医療法

# 昭和二十三年法律第二百五号 #

第六章 医療法人

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十一号による改正
最終編集日 : 2024年 04月25日 11時37分


第一節 通則

1項

病院、医師 若しくは歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院を開設しようとする社団 又は財団は、この法律の規定により、これを法人とすることができる。

2項

前項の規定による法人は、医療法人と称する。

1項

医療法人でない者は、その名称中に、医療法人という文字を用いてはならない

1項

医療法人は、自主的にその運営基盤の強化を図るとともに、その提供する医療の質の向上及びその運営の透明性の確保を図り、その地域における医療の重要な担い手としての役割を積極的に果たすよう 努めなければならない。

1項

医療法人は、その業務を行うに必要な資産を有しなければならない。

2項

前項の資産に関し 必要な事項は、医療法人の開設する医療機関の規模等に応じ、厚生労働省令で定める。

1項

医療法人は、その開設する病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院(当該医療法人が地方自治法第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者として管理する公の施設である病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院(以下「指定管理者として管理する病院等」という。)を含む。)の業務に支障のない限り、定款 又は寄附行為の定めるところにより、次に掲げる業務の全部 又は一部を行うことができる。

一 号

医療関係者の養成 又は再教育

二 号

医学 又は歯学に関する研究所の設置

三 号

第三十九条第一項に規定する診療所以外の診療所の開設

四 号

疾病予防のために有酸素運動(継続的に酸素を摂取して全身持久力に関する生理機能の維持 又は回復のために行う身体の運動をいう。次号において同じ。)を行わせる施設であつて、診療所が附置され、かつ、その職員、設備 及び運営方法が厚生労働大臣の定める基準に適合するものの設置

五 号

疾病予防のために温泉を利用させる施設であつて、有酸素運動を行う場所を有し、かつ、その職員、設備 及び運営方法が厚生労働大臣の定める基準に適合するものの設置

六 号

前各号に掲げるもののほか、保健衛生に関する業務

七 号

社会福祉法昭和二十六年法律第四十五号第二条第二項 及び第三項に掲げる事業のうち厚生労働大臣が定めるものの実施

八 号

老人福祉法昭和三十八年法律第百三十三号) 第二十九条第一項に規定する有料老人ホームの設置

1項

医療法人のうち、次に掲げる要件に該当するものとして、政令で定めるところにより都道府県知事の認定を受けたもの(以下「社会医療法人」という。)は、その開設する病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院(指定管理者として管理する病院等を含む。)の業務に支障のない限り、定款 又は寄附行為の定めるところにより、その収益を当該社会医療法人が開設する病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院の経営に充てることを目的として、厚生労働大臣が定める業務(以下「収益業務」という。)を行うことができる。

一 号

役員のうちには、各役員について、その役員、その配偶者 及び三親等以内の親族その他各役員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者が役員の総数の三分の一を超えて含まれることがないこと

二 号

社団たる医療法人の社員のうちには、各社員について、その社員、その配偶者 及び三親等以内の親族その他各社員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者が社員の総数の三分の一を超えて含まれることがないこと

三 号

財団たる医療法人の評議員のうちには、各評議員について、その評議員、その配偶者 及び三親等以内の親族その他各評議員と 厚生労働省令で定める特殊の関係がある者が評議員の総数の三分の一を超えて含まれることがないこと

四 号

救急医療等確保事業(当該医療法人が開設する病院 又は診療所の所在地の都道府県が作成する医療計画に記載されたものに限る次条において同じ。)に係る業務を当該病院 又は診療所の所在地の都道府県(次の 又はに掲げる医療法人にあつては、それぞれ 又はに定める都道府県)において行つていること。

二以上の都道府県において病院 又は診療所を開設する医療法人(に掲げる者を除く

当該病院 又は診療所の所在地の全ての都道府県

の都道府県において病院を開設し、かつ、当該病院の所在地の都道府県の医療計画において定める第三十条の四第二項第十四号に規定する区域に隣接した当該都道府県以外の都道府県の医療計画において定める同号に規定する区域において診療所を開設する医療法人であつて、当該病院 及び当該診療所における医療の提供が一体的に行われているものとして厚生労働省令で定める基準に適合するもの

当該病院の所在地の都道府県

五 号

前号の業務について、次に掲げる事項に関し厚生労働大臣が定める基準に適合していること。

当該業務を行う病院 又は診療所の構造設備

当該業務を行うための体制
当該業務の実績
六 号

前各号に掲げるもののほか、公的な運営に関する厚生労働省令で定める要件に適合するものであること。

七 号

定款 又は寄附行為において解散時の残余財産を国、地方公共団体 又は他の社会医療法人に帰属させる旨を定めていること。

2項

都道府県知事は、前項の認定をするに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

3項

収益業務に関する会計は、当該社会医療法人が開設する病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院(指定管理者として管理する病院等を含む。)の業務 及び前条各号に掲げる業務に関する会計から区分し、特別の会計として経理しなければならない。

1項

前条第一項の認定(以下この項 及び第六十四条の二第一項において「社会医療法人の認定」という。)を受けた医療法人のうち、前条第一項第五号ハに掲げる要件を欠くに至つたこと(当該要件を欠くに至つたことが当該医療法人の責めに帰することができない事由として厚生労働省令で定める事由による場合に限る)により第六十四条の二第一項第一号に該当し、同項の規定により社会医療法人の認定を取り消されたもの(前条第一項各号第五号ハ除く)に掲げる要件に該当するものに限る)は、救急医療等確保事業に係る業務の継続的な実施に関する計画(以下この条において「実施計画」という。)を作成し、これを都道府県知事に提出して、その実施計画が適当である旨の認定を受けることができる。

2項

前項の認定を受けた医療法人は、前条第一項 及び第三項の規定の例により収益業務を行うことができる。

3項

前条第二項の規定は、第一項の認定をする場合について準用する。

4項

前三項に規定するもののほか、実施計画の認定 及びその取消しに関し必要な事項は、政令で定める。

1項

医療法人は、政令で定めるところにより、その設立、従たる事務所の新設、事務所の移転、その他登記事項の変更、解散、合併、分割、清算人の就任 又はその変更 及び清算の結了の各場合に、登記をしなければならない。

2項

前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することはできない

第二節 設立

1項

医療法人は、その主たる事務所の所在地の都道府県知事(以下この章第三項 及び第六十六条の三除く)において単に「都道府県知事」という。)の認可を受けなければ、これを設立することができない

2項

医療法人を設立しようとする者は、定款 又は寄附行為をもつて、少なくとも次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号
目的
二 号
名称
三 号

その開設しようとする病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院(地方自治法第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者として管理しようとする公の施設である病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院を含む。)の名称 及び開設場所

四 号
事務所の所在地
五 号
資産 及び会計に関する規定
六 号
役員に関する規定
七 号
理事会に関する規定
八 号

社団たる医療法人にあつては、社員総会 及び社員たる資格の得喪に関する規定

九 号

財団たる医療法人にあつては、評議員会 及び評議員に関する規定

十 号
解散に関する規定
十一 号

定款 又は寄附行為の変更に関する規定

十二 号
公告の方法
3項

財団たる医療法人を設立しようとする者が、その名称、事務所の所在地 又は理事の任免の方法を定めないで死亡したときは、都道府県知事は、利害関係人の請求により又は職権で、これを定めなければならない。

4項

医療法人の設立当初の役員は、定款 又は寄附行為をもつて定めなければならない。

5項

第二項第十号に掲げる事項中に、残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には、その者は、国 若しくは地方公共団体 又は医療法人 その他の医療を提供する者であつて厚生労働省令で定めるもののうちから選定されるようにしなければならない。

6項

この節に定めるもののほか、医療法人の設立認可の申請に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

1項

都道府県知事は、前条第一項の規定による認可の申請があつた場合には、当該申請にかかる医療法人の資産が第四十一条の要件に該当しているかどうか 及びその定款 又は寄附行為の内容が法令の規定に違反していないかどうかを審査した上で、その認可を決定しなければならない。

2項

都道府県知事は、前条第一項の規定による認可をし、又は認可をしない処分をするに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

1項

医療法人は、その主たる事務所の所在地において政令の定めるところにより設立の登記をすることによつて、成立する。

2項

医療法人は、成立の時に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。

第三節 機関

第一款 機関の設置

1項

社団たる医療法人は、社員総会、理事、理事会 及び監事を置かなければならない。

2項

財団たる医療法人は、評議員、評議員会、理事、理事会 及び監事を置かなければならない。

第二款 社員総会

1項

社員総会は、この法律に規定する事項 及び定款で定めた事項について決議をすることができる。

2項

この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会 その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。

1項

社団たる医療法人は、社員名簿を備え置き、社員の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。

2項

社団たる医療法人の理事長は、少なくとも毎年一回、定時社員総会を開かなければならない。

3項

理事長は、必要があると認めるときは、いつでも臨時社員総会を招集することができる。

4項

理事長は、総社員の五分の一以上の社員から社員総会の目的である事項を示して臨時社員総会の招集を請求された場合には、その請求のあつた日から二十日以内に、これを招集しなければならない。


ただし、総社員の五分の一の割合については、定款でこれを下回る割合を定めることができる。

5項

社員総会の招集の通知は、その社員総会の日より少なくとも五日前に、その社員総会の目的である事項を示し、定款で定めた方法に従つてしなければならない。

6項

社員総会においては、前項の規定によりあらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができる。


ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。

1項

社員は、各一個の議決権を有する。

2項

社員総会は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の過半数の出席がなければ、その議事を開き、決議をすることができない

3項

社員総会の議事は、この法律 又は定款に別段の定めがある場合を除き、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

4項

前項の場合において、議長は、社員として議決に加わることができない

5項

社員総会に出席しない社員は、書面で、又は代理人によつて議決をすることができる。


ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

6項

社員総会の決議について特別の利害関係を有する社員は、議決に加わることができない

1項

理事 及び監事は、社員総会において、社員から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。


ただし、当該事項が社員総会の目的である事項に関しないものである場合 その他正当な理由がある場合として厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。

1項

社員総会の議長は、社員総会において選任する。

2項

社員総会の議長は、当該社員総会の秩序を維持し、議事を整理する。

3項

社員総会の議長は、その命令に従わない者 その他当該社員総会の秩序を乱す者を退場させることができる。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律平成十八年法律第四十八号第四十七条の二各号列記以外の部分に限る)、第四十七条の三第一項各号列記以外の部分に限る)、第四十七条の四第三項第四十七条の五第四十七条の六 及び第五十七条の規定は、医療法人の社員総会について準用する。


この場合において、

同法第四十七条の二
次に掲げる資料(第四十七条の四第三項において「社員総会参考書類等」という。)」とあるのは
医療法昭和二十三年法律第二百五号第五十一条の二第一項の事業報告書等」と、

法務省令」とあるのは
「厚生労働省令」と、

同法第四十七条の三第一項
次に掲げる」とあり、
及び同法第四十七条の五第一項
第四十七条の三第一項各号に掲げる」とあるのは
医療法第五十一条の二第一項の事業報告書等に記載され、又は記録された事項 並びに当該事項を修正したときは、その旨 及び修正前の」と、

同法第四十七条の六
同項第六号」とあるのは
医療法第四十六条の三の六において読み替えて準用する同項」と、

同法第五十七条第一項第三項 及び第四項第二号
法務省令」とあるのは
「厚生労働省令**」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第三款 評議員及び評議員会

1項

評議員となる者は、次に掲げる者とする。

一 号

医療従事者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者

二 号

病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院の経営に関して識見を有する者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者

三 号

医療を受ける者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者

四 号

前三号に掲げる者のほか、寄附行為の定めるところにより選任された者

2項

次の各号いずれかに該当する者は、医療法人の評議員となることができない

一 号
法人
二 号

心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として厚生労働省令で定めるもの

三 号

この法律、医師法、歯科医師法 その他医事に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

四 号

前号に該当する者を除くほか、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者

3項

評議員は、当該財団たる医療法人の役員 又は職員を兼ねてはならない。

4項

財団たる医療法人と評議員との関係は、委任に関する規定に従う。

1項

評議員会は、理事の定数を超える数の評議員(第四十六条の五第一項ただし書の認可を受けた医療法人にあつては、三人以上の評議員)をもつて、組織する。

2項

評議員会は、第四十六条の四の五第一項の意見を述べるほか、この法律に規定する事項 及び寄附行為で定めた事項に限り、決議をすることができる。

3項

この法律の規定により評議員会の決議を必要とする事項について、理事、理事会 その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする寄附行為の定めは、その効力を有しない。

1項

財団たる医療法人の理事長は、少なくとも毎年一回、定時評議員会を開かなければならない。

2項

理事長は、必要があると認めるときは、いつでも臨時評議員会を招集することができる。

3項

評議員会に、議長を置く。

4項

理事長は、総評議員の五分の一以上の評議員から評議員会の目的である事項を示して評議員会の招集を請求された場合には、その請求のあつた日から二十日以内に、これを招集しなければならない。


ただし、総評議員の五分の一の割合については、寄附行為でこれを下回る割合を定めることができる。

5項

評議員会の招集の通知は、その評議員会の日より少なくとも五日前に、その評議員会の目的である事項を示し、寄附行為で定めた方法に従つてしなければならない。

6項

評議員会においては、前項の規定によりあらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができる。


ただし、寄附行為に別段の定めがあるときは、この限りでない。

1項

評議員会は、総評議員の過半数の出席がなければ、その議事を開き、決議をすることができない

2項

評議員会の議事は、この法律に別段の定めがある場合を除き、出席者の議決権の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

3項

前項の場合において、議長は、評議員として議決に加わることができない

4項

評議員会の決議について特別の利害関係を有する評議員は、議決に加わることができない

1項

理事長は、医療法人が次に掲げる行為をするには、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければならない。

一 号
予算の決定 又は変更
二 号

借入金(当該会計年度内の収入をもつて償還する一時の借入金を除く)の借入れ

三 号
重要な資産の処分
四 号
事業計画の決定 又は変更
五 号
合併 及び分割
六 号

第五十五条第三項第二号に掲げる事由のうち、同条第一項第二号に掲げる事由による解散

七 号

その他医療法人の業務に関する重要事項として寄附行為で定めるもの

2項

前項各号に掲げる事項については、評議員会の決議を要する旨を寄附行為で定めることができる。

1項

評議員会は、医療法人の業務 若しくは財産の状況 又は役員の業務執行の状況について、役員に対して意見を述べ、若しくはその諮問に答え、又は役員から報告を徴することができる。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百九十三条の規定は、医療法人の評議員会について準用する。


この場合において、

同条第一項第三項 及び第四項第二号
法務省令」とあるのは、
「厚生労働省令」と

読み替えるものとする。

第四款 役員の選任及び解任

1項

医療法人には、役員として、理事三人以上 及び監事一人以上を置かなければならない。


ただし、理事について、都道府県知事の認可を受けた場合は、一人 又は二人の理事を置けば足りる。

2項

社団たる医療法人の役員は、社員総会の決議によつて選任する。

3項

財団たる医療法人の役員は、評議員会の決議によつて選任する。

4項

医療法人と役員との関係は、委任に関する規定に従う。

5項

第四十六条の四第二項の規定は、医療法人の役員について準用する。

6項

医療法人は、その開設する全ての病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院(指定管理者として管理する病院等を含む。)の管理者を理事に加えなければならない。


ただし、医療法人が病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院を二以上開設する場合において、都道府県知事の認可を受けたときは、管理者(指定管理者として管理する病院等の管理者を除く)の一部を理事に加えないことができる。

7項

前項本文の理事は、管理者の職を退いたときは、理事の職を失うものとする。

8項

監事は、当該医療法人の理事 又は職員を兼ねてはならない。

9項

役員の任期は、二年を超えることはできない


ただし、再任を妨げない。

1項

社団たる医療法人の役員は、いつでも、社員総会の決議によつて解任することができる。

2項

前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、社団たる医療法人に対し、解任によつて生じた損害の賠償を請求することができる。

3項

社団たる医療法人は、出席者の三分の二これを上回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合以上の賛成がなければ、第一項の社員総会(監事を解任する場合に限る)の決議をすることができない

4項

財団たる医療法人の役員が次のいずれかに該当するときは、評議員会の決議によつて、その役員を解任することができる。

一 号

職務上の義務に違反し、又は職務を怠つたとき。

二 号

心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。

5項

財団たる医療法人は、出席者の三分の二これを上回る割合を寄附行為で定めた場合にあつては、その割合以上の賛成がなければ、前項の評議員会(監事を解任する場合に限る)の決議をすることができない

1項

この法律 又は定款 若しくは寄附行為で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了 又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員(次項の一時役員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する。

2項

前項に規定する場合において、医療法人の業務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、都道府県知事は、利害関係人の請求により又は職権で、一時役員の職務を行うべき者を選任しなければならない。

3項

理事 又は監事のうち、その定数の五分の一を超える者が欠けたときは、一月以内補充しなければならない。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十二条 及び第七十四条第四項除く)の規定は、社団たる医療法人 及び財団たる医療法人の役員の選任 及び解任について準用する。


この場合において、

社団たる医療法人の役員の選任 及び解任について準用する同条第三項中
及び第三十八条第一項第一号に掲げる事項」とあるのは
「並びに当該社員総会の日時 及び場所」と読み替えるものとし、> 財団たる医療法人の役員の選任 及び解任について準用する同法第七十二条 及び第七十四条第一項から第三項までの規定中
社員総会」とあるのは
「評議員会」と、

同項
及び第三十八条第一項第一号に掲げる事項」とあるのは
「並びに当該評議員会の日時 及び場所」と

読み替えるものとする。

第五款 理事

1項

医療法人(次項に規定する医療法人を除く)の理事のうち一人は、理事長とし、医師 又は歯科医師である理事のうちから選出する。


ただし、都道府県知事の認可を受けた場合は、医師 又は歯科医師でない理事のうちから選出することができる。

2項

第四十六条の五第一項ただし書の認可を受けて一人の理事を置く医療法人にあつては、この章次条第三項除く)の規定の適用については、当該理事を理事長とみなす。

1項

理事長は、医療法人を代表し、医療法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。

2項

前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない

3項

第四十六条の五の三第一項 及び第二項の規定は、理事長が欠けた場合について準用する。

1項

理事は、医療法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を監事に報告しなければならない。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条第八十条第八十二条から第八十四条まで第八十八条第二項除く)及び第八十九条の規定は、社団たる医療法人 及び財団たる医療法人の理事について準用する。


この場合において、

当該理事について準用する同法第八十四条第一項
社員総会」とあるのは
「理事会」と、

同法第八十八条第一項
著しい」とあるのは
「回復することができない」と

読み替えるものとし、

財団たる医療法人の理事について準用する同法第八十三条
定款」とあるのは
「寄附行為」と、

社員総会」とあるのは
「評議員会」と、

同法第八十八条の見出し 及び同条第一項
社員」とあるのは
「評議員」と、

同項 及び同法第八十九条
定款」とあるのは
「寄附行為」と、

同条
社員総会」とあるのは
「評議員会」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第六款 理事会

1項

理事会は、全ての理事で組織する。

2項

理事会は、次に掲げる職務を行う。

一 号
医療法人の業務執行の決定
二 号
理事の職務の執行の監督
三 号
理事長の選出 及び解職
3項

理事会は、次に掲げる事項 その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない

一 号

重要な資産の処分 及び譲受け

二 号
多額の借財
三 号

重要な役割を担う職員の選任 及び解任

四 号

従たる事務所 その他の重要な組織の設置、変更 及び廃止

五 号

社団たる医療法人にあつては、第四十七条の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十四条第一項の規定による定款の定めに基づく第四十七条第一項の責任の免除

六 号

財団たる医療法人にあつては、第四十七条の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十四条第一項の規定による寄附行為の定めに基づく第四十七条第四項において準用する同条第一項の責任の免除

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第九十一条から第九十八条まで第九十一条第一項各号 及び第九十二条第一項除く)の規定は、社団たる医療法人 及び財団たる医療法人の理事会について準用する。


この場合において、

当該理事会について準用する同法第九十一条第一項
次に掲げる理事」とあり、
及び同条第二項
前項各号に掲げる理事」とあるのは
「理事長」と、

同法第九十五条第三項 及び第四項 並びに第九十七条第二項第二号
法務省令」とあるのは
「厚生労働省令」と読み替えるものとし、> 財団たる医療法人の理事会について準用する同法第九十一条第二項第九十三条第一項第九十四条第一項第九十五条第一項 及び第三項 並びに第九十六条
定款」とあるのは
「寄附行為」と、

同法第九十七条第二項
社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て」とあるのは
「評議員は、財団たる医療法人の業務時間内は、いつでも」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2項

前項において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第九十七条第二項 及び第三項の許可については、同法第二百八十七条第一項第二百八十八条第二百八十九条第一号に係る部分に限る)、第二百九十条本文、第二百九十一条第二号に係る部分に限る)、第二百九十二条本文、第二百九十四条 及び第二百九十五条の規定を準用する。

第七款 監事

1項

監事の職務は、次のとおりとする。

一 号

医療法人の業務を監査すること。

二 号

医療法人の財産の状況を監査すること。

三 号

医療法人の業務 又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了後三月以内に社員総会 又は評議員会 及び理事会に提出すること。

四 号

第一号 又は第二号の規定による監査の結果、医療法人の業務 又は財産に関し不正の行為 又は法令 若しくは定款 若しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを都道府県知事、社員総会 若しくは評議員会 又は理事会に報告すること。

五 号

社団たる医療法人の監事にあつては、前号の規定による報告をするために必要があるときは、社員総会を招集すること。

六 号

財団たる医療法人の監事にあつては、第四号の規定による報告をするために必要があるときは、理事長に対して評議員会の招集を請求すること。

七 号

社団たる医療法人の監事にあつては、理事が社員総会に提出しようとする議案、書類 その他厚生労働省令で定めるもの(次号において「議案等」という。)を調査すること。


この場合において、法令 若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を社員総会に報告すること。

八 号

財団たる医療法人の監事にあつては、理事が評議員会に提出しようとする議案等を調査すること。


この場合において、法令 若しくは寄附行為に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を評議員会に報告すること。

1項

監事は理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。

2項

監事は、前条第四号に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事(第四十六条の七の二第一項において準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第九十三条第一項ただし書に規定する場合にあつては、同条第二項に規定する招集権者)に対し、理事会の招集を請求することができる。

3項

前項の規定による請求があつた日から五日以内に、その請求があつた日から二週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百三条から第百六条までの規定は、社団たる医療法人 及び財団たる医療法人の監事について準用する。


この場合において、

財団たる医療法人の監事について準用する同法第百三条第一項
定款」とあるのは
「寄附行為」と、

同法第百五条第一項 及び第二項
定款」とあるのは
「寄附行為」と、

社員総会」とあるのは
「評議員会」と、

同条第三項
社員総会」とあるのは
「評議員会」と

読み替えるものとする。

第八款 役員等の損害賠償責任

1項

社団たる医療法人の理事 又は監事は、その任務を怠つたときは、当該医療法人に対し、これによつて生じた損害を賠償する責任を負う。

2項

社団たる医療法人の理事が第四十六条の六の四において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引によつて理事 又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。

3項

第四十六条の六の四において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第八十四条第一項第二号 又は第三号の取引によつて社団たる医療法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠つたものと推定する。

一 号

第四十六条の六の四において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第八十四条第一項の理事

二 号

社団たる医療法人が当該取引をすることを決定した理事

三 号

当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事

4項

前三項の規定は、財団たる医療法人の評議員 又は理事 若しくは監事について準用する。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十二条から第百十六条までの規定は、前条第一項の社団たる医療法人の理事 又は監事の責任 及び同条第四項において準用する同条第一項の財団たる医療法人の評議員 又は理事 若しくは監事の責任について準用する。


この場合において、これらの者の責任について準用する

同法第百十三条第一項第二号 及び第四項
法務省令」とあるのは
「厚生労働省令」と読み替えるものとし、> 財団たる医療法人の評議員 又は理事 若しくは監事の責任について準用する同法第百十二条
総社員」とあるのは
「総評議員」と、

同法第百十三条
社員総会」とあるのは
「評議員会」と、

同法第百十四条の見出し 並びに同条第一項 及び第二項
定款」とあるのは
「寄附行為」と、

同項
社員総会」とあるのは
「評議員会」と、

同条第三項
定款」とあるのは
「寄附行為」と、

社員」とあるのは
「評議員」と、

同条第四項
総社員」とあるのは
「総評議員」と、

定款」とあるのは
「寄附行為」と、

社員が」とあるのは
「評議員が」と、

同条第五項 並びに同法第百十五条第一項 及び第三項
定款」とあるのは
「寄附行為」と、

同項 及び同条第四項
社員総会」とあるのは
「評議員会」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2項

社団たる医療法人は、出席者の三分の二これを上回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合以上の賛成がなければ、前項において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十三条第一項社員総会の決議をすることができない

3項

財団たる医療法人は、出席者の三分の二これを上回る割合を寄附行為で定めた場合にあつては、その割合以上の賛成がなければ、第一項において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第百十三条第一項評議員会の決議をすることができない

1項

医療法人の評議員 又は理事 若しくは監事(以下この項次条 及び第四十九条の三において「役員等」という。)がその職務を行うについて悪意 又は重大な過失があつたときは、当該役員等は、これによつて第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

2項

次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。


ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかつたことを証明したときは、この限りでない。

一 号
理事 次に掲げる行為

第五十一条第一項の規定により作成すべきものに記載すべき 重要な事項についての虚偽の記載

虚偽の登記
虚偽の公告
二 号

監事 監査報告に記載すべき重要な事項についての虚偽の記載

1項

役員等が医療法人 又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第六章第二節第二款の規定は、社団たる医療法人について準用する。


この場合において、

同法第二百七十八条第一項
法務省令」とあるのは
「厚生労働省令」と、

設立時社員、設立時理事、役員等(第百十一条第一項に規定する役員等をいう。第三項において同じ。)又は清算人」とあるのは
「理事 又は監事」と、

同条第三項
設立時社員、設立時理事、役員等 若しくは清算人」とあるのは
「理事 又は監事」と、

法務省令」とあるのは
「厚生労働省令」と、

同法第二百八十条第二項 及び第二百八十条の二
清算人 並びにこれらの者」とあるのは
「理事」と

読み替えるものとする。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第六章第二節第三款の規定は、医療法人の役員等の解任の訴えについて準用する。


この場合において、

同法第二百八十四条
定款」とあるのは、
「定款 若しくは寄附行為」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第九款 補償契約及び役員のために締結される保険契約

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第二章第三節第九款の規定は、社団たる医療法人 及び財団たる医療法人について準用する。


この場合において、

これらの規定(同法第百十八条の三第一項 及び第三項除く)中
役員等」とあるのは
「役員」と、

同条第一項
役員等が」とあるのは
「役員が」と、

役員等を」とあるのは
「役員を」と、

役員等の」とあるのは
「役員の」と、

法務省令」とあるのは
「厚生労働省令」と、

同項 及び同条第三項
役員等賠償責任保険契約」とあるのは
「役員賠償責任保険契約」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第四節 計算

1項

医療法人の会計は、この法律 及びこの法律に基づく厚生労働省令の規定によるほか、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。

1項

医療法人は、厚生労働省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

2項

医療法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿 及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。

1項

医療法人は、毎会計年度終了後二月以内に、事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書、関係事業者(理事長の配偶者がその代表者であること その他の当該医療法人 又はその役員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者をいう。)との取引の状況に関する報告書 その他厚生労働省令で定める書類(以下「事業報告書等」という。)を作成しなければならない。

2項

医療法人(その事業活動の規模 その他の事情を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する者に限る)は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の貸借対照表 及び損益計算書を作成しなければならない。

3項

医療法人は、貸借対照表 及び損益計算書を作成した時から十年間、当該貸借対照表 及び損益計算書を保存しなければならない。

4項

医療法人は、事業報告書等について、厚生労働省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。

5項

第二項の医療法人は、財産目録、貸借対照表 及び損益計算書について、厚生労働省令で定めるところにより、公認会計士 又は監査法人の監査を受けなければならない。

6項

医療法人は、前二項の監事 又は公認会計士 若しくは監査法人の監査を受けた事業報告書等について、理事会の承認を受けなければならない。

1項

社団たる医療法人の理事は、前条第六項の承認を受けた事業報告書等を社員総会に提出しなければならない。

2項

理事は、前項の社員総会の招集の通知に際して、厚生労働省令で定めるところにより、社員に対し、前条第六項の承認を受けた事業報告書等を提供しなければならない。

3項

第一項の規定により提出された事業報告書等(貸借対照表 及び損益計算書に限る)は、社員総会の承認を受けなければならない。

4項

理事は、第一項の規定により提出された事業報告書等(貸借対照表 及び損益計算書を除く)の内容を社員総会に報告しなければならない。

5項

前各項の規定は、財団たる医療法人について準用する。


この場合において、

前各項
社員総会」とあるのは
「評議員会」と、

第二項
社員」とあるのは
「評議員」と

読み替えるものとする。

1項

医療法人(その事業活動の規模 その他の事情を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する者に限る次項において同じ。)は、厚生労働省令で定めるところにより、前条第三項の承認をした社員総会 又は同条第五項において読み替えて準用する同条第三項の承認をした評議員会の終結後遅滞なく、同項同条第五項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認を受けた事業報告書等(貸借対照表 及び損益計算書に限る)を公告しなければならない。

2項

前項の規定にかかわらず、その公告方法が厚生労働省令で定める方法である医療法人は、同項に規定する事業報告書等の要旨を公告することで足りる。

1項

医療法人(次項に規定する者を除く)は、次に掲げる書類をその主たる事務所に備えて置き、その社員 若しくは評議員 又は債権者から請求があつた場合には、正当な理由がある場合を除いて、厚生労働省令で定めるところにより、これを閲覧に供しなければならない。

一 号
事業報告書等
二 号

第四十六条の八第三号の監査報告書(以下「監事の監査報告書」という。

三 号
定款 又は寄附行為
2項

社会医療法人 及び第五十一条第二項の医療法人(社会医療法人を除く)は、次に掲げる書類(第二号に掲げる書類にあつては、第五十一条第二項の医療法人に限る)をその主たる事務所に備えて置き、請求があつた場合には、正当な理由がある場合を除いて、厚生労働省令で定めるところにより、これを閲覧に供しなければならない。

一 号

前項各号に掲げる書類

二 号

公認会計士 又は監査法人の監査報告書(以下「公認会計士等の監査報告書」という。

3項

医療法人は、第五十一条の二第一項の社員総会の日(財団たる医療法人にあつては、同条第五項において読み替えて準用する同条第一項の評議員会の日)の一週間前の日から五年間、事業報告書等、監事の監査報告書 及び公認会計士等の監査報告書をその主たる事務所に備え置かなければならない。

4項

前三項の規定は、医療法人の従たる事務所における書類の備置き 及び閲覧について準用する。


この場合において、

第一項
書類」とあるのは
「書類の写し」と、

第二項
限る。)」とあるのは
限る。)の写し」と、

前項
五年間」とあるのは
三年間」と、

事業報告書等」とあるのは
「事業報告書等の写し」と、

監査報告書」とあるのは
「監査報告書の写し」と

読み替えるものとする。

1項

医療法人は、厚生労働省令で定めるところにより、毎会計年度終了後三月以内に、次に掲げる書類を都道府県知事に届け出なければならない。

一 号
事業報告書等
二 号
監事の監査報告書
三 号

第五十一条第二項の医療法人にあつては、公認会計士等の監査報告書

2項

都道府県知事は、定款 若しくは寄附行為 又は前項の届出に係る書類について請求があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、これを閲覧に供しなければならない。

1項

医療法人の会計年度は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終るものとする。


ただし、定款 又は寄附行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。

1項

医療法人は、剰余金の配当をしてはならない

第五節 社会医療法人債

1項

社会医療法人は、救急医療等確保事業の実施に資するため、社員総会において議決された額 又は寄附行為の定めるところにより評議員会において議決された額を限度として、社会医療法人債(第五十四条の七において準用する会社法平成十七年法律第八十六号)の規定により社会医療法人が行う割当てにより発生する当該社会医療法人を債務者とする金銭債権であつて、次条第一項各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。以下同じ。)を発行することができる。

2項

前項の社会医療法人債を発行したときは、社会医療法人は、当該社会医療法人債の発行収入金に相当する金額を第四十二条の二第三項に規定する特別の会計に繰り入れてはならない。

1項

社会医療法人は、その発行する社会医療法人債を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社会医療法人債(当該募集に応じて当該社会医療法人債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社会医療法人債をいう。以下同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

募集社会医療法人債の発行により調達する資金の使途

二 号
募集社会医療法人債の総額
三 号
各募集社会医療法人債の金額
四 号
募集社会医療法人債の利率
五 号

募集社会医療法人債の償還の方法 及び期限

六 号
利息支払の方法 及び期限
七 号

社会医療法人債券(社会医療法人債を表示する証券をいう。以下同じ。)を発行するときは、その旨

八 号

社会医療法人債に係る債権者(以下「社会医療法人債権者」という。)が第五十四条の七において準用する会社法第六百九十八条の規定による請求の全部 又は一部をすることができないこととするときは、その旨

八の二 号

社会医療法人債管理者を定めないこととするときは、その旨

九 号

社会医療法人債管理者が社会医療法人債権者集会の決議によらずに第五十四条の七において準用する会社法第七百六条第一項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨

九の二 号

社会医療法人債管理補助者を定めることとするときは、その旨

十 号

各募集社会医療法人債の払込金額(各募集社会医療法人債と引換えに払い込む金銭の額をいう。) 若しくはその最低金額 又はこれらの算定方法

十一 号

募集社会医療法人債と引換えにする金銭の払込みの期日

十二 号

一定の日までに募集社会医療法人債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社会医療法人債の全部を発行しないこととするときは、その旨 及びその一定の日

十三 号

前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

2項

前項第二号に掲げる事項 その他の社会医療法人債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として厚生労働省令で定める事項は、理事の過半数で決しなければならない。

1項

社会医療法人は、社会医療法人債を発行した日以後遅滞なく、社会医療法人債原簿を作成し、これに次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

一 号

前条第一項第四号から第九号の二までに掲げる事項 その他の社会医療法人債の内容を特定するものとして厚生労働省令で定める事項(以下「種類」という。

二 号

種類ごとの社会医療法人債の総額 及び各社会医療法人債の金額

三 号

各社会医療法人債と引換えに払い込まれた金銭の額 及び払込みの日

四 号

社会医療法人債権者(無記名社会医療法人債(無記名式の社会医療法人債券が発行されている社会医療法人債をいう。)の社会医療法人債権者を除く)の氏名 又は名称 及び住所

五 号

前号の社会医療法人債権者が各社会医療法人債を取得した日

六 号

社会医療法人債券を発行したときは、社会医療法人債券の番号、発行の日、社会医療法人債券が記名式か、又は無記名式かの別 及び無記名式の社会医療法人債券の数

七 号

前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

1項

社会医療法人は、社会医療法人債を発行する場合には、社会医療法人債管理者を定め、社会医療法人債権者のために、弁済の受領、債権の保全 その他の社会医療法人債の管理を行うことを委託しなければならない。


ただし、各社会医療法人債の金額が一億円以上である場合 その他社会医療法人債権者の保護に欠けるおそれがないものとして厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。

1項

社会医療法人は、前条ただし書に規定する場合には、社会医療法人債管理補助者を定め、社会医療法人債権者のために、社会医療法人債の管理の補助を行うことを委託することができる。


ただし、当該社会医療法人債が担保付社会医療法人債である場合は、この限りでない。

1項

社会医療法人債権者は、社会医療法人債の種類ごとに社会医療法人債権者集会を組織する。

2項

社会医療法人債権者集会は、この法律 又は次条において準用する会社法に規定する事項 及び社会医療法人債権者の利害に関する事項について決議をすることができる。

1項

会社法第六百七十七条から第六百八十条まで第六百八十二条第六百八十三条第六百八十四条第四項 及び第五項除く)、第六百八十五条から第七百一条まで第七百三条から第七百十四条まで第七百十四条の三から第七百十四条の七まで第七百十七条から第七百四十二条まで第七編第二章第七節第八百六十八条第四項第八百六十九条第八百七十条第一項第二号 及び第七号から第九号までに係る部分に限る)、第八百七十一条第二号に係る部分に限る)、第八百七十二条第四号に係る部分に限る)、第八百七十三条第八百七十四条第一号 及び第四号に係る部分に限る)、第八百七十五条 及び第八百七十六条の規定は、

  • 社会医療法人が社会医療法人債を発行する場合における社会医療法人債、
  • 募集社会医療法人債、
  • 社会医療法人債券、
  • 社会医療法人債権者、
  • 社会医療法人債管理者、
  • 社会医療法人債管理補助者、
  • 社会医療法人債権者集会

又は社会医療法人債原簿について準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

社会医療法人債は、担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号) その他の政令で定める法令の適用については、政令で定めるところにより、社債とみなす。

第六節 定款及び寄附行為の変更

1項

社団たる医療法人が定款を変更するには、社員総会の決議によらなければならない。

2項

財団たる医療法人が寄附行為を変更するには、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければならない。

3項

定款 又は寄附行為の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く)は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。

4項

都道府県知事は、前項の規定による認可の申請があつた場合には、第四十五条第一項に規定する事項 及び定款 又は寄附行為の変更の手続が法令 又は定款 若しくは寄附行為に違反していないかどうかを審査した上で、その認可を決定しなければならない。

5項

医療法人は、第三項の厚生労働省令で定める事項に係る定款 又は寄附行為の変更をしたときは、遅滞なく、その変更した定款 又は寄附行為を都道府県知事に届け出なければならない。

6項

第四十四条第五項の規定は、定款 又は寄附行為の変更により、残余財産の帰属すべき者に関する規定を設け、又は変更する場合について準用する。

第七節 解散及び清算

1項

社団たる医療法人は、次の事由によつて解散する。

一 号

定款をもつて定めた解散事由の発生

二 号
目的たる業務の成功の不能
三 号
社員総会の決議
四 号

他の医療法人との合併(合併により当該医療法人が消滅する場合に限る次条第一項 及び第五十六条の三において同じ。

五 号
社員の欠亡
六 号
破産手続開始の決定
七 号
設立認可の取消し
2項

社団たる医療法人は、総社員の四分の三以上の賛成がなければ、前項第三号の社員総会の決議をすることができない


ただし、定款に別段の定めがあるときは、この限りでない。

3項

財団たる医療法人は、次に掲げる事由によつて解散する。

一 号

寄附行為をもつて定めた解散事由の発生

二 号

第一項第二号第四号第六号 又は第七号に掲げる事由

4項

医療法人がその債務につきその財産をもつて完済することができなくなつた場合には、裁判所は、理事 若しくは債権者の申立てにより又は職権で、破産手続開始の決定をする。

5項

前項に規定する場合には、理事は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。

6項

第一項第二号 又は第三号に掲げる事由による解散は、都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。

7項

都道府県知事は、前項の認可をし、又は認可をしない処分をするに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

8項

清算人は、第一項第一号 若しくは第五号 又は第三項第一号に掲げる事由によつて医療法人が解散した場合には、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。

1項

解散した医療法人の残余財産は、合併 及び破産手続開始の決定による解散の場合を除くほか、定款 又は寄附行為の定めるところにより、その帰属すべき者に帰属する。

2項

前項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。

1項

解散した医療法人は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

1項

医療法人が解散したときは、合併 及び破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。


ただし、定款 若しくは寄附行為に別段の定めがあるとき、又は社員総会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。

1項

前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。

1項

重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。

1項

清算中に就職した清算人は、その氏名 及び住所を都道府県知事に届け出なければならない。

1項

清算人の職務は、次のとおりとする。

一 号
現務の結了
二 号

債権の取立て及び債務の弁済

三 号
残余財産の引渡し
2項

清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

1項

清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。


この場合において、その期間は、二月を下ることができない

2項

前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。


ただし、清算人は、判明している債権者を除斥することができない

3項

清算人は、判明している債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。

4項

第一項の公告は、官報に掲載してする。

1項

前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、医療法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

1項

清算中に医療法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。

2項

清算人は、清算中の医療法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。

3項

前項に規定する場合において、清算中の医療法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。

4項

第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。

1項

清算が結了したときは、清算人は、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

1項

医療法人の解散 及び清算は、裁判所の監督に属する。

2項

裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

3項

医療法人の解散 及び清算を監督する裁判所は、都道府県知事に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。

4項

前項に規定する都道府県知事は、同項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。

1項

医療法人の解散 及び清算の監督 並びに清算人に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

1項

清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない

1項

裁判所は、第五十六条の四の規定により清算人を選任した場合には、医療法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。


この場合においては、裁判所は、当該清算人 及び監事の陳述を聴かなければならない。

1項

裁判所は、医療法人の解散 及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。

2項

前二条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。


この場合において、

前条
清算人 及び監事」とあるのは、
「医療法人 及び検査役」と

読み替えるものとする。

第八節 合併及び分割

第一款 合併

第一目 通則

1項

医療法人は、他の医療法人と合併をすることができる。


この場合においては、合併をする医療法人は、合併契約を締結しなければならない。

第二目 吸収合併

1項

医療法人が吸収合併(医療法人が他の医療法人とする合併であつて、合併により消滅する医療法人の権利義務の全部を合併後存続する医療法人に承継させるものをいう。以下この目において同じ。)をする場合には、吸収合併契約において、吸収合併後存続する医療法人(以下この目において「吸収合併存続医療法人」という。)及び吸収合併により消滅する医療法人(以下この目において「吸収合併消滅医療法人」という。)の名称 及び主たる事務所の所在地 その他厚生労働省令で定める事項を定めなければならない。

1項

社団たる医療法人は、吸収合併契約について当該医療法人の総社員の同意を得なければならない。

2項

財団たる医療法人は、寄附行為に吸収合併をすることができる旨の定めがある場合に限り、吸収合併をすることができる。

3項

財団たる医療法人は、吸収合併契約について理事の三分の二以上の同意を得なければならない。


ただし、寄附行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。

4項

吸収合併は、都道府県知事(吸収合併存続医療法人の主たる事務所の所在地の都道府県知事をいう。)の認可を受けなければ、その効力を生じない。

5項

第五十五条第七項の規定は、前項の認可について準用する。

1項

医療法人は、前条第四項の認可があつたときは、その認可の通知のあつた日から二週間以内に、財産目録 及び貸借対照表を作成しなければならない。

2項

医療法人は、前条第四項の認可を受けた吸収合併に係る合併の登記がされるまでの間、前項の規定により作成した財産目録 及び貸借対照表を主たる事務所に備え置き、その債権者から請求があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、これを閲覧に供しなければならない。

1項

医療法人は、前条第一項の期間内に、その債権者に対し、異議があれば一定の期間内に述べるべき旨を公告し、かつ、判明している債権者に対しては、各別にこれを催告しなければならない。


ただし、その期間は、二月を下ることができない

2項

債権者が前項の期間内に吸収合併に対して異議を述べなかつたときは、吸収合併を承認したものとみなす。

3項

債権者が異議を述べたときは、医療法人は、これに弁済をし、若しくは相当の担保を提供し、又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。


ただし、吸収合併をしても その債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

1項

吸収合併存続医療法人は、吸収合併消滅医療法人の権利義務(当該医療法人がその行う事業に関し行政庁の許可 その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。

1項

吸収合併は、吸収合併存続医療法人が、その主たる事務所の所在地において政令で定めるところにより合併の登記をすることによつて、その効力を生ずる。

第三目 新設合併

1項

二以上の医療法人が新設合併(二以上の医療法人がする合併であつて、合併により消滅する医療法人の権利義務の全部を合併により設立する医療法人に承継させるものをいう。以下この目において同じ。)をする場合には、新設合併契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

新設合併により消滅する医療法人(以下この目において「新設合併消滅医療法人」という。)の名称 及び主たる事務所の所在地

二 号

新設合併により設立する医療法人(以下この目において「新設合併設立医療法人」という。)の目的、名称 及び主たる事務所の所在地

三 号

新設合併設立医療法人の定款 又は寄附行為で定める事項

四 号

前三号に掲げる事項のほか、厚生労働省令で定める事項

1項

第五十八条の二から第五十八条の四までの規定は、医療法人が新設合併をする場合について準用する。


この場合において、

第五十八条の二第一項 及び第三項
吸収合併契約」とあるのは
「新設合併契約」と、

同条第四項
吸収合併存続医療法人」とあるのは
「新設合併設立医療法人」と

読み替えるものとする。

1項

新設合併設立医療法人は、新設合併消滅医療法人の権利義務(当該医療法人がその行う事業に関し行政庁の許可 その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。

1項

新設合併は、新設合併設立医療法人が、その主たる事務所の所在地において政令で定めるところにより合併の登記をすることによつて、その効力を生ずる。

1項

第二節第四十四条第二項第四項 及び第五項 並びに第四十六条第二項除く)の規定は、新設合併設立医療法人の設立については、適用しない

第二款 分割

第一目 吸収分割

1項

医療法人(社会医療法人 その他の厚生労働省令で定める者を除く。以下この款において同じ。)は、吸収分割(医療法人がその事業に関して有する権利義務の全部 又は一部を分割後 他の医療法人に承継させることをいう。以下この目において同じ。)をすることができる。


この場合においては、当該医療法人がその事業に関して有する権利義務の全部 又は一部を当該医療法人から承継する医療法人(以下この目において「吸収分割承継医療法人」という。)との間で、吸収分割契約を締結しなければならない。

1項

医療法人が吸収分割をする場合には、吸収分割契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

吸収分割をする医療法人(以下この目において「吸収分割医療法人」という。)及び吸収分割承継医療法人の名称 及び主たる事務所の所在地

二 号

吸収分割承継医療法人が吸収分割により吸収分割医療法人から承継する資産、債務、雇用契約 その他の権利義務に関する事項

三 号

前二号に掲げる事項のほか、厚生労働省令で定める事項

1項

社団たる医療法人は、吸収分割契約について当該医療法人の総社員の同意を得なければならない。

2項

財団たる医療法人は、寄附行為に吸収分割をすることができる旨の定めがある場合に限り、吸収分割をすることができる。

3項

財団たる医療法人は、吸収分割契約について理事の三分の二以上の同意を得なければならない。


ただし、寄附行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。

4項

吸収分割は、都道府県知事(吸収分割医療法人 及び吸収分割承継医療法人の主たる事務所の所在地が二以上の都道府県の区域内に所在する場合にあつては、当該吸収分割医療法人 及び吸収分割承継医療法人の主たる事務所の所在地の全ての都道府県知事)の認可を受けなければ、その効力を生じない。

5項

第五十五条第七項の規定は、前項の認可について準用する。

1項

医療法人は、前条第四項の認可があつたときは、その認可の通知のあつた日から二週間以内に、財産目録 及び貸借対照表を作成しなければならない。

2項

医療法人は、前条第四項の認可を受けた吸収分割に係る分割の登記がされるまでの間、前項の規定により作成した財産目録 及び貸借対照表を主たる事務所に備え置き、その債権者から請求があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、これを閲覧に供しなければならない。

1項

医療法人は、前条第一項の期間内に、その債権者に対し、異議があれば一定の期間内に述べるべき旨を公告し、かつ、判明している債権者に対しては、各別にこれを催告しなければならない。


ただし、その期間は、二月を下ることができない

2項

債権者が前項の期間内に吸収分割に対して異議を述べなかつたときは、吸収分割を承認したものとみなす。

3項

債権者が異議を述べたときは、医療法人は、これに弁済をし、若しくは相当の担保を提供し、又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。


ただし、吸収分割をしても その債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

1項

吸収分割承継医療法人は、吸収分割契約の定めに従い、吸収分割医療法人の権利義務(当該医療法人がその行う事業の用に供する施設に関し この法律の規定による許可 その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。

2項

前項の規定にかかわらず、吸収分割医療法人の債権者であつて、前条第一項の各別の催告を受けなかつたものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割医療法人に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであつても、吸収分割医療法人に対して、吸収分割医療法人が次条の分割の登記のあつた日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。

3項

第一項の規定にかかわらず、吸収分割医療法人の債権者であつて、前条第一項の各別の催告を受けなかつたものは、吸収分割契約において吸収分割後に吸収分割承継医療法人に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであつても、吸収分割承継医療法人に対して、その承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。

1項

吸収分割は、吸収分割承継医療法人が、その主たる事務所の所在地において政令で定めるところにより分割の登記をすることによつて、その効力を生ずる。

第二目 新設分割

1項

又は二以上の医療法人は、新設分割( 又は二以上の医療法人がその事業に関して有する権利義務の全部 又は一部を分割により設立する医療法人に承継させることをいう。以下この目において同じ。)をすることができる。


この場合においては、新設分割計画を作成しなければならない。

2項

二以上の医療法人が共同して新設分割をする場合には、当該二以上の医療法人は、共同して新設分割計画を作成しなければならない。

1項

又は二以上の医療法人が新設分割をする場合には、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

新設分割により設立する医療法人(以下この目において「新設分割設立医療法人」という。)の目的、名称 及び主たる事務所の所在地

二 号

新設分割設立医療法人の定款又は寄附行為で定める事項

三 号

新設分割設立医療法人が新設分割により新設分割をする医療法人(以下この目において「新設分割医療法人」という。)から承継する資産、債務、雇用契約 その他の権利義務に関する事項

四 号

前三号に掲げる事項のほか、厚生労働省令で定める事項

1項

第六十条の三から第六十条の五までの規定は、医療法人が新設分割をする場合について準用する。


この場合において、

第六十条の三第一項 及び第三項
吸収分割契約」とあるのは
「新設分割計画」と、

同条第四項
吸収分割医療法人」とあるのは
「新設分割医療法人」と、

吸収分割承継医療法人」とあるのは
「新設分割設立医療法人」と

読み替えるものとする。

1項

新設分割設立医療法人は、新設分割計画の定めに従い、新設分割医療法人の権利義務(当該医療法人がその行う事業の用に供する施設に関し この法律の規定による許可 その他の処分に基づいて有する権利義務を含む。)を承継する。

2項

前項の規定にかかわらず、新設分割医療法人の債権者であつて、前条において準用する第六十条の五第一項の各別の催告を受けなかつたものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割医療法人に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであつても、新設分割医療法人に対して、新設分割医療法人が次条の分割の登記のあつた日に有していた財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。

3項

第一項の規定にかかわらず、新設分割医療法人の債権者であつて、前条において準用する第六十条の五第一項の各別の催告を受けなかつたものは、新設分割計画において新設分割後に新設分割設立医療法人に対して債務の履行を請求することができないものとされているときであつても、新設分割設立医療法人に対して、その承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。

1項

新設分割は、新設分割設立医療法人が、その主たる事務所の所在地において政令で定めるところにより分割の登記をすることによつて、その効力を生ずる。

1項

第二節第四十四条第二項第四項 及び第五項 並びに第四十六条第二項除く)の規定は、新設分割設立医療法人の設立については、適用しない

第三目 雑則

1項

会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律平成十二年法律第百三号第二条から第八条まで第二条第三項各号 及び第四条第三項各号を除く)及び商法等の一部を改正する法律平成十二年法律第九十号)附則第五条第一項の規定は、この款の規定により医療法人が分割をする場合について準用する。


この場合において、

会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律第二条第一項 及び第二項
承継会社等」とあるのは
「承継医療法人等」と、

同項
分割会社」とあるのは
「分割医療法人」と、

同条第三項
次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に定める」とあるのは
医療法昭和二十三年法律第二百五号第六十条の三第四項の認可の通知 又は同法第六十一条の三において読み替えて準用する同法第六十条の三第四項の認可の通知のあった日から起算して、二週間を経過する」と、

同法第三条から第八条まで第四条第三項除く)の規定中
分割会社」とあるのは
「分割医療法人」と、

承継会社等」とあるのは
「承継医療法人等」と、

同法第四条第三項
次の各号に掲げる場合に応じ、当該各号に」とあるのは
医療法第六十条の三第四項の認可を受けた吸収分割 又は同法第六十一条の三において読み替えて準用する同法第六十条の三第四項の認可を受けた新設分割に係る分割の登記のあった日の前日までの日で分割医療法人が」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

民法明治二十九年法律第八十九号第三百九十八条の九第三項から第五項まで 並びに第三百九十八条の十第一項 及び第二項の規定は、この款の規定により医療法人が分割をする場合について準用する。


この場合において、

同法第三百九十八条の九第三項
前二項」とあるのは
医療法昭和二十三年法律第二百五号第六十二条の二において準用する次条第一項 又は第二項」と、

前項」とあるのは
「同項」と

読み替えるものとする。

第三款 雑則

1項

この節に特に定めるもののほか、医療法人の合併 及び分割に関し 必要な事項は、政令で定める。

第九節 監督

1項

都道府県知事は、医療法人の業務 若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款 若しくは寄附行為に違反している疑いがあり、又はその運営が著しく適正を欠く疑いがあると認めるときは、当該医療法人に対し、その業務 若しくは会計の状況に関し報告を求め、又は当該職員に、その事務所に立ち入り、業務 若しくは会計の状況を検査させることができる。

2項

第六条の八第三項 及び第四項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

1項

都道府県知事は、医療法人の業務 若しくは会計が法令、法令に基づく都道府県知事の処分、定款 若しくは寄附行為に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるときは、当該医療法人に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

2項

医療法人が前項の命令に従わないときは、都道府県知事は、当該医療法人に対し、期間を定めて業務の全部 若しくは一部の停止を命じ、又は役員の解任を勧告することができる。

3項

都道府県知事は、前項の規定により、業務の停止を命じ、又は役員の解任を勧告するに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

1項

都道府県知事は、社会医療法人が、次の各号いずれかに該当する場合においては、社会医療法人の認定を取り消し、又は期間を定めて収益業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第四十二条の二第一項各号に掲げる要件を欠くに至つたとき。

二 号

定款 又は寄附行為で定められた業務以外の業務を行つたとき。

三 号

収益業務から生じた収益を当該社会医療法人が開設する病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院の経営に充てないとき

四 号

収益業務の継続が、社会医療法人が開設する病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院(指定管理者として管理する病院等を含む。)の業務に支障があると認めるとき。

五 号

不正の手段により第四十二条の二第一項の認定を受けたとき。

六 号

この法律 若しくはこの法律に基づく命令 又はこれらに基づく処分に違反したとき。

2項

都道府県知事は、前項の規定により認定を取り消すに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

1項

都道府県知事は、医療法人が、成立した後 又は全ての病院、診療所、介護老人保健施設 及び介護医療院を休止 若しくは廃止した後一年以内に正当な理由がなく病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院を開設しないとき、又は再開しないときは、設立の認可を取り消すことができる

1項

都道府県知事は、医療法人が法令の規定に違反し、又は法令の規定に基く都道府県知事の命令に違反した場合においては、他の方法により監督の目的を達することができないときに限り、設立の認可を取り消すことができる

2項

都道府県知事は、前項の規定により設立の認可を取り消すに当たつては、あらかじめ、都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。

1項

厚生労働大臣は、第六十四条第一項 及び第二項第六十四条の二第一項第六十五条 並びに前条第一項の規定による処分を行わないことが著しく公益を害するおそれがあると認めるときは、都道府県知事に対し、これらの規定による処分を行うべきことを指示することができる。

1項

関係都道府県知事(医療法人が開設する病院、診療所、介護老人保健施設 又は介護医療院の所在地の都道府県知事であつて、当該医療法人の主たる事務所の所在地の都道府県知事以外の者をいう。)は、当該医療法人に対して適当な措置をとることが必要であると認めるときは、当該医療法人の主たる事務所の所在地の都道府県知事に対し、その旨の意見を述べることができる。

1項

都道府県知事は、第四十四条第一項第五十五条第六項第五十八条の二第四項第五十九条の二において読み替えて準用する場合を含む。)若しくは第六十条の三第四項第六十一条の三において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による認可をしない処分をし、又は第六十四条第二項の規定により役員の解任を勧告するに当たつては、当該処分の名宛人 又は当該勧告の相手方に対し、その指名した職員 又はその他の者に対して弁明する機会を与えなければならない。—この場合においては、都道府県知事は、当該処分の名宛人 又は当該勧告の相手方に対し、あらかじめ、書面をもつて、弁明をするべき日時、場所 及び当該処分 又は当該勧告をするべき事由を通知しなければならない。

2項

前項の通知を受けた者は、代理人を出頭させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。

3項

第一項の規定による弁明の聴取をした者は、聴取書を作り、これを保存するとともに、報告書を作成し、かつ、当該処分 又は当該勧告をする必要があるかどうかについて都道府県知事に意見を述べなければならない。

1項

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第四条第百五十八条 及び第百六十四条 並びに会社法第六百六十二条第六百六十四条第八百六十八条第一項第八百七十一条第八百七十四条第一号に係る部分に限る)、第八百七十五条 及び第八百七十六条の規定は、医療法人について準用する。


この場合において、

同法第六百六十四条
社員に分配する」とあるのは
「残余財産の帰属すべき者 又は国庫に帰属させる」と、

同法第八百六十八条第一項
本店」とあるのは
主たる事務所」と

読み替えるものとする。

1項

この章に特に定めるもののほか、医療法人の監督に関し必要な事項は、政令で定める。

第十節 医療法人に関する情報の調査及び分析等

1項
都道府県知事は、地域において必要とされる医療を確保するため、当該都道府県の区域内に主たる事務所を有する医療法人の活動の状況 その他の厚生労働省令で定める事項について、調査 及び分析を行い、その内容を公表するよう努めるものとする。
2項

医療法人(厚生労働省令で定める者を除く)は、厚生労働省令で定めるところにより、当該医療法人が開設する病院 又は診療所ごとに、その収益 及び費用 その他の厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならない。

3項
厚生労働大臣は、医療法人の活動の状況 その他の厚生労働省令で定める事項に関する情報を収集し、整理し、及び当該整理した情報の分析の結果を国民にインターネット その他の高度情報通信ネットワークの利用を通じて迅速に提供することができるよう必要な施策を実施するものとする。
4項

厚生労働大臣は、前項の施策を実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、当該都道府県の区域内に主たる事務所を有する医療法人の活動の状況 その他の厚生労働省令で定める事項に関する情報の提供を求めることができる。

5項

都道府県知事は、前項の規定による厚生労働大臣の求めに応じて情報を提供するときは、電磁的方法 その他の厚生労働省令で定める方法によるものとする。

1項

厚生労働大臣は、前条第三項の規定による情報の収集 及び整理 並びに分析の結果の提供に関する事務の全部 又は一部を独立行政法人福祉医療機構に委託することができる。