土地改良法

# 昭和二十四年法律第百九十五号 #

第一節 土地改良区の行う土地改良事業

分類 法律
カテゴリ   農業
@ 施行日 : 令和四年八月二十日 ( 2022年 8月20日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十四号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分


第一款 土地改良区の設立

1項

第三条に規定する資格を有する十五人以上の者は、その資格に係る土地を含む一定の地域を定め、その地域に係る土地改良事業(第二条第二項第六号に掲げるものを除く。以下第十五条の規定を除きこの章において同じ。)の施行を目的として、都道府県知事の認可を受け、その地域について土地改良区を設立することができる。


この場合において、二以上の土地改良事業の施行を目的としての土地改良区を設立することができるのは、これらの事業相互間に相当の関連性がある場合に限るものとし、その場合における当該一定の地域は、その各土地改良事業の施行に係る地域のすべてを合わせた地域とする。

2項

前項の者は、同項の認可の申請をするには、あらかじめ、農林水産省令の定めるところにより、同項の土地改良事業の計画の概要(二以上の土地改良事業の施行を目的とする場合には、その各土地改良事業に係る計画の概要 及び農林水産省令で定めるときにあつては全体構成。次項において同じ。)、定款作成の基本となるべき事項、同項の一定の地域内にある土地につき第三条に規定する資格を有する者で当該土地改良事業の計画 及び定款の作成に当たるべきものの選任方法 その他必要な事項を公告して、同項の一定の地域内にある土地につき同条に規定する資格を有する者の三分の二二以上の土地改良事業の施行を目的とする場合には、その各土地改良事業につき、その施行に係る地域内にある土地につき同条に規定する資格を有する者の三分の二)以上の同意を得なければならない。

3項

第一項の者は、同項の認可の申請をするには、前項の規定による公告をする前に、農林水産省令の定めるところにより、同項の土地改良事業の計画の概要につき市町村長と協議しなければならない。

4項

第二条第二項第三号に掲げる事業 又は当該事業と 他の事業とを一体とした同項第一号に掲げる事業(以下「農用地造成事業等」と総称する。)の施行を目的とし、又は目的の一部に含む土地改良区を設立する場合において、第一項の認可を申請するには、同項の者は、第二項三分の二以上の同意のほか、その同条第二項第三号に掲げる事業の施行に係る地域(以下「農用地造成地域」という。)内にある土地につき第三条に規定する資格を有する者で同条第一項第三号 又は第四号に該当するもの(以下「農用地外資格者」という。)についてその全員の同意を得なければならない。

5項

前項に規定する土地改良区を設立する場合には、当該農用地造成事業等については、農用地外資格者は、その者の当該資格に係る土地につき所有権以外の権原に基づき使用 及び収益をする者が他に存するときは、第二項 及び前項の同意について同意 又は不同意を第一項の者に表示する前において、農林水産省令の定めるところにより、その農用地造成事業等の施行につき、その使用 及び収益をする者の意見を聴かなければならない。

6項

国有地 又は国 若しくは地方公共団体が公用 若しくは公共の用に供している土地を含めて第一項の一定の地域を定めるには、その土地を管理する行政庁 又は地方公共団体の承認がなければならない。

7項

建築物の敷地、墓地、境内地 その他の農用地以外の土地(前項に規定する土地を除く)で政令で定めるものを含めて第一項の一定の地域を定めるには、その土地につき所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利 又は その他の使用 及び収益を目的とする権利を有する者の全員の同意がなければならない。

1項

前条第四項に規定する土地改良区を設立する場合には、当該農用地造成事業等については、これにつき同条第二項三分の二以上の同意があつたときにおいても、その農用地造成事業等に係る農用地造成地域内にある土地についての農用地外資格者のうちになお同意をしない者があるときは、同条第一項の者は、農林水産省令の定めるところにより、その同意をしない者に対し必要な資料、情報等の提供 及び勧奨をするほか、その同意をしない者のその農用地造成事業等に参加する資格の交替 又は その同意をしない者の第三条に規定する資格に係る土地についての所有権 若しくは その他の使用 及び収益を目的とする権利の移転、設定、変更 若しくは消滅に関し、その者 及び その交替をしようとする者 又は その権利の移転、設定 若しくは変更を受けようとする者と協議し、その他 当該農用地外資格者の全員の同意を得るために必要な措置をとるものとする。

2項

前項の規定により必要な措置をとつた場合においても、なお当該農用地外資格者の全員の同意を得るに至らないときは、前条第一項の者は、その全員の同意を得るため、その農用地外資格者のうちなお同意をしない者の当該農用地造成事業等に参加する資格の交替 又は その同意をしない者の第三条に規定する資格に係る土地についての所有権 若しくは その他の使用 及び収益を目的とする権利の移転、設定、変更 若しくは消滅に関し、その交替をしようとする者 又は その権利の移転、設定 若しくは変更を受けようとする者の委託を受けて、都道府県知事に対し、必要なあつせん 又は調停をなすべき旨の申請をすることができる。

3項

都道府県知事は、前項の申請があつた場合には、すみやかに、あつせん 又は調停を行なうものとする。

4項

都道府県知事は、前項の調停を行なう場合には、第二項の同意をしない者 その他農林水産省令で定める者の意見をきくとともに、関係農業委員会に対し助言、資料の提示 その他必要な協力を求めて、調停案を作成しなければならない。

5項

都道府県知事は、前項の規定により調停案を作成したときは、これを当該調停の当事者に示してその受諾を勧告するものとする。

1項

第五条第二項三分の二以上の同意(同条第四項に規定する土地改良区の設立については、同条第二項三分の二以上の同意のほか、その農用地造成事業等に係る農用地造成地域内にある土地についての農用地外資格者についてその全員の同意)があつたときは、同条第一項の者は、農林水産省令の定めるところにより、土地改良事業計画、定款 その他必要な事項を定め、同項の認可を申請することができる。

2項

前項の土地改良事業計画 及び定款は、第五条第二項の規定により同意を得た選任方法によつて選任された者によつて、同項の規定により同意を得た土地改良事業の計画の概要 及び定款作成の基本となるべき事項に基いて作成されたものでなければならない。

3項

土地改良事業計画においては、農林水産省令の定めるところにより、当該土地改良事業につき、目的、その施行に係る地域、工事 又は管理に関する事項(換地計画を定める土地改良事業にあつては、工事に関する事項のほか、当該換地計画の概要)、事業費に関する事項、効果に関する事項 その他農林水産省令で定める事項を定めるものとする。

4項

前項の工事に関する事項は、換地計画を定める土地改良事業でその施行に係る地域のうちに農用地以外の用に供する土地(その土地改良事業によつて生ずる土地改良施設の用に供する土地を除く)として工事を施行する土地を含むものについては、その工事を施行する土地の区域(以下「非農用地区域」という。)と その他の土地の区域を分けて、そのそれぞれにつき定めなければならない。

5項

第一項の規定により申請をする者は、土地改良事業計画 及び定款を定めるため、都道府県に農用地の改良、開発、保全 又は集団化に関し専門的知識を有する職員の援助を求めることができる。

6項

都道府県は、正当の事由がある場合を除いて前項の規定による請求を拒んではならない。

1項

都道府県知事は、前条第一項の規定による申請があつたときは、当該土地改良事業計画 及び定款につき詳細な審査を行つてその適否を決定し、その旨を当該申請人に通知しなければならない。

2項

都道府県知事は、前項の審査に当つては、農林水産省令の定めるところにより、農用地の改良、開発、保全 又は集団化に関し専門的知識を有する技術者が調査して提出する報告に基かなければならない。

3項

前項の調査は、当該土地改良事業のすべての効用と費用とについての調査を含むものでなければならない。

4項

都道府県知事は、前条第一項の規定による申請について、次の各号の一に該当する場合 及び次項の規定に該当する場合を除き第一項の規定により適当とする旨の決定をしなければならない。

一 号

申請に係る土地改良事業が、第一条に規定する目的 及び原則を基礎として政令で定める土地改良事業の施行に関する基本的な要件に適合するものでないとき。

二 号

申請の手続 又は定款 若しくは土地改良事業の計画の決定手続 若しくは内容が法令 又は法令に基づいてする行政庁の処分に違反しているとき。

三 号

申請に係る土地改良区が、申請に係る土地改良事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎 又は技術的能力を欠く等土地改良事業の遂行のための基礎的な要件として政令で定める要件を欠くと認められるとき。

5項

都道府県知事は、前条第四項に規定する土地改良事業に係る同条第一項の規定による申請については、当該土地改良事業計画において定められた非農用地区域が次に掲げる要件に適合する場合でなければ、第一項の規定により適当とする旨の決定をしてはならない。

一 号

当該土地改良事業の施行に係る地域に特定用途用地 その他農用地以外の土地で引き続き農用地として利用されないことが確実であると見込まれるものが含まれる場合には、当該地域内における農用地の集団化 その他農業構造の改善に資する見地からみて、当該非農用地区域がこれらの土地に代わるべき土地の区域として適切な位置にあり、かつ、妥当な規模をこえないものであること。

二 号

当該土地改良事業の施行に係る地域内で農業を営む者の生活上 若しくは農業経営上必要な施設(その土地改良事業によつて生ずる土地改良施設を除く)の用に供する土地 又は国 若しくは地方公共団体の計画からみて当該土地改良事業の施行に係る地域内に近く設置することが確実と見込まれる公用 若しくは公共の用に供する施設(その土地改良事業によつて生ずる土地改良施設を除く)の用に供するための土地が新たに必要な場合には、当該非農用地区域が当該施設の用に供する土地の区域として適切な位置にあり、かつ、妥当な規模をこえないものであること。

三 号

前号に掲げる場合のほか、当該土地改良事業の施行に係る地域の自然的経済的社会的諸条件からみて当該地域内にある農用地の一部がその施行後において農用地以外の用途に供されることが見通される場合には、当該地域内において引き続き農用地として利用されるべき土地の効率的な利用を確保する見地からみて、当該非農用地区域がその農用地以外の用途に供することを予定する土地の区域として適切な位置にあり、かつ、妥当な規模をこえないものであること。

6項

都道府県知事は、第一項の規定により当該申請を適当とする旨の決定をしたときは、遅滞なく その旨を公告し、二十日以上の相当の期間を定めてその決定に係る土地改良事業計画書 及び定款の写を縦覧に供しなければならない。

1項

当該土地改良事業に関係のある土地 又は その土地に定着する物件の所有者、当該土地改良事業に関係のある水面につき漁業権 又は入漁権を有する者 その他 これらの土地、物件 又は権利に関し権利を有する者(以下「利害関係人」という。)は、前条第六項の規定による公告に係る決定に対して異議があるときは、同項に規定する縦覧期間満了の日の翌日から起算して十五日以内に都道府県知事にこれを申し出ることができる。

2項

都道府県知事は、前項の規定による異議の申出を受けたときは、前条第二項に掲げる技術者の意見をきいて、同条第六項に規定する縦覧期間満了後六十日以内にこれを決定しなければならない。

3項

第一項の異議の申出には、行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号)中審査請求に関する規定(同法第十八条第一項 及び第二項 並びに第四十三条除く)を準用する。

4項

都道府県知事は、第二項の規定による決定が第七条第一項の規定による申請に係る土地改良事業計画 又は定款に矛盾するものであるときは、同項の規定による申請を却下しなければならない。

5項

第二項の規定による決定 及び前項の規定による却下 又は これらの不作為については、*審査請求をすることができない

1項

都道府県知事は、前条第一項の異議の申出がないとき、又は異議の申出があつた場合においてそのすべてについて同条第二項の規定による決定があつたときは、同条第四項の場合を除いて土地改良区の設立の認可をしなければならない。

2項

土地改良区は、前項の規定による認可により、第五条第一項の一定の地域を地区として成立する。

3項

都道府県知事は、土地改良区が成立したときは、遅滞なく その旨を公告しなければならない。

4項

土地改良区の成立は、前項の規定による公告があるまでは、これをもつて組合員 その他の第三者に対抗することができない

5項

第一項の規定による認可 及び その認可に係る土地改良事業計画による事業の施行については、審査請求をすることができない

1項

土地改良区の地区内にある土地につき第三条に規定する資格を有する者は、その土地改良区の組合員とする。

1項

土地改良区の設立に関する費用は、その土地改良区の負担とする。


但し、土地改良区が成立しなかつた場合には、その費用は、その設立を申請した者の負担とする。

1項
土地改良区は、法人とする。
1項
土地改良区は、その名称中に土地改良区という文字を用いなければならない。
2項
土地改良区でないものは、その名称中に土地改良区という文字を用いてはならない。
1項
土地改良区は、その地区内の土地改良事業を行うものとする。
2項

土地改良区は、前項の土地改良事業に附帯する事業(第五十七条の四第一項に規定する事業を含む。以下同じ。)を行うことができる。

1項

土地改良区は、定款で定めるところにより、当該土地改良区の地区内にある土地の所有者 又は当該土地につき所有権以外の権原に基づき使用 及び収益をする者であつて、第三条に規定する資格を有しないものを准組合員たる資格を有する者とすることができる。

2項

土地改良施設の管理(委託を受けて行う管理を含む。)を行う土地改良区にあつては、定款で定めるところにより、当該土地改良区の地区の周辺の地域内に住所を有する者が主たる構成員となつている団体であつて土地改良施設の管理に関連する活動を行うものを施設管理准組合員たる資格を有する者とすることができる。

1項

准組合員 又は施設管理准組合員(以下「准組合員等」という。)たる資格を有する者が土地改良区に加入しようとするときは、土地改良区は、正当な理由がないのにその加入を拒んではならない。

1項

准組合員等は、六十日前までに予告して脱退することができる。

2項
准組合員等は、次に掲げる事由によつて脱退する。
一 号
准組合員等たる資格の喪失
二 号
死亡 又は解散
三 号
除名
3項

除名は、次のいずれかに該当する准組合員等につき、総会の議決によつてこれをすることができる。


この場合において、土地改良区は、その総会の会日から十日前までに当該准組合員等に対しその旨を通知し、かつ、総会において弁明する機会を与えなければならない。

一 号

経費の支払 又は土地改良施設の管理への協力 その他土地改良区に対する義務を怠つた准組合員等

二 号
その他定款で定める行為をした准組合員等
4項

前項の除名は、除名した准組合員等にその旨を通知しなければ、これをもつて当該准組合員等に対抗することができない

1項

土地改良区は、その地区内にある農用地につき耕作 又は養畜の業務を営む者の土地改良事業への参加の促進を図るため、土地改良施設の管理 その他の土地改良事業に関する情報の提供に努めるものとする。

2項

国 及び地方公共団体は、前項の情報の提供が円滑に実施されるよう、土地改良区に対し、必要な指導、助言 その他の援助を行うように努めるものとする。

第二款 土地改良区の管理

1項
土地改良区の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 号
名称 及び認可番号
二 号
地区
三 号
事業
四 号
事務所の所在地
五 号
経費の分担に関する事項
六 号
役員の定数、任期、職務の分担 及び選挙に関する事項
七 号
事業年度
八 号
公告の方法
2項

土地改良区の定款には、前項各号に掲げる事項のほか、准組合員等たる資格を定めたときは、准組合員等の加入 及び脱退に関する事項を記載しなければならない。

3項
土地改良区の事業年度については、農林水産省令で定める。
1項

次に掲げる事項は、定款で定めなければならない事項を除いて、規約で定めることができる。

一 号
総会 又は総代会に関する事項
二 号
業務の執行 及び会計に関する事項
三 号
役員に関する事項
四 号

組合員 又は准組合員等(以下「組合員等」という。)に関する事項

五 号
その他必要な事項
1項
土地改良区に、役員として、理事 及び監事を置く。
2項

理事の定数は、五人以上とし、監事の定数は、二人以上とする。

3項

役員は、定款で定めるところにより、総会で選挙する。


ただし、定款で定めるところにより、総会外で選挙することができる。

4項

土地改良区設立当時の役員は、前項の規定にかかわらず第七条第一項の認可の申請人 及び第五条第二項の同意をした者のうちから当該申請人が選任する。

5項

土地改良区の理事(設立当時の理事を除く)の定数の少なくとも五分の三は、次に掲げる要件の全て(当該土地改良区の地区内において耕作 又は養畜の業務を営む組合員が少ない場合 その他の農林水産省令で定める場合にあつては、第一号に掲げる要件)に該当する者(法人を除き、組合員たる法人の業務を執行する役員を含む。)でなければならない。

一 号
当該土地改良区の組合員であること。
二 号
耕作 又は養畜の業務を営む者であること。
6項

土地改良区の監事(設立当時の監事を除く)のうち一人以上は、次に掲げる要件の全てに該当する者でなければならない。


ただし、土地改良区の業務 及び会計についての監査に関し専門的知識を有する者の指導を受ける場合 その他の農林水産省令で定める場合は、この限りでない。

一 号

当該土地改良区の組合員等 又は当該土地改良区の組合員等たる法人 若しくは団体の役員 若しくは使用人以外の者であること。

二 号

その就任の前五年間当該土地改良区の理事 又は職員でなかつたこと。

三 号

当該土地改良区の理事 又は重要な使用人の配偶者 又は二親等内の親族以外の者であること。

7項

役員の選挙は、無記名投票によつて行う。


ただし、定款で定めるところにより、役員候補者が選挙すべき役員の定数以内であるときは、投票を省略することができる。

8項

投票は、一人につき一票とする。

9項
役員の選挙においては、選挙ごとに選挙管理者、投票所ごとに投票管理者、開票所ごとに開票管理者を置かなければならない。
10項

役員の選挙をしたときは、選挙管理者は選挙録、投票管理者は投票録、開票管理者は開票録を作り、それぞれこれに署名しなければならない。

11項
総会外において役員の選挙を行うときは、投票所は、組合員の選挙権の適正な行使を妨げない場所に設けなければならない。
12項

役員(設立当時の役員を除く)は、第三項の規定にかかわらず、定款で定めるところにより、組合員が総会において選任することができる。

13項

役員の任期は、四年とする。


ただし、定款で四年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。

14項
設立当時の役員の任期は、前項の規定にかかわらず、第一回の総会までとする。
15項
補欠役員は、その前任者の残任期間在任する。
16項

役員は、その任期が満了しても、後任の役員(第二十九条の四第一項の仮理事を含む。)が就任するまでの間は、なお その職務を行う。

17項

土地改良区は、役員が就任し、又は退任したときは、その氏名 及び住所を都道府県知事に届け出なければならない。


役員の氏名 又は住所に変更を生じたときも、同様とする。

18項

都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、遅滞なく、これを公告しなければならない。

19項

土地改良区は、前項の規定による公告があるまでは、役員の代表権をもつて第三者(組合員等を除く)に対抗することができない

1項

理事は、定款の定めるところにより、土地改良区を代表する。


但し、総会の決議に従わなければならない。

2項

土地改良区の事務は、理事の過半数で決する。


但し、定款に別段の定がある場合には、この限りでない。

1項

理事の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

1項
理事は、定款 又は総会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
1項
監事の職務は、次のとおりとする。
一 号
土地改良区の財産の状況を監査すること。
二 号
理事の業務の執行の状況を監査すること。
三 号
財産の状況 又は業務の執行について、法令 若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、総会 又は都道府県知事に報告をすること。
四 号

前号の報告をするため必要があるときは、総会を招集すること。

1項

役員は、法令、法令に基づいてする行政庁の処分、定款、規約、第五十七条の二第一項の管理規程、第五十七条の三の二第一項の利水調整規程 及び総会の決議を遵守し、土地改良区のため忠実にその職務を遂行しなければならない。

2項
役員がその任務を怠つたときは、その役員は、土地改良区に対し連帯して損害賠償の責任を負う。
3項
役員がその職務を行うにつき悪意 又は重大な過失があつたときは、その役員は、第三者に対し連帯して損害賠償の責任を負う。
1項
理事、監事 及び職員は、相兼ねてはならない。
1項
土地改良区と理事との契約 又は争訟については、監事が土地改良区を代表する。
1項
土地改良区の総会は、総組合員で組織する。
1項

組合員の数が百人を超える土地改良区は、定款で定めるところにより、総会に代わるべき総代会を設けることができる。

2項

総代の定数は、三十人以上とし、定款で定める。

3項
総代は、組合員でなければならない。
4項

総代には、第十八条第三項第七項から第十一項まで第十三項第十五項 及び第十六項 並びに第二十九条の三第一項第三項 及び第四項の規定を準用する。


この場合において、

同条第一項
五分の一」とあるのは、
三分の一」と

読み替えるものとする。

5項

総代会には、総会に関する規定(次条第二項第四項 及び第五項の規定を除く)(これに係る罰則を含む。)を準用する。


この場合において、

第三十一条第五項
その組合員と住居 及び生計を一にする親族 又は 他の組合員」とあるのは
「他の組合員」と、

同条第六項
四人」とあるのは
二人」と

読み替えるものとする。

6項

総代会においては、前項の規定にかかわらず、総代の選挙 及び改選をすることができない。

1項

総代会において土地改良区の解散 又は合併の決議があつたときは、理事は、当該決議の日から五日以内に、組合員に当該決議の内容を通知しなければならない。

2項

前項の総代会の決議に関し、組合員が、総組合員の五分の一これを下回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合)以上の同意を得て、会議の目的である事項 及び招集の理由を記載した書面を土地改良区に提出して、総会の招集を請求したときは、理事は、その請求があつた日から二十日以内総会を招集しなければならない。


この場合において、当該書面の提出は、当該総代会の決議の日から一月以内にしなければならない。

3項

第二十六条第二項 及び第三項の規定は、前項の規定による書面の提出について準用する。

4項

第二項の請求の日から二週間以内に理事が正当な理由がないのに総会招集の手続をしないときは、監事は、総会を招集しなければならない。

5項

第二項 又は前項の総会において第一項の規定による通知に係る事項を承認しなかつた場合には、当該事項についての総代会の決議は、その効力を失う。

1項

理事は、毎事業年度一回通常総会を招集しなければならない。

2項
理事は、必要と認めるときは、何時でも臨時総会を招集することができる。
1項

組合員が、総組合員の五分の一以上の同意を得て、会議の目的である事項 及び招集の理由を記載した書面を土地改良区に提出して、総会の招集を請求したときは、理事は、その請求があつた日から二十日以内に総会を招集しなければならない。

2項

前項の場合において、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて農林水産省令で定めるものをいう。以下同じ。)により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、当該書面に記載すべき事項 及び理由を当該電磁的方法により提供することができる。


この場合において、当該書面に記載すべき事項 及び理由を当該電磁的方法により提供した組合員は、当該書面を提出したものとみなす。

3項

前項前段の電磁的方法(農林水産省令で定める方法を除く)により行われた当該書面に記載すべき事項 及び理由の提供は、土地改良区の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該土地改良区に到達したものとみなす。

1項

理事の職務を行う者がないとき、又は前条第一項の請求があつた場合において理事が正当な理由がないのに総会招集の手続をしないときは、監事は、総会を招集しなければならない。

1項

総会を招集するには、その会日から五日前までに、会議の日時、場所 及び目的を各組合員に通知しなければならない。


ただし、急施を要する場合には、その会日から三日前までに通知すればよい。

2項

理事は、前項の規定による通知をした後、遅滞なく、会議の日時、場所 及び目的を公告しなければならない。

1項

理事は、定款、規約、第五十七条の二第一項の管理規程、第五十七条の三の二第一項の利水調整規程、事業に関する書類(次条第一項に規定する決算関係書類を含む。)、組合員名簿、土地原簿 及び議事録を主たる事務所に備え、かつ、これらを保存しなければならない。


ただし、土地原簿については、その一部を主たる事務所以外の場所に備えて置くことができる。

2項

理事は、前項ただし書の規定により土地原簿の一部を主たる事務所以外の場所に備えて置くこととしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

3項

第一項の組合員名簿 及び土地原簿には、農林水産省令で定める事項を記載しなければならない。

4項

組合員等 その他 当該土地改良区の事業に利害関係のある者から第一項に規定する書簿の閲覧の請求があつた場合には、理事は、正当な理由がある場合を除いて、これを拒んではならない。

1項

理事は、事業報告書、貸借対照表、収支決算書 及び財産目録(土地改良施設の管理を行わない土地改良区 その他の農林水産省令で定める土地改良区にあつては、事業報告書、収支決算書 及び財産目録。以下「決算関係書類」という。)を総会に提出しようとするときは、その会日から二週間前までに、当該決算関係書類を監事に提出しなければならない。

2項

決算関係書類を総会に提出するときは、監事の意見書を添付しなければならない。

3項

前項の監事の意見書については、これに記載すべき事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして農林水産省令で定めるものをいう。第百四十三条第九号において同じ。)の添付をもつて、当該監事の意見書の添付に代えることができる。


この場合において、理事は、当該監事の意見書を添付したものとみなす。

4項

土地改良区は、総会において決算関係書類の承認の決議があつたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、決算関係書類を都道府県知事に提出するとともに、これを公表しなければならない。

1項

役員は、総組合員の五分の一以上の請求により、任期中でも総会において改選することができる。

2項

前項の請求は、役員が職務の執行に関し法令、法令に基づいてする行政庁の処分、定款、規約、第五十七条の二第一項の管理規程、第五十七条の三の二第一項の利水調整規程 又は総会の決議に違反したことを理由とし、かつ、当該役員についてでなければ、することができない。

3項

第一項の請求は、改選の理由を記載した書面を土地改良区に提出してしなければならない。

4項

前項の規定による書面の提出があつたときは、土地改良区は、総会の会日から五日前までに、当該役員に対し、その書面の写しを送付し、かつ、総会において、弁明する機会を与えなければならない。

1項

役員の職務を行う者がないため遅滞により損害を生ずるおそれがある場合において、組合員 その他利害関係を有する者の請求があつたときは、都道府県知事は、仮理事を選任し、又は役員を選挙するための総会を招集して役員を選挙させることができる。

2項

前項の総会の招集については、第二十八条 及び第四十五条の規定を準用する。

1項
次に掲げる事項は、総会の議決を経なければならない。
一 号
定款の変更
二 号

規約、第五十七条の二第一項の管理規程 又は第五十七条の三の二第一項の利水調整規程の設定、変更 又は廃止

三 号
起債 又は借入金の借入れ 並びにそれらの方法、利率 及び償還の方法
四 号
経費の収支予算
五 号

予算をもつて定めたものを除くほか、土地改良区の負担となるべき契約

六 号
賦課金 及び夫役現品の賦課徴収の方法
七 号
決算関係書類の承認
八 号

第七十七条第二項 又は第八十一条の規定により協議して定める事項

九 号

第九十三条第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)の規定による申出

2項
定款の変更は、都道府県知事の認可を受けなければならない。
3項

都道府県知事は、前項の認可をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

4項

定款の変更は、前項の規定による公告があるまでは、これをもつて第三者(組合員等を除く)に対抗することができない

5項

第二項の認可には、第八条第四項の規定を準用する。

1項
組合員は、各々一個の議決権 並びに役員 及び総代の選挙権を有する。
2項

組合員は、第二十八条第一項第二十九条の四第二項において準用する場合を含む。)の規定による通知があつた事項について、書面 又は代理人をもつて議決権 又は選挙権を行うことができる。

3項

組合員は、定款で定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法により行うことができる。

4項

前二項の規定により議決権 又は選挙権を行う者は、出席者とみなす。

5項
代理人は、その組合員と住居 及び生計を一にする親族 又は 他の組合員でなければならない。
6項

代理人は、四人以上の組合員を代理することができない

7項

代理人は、代理権を証する書面を土地改良区に提出しなければならない。


この場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる。

1項
土地改良区と特定の組合員との関係について議決をする場合には、その組合員は、議決権を有しない。
1項

総会の議事は、この法律 又は定款に特別の定めがある場合を除いて、総組合員の半数以上が出席し、その議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

2項
議長は、総会で選任する。
3項
議長は、組合員として総会の議決に加わる権利を有しない。
4項
准組合員等は、定款で定めるところにより、総会に出席して意見を述べることができる。
1項

次に掲げる事項に関する総会の議事は、総組合員の三分の二以上が出席し、その議決権の三分の二以上で決する。

一 号
定款の変更
二 号

土地改良事業計画の設定 若しくは変更、第八十五条の三第一項 若しくは第六項の規定による申請、第八十七条の二第四項の規定による同意 又は土地改良事業の廃止

三 号
解散 又は合併
1項

総会においては、第二十八条第一項第二十九条の四第二項において準用する場合を含む。)の規定によつてあらかじめ通知をした事項についてのみ決議をすることができる。


ただし第二十九条の四第一項の規定により招集される総会以外の総会については、定款に別段の定めがある場合には、この限りでない。

1項

土地改良区には、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律平成十八年法律第四十八号第四条住所)及び第七十八条代表者の行為についての損害賠償責任)の規定を準用する。

1項

土地改良区は、定款で定めるところにより、その事業に要する経費(第九十条第四項第九十一条第四項 及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)、第九十条第八項 又は第九十一条第五項の規定により徴収される金銭を含む。)に充てるため、その地区内にある土地につき、その組合員に対して金銭、夫役 又は現品を賦課徴収することができる。

2項

前項の規定にかかわらず、土地改良区は、定款で定めるところにより、その准組合員が、その准組合員たる資格に係る権利の目的たる土地に係る組合員の同意を得て同項の規定により当該組合員に対して賦課すべき金銭、夫役 又は現品の全部 又は一部を当該准組合員に賦課すべき旨を申し出たときは、当該准組合員に対して、当該金銭、夫役 又は現品の全部 又は一部を賦課徴収するものとする。

3項

第一項の規定による賦課に当たつては、地積、用水量 その他の客観的な指標により、当該事業によつて当該土地が受ける利益を勘案しなければならない。

4項

土地改良区は、その地区を変更する場合において、新たに編入される土地があるときは、第一項 及び第二項に規定するもののほか、定款で定めるところにより、その土地について加入金を徴収することができる。

5項

組合員 又は准組合員は、第一項 若しくは第二項の規定により賦課された金銭、夫役 若しくは現品 又は前項の加入金の徴収については、相殺をもつて対抗することができない

6項

夫役 又は現品は、金銭に算出して賦課しなければならない。

7項
夫役 又は現品は、金銭で代えることができる。
8項

土地改良事業の施行に関し第一項 又は第二項の規定により賦課される夫役は、労働の基準 又は賃金に関する法令の趣旨に沿うものでなければならない。

9項

土地改良区は、第一項第二項 又は第四項の規定による場合のほか、定款で定めるところにより、都道府県知事の認可を受け、その行う土地改良事業によつて利益を受ける者で農林水産省令で定めるもの(以下この条において「特定受益者」という。)から、特定受益者の受ける利益を限度として、その土地改良事業に要する経費の一部を徴収することができる。

10項

土地改良区は、前項の認可を申請しようとするときは、あらかじめ、農林水産省令で定めるところにより、同項の徴収の方法について、特定受益者 及び市町村長の意見を聴かなければならない。

11項

前項の規定により特定受益者 又は市町村長の意見が述べられたときは、第九項の認可を申請するには、その申請書に、当該意見を記載した書面を添付しなければならない。

1項

土地改良区は、土地改良施設の機能の保持 又は増進を図るため必要があると認めるときは、定款で定めるところにより、施設管理准組合員に対し、当該土地改良施設の管理への協力を求めることができる。

1項

土地改良区は、政令で定めるところにより、定款で、組合員が、土地改良事業の施行に係る地域内にある土地でその者の第三条に規定する資格に係るものを当該土地改良事業の計画において予定する用途以外の用途(以下 この項において「目的外用途」という。)に供するため所有権の移転等(所有権の移転 又は地上権、賃借権 その他の使用 及び収益を目的とする権利の設定 若しくは移転をいう。以下同じ。)をした場合 又は当該土地を自ら目的外用途に供した場合(当該土地を目的外用途に供するため所有権の移転等を受けて、目的外用途に供した場合を除く)には、当該組合員から、当該土地改良事業に要する費用のうち当該土地に係る部分の額から第三十六条第一項 又は第二項の規定により当該費用に充てるためその土地につき賦課された金銭 その他の額を差し引いて得た額の全部 又は一部を徴収することができる。

2項

土地改良区は、定款で定めるところにより、第九十条の二第二項第五項 若しくは第七項 又は第九十一条の二第二項 若しくは第五項において準用する第九十条第四項の規定により徴収される金銭に充てるため、その徴収の原因となつた行為をした組合員から、その徴収される金銭のうちその者に係る部分の額を徴収することができる。

1項
土地改良区は、定款で定めるところにより、組合員 又は准組合員に対して過怠金を課することができる。
1項

土地改良区は、政令で定めるところにより、市町村に対し、第三十六条第一項第二項第四項 若しくは第九項 又は第三十六条の三の規定により徴収すべき金銭、第四十二条第二項の規定による決済により徴収すべき金銭、第五十三条の八第二項の規定により徴収すべき金銭、同条第三項の規定により徴収すべき仮清算金 及び換地計画 又は交換分合計画において定める清算金(第八十九条の二第十三項の規定により徴収すべき仮清算金等を含む。以下 この条 及び次条第一項において「賦課金等」と総称する。)並びに賦課金等に係る延滞金 並びにその延滞金以外の前条の過怠金の徴収を委任することができる。

1項

土地改良区は、賦課金等 若しくはこれに係る延滞金 又は その延滞金以外の第三十七条の過怠金を滞納する者がある場合には、督促状により期限を指定してこれを督促しなければならない。

2項

土地改良区は、夫役現品の賦課を受けて定期内にその履行をせず、且つ、夫役現品に代るべき金銭を納付しない者がある場合 又は夫役現品 若しくはこれに代るべき金銭に係る延滞金を納付しない者がある場合には、督促状により期限を指定してこれを督促しなければならない。


この場合において、当該夫役 又は現品の必要が既になくなつているときその他特別の事情があるときは、当該夫役 又は現品に代るべき金銭につき、期限を指定してその納付を請求しなければならない。

3項

土地改良区は、前二項の規定による督促 又は請求をした場合において、その督促 又は請求を受けた者がその督促 又は請求で指定する期限までにこれを完納せず、又は履行しないときは、市町村に対し、その徴収(夫役 又は現品については、これに代るべき金銭の徴収)を請求することができる。

4項

市町村は、前項の規定による請求があつた場合には、地方税の滞納処分の例によりこれを処分する。


この場合には、土地改良区は、その徴収金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に交付しなければならない。

5項

市町村が第三項の請求を受けた日から三十日以内にその処分に着手せず、又は九十日以内にこれを終了しない場合には、理事は、地方税の滞納処分の例により、都道府県知事の認可を受けて、その処分をすることができる。

6項

都道府県知事は、前項の認可をしたときは、遅滞なく その旨を当該市町村に通知しなければならない。

7項

第四項 及び第五項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税 及び地方税の例による。

8項

第一項 又は第二項の督促は、時効の更新の効力を有する。

1項
土地改良区は、その事業を行なうため必要がある場合には、区債を起こし、又は借入金の借入をすることができる。
2項

国 又は その出資する金融機関は、前項の区債を引き受け、又は同項の借入金を貸し付けることができる。

1項
土地改良区は、区債 又は借入金がある場合には、その債権者の同意がなければ、その地区を縮少し、経費の分担に関する定款を変更し、その事業を廃止し、又は解散 若しくは合併をしてはならない。
2項

前項の債権者は、正当の事由がある場合を除いて同項同意を拒むことができない

3項

土地改良区が債権者の同意を得ないで第一項に規定する行為をしたときは、その債権者は、都道府県知事に異議を申し出ることができる。


但し、その行為の認可に係る公告があつた日から二十日を経過したときは、この限りでない。

4項

都道府県知事は、前項の規定による申出を受けたときは、同項に規定する申出期間満了後六十日以内にこれを決定しなければならない。

1項

土地改良区の組合員が組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の全部 又は一部についてその資格を喪失した場合には、その者がその土地の全部 又は一部について有するその土地改良区の事業に関する権利義務は、その土地の全部 若しくは一部についての権利の承継 又は第三条に規定する資格の交替によつてその土地の全部 又は一部について組合員たる資格を取得した者に移転する。

2項

土地改良区の組合員が、組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の全部 又は一部についてその資格を喪失した場合において、前項の承継 又は第三条に規定する資格の交替がないときは、その者 及び土地改良区は、その土地の全部 又は一部につきその者の有するその土地改良区の事業に関する権利義務について必要な決済をしなければならない。

1項

土地改良区の地区内の土地の全部 又は一部について組合員たる資格を取得し、又は喪失した者がある場合には、その者は、その旨をその土地改良区に通知しなければならない。

2項

前項の当事者は、同項の規定による通知があるまでは、当該資格の得喪をもつて第三者に対抗することができない

3項

農地中間管理機構が土地改良区の地区内にある土地の全部 又は一部について組合員たる資格を取得し、又は喪失した場合において、当該資格の得喪についてその土地改良区に通知したときは、農地中間管理機構 及び当該土地の全部 又は一部について組合員たる資格を喪失し、又は取得した者は、それぞれ第一項の規定による通知をしたものとみなす。

1項

土地改良区が組合員等に対してする通知 又は催告は、組合員名簿に記載したその住所(その者が別に通知 又は催告を受ける場所をその土地改良区に通知した場合には、その場所)に宛てればよい。

2項

前項の通知 又は催告は、通常到達すべきであつた時に到達したものとみなす。

1項

土地改良区がこの款の規定によつてした処分については、行政不服審査法第二条 及び第四条第一号の規定により審査請求をすることができるものとする。

2項

前項の審査請求に関する行政不服審査法第十八条第一項本文の期間は、当該処分があつたことを知つた日の翌日から起算して三十日とする。

第三款 土地改良区の事業

第一目 事業の施行

1項

土地改良区は、土地改良事業の工事につき第七条第五項に掲げる職員の必要な援助を求めることができる。

2項

前項の場合には、第七条第六項の規定を準用する。

1項
土地改良区は、土地改良事業計画を変更し、土地改良事業を廃止し、又は新たな土地改良事業を行おうとする場合には、農林水産省令で定めるところにより、総会の議決を経て必要な事項を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2項

前項の土地改良事業計画の変更 又は新たな土地改良事業の施行は、その変更後 又は その新たな土地改良事業の採択後において当該土地改良区が二以上の土地改良事業の施行を目的とする場合には、これらの事業相互間に相当の関連性があるときに限り、することができる。

3項

土地改良区は、土地改良事業計画につき土地改良事業の施行に係る地域 その他農林水産省令で定める重要な部分の変更(第六十六条の規定による地区からの除外に係るものを除く)をし、土地改良事業を廃止し、又は新たな土地改良事業(当該土地改良区が管理する土地改良施設の更新のために行う当該土地改良施設の変更を内容とする第二条第二項第一号の事業であつて、当該土地改良区が現に当該土地改良施設の管理を内容とする同号の事業の施行に係る地域としている区域(以下「現行管理区域」という。)内において施行するもののうち、当該土地改良施設の有している本来の機能の維持を図ることを目的とし、かつ、現行管理区域内の土地に係る組合員の権利 又は利益を侵害するおそれがないことが明らかなものとして政令で定める要件に適合するものを除く)を行おうとする場合において、第一項の認可を申請するには、あらかじめ、農林水産省令で定めるところにより、土地改良事業計画の変更 又は新たな土地改良事業の施行の場合にあつては、その変更後の又は その新たな採択に係る土地改良事業の計画の概要(その変更後 又は その新たな採択後において当該土地改良区が二以上の土地改良事業の施行を目的とする場合には、その各土地改良事業のうちその変更 又は その新たな採択に係る各土地改良事業につき、その変更後の又は その新たな採択に係る土地改良事業の計画の概要 及び農林水産省令で定めるときにあつては、変更後の全体構成 又は その全ての土地改良事業に係る全体構成)及び定款を変更する必要があるときは変更後の定款 その他必要な事項を、土地改良事業の廃止の場合にあつては、廃止する旨 及び廃止の理由(現に二以上の土地改良事業の施行を目的としている場合には、その各土地改良事業のうち廃止に係る各土地改良事業につき、その名称 及び廃止の理由)並びに定款を変更する必要があるときは変更後の定款を公告して、次の各号の区分により、それぞれ各号に掲げる同意を得なければならない。

一 号

土地改良事業計画の変更 又は新たな土地改良事業の施行の場合であつて、当該土地改良区が現にその地区としている地域(以下「現行地区」という。以外の地域が、その変更後の又は その新たな採択に係る土地改良事業の施行に係る地域の全部 又は一部となるとき。

その変更後の又は その新たな採択に係る土地改良事業の施行に係る地域(その変更後 又は その新たな採択後において当該土地改良区が二以上の土地改良事業の施行を目的とする場合には、その各土地改良事業のうちその変更 又は その新たな採択に係る各土地改良事業につき、その変更後の又は その新たな採択に係る土地改良事業の施行に係る地域)内(これらの土地改良事業のうち、土地改良事業計画の変更に係るものについて、その変更によりその施行に係る地域の一部がその変更後のその施行に係る地域に該当しないこととなるものがあるときは、その土地改良事業については、その該当しないこととなる地域をその変更後のその施行に係る地域に含めた地域内)の土地(以下この条において「改定地域内の土地」という。)のうち現行地区内の土地に係る組合員の三分の二以上の同意 及び改定地域内の土地のうちその他の土地につき第三条に規定する資格を有する者の三分の二以上の同意

二 号

土地改良事業計画の変更 又は新たな土地改良事業の施行の場合であつて、前号に掲げるとき以外のとき。改定地域内の土地に係る組合員の三分の二以上の同意

改定地域内の土地に係る組合員の三分の二以上の同意

三 号

土地改良事業の廃止の場合

その廃止に係る土地改良事業の施行に係る地域(現に二以上の土地改良事業の施行を目的としている場合には、その各土地改良事業のうちその廃止に係る各土地改良事業につき、その施行に係る地域)内の土地に係る組合員の三分の二以上の同意

4項

土地改良区は、土地改良事業計画につき土地改良事業の施行に係る地域の変更で農林水産省令で定める軽微なものをしようとする場合においては、当該変更について、その変更により新たに当該土地改良事業の施行に係る地域の一部となる地域内にある土地につき第三条に規定する資格を有する者の三分の二以上の同意 及び その変更によりその変更後のその土地改良事業の施行に係る地域に該当しないこととなる地域内の土地に係る組合員の三分の二以上の同意をもつて前項第一号 又は第二号三分の二以上の同意に代えることができる。

5項

土地改良区は、その管理する土地改良施設の更新のために行う当該土地改良施設の変更を内容とする第二条第二項第一号の事業であつて、現行管理区域以外の地域をその施行に係る地域の一部とするもののうち、当該土地改良施設の有している本来の機能の維持を図ることを目的とし、かつ、現行管理区域内の土地に係る組合員の権利 又は利益を侵害するおそれがないことが明らかなものとして政令で定める要件に適合するものを行おうとする場合においては、その施行に係る地域のうち現行管理区域以外の地域内にある土地につき第三条に規定する資格を有する者の三分の二以上の同意をもつて第三項第一号三分の二以上の同意に代えることができる。

6項

土地改良区は、土地改良事業計画につき土地改良事業の施行に係る地域の変更で第四項に規定するもの(その変更により新たにその土地改良事業の施行に係る地域の一部となる地域に係るものに限る)のうち、農林水産省令で定める特に軽微なものをしようとする場合においては、当該変更について、その変更により新たに土地改良事業の施行に係る地域の一部となる地域内にある土地につき第三条に規定する資格を有する者の全員からその土地改良事業に参加する旨の申出があり、かつ、当該申出に係る変更によりその土地改良事業の効率が高められると認めるときは、当該変更に係る第三項 及び第四項に規定する手続を省略することができる。

7項

土地改良区は、農用地造成事業等に係る土地改良事業計画の変更(その変更により新たな地域がその農用地造成事業等に係る農用地造成地域の全部 又は一部となるものに限る)をし、農用地造成事業等でない事業を農用地造成事業等とするために土地改良事業計画の変更をし、又は新たに農用地造成事業等を行おうとする場合において、第一項の認可の申請をするには、第三項 又は第四項三分の二以上の同意のほか、その計画の変更により新たに、又は その新たな採択により、農用地造成地域の全部 又は一部となる地域内にある土地についての農用地外資格者についてその全員の同意を得なければならない。

8項

第一項の場合において、土地改良事業計画の変更 又は新たな採択に係る農用地造成事業等については、その計画の変更により新たに、又は その新たな採択により、農用地造成地域の全部 又は一部となる地域につき第五条第五項 及び第六条の規定を準用する。

9項

第一項の場合には、第七条第五項 及び第六項第八条第九条 並びに第十条第一項 及び第五項の規定(土地改良事業計画の変更(第三項に規定するものに限る)をし、土地改良事業を廃止し、又は新たな土地改良事業を行おうとする場合にあつては、これらの規定のほか、第五条第三項第六項 及び第七項の規定)を準用する。


この場合において、

第五条第六項 及び第七項
含めて第一項の一定の地域を定めるには」とあるのは、
「含んだ土地を、新たに変更後の土地改良事業計画に係る土地改良事業の施行に係る地域 又は新たな採択に係る土地改良事業の施行に係る地域とするには」と

読み替えるものとする。

10項

第一項の認可に係る事項が当該土地改良事業の利害関係人の権利 又は利益を侵害するおそれがないことが明らかである場合において、都道府県知事が適当と認めたときは、新たな土地改良事業を行おうとする場合を除いて前項において準用する第八条第六項 及び第九条に規定する手続(第六項の場合にあつては、これらの手続のほか、前項において準用する第八条第二項に規定する手続)を省略することができる。

11項

都道府県知事は、第一項の認可をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

12項

土地改良事業計画の変更、土地改良事業の廃止 又は新たに採択する土地改良事業の計画の決定は、前項の規定による公告があるまでは、これをもつて第三者(組合員等を除く)に対抗することができない

1項

災害 又は突発事故被害のため急速に第二条第二項第五号の土地改良事業を新たに行う必要がある場合には、土地改良区は、前条の規定にかかわらず、総会の議決を経て応急工事計画を定め、都道府県知事の認可を受けてその事業を行うことができる。

2項

前項の規定による認可 及び その認可に係る応急工事計画による事業の施行については、審査請求をすることができない

1項

土地改良事業(農林水産省令で定めるものを除く次項において同じ。)の施行により道路、用排水路、ため池、堤 その他の公共の用に供する施設(以下「道路等」という。)の全部 又は一部につきその用途を廃止した結果不用となつた国有地がある場合には、農林水産省令の定めるところにより、これを無償で土地改良区 又は その地区内にある土地の所有者に譲与する。

2項

土地改良事業の施行により生じた道路等で前項の用途廃止のあつたものに代るべきものは、無償で国有地に編入する。

1項

土地改良区は、その行う土地改良事業(第四十九条第一項の規定により応急工事計画を定め、これに基づいて行う第二条第二項第五号の事業を除く)につき、その事業の性質上必要があるときは、当該土地改良事業の施行に係る地域につき、換地計画を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。

2項

土地改良事業の施行に係る地域を数区に分けてそれぞれ前項の換地計画を定める場合において、必要があるときは、一の区に係る換地計画において、他の区の区域内にある土地を従前の土地として、これにつき換地を定め、又は定めないことができる。この場合には、その従前の土地とされた土地は、当該一の区以外のいずれの区に係る換地計画においても、従前の土地とすることができない

3項

第一項の換地計画は、耕作 又は養畜の業務を営む者の農用地の集団化 その他農業構造の改善に資するように定めなければならない。

4項

第一項の換地計画を定めるには、農林水産省令で定めるところにより、次項の規定による議決前に、農用地の集団化に関する事業についての専門的知識 及び その事業に係る実務の経験を有する者で政令で定める資格を有するものの意見を聴かなければならない。

5項

第一項の換地計画を定めるには、その計画に係る土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する全ての者で組織する会議の議決を経なければならない。


この場合には、前項の規定により聴いた意見の内容を示さなければならない。

6項

前項の会議は、当該土地改良区の理事が招集するものとし、その議事は、同項の者が三分の二以上出席し、その議決権の三分の二以上で決する。

7項

第五項の会議には、第二十七条第二十八条第一項第三十一条第三十二条第二項 及び第三項 並びに第三十四条本文の規定を準用する。

8項

第一項の認可を申請するには、その申請書に関係農業委員会の同意書を添付しなければならない。


ただし、同意を求めた日から六十日以内にその同意を得られない場合には、その事由を記載した書面を添付すれば足りる。

9項

第一項の場合には、第七条第五項 及び第六項の規定を準用する。

1項

都道府県知事は、前条第一項の認可の申請があつたときは、当該申請に係る換地計画につき詳細な審査を行なつてその適否を決定し、その旨を当該申請をした土地改良区に通知しなければならない。

2項

都道府県知事は、前条第一項の認可の申請について、左の各号の一に該当する場合を除き前項の規定により適当とする旨の決定をしなければならない。

一 号
申請の手続 又は換地計画の決定手続 若しくは内容が、法令 又は 法令に基づいてする行政庁の処分に違反しているとき。
二 号
換地計画の内容が、土地改良事業計画の内容と矛盾しているとき。
3項

前条第八項ただし書の場合において、第一項の規定により適否の決定をしようとするときは、都道府県知事は、当該関係農業委員会の意見をきかなければならない。

4項

第一項の規定による適否の決定については、第八条第六項の規定を準用する。


この場合において、

同項
土地改良事業計画書 及び定款」とあるのは、
「換地計画書」と

読み替えるものとする。

1項

換地計画に係る土地 又は その土地に定着する物件の所有者、その換地計画に係る水面につき漁業権 又は入漁権を有する者 その他 これらの土地、物件 又は権利に関し権利を有する者は、その換地計画に係る前条第四項において準用する第八条第六項の規定による公告に係る決定に対して異議があるときは、前条第四項において準用する第八条第六項に規定する縦覧期間の満了の日の翌日から起算して十五日以内に都道府県知事にこれを申し出ることができる。

2項

前項の規定による異議の申出については、第九条第二項から第五項までの規定を準用する。


この場合において、

同条第二項
前条第二項に掲げる技術者」とあるのは
第五十二条第四項に掲げる者」と、

同条第六項」とあるのは
前条第六項」と、

同条第四項
第七条第一項の規定による申請に係る土地改良事業計画 又は定款」とあるのは
第五十二条第一項の認可の申請に係る換地計画」と

読み替えるものとする。

1項

都道府県知事は、前条第一項の規定による異議の申出がないとき、又は異議の申出があつた場合においてそのすべてについて同条第二項において準用する第九条第二項の規定による決定があつたときは、前条第二項において準用する第九条第四項の場合を除いて第五十二条第一項認可をしなければならない。

2項

前項の規定による認可に係る換地計画に基づく土地改良区の処分については、行政手続法平成五年法律第八十八号第三章の規定は、適用しない

3項

第一項の規定による認可 及び その認可に係る換地計画に基づく土地改良区の処分については、審査請求をすることができない

1項
換地計画においては、農林水産省令の定めるところにより、左の各号に掲げる事項を定めるものとする。
一 号
換地設計
二 号
各筆換地明細
三 号
清算金明細
四 号
換地を定めない土地 その他特別の定めをする土地の明細
五 号
その他農林水産省令で定める事項
1項

換地計画においては、換地は、次に掲げる要件のいずれもがみたされるように定めなければならない。


ただし、従前の土地について第五条第七項に掲げる権利を有する者の同意を得た場合は、この限りでない。

一 号

当該換地が、特定用途用地を従前の土地とする場合にあつては当該換地計画に係る土地改良事業計画において定められた非農用地区域内、特定用途用地以外の土地を従前の土地とする場合にあつては当該非農用地区域外の土地であること。

二 号
当該換地 及び従前の土地について、農林水産省令の定めるところにより、それぞれ その用途、地積、土性、水利、傾斜、温度 その他の自然条件 及び利用条件を総合的に勘案して、当該換地が、従前の土地に照応していること。
三 号

当該換地の地積の、農林水産省令で定めるところにより算定した従前の土地の地積に対する増減の割合が、二割にみたないこと。

2項

前項の場合において、換地 及び従前の土地の用途、地積、土性、水利、傾斜、温度 その他の自然条件 及び利用条件を総合的に勘案して、当該換地を当該換地計画に係る土地改良事業計画において定められた非農用地区域外の土地に定める場合にあつては換地を当該非農用地区域外の土地に定める他の場合との比較において不均衡が生ずると認められるとき、当該換地を当該非農用地区域内の土地に定める場合にあつては当該換地 及び従前の土地が同等でないと認められるときは、金銭による清算をするものとし、当該換地計画においてその額 並びに支払 及び徴収の方法 及び時期を定めなければならない。

3項

従前の土地の全部 又は一部について所有権 及び地役権以外の権利 又は処分の制限がある場合には、これに照応する換地は、その権利 又は処分の制限の目的たる土地 又は その部分を指定して定めなければならない。

4項

前項の規定により先取特権、質権 又は抵当権の目的たる土地 又は その部分を指定して換地を定める場合には、その指定に係る土地 又は その部分は、当該権利の目的となつている従前の土地の全部 又は一部の価格と同等以上の価格のものでなければならない。


ただし、その従前の土地の所有者が第二項の規定による清算金を取得すべきときは、その指定に係る土地 又は その部分は、その清算金の限度内において、当該権利の目的となつている従前の土地の全部 又は一部の価格より低い価格のものであつてもよい。

5項

前項ただし書の場合には、その価格の差額に相当する当該権利の及ぶべき清算金の額を当該換地計画において定めなければならない。

6項

換地は、一筆の土地の区域が二以上の市町村、大字 又は字にわたるように定めてはならない。

1項

土地改良区は、特定用途用地以外の土地につき、これを従前の土地とする換地を当該換地計画に係る土地改良事業計画において定められた非農用地区域内の土地に定めることについて前条第一項ただし書の規定による同意を得たときは、換地計画を定める前に、当該特定用途用地以外の土地を、これを従前の土地とする換地を当該非農用地区域内に定めるべき土地として指定することができる。

2項

前項の規定による指定は、その指定に係る土地につき同項に規定する同意をした者に対し、その旨を通知してするものとする。

3項

土地改良区は、第一項の規定による指定をしたときは、遅滞なく その旨を公告しなければならない。

1項

換地計画においては、従前の土地の所有者の申出 又は同意があつた場合には、その申出 又は同意に係る従前の土地については、地積を特に減じて換地を定め、又は換地を定めないことができる。


この場合において、その地積を特に減じて換地を定め、又は換地を定めない土地について地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利 又は その他の使用 及び収益を目的とする権利を有する者があるときは、土地改良区は、地積を特に減じて換地を定め、又は換地を定めないことについてこれらの者の同意を得なければならない。

2項

前項前段の場合には、金銭による清算をするものとし、当該換地計画においてその額 並びに支払 及び徴収の方法 及び時期を定めなければならない。

3項

第一項の規定により従前の土地について地積を特に減じて換地を定め、又は換地を定めない場合において、その従前の土地の全部 又は一部につき先取特権、質権 又は抵当権があるときは、前項の規定により換地計画において清算金を定めるに当たつて、当該権利の及ぶべき清算金の額を併せて定めなければならない。

1項

土地改良区は、換地計画を定める前に、前条第一項前段の規定による申出 又は同意に係る土地(その土地について同項後段に規定する者があるときは、同項後段の規定によるこれらの者の同意を得たものに限る)を、これを従前の土地とする地積を特に減じて換地を定め、又は換地を定めない土地として指定することができる。

2項

前項の規定による指定については、第五十三条の二第二項 及び第三項の規定を準用する。


この場合において、

同条第二項
同項に規定する同意」とあるのは、
第五十三条の二の二第一項の規定による申出 又は同意」と

読み替えるものとする。

3項

土地改良区は、第一項の規定による指定をした場合において、必要があると認めるときは、前条第二項に定めるところに準じて仮に算出した仮清算金を、清算金の支払の方法に準ずる方法により支払うことができる。

1項

換地計画においては、第一号に掲げる施設の用に供するための土地が新たに必要な場合には その換地計画に係る一定の土地で当該換地計画に係る土地改良事業の施行の結果当該施設の用に供されるものを、第二号 又は第三号に掲げる施設の用に供するための土地が新たに必要な場合には当該土地改良事業の計画において定められた非農用地区域内の一定の土地を、それぞれ換地として定めないで、これらの施設の用に供する土地(同号に掲げる施設の用に供する土地にあつては、当該施設の用に供する土地の総面積のうち当該施設を当該土地改良事業の施行に係る地域内で農業を営む者が利用する割合に応じた面積を超えない範囲内の土地に限る)として定めることができる。


この場合には、その土地は、その換地計画において、換地とみなされるものとする。

一 号
当該土地改良事業によつて生ずる土地改良施設
二 号
次に掲げる施設のうち、当該土地改良事業の施行に係る地域内で農業を営む者が主として利用し、かつ、その大部分が利用すると見込まれるもの

農業経営の合理化のために必要な施設(前号に掲げる施設を除く)で農林水産省令で定めるもの

当該土地改良事業の施行に係る地域内で農業を営む者の生活上 又は農業経営上必要な施設(前号 及びに掲げる施設を除く)で農業構造の改善を図ることを目的とするもののうち、地方公共団体の計画に定められたもの(政令で定める要件に適合するものに限る

三 号

当該土地改良事業の施行に係る地域内で農業を営む者の大部分が利用すると見込まれる施設で、前号イ 又はに掲げる施設に該当するもの(同号に掲げる施設を除く

2項

前項前段の場合には、当該換地計画において、土地改良区、市町村、農業協同組合 その他政令で定める者のうち、土地改良区が当該土地を取得することが適当と認める者を、その者の同意を得て、当該土地を取得すべき者として定めなければならない。

3項

第一項前段の場合には、第五十三条の二の二第二項の規定を準用する。


ただし、換地計画において第一項第一号の土地改良施設の用に供される土地を取得すべき者として定められる者が土地改良区である場合にあつては、この限りでない。

1項

換地計画においては、第五十三条の二の二第一項の規定により地積を特に減じて換地を定める従前の土地 又は換地を定めない従前の土地がある場合には、その特に減じた地積 又は その換地を定めない従前の土地の地積を合計した面積を超えない範囲内で、次の各号に掲げる土地を、換地として定めないで、それぞれ当該各号に掲げる土地として定めることができる。


この場合には、その土地は、その換地計画において、換地とみなされるものとする。

一 号

当該換地計画に係る地域内(当該換地計画に係る土地改良事業計画において非農用地区域が定められている場合にあつては、非農用地区域外)の一定の土地

当該換地計画に係る地域の周辺の地域における農業経営の規模の拡大 その他農用地の保有の合理化を促進するために必要な農用地に供することを予定する土地

二 号

当該換地計画に係る土地改良事業計画において定められた非農用地区域内の一定の土地

第八条第五項第二号に規定する施設の用に供する土地(前条第一項第二号に掲げる施設の用に供する土地 及び同項第三号に掲げる施設の用に供する農林水産省令で定める土地を除く)又は第八条第五項第三号に規定する農用地以外の用途に供することを予定する土地

2項

前項前段の場合には、第五十三条の二の二第二項 及び前条第二項の規定を準用する。


この場合において、

同項
土地改良区、市町村」とあるのは
第五十三条の三の二第一項第一号に掲げる土地にあつては当該換地計画に係る地域の全部 若しくは一部 及び その周辺の地域をその事業実施地域に含む農地中間管理機構 又は当該換地計画に係る地域の周辺の地域において効率的かつ安定的な農業経営を営み 若しくは営むと見込まれる者で農林水産省令で定めるもののうち、土地改良区が当該土地を取得することが適当と認める者を、同項第二号に掲げる土地にあつては土地改良区、市町村」と、

その者」とあるのは
「それぞれ、その者」と

読み替えるものとする。

1項
土地改良区は、換地計画を変更しようとする場合には、農林水産省令の定めるところにより、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2項

換地計画の変更(農林水産省令で定める軽微な変更を除く)については、第五十二条第四項から第九項まで 及び第五十二条の二から第五十二条の四までの規定を準用する。


この場合において、

第五十二条第五項
その計画」とあるのは
「その計画の変更に係る部分」と、

第五十二条の三
換地計画」とあるのは
「換地計画の変更の部分」と

読み替えるものとする。

1項

土地改良区は、換地処分を行なう前において、土地改良事業の工事のため必要がある場合 又は土地改良事業に係る換地計画に基づき換地処分を行なうにつき必要がある場合には、その土地改良事業の施行に係る地域内の土地につき、従前の土地に代わるべき一時利用地を指定することができる。

2項

土地改良区は、前項の規定により一時利用地を指定する場合には、換地計画において定められた事項 又は この法律で規定する換地計画において定める事項の基準を考慮してしなければならない。

3項

第一項の規定による一時利用地の指定は、その一時利用地 及び従前の土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者に対し、一時利用地 及び従前の土地の位置 及び地積 並びにその使用開始の日を通知してするものとする。

4項

第一項の規定により一時利用地が指定されたときは、従前の土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者は、前項の規定による通知に係る使用開始の日から第五十四条第四項の規定による公告がある日まで、一時利用地をその性質によつて定まる用方に従い、従前の土地について有する当該権利に基づく使用 及び収益と同一の条件により使用し及び収益することができる。

5項

前項の場合には、同項の者は、従前の土地については、その土地について有する当該権利に基づく使用 及び収益をすることができない。

6項

第一項の規定により一時利用地が指定されたときは、その一時利用地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者は、第三項の規定による通知に係る使用開始の日から第五十四条第四項の規定による公告がある日まで、その一時利用地について、その有する当該権利に基づく使用 及び収益をすることができない。

1項

土地改良区は、換地処分を行なう前において、土地改良事業の工事のため必要がある場合 又は換地計画に基づき換地処分を行なうにつき必要がある場合には、第五十三条の二の二第一項の規定により換地計画において換地を定めないこととされる従前の土地(次項に規定する土地を除く)につき第五条第七項に掲げる権利を有する者に対し、期日を定めて、その期日からその土地の全部 又は一部について使用し 及び収益することを停止させることができる。


この場合には、その期日の相当期間前までに、その旨を当該権利者に通知しなければならない。

2項

土地改良区は、換地処分を行う前において、第五十三条の二の三第三項の規定により仮清算金が支払われた土地(同条第一項の規定により換地を定めない土地として指定された土地に限る)につき第五条第七項に掲げる権利を有する者に対し、期日を定めて、その期日からその土地の全部について使用し及び収益することを停止させることができる。


この場合には、前項後段の規定を準用する。

3項

第一項 又は前項の規定によりこれらの各項に規定する土地の全部 又は一部について使用し及び収益することが停止された場合には、その全部 又は一部の土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者は、第一項 又は前項の期日から第五十四条第四項の規定による公告がある日まで、その全部 又は一部の土地について、その有する当該権利に基づく使用 及び収益をすることができない。

1項

第五十三条の五第一項の規定により一時利用地が指定された場合 又は前条第一項 若しくは第二項の規定によりこれらの各項に規定する土地の全部 若しくは一部について使用し及び収益することが停止された場合には、これらの処分により使用し及び収益することができる者のなくなつた土地 又は その部分については、その使用し及び収益することができる者のなくなつた時から第五十四条第四項の規定による公告がある日まで、土地改良区がこれを管理するものとする。

1項

第五十三条の五第一項の規定により一時利用地が指定された場合において、その一時利用地 若しくは従前の土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者がその指定によつて損失を受けたとき、又は第五十三条の六第一項の規定により同項に規定する従前の土地の全部 若しくは一部につき使用し及び収益することが停止された場合において、その全部 若しくは一部の土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者がその停止によつて損失を受けたときは、土地改良区は、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。

2項

第五十三条の五第一項の規定により一時利用地が指定された場合において、従前の土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者がその指定によつて利益を受けるときは、土地改良区は、その利益を受ける者から、その利益に相当する額の金銭を徴収することができる。

3項

土地改良区は、第五十三条の五第一項の規定により一時利用地を指定した場合 又は第五十三条の六第一項の規定により同項に規定する従前の土地の全部 若しくは一部につき使用し及び収益することを停止させた場合において、必要があると認めるときは、政令の定めるところにより、第五十三条第二項 又は第五十三条の二の二第二項第五十三条の三第三項 及び第五十三条の三の二第二項において準用する場合を含む。)に定めるところに準じて仮に算出した仮清算金を、清算金の徴収 又は支払いの方法に準ずる方法により徴収し又は支払うことができる。

1項

換地処分は、当該換地計画に係る土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者に対し、その換地計画において定められた関係事項を通知してするものとする。

2項

換地処分は、当該換地計画に係る地域の全部について当該土地改良事業の工事が完了した後において、遅滞なくしなければならない。


ただし、当該土地改良事業の計画に別段の定めがある場合においては、当該換地計画に係る地域の全部について工事が完了する以前においても換地処分をすることができる。

3項
土地改良区は、換地処分をした場合には、遅滞なく その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4項

都道府県知事は、前項の規定による届出があつた場合には、遅滞なく当該換地処分があつた旨を公告しなければならない。

5項

都道府県知事は、前項の規定による公告をした場合には、遅滞なく その旨を管轄登記所に通知しなければならない。

6項

第一項の換地処分、第三項の規定による届出、第四項の規定による公告 及び前項の規定による通知は、第五十二条第二項の規定により、一の区に係る換地計画において、他の区の区域内にある土地を従前の土地として、これにつき換地を定め、又は定めないこととした場合には、それぞれ、当該一の区に係る換地計画 及び当該 他の区に係る換地計画について同時にしなければならない。


この場合には、これらの換地計画に係る換地処分は、第二項の規定にかかわらず、これらの換地計画に係る地域の全部について当該土地改良事業の工事が完了した後において、遅滞なくしなければならない。

7項
第二項ただし書の規定は、前項後段の場合について準用する。
1項

前条第四項の規定による公告があつた場合には、当該換地計画に定める換地は、その公告のあつた日の翌日から従前の土地とみなされるものとし、その換地計画において換地を定めなかつた従前の土地について存する権利は、その公告のあつた日限り消滅するものとする。

2項

前条第四項の規定による公告があつた場合には、第五十三条第三項の規定により、当該換地計画において、換地につき、従前の土地について存する所有権 及び地役権以外の権利 又は処分の制限の目的となるべきものとして指定された土地 又は その部分は、その公告があつた日の翌日から当該権利 又は処分の制限の目的たる土地 又は その部分とみなされるものとする。

3項

前二項の規定は、行政上 又は裁判上の処分で従前の土地に専属するものについては、影響を及ぼさない。

4項

第五十三条第二項 又は第五十三条の二の二第二項第五十三条の三第三項 及び第五十三条の三の二第二項において準用する場合を含む。)の規定による換地計画において定められた清算金は、前条第四項の規定による公告があつた日の翌日において確定する。

5項

第五十三条の三第一項 又は第五十三条の三の二第一項の規定により換地計画において定められた換地は、前条第四項の規定による公告があつた日の翌日において第五十三条の三第二項第五十三条の三の二第二項において準用する場合を含む。)の規定によりその換地計画において当該換地を取得すべき者として定められた者が取得する。

6項

換地計画において、換地を国 又は地方公共団体が所有する土地で道路等の用に供しているものに定めた場合において、その土地に存する道路等が廃止されるときは、その換地計画においてこれに代わるべき道路等の用に供する土地と定められたものは、その廃止される道路等の用に供している土地が国の所有する土地である場合には国に、地方公共団体の所有する土地である場合には地方公共団体に、前条第四項の規定による公告があつた日の翌日においてそれぞれ帰属する。

7項

前項の場合には、その廃止される道路等の用に供している国 又は地方公共団体の所有する土地について存する従前の権利は、所有権にあつては前条第四項の規定による公告があつた日限り消滅するものとし、その他の権利(地役権を除く)にあつては その公告のあつた日の翌日から、前項の規定により国 若しくは地方公共団体に帰属する土地 又は その土地のうち農林水産省令の定めるところにより国 若しくは地方公共団体がその権利を有する者の意見をきいて定める部分について存するものとみなす。

1項

土地改良区は、第五十四条第四項の規定による公告があつた場合には、前条第四項の規定により確定した清算金を徴収し、又は支払わなければならない。


この場合において、確定した清算金の額と第五十三条の二の三第三項の規定により支払つた仮清算金 又は第五十三条の八第三項の規定により徴収し、若しくは支払つた仮清算金の額との間に差額があるときは、その差額に相当する額の金銭を徴収し、又は支払わなければならない。

1項

第五十四条第四項の規定による公告があつたときは、土地改良区は、政令の定めるところにより、遅滞なく当該換地計画に係る土地 及び建物について登記を申請しなければならない。

1項

土地改良区は、農業用用排水施設の新設、管理、廃止 又は変更を行なう者に対して、水を農業上合理的に利用するため必要な事項につき協議を求めることができる。

2項

土地改良区は、その管理する農業用排水路 その他の土地改良施設(土地改良区が委託を受けて管理するこれらの施設を含む。)が、市街化の進展 その他の社会的経済的諸条件の変化に伴い下水道 その他の土地改良施設以外の施設(以下 この項 及び次項において「他用途施設」という。)の用に兼ねて供することが適当であると認められるに至つた場合には、関係地方公共団体、関係事業者 その他の関係人に対し、当該土地改良施設を他用途施設の用に兼ねて供すること 及び その兼ねて供する場合における当該土地改良施設の管理の方法、その管理に要する費用の分担 その他必要な事項につき協議を求めることができる。


この場合において、当該土地改良施設がその土地改良区が委託を受けて管理するものであるときは、あらかじめ、その委託をした者の同意(その委託をした者が国 又は地方公共団体である場合にあつては、その承認)を得なければならない。

3項

前二項の規定による協議(前項の規定による協議にあつては、農業用用排水施設を他用途施設(政令で定めるものを除く)の用に兼ねて供すること 並びにその兼ねて供する場合における当該農業用用排水施設の管理の方法 及び その管理に要する費用の分担についての協議に限る。以下 この項 及び次項において同じ。)をすることができない場合、又は協議が調わない場合には、当該土地改良区は、都道府県知事に裁定を申請することができる。


この場合において、前項後段の規定は、同項の規定による協議に係る裁定の申請について準用する。

4項

都道府県知事は、第二項の規定による協議に係る前項の規定による裁定の申請があつた場合において、当該協議を求められた者の意見を聴き、当該農業用用排水施設の管理に支障を生じないようにするため必要があると認めるときは、その必要の限度において、裁定をすることができる。

5項

第一項の規定による協議に係る第三項の裁定をする場合には、第八条第二項の規定を準用する。

6項

第三項の裁定があつたときは、当事者は、その裁定の定めるところに従い協定しなければならない。

1項

土地改良区は、土地改良事業の工事が完了した場合においてその事業によつて生じた土地改良施設があるときは、その施設を管理しなければならない。


この場合には、その旨を定款に記載しなければならない。

1項

土地改良区は、第二条第二項第一号の事業のうち農業用用排水施設 又は農用地の保全上必要な施設(これらの施設のうち農林水産省令で定めるものに限る)の管理(委託を受けて行う管理を含む。)を行う場合には、農林水産省令で定めるところにより、当該事業の実施の細目について、管理規程を定め、当該事業の実施前に都道府県知事の認可を受けなければならない。

2項

前項の管理規程において定めるべき事項は、農林水産省令で定める。

3項

土地改良区は、第一項の管理規程を変更し、又は廃止しようとするときは、都道府県知事の認可を受けなければならない。

4項

都道府県知事は、第一項 又は前項の認可をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

1項

土地改良区は、前条第一項の規定により管理規程を定めて管理する農業用用排水路に、当該管理規程で予定する廃水以外の廃水が排出されることにより、当該農業用用排水路の管理に著しい支障を生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、当該管理規程の定めるところにより、当該廃水を排出する者に対し、その排出する廃水の量を減ずること、その排出を停止すること その他必要な措置をとるべきことを求めることができる。

1項

土地改良区は、第二条第二項第一号の事業のうち農業用の用水施設(農林水産省令で定めるものに限る)の管理(委託を受けて行う管理を含む。)を行う場合には、農業用水の利用の調整に関する事項について、利水調整規程を定めなければならない。

2項

前項の利水調整規程は、次に掲げる要件のいずれにも適合するものでなければならない。

一 号

当該土地改良区の地区内にある農用地につき耕作 又は養畜の業務を営む者への農業用水の供給が適正に行われるものであること。

二 号

農業用水の供給の決定方法が、適正であり、かつ、明確に定められていること。

1項

土地改良区は、その管理する農業用用排水施設(土地改良区が委託を受けて管理するものを含む。)に係る農業用用排水の水質の汚濁を防止し、当該農業用用排水施設の適正な管理を確保するため、集落から当該農業用用排水施設へ排出される汚水を処理するための施設の新設、管理、廃止 又は変更を内容とする事業(以下「農業集落排水施設整備事業」という。)を行おうとする場合には、農林水産省令の定めるところにより、総会の議決を経て農業集落排水施設整備事業の計画(以下第五十七条の八までにおいて「事業計画」という。)その他必要な事項を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。

2項
事業計画においては、農林水産省令の定めるところにより、当該農業集落排水施設整備事業につき、目的、事業を行う区域、工事 又は管理に関する事項、事業費に関する事項 その他必要な事項を定めるものとする。
3項

土地改良区は、第一項の認可を申請するには、あらかじめ、事業計画につき関係市町村長と協議しなければならない。

1項

都道府県知事は、前条第一項の認可の申請があつたときは、次の各号の一に該当する場合を除き、これを認可しなければならない。

一 号

申請に係る農業集落排水施設整備事業が、申請に係る土地改良区の行う土地改良事業の遂行を妨げないものであること、当該農業集落排水施設整備事業に係る施設を当該土地改良区の組合員が主として利用するものとなること その他 当該土地改良区が施行することを相当とするものとして政令で定める基本的な要件に適合するものでないとき。

二 号
申請の手続 又は事業計画の内容が法令 又は 法令に基づいてする行政庁の処分に違反しているとき。
三 号
申請に係る土地改良区が、申請に係る農業集落排水施設整備事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎 又は技術的能力を欠く等農業集落排水施設整備事業の遂行のための基礎的な要件として政令で定める要件を欠くと認められるとき。
1項

土地改良区は、農業集落排水施設整備事業に要する経費に充てるため当該事業に係る施設を利用する者に対してその経費の負担を求めるに当たつては、排水量 その他の客観的な指標により、当該事業によつてその者が受ける利益を勘案しなければならない。

1項

土地改良区は、その組合員 又は組合員以外の者に対し、農業集落排水施設整備事業への参加を求めるに当たつては、事業計画、当該事業に要する経費の負担に関する事項、当該事業への参加に係る契約に関する事項 その他必要な事項を示して、これを行うものとする。

1項

事業計画の変更については、第五十七条の四 及び第五十七条の五の規定を準用する。

1項

国、地方公共団体 その他の土地改良事業を行う者(土地改良区を除く)は、当該土地改良事業により新設し、又は変更した土地改良施設の適切な管理に資するよう、当該土地改良施設の管理を行う土地改良区に対し、当該土地改良施設に関する情報の提供を行うように努めるものとする。

第二目 権利関係の調整

1項

組合員は、その者が地上権、永小作権、質権、賃借権、使用貸借による権利 又は その他の使用 及び収益を目的とする権利に基づき使用し及び収益している土地につき土地改良事業の成果を公正に享受するため、これらの権利の設定に係る契約の変更に関し、その契約の相手方に対して協議を求めることができる。

1項

土地改良事業に費された有益費を民法明治二十九年法律第八十九号)の規定により償還する場合には、償還すべき額は、同法第百九十六条第二項本文の規定にかかわらず、増価額とする。

1項

土地改良事業によつて地上権、永小作権、地役権、賃借権 又は その他の使用 若しくは収益を目的とする権利(これらに係る対価を徴しないものを除く)の目的である土地の利用を妨げられるに至つた場合には、その土地(地役権者の場合にあつては、当該承役地)に関しこれらの権利を有する者で組合員でないものは、地代、小作料、地役権の対価、賃借料 若しくは その他の使用 若しくは収益を目的とする権利の対価の相当の減額 又は前払した地代、小作料、地役権の対価、賃借料 若しくは その他の使用 若しくは収益を目的とする権利の対価の相当の払戻を請求することができる。

1項

土地改良事業によつて地上権、永小作権、地役権、賃借権、使用貸借による権利 又は その他の使用 若しくは収益を目的とする権利を設定した目的を達することができなくなつた場合には、当該土地(地役権者の場合にあつては、当該承役地)に関しこれらの権利を有する者で組合員でないものは、その権利を放棄し、又は契約を解除することができる。

2項

前項の規定により同項に掲げる者(地役権者を除く)が放棄 又は解除をする場合において、当該土地がさらに他の者の使用 又は収益を目的とする権利の目的に供されているときは、その放棄 又は解除をしようとする者は、当該他の者の同意を得なければならない。


同項の規定により地役権者が放棄 又は解除をする場合において、当該地役権に係る要役地が他の者の使用 又は収益を目的とする権利の目的に供されているときも、また同様とする。

3項

第一項の場合には、同項に掲げる者は、当該事業を行う土地改良区に対して、その目的を達することができなくなつたことによつて生じた損失の補償を請求することができる。


この場合において、その土地改良区は、規約の定めるところにより、当該土地(地役権者の場合にあつては、当該承役地)に関してその組合員である者に対して、求償することができる。

1項

土地改良事業によつて地上権、永小作権、地役権、賃借権 又は その他の使用 若しくは収益を目的とする権利(これらに係る対価を徴しないものを除く)の目的たる土地の利用を増した場合には、その土地の所有者、賃貸人 その他 その使用 又は収益をさせている者で、その土地に関し組合員であるものは、地代、小作料、地役権の対価、賃貸料 又は その他の使用 若しくは収益を目的とする権利の対価の相当の増額を請求することができる。

2項

前項の請求があつたときは、同項に掲げる権利を有する者は、その権利を放棄し、又は契約を解除して、その義務を免かれることができる。

1項

換地計画に係る土地の上に存する地役権は、第五十四条第四項の規定による公告があつた後でも、なお従前の土地の上に存する。

2項
土地改良事業によつて行使する利益を受ける必要がなくなつた地役権は、消滅する。
3項

土地改良事業によつて従前と同一の利益を受けることができなくなつた地役権者は、その利益を保存する範囲内において、地役権の設定を請求することができる。


但し第六十条の規定による請求に基く地役権の対価の減額があつた場合には、この限りでない。

1項

第六十条の規定による地代等の減額 若しくは払戻しの請求、第六十一条第一項の規定による権利の放棄 若しくは契約の解除、第六十二条第一項の規定による地代等の増額の請求 又は前条第三項の規定による地役権の設定の請求は、当該土地改良事業の工事の完了につき第百十三条の三第二項の規定による公告があつた日(換地処分に係るものにあつては、第五十四条第四項の規定による公告があつた日)から起算して一年を経過したときは、することができない。

1項

第五十八条から前条までの規定は、農地法の適用を妨げない。

第四款 土地改良区の地区変更、解散及び合併

1項

地区内にある土地が、その土地改良区の事業により利益を受けないことが明らかになつた場合において、その土地についての組合員の申出があるときは、その土地改良区は、その土地をその地区から除かなければならない。

1項
土地改良区は、次に掲げる事由によつて解散する。
一 号
総会の議決
二 号

第百三十五条第一項の規定による解散命令

三 号
合併
2項
総会の議決による解散は、都道府県知事の認可を受けなければならない。
3項

土地改良区が第一項第一号 又は第二号に掲げる事由によつて解散したときは、都道府県知事は、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

4項

土地改良区の解散は、前項の規定による公告があるまでは、これをもつて第三者(組合員等を除く)に対抗することができない。

1項
解散した土地改良区は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
1項

土地改良区が解散したときは、合併によつて解散した場合を除いて、理事がその清算人となる。


ただし、総会で他の者を選任した場合には、この限りでない。

2項

前項の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。

3項

重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により 又は職権で、清算人を解任することができる。

4項

清算人については、第十八条第十七項から 第十九項までの規定を準用する。

1項
清算人の職務は、次のとおりとする。
一 号
現務の結了
二 号
債権の取立て及び債務の弁済
三 号
残余財産の引渡し
2項

清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

1項

清算人は、就職の後、遅滞なく、土地改良区の財産の現況を調査し、貸借対照表(土地改良施設の管理を行わない土地改良区 その他の農林水産省令で定める土地改良区である場合を除く)及び財産目録を作り、財産処分の方法を定め、これを総会に提出し、又は提供し、その承認を求めなければならない。

1項

清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。


この場合において、その期間は、二月を下ることができない

2項

前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。


ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない

3項

清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

4項

第一項の公告は、官報に掲載してする。

1項

前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、土地改良区の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

1項

清算人は、土地改良区の債務を弁済した後でなければ、その残余財産を処分することができない

1項
土地改良区の解散 及び清算は、裁判所の監督に属する。
2項

裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

3項
土地改良区の解散 及び清算を監督する裁判所は、農林水産大臣 又は都道府県知事に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。
4項
農林水産大臣 又は都道府県知事は、土地改良区の解散 及び清算を監督する裁判所に対し、意見を述べることができる。
1項
清算事務が終わつたときは、清算人は、遅滞なく、農林水産省令で定めるところにより、決算報告を作り、これを総会に提出し、又は提供し、その承認を求めなければならない。
1項
清算が結了したときは、清算人は、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
1項
土地改良区の解散 及び清算の監督 並びに清算人に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
1項

清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない

1項

裁判所は、第六十八条第二項の規定により清算人を選任した場合には、土地改良区が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。


この場合においては、裁判所は、当該清算人 及び監事の陳述を聴かなければならない。

1項
裁判所は、土地改良区の解散 及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
2項

前二条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。


この場合において、

前条
清算人 及び監事」とあるのは、
「土地改良区 及び検査役」と

読み替えるものとする。

1項

土地改良区は、合併しようとする場合には、総会において合併を議決しなければならない。

2項
合併は、都道府県知事の認可を受けなければならない。
3項

都道府県知事は、前項の認可をしたときは、遅滞なく、合併後存続する土地改良区については合併後存続する旨 及び定款を変更する旨、合併により設立する土地改良区については合併により設立する旨、合併により消滅する土地改良区については合併により解散する旨を公告しなければならない。

4項

土地改良区の合併は、前項の規定による公告があるまでは、これをもつて第三者(当該関係土地改良区の組合員等を除く)に対抗することができない

5項

土地改良区の合併については第五条第一項後段の規定を、第二項の認可については第八条第四項の規定を準用する。

1項

合併により土地改良区を設立するには、関係各土地改良区の総会において組合員のうちから選任した設立委員が共同して、定款を作成し、役員を選任し、その他設立に必要な行為をしなければならない。

2項

前項の規定による設立委員の選任については、第三十三条の規定を準用する。

1項

合併後存続する土地改良区 又は合併によつて成立した土地改良区は、合併によつて消滅した土地改良区の権利義務(その土地改良区がその行う事業に関し、行政庁の許可、認可 その他の処分に基いて有する権利義務を含む。)を承継する。

第五款 土地改良区連合

1項

二以上の土地改良区は、その事業の一部を行うため、土地改良区連合を設立することができる。

2項

土地改良区は、土地改良区連合を設立しようとする場合には、農林水産省令で定めるところにより、定款、事業の実施に関する計画 その他必要な事項(第八十一条において「定款等」という。)を協議して定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。

1項
土地改良区連合は、その名称中に土地改良区連合という文字を用いなければならない。
2項
土地改良区連合でないものは、その名称中に土地改良区連合という文字を用いてはならない。
1項

土地改良区連合の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号
名称 及び認可番号
二 号
所属土地改良区
三 号
事業
四 号
事務所の所在地
五 号
経費の分担に関する事項
六 号
役員の定数、任期、職務の分担 及び選挙に関する事項
七 号
議員に関する事項
八 号
事業年度
九 号
公告の方法
2項
土地改良区連合の事業年度については、農林水産省令で定める。
1項
土地改良区連合の総会は、定款の定めるところにより、所属土地改良区がそれぞれの定款の定める手続に従い その組合員のうちから選出する議員で組織する。
2項

土地改良区連合は、総代会を設けることができない

1項

土地改良区連合は、その所属土地改良区の数を増減しようとする場合には、関係土地改良区の協議によつて、農林水産省令で定めるところにより、定款等を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。

1項

役員は、定款で定めるところにより、総会で選挙する。


ただし、土地改良区連合設立当時の役員は、関係各土地改良区の総会において組合員のうちから選挙した者の互選により選任する。

2項

役員(土地改良区連合設立当時の役員を除く)は、前項本文の規定にかかわらず、定款で定めるところにより、総会で選任することができる。

3項

土地改良区連合の理事(設立当時の理事を除く)の定数の少なくとも五分の三は、次に掲げる要件の全て(当該土地改良区連合の所属土地改良区の地区内において耕作 又は養畜の業務を営む議員が少ない場合 その他の農林水産省令で定める場合にあつては、第一号に掲げる要件)に該当する者(法人を除き、議員たる法人の業務を執行する役員を含む。)でなければならない。

一 号
当該土地改良区連合の議員であること。
二 号
耕作 又は養畜の業務を営む者であること。
4項

土地改良区連合の監事(設立当時の監事を除く)のうち一人以上は、次に掲げる要件の全てに該当する者でなければならない。


ただし、土地改良区連合の業務 及び会計についての監査に関し専門的知識を有する者の指導を受ける場合 その他の農林水産省令で定める場合は、この限りでない。

一 号

当該土地改良区連合の議員 又は当該土地改良区連合の議員たる法人の役員 若しくは使用人以外の者であること。

二 号

その就任の前五年間当該土地改良区連合の理事 又は職員でなかつたこと。

三 号

当該土地改良区連合の理事 又は重要な使用人の配偶者 又は二親等内の親族以外の者であること。

1項

土地改良区連合は、合併をすることができない

1項

土地改良区連合については、この法律に特別の定めのある場合を除いて、土地改良区に関する規定(これに係る罰則を含む。)を準用する。