火薬類取締法

昭和二十五年法律第百四十九号
略称 : 火取法 
分類 法律
カテゴリ   工業
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 07月26日 14時52分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 事業

  • 第三章 保安

    • 第一節 保安
    • 第二節 完成検査及び保安検査に係る認定
    • 第三節 指定試験機関
    • 第四節 指定完成検査機関及び指定保安検査機関
  • 第四章 雑則

  • 第五章 罰則

第一章 総則

1項
この法律は、火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費 その他の取扱を規制することにより、火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする。
1項

この法律において「火薬類」とは、左に掲げる火薬、爆薬 及び火工品をいう。

一 号
火薬
黒色火薬 その他硝酸塩を主とする火薬
無煙火薬 その他硝酸エステルを主とする火薬

その他 又はに掲げる火薬と同等に推進的爆発の用途に供せられる火薬であつて経済産業省令で定めるもの

二 号
爆薬

雷こう、アジ化鉛 その他の起爆薬

硝安爆薬、塩素酸カリ爆薬、カーリツト その他硝酸塩、塩素酸塩 又は過塩素酸塩を主とする爆薬
ニトログリセリン、ニトログリコール 及び爆発の用途に供せられるその他の硝酸エステル
ダイナマイト その他の硝酸エステルを主とする爆薬

爆発の用途に供せられるトリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸、トリニトロクロルベンゼン、テトリル、トリニトロアニソール、ヘキサニトロジフエニルアミン、トリメチレントリニトロアミン、ニトロ基を三以上含むその他のニトロ化合物 及びこれらを主とする爆薬

液体酸素爆薬 その他の液体爆薬

その他イからヘまでに掲げる爆薬と同等に破壊的爆発の用途に供せられる爆薬であつて経済産業省令で定めるもの

三 号
火工品
工業雷管、電気雷管、銃用雷管 及び信号雷管
実包 及び空包
信管 及び火管
導爆線、導火線 及び電気導火線

信号焔管 及び信号火せん

煙火 その他前二号に掲げる火薬 又は爆薬を使用した火工品(経済産業省令で定めるものを除く

2項

この法律において「がん具煙火」とは、がん具として用いられる煙火 その他のこれに類する煙火であつて、経済産業省令で定めるものをいう。

第二章 事業

1項

火薬類の製造(変形 又は修理を含む。以下同じ。)の業を営もうとする者は、製造所ごとに、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。


ただし対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律平成十年法律第百十六号)第二条に規定する対人地雷 及びクラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律平成二十一年法律第八十五号第二条第一項に規定するクラスター弾等の製造の業を営もうとする者は、この限りでない。

1項

火薬類の製造は、前条の許可を受けた者(以下「製造業者」という。)でなければ、することができない。


但し、理化学上の実験、鳥獣の捕獲 若しくは駆除、射的練習 又は医療の用に供するため製造する火薬類で、経済産業省令で定める数量以下のものを製造する場合は、この限りでない。

1項

火薬類の販売の業を営もうとする者は、販売所ごとに、経済産業省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。


ただし、製造業者が、その製造した火薬類をその製造所において販売する場合は、この限りでない。

1項

次の各号いずれかに該当する者には、第三条 又は前条の許可を与えない。

一 号

第四十四条の規定により許可を取り消され、取消しの日から三年を経過していない者

二 号

禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、三年を経過していない者

三 号
心身の故障により火薬類の製造 又は販売の業を適正に行うことができない者として経済産業省令で定めるもの
四 号

法人 又は団体であつて、その業務を行う役員のうちに前三号いずれかに該当する者があるもの

1項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、第三条 又は第五条の許可の申請があつた場合には、その申請を審査し、第三条の許可の申請については左の各号に適合し、第五条の許可の申請については第三号 及び第四号に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。

一 号
製造施設の構造、位置 及び設備が、経済産業省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
二 号
製造の方法が、経済産業省令で定める技術上の基準に適合するものであること。
三 号
製造 又は販売の業を適確に遂行するに足りる技術的能力があること。
四 号
その他製造 又は販売が、公共の安全の維持 又は災害の発生の防止に支障のないものであること。
1項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、製造業者 又は第五条の許可を受けた者(以下「販売業者」という。)が、正当な理由がないのに、一年以内にその事業を開始せず、又は一年以上引き続きその事業を休止したときは、その許可を取り消すことができる。

1項

製造業者は、その製造施設を、その構造、位置 及び設備が、第七条第一号の技術上の基準に適合するように維持しなければならない。

2項

製造業者は、第七条第二号の技術上の基準に従つて火薬類を製造しなければならない。

3項

経済産業大臣は、製造業者の製造施設 又は製造方法が、第七条第一号 又は第二号の技術上の基準に適合していないと認めるときは、技術上の基準に適合するように製造施設を修理し、改造し、若しくは移転し、又は技術上の基準に従い火薬類を製造すべきことを命ずることができる。

1項

製造業者が、製造施設の位置、構造 若しくは設備の変更の工事をし、又はその製造する火薬類の種類 若しくはその製造方法を変更しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。


ただし、製造施設の位置、構造 又は設備について経済産業省令で定める軽微な変更の工事をしようとするときは、この限りでない。

2項

製造業者は、前項ただし書の軽微な変更の工事をしたときは、その完成後遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

3項

第七条の規定は、第一項の許可に準用する。

1項

火薬類の貯蔵は、火薬庫においてしなければならない。


但し、経済産業省令で定める数量以下の火薬類については、この限りでない。

2項

火薬類の貯蔵は、経済産業省令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。

3項

都道府県知事は、火薬類の貯蔵が、前項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、貯蔵者に対し、技術上の基準に従つて火薬類を貯蔵すべきことを命ずることができる。

1項

火薬庫を設置し、移転し 又はその構造 若しくは設備を変更しようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。


ただし、火薬庫の構造 又は設備について経済産業省令で定める軽微な変更の工事をしようとするときは、この限りでない。

2項

火薬庫の所有者 又は占有者は、前項ただし書の軽微な変更の工事をしたときは、その完成後遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

3項

都道府県知事は、第一項の規定による許可の申請があつた場合において、その火薬庫の構造、位置 及び設備が、経済産業省令で定める技術上の基準に適合するものであると認めるときでなければ、許可をしてはならない。

1項
火薬庫の譲渡 又は引渡があつたときは、譲受人 又は引渡を受けた者は、火薬庫の設置の許可を受けた者の地位を承継する。
2項

前項の規定により火薬庫の設置の許可を受けた者の地位を承継した者は、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

1項

製造業者 又は販売業者は、もつぱら自己の用に供する火薬庫を所有し、又は占有しなければならない。


但し、土地の事情等のためやむを得ない場合において都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない。

1項

火薬庫の所有者 又は占有者は、火薬庫を、その構造、位置 及び設備が第十二条第三項の技術上の基準に適合するように維持しなければならない。

2項

都道府県知事は、火薬庫の構造、位置 及び設備が、第十二条第三項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、火薬庫の所有者 又は占有者に対し、技術上の基準に適合するように、火薬庫を修理し、改造し、又は移転すべきことを命ずることができる。

1項

第三条の許可 又は第十二条第一項の許可(変更に係るものを除く)を受けた者は、火薬類の製造施設の設置 又は火薬庫の設置 若しくは移転の工事をした場合には、経済産業省令で定めるところにより、製造施設 又は火薬庫につき経済産業大臣 又は都道府県知事が行う完成検査を受け、これらが、第七条第一号 又は第十二条第三項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。


ただし、火薬類の製造施設 又は火薬庫につき、経済産業大臣が指定する者(以下「指定完成検査機関」という。)が行う完成検査を受け、これらが第七条第一号 又は第十二条第三項の技術上の基準に適合していると認められ、その旨を経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出た場合は、この限りでない。

2項

第十条第一項の許可 又は第十二条第一項の許可(変更に係るものに限る)を受けた者は、火薬類の製造施設の位置、構造 若しくは設備の変更 又は火薬庫の構造 若しくは設備の変更の工事(以下「変更工事」という。)をしたときは、製造施設 又は火薬庫につき、経済産業大臣 又は都道府県知事が行う完成検査を受け、これらが第七条第一号 又は第十二条第三項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。


ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

一 号

火薬類の製造施設 又は火薬庫につき、指定完成検査機関が行う完成検査を受け、これらが第七条第一号 又は第十二条第三項の技術上の基準に適合していると認められ、その旨を経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出た場合

二 号

自ら変更工事に係る完成検査を行うことができる者として経済産業大臣の認定を受けている者(以下「認定完成検査実施者」という。)が、第四十五条の三の十第一項の規定により検査の記録を経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出た場合

3項

指定完成検査機関は、第一項ただし書 又は前項第一号の完成検査を行つたときは、遅滞なく、その結果を経済産業大臣 又は都道府県知事に報告しなければならない。

4項

第一項 及び第二項の経済産業大臣、都道府県知事 又は指定完成検査機関が行う完成検査の方法は、経済産業省令で定める。

1項
製造業者 又は販売業者が、その営業の全部 又は一部を廃止したときは、遅滞なく その旨を経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出なければならない。
2項
火薬庫の所有者 又は占有者は、その火薬庫の用途を廃止したときは、遅滞なく その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
1項

火薬類を譲り渡し、又は譲り受けようとする者は、経済産業省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。


ただし次の各号いずれかに該当するときは、この限りでない。

一 号
製造業者が、火薬類を製造する目的で譲り受け、又はその製造した火薬類を譲り渡すとき。
二 号
販売業者が、火薬類を販売する目的で譲り受け、又はその譲り受けた火薬類を譲り渡すとき。
三 号

鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律平成十四年法律第八十八号)第九条第一項の規定による鳥獣の捕獲(殺傷を含む。以下 この号において同じ。)をすることの許可を受けた者(当該許可を受けた者が同条第八項に規定する法人である場合にあつては、同項に規定する従事者証の交付を受けた者)若しくは同法第十四条の二第八項に規定する都道府県等(当該都道府県等が法人である場合にあつては、同条第九項の規定により当該都道府県等を同法第九条第一項の規定による都道府県知事の許可を受けた者とみなして適用する同条第八項に規定する従事者証の交付を受けた者)であつて装薬銃を使用するもの又は同法第五十五条第二項に規定する狩猟者登録を受けた者が、鳥獣の捕獲をする目的で経済産業省令で定める数量以下の火薬類を譲り受けるとき。

四 号

鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)により鉱物の試掘 又は採掘をする者が、鉱物を掘採する目的で経済産業省令で定める数量以下の火薬類を譲り受けるとき。

五 号

第二十四条第一項の許可を受けて火薬類を譲り受けるとき。

六 号
法令に基づきその事務 又は事業のために火薬類を消費する者が、その目的で火薬類を譲り受けるとき。
2項

都道府県知事は、譲渡 又は譲受けの目的が明らかでないとき、その他譲渡 又は譲受けが、公共の安全の維持に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、前項の許可をしてはならない。

3項

都道府県知事は、第一項の許可をした後において、その許可に係る火薬類の譲渡 又は譲受けが公共の安全の維持に支障を及ぼすおそれが生じたと認めるときは、引渡し前に限り、その許可を取り消すことができる。

4項

都道府県知事が、第一項の許可をしたときは、経済産業省令で定めるところにより、譲渡許可証 又は譲受許可証を交付しなければならない。

5項

製造業者 又は販売業者は、譲受人が第一項各号いずれかに該当することを確認した場合 又は譲受人が前項の譲受許可証を提示した場合でなければ、火薬類を譲り渡してはならない。

6項

譲渡許可証 又は譲受許可証の有効期間は、一年以内で都道府県知事が当該譲渡 又は譲受けに必要であると認めて定めた期間とする。

7項
譲渡許可証 又は譲受許可証の記載事項に変更を生じたときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく交付を受けた都道府県知事に届け出て、その書換えを受けなければならない。
8項

譲渡許可証 又は譲受許可証を喪失し、汚損し、又は盗取されたときは、経済産業省令で定めるところにより、その事由を付して交付を受けた都道府県知事にその再交付を文書で申請しなければならない。

9項
不要となつた譲渡許可証 又は譲受許可証の返納に関し必要な事項は、政令で定める。
1項
何人も、火薬類の行商をし、又は露店 その他屋外で火薬類を販売してはならない。
1項

火薬類を運搬しようとする場合は、その荷送人(他に運搬を委託しないで運搬する場合にあつては、その者)は、内閣府令で定めるところにより、その旨を出発地を管轄する都道府県公安委員会に届け出て、届出を証明する文書(以下「運搬証明書」という。)の交付を受けなければならない。


ただし、船舶 又は航空機のみにより火薬類を運搬する場合 及び内閣府令で定める数量以下の火薬類を運搬する場合は、この限りでない。

2項

都道府県公安委員会は、前項の届出があつた場合において、災害の発生の防止 又は公共の安全の維持のため必要があると認めるときは、運搬の日時、通路 若しくは方法 又は運搬される火薬類の性状 若しくは積載方法について、必要な指示をすることができる。

3項

都道府県公安委員会は、前項の指示をしたときは、その指示の内容を運搬証明書に記載しなければならない。

4項

第十七条第六項から第九項までの規定は、運搬証明書の有効期間、書換え、再交付 及び返納について準用する。


この場合において、

これらの規定中
都道府県知事」とあるのは
「都道府県公安委員会」と、

経済産業省令」とあるのは
「内閣府令」と

読み替えるものとする。

5項

運搬が二以上の都道府県にわたることとなる場合において、経過地における災害の発生の防止 又は公共の安全の維持のため必要となる都道府県公安委員会の間の連絡については、政令で定める。

1項

火薬類を運搬する場合は、運搬証明書を携帯してしなければならない。


ただし前条第一項ただし書の規定により運搬証明書の交付を受けることを要しない場合は、この限りでない。

2項

火薬類を運搬する場合(船舶 又は航空機により運搬する場合を除く)は、通路、積載方法 及び運搬方法について内閣府令(鉄道、軌道、索道 及び無軌条電車については、国土交通省令)で定める技術上の基準 及び前条第一項の規定により運搬証明書の交付を受けることを要する場合にはその運搬証明書に記載された内容に従つてしなければならない。

1項

火薬類は、法令に基づく場合 又は次の各号いずれかに該当する場合のほか、所持してはならない。

一 号

製造業者 又は第四条ただし書の規定により火薬類を製造する者が、その製造した火薬類を所持するとき。

二 号
販売業者が、所持するとき。
三 号

第十七条第一項の規定により火薬類を譲り受けることができる者が、その火薬類を所持するとき。

四 号

第二十四条第一項の許可を受けて輸入した者が、その火薬類を所持するとき。

五 号
運送、貯蔵 その他の取扱を委託された者が、その委託を受けた火薬類を所持するとき。
六 号
相続 又は遺贈により火薬類の所有権を取得した者が、その火薬類を所持するとき。
七 号
法人の合併 又は分割により火薬類の所有権を取得した者が、その火薬類を所持するとき。
八 号

火薬類を所持することができる者が、次条の規定に該当し、譲渡 又は廃棄をしなければならない場合に、その措置をするまでの間所持するとき。

九 号

前各号に掲げる者の従業者が、その職務上火薬類を所持するとき。

1項

製造業者 若しくは販売業者が、第八条 若しくは第四十四条の許可の取消しその他の事由により営業を廃止した場合、火薬類を消費する目的で第十七条第一項 若しくは第二十四条第一項の規定により火薬類の譲受け 若しくは輸入の許可を受けた者が、その火薬類を消費し、若しくは消費することを要しなくなつた場合 又は第二十五条第一項の規定により火薬類の消費の許可を受けた者がその許可を取り消された場合において、なお火薬類の残量があるときは、遅滞なく その火薬類を譲り渡し、又は廃棄しなければならない。


相続 若しくは遺贈 又は法人の合併 若しくは分割により火薬類の所有権を取得した者が、その火薬類を消費することを要しなくなつたとき、及び鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律第五十五条第二項に規定する狩猟者登録を受けた者であつて装薬銃を使用するものが、登録の有効期間満了の際火薬類を所持する場合において、その満了の日から一年を経過したときも、同様とする。

1項

十八歳未満の者は、火薬類の取扱いをしてはならない。

2項

何人も、十八歳未満の者 又は心身の障害により火薬類の取扱いに伴う危害を予防するための措置を適正に行うことができない者として政令で定めるものに、火薬類の取扱いをさせてはならない。

3項

前二項の規定は、がん具煙火の譲渡、譲受 又は消費、火薬類を包装する作業等の危険の少ない取扱いであつて経済産業省令で定めるものについては、適用しない

1項
火薬類を輸入しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2項

都道府県知事は、輸入の目的が明らかでないとき その他その輸入が公共の安全の維持に支障を及ぼす虞があると認めるときは、前項の許可をしてはならない。

3項
火薬類を輸入した者は、遅滞なく その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4項

前各項に定めるもののほか、輸入に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。

1項

火薬類を爆発させ、又は燃焼させようとする者(火薬類を廃棄するため爆発させ、又は燃焼させようとする者を除く。以下「消費者」という。)は、都道府県知事の許可を受けなければならない。


但し、理化学上の実験、鳥獣の捕獲 若しくは駆除、射的練習、信号、観賞 その他経済産業省令で定めるものの用に供するため経済産業省令で定める数量以下の火薬類を消費する場合、法令に基きその事務 又は事業のために火薬類を消費する場合 及び非常災害に際し緊急の措置をとるため必要な火薬類を消費する場合は、この限りでない。

2項

都道府県知事は、その爆発 又は燃焼の目的、場所、日時、数量 又は方法が不適当であると認めるときその他 その爆発 又は燃焼が公共の安全の維持に支障を及ぼす虞があると認めるときは、前項の許可をしてはならない。

3項

都道府県知事は、第一項の許可をした後において、その許可に係る火薬類の爆発 又は燃焼が公共の安全の維持に支障を及ぼすおそれが生じたと認めるときは、爆発 又は燃焼前に限り、その許可を取り消すことができる。

4項

前各項に定めるもののほか、消費に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。

1項

火薬類の爆発 又は燃焼は、経済産業省令で定める技術上の基準に従つてこれをしなければならない。

1項

火薬類を廃棄しようとする者(以下「廃棄者」という。)は、経済産業省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。


ただし、製造業者が火薬類の製造中に生じた火薬類の廃薬をその製造所内で廃棄する場合は、この限りでない。

2項

都道府県知事は、その廃棄の場所、日時、数量 又は方法が不適当であると認めるとき、その廃棄に従事する者が火薬類の廃棄についての知識経験が十分でないと認めるとき その他その廃棄が公共の安全の維持に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、前項の許可をしてはならない。

1項

火薬類の廃棄は、経済産業省令で定める技術上の基準に従つてしなければならない。

第三章 保安

第一節 保安

1項

製造業者は、災害の発生を防止するため、保安の確保のための組織 及び方法 その他経済産業省令で定める事項について記載した危害予防規程を定め、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣の認可を受けなければならない。


これを変更するとき(第十条第一項ただし書の軽微な変更の工事に伴い必要となる場合を除く)も同様とする。

2項

前項の軽微な変更の工事に伴い危害予防規程を変更するときは、経済産業大臣に届け出なければならない。

3項

経済産業大臣は、危害予防規程が、第七条第一号 及び第二号の技術上の基準に適合していないときその他災害の発生の防止に適当でないと認めるときは、第一項の認可をしてはならない。

4項
経済産業大臣は、災害の発生の防止のため必要があると認めるときは、危害予防規程の変更を命ずることができる。
5項
製造業者 及び その従業者は、危害予防規程を守らなければならない。
1項

製造業者 又は販売業者は、経済産業省令で定めるところにより、その従業者に対する保安教育計画を定め、経済産業大臣 又は都道府県知事の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、保安教育計画が前項の経済産業省令で定める保安教育の基準に適合していないと認めるときは、同項の認可をしてはならない。

3項

製造業者 又は販売業者は、第一項の認可を受けた保安教育計画を忠実に実行しなければならない。

4項

都道府県知事は、災害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、経済産業省令で定めるところにより、多量の火薬類を消費し、又は相当期間引き続いて火薬類を消費する者を保安教育計画を定めるべき者として指定することができる。

5項

第一項から第三項までの規定は、前項の規定により指定された者について準用する。

6項

消費者(第四項の規定により指定された者を除く)及び火薬類の運搬の業を営む者は、その従業者に火薬類による災害の発生の防止に必要な教育を施さなければならない。

1項

製造業者は、経済産業省令で定めるところにより、次条の火薬類製造保安責任者免状を有する者のうちから、火薬類製造保安責任者(以下「製造保安責任者」という。)及び火薬類製造副保安責任者(以下「製造副保安責任者」という。)又は製造保安責任者を選任し、第三十二条第一項 又は第二項に規定する製造保安責任者 又は製造副保安責任者の職務を行わせなければならない。

2項

火薬庫の所有者 若しくは占有者 又は経済産業省令で定める数量以上の火薬類を消費する者は、経済産業省令で定めるところにより、次条の火薬類取扱保安責任者免状を有する者のうちから、火薬類取扱保安責任者(以下「取扱保安責任者」という。)及び火薬類取扱副保安責任者(以下「取扱副保安責任者」という。)又は取扱保安責任者を選任し、第三十二条第一項 又は第二項に規定する取扱保安責任者 又は取扱副保安責任者の職務を行わせなければならない。

3項

第一項 又は前項の規定により、製造業者、火薬庫の所有者 若しくは占有者 又は前項の消費者が、製造保安責任者 若しくは製造副保安責任者 又は取扱保安責任者 若しくは取扱副保安責任者を選任したときは、その旨を経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出なければならない。


これを解任したときも同様である。

1項
火薬類製造保安責任者免状は、甲種火薬類製造保安責任者免状、乙種火薬類製造保安責任者免状 及び丙種火薬類製造保安責任者免状とする。
2項
火薬類取扱保安責任者免状は、甲種火薬類取扱保安責任者免状 及び乙種火薬類取扱保安責任者免状とする。
3項
甲種火薬類製造保安責任者免状 及び乙種火薬類製造保安責任者免状は、経済産業大臣の行なう試験に合格した者に対し、丙種火薬類製造保安責任者免状、甲種火薬類取扱保安責任者免状 及び乙種火薬類取扱保安責任者免状は、都道府県知事の行なう試験に合格した者に対し交付する。
4項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、次の各号の一に該当する者に対しては、火薬類製造保安責任者免状 又は火薬類取扱保安責任者免状の交付を行なわないことができる。

一 号

次項の規定により火薬類製造保安責任者免状 又は火薬類取扱保安責任者免状の返納を命ぜられ、その日から一年を経過していない者

二 号

この法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、二年を経過していない者

5項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、火薬類製造保安責任者免状 又は火薬類取扱保安責任者免状の交付を受けた者が、この法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、その火薬類製造保安責任者免状 又は火薬類取扱保安責任者免状の返納を命ずることができる。

6項

第三項の試験の課目、受験手続 その他試験の実施細目 並びに火薬類製造保安責任者免状 及び火薬類取扱保安責任者免状の交付 及び返納に関する手続的事項は、経済産業省令で定める。

7項

第十七条第七項 及び第八項の規定は、火薬類製造保安責任者免状 及び火薬類取扱保安責任者免状の書換え 及び再交付について準用する。

1項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、政令で定めるところにより、この節に規定する火薬類製造保安責任者免状 及び火薬類取扱保安責任者免状に関する事務(火薬類製造保安責任者免状 及び火薬類取扱保安責任者免状の返納に係る事務 その他政令で定める事務を除く。以下「免状交付事務」という。)の全部 又は一部を次条第一項の指定試験機関に委託することができる。

2項

前項の規定により免状交付事務の委託を受けた指定試験機関の役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、当該委託に係る免状交付事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

1項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、経済産業大臣が指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、第三十一条第三項に規定する経済産業大臣 又は都道府県知事の行う試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)の全部 又は一部を行わせることができる。

2項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により指定試験機関にその試験事務の全部 又は一部を行わせることとしたときは、当該試験事務の全部 又は一部を行わないものとする。

3項

第一項の規定により指定試験機関にその試験事務を行わせることとした都道府県知事(以下「委任都道府県知事」という。)は、当該行わせることとした試験事務を行わせないこととするときは、その六月前までに、その旨を指定試験機関に通知しなければならない。

1項
製造保安責任者 又は取扱保安責任者は、火薬類の製造 又は貯蔵 若しくは消費に係る保安に関し経済産業省令で定める職務を行なう。
2項
製造副保安責任者 又は取扱副保安責任者は、経済産業省令で定めるところにより、製造保安責任者 又は取扱保安責任者を補佐する。
3項

製造保安責任者 若しくは製造副保安責任者 又は取扱保安責任者 若しくは取扱副保安責任者は、誠実にその職務を遂行しなければならない。

4項

火薬類を取り扱う者は、製造保安責任者 又は取扱保安責任者が第一項の職務の執行に関し保安上必要があると認めてする指示に従わなければならない。

1項

製造業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者 若しくは第三十条第二項の消費者は、経済産業省令で定めるところにより、火薬類製造保安責任者免状 又は火薬類取扱保安責任者免状を有する者のうちから、あらかじめ製造保安責任者 又は取扱保安責任者の代理者を選任し、製造保安責任者 又は取扱保安責任者が旅行、疾病 その他の事故によつてその職務を行うことができない場合に、その職務を代行させなければならない。

2項

製造業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者 若しくは第三十条第二項の消費者が、前項の代理者を選任したときは、その旨を経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出なければならない。


これを解任したときも同様である。

3項

第一項の代理者は、製造保安責任者 又は取扱保安責任者の職務を代行する場合は、この法律 及びこの法律に基く命令の規定の適用については、これを製造保安責任者 又は取扱保安責任者とみなす。

1項

経済産業大臣は、製造保安責任者 若しくはその代理者 又は製造副保安責任者が、この法律 又はこの法律に基く命令の規定に違反したとき 又は保安上 その職務を遂行させることが不適当であると認めるときは、製造業者に対し、製造保安責任者 若しくはその代理者 又は製造副保安責任者の解任を命ずることができる。

2項

都道府県知事は、取扱保安責任者 若しくはその代理者 又は取扱副保安責任者が、この法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反したとき 又は保安上 その職務を遂行させることが不適当であると認めるときは、火薬庫の所有者 若しくは占有者 又は第三十条第二項の消費者に対し、取扱保安責任者 若しくはその代理者 又は取扱副保安責任者の解任を命ずることができる。

1項

製造業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者は、火薬類の爆発 若しくは発火の危険がある製造施設であつて経済産業省令で定めるもの(以下「特定施設」という。)又は火薬庫 並びにこれらの施設における保安の確保のための組織 及び方法について、経済産業省令で定めるところにより、定期に、経済産業大臣 又は都道府県知事が行う保安検査を受けなければならない。


ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

一 号

経済産業大臣の指定する者(以下「指定保安検査機関」という。)が行う保安検査を受け、その旨を経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出た場合

二 号

自ら特定施設 又は火薬庫に係る保安検査を行うことができる者として経済産業大臣の認定を受けている者(以下「認定保安検査実施者」という。)が、第四十五条の三の十第二項の規定により検査の記録を経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出た場合

2項

前項の保安検査は、特定施設 又は火薬庫が、第七条第一号 又は第十二条第三項の技術上の基準に適合しているかどうか 並びに第二十八条第一項の認可を受けた危害予防規程に定められた事項のうち保安の確保のための組織 及び方法に係るものとして経済産業省令で定めるものを実施しているかどうかについて行う。

3項

指定保安検査機関は、第一項第一号の保安検査を行つたときは、遅滞なく、その結果を経済産業大臣 又は都道府県知事に報告しなければならない。

4項

第一項の経済産業大臣、都道府県知事 又は指定保安検査機関が行う保安検査の方法は、経済産業省令で定める。

1項

製造業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者は、製造施設であつて経済産業省令で定めるもの 又は火薬庫について、経済産業省令で定めるところにより、定期に、保安のための自主検査を行なわなければならない。

2項

前項に規定する者は、経済産業省令で定めるところにより、同項の自主検査についての計画を定め、経済産業大臣 又は都道府県知事に届け出なければならない。


これを変更したときも、同様とする。

3項

第一項に規定する者は、同項の自主検査が終了したときは、遅滞なく その旨を経済産業大臣 又は都道府県知事に報告しなければならない。

4項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、その職員に、第一項の自主検査に立ち合わせることができる。

1項

火薬類を輸入した者 又はその製造後経済産業省令で定める期間を経過した火薬類を所有する者は、経済産業省令で定める方法により、その火薬類につき安定度試験を実施し、且つ、その結果を都道府県知事に報告しなければならない。

2項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、災害の防止のため必要があると認めるときは、火薬類の所有者に対し、前項の安定度試験を実施すべきことを命ずることができる。

1項

火薬類の所有者は、前条の安定度試験の結果経済産業省令で定める技術上の基準に適合しない火薬類があつたときは、その火薬類を廃棄しなければならない。

1項
火薬類は、他の物と混包し、又は火薬類でないようにみせかけて、これを所持し、運搬し、若しくは託送してはならない。
1項
火薬庫が近隣の火災 その他の事情により危険な状態となり、又は火薬類が煙 若しくは異臭を発し、その他安定度に異常を呈したときは、その火薬庫 又は火薬類の所有者 又は占有者は、直ちに経済産業省令で定める応急の措置を講じなければならない。
2項

前項の事態を発見した者は、直ちにその旨を警察官、消防吏員 若しくは消防団員 又は海上保安官に届け出なければならない。

1項

何人も、火薬類の製造所 又は火薬庫においては、製造業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者の指定する場所以外の場所で、喫煙し、又は火気を取り扱つてはならない。

2項
何人も、製造業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者の承諾を得ないで、発火し易い物を携帯して火薬類の製造所 又は火薬庫に立ち入つてはならない。
1項

製造業者、販売業者、火薬庫の所有者 又は占有者 及び第三十条第二項の消費者は、帳簿を備え、火薬類の製造、販売、出納 又は消費について経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。

2項

前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。

1項

経済産業大臣は、災害を防止し、又は公共の安全の維持をはかるため、必要があると認めるときは、製造業者 若しくは販売業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者 若しくは第三十条第二項の消費者に対し、事業 又は火薬類の貯蔵 若しくは消費に関し、報告をさせることができる。

1項

経済産業大臣、都道府県知事 又は地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の長は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、製造業者、販売業者、消費者、廃棄者 又は火薬類を保管する者の製造所、販売所、火薬庫、消費場所、廃棄場所 又は保管場所に立ち入り、その者の帳簿書類 その他必要な物件を検査させ、関係者に質問させ、又は試験のため必要な最少限度の分量に限り火薬類を収去させることができる。

2項
都道府県公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、警察職員に、製造業者、販売業者、消費者、廃棄者 又は火薬類を保管する者の製造所、販売所、火薬庫、消費場所、廃棄場所 又は保管場所に立ち入り、その者の帳簿書類 その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
3項
海上保安庁長官は、この法律の施行に必要な限度において、海上保安官に、製造業者、販売業者、消費者、廃棄者 又は火薬類を保管する者の製造所、販売所、火薬庫、消費場所、廃棄場所 又は保管場所に立ち入り、その者の帳簿書類 その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
4項

前三項の職員は、その身分を示す証票を携帯し、且つ、関係者の請求があるときは、これを呈示しなければならない。

5項

第一項から第三項までの規定による立入検査は、関係者の正当な業務 又は行為を妨害するものであつてはならず、且つ、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

1項

経済産業大臣は、製造業者 又は販売業者が、左の各号の一に該当するときは、第三条 若しくは第五条の許可を取り消し、又は期間を定めてその事業の停止を命ずることができる。

一 号

第九条第一項 若しくは第二項第十一条第二項第十四条第一項 又は第二十七条の二の規定に違反し、災害を発生させ、又は公共の安全を害したとき。

二 号

第十一条第一項第十三条第十八条第十九条第一項第二十三条第二項第二十九条第三項第三十条第一項 若しくは第二項第三十五条の二第一項 又は第三十八条の規定に違反したとき。

三 号

第十条第一項第十二条第一項第二十四条第一項 又は第二十七条第一項の規定により許可を受けなければならない事項を許可を受けないでしたとき。

四 号

第十五条の規定による完成検査を受けないで、火薬類の製造施設 又は火薬庫を使用したとき。

五 号

第三十六条第一項の規定による安定度試験を実施しなかつたとき。

六 号

第九条第三項第十一条第三項第十四条第二項第二十八条第四項第三十四条第三十六条第二項 若しくは次条第一号の命令 又は同条第二号の禁止 若しくは制限に違反したとき。

七 号

第六条第二号から第四号までの規定に該当するに至つたとき。

八 号

第四十八条第一項の条件に違反したとき。

1項

経済産業大臣(鉄道、軌道、索道、無軌条電車、船舶 及び航空機による運搬については国土交通大臣、自動車、軽車両(原動機付自転車を含む。以下同じ。)その他による運搬 又は第五十条の二第一項の規定の適用を受ける火薬類の消費については都道府県公安委員会)は、災害の発生の防止 又は公共の安全の維持のため緊急の必要があると認めるときは、左に掲げる措置をすることができる。

一 号
製造業者、販売業者 又は消費者に対して、製造施設 又は火薬庫の全部 若しくは一部の使用を一時停止すべきことを命ずること。
二 号
製造業者、販売業者、消費者 その他火薬類を取り扱う者に対して、製造、販売、貯蔵、運搬、消費 又は廃棄を一時禁止し、又は制限すること。
三 号
火薬類の所有者 又は占有者に対して、火薬類の所在場所の変更 又はその廃棄を命ずること。
四 号
火薬類を廃棄した者に対して、その廃棄した火薬類の収去を命ずること。
1項

警察官は、火薬類による災害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、火薬類を運搬している自動車 又は軽車両を停止させ、当該車両により火薬類を運搬する者に対し、運搬証明書の提示を求め、若しくは第二十条第二項の技術上の基準 若しくは運搬証明書に記載された内容に従つて運搬しているかどうかについて検査し、又は災害の発生を防止するため必要な応急の措置をとるべきことを命ずることができる。

2項

第四十三条第四項 及び第五項の規定は、前項の場合に準用する。

1項
製造業者、販売業者、火薬庫の所有者 又は占有者 その他火薬類を取り扱う者に対する監督 又は指導を行なわせるため、経済産業省に火薬類取締官を置く。
2項
火薬類取締官の資格に関し必要な事項は、政令で定める。

第二節 完成検査及び保安検査に係る認定

1項

第十五条第二項第二号の認定は、経済産業省令で定めるところにより、第三条の製造所 又は第十二条第一項の火薬庫ごとに、製造業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者であつて、変更工事(経済産業省令で定めるものに限る。以下 この節において同じ。)に係る完成検査を自ら行おうとする者の申請により行う。

2項

前項の申請は、自ら完成検査を行う変更工事を明らかにして行わなければならない。

1項

経済産業大臣は、前条第一項の申請が次の各号いずれにも該当すると認めるときでなければ、その認定をしてはならない。

一 号
変更工事に係る完成検査のための組織が経済産業省令で定める基準に適合するものであること。
二 号

変更工事に係る完成検査の方法を定める規程(以下「完成検査規程」という。)を作成し、その完成検査の方法が第十五条第四項の経済産業省令で定める方法に適合するものであること。

三 号
経済産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が変更工事に係る完成検査を実施し、その数が経済産業省令で定める数以上であること。
2項

前条第一項の規定により申請した者は、変更工事に係る完成検査のための組織 及び完成検査の方法について、経済産業大臣が行う検査を受けなければならない。

1項

第三十五条第一項第二号の認定は、経済産業省令で定めるところにより、第三条の製造所 又は第十二条第一項の火薬庫ごとに、製造業者 又は火薬庫の所有者 若しくは占有者であつて、特定施設(経済産業省令で定めるものに限る。以下 この節において同じ。)又は火薬庫に係る保安検査を自ら行おうとする者の申請により行う。

2項

前項の申請は、自ら保安検査を行う特定施設 又は火薬庫を明らかにして行わなければならない。

1項

経済産業大臣は、前条第一項の申請が次の各号いずれにも該当すると認めるときでなければ、その認定をしてはならない。

一 号
特定施設 又は火薬庫に係る保安検査のための組織が経済産業省令で定める基準に適合するものであること。
二 号

特定施設 又は火薬庫に係る保安検査の方法を定める規程(以下「保安検査規程」という。)を作成し、その保安検査の方法が第三十五条第四項の経済産業省令で定める方法に適合するものであること。

三 号
経済産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が特定施設 又は火薬庫に係る保安検査を実施し、その数が経済産業省令で定める数以上であること。
2項

前条第一項の規定により申請した者は、特定施設 又は火薬庫に係る保安検査のための組織 及び保安検査の方法について、経済産業大臣が行う検査を受けなければならない。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、第十五条第二項第二号 及び第三十五条第一項第二号認定を受けることができない

一 号

第四十五条の三の二第一項 又は第四十五条の三の四第一項の申請に係る製造所について、第十五条第一項の完成検査を受け、第七条第一号の技術上の基準に適合していると認められた日から二年を経過しない者

二 号

第四十五条の三の二第一項 又は第四十五条の三の四第一項の申請に係る火薬庫について、第十五条第一項の完成検査を受け、第十二条第三項の技術上の基準に適合していると認められた日から二年を経過しない者

三 号

製造業者であつて、当該製造所において火薬類による災害が発生した日から二年を経過しないもの

四 号

火薬庫の所有者 又は占有者であつて、当該火薬庫において火薬類による災害が発生した日から二年を経過しないもの

五 号

この法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

六 号

第四十五条の三の十一第一項の規定により第十五条第二項第二号 又は第三十五条第一項第二号の認定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

七 号

法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号いずれかに該当する者があるもの

2項

製造業者から火薬類の製造のための施設の全部 若しくは一部の引渡しを受け第三条の許可を受けた者 又は第十二条の二第二項の火薬庫の設置の許可を受けた者の地位を承継した者については、その製造業者が当該施設について第十五条第一項の完成検査を受け、第七条第一号の技術上の基準に適合していると認められた日 又はその火薬庫の設置の許可を受けた者が当該火薬庫について第十五条第一項の完成検査を受け、第十二条第三項の技術上の基準に適合していると認められた日から二年を経過したときは、前項第一号 又は第二号の規定は、適用しない

1項

第十五条第二項第二号 及び第三十五条第一項第二号の認定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

2項

第四十五条の三の二 及び第四十五条の三の三の規定は、第十五条第二項第二号の認定の更新に準用する。

3項

第四十五条の三の四 及び第四十五条の三の五の規定は、第三十五条第一項第二号の認定の更新に準用する。

1項
認定完成検査実施者は、完成検査のための組織 又は完成検査の方法に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
2項
認定保安検査実施者は、保安検査のための組織 又は保安検査の方法に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
1項

認定完成検査実施者は、その認定を受けた変更工事に係る完成検査を行うときは、完成検査規程に従い、かつ、第四十五条の三の三第一項第三号の経済産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者に実施させなければならない。

2項

認定完成検査実施者は、経済産業省令で定める事項を記載した検査記録を作成し、これを保存し、経済産業大臣からその検査記録の提出を求められたときは、速やかにそれを提出しなければならない。

3項

前二項の規定は、認定保安検査実施者に準用する。


この場合において、

第一項
変更工事に係る完成検査」とあるのは
「特定施設 又は火薬庫に係る保安検査」と、

完成検査規程」とあるのは
「保安検査規程」と、

第四十五条の三の三第一項第三号」とあるのは
第四十五条の三の五第一項第三号」と

読み替えるものとする。

1項

認定完成検査実施者は、第十五条第四項の経済産業省令で定める方法により、認定を受けた変更工事に係る完成検査を行い、製造施設 又は火薬庫が第七条第一号 又は第十二条第三項の技術上の基準に適合していることを確認したときは、経済産業大臣 又は都道府県知事に経済産業省令で定める事項を記載した検査の記録を届け出ることができる。

2項

認定保安検査実施者は、第三十五条第四項の経済産業省令で定める方法により、認定を受けた特定施設 又は火薬庫に係る保安検査を行い、当該特定施設 又は当該火薬庫が第七条第一号 又は第十二条第三項の技術上の基準に適合し、並びに第三十五条第二項の保安の確保のための組織 及び方法に係る事項として経済産業省令で定めるものを実施していることを確認したときは、経済産業大臣 又は都道府県知事に経済産業省令で定める事項を記載した検査の記録を届け出ることができる。

1項

経済産業大臣は、認定完成検査実施者 又は認定保安検査実施者が次の各号いずれかに該当するときは、第十五条第二項第二号 又は第三十五条第一項第二号の認定を取り消すことができる。

一 号

認定を受けている第三条の製造所 又は第十二条第一項の火薬庫において火薬類による災害が発生したとき。

二 号

認定を受けている第三条の製造所 又は第十二条第一項の火薬庫において発火 その他火薬類による災害の発生のおそれのある事故が発生したとき。

三 号

第三十九条第一項の応急の措置を講じず、又は同条第二項の規定による届出を行わなかつたとき。

四 号

第四十四条の規定により経済産業大臣による事業の停止の命令を受けたとき。

五 号

第四十五条第一号 又は第二号の措置をされたとき。

六 号

第四十五条の三の三第一項各号 又は第四十五条の三の五第一項各号いずれかに該当していないと認められるとき。

七 号

前条第一項 又は第二項の規定による届出の際に、虚偽の届出を行つたとき。

八 号

経済産業大臣が第四十五条の三の九第二項同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により検査記録の提出を求めた場合において、その求めに応じなかつたとき。

九 号

第四十五条の三の六第一項第五号 又は第七号に該当するに至つたとき。

十 号

不正の手段により第十五条第二項第二号 若しくは第三十五条第一項第二号の認定 又はその更新を受けたとき。

2項

第四十四条の規定により第三条 又は第五条の許可が取り消されたときは、許可を取り消された第三条の製造所 又は第五条の販売所に係る火薬庫に係る第十五条第二項第二号 及び第三十五条第一項第二号の認定は、その効力を失う。

第三節 指定試験機関

1項

第三十一条の三第一項の指定は、経済産業省令で定めるところにより、試験事務を行おうとする者の申請により行う。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、第三十一条の三第一項の指定を受けることができない

一 号

この法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

二 号

第四十五条の十六第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

三 号

その業務を行う役員のうちに、次のいずれかに該当する者がある者

第一号に該当する者

第四十五条の十二の規定による命令により解任され、解任の日から二年を経過しない者

1項

経済産業大臣は、第三十一条の三第一項の指定の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。

一 号
職員、設備、試験事務の実施の方法 その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が、試験事務の適確な実施のために適切なものであること。
二 号

前号の試験事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎 及び技術的能力があること。

三 号
一般社団法人 又は一般財団法人であること。
四 号

試験事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて試験事務が不公正になるおそれがないものであること。

1項

指定試験機関は、その名称 又は主たる事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

2項

指定試験機関は、その名称 又は主たる事務所の所在地を変更しようとするときは委任都道府県知事に、試験事務を取り扱う事務所の所在地を変更しようとするときは関係委任都道府県知事に、それぞれ、その変更をしようとする日の二週間前までに、その旨を届け出なければならない。

1項

指定試験機関は、試験事務の実施に関する規程(以下「試験事務規程」という。)を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

指定試験機関は、前項後段の規定により試験事務規程を変更しようとするときは、委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。

3項
試験事務規程で定めるべき事項は、経済産業省令で定める。
4項

経済産業大臣は、第一項の認可をした試験事務規程が試験事務の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務規程を変更すべきことを命ずることができる。

1項
指定試験機関は、経済産業大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2項

経済産業大臣は、指定試験機関の試験事務の全部 又は一部の休止 又は廃止により試験事務の適正かつ確実な実施が損なわれるおそれがないと認めるときでなければ、前項の許可をしてはならない。

3項

経済産業大臣は、第一項の許可をしようとするときは、関係委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。

4項

経済産業大臣は、第一項の許可をしたときは、その旨を関係委任都道府県知事に通知しなければならない。

1項

指定試験機関は、毎事業年度開始前に(第三十一条の三第一項の指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、その事業年度の事業計画 及び収支予算を作成し、経済産業大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項
指定試験機関は、事業計画 及び収支予算を作成し、又は変更しようとするときは、委任都道府県知事の意見を聴かなければならない。
3項

指定試験機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書 及び収支決算書を作成し、経済産業大臣 及び委任都道府県知事に提出しなければならない。

1項
指定試験機関の役員の選任 及び解任は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
1項

経済産業大臣は、指定試験機関の役員が、この法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定 若しくは試験事務規程に違反したとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、その役員を解任すべきことを命ずることができる。

1項
指定試験機関は、試験事務を行うときは、製造保安責任者 又は取扱保安責任者として必要な知識 及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、試験委員に行わせなければならない。
2項

指定試験機関は、試験委員を選任しようとするときは、経済産業省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。

3項

指定試験機関は、試験委員を選任したときは、経済産業省令で定めるところにより、経済産業大臣にその旨を届け出なければならない。


試験委員に変更があつたときも、同様とする。

4項

前条の規定は、試験委員に準用する。

1項

指定試験機関の役員 若しくは職員(試験委員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2項

試験事務に従事する指定試験機関の役員 又は職員は、刑法明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

経済産業大臣は、指定試験機関が第四十五条の六各号第三号除く。以下 この項において同じ。)の一に適合しなくなつたと認めるときは、指定試験機関に対し、当該各号に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2項

経済産業大臣は、前項に定めるもののほか、試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。

3項
委任都道府県知事は、その行わせることとした試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、当該試験事務の適正な実施のために必要な措置をとるべきことを指示することができる。
1項

経済産業大臣は、指定試験機関が第四十五条の六第三号に適合しなくなつたときは、その指定を取り消さなければならない。

2項

経済産業大臣は、指定試験機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第四十五条の五第一号 又は第三号に該当するに至つたとき。

二 号

第四十五条の八第一項の認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行つたとき。

三 号

第四十五条の八第四項第四十五条の十二第四十五条の十三第四項において準用する場合を含む。)又は前条第一項 若しくは第二項の規定による命令に違反したとき。

四 号

第四十五条の九第一項第四十五条の十第一項 若しくは第三項 又は第四十五条の十三第一項から第三項までの規定に違反したとき。

五 号

不正の手段により第三十一条の三第一項の指定を受けたとき。

3項

経済産業大臣は、第一項 若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により試験事務の全部 若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を関係委任都道府県知事に通知しなければならない。

1項

指定試験機関が第四十五条の九第一項の許可を受けて試験事務の全部 若しくは一部を休止したとき、経済産業大臣が前条第二項の規定により指定試験機関に対し試験事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災 その他の事由により試験事務の全部 若しくは一部を実施することが困難となつた場合において経済産業大臣が必要があると認めるときは、経済産業大臣 又は委任都道府県知事は、当該試験事務の全部 又は一部を自ら行うものとする。

2項

経済産業大臣は、委任都道府県知事が前項の規定により試験事務を行うこととなるとき、又は委任都道府県知事が同項の規定により試験事務を行うこととなる事由がなくなつたときは、速やかに、その旨を当該委任都道府県知事に通知しなければならない。

1項

指定試験機関は、帳簿を備え、試験事務について経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。

2項

前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。

1項
経済産業大臣は、試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、その業務 又は経理の状況に関し、報告をさせることができる。
2項
委任都道府県知事は、その行わせることとした試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、当該試験事務の状況に関し、報告をさせることができる。
1項
経済産業大臣は、試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、指定試験機関の事務所に立ち入り、試験事務の状況 若しくは帳簿書類 その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2項
委任都道府県知事は、その行わせることとした試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、当該試験事務を取り扱う指定試験機関の事務所に立ち入り、当該試験事務の状況 若しくは帳簿書類 その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
3項

前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

4項

第一項 又は第二項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

1項

この法律に規定するもののほか、試験事務の引継ぎに関し必要な事項は、経済産業省令で定める。

第四節 指定完成検査機関及び指定保安検査機関

1項

第十五条第一項ただし書の指定は、経済産業省令で定めるところにより、他人の求めに応じて完成検査を行おうとする者の申請により行う。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、第十五条第一項ただし書の指定を受けることができない

一 号

この法律 又はこの法律に基づく処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

二 号

第四十五条の三十四の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者

三 号

法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号いずれかに該当する者があるもの

1項

経済産業大臣は、第十五条第一項ただし書の指定の申請が次の各号いずれにも適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。

一 号
経済産業省令で定める機械器具 その他の設備を用いて完成検査を行うものであること。
二 号
経済産業省令で定める条件に適合する知識経験を有する者が完成検査を実施し、その数が経済産業省令で定める数以上であること。
三 号
法人にあつては、その役員 又は法人の種類に応じて経済産業省令で定める構成員の構成が完成検査の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
四 号

前号に定めるもののほか、完成検査が不公正になるおそれがないものとして、経済産業省令で定める基準に適合するものであること。

五 号
完成検査の業務を適確かつ円滑に行うに必要な経理的基礎を有するものであること。
六 号
その指定をすることによつて申請に係る完成検査の適確かつ円滑な実施を阻害することとならないこと。
1項

第十五条第一項ただし書の指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

2項

前三条の規定は、前項の指定の更新に準用する。

1項

指定完成検査機関は、完成検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、完成検査を行わなければならない。

2項

指定完成検査機関は、完成検査を行うときは、第四十五条の二十五第一号に規定する機械器具 その他の設備を使用し、かつ、同条第二号に規定する者に完成検査を実施させなければならない。

1項

指定完成検査機関は、完成検査を行う事業所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、経済産業大臣に届け出なければならない。

1項

指定完成検査機関は、完成検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項
業務規程で定めるべき事項は、経済産業省令で定める。
3項

経済産業大臣は、第一項の認可をした業務規程が完成検査の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。

1項

指定完成検査機関は、完成検査の業務の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。

1項

経済産業大臣は、第四十五条の二十五第二号に規定する者がこの法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定 又は業務規程に違反したときは、その指定完成検査機関に対し、同号に規定する者を解任すべきことを命ずることができる。

1項
指定完成検査機関の役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、完成検査の業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2項

完成検査の業務に従事する指定完成検査機関の役員 又は職員は、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

経済産業大臣は、指定完成検査機関が第四十五条の二十五第一号から第五号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定完成検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

経済産業大臣は、指定完成検査機関が次の各号いずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて完成検査の業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

この節の規定 又は第十五条第三項の規定に違反したとき。

二 号

第四十五条の二十四第一号 又は第三号に該当するに至つたとき。

三 号

第四十五条の二十九第一項の認可を受けた業務規程によらないで完成検査を行つたとき。

四 号

第四十五条の二十九第三項第四十五条の三十一 又は前条の規定による命令に違反したとき。

五 号

不正の手段により第十五条第一項ただし書の指定を受けたとき。

1項

指定完成検査機関は、経済産業省令で定めるところにより、帳簿を備え、完成検査について、経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。

2項

前項の帳簿は、経済産業省令で定めるところにより、保存しなければならない。

1項
経済産業大臣は、災害を防止し、又は公共の安全の維持を図るため、必要があると認めるときは、指定完成検査機関に対し、その業務 又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
1項
経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、指定完成検査機関の事務所 又は事業所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿書類 その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2項

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

1項

第三十五条第一項第一号の指定は、経済産業省令で定めるところにより、他人の求めに応じて保安検査を行おうとする者の申請により行う。

2項

第四十五条の二十四から前条までの規定は、指定保安検査機関に準用する。


この場合において、

第四十五条の二十四から第四十五条の二十六まで 及び第四十五条の三十四
第十五条第一項ただし書」とあるのは
第三十五条第一項第一号」と、

第四十五条の二十五第四十五条の二十七から第四十五条の三十まで第四十五条の三十二第四十五条の三十四 及び第四十五条の三十五
完成検査」とあるのは
「保安検査」と、

第四十五条の三十四
第十五条第三項」とあるのは
第三十五条第三項」と

読み替えるものとする。

第四章 雑則

1項
製造業者、販売業者、消費者 その他火薬類を取り扱う者は、左の各号の場合には、遅滞なく その旨を警察官 又は海上保安官に届け出なければならない。
一 号
その所有し、又は占有する火薬類について災害が発生したとき。
二 号
その所有し、又は占有する火薬類、譲渡許可証、譲受許可証 又は運搬証明書を喪失し、又は盗取されたとき。
2項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、前項第一号の場合においては、所有者 又は占有者に対し、災害発生の日時、場所 及び原因、火薬類の種類 及び数量、被害の程度等につき報告をさせることができる。

1項

何人も、火薬類による爆発 その他災害が発生したときは、交通の確保 その他公共の利益のためやむを得ない場合を除き、経済産業大臣、都道府県知事 又は警察官の指示なく、その現状を変更してはならない。


但し第三十九条第一項の規定による措置を講ずる場合は、この限りでない。

1項

第三条第五条第十二条第一項第十七条第一項第二十四条第一項第二十五条第一項 又は第二十七条第一項の許可には、条件を附することができる。

2項

前項の条件は、災害の防止 又は公共の安全の維持をはかるため必要な最小限度のものに限り、且つ、許可を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。

1項

次に掲げる者(経済産業大臣 若しくは産業保安監督部長、地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)又は経済産業大臣 若しくは産業保安監督部長がその試験事務を行わせることとした指定試験機関に対して手続を行おうとする者に限る)は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

一 号

第三条の許可の申請をする者

二 号
削除
三 号

第十二条第一項の許可の申請をする者

四 号

第十五条第一項 又は第二項の完成検査を受けようとする者

四の二 号

第十五条第二項第二号の認定 又はその更新を受けようとする者

五から八まで
削除
九 号

第三十一条第三項に規定する経済産業大臣の行う試験を受けようとする者

十 号
削除
十一 号
火薬類製造保安責任者免状の交付を受けようとする者
十二 号
火薬類製造保安責任者免状の再交付を受けようとする者
十三 号

第三十五条第一項の保安検査を受ける者

十四 号

第三十五条第一項第二号の認定 又はその更新を受けようとする者

2項

前項の手数料は、第三条の許可の申請を経済産業大臣 若しくは産業保安監督部長に対してする者、第十二条第一項の許可の申請を地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に対してする者、経済産業大臣 若しくは産業保安監督部長の行う第十五条第一項 若しくは第二項の完成検査を受けようとする者、第三十五条第一項の保安検査を受ける者 又は第十五条第二項第二号 若しくは第三十五条第一項第二号の認定 若しくはその更新を受けようとする者、第三十一条第三項に規定する経済産業大臣 若しくは産業保安監督部長の行う試験(指定試験機関がその試験事務の全部を行うものを除く)を受けようとする者 及び甲種火薬類製造保安責任者免状 又は乙種火薬類製造保安責任者免状の交付 又は再交付を受けようとする者の納付するものについては国庫の、指定試験機関がその試験事務の全部を行う同項に規定する試験を受けようとする者の納付するものについては当該指定試験機関の収入とする。

3項

第一項の規定は、独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人であつて、その業務の内容 その他の事情を勘案して政令で定めるものについては、適用しない

1項

都道府県は、地方自治法第二百二十七条の規定に基づき第三十一条第三項に規定する試験に係る手数料を徴収する場合においては、第三十一条の三第一項の規定により指定試験機関が行う第三十一条第三項に規定する試験を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定試験機関へ納めさせ、その収入とすることができる。

1項

係留船を火薬庫に使用する場合 及び船舶に常用火薬類を貯蔵する場合には、

第十一条第十二条第十二条の二第二項第十四条第二項第十六条第二項第三十五条の二 及び第五十二条
経済産業省令」とあるのは、
「国土交通省令」と、

都道府県知事」とあるのは、
「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」と

読み替えるものとする。

2項

第十五条 及び第三十五条の規定は、係留船を火薬庫に使用する場合には、適用しない

1項

実包 又は政令で定める火薬であつて、銃砲刀剣類所持等取締法昭和三十三年法律第六号)に規定するけん銃等 又は猟銃に専ら使用されるものについての第十七条第一項第四号除く)、第二十四条 及び第二十五条の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中 同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。


けん銃等、猟銃 又は古式銃砲に使用し又は使用させることを目的とする空包、銃用雷管 又は政令で定める火薬の譲渡、譲受け、輸入 又は消費についても、同様とする。

第十七条第一項各号列記以外の部分、同項第三号、第四項、第七項 及び第八項、第二十四条第四項 並びに第二十五条第一項 及び第四項
経済産業省令
内閣府令
第十七条第一項各号列記以外の部分、第二項から 第四項まで 及び第六項から 第八項まで、第二十四条第一項から 第三項まで 並びに第二十五条第一項から 第三項まで
都道府県知事
都道府県公安委員会
2項

前項の規定は、製造業者 若しくは販売業者が業務のため行い、又は銃砲刀剣類所持等取締法第四条第一項第二号の規定による銃砲の所持の許可を受けた者が当該許可に係る用途に関して行う譲渡、譲受け、輸入 又は消費については、適用しない

1項

導火線 及び電気導火線については、第十九条第二十条第二十五条第二十六条第三十六条 及び第四十五条の二の規定は、適用しない

2項

信号焔管 及び信号火せんについては、第十七条第十九条から第二十二条まで第二十五条から第二十七条の二まで第三十六条 及び第四十五条の二の規定は、適用しない

3項

煙火については、第十七条第二十条第二項第十九条第一項ただし書の内閣府令で定める数量以下のものを運搬する場合に限る)、第二十一条第二十二条第二十七条第二十七条の二第三十六条 及び第四十五条の二第十九条第一項ただし書の内閣府令で定める数量以下のものを運搬する場合に限る)の規定は、適用しない

4項

がん具煙火については、前項に規定するもののほか第五条第十八条第二十五条 及び第二十六条の規定は、適用しない

5項

前二項に規定するもののほか第三条第四条第十一条第二項 及び第三項第十三条第二十九条第三十条第一項 及び第二項第三十五条第三十五条の二第三十八条第四十一条 並びに第四十六条第一項第二号の規定は、各規定ごとに経済産業省令で定める数量以下のがん具煙火については、適用しない

6項

鉱山保安法昭和二十四年法律第七十号)第二条の鉱山においては、第十九条第二十条第二十五条第一項第二十六条第二十九条第三十条第二項火薬類の消費に係るものに限る)、第四十一条第四十二条第四十三条第一項火薬類の消費場所に係るものに限る)、第四十五条第二号 及び第三号火薬類の運搬 又は消費に関する災害の防止に係るものに限る)並びに第四十七条火薬類の運搬 又は消費に関する災害の発生に係るものに限る)の規定は、適用しない

1項

都道府県知事は、第十七条第一項 又は第二十五条第一項の許可をしようとするときは、政令で定めるところにより、都道府県公安委員会の意見をきかなければならない。

2項

経済産業大臣 又は都道府県知事は、第三条第五条第八条第九条第三項第十条第一項第十一条第三項第十二条第一項第十四条第二項第十七条第一項 若しくは第三項第二十四条第一項第二十五条第一項 若しくは第三項第二十七条第一項第二十八条第一項 若しくは第四項第四十四条 若しくは第四十五条の規定による処分をしたとき、又は第十二条の二第二項 若しくは第十六条の規定による届出を受理したときは、政令で定める区分により、速やかにその旨を国家公安委員会、都道府県公安委員会 又は海上保安庁長官に通報しなければならない。

3項

国土交通大臣は、第四十五条の緊急措置(船舶に係るものを除く)をしたときは、政令で定める区分により、すみやかにその旨を国家公安委員会 又は都道府県公安委員会に通報しなければならない。

4項
国家公安委員会 若しくは都道府県公安委員会 又は海上保安庁長官は、火薬類の製造、販売、貯蔵 その他の取扱いに関し、公共の安全の維持 又は海上の安全の維持のため特に必要があると認めるときは、政令で定める区分により、経済産業大臣、都道府県知事 又は指定都市の長に対し、必要な措置をとるべきことを要請することができる。
5項

警察官は、第三十九条第二項 又は第四十六条第一項の規定による届出を受理したときは、すみやかにその旨を当該都道府県知事に通報しなければならない。

6項

都道府県知事は、前項の規定による通報を受けたときは、経済産業省令で定めるところにより、その旨を経済産業大臣に報告しなければならない。

1項

経済産業大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

一 号

第十五条第一項ただし書、第三十一条の三第一項 又は第三十五条第一項第一号の指定をしたとき。

二 号

第十五条第二項第二号 又は第三十五条第一項第二号の認定をしたとき。

三 号

第四十五条の三の十一第一項の規定により認定を取り消したとき、又は同条第二項の規定により認定が効力を失つたことを確認したとき。

四 号

第三十一条の三第一項の規定により指定試験機関に試験事務を行わせることとしたとき。

五 号

第四十五条の七第一項 又は第四十五条の二十八第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出があつたとき。

六 号

第四十五条の九第一項の許可をしたとき。

七 号

第四十五条の十六第一項 若しくは第二項 又は第四十五条の三十四第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定により指定を取り消し、又は試験事務 若しくは完成検査 若しくは保安検査の業務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき。

八 号

第四十五条の三十第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による届出があつたとき。

九 号

第四十五条の十七第一項の規定により試験事務の全部 若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は同項の規定により自ら行つていた試験事務の全部 若しくは一部を行わないこととするとき。

2項

都道府県知事は、次の場合には、その旨を公示しなければならない。

一 号

第三十一条の三第一項の規定により指定試験機関に試験事務を行わせることとしたとき。

二 号

第三十一条の三第一項の規定により指定試験機関に行わせることとした試験事務を当該指定試験機関に行わせないこととしたとき。

三 号

第四十五条の七第二項の規定による届出があつたとき。

四 号

第四十五条の十七第一項の規定により試験事務の全部 若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は同項の規定により自ら行つていた試験事務の全部 若しくは一部を行わないこととするとき。

1項

経済産業大臣は、第四十四条 又は第四十五条の三十四第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令をしようとするときは、行政手続法平成五年法律第八十八号第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

2項

第八条第三十一条第五項第三十四条第四十四条第四十五条の十二第四十五条の十三第四項において準用する場合を含む。)、第四十五条の十六第一項 若しくは第二項第四十五条の三十一第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)又は第四十五条の三十四第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

3項

前項の聴聞の主宰者は、行政手続法第十七条第一項の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。

1項

指定試験機関が行う試験事務に係る処分 又はその不作為について不服がある者は、経済産業大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、経済産業大臣は、行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第二十五条第二項 及び第三項第四十六条第一項 及び第二項 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。

1項

この法律 又はこの法律に基づく命令の規定による処分 又はその不作為についての審査請求に対する裁決は、行政不服審査法第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、審査請求人に対し、相当な期間をおいて予告をした上、同法第十一条第二項に規定する審理員が公開による意見の聴取をした後にしなければならない。

2項

前項の意見の聴取に際しては、審査請求人 及び利害関係人に対し、その事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。

3項

第一項に規定する審査請求については、行政不服審査法第三十一条の規定は適用せず、同項の意見の聴取については、同条第二項から第五項までの規定を準用する。

1項

第四十五条 又は第四十五条の二の規定による処分については、審査請求をすることができない

1項
この法律に規定する主務大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事 又は指定都市の長が行うこととすることができる。
1項
この法律 又はこの法律に基づく命令の規定により経済産業大臣の権限に属する事項は、政令の定めるところにより、産業保安監督部長に行わせることができる。
2項
この法律 又はこの法律に基づく政令の規定により道公安委員会の権限に属する事項は、政令の定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。
1項

経済産業大臣は、災害の発生の防止 又は公共の安全の維持のため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事 又は指定都市の長に対し、この法律 又は第五十六条の二の規定に基づく政令の規定により都道府県知事 又は指定都市の長が行うこととされる事務に関し、必要な指示をすることができる。

1項

この法律の規定は、第四十九条 及び次章の規定を除き、国に適用があるものとする。


この場合において、

許可」又は「認可」とあるのは、
「承認」と

する。

1項

第二章 及び前章第一節第三十一条第三項 及び第五項第三十一条の二第一項第三十一条の三第一項 及び第三項 並びに第四十三条第一項除く)並びに第四十五条の三の十第四十六条第二項第四十七条 及び第五十二条第四項除く)の規定により都道府県知事が処理することとされている事務は、指定都市においては、指定都市の長が処理するものとする。


この場合においては、この法律中前段に規定する事務に係る都道府県知事に関する規定は、指定都市の長に関する規定として指定都市の長に適用があるものとする。

第五章 罰則

1項

次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第三条の規定による許可を受けないで火薬類の製造の業を営んだ者

二 号

第四条の規定に違反した者

三 号

第五条の規定による許可を受けないで火薬類の販売の業を営んだ者

四 号

第二十四条第一項の規定による許可を受けないで火薬類を輸入した者

五 号

第四十四条の規定による事業の停止の命令に違反した者

1項

次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第十条第一項の規定による許可を受けないで製造施設の位置、構造 若しくは設備の変更の工事をし、又はその製造する火薬類の種類 若しくはその製造の方法を変更した者

二 号

第十一条第一項第十三条第十五条第一項 若しくは第二項第十八条第二十一条第二十三条第二項第三十条第一項 若しくは第二項第三十三条第一項第三十七条 又は第三十八条の規定に違反した者

三 号

第十二条第一項の規定による許可を受けないで火薬庫を設置し、移転し、又はその構造 若しくは設備を変更した者

四 号

第十七条第一項の規定に違反し、許可を受けないで火薬類を譲り渡し、又は譲り受けた者

五 号

第二十五条第一項の規定に違反し、許可を受けないで火薬類を爆発 又は燃焼させた者

五の二 号

第二十七条第一項の規定に違反し、許可を受けないで火薬類を廃棄した者

六 号

第二十八条第一項の規定による認可を受けないで、火薬類の製造をした者

六の二 号

第二十九条第一項同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反し、認可を受けないで火薬類の製造、販売 又は消費をした者

七 号

第三十六条第一項の規定に違反し、安定度試験を実施しない者

八 号

第四十五条の規定による命令 又は禁止 若しくは制限に違反した者

1項

第三十一条の二第二項第四十五条の十四第一項 又は第四十五条の三十二第一項第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

第四十五条の十六第二項 又は第四十五条の三十四第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による試験事務 又は検査の業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定試験機関、指定完成検査機関 又は指定保安検査機関の役員 又は職員は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

一 号

第九条第一項 若しくは第二項第十一条第二項第十四条第一項第十七条第五項第二十条第二項第二十二条第二十三条第一項第二十六条第二十七条の二第四十条第一項 若しくは第二項 又は第四十七条の規定に違反した者

二 号

第二十条第一項の規定に違反し、運搬証明書を携帯しないで火薬類を運搬した者

三 号

虚偽の届出をして、第十九条第一項の運搬証明書の交付を受けた者

四 号

第四十八条第一項の条件に違反した者

1項

次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

一 号

正当な理由なく第三十一条第五項の命令に違反し、火薬類製造保安責任者免状 又は火薬類取扱保安責任者免状を返納しない者

二 号

第四十一条第一項の規定による事項を帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は同条第二項の規定に違反して帳簿を保存しなかつた者

三 号

第三十五条の二第三項第三十六条第一項第四十二条 又は第四十六条第二項の報告をせず、又は虚偽の報告をした者

三の二 号

第四十五条の三の九第二項同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して検査記録を作成せず、虚偽の検査記録を作成し、検査記録を保存せず、又は検査記録の提出を拒んだ者

四 号

第十条第二項第十二条第二項第十二条の二第二項第十六条第一項 若しくは第二項第二十四条第三項第三十条第三項第三十三条第二項第三十五条の二第二項第四十五条の三の八第一項 若しくは第二項 又は第四十六条第一項の届出をせず、又は虚偽の届出をした者

四の二 号

第二十八条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして火薬類の製造をした者

五 号

第三十五条第一項第四十三条第一項から第三項までの規定による検査 若しくは収去を拒み、妨げ 若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者

六 号

第四十五条の二第一項の規定による警察官の停止に従わず、提示の要求を拒み、若しくは検査を拒み、若しくは妨げ、又は同項の規定による命令に従わなかつた者

1項

次の各号の一に該当するときは、その違反行為をした指定試験機関、指定完成検査機関 又は指定保安検査機関の役員 又は職員は、二十万円以下の罰金に処する。

一 号

第四十五条の九第一項の許可を受けないで試験事務の全部を廃止したとき。

二 号

第四十五条の三十第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。

三 号

第四十五条の十八第一項 又は第四十五条の三十五第一項第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は第四十五条の十八第二項 若しくは第四十五条の三十五第二項第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して帳簿を保存しなかつたとき。

四 号

第四十五条の二十第一項 若しくは第二項 又は第四十五条の三十六第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

五 号

第四十五条の二十一第一項 若しくは第二項 又は第四十五条の三十七第一項第四十五条の三十八第二項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

1項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、第五十八条第五十九条第六十条 又は第六十一条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して各本条の罰金刑を科する。