた場合
当該免除を受けた日の属する年分の事業所得の金額の計算上生じた損失の金額
山林所得を生ずべき業務に係る債務の免除を受けた場合
当該免除を受けた日の属する年分の山林所得の金額の計算上生じた損失の金額
雑所得を生ずべき業務に係る債務の免除を受けた場合
当該免除を受けた日の属する年分の雑所得の金額の計算上生じた損失の金額
第七十条第一項 又は第二項(純損失の繰越控除)の規定により、当該債務の免除を受けた日の属する年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額の計算上 控除する純損失の金額がある場合
当該控除する純損失の金額
第一項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨、同項の規定により総収入金額に算入されない金額その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合 又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出がなかつたこと 又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
居住者が第九十五条第一項から 第三項まで(外国税額控除)の規定の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年においてこれらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となつた同条第一項に規定する外国所得税の額が減額された場合には、その減額された金額のうちその減額されることとなつた日の属する年分における同条の規定による外国税額控除の適用に係る部分に相当する金額として政令で定める金額は、その者の当該年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、一時所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
この場合において、その減額された金額から当該政令で定める金額を控除した金額は、その者の当該年分の雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
⤏ 第四款 必要経費等の計算
⤏ 第一目 家事関連費、租税公課等
居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
家事上の経費 及びこれに関連する経費で政令で定めるもの
所得税(不動産所得、事業所得 又は山林所得を生ずべき事業を行う居住者が納付する第百三十一条第三項(確定申告税額の延納に係る利子税)、第百三十六条(延払条件付譲渡に係る所得税額の延納に係る利子税)、第百三十七条の二第十二項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予に係る利子税)又は第百三十七条の三第十四項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予に係る利子税)の規定による利子税で、その事業についてのこれらの所得に係る所得税の額に対応するものとして政令で定めるものを除く。)
所得税以外の国税に係る延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税 及び重加算税 並びに印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の規定による過怠税
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の規定による道府県民税 及び市町村民税(都民税 及び特別区民税を含む。)
地方税法の規定による延滞金、過少申告加算金、不申告加算金 及び重加算金
前号に掲げるものに準ずるものとして政令で定めるもの
罰金 及び科料(通告処分による罰金 又は科料に相当するもの及び外国 又は その地方公共団体が課する罰金 又は科料に相当するものを含む。)並びに過料
損害賠償金(これに類するものを含む。)で政令で定めるもの
国民生活安定緊急措置法(昭和四十八年法律第百二十一号)の規定による課徴金 及び延滞金
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の規定による課徴金 及び延滞金(外国 若しくは その地方公共団体 又は国際機関が納付を命ずるこれらに類するものを含む。)
金融商品取引法第六章の二(課徴金)の規定による課徴金 及び延滞金
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)の規定による課徴金 及び延滞金
不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)の規定による課徴金 及び延滞金
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)の規定による課徴金 及び延滞金
居住者が供与をする刑法(明治四十年法律第四十五号)第百九十八条(贈賄)に規定する賄賂 又は不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第十八条第一項(外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止)に規定する金銭 その他の利益に当たるべき金銭の額 及び金銭以外の物 又は権利 その他経済的な利益の価額(その供与に要する費用の額がある場合には、その費用の額を加算した金額)は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
第一項第二号から 第八号までに掲げるものの額 又は前項に規定する金銭の額 及び金銭以外の物 若しくは権利 その他経済的な利益の価額は、第一項 又は前項の居住者の一時所得の金額の計算上、支出した金額に算入しない。
居住者が第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する控除対象外国所得税の額につき同条 又は第百三十八条第一項(源泉徴収税額等の還付)の規定の適用を受ける場合には、当該控除対象外国所得税の額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額 若しくは雑所得の金額 又は一時所得の金額の計算上、必要経費 又は支出した金額に算入しない。
⤏ 第二目 資産の評価及び償却費
居住者の棚卸資産につき第三十七条第一項(必要経費)の規定によりその者の事業所得の金額の計算上 必要経費に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となるその年十二月三十一日(その者が年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡 又は出国の時。以下 この条から 第五十条までにおいて同じ。)において有する棚卸資産(以下 この項において「期末棚卸資産」という。)の価額は、棚卸資産の取得価額の平均額をもつてその年十二月三十一日において有する棚卸資産の評価額とする方法 その他の政令で定める評価の方法のうちから その者が当該期末棚卸資産について選定した評価の方法により評価した金額(評価の方法を選定しなかつた場合 又は選定した評価の方法により評価しなかつた場合には、評価の方法のうち政令で定める方法により評価した金額)とする。
前項の選定をすることができる評価の方法の特例、評価の方法の選定の手続、棚卸資産の評価額の計算の基礎となる棚卸資産の取得価額 その他棚卸資産の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者の有価証券につき第三十七条第一項(必要経費)の規定によりその者の事業所得の金額の計算上必要経費に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となるその年十二月三十一日において有する有価証券の価額は、その者が有価証券について選定した評価の方法により評価した金額(評価の方法を選定しなかつた場合 又は選定した評価の方法により評価しなかつた場合には、評価の方法のうち政令で定める方法により評価した金額)とする。
前項の選定をすることができる評価の方法の種類、 その選定の手続その他有価証券の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者が二回以上にわたつて取得した同一銘柄の有価証券につき第三十七条第一項の規定によりその者の雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額又は第三十八条第一項(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)の規定によりその者の譲渡所得の金額の計算上取得費に算入する金額は、政令で定めるところにより、それぞれの取得に要した金額を基礎として第一項の規定に準じて評価した金額とする。
居住者の暗号資産(資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第五項(定義)に規定する暗号資産をいう。以下この条において同じ。)につき第三十七条第一項(必要経費)の規定によりその者の事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額を算定する場合におけるその算定の基礎となるその年十二月三十一日において有する暗号資産の価額は、その者が暗号資産について選定した評価の方法により評価した金額(評価の方法を選定しなかつた場合 又は選定した評価の方法により評価しなかつた場合には、評価の方法のうち政令で定める方法により評価した金額)とする。
前項の選定をすることができる評価の方法の種類、 その選定の手続 その他暗号資産の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者のその年十二月三十一日において有する減価償却資産につきその償却費として第三十七条(必要経費)の規定によりその者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は、その取得をした日 及び その種類の区分に応じ、償却費が毎年同一となる償却の方法、償却費が毎年一定の割合で逓減する償却の方法 その他の政令で定める償却の方法の中から その者が当該資産について選定した償却の方法(償却の方法を選定しなかつた場合には、償却の方法のうち政令で定める方法)に基づき政令で定めるところにより計算した金額とする。
前項の選定をすることができる償却の方法の特例、償却の方法の選定の手続、償却費の計算の基礎となる減価償却資産の取得価額、減価償却資産について支出する金額のうち使用可能期間を延長させる部分等に対応する金額を減価償却資産の取得価額とする特例 その他減価償却資産の償却に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者のその年十二月三十一日における繰延資産につきその償却費として第三十七条(必要経費)の規定によりその者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入する金額は、その繰延資産に係る支出の効果の及ぶ期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額とする。
前項に定めるもののほか、 繰延資産の償却に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第三目 資産損失
居住者の営む不動産所得、事業所得 又は山林所得を生ずべき事業の用に供される固定資産 その他これに準ずる資産で政令で定めるものについて、取りこわし、除却、滅失(当該資産の損壊による価値の減少を含む。)その他の事由により生じた損失の金額(保険金、損害賠償金 その他 これらに類するものにより補てんされる部分の金額 及び資産の譲渡により又はこれに関連して生じたものを除く。)は、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
居住者の営む不動産所得、事業所得 又は山林所得を生ずべき事業について、その事業の遂行上生じた売掛金、貸付金、前渡金 その他 これらに準ずる債権の貸倒れ その他政令で定める事由により生じた損失の金額は、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
災害 又は盗難 若しくは横領により居住者の有する山林について生じた損失の金額(保険金、損害賠償金 その他 これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)は、その者のその損失の生じた日の属する年分の事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
居住者の不動産所得 若しくは雑所得を生ずべき業務の用に供され 又は これらの所得の基因となる資産(山林 及び第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産を除く。)の損失の金額(保険金、損害賠償金 その他 これらに類するものにより補てんされる部分の金額、資産の譲渡により又はこれに関連して生じたもの及び第一項 若しくは第二項 又は第七十二条第一項(雑損控除)に規定するものを除く。)は、それぞれ、その者のその損失の生じた日の属する年分の不動産所得の金額 又は雑所得の金額(この項の規定を適用しないで計算したこれらの所得の金額とする。)を限度として、当該年分の不動産所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、 必要経費に算入する。
第一項 及び前二項に規定する損失の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第四目 引当金
不動産所得、事業所得 又は山林所得を生ずべき事業を営む居住者が、その有する売掛金、貸付金、前渡金 その他 これらに準ずる金銭債権(債券に表示されるべきものを除く。次項において同じ。)で当該事業の遂行上生じたもの(以下 この項において「貸金等」という。)のうち、更生計画認可の決定に基づいて弁済を猶予され、又は賦払により弁済されること その他の政令で定める事実が生じていることによりその一部につき貸倒れ その他これに類する事由による損失が見込まれるもの(当該貸金等に係る債務者に対する他の貸金等がある場合には、当該 他の貸金等を含む。以下 この項 及び次項において「個別評価貸金等」という。)のその損失の見込額として、各年(事業の全部を譲渡し、又は廃止した日の属する年を除く。次項において同じ。)において貸倒引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、その年十二月三十一日(その者が年の中途において死亡した場合には、その死亡の時。次項において同じ。)において当該個別評価貸金等の取立て又は弁済の見込みがないと認められる部分の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、その者のその年分の不動産所得、事業所得 又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
ただし、その者が死亡した場合において、その相続人が当該事業を承継しなかつたときは、この限りでない。
青色申告書を提出する居住者で事業所得を生ずべき事業を営むものが、その有する売掛金、貸付金 その他 これらに準ずる金銭債権で当該事業の遂行上生じたもの(個別評価貸金等を除く。以下 この項において「一括評価貸金」という。)の貸倒れによる損失の見込額として、各年において貸倒引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、その年十二月三十一日において有する一括評価貸金の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、その者のその年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
ただし、その者が死亡した場合において、その相続人が当該事業を承継しなかつたとき、その他政令で定める場合は、この限りでない。
前二項の規定によりその繰入れをした年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入された貸倒引当金勘定の金額は、その繰入れをした年の翌年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
第一項 及び第二項の規定は、確定申告書に貸倒引当金勘定に繰り入れた金額の必要経費への算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項 又は第二項の規定を適用することができる。
第一項 又は第二項に規定する居住者が死亡した場合において、これらの規定によりその者の死亡の日の属する年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入された貸倒引当金勘定の金額があるときにおける当該貸倒引当金勘定の金額の処理に関し必要な事項は、政令で定める。
青色申告書を提出する居住者で事業所得を生ずべき事業を営むもののうち、政令で定める退職給与規程を定めているものが、その事業に係る使用人(その居住者と生計を一にする配偶者 その他の親族を除く。以下この条において同じ。)の退職により支給する退職給与に充てるため、 各年において退職給与引当金勘定に繰り入れた金額については、当該金額のうち、その年十二月三十一日(その居住者が年の中途において死亡した場合には、その死亡の時)において在職するその事業に係る使用人の全員が自己の都合により退職するものと仮定して計算した場合に退職給与として支給されるべき金額の見積額のうちその年において増加したと認められる部分の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額に達するまでの金額は、その居住者のその年分の事業所得の金額の計算上、 必要経費に算入する。
退職給与引当金勘定の金額(前項の規定によりその繰入れをした年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入されたものに限るものとし、既にこの項の規定により取りくずすべきこととなつたものを除く。以下この条において同じ。)を有する居住者は、前項の使用人が退職した場合、青色申告書の提出の承認を取り消された場合 その他政令で定める場合には、政令で定めるところにより、その退職給与引当金勘定の金額を取りくずさなければならない。
前項の規定により取りくずすべきこととなつた退職給与引当金勘定の金額又は同項の規定に該当しないで取りくずした退職給与引当金勘定の金額は、それぞれ その取りくずすべきこととなつた日 又は取りくずした日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
第一項の規定は、確定申告書に退職給与引当金勘定に繰り入れた金額の必要経費への算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第二項から 前項までに定めるもののほか、退職給与引当金勘定の金額を有する居住者が死亡した場合における当該退職給与引当金勘定の金額の処理その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第五目 親族が事業から受ける対価
居住者と生計を一にする配偶者 その他の親族がその居住者の営む不動産所得、事業所得 又は山林所得を生ずべき事業に従事したこと その他の事由により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入しないものとし、かつ、その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
この場合において、その親族が支払を受けた対価の額 及び その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、当該各種所得の金額の計算上ないものとみなす。
青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者と生計を一にする配偶者 その他の親族(年齢十五歳未満である者を除く。)で専ら その居住者の営む前条に規定する事業に従事するもの(以下この条において「青色事業専従者」という。)が当該事業から 次項の書類に記載されている方法に従い その記載されている金額の範囲内において給与の支払を受けた場合には、前条の規定にかかわらず、その給与の金額でその労務に従事した期間、労務の性質 及び その提供の程度、その事業の種類 及び規模、その事業と同種の事業でその規模が類似するものが支給する給与の状況 その他の政令で定める状況に照らしその労務の対価として相当であると認められるものは、その居住者のその給与の支給に係る年分の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入し、かつ、当該青色事業専従者の当該年分の給与所得に係る収入金額とする。
その年分以後の各年分の所得税につき前項の規定の適用を受けようとする居住者は、その年三月十五日まで(その年一月十六日以後新たに同項の事業を開始した場合には、その事業を開始した日から二月以内)に、青色事業専従者の氏名、その職務の内容 及び給与の金額 並びにその給与の支給期 その他財務省令で定める事項を記載した書類を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
居住者(第一項に規定する居住者を除く。)と生計を一にする配偶者 その他の親族(年齢十五歳未満である者を除く。)で専ら その居住者の営む前条に規定する事業に従事するもの(以下この条において「事業専従者」という。)がある場合には、その居住者のその年分の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上、各事業専従者につき、次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を必要経費とみなす。
次に掲げる事業専従者の区分に応じ それぞれ次に定める金額
その居住者の配偶者である事業専従者
八十六万円
イに掲げる者以外の事業専従者
五十万円
その年分の当該事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額(この項の規定を適用しないで計算した場合の金額とする。)を当該事業に係る事業専従者の数に一を加えた数で除して計算した金額
前項の規定の適用があつた場合には、各事業専従者につき同項の規定により必要経費とみなされた金額は、当該各事業専従者の当該年分の各種所得の金額の計算については、当該各事業専従者の給与所得に係る収入金額とみなす。
第三項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨 及び同項の規定により必要経費とみなされる金額に関する事項の記載がない場合には、適用しない。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合 又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出がなかつたこと 又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第三項の規定を適用することができる。
第一項 又は第三項の場合において、これらの規定に規定する親族の年齢が十五歳未満であるかどうかの判定は、その年十二月三十一日(これらの規定に規定する居住者がその年の中途において死亡し又は出国をした場合には、その死亡 又は出国の時)の現況による。
ただし、当該親族がその当時既に死亡している場合は、当該死亡の時の現況による。
青色事業専従者 又は事業専従者の要件の細目、第二項の書類に記載した事項を変更する場合の手続 その他第一項 又は第三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第六目 給与所得者の特定支出
居住者が、各年において特定支出をした場合において、その年中の特定支出の額の合計額が第二十八条第二項(給与所得)に規定する給与所得控除額の二分の一に相当する金額を超えるときは、その年分の同項に規定する給与所得の金額は、同項 及び同条第四項の規定にかかわらず、同条第二項の残額から その超える部分の金額を控除した金額とする。
前項に規定する特定支出とは、居住者の次に掲げる支出(その支出につきその者に係る第二十八条第一項に規定する給与等の支払をする者(以下 この項において「給与等の支払者」という。)により補塡される部分があり、かつ、その補塡される部分につき所得税が課されない場合における当該補塡される部分 及び その支出につき雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第十条第五項(失業等給付)に規定する教育訓練給付金、母子 及び父子 並びに寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)第三十一条第一号(母子家庭自立支援給付金)に規定する母子家庭自立支援教育訓練給付金 又は同法第三十一条の十(父子家庭自立支援給付金)において準用する同号に規定する父子家庭自立支援教育訓練給付金が支給される部分がある場合における当該支給される部分を除く。)をいう。
その者の通勤のために必要な交通機関の利用 又は交通用具の使用のための支出で、その通勤の経路 及び方法がその者の通勤に係る運賃、時間、距離 その他の事情に照らして最も経済的かつ合理的であることにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもののうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定める支出
勤務する場所を離れて職務を遂行するために直接必要な旅行であることにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたものに通常要する支出で政令で定めるもの
転任に伴うものであることにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされた転居のために通常必要であると認められる支出として政令で定めるもの
職務の遂行に直接必要な技術 又は知識を習得することを目的として受講する研修(人の資格を取得するためのものを除く。)であることにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもののための支出
人の資格を取得するための支出で、 その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもの
転任に伴い生計を一にする配偶者との別居を常況とすることとなつた場合 その他これに類する場合として政令で定める場合に該当することにつき財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされた場合におけるその者の勤務する場所 又は居所と その配偶者 その他の親族が居住する場所との間のその者の旅行に通常要する支出で政令で定めるもの
次に掲げる支出(当該支出の額の合計額が六十五万円を超える場合には、六十五万円までの支出に限る。)で、 その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして財務省令で定めるところにより給与等の支払者により証明がされたもの
書籍、定期刊行物 その他の図書で職務に関連するものとして政令で定めるもの及び制服、事務服 その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服で政令で定めるものを購入するための支出
交際費、接待費 その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先 その他 職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答 その他 これらに類する行為のための支出
第一項の規定は、確定申告書、修正申告書 又は更正請求書(次項において「申告書等」という。)に第一項の規定の適用を受ける旨 及び同項に規定する特定支出の額の合計額の記載があり、かつ、前項各号に掲げるそれぞれの特定支出に関する明細書 及び これらの各号に規定する証明の書類の添付がある場合に限り、適用する。
第一項の規定の適用を受ける旨の記載がある申告書等を提出する場合には、同項に規定する特定支出の支出の事実 及び支出した金額を証する書類として政令で定める書類を当該申告書等に添付し、又は当該申告書等の提出の際提示しなければならない。
前三項に定めるもののほか、第二項に規定する特定支出の範囲の細目 その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第四款の二 外貨建取引の換算
居住者が、外貨建取引(外国通貨で支払が行われる資産の販売 及び購入、役務の提供、金銭の貸付け 及び借入れ その他の取引をいう。以下この条において同じ。)を行つた場合には、当該外貨建取引の金額の円換算額(外国通貨で表示された金額を本邦通貨表示の金額に換算した金額をいう。次項において同じ。)は 当該外貨建取引を行つた時における外国為替の売買相場により換算した金額として、その者の各年分の各種所得の金額を計算するものとする。
不動産所得、事業所得、山林所得 又は雑所得を生ずべき業務を行う居住者が、先物外国為替契約等(外貨建取引によつて取得し、又は発生する資産 若しくは負債の金額の円換算額を確定させる契約として財務省令で定めるものをいう。以下 この項において同じ。)により外貨建取引によつて取得し、又は発生する資産 若しくは負債の金額の円換算額を確定させた場合において、当該先物外国為替契約等の締結の日においてその旨を財務省令で定めるところによりその者の当該業務に係る帳簿書類 その他の財務省令で定める書類に記載したときは、当該資産 又は負債については、当該円換算額をもつて、前項の規定により換算した金額として、その者の各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額を計算するものとする。
前項に定めるもののほか、外貨建取引の換算の特例 その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第五款 資産の譲渡に関する総収入金額並びに必要経費及び取得費の計算の特例
居住者が、各年において、その有する株式(以下 この項において「旧株」という。)につき、その旧株を発行した法人の行つた株式交換(当該法人の株主に法人税法第二条第十二号の六の三(定義)に規定する株式交換完全親法人(以下 この項において「株式交換完全親法人」という。)又は株式交換完全親法人との間に当該株式交換完全親法人の発行済株式 若しくは出資(当該株式交換完全親法人が有する自己の株式 又は出資を除く。)の全部を直接 若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係がある法人のうちいずれか一の法人の株式(出資を含む。以下 この項において同じ。)以外の資産(当該株主に対する剰余金の配当として交付された金銭 その他の資産 及び株式交換に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭 その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式交換完全親法人に対し当該旧株の譲渡をし、かつ、当該株式の交付を受けた場合 又は その旧株を発行した法人の行つた特定無対価株式交換(当該法人の株主に株式交換完全親法人の株式 その他の資産が交付されなかつた株式交換で、当該法人の株主に対する株式交換完全親法人の株式の交付が省略されたと認められる株式交換として政令で定めるものをいう。)により当該旧株を有しないこととなつた場合には、第二十七条(事業所得)、第三十三条(譲渡所得)、第三十五条(雑所得)又は第五十九条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用については、これらの旧株の譲渡 又は贈与がなかつたものとみなす。
居住者が、各年において、その有する株式(以下 この項において「旧株」という。)につき、その旧株を発行した法人の行つた株式移転(当該法人の株主に法人税法第二条第十二号の六の六に規定する株式移転完全親法人(以下 この項において「株式移転完全親法人」という。)の株式以外の資産(株式移転に反対する当該株主に対するその買取請求に基づく対価として交付される金銭 その他の資産を除く。)が交付されなかつたものに限る。)により当該株式移転完全親法人に対し当該旧株の譲渡をし、かつ、当該株式移転完全親法人の株式の交付を受けた場合には、第二十七条、第三十三条 又は第三十五条の規定の適用については、当該旧株の譲渡がなかつたものとみなす。
居住者が、各年において、その有する次の各号に掲げる有価証券を当該各号に定める事由により譲渡をし、かつ、当該事由により当該各号に規定する取得をする法人の株式(出資を含む。以下 この項において同じ。)又は新株予約権の交付を受けた場合(当該交付を受けた株式 又は新株予約権の価額が当該譲渡をした有価証券の価額とおおむね同額となつていないと認められる場合を除く。)には、第二十七条、第三十三条 又は第三十五条の規定の適用については、当該有価証券の譲渡がなかつたものとみなす。
取得請求権付株式(法人がその発行する全部 又は一部の株式の内容として株主等が当該法人に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。)
当該取得請求権付株式に係る請求権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該請求権の行使
取得条項付株式(法人がその発行する全部 又は一部の株式の内容として当該法人が一定の事由(以下 この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件として当該株式の取得をすることができる旨の定めを設けている場合の当該株式をいう。)
当該取得条項付株式に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合(その取得の対象となつた種類の株式の全てが取得をされる場合には、その取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式 及び新株予約権のみが交付される場合を含む。)の当該取得事由の発生
全部取得条項付種類株式(ある種類の株式について、これを発行した法人が株主総会 その他これに類するものの決議(以下 この号において「取得決議」という。)によつてその全部の取得をする旨の定めがある場合の当該種類の株式をいう。)
当該全部取得条項付種類株式に係る取得決議によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式(当該株式と併せて交付される当該取得をする法人の新株予約権を含む。)以外の資産(当該取得の価格の決定の申立てに基づいて交付される金銭 その他の資産を除く。)が交付されない場合の当該取得決議
新株予約権付社債についての社債
当該新株予約権付社債に付された新株予約権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式が交付される場合の当該新株予約権の行使
取得条項付新株予約権(新株予約権について、これを発行した法人が一定の事由(以下 この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件としてこれを取得することができる旨の定めがある場合の当該新株予約権をいい、当該新株予約権を引き受ける者に特に有利な条件 又は金額で交付された当該新株予約権 その他の政令で定めるものを除く。)
当該取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる新株予約権者に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該取得事由の発生
取得条項付新株予約権(新株予約権について、これを発行した法人が一定の事由(以下 この号において「取得事由」という。)が発生したことを条件としてこれを取得することができる旨の定めがある場合の当該新株予約権をいう。)が付された新株予約権付社債
当該取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる新株予約権者に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合の当該取得事由の発生
前三項の規定の適用がある場合における居住者が取得した有価証券の取得価額の計算その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者が、各年において、一年以上有していた固定資産で次の各号に掲げるものをそれぞれ 他の者が一年以上有していた固定資産で当該各号に掲げるもの(交換のために取得したと認められるものを除く。)と交換し、その交換により取得した当該各号に掲げる資産(以下この条において「取得資産」という。)をその交換により譲渡した当該各号に掲げる資産(以下この条において「譲渡資産」という。)の譲渡の直前の用途と同一の用途に供した場合には、第三十三条(譲渡所得)の規定の適用については、当該譲渡資産(取得資産とともに金銭 その他の資産を取得した場合には、当該金銭の額 及び金銭以外の資産の価額に相当する部分を除く。)の譲渡がなかつたものとみなす。
土地(建物 又は構築物の所有を目的とする地上権 及び賃借権 並びに農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項(定義)に規定する農地(同法第四十三条第一項(農作物栽培高度化施設に関する特例)の規定により農作物の栽培を耕作に該当するものとみなして適用する同法第二条第一項に規定する農地を含む。)の上に存する耕作(同法第四十三条第一項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。)に関する権利を含む。)
建物(これに附属する設備 及び構築物を含む。)
鉱業権(租鉱権 及び採石権 その他土石を採掘し、又は採取する権利を含む。)
前項の規定は、同項の交換の時における取得資産の価額と 譲渡資産の価額との差額がこれらの価額のうちいずれか多い価額の百分の二十に相当する金額を超える場合には、適用しない。
第一項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨、取得資産 及び譲渡資産の価額 その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合 又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出がなかつたこと 又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第一項の規定の適用を受けた居住者が取得資産について行うべき第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算 及び その償却の方法)に規定する償却費の計算及び その者が取得資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。) 又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。
贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。) 若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)
著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)
居住者が前項に規定する資産を個人に対し同項第二号に規定する対価の額により譲渡した場合において、当該対価の額が当該資産の譲渡に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上控除する必要経費 又は取得費 及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は、その山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、なかつたものとみなす。
居住者が次に掲げる事由により取得した前条第一項に規定する資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす。
贈与、相続(限定承認に係るものを除く。) 又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)
前条第二項の規定に該当する譲渡
前項の場合において、同項第一号に掲げる相続 又は遺贈により取得した次の各号に掲げる資産を譲渡したときにおける当該資産の取得費については、同項の規定にかかわらず、当該各号に定めるところによる。
配偶者居住権の目的となつている建物
当該建物に配偶者居住権が設定されていないとしたならば当該建物を譲渡した時において前項の規定により当該建物の取得費の額として計算される金額から 当該建物を譲渡した時において当該配偶者居住権が消滅したとしたならば次項の規定により配偶者居住権の取得費とされる金額を控除する。
配偶者居住権の目的となつている建物の敷地の用に供される土地(土地の上に存する権利を含む。以下 この号 及び次項第二号において同じ。)
当該建物に配偶者居住権が設定されていないとしたならば当該土地を譲渡した時において前項の規定により当該土地の取得費の額として計算される金額から 当該土地を譲渡した時において当該土地を当該配偶者居住権に基づき使用する権利が消滅したとしたならば次項の規定により当該権利の取得費とされる金額を控除する。
第一項の場合において、同項第一号に掲げる相続 又は遺贈により取得した次の各号に掲げる権利が消滅したときにおける譲渡所得の金額の計算については、同項の規定にかかわらず、当該各号に定めるところによる。
この場合において、第三十八条第二項(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)の規定は、適用しない。
配偶者居住権
当該相続 又は遺贈により当該配偶者居住権を取得した時において、その時に当該配偶者居住権の目的となつている建物を譲渡したとしたならば当該建物の取得費の額として計算される金額のうちその時における配偶者居住権の価額に相当する金額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額により当該配偶者居住権を取得したものとし、当該金額から 当該配偶者居住権の存続する期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額をもつて当該配偶者居住権の第三十八条第一項に規定する取得費とする。
配偶者居住権の目的となつている建物の敷地の用に供される土地を当該配偶者居住権に基づき使用する権利
当該相続 又は遺贈により当該権利を取得した時において、その時に当該土地を譲渡したとしたならば当該土地の取得費の額として計算される金額のうちその時における当該権利の価額に相当する金額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額により当該権利を取得したものとし、当該金額から当該配偶者居住権の存続する期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額をもつて当該権利の第三十八条第一項に規定する取得費とする。
居住者が前条第一項第一号に掲げる相続 又は遺贈により取得した資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その者が当該資産をその取得の時における価額に相当する金額により取得したものとみなす。
国外転出(国内に住所 及び居所を有しないこととなることをいう。以下この条において同じ。)をする居住者が、その国外転出の時において有価証券 又は第百七十四条第九号(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する匿名組合契約の出資の持分(株式を無償 又は有利な価額により取得することができる権利を表示する有価証券で第百六十一条第一項(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得を生ずべきものその他の政令で定める有価証券を除く。以下 この条から 第六十条の四まで(外国転出時課税の規定の適用を受けた場合の譲渡所得等の特例)において「有価証券等」という。)を有する場合には、その者の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その国外転出の時に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額により、当該有価証券等の譲渡があつたものとみなす。
当該国外転出をする日の属する年分の確定申告書の提出の時までに国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をした場合、同項の規定による納税管理人の届出をしないで当該国外転出をした日以後に当該年分の確定申告書を提出する場合又は当該年分の所得税につき決定がされる場合
当該国外転出の時における当該有価証券等の価額に相当する金額
前号に掲げる場合以外の場合
当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に取得をした有価証券等にあつては、当該取得時)における当該有価証券等の価額に相当する金額
国外転出をする居住者が、その国外転出の時において決済していない金融商品取引法第百五十六条の二十四第一項(免許 及び免許の申請)に規定する信用取引 又は発行日取引(有価証券が発行される前にその有価証券の売買を行う取引であつて財務省令で定める取引をいう。)(以下 この条から 第六十条の四までにおいて「未決済信用取引等」という。)に係る契約を締結している場合には、その者の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その国外転出の時に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額の利益の額 又は損失の額が生じたものとみなす。
前項第一号に掲げる場合
当該国外転出の時に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額
前項第二号に掲げる場合
当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に契約の締結をした未決済信用取引等にあつては、当該締結の時)に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額
国外転出をする居住者が、その国外転出の時において決済していない金融商品取引法第二条第二十項(定義)に規定するデリバティブ取引(以下 この条から 第六十条の四までにおいて「未決済デリバティブ取引」という。)に係る契約を締結している場合には、その者の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その国外転出の時に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額の利益の額 又は損失の額が生じたものとみなす。
第一項第一号に掲げる場合
当該国外転出の時に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額
第一項第二号に掲げる場合
当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に契約の締結をした未決済デリバティブ取引にあつては、当該締結の時)に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額
国外転出の日の属する年分の所得税につき前三項(第八項(第九項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)又は第十項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用を受けた個人(その相続人を含む。)が、当該国外転出の時に有していた有価証券等 又は契約を締結していた未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引の譲渡(これに類するものとして政令で定めるものを含む。第八項において同じ。)又は決済をした場合における事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、次に定めるところによる。
ただし、同日の属する年分の所得税につき確定申告書の提出 及び決定がされていない場合における当該有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引、同日の属する年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上第一項各号、第二項各号 又は前項各号に掲げる場合の区分に応じ第一項各号、第二項各号 又は前項各号に定める金額が総収入金額に算入されていない有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引 並びに第六項本文(第七項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用があつた有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引については、この限りでない。
その有価証券等については、第一項各号に定める金額(第八項の規定により第一項の規定の適用を受けた場合には、当該有価証券等の第八項に規定する譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額)をもつて取得したものとみなす。
その未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済があつた場合には、当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額(以下 この号において「決済損益額」という。)から 当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る第二項各号 若しくは前項各号に定める利益の額に相当する金額を減算し、又は当該決済損益額に当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る第二項各号 若しくは前項各号に定める損失の額に相当する金額を加算するものとする。
前各項の規定は、国外転出をする時に有している有価証券等 並びに契約を締結している未決済信用取引等及び未決済デリバティブ取引の当該国外転出をする時における次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額が一億円未満である居住者又は当該国外転出をする日前十年以内に国内に住所 若しくは居所を有していた期間として政令で定める期間の合計が五年以下である居住者については、適用しない。
第一項第一号に掲げる場合
同号に定める金額、第二項第一号に定める金額 及び第三項第一号に定める金額の合計額
第一項第二号に掲げる場合
同号に定める金額、第二項第二号に定める金額 及び第三項第二号に定める金額の合計額
国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けるべき個人が、当該国外転出の時に有していた有価証券等 又は契約を締結していた未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引のうち次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるものについては、第一項から 第三項までの居住者の当該年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 これらの規定により行われたものとみなされた有価証券等の譲渡、未決済信用取引等の決済 及び未決済デリバティブ取引の決済の全てがなかつたものとすることができる。
ただし、当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額 若しくは雑所得の金額、当該未決済信用取引等の決済による事業所得の金額 若しくは雑所得の金額 又は当該未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 若しくは雑所得の金額(以下 この項において「有価証券等に係る譲渡所得等の金額」という。)につきその計算の基礎となるべき事実の全部 又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき確定申告書を提出し、又は確定申告書を提出していなかつたことにより、当該個人の当該国外転出の日から五年を経過する日までに決定 若しくは更正がされ、又は期限後申告書 若しくは修正申告書を提出した場合(同日までに期限後申告書 又は修正申告書の提出があつた場合において、その提出が、所得税についての調査があつたことにより当該所得税について決定 又は更正があることを予知してなされたものでないときを除く。)における当該隠蔽し、又は仮装した事実に基づく有価証券等に係る譲渡所得等の金額に相当する金額については、この限りでない。
当該個人が、当該国外転出の日から五年を経過する日までに帰国(国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有することとなることをいう。以下 この項 及び次条第六項において同じ。)をした場合
当該帰国の時まで引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引
当該個人が、当該国外転出の日から五年を経過する日までに当該国外転出の時に有していた有価証券等 又は締結していた未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約を贈与により居住者に移転した場合
当該贈与による移転があつた有価証券等、 未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引
当該国外転出の日から五年を経過する日までに当該個人が死亡したことにより、当該国外転出の時に有していた有価証券等 又は締結していた未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の相続(限定承認に係るものを除く。以下 この号において同じ。) 又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。以下 この号において同じ。)による移転があつた場合において、次に掲げる場合に該当することとなつたとき
当該相続 又は遺贈による移転があつた有価証券等、未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引
当該国外転出の日から五年を経過する日までに、当該相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた相続人 及び受遺者である個人(当該個人から 相続 又は遺贈により当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた個人を含む。ロにおいて同じ。)の全てが居住者となつた場合
当該個人について生じた第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)に規定する遺産分割等の事由により、当該相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた相続人 及び受遺者である個人に非居住者(当該国外転出の日から五年を経過する日までに帰国をした者を除く。)が含まれないこととなつた場合
国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人で第百三十七条の二第二項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けているものに係る前項の規定の適用については、
同項中 「五年」とあるのは、「十年」と
する。
国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人で第百三十七条の二第一項(同条第二項の規定により適用する場合を含む。第十項において同じ。)の規定による納税の猶予を受けているもの(その相続人を含む。)が、その納税の猶予に係る同条第一項に規定する満了基準日までに、当該国外転出の時から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡(その譲渡の時における価額より低い価額によりされる譲渡 その他の政令で定めるものを除く。以下 この項 及び次項において同じ。)若しくは決済 又は限定相続等(贈与、相続(限定承認に係るものに限る。)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)による移転をした場合において、当該譲渡に係る譲渡価額 若しくは当該限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額 又は当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 若しくは当該限定相続等の時に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 若しくは損失の額に相当する金額(次条第八項において「限定相続等時みなし信用取引等損益額」という。)若しくは当該限定相続等の時に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 若しくは損失の額に相当する金額(次条第八項において「限定相続等時みなしデリバティブ取引損益額」という。)が次に掲げる場合に該当するときにおける当該個人の当該国外転出の日の属する年分の所得税に係る第一項から 第三項までの規定の適用については、
第一項中
「次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額」とあるのは
「当該有価証券等の第八項に規定する譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額」と、
第二項中
「次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額の利益の額 又は損失の額」とあるのは
「第八項に規定する決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 又は限定相続等時みなし信用取引等損益額」と、
第三項中
「次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額の利益の額 又は損失の額」とあるのは
「第八項に規定する決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引損益額**」と
することができる。
当該有価証券等の譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額が当該国外転出の時における第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める価額に相当する金額(当該国外転出の時後に当該有価証券等を発行した法人の合併、分割 その他の政令で定める事由が生じた場合には、当該金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額。第十項第一号において同じ。)を下回るとき。
当該未決済信用取引等の決済によつて生じた利益の額に相当する金額 又は限定相続等時みなし信用取引等利益額(当該限定相続等の時に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額をいう。次条第八項第二号において同じ。)が、国外転出時みなし信用取引等利益額(当該国外転出の時における第二項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める利益の額に相当する金額をいう。第四号 並びに第十項第二号 及び第四号において同じ。)を下回るとき。
信用取引等損失額(当該未決済信用取引等の決済によつて生じた損失の額に相当する金額 又は限定相続等時みなし信用取引等損失額(当該限定相続等の時に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額をいう。次条第八項第三号において同じ。)をいう。次号において同じ。)が、国外転出時みなし信用取引等損失額(当該国外転出の時における第二項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める損失の額に相当する金額をいう。第十項第三号において同じ。)を上回るとき。
信用取引等損失額が生じた未決済信用取引等につき、国外転出時みなし信用取引等利益額が生じていたとき。
当該未決済デリバティブ取引の決済によつて生じた利益の額に相当する金額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引利益額(当該限定相続等の時に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額をいう。次条第八項第五号において同じ。)が、国外転出時みなしデリバティブ取引利益額(当該国外転出の時における第三項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める利益の額に相当する金額をいう。第七号 並びに第十項第五号 及び第七号において同じ。)を下回るとき。
デリバティブ取引損失額(当該未決済デリバティブ取引の決済によつて生じた損失の額に相当する金額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引損失額(当該限定相続等の時に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額をいう。次条第八項第六号において同じ。)をいう。次号において同じ。)が、国外転出時みなしデリバティブ取引損失額(当該国外転出の時における第三項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める損失の額に相当する金額をいう。第十項第六号において同じ。)を上回るとき。
デリバティブ取引損失額が生じた未決済デリバティブ取引につき、国外転出時みなしデリバティブ取引利益額が生じていたとき。
前項の規定は、国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けるべき個人でその国外転出の時までに国税通則法第百十七条第二項の規定による納税管理人の届出をしているものが、同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、同日から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした場合について準用する。
国外転出の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人で第百三十七条の二第一項の規定による納税の猶予を受けているもの(その相続人を含む。)が、同日から 五年を経過する日(その者が同条第二項の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日。以下 この項において同じ。)においてその国外転出の時から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引が次に掲げる場合に該当するときにおける当該個人の当該国外転出の日の属する年分の所得税に係る第一項から 第三項までの規定の適用については、
これらの規定中
「当該国外転出の時」とあり、
「当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に取得をした有価証券等にあつては、当該取得時)」とあり、「当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に契約の締結をした未決済信用取引等にあつては、当該締結の時)」とあり、
及び「当該国外転出の予定日から起算して三月前の日(同日後に契約の締結をした未決済デリバティブ取引にあつては、当該締結の時)」とあるのは、
「当該国外転出の日から五年を経過する日(その者が第百三十七条の二第二項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日)」と
することができる。
当該五年を経過する日における当該有価証券等の価額に相当する金額が当該国外転出の時における第一項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める価額に相当する金額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額が、国外転出時みなし信用取引等利益額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額(次号において「五年経過日みなし信用取引等損失額」という。)が、国外転出時みなし信用取引等損失額を上回るとき。
当該五年経過日みなし信用取引等損失額が生じた未決済信用取引等につき、国外転出時みなし信用取引等利益額が生じていたとき。
当該五年を経過する日に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額が、国外転出時みなしデリバティブ取引利益額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額(次号において「五年経過日みなしデリバティブ取引損失額」という。)が、国外転出時みなしデリバティブ取引損失額を上回るとき。
当該五年経過日みなしデリバティブ取引損失額が生じた未決済デリバティブ取引につき、国外転出時みなしデリバティブ取引利益額が生じていたとき。
第六項から 前項までの規定の適用については、個人が国外転出の時後に次に掲げる事由により取得した有価証券等は、その者が引き続き所有していたものとみなす。
第一項の居住者が有する株式を発行した法人の行つた第五十七条の四第一項(株式交換等に係る譲渡所得等の特例)に規定する株式交換又は同条第二項に規定する株式移転
第一項の居住者が有する第五十七条の四第三項第一号に規定する取得請求権付株式、同項第二号に規定する取得条項付株式、同項第三号に規定する全部取得条項付種類株式、同項第四号に規定する新株予約権付社債、同項第五号に規定する取得条項付新株予約権 又は同項第六号に規定する取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債のこれらの号に定める請求権の行使、取得事由の発生、取得決議 又は行使
前二号に掲げるもののほか、政令で定める事由
第六項から 前項までに規定するもののほか、第一項から 第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者の有する有価証券等が、贈与、相続 又は遺贈(以下この条において「贈与等」という。)により非居住者に移転した場合には、その居住者の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、別段の定めがあるものを除き、その贈与等の時に、その時における価額に相当する金額により、当該有価証券等の譲渡があつたものとみなす。
居住者が締結している未決済信用取引等に係る契約が、贈与等により非居住者に移転した場合には、その居住者の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その贈与等の時に、当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額が生じたものとみなす。
居住者が締結している未決済デリバティブ取引に係る契約が、贈与等により非居住者に移転した場合には、その居住者の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その贈与等の時に、当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額が生じたものとみなす。
贈与の日 又は相続の開始の日(以下この条において「贈与等の日」という。)の属する年分の所得税につき前三項(第八項(第十項において準用する場合を含む。第一号において同じ。)又は第十一項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用を受けた居住者から 有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた個人(その相続人を含む。)が、当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡(前条第四項に規定する譲渡をいう。第九項において同じ。)又は決済をした場合における事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、次に定めるところによる。
ただし、当該贈与等の日の属する年分の所得税につき確定申告書の提出 及び決定がされていない場合における当該有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引、当該贈与等の日の属する年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上有価証券等の当該贈与等の時における価額に相当する金額 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引の利益の額 若しくは損失の額に相当する金額が総収入金額に算入されていない当該有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引 並びに第六項前段(第七項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用があつた有価証券等、未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引については、この限りでない。
その有価証券等については、第一項の贈与等があつた時における当該有価証券等の価額に相当する金額(第八項の規定により第一項の規定の適用を受けた場合には当該有価証券等の第八項に規定する譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額とし、第十一項の規定により第一項の規定の適用を受けた場合には第十一項に規定する五年を経過する日における当該有価証券等の価額に相当する金額とする。)をもつて取得したものとみなす。
その未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済があつた場合には、当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額(以下 この号において「決済損益額」という。)から当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る第二項 若しくは前項に規定する利益の額に相当する金額を減算し、又は当該決済損益額に当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る第二項 若しくは前項に規定する損失の額に相当する金額を加算するものとする。
前各項の規定は、贈与等の時に有している有価証券等 並びに契約を締結している未決済信用取引等 及び未決済デリバティブ取引の当該贈与等の時における有価証券等の価額に相当する金額並びに未決済信用取引等の第二項に規定する利益の額 若しくは損失の額に相当する金額及び未決済デリバティブ取引の第三項に規定する利益の額 若しくは損失の額に相当する金額の合計額が一億円未満である居住者又は当該贈与等の日前十年以内に国内に住所 若しくは居所を有していた期間として政令で定める期間の合計が五年以下である居住者については、適用しない。
贈与等の日の属する年分の所得税につき第一項から第三項までの規定の適用を受けるべき居住者から、当該贈与等により非居住者である受贈者、相続人 又は受遺者に移転した有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約のうち、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるものについては、第一項から 第三項までの居住者の当該年分の事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 これらの規定により行われたものとみなされた有価証券等の譲渡、未決済信用取引等の決済 及び未決済デリバティブ取引の決済の全てがなかつたものとすることができる。
この場合においては、前条第六項ただし書の規定を準用する。
当該非居住者である受贈者 又は同一の被相続人から 相続 若しくは遺贈により財産を取得した全ての非居住者(以下 この号において「受贈者等」という。)が、当該贈与等の日から五年を経過する日までに帰国をした場合
当該受贈者等が当該帰国の時まで引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引
当該贈与等に係る非居住者である受贈者、相続人 又は受遺者が、当該贈与等の日から五年を経過する日までに当該贈与等により移転を受けた有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約を贈与により居住者に移転した場合
当該贈与による移転があつた有価証券等、未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引
当該贈与等の日から五年を経過する日までに当該贈与等に係る非居住者である受贈者、相続人 又は受遺者が死亡したことにより、当該贈与等により移転を受けた有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の相続(限定承認に係るものを除く。以下 この号において同じ。) 又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。以下 この号において同じ。)による移転があつた場合において、次に掲げる場合に該当することとなつたとき
当該相続 又は遺贈による移転があつた有価証券等、未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引
当該贈与等の日から五年を経過する日までに、当該相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた相続人 及び受遺者である個人(当該個人から 相続 又は遺贈により当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた個人を含む。ロにおいて同じ。)の全てが居住者となつた場合
当該非居住者について生じた第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)に規定する遺産分割等の事由により、当該相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた相続人 及び受遺者である個人に非居住者(当該贈与等の日から五年を経過する日までに帰国をした者を除く。)が含まれないこととなつた場合
贈与の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人(次項において「適用贈与者」という。)で第百三十七条の三第三項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けているもの又は相続の開始の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人(次項 及び第十一項において「適用被相続人等」という。)でその者の相続人が同条第三項の規定により同条第二項の規定による納税の猶予を受けているものに係る前項の規定の適用については、
同項中
「五年」とあるのは、
「十年」と
する。
適用贈与者で第百三十七条の三第一項(同条第三項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による納税の猶予を受けているもの(次項 及び第十一項において「猶予適用贈与者」という。)の受贈者 又は適用被相続人等の相続人で同条第二項(同条第三項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による納税の猶予を受けているもの(第十一項 及び第十二項において「猶予適用相続人」という。)が、その納税の猶予に係る基準日(同条第一項に規定する贈与満了基準日 又は同条第二項に規定する相続等満了基準日をいう。次項において同じ。)までに、その贈与等により非居住者に移転があつた有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡(前条第八項に規定する譲渡をいう。以下 この項 及び第十項において同じ。)若しくは決済 又は前条第八項に規定する限定相続等(以下 この項から 第十項までにおいて「限定相続等」という。)による移転をした場合において、当該譲渡に係る譲渡価額 若しくは当該限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額 又は当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 若しくは当該限定相続等に係る限定相続等時みなし信用取引等損益額 若しくは限定相続等時みなしデリバティブ取引損益額が次に掲げる場合に該当するときにおける当該適用贈与者 又は適用被相続人等の当該贈与等の日の属する年分の所得税に係る第一項から 第三項までの規定の適用については、
第一項中
「その時における価額に相当する金額」とあるのは
「当該有価証券等の第八項に規定する譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額」と、
第二項中
「当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額」とあるのは
「第八項に規定する決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 又は限定相続等時みなし信用取引等損益額」と、
第三項中
「当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額 又は損失の額に相当する金額」とあるのは
「第八項に規定する決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引損益額」と
することができる。
当該有価証券等の譲渡に係る譲渡価額 又は限定相続等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額が当該贈与等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額(当該贈与等の時後に前条第八項第一号に規定する事由が生じた場合には、当該金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額。第十一項第一号において同じ。)を下回るとき。
当該未決済信用取引等の決済によつて生じた利益の額に相当する金額 又は限定相続等時みなし信用取引等利益額が、贈与等時みなし信用取引等利益額(当該贈与等の時における第二項に規定する利益の額に相当する金額をいう。第四号 並びに第十一項第二号 及び第四号において同じ。)を下回るとき。
信用取引等損失額(当該未決済信用取引等の決済によつて生じた損失の額に相当する金額 又は限定相続等時みなし信用取引等損失額をいう。次号において同じ。)が、贈与等時みなし信用取引等損失額(当該贈与等の時における第二項に規定する損失の額に相当する金額をいう。第十一項第三号において同じ。)を上回るとき。
信用取引等損失額が生じた未決済信用取引等につき、贈与等時みなし信用取引等利益額が生じていたとき。
当該未決済デリバティブ取引の決済によつて生じた利益の額に相当する金額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引利益額が、贈与等時みなしデリバティブ取引利益額(当該贈与等の時における第三項に規定する利益の額に相当する金額をいう。第七号 並びに第十一項第五号 及び第七号において同じ。)を下回るとき。
デリバティブ取引損失額(当該未決済デリバティブ取引の決済によつて生じた損失の額に相当する金額 又は限定相続等時みなしデリバティブ取引損失額をいう。次号において同じ。)が、贈与等時みなしデリバティブ取引損失額(当該贈与等の時における第三項に規定する損失の額に相当する金額をいう。第十一項第六号において同じ。)を上回るとき。
デリバティブ取引損失額が生じた未決済デリバティブ取引につき、贈与等時みなしデリバティブ取引利益額が生じていたとき。
猶予適用贈与者から贈与により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた非居住者で当該猶予適用贈与者(その相続人を含む。以下 この項において同じ。)からその贈与の日の属する年分の所得税につき第百三十七条の三第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている旨 及び当該納税の猶予に係る基準日の通知を受けたもの(その相続人を含む。)が、当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約を、その贈与の日から当該納税の猶予に係る基準日までの間に、譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした場合には、その者は、その譲渡 若しくは決済 又は限定相続等の日(当該限定相続等に係る相続人にあつては、その相続の開始があつたことを知つた日)から二月以内に、当該猶予適用贈与者に、当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした旨、その譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の種類、銘柄 及び数 その他参考となるべき事項を通知しなければならない。
前二項の規定は、次の各号に掲げる者が、それぞれ当該各号に定める期限までに、その贈与等により非居住者に移転があつた有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした場合について準用する。
この場合において、
前項中
「猶予適用贈与者から」とあるのは
「次項第一号に規定する個人から」と、
「受けた非居住者で当該猶予適用贈与者(その相続人を含む。以下 この項において同じ。)から その贈与の日の属する年分の所得税につき第百三十七条の三第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている旨 及び当該納税の猶予に係る基準日の通知を受けたもの」とあるのは
「受けた非居住者」と、
「当該納税の猶予に係る基準日まで」とあるのは
「同号に定める期限まで」と、
「当該猶予適用贈与者に」とあるのは
「当該個人に」と
読み替えるものとする。
贈与の日の属する年分の所得税につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けるべき個人の受贈者
当該個人の同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限
相続の開始の日の属する年分の所得税につき第一項から第三項までの規定の適用を受けるべき個人(当該譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転の時において、当該個人から 相続 又は遺贈により有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の移転を受けた非居住者の全てが政令で定めるところにより国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしている場合における当該個人に限る。)の相続人
当該個人の同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限
猶予適用贈与者の受贈者 又は猶予適用相続人が、その贈与等の日から五年を経過する日(当該猶予適用贈与者 又は猶予適用相続人が第百三十七条の三第三項の規定により同条第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日。以下 この項において同じ。)においてその贈与等の日から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引が次に掲げる場合に該当するときにおける当該猶予適用贈与者 又は猶予適用相続人の適用被相続人等の当該贈与等の日の属する年分の所得税に係る第一項から 第三項までの規定の適用については、
これらの規定中
「その贈与等の時」とあるのは、
「当該贈与等の日から五年を経過する日(当該贈与等に係る第十一項に規定する猶予適用贈与者 又は猶予適用相続人が第百三十七条の三第三項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日)」と
することができる。
当該五年を経過する日における当該有価証券等の価額に相当する金額が当該贈与等の時における当該有価証券等の価額に相当する金額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額が、贈与等時みなし信用取引等利益額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済信用取引等を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額(次号において「五年経過日みなし信用取引等損失額」という。)が、贈与等時みなし信用取引等損失額を上回るとき。
当該五年経過日みなし信用取引等損失額が生じた未決済信用取引等につき、贈与等時みなし信用取引等利益額が生じていたとき。
当該五年を経過する日に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した利益の額に相当する金額が、贈与等時みなしデリバティブ取引利益額を下回るとき。
当該五年を経過する日に当該未決済デリバティブ取引を決済したものとみなして財務省令で定めるところにより算出した損失の額に相当する金額(次号において「五年経過日みなしデリバティブ取引損失額」という。)が、贈与等時みなしデリバティブ取引損失額を上回るとき。
当該五年経過日みなしデリバティブ取引損失額が生じた未決済デリバティブ取引につき、贈与等時みなしデリバティブ取引利益額が生じていたとき。
第六項から 前項までの規定の適用については、これらの規定に規定する受贈者、相続人、受遺者 又は猶予適用相続人がこれらの規定に規定する贈与等の日後に前条第十一項各号に掲げる事由により取得した有価証券等は、当該受贈者、相続人、受遺者 又は猶予適用相続人が引き続き所有していたものとみなす。
第六項から 前項までに規定するもののほか、第一項から 第五項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者が外国転出時課税の規定の適用を受けた有価証券等の第六十条の二第四項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する譲渡をした場合における事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、その外国転出時課税の規定により課される外国所得税(第九十五条第一項(外国税額控除)に規定する外国所得税をいう。次項 及び第三項において同じ。)の額の計算において当該有価証券等の譲渡をしたものとみなして当該譲渡に係る所得の金額の計算上収入金額に算入することとされた金額をもつて、当該有価証券等の取得に要した金額とする。
居住者が外国転出時課税の規定の適用を受けた未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済をした場合における事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、当該決済によつて生じた利益の額 若しくは損失の額(以下 この項において「決済損益額」という。)から その外国転出時課税の規定により課される外国所得税の額の計算において当該未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引の決済をしたものとみなして算出された利益の額に相当する金額を減算し、又は当該決済損益額に当該外国所得税の額の計算において当該決済をしたものとみなして算出された損失の額に相当する金額を加算する。
前二項に規定する外国転出時課税の規定とは、外国における第六十条の二第一項に規定する国外転出に相当する事由 その他政令で定める事由が生じた場合に同項から 同条第三項までの規定に相当する当該外国の法令の規定によりその有している有価証券等 又は契約を締結している未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引の譲渡 又は決済があつたものとみなして外国所得税を課することとされている場合における当該外国の法令の規定をいう。
第一項 及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
山林所得の基因となる山林が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた山林である場合には、その山林に係る山林所得の金額の計算上控除する必要経費は、その山林の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額と その山林につき同日以後に支出した管理費、伐採費 その他 その山林の育成 又は譲渡に要した費用の額との合計額とする。
譲渡所得の基因となる資産(次項 及び第四項に規定する資産を除く。)が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた資産である場合には、その資産に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その資産の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額(当該金額がその資産の取得に要した金額と同日前に支出した設備費 及び改良費の額との合計額に満たないことが証明された場合には、当該合計額)と その資産につき同日以後に支出した設備費 及び改良費の額との合計額とする。
譲渡所得の基因となる資産が昭和二十七年十二月三十一日以前から引き続き所有していた資産で、第三十八条第二項(使用 又は期間の経過により減価する資産の取得費)の規定に該当するものである場合には、その資産に係る譲渡所得の金額の計算上控除する取得費は、その資産の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額(当該金額がその資産の取得に要した金額と同日前に支出した設備費 及び改良費の額との合計額を基礎として政令で定めるところにより計算した同日におけるその資産の価額に満たないことが証明された場合には、当該価額)と その資産につき同日以後に支出した設備費 及び改良費の額との合計額から、その資産を同日において当該計算した金額をもつて取得したものとみなした場合に計算される同項各号に掲げる金額の合計額を控除した金額とする。
有価証券につき譲渡所得の金額を計算する場合において、譲渡所得の金額の計算上控除する有価証券の取得費の計算の基礎となる金額のうちに昭和二十七年十二月三十一日以前に取得した有価証券の取得に要した金額が含まれているときは、その取得した有価証券の昭和二十八年一月一日における価額として政令で定めるところにより計算した金額(当該金額がその有価証券の取得に要した金額に満たないことが証明された場合には、その取得に要した金額)をもつて、その取得した有価証券の取得に要した金額とする。
居住者が、災害 又は盗難 若しくは横領により、生活に通常必要でない資産として政令で定めるものについて受けた損失の金額(保険金、損害賠償金 その他 これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)は、政令で定めるところにより、その者のその損失を受けた日の属する年分 又は その翌年分の譲渡所得の金額の計算上控除すべき金額とみなす。
前項に規定する損失の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第六款 事業を廃止した場合等の所得計算の特例
居住者が不動産所得、事業所得 又は山林所得を生ずべき事業を廃止した後において、当該事業に係る費用 又は損失で当該事業を廃止しなかつたとしたならば その者のその年分以後の各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額が生じた場合には、当該金額は、政令で定めるところにより、その者のその廃止した日の属する年分(同日の属する年においてこれらの所得に係る総収入金額がなかつた場合には、当該総収入金額があつた最近の年分)又は その前年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上、必要経費に算入する。
その年分の各種所得の金額(事業所得の金額を除く。以下 この項において同じ。)の計算の基礎となる収入金額 若しくは総収入金額(不動産所得 又は山林所得を生ずべき事業から生じたものを除く。以下 この項において同じ。)の全部 若しくは一部を回収することができないこととなつた場合 又は政令で定める事由により当該収入金額 若しくは総収入金額の全部 若しくは一部を返還すべきこととなつた場合には、政令で定めるところにより、当該各種所得の金額の合計額のうち、その回収することができないこととなつた金額 又は返還すべきこととなつた金額に対応する部分の金額は、当該各種所得の金額の計算上、なかつたものとみなす。
保証債務を履行するため資産(第三十三条第二項第一号(譲渡所得に含まれない所得)の規定に該当するものを除く。)の譲渡(同条第一項に規定する政令で定める行為を含む。)があつた場合において、その履行に伴う求償権の全部 又は一部を行使することができないこととなつたときは、その行使することができないこととなつた金額(不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算上必要経費に算入される金額を除く。)を前項に規定する回収することができないこととなつた金額とみなして、同項の規定を適用する。
前項の規定は、確定申告書、修正申告書 又は更正請求書に同項の規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、同項の譲渡をした資産の種類 その他財務省令で定める事項を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
⤏ 第七款 収入及び費用の帰属の時期の特例
居住者が、第六十七条の二第三項(リース取引に係る所得の金額の計算)に規定するリース取引による同条第一項に規定するリース資産の引渡し(以下この条において「リース譲渡」という。)を行つた場合において、そのリース譲渡に係る収入金額 及び費用の額につき、そのリース譲渡の日の属する年以後の各年において政令で定める延払基準の方法により経理したとき(当該リース譲渡につき次項の規定の適用を受ける場合を除く。)は、その経理した収入金額 及び費用の額は、当該各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額 及び必要経費に算入する。
ただし、当該リース譲渡に係る収入金額 及び費用の額につき、同日の属する年の翌年以後のいずれかの年において当該延払基準の方法により経理しなかつた場合は、その経理しなかつた年の翌年分以後の年分の事業所得の金額の計算については、この限りでない。
居住者がリース譲渡を行つた場合には、その対価の額を政令で定めるところにより利息に相当する部分と それ以外の部分とに区分した場合における当該リース譲渡の日の属する年以後の各年の収入金額 及び費用の額として政令で定める金額は、当該各年分の事業所得の金額の計算上、 総収入金額 及び必要経費に算入する。
前項の規定は、リース譲渡の日の属する年分の確定申告書に同項に規定する収入金額 及び費用の額として政令で定める金額の総収入金額及び必要経費への算入に関する明細の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合 又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出がなかつたこと 又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第二項の規定を適用することができる。
第一項の規定の適用を受けている居住者が死亡し、又は出国をする場合におけるリース譲渡に係る収入金額 及び費用の額の処理の特例 その他同項 又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者が、長期大規模工事(工事(製造 及びソフトウエアの開発を含む。以下この条において同じ。)のうち、その着手の日から 当該工事に係る契約において定められている目的物の引渡しの期日までの期間が一年以上であること、政令で定める大規模な工事であること その他政令で定める要件に該当するものをいう。以下この条において同じ。)の請負をしたときは、その着手の日の属する年から その目的物の引渡しの日の属する年の前年までの各年分の事業所得の金額の計算上、その長期大規模工事の請負に係る収入金額 及び費用の額のうち、当該各年分の収入金額 及び費用の額として政令で定める工事進行基準の方法により計算した金額を、総収入金額 及び必要経費に算入する。
居住者が、工事(その着手の日の属する年(以下 この項において「着工の年」という。)中にその目的物の引渡しが行われないものに限るものとし、長期大規模工事に該当するものを除く。以下この条において同じ。)の請負をした場合において、その工事の請負に係る収入金額 及び費用の額につき、着工の年から その工事の目的物の引渡しの日の属する年の前年までの各年において政令で定める工事進行基準の方法により経理したときは、その経理した収入金額 及び費用の額は、当該各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額 及び必要経費に算入する。
ただし、その工事の請負に係る収入金額 及び費用の額につき、着工の年の翌年以後のいずれかの年において当該工事進行基準の方法により経理しなかつた場合には、その経理しなかつた年の翌年分以後の年分の事業所得の金額の計算については、この限りでない。
第一項 又は前項の規定の適用を受ける居住者が死亡した場合における長期大規模工事 又は工事の請負に係る収入金額 及び費用の額の処理の特例 その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者で不動産所得 又は事業所得を生ずべき業務を行うもののうち小規模事業者として政令で定める要件に該当するもののその年分の不動産所得の金額 又は事業所得の金額(山林の伐採 又は譲渡に係るものを除く。)の計算上総収入金額 及び必要経費に算入すべき金額は、政令で定めるところにより、その業務につきその年において収入した金額 及び支出した費用の額とすることができる。
雑所得を生ずべき業務を行う居住者のうち小規模な業務を行う者として政令で定める要件に該当するもののその年分の当該雑所得を生ずべき業務に係る雑所得の金額(山林の伐採 又は譲渡に係るものを除く。)の計算上総収入金額 及び必要経費に算入すべき金額は、政令で定めるところにより、その業務につきその年において収入した金額 及び支出した費用の額とすることができる。
前二項の規定の適用を受けるための手続 その他前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第八款 リース取引
居住者がリース取引を行つた場合には、そのリース取引の目的となる資産(以下 この項において「リース資産」という。)の賃貸人から賃借人への引渡しの時に当該リース資産の売買があつたものとして、当該賃貸人 又は賃借人である居住者の各年分の各種所得の金額を計算する。
居住者が譲受人から譲渡人に対する賃貸(リース取引に該当するものに限る。)を条件に資産の売買を行つた場合において、 当該資産の種類、当該売買 及び賃貸に至るまでの事情 その他の状況に照らし、これら一連の取引が実質的に金銭の貸借であると認められるときは、当該資産の売買はなかつたものとし、かつ、当該譲受人から当該譲渡人に対する金銭の貸付けがあつたものとして、 当該譲受人 又は譲渡人である居住者の各年分の各種所得の金額を計算する。
前二項に規定するリース取引とは、資産の賃貸借(所有権が移転しない土地の賃貸借 その他の政令で定めるものを除く。)で、次に掲げる要件に該当するものをいう。
当該賃貸借に係る契約が、賃貸借期間の中途においてその解除をすることができないものであること 又はこれに準ずるものであること。
当該賃貸借に係る賃借人が当該賃貸借に係る資産から もたらされる経済的な利益を実質的に享受することができ、かつ、当該資産の使用に伴つて生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであること。
前項第二号の資産の使用に伴つて生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているかどうかの判定 その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第九款 信託に係る所得の金額の計算
居住者が法人課税信託(法人税法第二条第二十九号の二ロ(定義)に掲げる信託に限る。)の第十三条第一項(信託財産に属する資産 及び負債 並びに信託財産に帰せられる収益 及び費用の帰属)に規定する受益者(同条第二項の規定により同条第一項に規定する受益者とみなされる者を含むものとし、清算中における受益者を除く。)となつたことにより当該法人課税信託が同号ロに掲げる信託に該当しないこととなつた場合(同号イ 又はハに掲げる信託に該当する場合を除く。)には、その受託法人(第六条の三(受託法人等に関するこの法律の適用)に規定する受託法人をいう。)から その信託財産に属する資産 及び負債をその該当しないこととなつた時の直前の帳簿価額を基礎として政令で定める金額により引継ぎを受けたものとして、 当該居住者の各年分の各種所得の金額を計算するものとする。
前項の居住者が同項の規定により資産 及び負債の引継ぎを受けたものとされた場合におけるその引継ぎにより生じた収益の額は、当該居住者のその引継ぎを受けた日の属する年分の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
信託(第十三条第一項ただし書に規定する集団投資信託、退職年金等信託 又は法人課税信託を除く。以下この条において同じ。)の委託者(居住者に限る。以下 この項において同じ。)がその有する資産を信託した場合において、当該信託の受益者等となる者(法人に限る。以下 この項において同じ。)が適正な対価を負担せずに受益者等となる者であるときは、当該資産を信託した時において、 当該信託の委託者から当該信託の受益者等となる者に対して贈与(当該受益者等となる者が対価を負担している場合には、当該対価の額による譲渡)により当該信託に関する権利に係る資産の移転が行われたものとして、当該信託の委託者の各年分の各種所得の金額を計算するものとする。
信託に新たに受益者等が存するに至つた場合(前項 及び第六項の規定の適用がある場合を除く。)において、当該信託の新たな受益者等となる者(法人に限る。以下 この項において同じ。)が適正な対価を負担せずに受益者等となる者であり、かつ、当該信託の受益者等であつた者が居住者であるときは、当該新たに受益者等が存するに至つた時において、当該信託の受益者等であつた者から 当該新たな受益者等となる者に対して贈与(当該受益者等となる者が対価を負担している場合には、当該対価の額による譲渡)により当該信託に関する権利に係る資産の移転が行われたものとして、当該信託の受益者等であつた者の各年分の各種所得の金額を計算するものとする。
信託の一部の受益者等が存しなくなつた場合において、既に当該信託の受益者等である者(法人に限る。以下 この項において同じ。)が適正な対価を負担せずに当該信託に関する権利について新たに利益を受ける者となる者であり、かつ、当該信託の一部の受益者等であつた者が居住者であるときは、当該信託の一部の受益者等が存しなくなつた時において、 当該信託の一部の受益者等であつた者から 当該利益を受ける者となる者に対して贈与(当該利益を受ける者となる者が対価を負担している場合には、当該対価の額による譲渡)により当該信託に関する権利に係る資産の移転が行われたものとして、当該信託の一部の受益者等であつた者の各年分の各種所得の金額を計算するものとする。
信託が終了した場合において、 当該信託の残余財産の給付を受けるべき、又は帰属すべき者となる者(法人に限る。以下 この項において同じ。)が適正な対価を負担せずに当該給付を受けるべき、又は帰属すべき者となる者であり、かつ、当該信託の終了の直前において受益者等であつた者が居住者であるときは、当該給付を受けるべき、又は帰属すべき者となつた時において、 当該受益者等であつた者から当該給付を受けるべき、又は帰属すべき者となる者に対して贈与(当該給付を受けるべき、又は帰属すべき者となる者が対価を負担している場合には、当該対価の額による譲渡)により当該信託の残余財産(当該信託の終了の直前においてその者が当該信託の受益者等であつた場合には、当該受益者等として有していた当該信託に関する権利に相当するものを除く。)の移転が行われたものとして、当該受益者等であつた者の各年分の各種所得の金額を計算するものとする。
第三項から 前項までに規定する受益者等とは、第十三条第一項に規定する受益者(同条第二項の規定により同条第一項に規定する受益者とみなされる者を含む。)をいう。
第一項の規定による引継ぎにより生じた損失の額がある場合の所得の金額の計算、第三項に規定する信託に関する権利が当該信託に関する権利の全部でない場合における同項の規定の適用 その他 第一項から 第六項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第十款 贈与等により取得した資産に係る利子所得等の金額の計算
居住者が第六十条第一項各号(贈与等により取得した資産の取得費等)に掲げる事由により利子所得、配当所得、一時所得 又は雑所得の基因となる資産を取得した場合における当該資産に係る利子所得の金額、配当所得の金額、一時所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、別段の定めがあるものを除き、その者が引き続き当該資産を所有していたものとみなして、この法律の規定を適用する。
⤏ 第十一款 各種所得の範囲及びその金額の計算の細目
この節に定めるもののほか、各種所得の範囲 及び各種所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第三節 損益通算及び損失の繰越控除
総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額を計算する場合において、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額 又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除する。
前項の場合において、同項に規定する損失の金額のうちに第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)に規定する資産に係る所得の金額(以下 この項において「生活に通常必要でない資産に係る所得の金額」という。)の計算上生じた損失の金額があるときは、当該損失の金額のうち政令で定めるものは政令で定めるところにより他の生活に通常必要でない資産に係る所得の金額から控除するものとし、当該政令で定めるもの以外のもの及び当該控除をしてもなお控除しきれないものは生じなかつたものとみなす。
確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年(その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。)において生じた純損失の金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)がある場合には、当該純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額の計算上控除する。
確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年において生じた純損失の金額(前項の規定の適用を受けるもの及び第百四十二条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)のうち、当該各年において生じた次に掲げる損失の金額に係るもので政令で定めるものがあるときは、当該政令で定める純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。
前項第二号に掲げる被災事業用資産の損失の金額とは、棚卸資産 又は第五十一条第一項 若しくは第三項(資産損失の必要経費算入)に規定する資産の災害による損失の金額(その災害に関連するやむを得ない支出で政令で定めるものの金額を含むものとし、保険金、損害賠償金 その他 これらに類するものにより補塡される部分の金額を除く。)で前項第一号に掲げる損失の金額に該当しないものをいう。
第一項 又は第二項の規定は、これらの規定に規定する居住者が純損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、それぞれその後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
第一項 及び第二項の規定による控除は、純損失の繰越控除という。
確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年において生じた雑損失の金額(この項 又は次条第一項の規定により前年以前において控除されたものを除く。)は、政令で定めるところにより、当該申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額の計算上控除する。
前項の規定は、同項の居住者が雑損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。
第一項の規定による控除は、雑損失の繰越控除という。
第四節 所得控除
居住者 又は その者と生計を一にする配偶者 その他の親族で政令で定めるものの有する資産(第六十二条第一項(生活に通常必要でない資産の災害による損失)及び第七十条第三項(被災事業用資産の損失の金額)に規定する資産を除く。)について災害 又は盗難 若しくは横領による損失が生じた場合(その災害 又は盗難 若しくは横領に関連してその居住者が政令で定めるやむを得ない支出をした場合を含む。)において、その年における当該損失の金額(当該支出をした金額を含むものとし、保険金、損害賠償金 その他 これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。以下 この項において「損失の金額」という。)の合計額が次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる金額を超えるときは、その超える部分の金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から控除する。
その年における損失の金額に含まれる災害関連支出の金額(損失の金額のうち災害に直接関連して支出をした金額として政令で定める金額をいう。以下 この項において同じ。)が五万円以下である場合(その年における災害関連支出の金額がない場合を含む。)
その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額の十分の一に相当する金額
その年における損失の金額に含まれる災害関連支出の金額が五万円を超える場合
その年における損失の金額の合計額から 災害関連支出の金額のうち五万円を超える部分の金額を控除した金額と前号に掲げる金額とのいずれか低い金額
その年における損失の金額がすべて災害関連支出の金額である場合
五万円と第一号に掲げる金額とのいずれか低い金額
前項に規定する損失の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項の規定による控除は、雑損控除という。
居住者が、各年において、 自己 又は自己と生計を一にする配偶者 その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金 その他 これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額がその居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額の百分の五に相当する金額(当該金額が十万円を超える場合には、十万円)を超えるときは、その超える部分の金額(当該金額が二百万円を超える場合には、二百万円)を、 その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から控除する。
前項に規定する医療費とは、医師 又は歯科医師による診療 又は治療、治療 又は療養に必要な医薬品の購入 その他医療 又はこれに関連する人的役務の提供の対価のうち通常必要であると認められるものとして政令で定めるものをいう。
第一項の規定による控除は、医療費控除という。
居住者が、各年において、自己 又は自己と生計を一にする配偶者 その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合 又は給与から控除される場合には、その支払つた金額 又は その控除される金額を、 その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から控除する。
前項に規定する社会保険料とは、次に掲げるものその他 これらに準ずるもので政令で定めるもの(第九条第一項第七号(在勤手当の非課税)に掲げる給与に係るものを除く。)をいう。
健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定により被保険者として負担する健康保険の保険料
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)の規定による国民健康保険の保険料又は地方税法の規定による国民健康保険税
高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)の規定による保険料
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による介護保険の保険料
労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)の規定により雇用保険の被保険者として負担する労働保険料
国民年金法の規定により被保険者として負担する国民年金の保険料 及び国民年金基金の加入員として負担する掛金
独立行政法人農業者年金基金法の規定により被保険者として負担する農業者年金の保険料
厚生年金保険法の規定により被保険者として負担する厚生年金保険の保険料
船員保険法の規定により被保険者として負担する船員保険の保険料
地方公務員等共済組合法の規定による掛金(特別掛金を含む。)
私立学校教職員共済法の規定により加入者として負担する掛金
恩給法第五十九条(恩給納金)(他の法律において準用する場合を含む。)の規定による納金
第一項の規定による控除は、社会保険料控除という。
居住者が、各年において、小規模企業共済等掛金を支払つた場合には、その支払つた金額を、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から控除する。
前項に規定する小規模企業共済等掛金とは、次に掲げる掛金をいう。
小規模企業共済法(昭和四十年法律第百二号) 第二条第二項(定義)に規定する共済契約(政令で定めるものを除く。)に基づく掛金
確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号) 第三条第三項第七号の二(規約の承認)に規定する企業型年金加入者掛金又は同法第五十五条第二項第四号(規約の承認)に規定する個人型年金加入者掛金
第九条第一項第三号ハ(年金等の非課税)に規定する政令で定める共済制度に係る契約に基づく掛金
第一項の規定による控除は、小規模企業共済等掛金控除という。
居住者が、各年において、新生命保険契約等に係る保険料 若しくは掛金(第五項第一号から 第三号までに掲げる契約に係るものにあつては生存 又は死亡に基因して一定額の保険金、共済金 その他の給付金(以下この条において「保険金等」という。)を支払うことを約する部分(第三項において「生存死亡部分」という。)に係るものその他政令で定めるものに限るものとし、次項に規定する介護医療保険料 及び第三項に規定する新個人年金保険料を除く。以下 この項 及び次項において「新生命保険料」という。)又は旧生命保険契約等に係る保険料 若しくは掛金(第三項に規定する旧個人年金保険料 その他政令で定めるものを除く。以下 この項において「旧生命保険料」という。)を支払つた場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から 控除する。
新生命保険料を支払つた場合(第三号に掲げる場合を除く。)
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
その年中に支払つた新生命保険料の金額の合計額(その年において新生命保険契約等に基づく剰余金の分配 若しくは割戻金の割戻しを受け、又は新生命保険契約等に基づき分配を受ける剰余金 若しくは割戻しを受ける割戻金をもつて新生命保険料の払込みに充てた場合には、当該剰余金 又は割戻金の額(新生命保険料に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額に限る。)を控除した残額。以下 この号 及び第三号イにおいて同じ。)が二万円以下である場合
当該合計額
その年中に支払つた新生命保険料の金額の合計額が二万円を超え四万円以下である場合
二万円と当該合計額から二万円を控除した金額の二分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた新生命保険料の金額の合計額が四万円を超え八万円以下である場合
三万円と当該合計額から四万円を控除した金額の四分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた新生命保険料の金額の合計額が八万円を超える場合
四万円
旧生命保険料を支払つた場合(次号に掲げる場合を除く。)
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
その年中に支払つた旧生命保険料の金額の合計額(その年において旧生命保険契約等に基づく剰余金の分配 若しくは割戻金の割戻しを受け、又は旧生命保険契約等に基づき分配を受ける剰余金 若しくは割戻しを受ける割戻金をもつて旧生命保険料の払込みに充てた場合には、当該剰余金 又は割戻金の額(旧生命保険料に係る部分の金額に限る。)を控除した残額。以下 この号 及び次号ロにおいて同じ。)が二万五千円以下である場合
当該合計額
その年中に支払つた旧生命保険料の金額の合計額が二万五千円を超え五万円以下である場合
二万五千円と当該合計額から二万五千円を控除した金額の二分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた旧生命保険料の金額の合計額が五万円を超え十万円以下である場合
三万七千五百円と当該合計額から五万円を控除した金額の四分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた旧生命保険料の金額の合計額が十万円を超える場合
五万円
新生命保険料 及び旧生命保険料を支払つた場合
その支払つた次に掲げる保険料の区分に応じ それぞれ次に定める金額の合計額(当該合計額が四万円を超える場合には、四万円)
新生命保険料
その年中に支払つた新生命保険料の金額の合計額の第一号イから ニまでに掲げる場合の区分に応じ それぞれ同号イから ニまでに定める金額
旧生命保険料
その年中に支払つた旧生命保険料の金額の合計額の前号イから ニまでに掲げる場合の区分に応じ それぞれ同号イから ニまでに定める金額
居住者が、各年において、介護医療保険契約等に係る保険料 又は掛金(病院 又は診療所に入院して第七十三条第二項(医療費控除)に規定する医療費を支払つたこと その他の政令で定める事由(第六項 及び第七項において「医療費等支払事由」という。)に基因して保険金等を支払うことを約する部分に係るものその他政令で定めるものに限るものとし、新生命保険料を除く。以下 この項において「介護医療保険料」という。)を支払つた場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から控除する。
その年中に支払つた介護医療保険料の金額の合計額(その年において介護医療保険契約等に基づく剰余金の分配 若しくは割戻金の割戻しを受け、又は介護医療保険契約等に基づき分配を受ける剰余金 若しくは割戻しを受ける割戻金をもつて介護医療保険料の払込みに充てた場合には、当該剰余金 又は割戻金の額(介護医療保険料に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額に限る。)を控除した残額。以下 この項において同じ。)が二万円以下である場合
当該合計額
その年中に支払つた介護医療保険料の金額の合計額が二万円を超え四万円以下である場合
二万円と当該合計額から二万円を控除した金額の二分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた介護医療保険料の金額の合計額が四万円を超え八万円以下である場合
三万円と当該合計額から四万円を控除した金額の四分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた介護医療保険料の金額の合計額が八万円を超える場合
四万円
居住者が、各年において、新個人年金保険契約等に係る保険料 若しくは掛金(生存死亡部分に係るものに限る。以下 この項において「新個人年金保険料」という。)又は旧個人年金保険契約等に係る保険料 若しくは掛金(その者の疾病 又は身体の傷害 その他 これらに類する事由に基因して保険金等を支払う旨の特約が付されている契約にあつては、当該特約に係る保険料 又は掛金を除く。以下 この項において「旧個人年金保険料」という。)を支払つた場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から 控除する。
新個人年金保険料を支払つた場合(第三号に掲げる場合を除く。)
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
その年中に支払つた新個人年金保険料の金額の合計額(その年において新個人年金保険契約等に基づく剰余金の分配 若しくは割戻金の割戻しを受け、又は新個人年金保険契約等に基づき分配を受ける剰余金 若しくは割戻しを受ける割戻金をもつて新個人年金保険料の払込みに充てた場合には、当該剰余金 又は割戻金の額(新個人年金保険料に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額に限る。)を控除した残額。以下 この号 及び第三号イにおいて同じ。)が二万円以下である場合
当該合計額
その年中に支払つた新個人年金保険料の金額の合計額が二万円を超え四万円以下である場合
二万円と当該合計額から二万円を控除した金額の二分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた新個人年金保険料の金額の合計額が四万円を超え八万円以下である場合
三万円と当該合計額から四万円を控除した金額の四分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた新個人年金保険料の金額の合計額が八万円を超える場合
四万円
旧個人年金保険料を支払つた場合(次号に掲げる場合を除く。)
次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額
その年中に支払つた旧個人年金保険料の金額の合計額(その年において旧個人年金保険契約等に基づく剰余金の分配 若しくは割戻金の割戻しを受け、又は旧個人年金保険契約等に基づき分配を受ける剰余金 若しくは割戻しを受ける割戻金をもつて旧個人年金保険料の払込みに充てた場合には、当該剰余金 又は割戻金の額(旧個人年金保険料に係る部分の金額に限る。)を控除した残額。以下 この号 及び次号ロにおいて同じ。)が二万五千円以下である場合
当該合計額
その年中に支払つた旧個人年金保険料の金額の合計額が二万五千円を超え五万円以下である場合
二万五千円と当該合計額から二万五千円を控除した金額の二分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた旧個人年金保険料の金額の合計額が五万円を超え十万円以下である場合
三万七千五百円と当該合計額から五万円を控除した金額の四分の一に相当する金額との合計額
その年中に支払つた旧個人年金保険料の金額の合計額が十万円を超える場合
五万円
新個人年金保険料 及び旧個人年金保険料を支払つた場合
その支払つた次に掲げる保険料の区分に応じ それぞれ次に定める金額の合計額(当該合計額が四万円を超える場合には、四万円)
新個人年金保険料
その年中に支払つた新個人年金保険料の金額の合計額の第一号イから ニまでに掲げる場合の区分に応じ それぞれ同号イから ニまでに定める金額
旧個人年金保険料
その年中に支払つた旧個人年金保険料の金額の合計額の前号イから ニまでに掲げる場合の区分に応じ それぞれ同号イから ニまでに定める金額
前三項の規定によりその居住者のその年分の総所得金額、 退職所得金額 又は山林所得金額から控除する金額の合計額が十二万円を超える場合には、これらの規定により当該居住者のその年分の総所得金額、 退職所得金額 又は山林所得金額から 控除する金額は、これらの規定にかかわらず、十二万円とする。
第一項に規定する新生命保険契約等とは、平成二十四年一月一日以後に締結した次に掲げる契約(失効した同日前に締結した当該契約が同日以後に復活したものを除く。以下 この項において「新契約」という。)若しくは 他の保険契約(共済に係る契約を含む。第七項 及び第八項において同じ。)に附帯して締結した新契約 又は同日以後に確定給付企業年金法第三条第一項第一号(確定給付企業年金の実施)その他政令で定める規定(次項において「承認規定」という。)の承認を受けた第四号に掲げる規約 若しくは同条第一項第二号 その他政令で定める規定(次項において「認可規定」という。)の認可を受けた同号に規定する基金(次項において「基金」という。)の第四号に掲げる規約(以下 この項 及び次項において「新規約」と総称する。)のうち、これらの新契約 又は新規約に基づく保険金等の受取人のすべてをその保険料 若しくは掛金の払込みをする者 又は その配偶者 その他の親族とするものをいう。
保険業法第二条第三項(定義)に規定する生命保険会社 又は同条第八項に規定する外国生命保険会社等の締結した保険契約のうち生存 又は死亡に基因して一定額の保険金等が支払われるもの(保険期間が五年に満たない保険契約で政令で定めるもの(次項において「特定保険契約」という。)及び当該外国生命保険会社等が国外において締結したものを除く。)
郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十七年法律第百二号)第二条(法律の廃止)の規定による廃止前の簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)第三条(政府保証)に規定する簡易生命保険契約(次項 及び第七項において「旧簡易生命保険契約」という。)のうち生存 又は死亡に基因して一定額の保険金等が支払われるもの
農業協同組合法(昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第十号(共済に関する施設)の事業を行う農業協同組合の締結した生命共済に係る契約(共済期間が五年に満たない生命共済に係る契約で政令で定めるものを除く。)その他政令で定めるこれに類する共済に係る契約(次項 及び第七項において「生命共済契約等」という。)のうち生存 又は死亡に基因して一定額の保険金等が支払われるもの
確定給付企業年金法第三条第一項に規定する確定給付企業年金に係る規約又はこれに類する退職年金に関する契約で政令で定めるもの
第一項に規定する旧生命保険契約等とは、平成二十三年十二月三十一日以前に締結した次に掲げる契約(失効した同日以前に締結した当該契約が同日後に復活したものを含む。)又は同日以前に承認規定の承認を受けた第五号に掲げる規約 若しくは認可規定の認可を受けた基金の同号に掲げる規約(新規約を除く。)のうち、これらの契約 又は規約に基づく保険金等の受取人のすべてをその保険料 若しくは掛金の払込みをする者 又は その配偶者 その他の親族とするものをいう。
前項第一号に掲げる契約
前項第一号に規定する生命保険会社 若しくは外国生命保険会社等 又は保険業法第二条第四項に規定する損害保険会社若しくは同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した疾病 又は身体の傷害 その他 これらに類する事由に基因して保険金等が支払われる保険契約(第一号に掲げるもの、保険金等の支払事由が身体の傷害のみに基因することとされているもの、特定保険契約、当該外国生命保険会社等 又は当該外国損害保険会社等が国外において締結したものその他政令で定めるものを除く。)のうち、医療費等支払事由に基因して保険金等が支払われるもの
前項第四号に掲げる規約 又は契約
第二項に規定する護医療保険契約等とは、平成二十四年一月一日以後に締結した次に掲げる契約(失効した同日前に締結した当該契約が同日以後に復活したものを除く。以下 この項において「新契約」という。)又は 他の保険契約に附帯して締結した新契約のうち、これらの新契約に基づく保険金等の受取人のすべてをその保険料 若しくは掛金の払込みをする者 又は その配偶者 その他の親族とするものをいう。
前項第四号に掲げる契約
疾病 又は身体の傷害 その他 これらに類する事由に基因して保険金等が支払われる旧簡易生命保険契約 又は生命共済契約等(第五項第二号 及び第三号に掲げるもの、保険金等の支払事由が身体の傷害のみに基因するものその他政令で定めるものを除く。)のうち医療費等支払事由に基因して保険金等が支払われるもの
第三項に規定する新個人年金保険契約等とは、平成二十四年一月一日以後に締結した第五項第一号から 第三号までに掲げる契約(年金を給付する定めのあるもので政令で定めるもの(次項において「年金給付契約」という。)に限るものとし、失効した同日前に締結した当該契約が同日以後に復活したものを除く。以下 この項において「新契約」という。)又は 他の保険契約に附帯して締結した新契約のうち、次に掲げる要件の定めのあるものをいう。
当該契約に基づく年金の受取人は、次号の保険料 若しくは掛金の払込みをする者又は その配偶者が生存している場合には これらの者のいずれかとするものであること。
当該契約に基づく保険料 又は掛金の払込みは、年金支払開始日前十年以上の期間にわたつて定期に行うものであること。
当該契約に基づく第一号に定める個人に対する年金の支払は、当該年金の受取人の年齢が六十歳に達した日以後の日で当該契約で定める日以後十年以上の期間又は当該受取人が生存している期間にわたつて定期に行うものであること その他の政令で定める要件
第三項に規定する旧個人年金保険契約等とは、平成二十三年十二月三十一日以前に締結した第六項第一号から 第三号までに掲げる契約(年金給付契約に限るものとし、失効した同日以前に締結した当該契約が同日後に復活したものを含む。)のうち、前項各号に掲げる要件の定めのあるものをいう。
平成二十四年一月一日以後に第六項に規定する旧生命保険契約等 又は前項に規定する旧個人年金保険契約等に附帯して第五項、第七項 又は第八項に規定する新契約を締結した場合には、当該旧生命保険契約等 又は旧個人年金保険契約等は、同日以後に締結した契約とみなして、第一項から 第五項まで、第七項 及び第八項の規定を適用する。
第一項から 第四項までの規定による控除は、生命保険料控除という。
居住者が、各年において、自己 若しくは自己と生計を一にする配偶者 その他の親族の有する家屋で常時 その居住の用に供するもの又は これらの者の有する第九条第一項第九号(非課税所得)に規定する資産を保険 又は共済の目的とし、かつ、地震 若しくは噴火 又はこれらによる津波を直接 又は間接の原因とする火災、損壊、埋没 又は流失による損害(以下 この項において「地震等損害」という。)によりこれらの資産について生じた損失の額をてん補する保険金 又は共済金が支払われる損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料 又は掛金(政令で定めるものを除く。以下 この項において「地震保険料」という。)を支払つた場合には、その年中に支払つた地震保険料の金額の合計額(その年において損害保険契約等に基づく剰余金の分配 若しくは割戻金の割戻しを受け、又は損害保険契約等に基づき分配を受ける剰余金 若しくは割戻しを受ける割戻金をもつて地震保険料の払込みに充てた場合には当該剰余金 又は割戻金の額(地震保険料に係る部分の金額に限る。)を控除した残額とし、その金額が五万円を超える場合には五万円とする。)を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から 控除する。
前項に規定する損害保険契約等とは、次に掲げる契約に附帯して締結されるもの又は当該契約と一体となつて効力を有する一の保険契約 若しくは共済に係る契約をいう。
保険業法第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社 又は同条第九項に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約のうち一定の偶然の事故によつて生ずることのある損害をてん補するもの(前条第六項第四号に掲げるもの及び当該外国損害保険会社等が国外において締結したものを除く。)
農業協同組合法第十条第一項第十号(共済に関する施設)の事業を行う 農業協同組合の締結した建物更生共済又は火災共済に係る契約 その他政令で定めるこれらに類する共済に係る契約
第一項の規定による控除は、地震保険料控除という。
居住者が、各年において、特定寄附金を支出した場合において、第一号に掲げる金額が第二号に掲げる金額を超えるときは、その超える金額を、その者のその年分の総所得金額、 退職所得金額 又は山林所得金額から 控除する。
その年中に支出した特定寄附金の額の合計額(当該合計額がその者のその年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額の百分の四十に相当する金額を超える場合には、当該百分の四十に相当する金額)
二千円
前項に規定する特定寄附金とは、次に掲げる寄附金(学校の入学に関してするものを除く。)をいう。
国 又は地方公共団体(港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の規定による港務局を含む。)に対する寄附金(その寄附をした者がその寄附によつて設けられた設備を専属的に利用すること その他特別の利益がその寄附をした者に及ぶと認められるものを除く。)
公益社団法人、公益財団法人 その他公益を目的とする事業を行う法人 又は団体に対する寄附金(当該法人の設立のためにされる寄附金 その他の当該法人の設立前においてされる寄附金で政令で定めるものを含む。)のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして政令で定めるところにより財務大臣が指定したもの
教育 又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献 その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること。
別表第一に掲げる法人 その他 特別の法律により設立された法人のうち、教育 又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献 その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金(出資に関する業務に充てられることが明らかなもの及び前二号に規定する寄附金に該当するものを除く。)
居住者が、特定公益信託(公益信託ニ関スル法律第一条(公益信託)に規定する公益信託で信託の終了の時における信託財産がその信託財産に係る信託の委託者に帰属しないこと 及び その信託事務の実施につき政令で定める要件を満たすものであることについて政令で定めるところにより証明がされたものをいう。)のうち、その目的が教育 又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献 その他 公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものの信託財産とするために支出した金銭は、前項に規定する特定寄附金とみなして第一項の規定を適用する。
第一項の規定による控除は、寄附金控除という。
居住者が障害者である場合には、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から二十七万円(その者が特別障害者である場合には、四十万円)を控除する。
居住者の同一生計配偶者 又は扶養親族が障害者である場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から、その障害者一人につき二十七万円(その者が特別障害者である場合には、四十万円)を控除する。
居住者の同一生計配偶者 又は扶養親族が特別障害者で、かつ、その居住者 又は その居住者の配偶者 若しくは その居住者と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている者である場合には、前項の規定にかかわらず、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から、その特別障害者一人につき七十五万円を控除する。
前三項の規定による控除は、障害者控除という。
居住者が寡婦である場合には、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から二十七万円を控除する。
前項の規定による控除は、寡婦控除という。
居住者がひとり親である場合には、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から三十五万円を控除する。
前項の規定による控除は、ひとり親控除という。
居住者が勤労学生である場合には、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から二十七万円を控除する。
前項の規定による控除は、勤労学生控除という。
居住者が控除対象配偶者を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。
その居住者の第二条第一項第三十号(定義)に規定する合計所得金額(以下 この項、次条第一項 及び第八十六条第一項(基礎控除)において「合計所得金額」という。)が九百万円以下である場合
三十八万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、四十八万円)
その居住者の合計所得金額が九百万円を超え九百五十万円以下である場合
二十六万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、三十二万円)
その居住者の合計所得金額が九百五十万円を超え千万円以下である場合
十三万円(その控除対象配偶者が老人控除対象配偶者である場合には、十六万円)
前項の規定による控除は、配偶者控除という。
居住者が生計を一にする配偶者(第二条第一項第三十三号(定義)に規定す 青色事業専従者等を除くものとし、合計所得金額が百三十三万円以下であるものに限る。)で控除対象配偶者に該当しないもの(合計所得金額が千万円以下である当該居住者の配偶者に限る。)を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、 退職所得金額 又は山林所得金額から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。
その居住者の合計所得金額が九百万円以下である場合
その居住者の配偶者の次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める金額
合計所得金額が九十五万円以下である配偶者
三十八万円
合計所得金額が九十五万円を超え百三十万円以下である配偶者
三十八万円から その配偶者の合計所得金額のうち九十三万一円を超える部分の金額(当該超える部分の金額が五万円の整数倍の金額から三万円を控除した金額でないときは、五万円の整数倍の金額から 三万円を控除した金額で当該超える部分の金額に満たないもののうち最も多い金額とする。)を控除した金額
合計所得金額が百三十万円を超える配偶者
三万円
その居住者の合計所得金額が九百万円を超え九百五十万円以下である場合
その居住者の配偶者の前号イから ハまでに掲げる区分に応じ それぞれ同号イから ハまでに定める金額の三分の二に相当する金額(当該金額に一万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)
その居住者の合計所得金額が九百五十万円を超え千万円以下である場合
その居住者の配偶者の第一号イから ハまでに掲げる区分に応じ それぞれ同号イから ハまでに定める金額の三分の一に相当する金額(当該金額に一万円未満の端数がある場合には、これを切り上げた金額)
前項の規定は、同項に規定する生計を一にする配偶者が、次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。
当該配偶者が前項に規定する居住者として同項の規定の適用を受けている場合
当該配偶者が、給与所得者の扶養控除等申告書 又は従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として第百八十五条第一項第一号 若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額) 又は第百八十六条第一項第一号 若しくは第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該配偶者が、その年分の所得税につき、第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けた者である場合 又は確定申告書の提出をし、若しくは決定を受けた者である場合を除く。)
当該配偶者が、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として第二百三条の三第一号から 第三号まで(徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該配偶者がその年分の所得税につき確定申告書の提出をし、又は決定を受けた者である場合を除く。)
第一項の規定による控除は、配偶者特別控除という。
居住者が控除対象扶養親族を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から、その控除対象扶養親族一人につき三十八万円(その者が特定扶養親族である場合には六十三万円とし、その者が老人扶養親族である場合には四十八万円とする。)を控除する。
前項の規定による控除は、扶養控除という。
第七十九条第一項(障害者控除)又は第八十条から 第八十二条まで(寡婦控除等)の場合において、居住者が特別障害者 若しくは その他の障害者、寡婦、ひとり親 又は勤労学生に該当するかどうかの判定は、その年十二月三十一日(その者がその年の中途において死亡し、又は出国をする場合には、その死亡 又は出国の時。以下この条において同じ。)の現況による。
ただし、その居住者の子がその当時既に死亡している場合におけるその子がその居住者の第二条第一項第三十一号イ(定義)に規定する政令で定める子に該当するかどうかの判定は、当該死亡の時の現況による。
第七十九条第二項 又は第三項の場合において、居住者の同一生計配偶者 又は扶養親族が同項の規定に該当する特別障害者(第百八十七条(障害者控除等の適用を受ける者に係る徴収税額)、第百九十条第二号ハ(年末調整)、第百九十四条第一項第三号(給与所得者の扶養控除等申告書)、第二百三条の三第一号ト(徴収税額)及び第二百三条の六第一項第五号(公的年金等の受給者の扶養親族等申告書)において「同居特別障害者」という。)若しくは その他の特別障害者 又は特別障害者以外の障害者に該当するかどうかの判定は、その年十二月三十一日の現況による。
ただし、その同一生計配偶者 又は扶養親族がその当時既に死亡している場合は、当該死亡の時の現況による。
第七十九条から 前条までの場合において、その者が居住者の老人控除対象配偶者 若しくは その他の控除対象配偶者 若しくは その他の同一生計配偶者 若しくは第八十三条の二第一項(配偶者特別控除)に規定する生計を一にする配偶者 又は特定扶養親族、老人扶養親族 若しくは その他の控除対象扶養親族 若しくは その他の扶養親族に該当するかどうかの判定は、その年十二月三十一日の現況による。
ただし、その判定に係る者がその当時既に死亡している場合は、当該死亡の時の現況による。
一の居住者の配偶者がその居住者の同一生計配偶者に該当し、かつ、他の居住者の扶養親族にも該当する場合には、その配偶者は、政令で定めるところにより、これらのうちいずれか一にのみ該当するものとみなす。
二以上の居住者の扶養親族に該当する者がある場合には、その者は、政令で定めるところにより、これらの居住者のうちいずれか一の居住者の扶養親族にのみ該当するものとみなす。
年の中途において居住者の配偶者が死亡し、その年中にその居住者が再婚した場合におけるその死亡し、又は再婚した配偶者に係る同一生計配偶者 及び第八十三条の二第一項に規定する生計を一にする配偶者 並びに扶養親族の範囲の特例については、政令で定める。
合計所得金額が二千五百万円以下である居住者については、その者のその年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から 次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。
その居住者の合計所得金額が二千四百万円以下である場合
四十八万円
その居住者の合計所得金額が二千四百万円を超え二千四百五十万円以下である場合
三十二万円
その居住者の合計所得金額が二千四百五十万円を超え二千五百万円以下である場合
十六万円
前項の規定による控除は、基礎控除という。
雑損控除と医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除 又は基礎控除とを行う場合には、まず雑損控除を行うものとする。
前項の控除をすべき金額は、総所得金額、山林所得金額 又は退職所得金額から順次控除する。
第三章 税額の計算
第一節 税率
居住者に対して課する所得税の額は、その年分の課税総所得金額 又は課税退職所得金額をそれぞれ次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額と、その年分の課税山林所得金額の五分の一に相当する金額を同表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額に五を乗じて計算した金額との合計額とする。
百九十五万円以下の金額 | 百分の五 |
百九十五万円を超え三百三十万円以下の金額 | 百分の十 |
三百三十万円を超え六百九十五万円以下の金額 | 百分の二十 |
六百九十五万円を超え九百万円以下の金額 | 百分の二十三 |
九百万円を超え千八百万円以下の金額 | 百分の三十三 |
千八百万円を超え四千万円以下の金額 | 百分の四十 |
四千万円を超える金額 | 百分の四十五 |
課税総所得金額、課税退職所得金額 又は課税山林所得金額は、それぞれ、総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から 前章第四節(所得控除)の規定による控除をした残額とする。
居住者のその年分の変動所得の金額 及び臨時所得の金額の合計額(その年分の変動所得の金額が前年分 及び前前年分の変動所得の金額の合計額の二分の一に相当する金額以下である場合には、その年分の臨時所得の金額)がその年分の総所得金額の百分の二十以上である場合には、その者のその年分の課税総所得金額に係る所得税の額は、次に掲げる金額の合計額とする。
その年分の課税総所得金額に相当する金額から平均課税対象金額の五分の四に相当する金額を控除した金額(当該課税総所得金額が平均課税対象金額以下である場合には、当該課税総所得金額の五分の一に相当する金額。以下この条において「調整所得金額」という。)をその年分の課税総所得金額とみなして前条第一項の規定を適用して計算した税額
その年分の課税総所得金額に相当する金額から 調整所得金額を控除した金額に前号に掲げる金額の調整所得金額に対する割合を乗じて計算した金額
前項第二号に規定する割合は、小数点以下二位まで算出し、三位以下を切り捨てたところによるものとする。
第一項に規定する平均課税対象金額とは、変動所得の金額(前年分 又は前前年分の変動所得の金額がある場合には、その年分の変動所得の金額が前年分 及び前前年分の変動所得の金額の合計額の二分の一に相当する金額を超える場合のその超える部分の金額)と臨時所得の金額との合計額をいう。
第一項の規定は、確定申告書、修正申告書 又は更正請求書に同項の規定の適用を受ける旨の記載があり、かつ、同項各号に掲げる金額の合計額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
第二節 税額控除
居住者が剰余金の配当(第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当をいう。以下この条において同じ。)、利益の配当(同項に規定する利益の配当をいう。以下この条において同じ。)、剰余金の分配(同項に規定する剰余金の分配をいう。以下この条において同じ。)、金銭の分配(同項に規定する金銭の分配をいう。以下この条において同じ。)又は証券投資信託の収益の分配(第九条第一項第十一号(元本の払戻しに係る収益の分配の非課税)に掲げるものを含まない。以下この条において同じ。)に係る配当所得(外国法人から受けるこれらの金額に係るもの(外国法人の国内にある営業所、事務所 その他 これらに準ずるものに信託された証券投資信託の収益の分配に係るものを除く。)を除く。以下この条において同じ。)を有する場合には、その居住者のその年分の所得税額(前節(税率)の規定による所得税の額をいう。以下この条において同じ。)から、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。
その年分の課税総所得金額が千万円以下である場合
次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額
剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配 及び金銭の分配(以下 この項において「剰余金の配当等」という。)に係る配当所得
当該配当所得の金額に百分の十を乗じて計算した金額
証券投資信託の収益の分配に係る配当所得
当該配当所得の金額に百分の五を乗じて計算した金額
その年分の課税総所得金額が千万円を超え、かつ、当該課税総所得金額から証券投資信託の収益の分配に係る配当所得の金額を控除した金額が千万円以下である場合
次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額
剰余金の配当等に係る配当所得
当該配当所得の金額に百分の十を乗じて計算した金額
証券投資信託の収益の分配に係る配当所得
当該配当所得の金額のうち、当該課税総所得金額から千万円を控除した金額に相当する金額については百分の二・五を、 その他の金額については百分の五をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額
前二号に掲げる場合以外の場合
次に掲げる配当所得の区分に応じそれぞれ次に定める金額の合計額
剰余金の配当等に係る配当所得
当該配当所得の金額のうち、当該課税総所得金額から千万円とロに掲げる配当所得の金額との合計額を控除した金額に達するまでの金額については百分の五を、 その他の金額については百分の十をそれぞれ乗じて計算した金額の合計額
証券投資信託の収益の分配に係る配当所得
当該配当所得の金額に百分の二・五を乗じて計算した金額
前項の規定による控除をすべき金額は、課税総所得金額に係る所得税額、課税山林所得金額に係る所得税額 又は課税退職所得金額に係る所得税額から 順次控除する。
この場合において、当該控除をすべき金額がその年分の所得税額をこえるときは、当該控除をすべき金額は、当該所得税額に相当する金額とする。
第一項の規定による控除は、配当控除という。
居住者が各年において第百七十六条第三項(信託財産に係る利子等の課税の特例)に規定する集団投資信託の収益の分配の支払を受ける場合には、当該収益の分配に係る分配時調整外国税(同項に規定する外国の法令により課される所得税に相当する税で政令で定めるものをいう。)の額で同項 又は第百八十条の二第三項(信託財産に係る利子等の課税の特例)の規定により当該収益の分配に係る所得税の額から控除された金額のうち当該居住者が支払を受ける収益の分配に対応する部分の金額として政令で定める金額に相当する金額(次項において「分配時調整外国税相当額」という。)は、その年分の所得税の額から控除する。
前項の規定は、確定申告書、修正申告書 又は更正請求書に同項の規定による控除の対象となる分配時調整外国税相当額、控除を受ける金額 及び当該金額の計算に関する明細を記載した書類 その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
この場合において、同項の規定により控除される金額は、当該明細を記載した書類に当該分配時調整外国税相当額として記載された金額を限度とする。
前条第二項の規定は、第一項の規定により控除する金額について準用する。
前二項に定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項の規定による控除は、分配時調整外国税相当額控除という。
居住者が各年において外国所得税(外国の法令により課される所得税に相当する税で政令で定めるものをいう。以下 この項 及び第九項において同じ。)を納付することとなる場合には、第八十九条から 第九十三条まで(税率等)の規定により計算したその年分の所得税の額のうち、その年において生じた国外所得金額(国外源泉所得に係る所得のみについて所得税を課するものとした場合に課税標準となるべき金額に相当するものとして政令で定める金額をいう。)に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国所得税の額(居住者の通常行われる取引と認められないものとして政令で定める取引に基因して生じた所得に対して課される外国所得税の額、居住者の所得税に関する法令の規定により所得税が課されないこととなる金額を課税標準として外国所得税に関する法令により課されるものとして政令で定める外国所得税の額 その他政令で定める外国所得税の額を除く。以下この条において「控除対象外国所得税の額」という。)をその年分の所得税の額から控除する。
居住者が各年において納付することとなる控除対象外国所得税の額がその年の控除限度額と地方税控除限度額として政令で定める金額との合計額を超える場合において、その年の前年以前三年内の各年(以下この条において「前三年以内の各年」という。)の控除限度額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この条において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額をその年分の所得税の額から控除する。
居住者が各年において納付することとなる控除対象外国所得税の額がその年の控除限度額に満たない場合において、その前三年以内の各年において納付することとなつた控除対象外国所得税の額のうちその年に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この条において「繰越控除対象外国所得税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額から その年において納付することとなる控除対象外国所得税の額を控除した残額を限度として、その繰越控除対象外国所得税額をその年分の所得税の額から 控除する。
第一項に規定する国外源泉所得とは、次に掲げるものをいう。
居住者が国外事業所等(国外にある恒久的施設に相当するものその他の政令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)を通じて事業を行う場合において、当該国外事業所等が当該居住者から独立して事業を行う事業者であるとしたならば、当該国外事業所等が果たす機能、当該国外事業所等において使用する資産、当該国外事業所等と当該居住者の事業場等(当該居住者の事業に係る事業場 その他これに準ずるものとして政令で定めるものであつて当該国外事業所等以外のものをいう。以下この条において同じ。)との間の内部取引 その他の状況を勘案して、当該国外事業所等に帰せられるべき所得(当該国外事業所等の譲渡により生ずる所得を含み、第十五号に該当するものを除く。)
国外にある資産の譲渡により生ずる所得として政令で定めるもの
国外において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行う者が受ける当該人的役務の提供に係る対価
国外にある不動産、国外にある不動産の上に存する権利 若しくは国外における採石権の貸付け(地上権 又は採石権の設定 その他 他人に不動産、不動産の上に存する権利 又は採石権を使用させる一切の行為を含む。)、国外における租鉱権の設定 又は非居住者 若しくは外国法人に対する船舶 若しくは航空機の貸付けによる対価
第二十三条第一項(利子所得)に規定する利子等 及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
外国の国債 若しくは地方債 又は外国法人の発行する債券の利子
国外にある営業所、事務所 その他 これらに準ずるもの(以下 この項において「営業所」という。)に預け入れられた預金 又は貯金(第二条第一項第十号(定義)に規定する政令で定めるものに相当するものを含む。)の利子
国外にある営業所に信託された合同運用信託 若しくはこれに相当する信託、公社債投資信託 又は公募公社債等運用投資信託 若しくはこれに相当する信託の収益の分配
第二十四条第一項(配当所得)に規定する配当等 及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
外国法人から受ける第二十四条第一項に規定する剰余金の配当、利益の配当 若しくは剰余金の分配 又は同項に規定する金銭の分配 若しくは基金利息に相当するもの
国外にある営業所に信託された投資信託(公社債投資信託 並びに公募公社債等運用投資信託 及びこれに相当する信託を除く。) 又は特定受益証券発行信託若しくはこれに相当する信託の収益の分配
国外において業務を行う者に対する貸付金(これに準ずるものを含む。)で当該業務に係るものの利子(債券の買戻 又は売戻条件付売買取引として政令で定めるものから生ずる差益として政令で定めるものを含む。)
国外において業務を行う者から受ける次に掲げる使用料 又は対価で当該業務に係るもの
工業所有権 その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式 若しくはこれらに準ずるものの使用料 又は その譲渡による対価
著作権(出版権 及び著作隣接権 その他これに準ずるものを含む。)の使用料 又は その譲渡による対価
俸給、給料、賃金、歳費、賞与 又は これらの性質を有する給与 その他人的役務の提供に対する報酬のうち、国外において行う勤務 その他の人的役務の提供(内国法人の役員として国外において行う勤務 その他の政令で定める人的役務の提供を除く。)に基因するもの
外国の法令に基づく保険 又は共済に関する制度で第三十一条第一号 及び第二号(退職手当等とみなす一時金)に規定する法律の規定による社会保険又は共済に関する制度に類するものに基づいて支給される年金(これに類する給付を含む。)
第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等のうちその支払を受ける者が非居住者であつた期間に行つた勤務 その他の人的役務の提供(内国法人の役員として非居住者であつた期間に行つた勤務 その他の政令で定める人的役務の提供を除く。)に基因するもの
国外において行う事業の広告宣伝のための賞金として政令で定めるもの
国外にある営業所 又は国外において契約の締結の代理をする者を通じて締結した保険業法第二条第六項(定義)に規定する外国保険業者の締結する保険契約その他の年金に係る契約で政令で定めるものに基づいて受ける年金(年金の支払の開始の日以後に当該年金に係る契約に基づき分配を受ける剰余金 又は割戻しを受ける割戻金 及び当該契約に基づき年金に代えて支給される一時金を含む。)
第百七十四条第三号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる給付補塡金のうち国外にある営業所が受け入れた定期積金に係るもの
第百七十四条第四号に掲げる給付補塡金に相当するもののうち国外にある営業所が受け入れた同号に規定する掛金に相当するものに係るもの
第百七十四条第五号に掲げる利息に相当するもののうち国外にある営業所を通じて締結された同号に規定する契約に相当するものに係るもの
第百七十四条第六号に掲げる利益のうち国外にある営業所を通じて締結された同号に規定する契約に係るもの
第百七十四条第七号に掲げる差益のうち国外にある営業所が受け入れた預金 又は貯金に係るもの
第百七十四条第八号に掲げる差益に相当するもののうち国外にある営業所又は国外において契約の締結の代理をする者を通じて締結された同号に規定する契約に相当するものに係るもの
国外において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配
国内 及び国外にわたつて船舶 又は航空機による運送の事業を行うことにより生ずる所得のうち国外において行う業務につき生ずべき所得として政令で定めるもの
第二条第一項第八号の四ただし書に規定する条約(以下 この号 及び第六項から 第八項までにおいて「租税条約」という。)の規定により当該租税条約の我が国以外の締約国 又は締約者(第七項 及び第八項において「相手国等」という。)において租税を課することができることとされる所得のうち政令で定めるもの
前各号に掲げるもののほか その源泉が国外にある所得として政令で定めるもの
前項第一号に規定する内部取引とは、居住者の国外事業所等と事業場等との間で行われた資産の移転、役務の提供 その他の事実で、独立の事業者の間で同様の事実があつたとしたならば、これらの事業者の間で、資産の販売、資産の購入、役務の提供 その他の取引(資金の借入れに係る債務の保証、保険契約に係る保険責任についての再保険の引受け その他 これらに類する取引として政令で定めるものを除く。)が行われたと認められるものをいう。
租税条約において国外源泉所得(第一項に規定する国外源泉所得をいう。以下 この項において同じ。)につき前二項の規定と異なる定めがある場合には、その租税条約の適用を受ける居住者については、これらの規定にかかわらず、国外源泉所得は、その異なる定めがある限りにおいて、その租税条約に定めるところによる。
居住者の第四項第一号に掲げる所得を算定する場合において、当該居住者の国外事業所等が、租税条約(当該居住者の同号に掲げる所得に対して租税を課することができる旨の定めのあるものに限るものとし、同号に規定する内部取引から 所得が生ずる旨の定めのあるものを除く。)の相手国等に所在するときは、同号に規定する内部取引には、当該居住者の国外事業所等と事業場等との間の利子(これに準ずるものとして政令で定めるものを含む。)の支払に相当する事実 その他政令で定める事実は、含まれないものとする。
居住者の国外事業所等が、租税条約(居住者の国外事業所等が事業場等のために棚卸資産を購入する業務 及びそれ以外の業務を行う場合に、その棚卸資産を購入する業務から生ずる所得が、その国外事業所等に帰せられるべき所得に含まれないとする定めのあるものに限る。)の相手国等に所在し、かつ、当該居住者の国外事業所等が事業場等のために棚卸資産を購入する業務 及びそれ以外の業務を行う場合には、当該国外事業所等のその棚卸資産を購入する業務から生ずる第四項第一号に掲げる所得は、ないものとする。
居住者が納付することとなつた外国所得税の額につき第一項から 第三項までの規定の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年において当該外国所得税の額が減額された場合におけるその減額されることとなつた日の属する年のこれらの規定の適用については、政令で定めるところによる。
第一項の規定は、確定申告書、修正申告書 又は更正請求書(次項において「申告書等」という。)に第一項の規定による控除を受けるべき金額 及び その計算に関する明細を記載した書類、控除対象外国所得税の額を課されたことを証する書類 その他財務省令で定める書類(以下 この項において「明細書」という。)の添付がある場合に限り、適用する。
この場合において、第一項の規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となる控除対象外国所得税の額 その他の財務省令で定める金額は、税務署長において特別の事情があると認める場合を除くほか、当該明細書に当該金額として記載された金額を限度とする。
第二項 及び第三項の規定は、繰越控除限度額 又は繰越控除対象外国所得税額に係る年のうち最も古い年以後の各年分の申告書等に当該各年の控除限度額 及び当該各年において納付することとなつた控除対象外国所得税の額を記載した書類の添付があり、かつ、これらの規定の適用を受けようとする年分の申告書等にこれらの規定による控除を受けるべき金額 及び繰越控除限度額 又は繰越控除対象外国所得税額の計算の基礎となるべき事項を記載した書類 その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
この場合において、これらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となる当該各年の控除限度額 及び当該各年において納付することとなつた控除対象外国所得税の額 その他の財務省令で定める金額は、税務署長において特別の事情があると認める場合を除くほか、当該各年分の申告書等にこの項前段の規定により添付された書類に当該計算の基礎となる金額として記載された金額を限度とする。
第一項から 第三項までの規定の適用を受ける居住者は、当該居住者が他の者との間で行つた取引のうち、当該居住者のその年の第一項に規定する国外所得金額の計算上、当該取引から生ずる所得が当該居住者の国外事業所等に帰せられるものについては、財務省令で定めるところにより、当該国外事業所等に帰せられる取引に係る明細を記載した書類 その他の財務省令で定める書類を作成しなければならない。
第一項から 第三項までの規定の適用を受ける居住者は、当該居住者の事業場等と国外事業所等との間の資産の移転、役務の提供 その他の事実が第四項第一号に規定する内部取引に該当するときは、財務省令で定めるところにより、当該事実に係る明細を記載した書類 その他の財務省令で定める書類を作成しなければならない。
第九十二条第二項前段(配当控除)の規定は、第一項から 第三項までの規定による控除をすべき金額について準用する。
第九項から 前項までに定めるもののほか、第一項から 第八項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第一項から 第三項までの規定による控除は、外国税額控除という。
国外転出(第六十条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する国外転出をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)の日の属する年分の所得税につき同条第一項から 第三項までの規定の適用を受けた個人で第百三十七条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(同条第二項の規定により適用する場合を含む。)の規定による納税の猶予を受けているもの(その相続人を含む。)が、その納税の猶予に係る同条第一項に規定する満了基準日までに、当該国外転出の時から引き続き有している有価証券等(第六十条の二第一項に規定する有価証券等をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)又は決済していない未決済信用取引等(第六十条の二第二項に規定する未決済信用取引等をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)若しくは未決済デリバティブ取引(第六十条の二第三項に規定する未決済デリバティブ取引をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)に係る契約の譲渡(第六十条の二第四項に規定する譲渡をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)若しくは決済 又は限定相続等(第六十条の二第八項に規定する限定相続等をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)による移転をした場合において、当該譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転により生ずる所得に係る外国所得税(前条第一項に規定する外国所得税をいい、個人が住所を有し、一定の期間を超えて居所を有し、又は国籍 その他これに類するものを有することにより当該住所、居所 又は国籍 その他これに類するものを有する国 又は地域において課されるものに限る。以下 この項において同じ。)を納付することとなるとき(当該外国所得税に関する法令において、当該外国所得税の額の計算に当たつて第六十条の二の規定の適用を受けたことを考慮しないものとされている場合に限る。)は、当該外国所得税の額のうち当該有価証券等 又は未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転により生ずる所得に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額は、その者が当該国外転出の日の属する年において納付することとなるものとみなして、前条の規定を適用する。
前項の規定は、国外転出の日の属する年分の所得税につき第六十条の二第一項から 第三項までの規定の適用を受けるべき個人でその国外転出の時までに国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をしているものが、同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、同日から引き続き有している有価証券等 又は決済していない未決済信用取引等 若しくは未決済デリバティブ取引に係る契約の譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転をした場合について準用する。
第一項(前項において準用する場合を含む。以下 この項において同じ。)の規定の適用がある場合における前条第一項に規定する控除限度額の計算の特例 その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第四章 税額の計算の特例
その年十二月三十一日(その年の中途において死亡した場合には、その死亡の日)において居住者である者でその年において非居住者であつた期間を有するもの又は その年の中途において出国をする居住者でその年一月一日から その出国の日までの間に非居住者であつた期間を有するものに対して課する所得税の額は、前二章(課税標準 及び税額の計算)の規定により計算した所得税の額によらず、居住者であつた期間内に生じた第七条第一項第一号(居住者の課税所得の範囲)に掲げる所得(非永住者であつた期間がある場合には、当該期間については、同項第二号に掲げる所得)並びに非居住者であつた期間内に生じた第百六十四条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の区分に応ずる同項各号 及び同条第二項各号に掲げる国内源泉所得に係る所得を基礎として政令で定めるところにより計算した金額による。
第百二十条第一項(確定所得申告)、第百二十五条第一項(年の中途で死亡した場合の確定申告)又は第百二十七条第一項(年の中途で出国をする場合の確定申告)の規定による申告書を提出する義務がない居住者に対して課する所得税の額は、前二章(課税標準 及び税額の計算)及び前条の規定により計算した所得税の額によらず、その者のその年分の所得税に係る第百二十条第二項に規定する予納税額 及び その年分の所得税につき源泉徴収をされた又はされるべき税額の合計額による。
ただし、その者が確定申告書を提出した場合は、この限りでない。
第五章 申告、納付及び還付
第一節 予定納税
⤏ 第一款 予定納税
居住者(第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定による納付をすべき者を除く。)は、第一号に掲げる金額から 第二号に掲げる金額を控除した金額(以下この章において「予定納税基準額」という。)が十五万円以上である場合には、第一期(その年七月一日から 同月三十一日までの期間をいう。以下この章において同じ。)及び第二期(その年十一月一日から 同月三十日までの期間をいう。以下この章において同じ。)において、それぞれ その予定納税基準額の三分の一に相当する金額の所得税を国に納付しなければならない。
前年分の課税総所得金額に係る所得税の額(当該課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得の金額のうちに譲渡所得の金額、一時所得の金額、雑所得の金額 又は雑所得に該当しない臨時所得の金額がある場合には、政令で定めるところにより、これらの金額がなかつたものとみなして計算した額とし、同年分の所得税について災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)第二条(所得税の軽減 又は免除)の規定の適用があつた場合には、同条の規定の適用がなかつたものとして計算した額とする。)
前年分の課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得につき源泉徴収をされた又はされるべきであつた所得税の額(当該各種所得のうちに一時所得、雑所得 又は雑所得に該当しない臨時所得がある場合には、これらの所得につき源泉徴収をされた又はされるべきであつた所得税の額を控除した額)
国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定による納付に関する期限の延長(以下 この項において「期限延長」という。)により、前項に規定する居住者が同項の規定により第一期 又は第二期において納付すべき予定納税額の納期限がその年十二月三十一日後となる場合は、当該期限延長に係る予定納税額は、ないものとする。
第一項の場合において、同項に規定する予定納税基準額の三分の一に相当する金額に百円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる。
前条第一項の規定を適用する場合において、予定納税基準額の計算については、その年五月十五日において確定しているところによるものとし、居住者であるかどうかの判定は、その年六月三十日の現況によるものとする。
ただし、予定納税基準額の計算は、その年五月十六日から 七月三十一日までの間におけるいずれかの日において確定したところにより計算した金額が本文の規定により計算した金額を下ることとなつた場合は、その日(その日が二以上ある場合には、その計算した金額が最も小さいこととなる日)において確定したところによるものとする。
税務署長は、第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者についてその年五月十五日の現況によりその予定納税基準額を計算し、その年六月十五日(同日において当該居住者が第一期において納付すべき予定納税額の納期限が国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定により延長され、又は延長される見込みである場合には、その年七月三十一日(同条の規定により当該納期限が延長された場合には、その延長された当該納期限)の一月前の日)までに、その者に対し、その予定納税基準額並びに第一期 及び第二期において納付すべき予定納税額を書面により通知する。
税務署長は、前項の予定納税基準額が前条ただし書の規定により計算されるべきこととなつた場合には、同項の居住者に対し、書面によりその旨を通知する。
前二項の規定による通知は、第百四条第一項の規定による納付をすべき居住者から その者の前年分の所得税につき確定申告書の提出を受け、又は当該所得税につき決定をした税務署長(その後 当該所得税の納税地に異動があつた場合には、政令で定める税務署長)が行う。
前項に規定する税務署長は、第一項の居住者が第百四条第一項の規定により第一期において納付すべき予定納税額について同条第二項の規定の適用がある場合には、第一項 及び第二項の規定にかかわらず、 これらの規定による通知を要しない。
⤏ 第二款 特別農業所得者の予定納税の特例
次に掲げる居住者は、予定納税基準額が十五万円以上である場合には、第二期において、その予定納税基準額の二分の一に相当する金額の所得税を国に納付しなければならない。
前年において特別農業所得者であつた居住者
第百十条(特別農業所得者の申請)の規定により、その年において特別農業所得者であると見込まれることについて税務署長の承認を受けた居住者
国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定による納付に関する期限の延長(以下 この項において「期限延長」という。)により、前項に規定する居住者が同項の規定により第二期において納付すべき予定納税額の納期限がその年十二月三十一日後となる場合は、当該期限延長に係る予定納税額は、ないものとする。
第一項の場合において、同項に規定する予定納税基準額の二分の一に相当する金額に百円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる。
前条第一項の規定を適用する場合において、前年において特別農業所得者であつたかどうかの判定 又は予定納税基準額の計算については、それぞれ その年五月一日 又は その年九月十五日において確定しているところによるものとし、居住者であるかどうかの判定は、その年十月三十一日の現況によるものとする。
ただし、予定納税基準額の計算は、その年九月十六日から 十一月三十日までの間におけるいずれかの日において確定したところにより計算した金額が本文の規定により計算した金額を下ることとなつた場合は、その日(その日が二以上ある場合には、その計算した金額が最も小さいこととなる日)において確定したところによるものとする。
税務署長は、第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者についてその年九月十五日の現況によりその予定納税基準額を計算し、その年十月十五日(同日において当該居住者が第二期において納付すべき予定納税額の納期限が国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定により延長され、又は延長される見込みである場合には、その年十一月三十日(同条の規定により当該納期限が延長された場合には、その延長された当該納期限)の一月前の日)までに、その者に対し、その予定納税基準額 及び第二期において納付すべき予定納税額を書面により通知する。
税務署長は、前項の予定納税基準額が前条ただし書の規定により計算されるべきこととなつた場合には、同項の居住者に対し、書面によりその旨を通知する。
前二項の規定による通知は、第百七条第一項の規定による納付をすべき居住者から その者の前年分の所得税につき確定申告書の提出を受け、又は当該所得税につき決定をした税務署長(その後 当該所得税の納税地に異動があつた場合には、政令で定める税務署長)が行う。
前項に規定する税務署長は、第一項の居住者が第百七条第一項の規定により第二期において納付すべき予定納税額について同条第二項の規定の適用がある場合には、第一項 及び第二項の規定にかかわらず、 これらの規定による通知を要しない。
前年において特別農業所得者でなかつた居住者は、その年五月一日の現況において、 その年において特別農業所得者であると見込まれる場合には、その見込みについて、 納税地の所轄税務署長の承認を求めることができる。
前項の承認を求めようとする居住者は、その年五月十五日までに、その年において特別農業所得者であると見込まれる事由その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合において、承認 又は却下の処分をするときは、その申請者に対し、書面によりその旨を通知する。
この場合において、却下の処分の通知をするときは、その理由を附記しなければならない。
第一項の規定を適用する場合において、前年において特別農業所得者でなかつたかどうかの判定は、その年五月一日において確定しているところによるものとする。
⤏ 第三款 予定納税額の減額
第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者は、その年六月三十日の現況による申告納税見積額が予定納税基準額に満たないと見込まれる場合には、その年七月十五日までに、納税地の所轄税務署長に対し、第一期 及び第二期において納付すべき予定納税額の減額に係る承認を申請することができる。
次の各号に掲げる居住者は、その年十月三十一日の現況による申告納税見積額が当該各号に掲げる金額に満たないと見込まれる場合には、その年十一月十五日までに、納税地の所轄税務署長に対し、第二期において納付すべき予定納税額の減額に係る承認を申請することができる。
第百四条第一項の規定による納付をすべき居住者
予定納税基準額(前項の承認を受けた居住者については、その承認に係る申告納税見積額)
第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者
予定納税基準額
第百六条第一項(予定納税額等の通知) 又は第百九条第一項(特別農業所得者に対する予定納税額等の通知)の規定による税務署長の通知に係る書面がそれぞれ その年六月十五日まで 又は十月十五日までに発せられなかつた場合には、前二項の申請の期限は、その通知に係る書面が発せられた日から起算して一月を経過した日まで延期されるものとする。
第一項 又は第二項に規定する申告納税見積額とは、その年分の課税総所得金額 及び課税山林所得金額の見積額につき第三章(税額の計算)の規定に準じて計算した所得税の額から、当該課税総所得金額の見積額の計算の基礎となつた各種所得につき源泉徴収をされる所得税の額の見積額を控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。
前条第一項 又は第二項の規定による申請をしようとする居住者は、これらの規定に規定する申告納税見積額、その申請の理由 その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
前項の申請書には、取引の記録等に基づいて同項の申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類を添附しなければならない。
税務署長は、前条第一項の申請書の提出があつた場合には、その調査により、その申請に係る同項に規定する申告納税見積額(以下この条において「申告納税見積額」という。)を認め、若しくは申告納税見積額を定めて、第百十一条第一項 若しくは第二項(予定納税額の減額の承認の申請)の承認をし、又は その申請を却下する。
税務署長は、前条第一項の申請書の提出があつた場合において、次の各号のいずれか一に該当するときは、前項の承認をしなければならない。
その申請に係る申告納税見積額の計算の基準となる日までに生じた事業の全部 若しくは一部の廃止、休止 若しくは転換、失業、災害、盗難 若しくは横領による損害 又は第七十三条第二項(医療費の意義)に規定する医療費の支払により、同日の現況による申告納税見積額がその承認により減額されるべき予定納税額の計算の基礎となつた予定納税基準額 又は申告納税見積額に満たなくなると認められる場合
前号に掲げる場合のほか、その申請に係る申告納税見積額の計算の基準となる日の現況による申告納税見積額がその承認により減額されるべき予定納税額の計算の基礎となつた予定納税基準額 又は申告納税見積額の十分の七に相当する金額以下となると認められる場合
第一項の処分をした税務署長は、同項の申請書を提出した居住者に対し、その認めた申告納税見積額 及び当該申告納税見積額に基づき計算した予定納税額を通知し、又は理由を附して、 その定めた申告納税見積額 及び当該申告納税見積額に基づき計算した予定納税額を通知し若しくは却下の旨を通知する。
第百十一条第一項 又は第二項第二号の規定による申請に基づき第一項の承認があつた場合において、前項の規定により通知された申告納税見積額が第百五条ただし書(予定納税基準額の計算の特例) 又は第百八条ただし書(特別農業所得者の予定納税基準額の計算の特例)の規定により計算した予定納税基準額をこえることとなつたときは、その承認は、なかつたものとみなす。
第百十一条第一項(予定納税額の減額の承認の申請)の規定による申請をした居住者が同項の承認を受けた場合には、その者がその年分の所得税につき第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定により第一期 及び第二期において納付すべき予定納税額は、前条第三項の規定によりその承認をした税務署長から通知された申告納税見積額の三分の一に相当する金額とする。
第百十一条第二項の規定による申請をした同項第一号に掲げる居住者が同項の承認を受けた場合には、その者がその年分の所得税につき第百四条第一項の規定により第二期において納付すべき予定納税額は、前条第三項の規定によりその承認をした税務署長から通知された申告納税見積額から第百四条第一項の規定により第一期において納付すべき予定納税額を控除した金額の二分の一に相当する金額とする。
第百十一条第二項の規定による申請をした同項第二号に掲げる居住者が同項の承認を受けた場合には、その者がその年分の所得税につき第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定により第二期において納付すべき予定納税額は、前条第三項の規定によりその承認をした税務署長から通知された申告納税見積額の二分の一に相当する金額とする。
前三項の場合において、これらの規定による予定納税額に百円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てるものとし、
これらの規定に規定する申告納税見積額が十五万円に満たないときは、これらの規定による予定納税額は、ないものとする。
⤏ 第四款 予定納税額の納付及び徴収に関する特例
第百四条第一項(予定納税額の納付) 又は第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定により予定納税額を納付すべき居住者は、これらの規定に規定する納期限前に出国をする場合には、これらの規定にかかわらず、 その出国後に当該納期限の到来する予定納税額に相当する所得税を、その出国の時までに国に納付しなければならない。
税務署長は、第百六条第一項(予定納税額等の通知) 又は第百九条第一項(特別農業所得者に対する予定納税額等の通知)の規定による通知に係る書面を第百四条第一項(予定納税額の納付) 又は第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定により納付すべき予定納税額(前条の規定により納付すべきこととなつたものを除く。以下この条において同じ。)の納期限の一月前までに発しなかつた場合には、その通知に係る書面を発した日から 起算して一月を経過した日後でなければ、これらの規定により納付すべき予定納税額について国税通則法第三十七条(督促)の規定による督促をすることができない。
予定納税額(その予定納税額に係る延滞税を含む。)については、滞納処分を行なう場合においても、その年分の所得税に係る確定申告期限(その日においてその年分の所得税につき第百三十八条第一項(源泉徴収税額等の還付)又は第百三十九条第一項 若しくは第二項(予納税額の還付)の規定による還付金がある場合には、その還付金につき充当をする日)までは、滞納処分による財産の換価は、することができない。
税務署長は、第百十二条第一項(予定納税額の減額の承認の申請手続)の申請書の提出があつた場合において、 相当の理由があると認めるときは、その申請に係る予定納税額の全部 又は一部の徴収を猶予することができる。
次の各号に掲げる予定納税額について国税通則法第六十条第二項(延滞税)の規定により延滞税の額の計算をする場合には、当該各号に掲げる期間は、その計算の基礎となる期間に算入しないものとし、
同項中
「納期限(延納 又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日。以下この項 並びに第六十三条第一項、第四項 及び第五項(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)において同じ。)までの期間 又は納期限」とあるのは、
「所得税法第百十九条各号に掲げる期間の末日」と
する。
税務署長が第百六条第一項(予定納税額等の通知)の規定による通知に係る書面を第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定により第一期において納付すべき予定納税額(第百十五条(出国をする場合の予定納税額の納期限の特例)の規定により納付すべきこととなつたものを除く。以下この条において同じ。)の納期限の一月前までに発しなかつた場合における当該予定納税額
当該納期限の翌日から、その通知に係る書面を発した日から起算して一月を経過した日(同日がその年分の所得税に係る確定申告期限後となる場合には、その確定申告期限。以下この条において同じ。)までの期間
税務署長が前号の通知に係る書面を第百四条第一項の規定により第二期において納付すべき予定納税額の納期限の一月前までに発しなかつた場合における当該予定納税額
当該納期限の翌日から、その通知に係る書面を発した日から起算して一月を経過した日までの期間
税務署長が第百九条第一項(特別農業所得者に対する予定納税額等の通知)の規定による通知に係る書面を第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定により第二期において納付すべき予定納税額の納期限の一月前までに発しなかつた場合における当該予定納税額
当該納期限の翌日から、その通知に係る書面を発した日から起算して一月を経過した日までの期間
第二節 確定申告並びにこれに伴う納付及び還付
⤏ 第一款 確定申告
居住者は、その年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額が第二章第四節(所得控除)の規定による雑損控除 その他の控除の額の合計額を超える場合において、当該総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額から これらの控除の額を第八十七条第二項(所得控除の順序)の規定に準じて控除した後の金額をそれぞれ課税総所得金額、課税退職所得金額 又は課税山林所得金額とみなして第八十九条(税率)の規定を適用して計算した場合の所得税の額の合計額が配当控除の額を超えるとき(第三号に掲げる所得税の額の計算上控除しきれなかつた外国税額控除の額がある場合、第四号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつた同号に規定する源泉徴収税額がある場合 又は第五号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつた予納税額がある場合を除く。)は、第百二十三条第一項(確定損失申告)の規定による申告書を提出する場合を除き、第三期(その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間をいう。以下 この節において同じ。)において、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
この場合において、その年において支払を受けるべき第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等で第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けたものを有する居住者が、当該申告書を提出するときは、次に掲げる事項のうち財務省令で定めるものについては、財務省令で定める記載によることができる。
その年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額 並びに第二章第四節の規定による雑損控除 その他の控除の額 並びに課税総所得金額、課税退職所得金額 及び課税山林所得金額 又は純損失の金額
第九十条第一項(変動所得 及び臨時所得の平均課税)の規定の適用を受ける場合には、その年分の変動所得の金額 及び臨時所得の金額 並びに同条第三項に規定する平均課税対象金額
第一号に掲げる課税総所得金額、課税退職所得金額 及び課税山林所得金額につき第三章(税額の計算)の規定を適用して計算した所得税の額
第一号に掲げる総所得金額 若しくは退職所得金額 又は純損失の金額の計算の基礎となつた各種所得につき源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額(当該所得税の額のうちに、第百二十七条第一項から 第三項まで(年の中途で出国をする場合の確定申告)の規定による申告書を提出したことにより、又は当該申告書に係る所得税につき更正を受けたことにより還付される金額 その他政令で定める金額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下 この号 及び次号において「源泉徴収税額」という。)がある場合には、前号に掲げる所得税の額から その源泉徴収税額を控除した金額
その年分の予納税額がある場合には、第三号に掲げる所得税の額(源泉徴収税額がある場合には、前号に掲げる金額)から当該予納税額を控除した金額
第一号に掲げる総所得金額の計算の基礎となつた各種所得の金額のうちに譲渡所得の金額、一時所得の金額、雑所得の金額、雑所得に該当しない変動所得の金額 又は雑所得に該当しない臨時所得の金額がある場合には、これらの金額 及び一時所得、雑所得 又は雑所得に該当しない臨時所得について源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額
第一号から 第六号までに掲げる金額の計算の基礎 その他財務省令で定める事項
前項に規定する予納税額とは、次に掲げる税額の合計額(当該税額のうちに、第百二十七条第一項から 第三項までの規定による申告書を提出したことにより、又は当該申告書に係る所得税につき更正を受けたことにより還付される金額がある場合には、当該金額を控除した金額)をいう。
その年において第百二十七条第一項の規定に該当して、第百三十条(出国の場合の確定申告による納付)又は国税通則法第三十五条第二項(期限後申告等による納付)の規定により納付した又は納付すべき所得税の額
次の各号に掲げる居住者が第一項の規定による申告書を提出する場合には、政令で定めるところにより、当該各号に定める書類を当該申告書に添付し、又は当該申告書の提出の際提示しなければならない。
第一項の規定による申告書に雑損控除、社会保険料控除(第七十四条第二項第五号(社会保険料控除)に掲げる社会保険料に係るものに限る。)、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除 又は寄附金控除に関する事項の記載をする居住者
これらの控除を受ける金額の計算の基礎となる金額 その他の事項を証する書類
第一項の規定による申告書に、第八十五条第二項 又は第三項(扶養親族等の判定の時期等)の規定による判定をする時の現況において非居住者である親族に係る障害者控除、配偶者控除、配偶者特別控除 又は扶養控除に関する事項の記載をする居住者
これらの控除に係る非居住者である親族が当該居住者の親族に該当する旨を証する書類 及び当該非居住者である親族が当該居住者と生計を一にすることを明らかにする書類
第一項の規定による申告書に、第二条第一項第三十二号ロ 又はハ(定義)に掲げる者に係る勤労学生控除に関する事項の記載をする居住者
これらの者に該当する旨を証する書類
第一項の規定による申告書に医療費控除に関する事項の記載をする居住者が当該申告書を提出する場合には、次に掲げる書類を当該申告書に添付しなければならない。
当該申告書に記載した医療費控除を受ける金額の計算の基礎となる第七十三条第二項(医療費控除)に規定する医療費(次項において「医療費」という。)の額 その他の財務省令で定める事項(以下 この項において「控除適用医療費の額等」という。)の記載がある明細書(次号に掲げる書類が当該申告書に添付された場合における当該書類に記載された控除適用医療費の額等に係るものを除く。)
高齢者の医療の確保に関する法律第七条第二項(定義)に規定する保険者 若しくは同法第四十八条(広域連合の設立)に規定する後期高齢者医療広域連合 又は社会保険診療報酬支払基金 若しくは国民健康保険法第四十五条第五項(保険医療機関等の診療報酬)に規定する国民健康保険団体連合会の当該居住者が支払つた医療費の額を通知する書類として財務省令で定める書類で、控除適用医療費の額等の記載があるもの
税務署長は、前項の申告書の提出があつた場合において、必要があると認めるときは、当該申告書を提出した者(以下 この項において「医療費控除適用者」という。)に対し、当該申告書に係る確定申告期限の翌日から起算して五年を経過する日(同日前六月以内に国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求があつた場合には、当該更正の請求があつた日から六月を経過する日)までの間、前項第一号に掲げる書類に記載された医療費につきこれを領収した者のその領収を証する書類の提示 又は提出を求めることができる。
この場合において、この項前段の規定による求めがあつたときは、当該医療費控除適用者は、当該書類を提示し、又は提出しなければならない。
その年において不動産所得、事業所得 若しくは山林所得を生ずべき業務を行う居住者が第一項の規定による申告書を提出する場合(当該申告書が青色申告書である場合を除く。) 又はその年において雑所得を生ずべき業務を行う居住者でその年の前々年分の当該業務に係る収入金額が千万円を超えるものが同項の規定による申告書を提出する場合には、財務省令で定めるところにより、これらの所得に係るその年中の総収入金額 及び必要経費の内容を記載した書類を当該申告書に添付しなければならない。
その年において非永住者であつた期間を有する居住者が第一項の規定による申告書を提出する場合には、その者の国籍、国内に住所 又は居所を有していた期間 その他の財務省令で定める事項を記載した書類を当該申告書に添付しなければならない。
その年において給与所得を有する居住者で、その年中に支払を受けるべき第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(以下 この項において「給与等」という。)の金額が二千万円以下であるものは、次の各号のいずれかに該当する場合には、前条第一項の規定にかかわらず、その年分の課税総所得金額 及び課税山林所得金額に係る所得税については、同項の規定による申告書を提出することを要しない。
ただし、不動産 その他の資産をその給与所得に係る給与等の支払者の事業の用に供することによりその対価の支払を受ける場合 その他の政令で定める場合は、この限りでない。
一の給与等の支払者から 給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について第百八十三条(給与所得に係る源泉徴収義務)又は第百九十条(年末調整)の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額 及び雑所得の金額の合計額(以下 この項において「給与所得 及び退職所得以外の所得金額」という。)が二十万円以下であるとき。
二以上の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について第百八十三条 又は第百九十条の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、イ 又はロに該当するとき。
第百九十五条第一項(従たる給与についての扶養控除等申告書)に規定する従たる給与等の支払者から支払を受けるその年分の給与所得に係る給与等の金額とその年分の給与所得 及び退職所得以外の所得金額との合計額が二十万円以下であるとき。
イに該当する場合を除き、その年分の給与所得に係る給与等の金額が百五十万円と社会保険料控除の額、小規模企業共済等掛金控除の額、生命保険料控除の額、地震保険料控除の額、障害者控除の額、寡婦控除の額、ひとり親控除の額、勤労学生控除の額、配偶者控除の額、配偶者特別控除の額 及び扶養控除の額との合計額以下で、かつ、その年分の給与所得 及び退職所得以外の所得金額が二十万円以下であるとき。
その年において退職所得を有する居住者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、前条第一項の規定にかかわらず、 その年分の課税退職所得金額に係る所得税については、同項の規定による申告書を提出することを要しない。
その年分の退職所得に係る第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等(以下 この項において「退職手当等」という。)の全部について第百九十九条(退職所得に係る源泉徴収義務)及び第二百一条第一項(退職所得に係る源泉徴収税額)の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合
前号に該当する場合を除き、その年分の課税退職所得金額につき第八十九条(税率)の規定を適用して計算した所得税の額がその年分の退職所得に係る退職手当等につき源泉徴収をされた又はされるべき所得税の額以下である場合
その年において第三十五条第三項(雑所得)に規定する公的年金等(以下この条において「公的年金等」という。)に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が四百万円以下であるものが、その公的年金等の全部(第二百三条の七(源泉徴収を要しない公的年金等)の規定の適用を受けるものを除く。)について第二百三条の二(公的年金等に係る源泉徴収義務)の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、給与所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額 及び公的年金等に係る雑所得以外の雑所得の金額の合計額をいう。)が二十万円以下であるときは、前条第一項の規定にかかわらず、その年分の課税総所得金額 又は課税山林所得金額に係る所得税については、同項の規定による申告書を提出することを要しない。
居住者は、その年分の所得税につき第一号から 第三号までに掲げる金額がある場合には、次条第一項の規定による申告書を提出することができる場合を除き、第百三十八条第一項(源泉徴収税額等の還付)又は第百三十九条第一項 若しくは第二項(予納税額の還付)の規定による還付を受けるため、 税務署長に対し、第百二十条第一項各号(確定所得申告)に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載した申告書を提出することができる。
第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の計算上控除しきれなかつた外国税額控除の額がある場合には、その控除しきれなかつた金額
第百二十条第一項第四号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつた同号に規定する源泉徴収税額がある場合には、その控除しきれなかつた金額
第百二十条第一項第五号に掲げる金額の計算上控除しきれなかつた同条第二項に規定する予納税額がある場合には、その控除しきれなかつた金額
前三号に掲げる金額の計算の基礎 その他財務省令で定める事項
居住者は、第百二十条第一項の規定による申告書を提出すべき場合 及び前項 又は次条第一項の規定による申告書を提出することができる場合に該当しない場合においても、 その年の翌年分以後の各年分の所得税について第九十五条第二項 又は第三項(外国税額控除)の規定の適用を受けるため必要があるときは、税務署長に対し、第百二十条第一項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出することができる。
第百二十条第一項後段の規定は前二項の規定による申告書の記載事項について、同条第三項から 第七項までの規定は前二項の規定による申告書の提出について、それぞれ準用する。
この場合において、
同条第五項中
「確定申告期限」とあるのは
「確定申告期限(当該申告書が国税通則法第六十一条第一項第二号(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)に規定する還付請求申告書である場合には、当該申告書の提出があつた日)」と、
「国税通則法」とあるのは
「同法」と
読み替えるものとする。
居住者は、次の各号のいずれかに該当する場合において、その年の翌年以後において第七十条第一項 若しくは第二項(純損失の繰越控除)若しくは第七十一条第一項(雑損失の繰越控除)の規定の適用を受け、 又は第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付の手続等)の規定による還付を受けようとするときは、第三期において、税務署長に対し、次項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出することができる。
その年において生じた雑損失の金額がその年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額を超える場合
その年の前年以前三年内の各年において生じた純損失の金額 及び雑損失の金額(第七十条第一項 若しくは第二項 又は第七十一条第一項の規定により前年以前において控除されたもの及び第百四十二条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。次項第二号において同じ。)の合計額が、これらの金額を控除しないで計算した場合のその年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額を超える場合
前項の規定による申告書の記載事項は、次に掲げる事項とする。
その年の前年以前三年内の各年において生じた純損失の金額 及び雑損失の金額
その年において生じた雑損失の金額がある場合には、その年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額
第二号に掲げる純損失の金額 又は雑損失の金額がある場合には、これらの金額を控除しないで計算した場合のその年分の総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の合計額
第七十条第一項 若しくは第二項 又は第七十一条第一項の規定により翌年以後において総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額の計算上控除することができる純損失の金額 及び雑損失の金額
その年において第九十五条(外国税額控除)の規定による控除をされるべき金額がある場合には、当該金額
第一号に掲げる純損失の金額 又は第三号 若しくは第四号に掲げる総所得金額 若しくは退職所得金額の計算の基礎となつた各種所得に係る第百二十条第一項第四号(確定所得申告)に規定する源泉徴収税額がある場合には、当該源泉徴収税額
その年分の第百二十条第二項に規定する予納税額がある場合には、当該予納税額
第一号から 第五号までに掲げる金額の計算の基礎 その他財務省令で定める事項
第百二十条第三項から 第七項までの規定は、第一項の規定による申告書の提出について準用する。
この場合において、
同条第五項中
「確定申告期限」とあるのは
「確定申告期限(当該申告書が国税通則法第六十一条第一項第二号(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)に規定する還付請求申告書である場合には、当該申告書の提出があつた日)」と、
「国税通則法」とあるのは
「同法」と
読み替えるものとする。
⤏ 第二款 死亡又は出国の場合の確定申告
第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書を提出すべき居住者がその年の翌年一月一日から 当該申告書の提出期限までの間に当該申告書を提出しないで死亡した場合には、その相続人は、次項の規定による申告書を提出する場合を除き、 政令で定めるところにより、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日の前日(同日前に当該相続人が出国をする場合には、その出国の時。以下この条において同じ。)までに、税務署長に対し、当該申告書を提出しなければならない。
前条第一項の規定による申告書を提出することができる居住者がその年の翌年一月一日から当該申告書の提出期限までの間に当該申告書を提出しないで死亡した場合には、その相続人は、政令で定めるところにより、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日の前日までに、税務署長に対し、当該申告書を提出することができる。
居住者が年の中途において死亡した場合において、その者のその年分の所得税について第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書を提出しなければならない場合に該当するときは、その相続人は、第三項の規定による申告書を提出する場合を除き、政令で定めるところにより、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日の前日(同日前に当該相続人が出国をする場合には、その出国の時。以下この条において同じ。)までに、税務署長に対し、当該所得税について第百二十条第一項各号に掲げる事項 その他の事項を記載した申告書を提出しなければならない。
居住者が年の中途において死亡した場合において、 その者のその年分の所得税について第百二十二条第一項 又は第二項(還付等を受けるための申告)の規定による申告書を提出することができる場合に該当するときは、その相続人は、次項の規定による申告書を提出することができる場合を除き、政令で定めるところにより、税務署長に対し、当該所得税について第百二十条第一項各号 及び第百二十二条第一項各号に掲げる事項 その他の事項を記載した申告書を提出することができる。
居住者が年の中途において死亡した場合において、その者のその年分の所得税について第百二十三条第一項(確定損失申告)の規定による申告書を提出することができる場合に該当するときは、その相続人は、政令で定めるところにより、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から四月を経過した日の前日までに、税務署長に対し、当該所得税について同条第二項各号に掲げる事項 その他の事項を記載した申告書を提出することができる。
第百二十条第一項後段の規定は第一項 又は第二項の規定による申告書の記載事項について、同条第三項から 第七項までの規定は前三項の規定による申告書の提出について、それぞれ準用する。
この場合において、
同条第五項中
「確定申告期限」とあるのは
「確定申告期限(当該申告書が国税通則法第六十一条第一項第二号(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)に規定する還付請求申告書である場合には、当該申告書の提出があつた日)」と、
「国税通則法」とあるのは
「同法」と
読み替えるものとする。
前条第一項 又は第二項の規定は、第一項の規定による申告書を提出すべき者 又は第三項の規定による申告書を提出することができる者がこれらの申告書の提出期限前にこれらの申告書を提出しないで死亡した場合についてそれぞれ準用する。
第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書を提出すべき居住者は、その年の翌年一月一日から当該申告書の提出期限までの間に出国をする場合には、第百二十三条第一項(確定損失申告)の規定による申告書を提出する場合を除き、その出国の時までに、税務署長に対し、当該申告書を提出しなければならない。
第百二十三条第一項の規定による申告書を提出することができる居住者は、その年の翌年一月一日から 二月十五日までの間に出国をする場合には、当該期間内においても、税務署長に対し、当該申告書を提出することができる。
居住者は、年の中途において出国をする場合において、その年一月一日から その出国の時までの間における総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額について、第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書を提出しなければならない場合に該当するときは、第三項の規定による申告書を提出する場合を除き、その出国の時までに、税務署長に対し、その時の現況により同条第一項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
居住者は、年の中途において出国をする場合において、その年一月一日から その出国の時までの間における総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額について、第百二十二条第一項(還付を受けるための申告)の規定による申告書を提出することができる場合に該当するときは、次項の規定による申告書を提出することができる場合を除き、税務署長に対し、その時の現況により第百二十条第一項各号 及び第百二十二条第一項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出することができる。
居住者は、年の中途において出国をする場合において、その年一月一日から その出国の時までの間における純損失の金額 若しくは雑損失の金額 又は その年の前年以前三年内の各年において生じたこれらの金額について、第百二十三条第一項(確定損失申告)の規定による申告書を提出することができる場合に該当するときは、その出国の時までに、税務署長に対し、その時の現況により同条第二項各号に掲げる事項を記載した申告書を提出することができる。
第百二十条第一項後段の規定は第一項 又は第二項の規定による申告書の記載事項について、同条第三項から 第七項までの規定は前三項の規定による申告書の提出について、それぞれ準用する。
この場合において、
同条第五項中
「確定申告期限」とあるのは
「確定申告期限(当該申告書が国税通則法第六十一条第一項第二号(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)に規定する還付請求申告書である場合には、当該申告書の提出があつた日)」と、
「国税通則法」とあるのは
「同法」と
読み替えるものとする。
⤏ 第三款 納付
第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書(第百二十四条第一項(確定申告書を提出すべき者が死亡した場合の確定申告)又は第百二十六条第一項(確定申告書を提出すべき者が出国をする場合の確定申告)の規定に該当して提出すべきものを除く。)を提出した居住者は、当該申告書に記載した第百二十条第一項第三号に掲げる金額(同項第四号に規定する源泉徴収税額があり、かつ、同項第五号に規定する予納税額がない場合には、同項第四号に掲げる金額とし、同項第五号に規定する予納税額がある場合には、同号に掲げる金額とする。以下 この款において同じ。)があるときは、第三期において、当該金額に相当する所得税を国に納付しなければならない。
第百二十四条第一項(確定申告書を提出すべき者が死亡した場合の確定申告)(第百二十五条第五項(年の中途で死亡した場合の確定申告)において準用する場合を含む。) 又は第百二十五条第一項の規定に該当してこれらの規定に規定する申告書を提出した者は、これらの申告書に記載した第百二十条第一項第三号(確定所得申告に係る所得税額)に掲げる金額があるときは、これらの申告書の提出期限までに、当該金額に相当する所得税を国税通則法第五条(相続による国税の納付義務の承継)に定めるところにより国に納付しなければならない。
第百二十六条第一項(確定申告書を提出すべき者が出国をする場合の確定申告) 又は第百二十七条第一項(年の中途で出国をする場合の確定申告)の規定に該当してこれらの規定に規定する申告書を提出した居住者は、これらの申告書に記載した第百二十条第一項第三号(確定所得申告に係る所得税額)に掲げる金額があるときは、これらの申告書の提出期限までに、当該金額に相当する所得税を国に納付しなければならない。
⤏ 第四款 延納
第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書を提出した居住者が第百二十八条(確定申告による納付)の規定により納付すべき所得税の額(第百三十三条第一項(延払条件付譲渡に係る延納の手続)の申請書を提出する場合には、当該所得税の額から その申請書に記載した同項の延納を求めようとする所得税の額を控除した額)の二分の一に相当する金額以上の所得税を第百二十八条の規定による納付の期限までに国に納付したときは、その者は、その残額についてその納付した年の五月三十一日までの期間、 その納付を延期することができる。
前項の規定は、同項に規定する申告書を提出した居住者が、同項に規定する納付の期限までに納税地の所轄税務署長に対し、第百二十八条の規定により納付すべき税額、当該税額のうち当該期限までに納付する金額 その他財務省令で定める事項を記載した延納届出書を提出した場合に限り、適用する。
第一項の規定の適用を受ける居住者は、同項の規定による延納に係る所得税の額に、その延納の期間の日数に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額に相当する利子税をその延納に係る所得税にあわせて納付しなければならない。
税務署長は、居住者が山林所得 又は譲渡所得の基因となる資産の延払条件付譲渡をした場合において、 次に掲げる要件のすべてを満たすときは、第一号に規定する申告書に係る第百二十八条(確定申告による納付) 又は第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定により納付すべき所得税の額(延払条件付譲渡に係る税額が当該所得税の額に満たない場合には、その延払条件付譲渡に係る税額)の全部 又は一部につき、その者(その相続人を含む。)の申請により、五年以内の延納を許可することができる。
その延払条件付譲渡をした日の属する年分の所得税に係る第百二十条第一項(確定所得申告)の規定による申告書(第百二十六条第一項(確定申告書を提出すべき者が出国をする場合の確定申告)の規定に該当して提出すべきものを除く。)又は第百二十五条第一項(年の中途で死亡した場合の確定申告)の規定による申告書をこれらの申告書の提出期限までに提出したこと。
延払条件付譲渡に係る税額が前号に規定する申告書に記載された第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額の二分の一に相当する金額を超えること。
延払条件付譲渡に係る税額が三十万円を超えること。
税務署長は、前項の規定による延納の許可をする場合には、その延納に係る所得税の額に相当する担保を徴さなければならない。
ただし、その延納に係る所得税につき、その額が百万円以下でその延納の期間が三年以下である場合 又は当該期間が三月以下である場合は、この限りでない。
第一項に規定する延払条件付譲渡とは、次に掲げる要件に適合する条件を定めた契約に基づき当該条件により行われる譲渡をいう。
月賦、年賦 その他の賦払の方法により三回以上に分割して対価の支払を受けること。
その譲渡の目的物の引渡しの期日の翌日から 最後の賦払金の支払の期日までの期間が二年以上であること。
第一項に規定する延払条件付譲渡に係る税額とは、同項第一号に規定する申告書に記載された第百二十条第一項第三号に掲げる所得税の額のうち、その延払条件付譲渡に係る契約において定められている支払の期日がその年の翌年以後に到来する延払条件付譲渡に係る賦払金の額(その年において既に支払を受けたものを除く。)の合計額に対応する山林所得の金額 又は譲渡所得の金額に係る部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。
前条第一項の規定による延納の許可を申請しようとする居住者は、その延納を求めようとする所得税に係る第百二十八条(確定申告による納付)又は第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定による納付の期限までに、延納を求めようとする所得税の額 及び期間(二回以上に分割して納付しようとする場合には、各分納税額ごとに延納を求めようとする期間 及び その額)その他財務省令で定める事項を記載した申請書に担保の提供に関する書類を添附し、これを納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合には、その提出をした居住者 及び その申請に係る事項について前条第一項各号に掲げる要件を満たすかどうか、その申請書に記載された延納に係る所得税の額 若しくは延納の期間 又は各分納税額に係る延納の期間 若しくは その額が同項に規定する延払条件付譲渡に係る契約において定められている賦払金の支払の期日 及び その賦払金の額に照らし相当であるかどうか その他必要な事項を調査し、その調査したところにより、その申請に係る所得税の額の全部 若しくは一部につきその申請に係る条件 若しくはこれを変更した条件により延納の許可をし、又は その申請を却下する。
税務署長は、前項の延納の許可をする場合において、その申請をした居住者の提供しようとする担保が適当でないと認めるときは、その変更を求めることができる。
この場合において、その者がその変更の求めに応じなかつたときは、その申請を却下することができる。
税務署長は、第一項の申請に係る延納の許可 又は却下の処分をするときは、その申請をした居住者に対し、書面により、その延納の許可に係る所得税の額 及び延納の条件 又は却下の旨及び その理由を通知する。
税務署長は、第一項の申請書の提出があつた場合において、 相当の理由があると認めるときは、その申請に係る所得税の額の全部 又は一部の徴収を猶予することができる。
第百三十二条第一項(延払条件付譲渡に係る所得税額の延納)の規定による延納の許可を受けた居住者は、同項に規定する延払条件付譲渡に係る契約において定められている賦払金の支払の期日の変更 その他の事由が生じたことにより当該許可に係る延納の条件について変更を求めようとする場合には、その変更を求めようとする条件 その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出することができる。
前条第二項 及び第四項の規定は、前項の申請書の提出があつた場合について準用する。
税務署長は、第百三十二条第一項に規定する延払条件付譲渡に係る契約において定められている賦払金の支払の期日の変更、その支払の期日前における当該賦払金の支払 その他の事由が生じたことにより当該許可に係る延納の条件を変更する必要があると認める場合には、延納の期間の短縮 その他 延納の条件の変更をすることができる。
この場合においては、国税通則法第四十九条第二項 及び第三項(納税の猶予の取消し等の場合の弁明の聴取 及び通知)の規定を準用する。
税務署長は、第百三十二条第一項(延払条件付譲渡に係る所得税額の延納)の規定による延納の許可を受けた居住者が次に掲げる場合に該当することとなつたときは、その延納の許可を取り消すことができる。
その延納に係る所得税の額(その所得税の額に係る次条の規定による利子税 及び延滞税に相当する額を含む。)を滞納し、その他延納の条件に違反したとき。
その者が提出した第百三十二条第一項第一号に規定する申告書に係る所得税につき修正申告書の提出 又は更正があつた場合において、その申告 又は更正があつた後における第百二十条第一項第三号(確定所得申告に係る所得税額)に掲げる所得税の額(以下 この号において「修正後の年税額」という。)を基礎として第百三十二条第四項に規定する延払条件付譲渡に係る税額の計算に準じて政令で定めるところにより計算した金額が、修正後の年税額の二分の一に相当する金額以下となり、又は三十万円以下となつたとき。
その延納に係る担保につき国税通則法第五十一条第一項(担保の変更等)の規定による命令に応じなかつたとき。
その延納に係る担保物につき国税通則法第二条第十号(定義)に規定する強制換価手続が開始されたとき。
国税通則法第四十九条第二項(納税の猶予の取消し等の場合の弁明の聴取)の規定は、前項第一号 又は第三号の規定により同項の延納の許可を取り消す場合について準用する。
税務署長は、第一項の規定により同項の延納の許可を取り消す場合には、当該延納の許可を受けた居住者に対し、書面によりその旨 及び その理由を通知する。
第百三十二条第一項(延払条件付譲渡に係る所得税額の延納)の規定による延納の許可を受けた居住者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる金額に相当する利子税を、当該各号に規定する納付すべき分納税額(第三号の場合にあつては、同号に規定する延納税額)に相当する所得税にあわせて納付しなければならない。
その延納の許可に係る所得税の額(以下この条において「延納税額」という。)のうちに分納税額がある場合において、第一回に納付すべき分納税額を納付するとき。
延納税額を基礎とし、その延納税額に係る第百二十八条(確定申告による納付)又は第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定による納付の期限の翌日から当該分納税額の延納に係る納期限までの日数に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額
延納税額のうちに分納税額がある場合において、 第二回以後に納付すべき分納税額を納付するとき。
延納税額から前回までの分納税額の合計額を控除した所得税の額を基礎とし、前回の分納税額の延納に係る納期限の翌日から その回の分納税額の延納に係る納期限までの日数に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額
前二号に掲げる場合以外の場合
延納税額を基礎とし、その延納税額に係る第百二十八条 又は第百二十九条の規定による納付の期限の翌日から 当該延納税額の延納に係る納期限までの日数に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額
第百三十二条第一項の規定による延納の許可を受けた居住者が前条第一項の規定によりその許可を取り消された場合には、その者については、その取消しがあつた時以後に納付すべきであつた分納税額の合計額 又は延納税額をその取消しがあつた時に延納に係る納期限が到来した分納税額 又は延納税額とみなして、前項の規定を適用する。
第百三十二条第一項(延払条件付譲渡に係る所得税額の延納)の規定による延納の許可があつた場合における所得税に係る延滞税については、その所得税の額のうち前条第一項第一号に規定する延納税額と その他のものとに区分し、当該延納税額のうちに分納税額があるときは更に各分納税額ごとに区分して、 それぞれの税額ごとに国税通則法の延滞税に関する規定を適用する。
⤏ 第五款 納税の猶予
第六十条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する国外転出(以下この条において「国外転出」という。)をする居住者でその国外転出の時に有している同項に規定する有価証券等 又は契約を締結している第六十条の二第二項に規定する未決済信用取引等 若しくは同条第三項に規定する未決済デリバティブ取引(以下 この項 及び第三項において「対象資産」という。)につきこれらの規定の適用を受けたもの(その相続人を含む。)が当該国外転出の日の属する年分の所得税で第百二十八条(確定申告による納付)又は第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定により納付すべきものの額のうち、当該対象資産(当該年分の所得税に係る確定申告期限まで引き続き有し、又は決済をしていないものに限る。以下 この項、第五項 及び第六項において「適用資産」という。)に係る納税猶予分の所得税額(第一号に掲げる金額から 第二号に掲げる金額を控除した金額をいう。以下この条において同じ。)に相当する所得税については、当該居住者が、当該国外転出の時までに国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をし、かつ、当該年分の所得税に係る確定申告期限までに当該納税猶予分の所得税額に相当する担保を供した場合に限り、第百二十八条 又は第百二十九条の規定にかかわらず、同日から満了基準日(当該国外転出の日から五年を経過する日 又は帰国等の場合(第六十条の二第六項第一号 又は第三号に掲げる場合 その他政令で定める場合をいう。次項において同じ。)に該当することとなつた日のいずれか早い日をいう。第五項において同じ。)の翌日以後四月を経過する日まで、その納税を猶予する。
当該国外転出の日の属する年分の第百二十条第一項第三号(確定所得申告)に掲げる金額
当該適用資産につき第六十条の二第一項から 第三項までの規定の適用がないものとした場合における当該国外転出の日の属する年分の第百二十条第一項第三号に掲げる金額
前項の規定の適用を受ける個人が、国外転出の日から五年を経過する日(同日前に帰国等の場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた日の前日)までに、同項の規定による納税の猶予に係る期限の延長を受けたい旨 その他財務省令で定める事項を記載した届出書を、納税地の所轄税務署長に提出した場合には、
同項中
「五年」とあるのは、
「十年」と
する。
第一項(前項の規定により適用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は、第一項の規定の適用を受けようとする個人の確定申告書に、同項の規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、第六十条の二第一項から 第三項までの規定により行われたものとみなされた対象資産の譲渡 又は決済の明細 及び納税猶予分の所得税額の計算に関する明細その他財務省令で定める事項を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
税務署長は、前項の確定申告書の提出がなかつた場合 又は同項の記載 若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出 又は記載 若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類 及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
第一項の規定の適用を受けている個人が、同項の規定による納税の猶予に係る満了基準日までに、国外転出の時において有していた適用資産の譲渡(これに類するものとして政令で定めるものを含む。次条第六項において同じ。) 若しくは決済 又は贈与による移転をしたこと その他政令で定める事由が生じた場合には、これらの事由が生じた適用資産に係る納税猶予分の所得税額のうちこれらの事由が生じた適用資産に対応する部分の額として政令で定めるところにより計算した金額に相当する所得税については、第一項の規定にかかわらず、 これらの事由が生じた日から四月を経過する日をもつて同項の規定による納税の猶予に係る期限とする。
第一項の規定の適用を受ける個人は、同項の規定の適用に係る国外転出の日の属する年分の所得税に係る確定申告期限から 納税猶予分の所得税額に相当する所得税の全部につき同項、前項、第八項 又は第九項の規定による納税の猶予に係る期限が確定する日までの間の各年の十二月三十一日において有し、又は契約を締結している適用資産につき、引き続き第一項の規定の適用を受けたい旨 その他財務省令で定める事項を記載した届出書(次項から 第十項までにおいて「継続適用届出書」という。)を、同日の属する年の翌年三月十五日(次項から 第十項までにおいて「提出期限」という。)までに、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
継続適用届出書が提出期限までに提出されなかつた場合においても、前項に規定する税務署長が提出期限までにその提出がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該継続適用届出書の提出があつた場合に限り、当該継続適用届出書が提出期限までに提出されたものとみなす。
継続適用届出書が提出期限までに納税地の所轄税務署長に提出されない場合には、当該提出期限における納税猶予分の所得税額(既に第五項の規定の適用があつた場合には、同項の規定の適用があつた金額を除く。次項において同じ。)に相当する所得税については、第一項の規定にかかわらず、当該提出期限から四月を経過する日(当該提出期限から 当該四月を経過する日までの間に当該所得税に係る個人が死亡した場合には、当該個人の相続人が当該個人の死亡による相続の開始があつたことを知つた日から六月を経過する日)をもつて同項の規定による納税の猶予に係る期限とする。
税務署長は、次に掲げる場合には、納税猶予分の所得税額に相当する所得税に係る第一項の規定による納税の猶予に係る期限を繰り上げることができる。
この場合においては、国税通則法第四十九条第二項 及び第三項(納税の猶予の取消し)の規定を準用する。
第一項の規定の適用を受ける個人が同項に規定する担保について国税通則法第五十一条第一項(担保の変更等)の規定による命令に応じない場合
当該個人から提出された継続適用届出書に記載された事項と 相違する事実が判明した場合
前二号に掲げる場合のほか、当該個人が国税通則法第百十七条第一項に規定する納税管理人を解任したこと その他の政令で定める事由が生じた場合
納税猶予分の所得税額に相当する所得税 並びに当該所得税に係る利子税 及び延滞税の徴収を目的とする国の権利の時効については、次項第二号の規定により読み替えて適用される国税通則法第七十三条第四項(時効の完成猶予 及び更新)の規定の適用がある場合を除き、継続適用届出書の提出があつた時から当該継続適用届出書の提出期限までの間は完成せず、当該提出期限の翌日から 新たにその進行を始めるものとする。
第一項の個人につき同項の規定による納税の猶予がされた場合におけるこの法律 並びに国税通則法 及び国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)の規定の適用については、次に定めるところによる。
第一項の規定の適用があつた場合における所得税に係る延滞税については、その所得税の額のうち納税猶予分の所得税額と その他のものとに区分し、更に当該納税猶予分の所得税額を第三号に規定する納税の猶予に係る期限が異なるものごとに区分して、 それぞれの税額ごとに国税通則法の延滞税に関する規定を適用する。
第一項の規定による納税の猶予を受けた所得税については、
国税通則法第六十四条第一項(利子税)及び第七十三条第四項中
「延納」とあるのは、
「延納(所得税法第百三十七条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定による納税の猶予を含む。)」と
する。
第一項の規定による納税の猶予に係る期限(第五項、第八項 又は第九項の規定による当該期限を含む。)は、国税通則法 及び国税徴収法中法定納期限 又は納期限に関する規定を適用する場合には、所得税法の規定による延納に係る期限に含まれるものとする。
第一項、第五項、第八項 又は第九項の規定に該当する所得税については、前款の規定は、適用しない。
第一項の規定の適用を受ける個人は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、当該各号に規定する所得税に相当する金額を基礎とし、当該所得税に係る第百二十八条 又は第百二十九条の規定による納付の期限の翌日から 当該各号に定める納税の猶予に係る期限までの期間に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額に相当する利子税を、当該各号に規定する所得税に併せて納付しなければならない。
第一項の規定の適用があつた場合
同項に規定する所得税に係る同項の規定による納税の猶予に係る期限
第五項の規定の適用があつた場合
同項に規定する政令で定めるところにより計算した金額に相当する所得税に係る同項の規定による納税の猶予に係る期限
第八項の規定の適用があつた場合
同項に規定する所得税に係る同項の規定による納税の猶予に係る期限
第九項の規定の適用があつた場合
同項に規定する所得税に係る同項の規定により繰り上げられた納税の猶予に係る期限
第一項の規定の適用に係る納税の猶予に係る期限までに同項の規定の適用を受ける国外転出をした者が死亡した場合には、当該国外転出をした者に係る納税猶予分の所得税額に係る納付の義務は、当該国外転出をした者の相続人が承継する。
この場合において、必要な事項は、政令で定める。
第三項から 前項までに定めるもののほか、第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
贈与(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。以下 この項において同じ。)により非居住者に移転した第六十条の三第一項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)に規定する有価証券等 又は同条第二項に規定する未決済信用取引等 若しくは同条第三項に規定する未決済デリバティブ取引に係る契約(以下この条において「対象資産」という。)につきこれらの規定の適用を受けた者(その相続人を含む。)が当該贈与の日の属する年分の所得税で第三款(納付)の規定により納付すべきものの額のうち、当該対象資産(当該年分の所得税に係る確定申告期限まで引き続き有し、又は決済をしていないものに限る。以下 この項、第六項 及び第七項において「適用贈与資産」という。)に係る贈与納税猶予分の所得税額(第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額をいう。以下 この項 及び第四項において同じ。)に相当する所得税については、当該適用を受けた者が、当該年分の所得税に係る確定申告期限までに当該贈与納税猶予分の所得税額に相当する担保を供した場合に限り、同款の規定にかかわらず、当該贈与の日から贈与満了基準日(当該贈与の日から五年を経過する日 又は受贈者帰国等の場合(第六十条の三第六項第一号 又は第三号に掲げる場合 その他政令で定める場合をいう。第三項第一号において同じ。)に該当することとなつた日のいずれか早い日をいう。第六項において同じ。)の翌日以後四月を経過する日まで、その納税を猶予する。
当該贈与の日の属する年分の第百二十条第一項第三号(確定所得申告)に掲げる金額
当該適用贈与資産につき第六十条の三第一項から 第三項までの規定の適用がないものとした場合における当該贈与の日の属する年分の第百二十条第一項第三号に掲げる金額
相続 又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下 この項において同じ。)により非居住者に移転した対象資産につき第六十条の三第一項から 第三項までの規定の適用を受けた者(第四項において「適用被相続人等」という。)の全ての相続人が当該相続の開始の日の属する年分の所得税で第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定により納付すべきものの額のうち、当該対象資産(当該年分の所得税に係る確定申告期限(第百五十一条の五第一項(遺産分割等があつた場合の期限後申告等の特例)の規定による期限後申告書を提出する場合にあつては、同項に規定する提出期限。以下 この項 及び第七項において同じ。)まで引き続き有し、又は決済をしていないものに限る。以下 この項、第六項 及び第七項において「適用相続等資産」という。)に係る相続等納税猶予分の所得税額(第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額をいう。以下 この項 及び第四項において同じ。)に相当する所得税については、当該相続人が政令で定めるところにより当該相続等納税猶予分の所得税額に相当する担保を供し、かつ、当該年分の所得税に係る確定申告期限までに当該相続 又は遺贈により当該対象資産を取得した非居住者の全てが政令で定めるところにより国税通則法第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出をした場合に限り、第百二十九条の規定にかかわらず、当該相続の開始の日から相続等満了基準日(当該相続の開始の日から五年を経過する日 又は相続人帰国等の場合(第六十条の三第六項第一号 又は第三号に掲げる場合 その他政令で定める場合をいう。次項第一号において同じ。)に該当することとなつた日のいずれか早い日をいう。第六項において同じ。)の翌日以後四月を経過する日まで、その納税を猶予する。
当該相続の開始の日の属する年分の第百二十条第一項第三号に掲げる金額(当該金額につき第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)の規定による修正申告書の提出があつた場合には、その申告後の金額)
当該適用相続等資産につき第六十条の三第一項から 第三項までの規定の適用がないものとした場合における当該相続の開始の日の属する年分の第百二十条第一項第三号に掲げる金額
次の各号に掲げる者が、それぞれ当該各号に定める日 又は期限までに、前二項の規定による納税の猶予に係る期限の延長を受けたい旨 その他財務省令で定める事項を記載した届出書を、納税地の所轄税務署長に提出した場合には、
これらの規定中
「五年」とあるのは、
「十年」と
する。
前二項の規定の適用を受けている者
贈与の日 又は相続の開始の日から 五年を経過する日(同日前に受贈者帰国等の場合 又は相続人帰国等の場合に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた日の前日)
第百五十一条の五第一項の規定による期限後申告書の提出期限が相続の開始の日から五年を経過する日後である者
当該提出期限
第一項 又は第二項(これらの規定を前項の規定により適用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定は、第一項の規定の適用を受けようとする者の提出した確定申告書 又は第二項の規定の適用を受けようとする相続人が提出した適用被相続人等の確定申告書に、これらの規定の適用を受けようとする旨の記載があり、かつ、第六十条の三第一項から 第三項までの規定により行われたものとみなされた対象資産の譲渡 又は決済の明細 及び贈与納税猶予分の所得税額 又は相続等納税猶予分の所得税額(以下この条において「納税猶予分の所得税額」という。)の計算に関する明細 その他財務省令で定める事項を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。
税務署長は、前項の確定申告書の提出がなかつた場合 又は同項の記載 若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出 又は記載 若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類 及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項 又は第二項の規定を適用することができる。
第一項に規定する贈与を受けた非居住者 又は第二項の規定の適用を受けた相続人である非居住者が、これらの規定による納税の猶予に係る贈与満了基準日 又は相続等満了基準日までに、贈与、相続 又は遺贈により移転を受けた適用贈与資産 又は適用相続等資産の譲渡 若しくは決済 又は贈与による移転をしたこと その他政令で定める事由が生じた場合には、これらの事由が生じた適用贈与資産 又は適用相続等資産に係る納税猶予分の所得税額のうちこれらの事由が生じた適用贈与資産 又は適用相続等資産に対応する部分の額として政令で定めるところにより計算した金額に相当する所得税については、これらの規定にかかわらず、 これらの事由が生じた日から四月を経過する日をもつてこれらの規定による納税の猶予に係る期限とする。
第一項の規定の適用を受ける者 又は第二項の規定の適用を受ける相続人(以下この条において「適用贈与者等」という。)は、これらの規定の適用に係る贈与の日 又は相続の開始の日の属する年分の所得税に係る確定申告期限から 納税猶予分の所得税額に相当する所得税の全部につき第一項、第二項、前項、第九項(第十項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)又は第十一項の規定による納税の猶予に係る期限が確定する日までの間の各年の十二月三十一日において有し、又は契約を締結している適用贈与資産 又は適用相続等資産につき、引き続き第一項 又は第二項の規定の適用を受けたい旨 その他財務省令で定める事項を記載した届出書(次項から 第十二項までにおいて「継続適用届出書」という。)を、同日の属する年の翌年三月十五日(次項、第九項 及び第十二項において「提出期限」という。)までに、政令で定めるところにより、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
継続適用届出書が提出期限までに提出されなかつた場合においても、前項に規定する税務署長が提出期限までにその提出がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該継続適用届出書の提出があつた場合に限り、当該継続適用届出書が提出期限までに提出されたものとみなす。
継続適用届出書が提出期限までに納税地の所轄税務署長に提出されない場合には、当該提出期限における納税猶予分の所得税額(既に第六項の規定の適用があつた場合には、同項の規定の適用があつた金額を除く。)に相当する所得税については、第一項 又は第二項の規定にかかわらず、 当該提出期限から四月を経過する日(当該提出期限から 当該四月を経過する日までの間に当該所得税に係る適用贈与者等が死亡した場合には、当該適用贈与者等の相続人が当該適用贈与者等の死亡による相続の開始があつたことを知つた日から六月を経過する日)をもつてこれらの規定による納税の猶予に係る期限とする。
第一項の規定の適用を受けている者が第六十条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する国外転出をしようとする場合には、当該国外転出の時までに、国税通則法第百十七条第二項の規定による納税管理人の届出をしなければならない。
この場合において、前二項の規定は、当該納税管理人の届出が当該国外転出の時までになかつた場合について準用する。
税務署長は、次に掲げる場合には、納税猶予分の所得税額(既に第六項の規定の適用があつた場合には、同項の規定の適用があつた金額を除く。)に相当する所得税に係る第一項 又は第二項の規定による納税の猶予に係る期限を繰り上げることができる。
この場合においては、国税通則法第四十九条第二項 及び第三項(納税の猶予の取消し)の規定を準用する。
適用贈与者等が第一項 又は第二項に規定する担保について国税通則法第五十一条第一項(担保の変更等)の規定による命令に応じない場合
適用贈与者等から提出された継続適用届出書に記載された事項と相違する事実が判明した場合
前二号に掲げる場合のほか、適用贈与者等が国税通則法第百十七条第一項に規定する納税管理人を解任したこと その他の政令で定める事由が生じた場合
納税猶予分の所得税額に相当する所得税 並びに当該所得税に係る利子税 及び延滞税の徴収を目的とする国の権利の時効については、次項第二号の規定により読み替えて適用される国税通則法第七十三条第四項(時効の完成猶予 及び更新)の規定の適用がある場合を除き、継続適用届出書の提出があつた時から当該継続適用届出書の提出期限までの間は完成せず、当該提出期限の翌日から 新たにその進行を始めるものとする。
適用贈与者等につき第一項 又は第二項の規定による納税の猶予がされた場合におけるこの法律 並びに国税通則法 及び国税徴収法の規定の適用については、次に定めるところによる。
第一項 又は第二項の規定の適用があつた場合における所得税に係る延滞税については、その所得税の額のうち納税猶予分の所得税額と その他のものとに区分し、更に当該納税猶予分の所得税額を第三号に規定する納税の猶予に係る期限が異なるものごとに区分して、それぞれの税額ごとに国税通則法の延滞税に関する規定を適用する。
第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けた所得税については、
国税通則法第六十四条第一項(利子税)及び第七十三条第四項中
「延納」とあるのは、
「延納(所得税法第百三十七条の三第一項 又は第二項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定による納税の猶予を含む。)」と
する。
第一項 又は第二項の規定による納税の猶予に係る期限(第六項、第九項 又は第十一項の規定による当該期限を含む。)は、国税通則法 及び国税徴収法中法定納期限 又は納期限に関する規定を適用する場合には、所得税法の規定による延納に係る期限に含まれるものとする。
第一項、第二項、第六項、第九項 又は第十一項の規定に該当する所得税については、前款の規定は、適用しない。
適用贈与者等は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、当該各号に規定する所得税に相当する金額を基礎とし、当該所得税に係る第三款 又は第百五十一条の五第一項の規定による納付の期限(当該所得税のうち第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書を提出したことにより納付すべき所得税の額(既にこの項の規定の適用があつた所得税の額を除く。)に達するまでの部分に相当する金額の所得税にあつては、同条第一項の規定による納付の期限。以下 この項において「納付期限」という。)の翌日から 当該各号に定める納税の猶予に係る期限までの期間に応じ、年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額に相当する利子税を、当該各号に規定する所得税に併せて納付しなければならない。
この場合において、当該所得税につき納付期限が二以上ある場合には、これらの納付期限のうち最も新しいものに係る所得税から 順次納税の猶予に係る期限が到来したものとして、利子税の額を計算するものとする。
第一項 又は第二項の規定の適用があつた場合
これらの規定に規定する所得税に係るこれらの規定による納税の猶予に係る期限
第六項の規定の適用があつた場合
同項に規定する政令で定めるところにより計算した金額に相当する所得税に係る同項の規定による納税の猶予に係る期限
第九項の規定の適用があつた場合
同項に規定する所得税に係る同項の規定による納税の猶予に係る期限
第十一項の規定の適用があつた場合
同項に規定する所得税に係る同項の規定により繰り上げられた納税の猶予に係る期限
第一項 又は第二項の規定の適用に係る納税の猶予に係る期限までにその適用贈与者等が死亡した場合には、当該適用贈与者等に係る納税猶予分の所得税額に係る納付の義務は、当該適用贈与者等の相続人が承継する。
この場合において、必要な事項は、政令で定める。
第四項から 前項までに定めるもののほか、第一項 及び第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
⤏ 第六款 還付
確定申告書の提出があつた場合において、 当該申告書に第百二十二条第一項第一号 若しくは第二号(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第六号 若しくは第七号(確定損失申告)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、当該申告書を提出した者に対し、当該金額に相当する所得税を還付する。
前項の場合において、同項の確定申告書に記載された第百二十二条第一項第二号 又は第百二十三条第二項第七号に規定する源泉徴収税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは、前項の規定による還付金の額のうちその納付されていない部分の金額に相当する金額については、その納付があるまでは、還付しない。
第一項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる日(同日後に納付された前項に規定する源泉徴収税額に係る還付金については、その納付の日)の翌日から その還付のための支払決定をする日 又は その還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
第一項の確定申告書がその確定申告期限までに提出された場合
その確定申告期限
第一項の確定申告書がその確定申告期限後に提出された場合
その提出の日
第一項の規定による還付金を同項の確定申告書に係る年分の所得税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を附さないものとし、その充当される部分の所得税については、延滞税を免除するものとする。
前三項に定めるもののほか、第一項の還付の手続、同項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法 その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
確定申告書の提出があつた場合において、当該申告書に第百二十二条第一項第三号(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第八号(確定損失申告)に掲げる金額の記載があるときは、税務署長は、当該申告書を提出した者に対し、当該金額に相当するこれらの規定に規定する予納税額(以下この条において「予納税額」という。)を還付する。
税務署長は、前項の規定による還付金の還付をする場合において、同項の確定申告書に係る年分の予納税額について納付された延滞税があるときは、その額のうち、同項の規定により還付される予納税額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を併せて還付する。
第一項の規定により還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項の規定により還付をすべき予納税額の納付の日(その予納税額がその納期限前に納付された場合には、その納期限)の翌日から その還付のための支払決定をする日 又は その還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
ただし、同項の確定申告書がその確定申告期限後に提出された場合には、その確定申告期限の翌日から その提出された日までの日数は、当該期間に算入しない。
第一項の規定による還付金をその額の計算の基礎とされた予納税額に係る年分の所得税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を付さないものとし、その充当される部分の所得税については、延滞税を免除するものとする。
第二項の規定による還付金については、還付加算金は、付さない。
前三項に定めるもののほか、第一項 又は第二項の還付の手続、第一項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法 その他 同項 又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
青色申告書を提出する居住者は、その年において生じた純損失の金額がある場合には、当該申告書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に対し、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額に相当する所得税の還付を請求することができる。
その年の前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額 及び課税山林所得金額につき第三章第一節(税率)の規定を適用して計算した所得税の額
その年の前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額 及び課税山林所得金額から当該純損失の金額の全部 又は一部を控除した金額につき第三章第一節の規定に準じて計算した所得税の額
前項の場合において、同項に規定する控除した金額に相当する所得税の額がその年の前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額 及び課税山林所得金額に係る所得税の額(附帯税の額を除く。)をこえるときは、同項の還付の請求をすることができる金額は、当該所得税の額に相当する金額を限度とする。
第一項第二号に掲げる金額を計算する場合において、同号の課税総所得金額、課税退職所得金額 又は課税山林所得金額のうちいずれから先に純損失の金額を控除するか、及び前年において第九十条(変動所得 及び臨時所得の平均課税)の規定の適用があつた場合において同条第三項に規定する平均課税対象金額と課税総所得金額から当該平均課税対象金額を控除した金額とのうちいずれから先に純損失の金額を控除するかについては、政令で定める。
第一項の規定は、同項の居住者がその年の前年分の所得税につき青色申告書を提出している場合であつて、その年分の青色申告書をその提出期限までに提出した場合(税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合には、当該申告書をその提出期限後に提出した場合を含む。)に限り、適用する。
居住者につき事業の全部の譲渡 又は廃止 その他 これらに準ずる事実で政令で定めるものが生じた場合において、当該事実が生じた日の属する年の前年において生じた純損失の金額(第七十条第一項(純損失の繰越控除)の規定により同日の属する年において控除されたもの及び第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)があるときは、その者は、同日の属する年の前年分 及び前前年分の所得税につき青色申告書を提出している場合に限り、同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、納税地の所轄税務署長に対し、当該純損失の金額につき第一項から 第三項までの規定に準じて政令で定めるところにより計算した金額に相当する所得税の還付を請求することができる。
第百二十五条第一項、第三項 又は第五項(年の中途で死亡した場合の確定申告)の規定に該当してこれらの規定に規定する申告書(青色申告書に限る。)を提出する者は、当該申告書に記載すべきその年において生じた純損失の金額がある場合には、政令で定めるところにより、当該申告書の提出と同時に、当該申告書に係る所得税の納税地の所轄税務署長に対し、第一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した金額に相当する所得税の還付を請求することができる。
第百二十五条第一項 又は第三項に規定する死亡をした居住者のその年の前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額 及び課税山林所得金額につき第三章第一節(税率)の規定を適用して計算した所得税の額
前号に規定する死亡をした居住者のその年の前年分の課税総所得金額、課税退職所得金額 及び課税山林所得金額から当該純損失の金額の全部 又は一部を控除した金額につき第三章第一節の規定に準じて計算した所得税の額
前条第二項 及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。
第一項の規定は、同項第一号に規定する死亡をした居住者がその年の前年分の所得税につき青色申告書を提出している場合であつて、同項に規定する申告書を提出する者が当該申告書をその提出期限までに提出した場合(税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合には、当該申告書をその提出期限後に提出した場合を含む。)に限り、適用する。
居住者が死亡した場合において、その死亡の日の属する年の前年において生じたその者に係る純損失の金額(第七十条第一項(純損失の繰越控除)の規定により同日の属する年において控除されたもの及び次条第二項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)があるときは、その相続人は、その居住者の同日の属する年の前年分 及び前前年分の所得税につき青色申告書が提出されている場合に限り、政令で定めるところにより、その居住者の同日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、当該所得税の納税地の所轄税務署長に対し、当該純損失の金額につき第一項 及び第二項の規定に準じて計算した金額に相当する所得税の還付を請求することができる。
前二条の規定による還付の請求をしようとする者は、その還付を受けようとする所得税の額、その計算の基礎 その他財務省令で定める事項を記載した還付請求書をこれらの規定に規定する税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、前項の還付請求書の提出があつた場合には、その請求の基礎となつた純損失の金額 その他必要な事項について調査し、その調査したところにより、その請求をした者に対し、その請求に係る金額を限度として所得税を還付し、又は請求の理由がない旨を書面により通知する。
前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、前二条の規定による還付の請求がされた日(第百四十条第一項(純損失の繰戻しによる還付の請求)又は前条第一項の規定による還付の請求がされた日がこれらの規定に規定する申告書の提出期限前である場合には、その提出期限)の翌日以後三月を経過した日から その還付のための支払決定をする日又は その還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
第三節 青色申告
不動産所得、事業所得 又は山林所得を生ずべき業務を行なう居住者は、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には、確定申告書 及び当該申告書に係る修正申告書を青色の申告書により提出することができる。
その年分以後の各年分の所得税につき前条の承認を受けようとする居住者は、その年三月十五日まで(その年一月十六日以後新たに同条に規定する業務を開始した場合には、その業務を開始した日から二月以内)に、当該業務に係る所得の種類 その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、前条の申請書の提出があつた場合において、その申請書を提出した居住者につき次の各号のいずれかに該当する事実があるときは、その申請を却下することができる。
その年分以後の各年分の所得税につき第百四十三条(青色申告)の承認を受けようとする年における同条に規定する業務に係る帳簿書類の備付け、記録 又は保存が第百四十八条第一項(青色申告者の帳簿書類)に規定する財務省令で定めるところに従つて行なわれていないこと。
その備え付ける前号に規定する帳簿書類に取引の全部 又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載し又は記録していることその他不実の記載 又は記録があると認められる相当の理由があること。
第百五十条第二項(青色申告の承認の取消し)の規定による通知を受け、又は第百五十一条第一項(青色申告の取りやめ)に規定する届出書の提出をした日以後 一年以内にその申請書を提出したこと。
税務署長は、第百四十四条(青色申告の承認の申請)の申請書の提出があつた場合において、 その申請につき承認 又は却下の処分をするときは、その申請をした居住者に対し、書面によりその旨を通知する。
第百四十四条(青色申告の承認の申請)の申請書の提出があつた場合において、その年分以後の各年分の所得税につき第百四十三条(青色申告)の承認を受けようとする年の十二月三十一日(その年十一月一日以後新たに同条に規定する業務を開始した場合には、その年の翌年二月十五日)までにその申請につき承認 又は却下の処分がなかつたときは、その日においてその承認があつたものとみなす。
第百四十三条(青色申告)の承認を受けている居住者は、財務省令で定めるところにより、同条に規定する業務につき帳簿書類を備え付けてこれに不動産所得の金額、事業所得の金額 及び山林所得の金額に係る取引を記録し、かつ、当該帳簿書類を保存しなければならない。
納税地の所轄税務署長は、必要があると認めるときは、第百四十三条の承認を受けている居住者に対し、その者の同条に規定する業務に係る帳簿書類について必要な指示をすることができる。
青色申告書には、財務省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書 その他不動産所得の金額、事業所得の金額 若しくは山林所得の金額 又は純損失の金額の計算に関する明細書を添附しなければならない。
第百四十三条(青色申告)の承認を受けた居住者につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に掲げる年までさかのぼつて、その承認を取り消すことができる。
この場合において、その取消しがあつたときは、その居住者の当該年分以後の各年分の所得税につき提出したその承認に係る青色申告書は、青色申告書以外の申告書とみなす。
その年における第百四十三条に規定する業務に係る帳簿書類の備付け、記録 又は保存が第百四十八条第一項(青色申告者の帳簿書類)に規定する財務省令で定めるところに従つて行なわれていないこと。
その年
その年における前号に規定する帳簿書類について第百四十八条第二項の規定による税務署長の指示に従わなかつたこと。
その年
その年における第一号に規定する帳簿書類に取引の全部 又は一部を隠ぺいし又は仮装して記載し又は記録し、その他 その記載 又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること。
その年
税務署長は、前項の規定による取消しの処分をする場合には、同項の居住者に対し、書面によりその旨を通知する。
この場合において、その書面には、その取消しの処分の基因となつた事実が同項各号のいずれに該当するかを附記しなければならない。
第百四十三条(青色申告)の承認を受けている居住者は、その年分以後の各年分の所得税につき青色申告書の提出をやめようとするときは、その年の翌年三月十五日までに、その申告をやめようとする年 その他財務省令で定める事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
この場合において、その届出書の提出があつたときは、当該年分以後の各年分の所得税については、その承認は、その効力を失うものとする。
第百四十三条の承認を受けている居住者が同条に規定する業務の全部を譲渡し 又は廃止した場合には、その譲渡し又は廃止した日の属する年の翌年分以後の各年分の所得税については、その承認は、その効力を失うものとする。
第六章 期限後申告及び修正申告等の特例
第六十条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する国外転出の日の属する年分の所得税につき確定申告書を提出し、又は決定を受けた者(その相続人を含む。)は、当該確定申告書 又は決定に係る年分の総所得金額のうちに同条第六項本文(同条第七項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用がある同条第六項に規定する有価証券等に係る譲渡所得等の金額が含まれていることにより、当該国外転出の日の属する年分の所得税につき国税通則法第十九条第一項各号 又は第二項各号(修正申告)の事由が生じた場合には、第六十条の二第六項各号に掲げる場合に該当することとなつた日から四月以内に限り、税務署長に対し、修正申告書を提出することができる。
前項の規定による修正申告書の提出があつた場合における国税通則法の規定の適用については、
同法第七十条第一項(国税の更正、決定等の期間制限)中
「法定申告期限」とあり、
及び同法第七十二条第一項(国税の徴収権の消滅時効)中
「法定納期限」とあるのは、
「所得税法第百五十一条の二第一項(国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例)の規定により修正申告書を提出した日」と
する。
第六十条の三第一項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)に規定する有価証券等 又は同条第二項に規定する未決済信用取引等 若しくは同条第三項に規定する未決済デリバティブ取引に係る契約を贈与、相続 又は遺贈により非居住者に移転をした日の属する年分の所得税につき確定申告書を提出し、又は決定を受けた者(その相続人を含む。)は、当該確定申告書 又は決定に係る年分の総所得金額のうちに同条第六項前段(同条第七項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用がある当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額 若しくは雑所得の金額、当該未決済信用取引等の決済による事業所得の金額 若しくは雑所得の金額 又は当該未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 若しくは雑所得の金額が含まれていることにより、当該贈与の日 又は相続の開始の日の属する年分の所得税につき国税通則法第十九条第一項各号 又は第二項各号(修正申告)の事由が生じた場合には、第六十条の三第六項各号に掲げる場合に該当することとなつた日から四月以内に限り、税務署長に対し、修正申告書を提出することができる。
前項の規定による修正申告書の提出があつた場合における国税通則法の規定の適用については、
同法第七十条第一項(国税の更正、決定等の期間制限)中
「法定申告期限」とあり、
及び同法第七十二条第一項(国税の徴収権の消滅時効)中
「法定納期限」とあるのは、
「所得税法第百五十一条の三第一項(非居住者である受贈者等が帰国をした場合等の修正申告の特例)の規定により修正申告書を提出した日」と
する。
居住者が相続 又は遺贈により取得した第六十条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する有価証券等の譲渡をした場合において、当該譲渡の日以後に当該相続 又は遺贈に係る被相続人の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき、同条第六項本文(同条第七項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)若しくは第六十条の三第六項前段(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)(同条第七項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)の規定の適用があつたこと 又は第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)の規定による修正申告書の提出 若しくは第百五十三条の五(遺産分割等があつた場合の更正の請求の特例)の規定による更正の請求に基づく更正(当該請求に対する処分に係る不服申立て又は訴えについての決定 若しくは裁決 又は判決を含む。以下 この項、次項 及び第百五十三条の四(相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の更正の請求の特例)において同じ。)があつたことにより、次の各号に掲げる場合に該当し、かつ、当該居住者の当該譲渡の日の属する年分の所得税につき国税通則法第十九条第一項各号 又は第二項各号(修正申告)の事由が生じた場合には、当該居住者(その相続人を含む。)は、それぞれ次の各号に定める日から四月以内に、当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
第六十条の二第四項ただし書の規定の適用により当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上 必要経費 又は取得費として控除すべき金額が減少した場合
当該被相続人の所得税につき第百五十一条の二第一項(国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例)の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の二第一項(国外転出をした者が帰国をした場合等の更正の請求の特例)の規定による更正の請求に基づく更正があつた日
第六十条の三第四項ただし書の規定の適用があつたこと 又は同項本文の規定が適用されないこととなつたことにより、当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上必要経費 又は取得費として控除すべき金額が減少した場合
当該被相続人の所得税につき前条第一項 若しくは第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の三第一項(非居住者である受贈者等が帰国をした場合等の更正の請求の特例)若しくは第百五十三条の五の規定による更正の請求に基づく更正があつた日
居住者が相続 又は遺贈によりその契約の移転を受けた第六十条の二第二項に規定する未決済信用取引等 又は同条第三項に規定する未決済デリバティブ取引の決済をした場合において、当該決済の日以後に当該相続 又は遺贈に係る被相続人の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき、同条第六項本文 若しくは第六十条の三第六項前段の規定の適用があつたこと 又は第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書の提出 若しくは第百五十三条の五の規定による更正の請求に基づく更正があつたことにより、次の各号に掲げる場合に該当し、かつ、当該居住者の当該決済の日の属する年分の所得税につき国税通則法第十九条第一項各号 又は第二項各号の事由が生じた場合には、当該居住者(その相続人を含む。)は、それぞれ次の各号に定める日から四月以内に、当該決済の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
第六十条の二第四項ただし書の規定の適用により当該未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 減算すべき利益の額に相当する金額が減少した場合
当該被相続人の所得税につき第百五十一条の二第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の二第一項の規定による更正の請求に基づく更正があつた日
第六十条の三第四項ただし書の規定の適用があつたこと 又は同項本文の規定が適用されないこととなつたことにより、当該未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 減算すべき利益の額に相当する金額が減少した場合
当該被相続人の所得税につき前条第一項 若しくは第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の三第一項 若しくは第百五十三条の五の規定による更正の請求に基づく更正があつた日
第一項各号 又は前項各号に掲げる場合に該当することとなつた場合において、 修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額 その他の事項につき更正を行う。
第一項 又は第二項の規定による修正申告書 及び前項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。
当該修正申告書で第一項 又は第二項に規定する提出期限内に提出されたものについては、国税通則法第二十条(修正申告の効力)の規定を適用する場合を除き、 これを同法第十七条第二項(期限内申告)に規定する期限内申告書とみなす。
当該修正申告書で第一項 又は第二項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、
国税通則法第二章から 第七章まで(国税の納付義務の確定等)の規定中
「法定申告期限」とあり、
及び「法定納期限」とあるのは
「所得税法第百五十一条の四第一項 又は第二項(相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の修正申告の特例)に規定する修正申告書の提出期限」と、
同法第六十一条第一項第一号(延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)中
「期限内申告書」とあるのは
「所得税法第二条第一項第三十七号(定義)に規定する確定申告書」と、
同条第二項中
「期限内申告書 又は期限後申告書」とあるのは
「所得税法第百五十一条の四第一項 又は第二項(相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の修正申告の特例)の規定による修正申告書」と、
同法第六十五条第一項、第三項第二号 及び第四項第二号(過少申告加算税)中
「期限内申告書」とあるのは
「所得税法第二条第一項第三十七号(定義)に規定する確定申告書」と
する。
国税通則法第六十一条第一項第二号 及び第六十六条(無申告加算税)の規定は、前号に規定する修正申告書 及び更正には、適用しない。
第百二十五条第一項(年の中途で死亡した場合の確定申告)の規定による申告書の提出期限後に生じた次条第一項に規定する遺産分割等の事由(以下この条において「遺産分割等の事由」という。)により第六十条の三第一項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)の規定が適用されたため新たに第百二十五条第一項の規定による申告書を提出すべき要件に該当することとなつた居住者の相続人は、当該遺産分割等の事由が生じた日から四月以内に、当該居住者の死亡の日の属する年分の期限後申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該期限後申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
遺産分割等の事由が生じたことにより第六十条の三第一項の規定が適用されたため新たに第百二十五条第二項の規定による申告書を提出することができる要件に該当することとなつた居住者の相続人は、当該遺産分割等の事由が生じた後に、当該居住者の死亡の日の属する年分の同項の規定による申告書を提出することができる。
第百二十五条第三項の規定による申告書の提出期限後に生じた遺産分割等の事由により第六十条の三第一項の規定が適用されたため新たに第百二十五条第三項の規定による申告書を提出することができる要件に該当することとなつた居住者の相続人は、当該居住者の死亡の日の属する年分の期限後申告書を提出することができる。
第一項の規定により期限後申告書を提出すべき者が当該期限後申告書を提出しなかつた場合には、納税地の所轄税務署長は、当該期限後申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額 その他の事項につき決定を行う。
第一項の規定による期限後申告書 及び前項の決定に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。
当該期限後申告書で第一項に規定する提出期限内に提出されたものについては、これを国税通則法第十七条第二項(期限内申告)に規定する期限内申告書とみなす。
当該期限後申告書で第一項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該決定については、
国税通則法第二章から 第七章まで(国税の納付義務の確定等)の規定中
「法定申告期限」とあり、
及び「法定納期限」とあるのは、
「所得税法第百五十一条の五第一項(遺産分割等があつた場合の期限後申告等の特例)に規定する期限後申告書の提出期限」と
する。
第一項から 第三項までの規定による申告書を提出することによる還付金の国に対する請求権は、遺産分割等の事由が生じた日から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。
相続の開始の日の属する年分の所得税につき第六十条の三第一項から 第三項まで(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用を受けた居住者について生じた次に掲げる事由(以下 この項において「遺産分割等の事由」という。)により、非居住者に移転した相続 又は遺贈に係る同条第一項に規定する有価証券等 又は同条第二項に規定する未決済信用取引等 若しくは同条第三項に規定する未決済デリバティブ取引に係る契約(第一号において「対象資産」という。)が増加し、又は減少したことに基因して、当該居住者の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき国税通則法第十九条第一項各号 又は第二項各号(修正申告)の事由が生じた場合には、その相続人は、当該遺産分割等の事由が生じた日から四月以内に、当該相続の開始の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し、かつ、当該期限内に当該申告書の提出により納付すべき税額を納付しなければならない。
相続 又は遺贈に係る対象資産について民法(明治二十九年法律第八十九号)(第九百四条の二(寄与分)を除く。)の規定による相続分 又は包括遺贈の割合に従つて非居住者に移転があつたものとして第六十条の三第一項から 第三項までの規定の適用がされていた場合において、その後 当該対象資産の分割が行われ、当該分割により非居住者に移転した対象資産が当該相続分又は包括遺贈の割合に従つて非居住者に移転したものとされた対象資産と異なることとなつたこと。
民法第七百八十七条(認知の訴え) 又は第八百九十二条から 第八百九十四条まで(推定相続人の廃除等)の規定による認知、相続人の廃除又は その取消しに関する裁判の確定、同法第八百八十四条(相続回復請求権)に規定する相続の回復、同法第九百十九条第二項(相続の承認 及び放棄の撤回 及び取消し)の規定による相続の放棄の取消しその他の事由により相続人に異動を生じたこと。
遺贈に係る遺言書が発見され、又は遺贈の放棄があつたこと。
前三号に規定する事由に準ずるものとして政令で定める事由が生じたこと。
前項の規定に該当することとなつた場合において、 修正申告書の提出がないときは、納税地の所轄税務署長は、当該申告書に記載すべきであつた所得金額、所得税の額 その他の事項につき更正を行う。
第百五十一条の四第四項(相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の修正申告の特例)の規定は、第一項の規定による修正申告書 又は前項の更正について準用する。
この場合において、
同条第四項第一号 及び第二号中
「第一項 又は第二項に規定する提出期限」とあるのは
「第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)に規定する提出期限」と、
同号中
「第百五十一条の四第一項 又は第二項(相続により取得した有価証券等の取得費の額に変更があつた場合等の修正申告の特例)」とあるのは
「第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)」と
読み替えるものとする。
第七章 更正の請求の特例
確定申告書を提出し、又は決定を受けた居住者(その相続人を含む。)は、当該申告書 又は決定に係る年分の各種所得の金額につき第六十三条(事業を廃止した場合の必要経費の特例)又は第六十四条(資産の譲渡代金が回収不能となつた場合等の所得計算の特例)に規定する事実 その他これに準ずる政令で定める事実が生じたことにより、国税通則法第二十三条第一項各号(更正の請求)の事由が生じたときは、当該事実が生じた日の翌日から二月以内に限り、税務署長に対し、当該申告書 又は決定に係る第百二十条第一項第一号 若しくは第三号から 第五号まで(確定所得申告)、第百二十二条第一項第一号から 第三号まで(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第一号、第五号、第七号 若しくは第八号(確定損失申告)に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出 又は更正があつた場合には、その申告 又は更正後の金額)について、同法第二十三条第一項の規定による更正の請求をすることができる。
この場合においては、更正請求書には、同条第三項に規定する事項のほか、当該事実が生じた日を記載しなければならない。
確定申告書に記載すべき第百二十条第一項第一号 若しくは第三号から 第五号まで(確定所得申告)、第百二十二条第一項第一号から 第三号まで(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第一号 若しくは第五号から 第八号まで(確定損失申告)に掲げる金額につき、修正申告書を提出し、又は更正 若しくは決定を受けた居住者(その相続人を含む。)は、その修正申告書の提出 又は更正 若しくは決定に伴い次の各号に掲げる場合に該当することとなるときは、その修正申告書を提出した日 又は その更正 若しくは決定の通知を受けた日の翌日から二月以内に限り、税務署長に対し、当該各号に規定する金額につき国税通則法第二十三条第一項(更正の請求)の規定による更正の請求(次条から 第百五十三条の六まで(国外転出をした者が帰国をした場合等の更正の請求の特例等)、第百五十九条(更正等による源泉徴収税額等の還付)及び第百六十条(更正等による予納税額の還付)において「更正の請求」という。)をすることができる。
この場合においては、更正請求書には、同法第二十三条第三項に規定する事項のほか、その修正申告書を提出した日 又は その更正 若しくは決定の通知を受けた日を記載しなければならない。
その修正申告書 又は更正 若しくは決定に係る年分の翌年分以後の各年分で決定を受けた年分に係る第百二十条第一項第三号から 第五号までに掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出 又は更正があつた場合には、その申告 又は更正後の金額)が過大となる場合
その修正申告書 又は更正 若しくは決定に係る年分の翌年分以後の各年分で決定を受けた年分に係る第百二十二条第一項第二号 若しくは第三号 又は第百二十三条第二項第七号 若しくは第八号に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出 又は更正があつた場合には、その申告 又は更正後の金額)が過少となる場合
第六十条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する国外転出の日の属する年分の所得税につき確定申告書を提出し、又は決定を受けた者(その相続人を含む。)は、当該確定申告書 又は決定に係る年分の総所得金額のうちに同条第六項本文(同条第七項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用がある同条第六項に規定する有価証券等に係る譲渡所得等の金額が含まれていることにより、当該年分の所得税につき次に掲げる場合に該当することとなるときは、同項各号に掲げる場合に該当することとなつた日から四月以内に、税務署長に対し、更正の請求をすることができる。
第百二十条第一項第三号から 第五号まで(確定所得申告)に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出 又は更正があつた場合には、その申告 又は更正後の金額)が過大となる場合
第百二十二条第一項第一号から 第三号まで(還付等を受けるための申告) 又は第百二十三条第二項第一号 若しくは第五号から 第八号まで(確定損失申告)に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出 又は更正があつた場合には、その申告 又は更正後の金額)が過少となる場合
前項の規定は、第六十条の二第八項(同条第九項において準用する場合を含む。)の規定の適用がある個人について準用する。
この場合において、
前項中
「同条第六項本文(同条第七項の規定により適用する場合を含む。)」とあるのは
「同条第八項(同条第九項において準用する場合を含む。)」と、
「同項各号に掲げる場合に該当することとなつた日」とあるのは
「同条第八項 又は第九項に規定する譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転の日」と
読み替えるものとする。
第一項の規定は、第六十条の二第十項の規定の適用がある個人について準用する。
この場合において、
第一項中
「同条第六項本文(同条第七項の規定により適用する場合を含む。)」とあるのは
「同条第十項」と、
「同項各号に掲げる場合に該当することとなつた日」とあるのは
「同日から五年を経過する日(その者が第百三十七条の二第二項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日)」と
読み替えるものとする。
第六十条の三第一項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)に規定する有価証券等 又は同条第二項に規定する未決済信用取引等 若しくは同条第三項に規定する未決済デリバティブ取引に係る契約を贈与、相続 又は遺贈により非居住者に移転をした日の属する年分の所得税につき確定申告書を提出し、又は決定を受けた者(その相続人を含む。)は、当該確定申告書 又は決定に係る年分の総所得金額のうちに同条第六項前段(同条第七項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用がある当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額 若しくは雑所得の金額、 当該未決済信用取引等の決済による事業所得の金額 若しくは雑所得の金額 又は当該未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 若しくは雑所得の金額が含まれていることにより、当該年分の所得税につき前条第一項各号に掲げる場合に該当することとなるときは、第六十条の三第六項各号に掲げる場合に該当することとなつた日から四月以内に、税務署長に対し、更正の請求をすることができる。
前項の規定は、第六十条の三第八項(同条第十項において準用する場合を含む。)の規定の適用がある同条第八項に規定する猶予適用相続人 並びに同条第十項第一号に規定する個人 及び同項第二号に掲げる者について準用する。
この場合において、
前項中
「同条第六項前段(同条第七項の規定により適用する場合を含む。)」とあるのは
「同条第八項(同条第十項において準用する場合を含む。)」と、
「第六十条の三第六項各号に掲げる場合に該当することとなつた日」とあるのは
「第六十条の三第八項 又は第十項に規定する譲渡 若しくは決済 又は限定相続等による移転の日」と
読み替えるものとする。
第一項の規定は、第六十条の三第十一項の規定の適用がある同項に規定する猶予適用贈与者 又は猶予適用相続人の適用被相続人等について準用する。
この場合において、
第一項中
「同条第六項前段(同条第七項の規定により適用する場合を含む。)」とあるのは
「同条第十一項」と、
「第六十条の三第六項各号に掲げる場合に該当することとなつた日」とあるのは
「当該贈与の日 又は相続の開始の日から五年を経過する日(当該贈与、相続 又は遺贈に係る第六十条の三第十一項に規定する猶予適用贈与者 又は猶予適用相続人が第百三十七条の三第三項(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定により同条第一項 又は第二項の規定による納税の猶予を受けている場合にあつては、十年を経過する日)」と
読み替えるものとする。
居住者が相続 又は遺贈により取得した第六十条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する有価証券等の譲渡をした場合において、当該譲渡の日以後に当該相続 又は遺贈に係る被相続人の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき、同条第六項本文(同条第七項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。) 若しくは第六十条の三第六項前段(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)(同条第七項の規定により適用する場合を含む。次項において同じ。)の規定の適用があつたこと又は第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)の規定による修正申告書の提出 若しくは次条の規定による更正の請求に基づく更正があつたことにより、次の各号に掲げる場合に該当し、かつ、当該居住者の当該譲渡の日の属する年分の所得税につき第百五十三条の二第一項各号(国外転出をした者が帰国をした場合等の更正の請求の特例)に掲げる場合に該当することとなるときは、当該居住者(その相続人を含む。)は、それぞれ次の各号に定める日から四月以内に、税務署長に対し、当該譲渡の日の属する年分の所得税について更正の請求をすることができる。
第六十条の二第四項ただし書の規定の適用により当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 必要経費 又は取得費として控除すべき金額が増加した場合
当該被相続人の所得税につき第百五十一条の二第一項(国外転出をした者が帰国をした場合等の修正申告の特例)の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の二第一項の規定による更正の請求に基づく更正があつた日
第六十条の三第四項ただし書の規定の適用があつたこと 又は同項本文の規定が適用されないこととなつたことにより、当該有価証券等の譲渡による事業所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算上 必要経費 又は取得費として控除すべき金額が増加した場合
当該被相続人の所得税につき第百五十一条の三第一項(非居住者である受贈者等が帰国をした場合等の修正申告の特例)若しくは第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は前条第一項 若しくは次条の規定による更正の請求に基づく更正があつた日
居住者が相続 又は遺贈によりその契約の移転を受けた第六十条の二第二項に規定する未決済信用取引等 又は同条第三項に規定する未決済デリバティブ取引の決済をした場合において、当該決済の日以後に当該相続 又は遺贈に係る被相続人の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき、同条第六項本文 若しくは第六十条の三第六項前段の規定の適用があつたこと又は第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書の提出 若しくは次条の規定による更正の請求に基づく更正があつたことにより、次の各号に掲げる場合に該当し、かつ、当該居住者の当該決済の日の属する年分の所得税につき第百五十三条の二第一項各号に掲げる場合に該当することとなるときは、当該居住者(その相続人を含む。)は、それぞれ次の各号に定める日から四月以内に、税務署長に対し、当該決済の日の属する年分の所得税について更正の請求をすることができる。
第六十条の二第四項ただし書の規定の適用により当該未決済信用取引等又は未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算上加算すべき損失の額に相当する金額が減少した場合
当該被相続人の所得税につき第百五十一条の二第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は第百五十三条の二第一項の規定による更正の請求に基づく更正があつた日
第六十条の三第四項ただし書の規定の適用があつたこと 又は同項本文の規定が適用されないこととなつたことにより、当該未決済信用取引等 又は未決済デリバティブ取引の決済による事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算上加算すべき損失の額に相当する金額が減少した場合
当該被相続人の所得税につき第百五十一条の三第一項 若しくは第百五十一条の六第一項の規定による修正申告書を提出した日 又は前条第一項 若しくは次条の規定による更正の請求に基づく更正があつた日
相続の開始の日の属する年分の所得税につき第六十条の三第一項から 第三項まで(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用を受けた居住者について生じた第百五十一条の六第一項(遺産分割等があつた場合の修正申告の特例)に規定する遺産分割等の事由により、非居住者に移転した相続 又は遺贈に係る同項に規定する対象資産が減少し、又は増加したことに基因して、 当該居住者の当該相続の開始の日の属する年分の所得税につき第百五十三条の二第一項各号(国外転出をした者が帰国をした場合等の更正の請求の特例)に掲げる場合に該当することとなるときは、その相続人は、当該遺産分割等の事由が生じた日から四月以内に、税務署長に対し、更正の請求をすることができる。
第六十条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)に規定する国外転出の日の属する年分の所得税につき確定申告書を提出した者(その相続人を含む。)は、第九十五条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例に係る外国税額控除の特例)(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用がある同条第一項に規定する外国所得税を納付することとなることにより、当該年分の所得税につき第百五十三条の二第一項第一号(国外転出をした者が帰国をした場合等の更正の請求の特例)に掲げる場合に該当することとなるときは、当該外国所得税を納付することとなる日から四月以内に、税務署長に対し、更正の請求をすることができる。
第八章 更正及び決定
所得税に係る更正 又は決定については、国税通則法第二十四条から 第二十六条まで(更正・決定)に規定する事項のほか、第百二十条第一項第六号 又は第七号(確定所得申告)に掲げる事項についても行うことができる。
この場合において、当該事項につき更正 又は決定をするときは、
同法第二十八条第二項 及び第三項(更正 又は決定の手続)中
「税額等」とあるのは、
「税額等 並びに所得税法第百二十条第一項第六号 又は第七号(確定所得申告)に掲げる事項」と
する。
所得税につき更正 又は決定をする場合における国税通則法第二十八条第一項に規定する更正通知書 又は決定通知書には、同条第二項 又は第三項に規定する事項を記載するほか、その更正 又は決定に係る第百二十条第一項第一号に掲げる金額 又は第百二十三条第二項第一号(確定損失申告)に掲げる純損失の金額についての第二条第一項第二十一号(定義)に規定する所得別の内訳を付記しなければならない。
税務署長は、居住者の提出した青色申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額 若しくは山林所得金額 又は純損失の金額の更正をする場合には、その居住者の帳簿書類を調査し、その調査によりこれらの金額の計算に誤りがあると認められる場合に限り、これをすることができる。
ただし、次に掲げる場合は、その帳簿書類を調査しないでその更正をすることを妨げない。
その更正が不動産所得の金額、事業所得の金額 及び山林所得の金額以外の各種所得の金額の計算又は第六十九条から 第七十一条まで(損益通算 及び損失の繰越控除)の規定の適用について誤りがあつたことのみに基因するものである場合
当該申告書 及びこれに添附された書類に記載された事項によつて、不動産所得の金額、事業所得の金額 又は山林所得の金額の計算がこの法律の規定に従つていないことその他 その計算に誤りがあることが明らかである場合
税務署長は、居住者の提出した青色申告書に係る年分の総所得金額、 退職所得金額 若しくは山林所得金額 又は純損失の金額の更正(前項第一号に規定する事由のみに基因するものを除く。)をする場合には、その更正に係る国税通則法第二十八条第二項(更正通知書の記載事項)に規定する更正通知書にその更正の理由を附記しなければならない。
税務署長は、居住者に係る所得税につき更正 又は決定をする場合には、その者の財産 若しくは債務の増減の状況、収入 若しくは支出の状況 又は生産量、販売量 その他の取扱量、従業員数その他事業の規模によりその者の各年分の各種所得の金額 又は損失の金額(その者の提出した青色申告書に係る年分の不動産所得の金額、事業所得の金額 及び山林所得の金額 並びにこれらの金額の計算上生じた損失の金額を除く。)を推計して、これをすることができる。
税務署長は、次に掲げる法人の行為 又は計算で、 これを容認した場合には その株主等である居住者 又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者(その法人の株主等である非居住者と当該特殊の関係のある居住者を含む。第四項において同じ。)の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に係る更正 又は決定に際し、その行為 又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の第百二十条第一項第一号 若しくは第三号から 第五号まで(確定所得申告)、第百二十二条第一項第一号から 第三号まで(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第一号、第三号、第五号 若しくは第七号(確定損失申告)に掲げる金額を計算することができる。
法人税法第二条第十号(定義)に規定する同族会社
イから ハまでのいずれにも該当する法人
三以上の支店、工場 その他の事業所を有すること。
その事業所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任 その他のその事業所に係る事業の主宰者 又は当該主宰者の親族 その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人(以下 この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること。
ロに規定する事実がある事業所の所長等の有するその法人の株式 又は出資の数 又は金額の合計額がその法人の発行済株式 又は出資(その法人が有する自己の株式 又は出資を除く。)の総数 又は総額の三分の二以上に相当すること。
前項の場合において、法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為 又は計算の事実のあつた時の現況によるものとする。
第一項の規定は、同項各号に掲げる法人の行為 又は計算につき、法人税法第百三十二条第一項(同族会社等の行為 又は計算の否認)若しくは相続税法第六十四条第一項(同族会社等の行為 又は計算の否認等) 又は地価税法(平成三年法律第六十九号)第三十二条第一項(同族会社等の行為 又は計算の否認等)の規定の適用があつた場合における第一項の居住者の所得税に係る更正 又は決定について準用する。
税務署長は、合併(法人課税信託に係る信託の併合を含む。)、分割(法人課税信託に係る信託の分割を含む。)、現物出資 若しくは 法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配 又は同条第十二号の十六に規定する株式交換等 若しくは株式移転(以下 この項において「合併等」という。)をした法人 又は合併等により資産 及び負債の移転を受けた法人(当該合併等により交付された株式 又は出資を発行した法人を含む。以下 この項において同じ。)の行為 又は計算で、 これを容認した場合には当該合併等をした法人 若しくは当該合併等により資産 及び負債の移転を受けた法人の株主等である居住者 又はこれと第一項に規定する特殊の関係のある居住者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に関する更正 又は決定に際し、その行為 又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の第百二十条第一項第一号 若しくは第三号から 第五号まで、第百二十二条第一項第一号から 第三号まで 又は第百二十三条第二項第一号、第三号、第五号 若しくは第七号に掲げる金額を計算することができる。
法人に十五以上の支店、工場 その他の事業所がある場合において、その事業所の三分の二以上に当たる事業所につき、その事業所の所長、主任 その他のその事業所に係る事業の主宰者 又は当該主宰者の親族 その他の当該主宰者と政令で定める特殊の関係のある個人が前に当該事業所において個人として同一事業を営んでいた事実があるときは、その法人の各事業所における資金の預入 及び借入れ、商品の仕入れ 及び販売 その他の取引のすべてがその法人の名で行なわれている場合を除き、税務署長は、当該各事業所の主宰者が当該各事業所から生ずる収益を享受する者であると推定して、更正 又は決定をすることができる。
居住者の各年分の所得税につき更正(当該所得税についての処分等(更正の請求に対する処分 又は国税通則法第二十五条(決定)の規定による決定をいう。)に係る不服申立て又は訴えについての決定 若しくは裁決 又は判決を含む。以下 この条 及び次条において「更正等」という。)があつた場合において、その更正等により第百二十二条第一項第一号 若しくは第二号(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第六号 若しくは第七号(確定損失申告)に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、その者に対し、その増加した部分の金額に相当する所得税を還付する。
前項の場合において、同項の規定による還付金の額の計算の基礎となつた第百二十二条第一項第二号 又は第百二十三条第二項第七号に規定する源泉徴収税額のうちにまだ納付されていないものがあるときは、前項の規定による還付金の額のうちその納付されていない部分の金額に相当する金額については、その納付があるまでは、還付しない。
第一項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項の更正等の日の翌日以後一月を経過する日(当該更正等が次の各号に掲げるものである場合には、当該各号に定める日。以下 この項において「一月経過日」という。)(当該一月経過日後に納付された前項に規定する源泉徴収税額に係る還付金については、その納付の日)の翌日から その還付のための支払決定をする日 又は その還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間とする。
第一項の規定による還付金
同項の決定の日
第二項の規定による還付金
同項の更正等の日の翌日以後一月を経過する日(当該更正等が次に掲げるものである場合には、それぞれ次に定める日)
第一項の規定による還付金を同項の更正等に係る年分の所得税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を付さないものとし、その充当される部分の所得税については、延滞税を免除するものとする。
前三項に定めるもののほか、第一項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法 その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者の各年分の所得税につき更正等があつた場合において、その更正等により第百二十二条第一項第三号(還付等を受けるための申告)又は第百二十三条第二項第八号(確定損失申告)に掲げる金額が増加したときは、税務署長は、その者に対し、その増加した部分の金額に相当するこれらの規定に規定する予納税額(次項から 第四項までにおいて「予納税額」という。)を還付する。
税務署長は、前項の規定による還付金の還付をする場合において、同項に規定する年分の予納税額について納付された延滞税があるときは、その額のうち、同項の規定により還付される予納税額に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額を併せて還付する。
第一項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第五十八条第一項(還付加算金)の期間は、第一項の規定により還付すべき予納税額の納付の日(その予納税額がその納期限前に納付された場合には、その納期限)の翌日から その還付のための支払決定をする日 又は その還付金につき充当をする日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日。第二号において「充当日」という。)までの期間とする。
ただし、その年分の所得税に係る確定申告期限(その確定申告期限後にその予納税額が納付された場合には、その納付の日)の翌日から 次に掲げる日のうちいずれか早い日までの日数は、当該期間に算入しない。
第一項の更正等の日の翌日以後一月を経過する日(当該更正等が次に掲げるものである場合には、それぞれ次に定める日)
更正の請求に基づく更正(当該請求に対する処分に係る不服申立て又は訴えについての決定若しくは裁決又は判決を含む。イにおいて同じ。)
当該請求の日の翌日以後三月を経過する日と当該請求に基づく更正の日の翌日以後一月を経過する日とのいずれか早い日
国税通則法第二十五条(決定)の規定による決定に係る更正(当該決定に係る不服申立て又は訴えについての決定若しくは裁決又は判決を含み、更正の請求に基づく更正及びその年分の総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の計算の基礎となつた事実のうちに含まれていた無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われたこと、当該事実のうちに含まれていた取り消しうべき行為が取り消されたことその他これらに準ずる政令で定める理由に基づき行われた更正を除く。)
当該決定の日
第一項の規定による還付金をその額の計算の基礎とされた予納税額に係る年分の所得税で未納のものに充当する場合には、その還付金の額のうちその充当する金額については、還付加算金を付さないものとし、その充当される部分の所得税については、延滞税を免除するものとする。
第二項の規定による還付金については、還付加算金は、付さない。
前三項に定めるもののほか、第一項の規定による還付金(これに係る還付加算金を含む。)につき充当をする場合の方法 その他同項 又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。