この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
漁業の許可及び取締り等に関する省令
制定に関する表明
漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第三章 及び第六十五条第一項 並びに水産資源保護法(昭和二十六年法律第三百十三号)第四条第一項の規定に基づき、並びに漁業法第三章、第七十四条第一項 及び第三項 並びに第百三十四条第一項 並びに水産資源保護法第三十条の規定を実施するため、指定漁業の許可 及び取締り等に関する省令を次のように定める。
第一章 総則
中西部太平洋条約海域
西部 及び中部太平洋における高度回遊性魚類の保存 及び管理に関する条約(以下「中西部太平洋条約」という。)第三条1に規定する条約区域をいう。
東部太平洋条約海域
千九百四十九年のアメリカ合衆国とコスタリカ共和国との間の条約によって設置された全米熱帯まぐろ類委員会の強化のための条約(アンティグア条約)第三条に規定する条約水域をいう。
インド洋協定海域
インド洋まぐろ類委員会の設置に関する協定第二条に規定する区域をいう。
大西洋条約海域
大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約第一条に規定する条約区域をいう。
北西大西洋条約海域
北西大西洋の漁業についての今後の多数国間の協力に関する条約第一条1に規定する条約区域をいう。
北太平洋条約海域
北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約第一条(f)に規定する条約水域をいう。
この省令の適用については、次の各号に掲げる海域は、それぞれ当該各号に定める海域に含まれるものとする。
ベーリング海、オホーツク海、日本海、黄海、東シナ海、フィリピン海、南シナ海、タイ湾、東インド諸島諸海、ビスマルク海、ソロモン海、コラル海、タスマン海、バス海峡、カリフォルニア湾、アメリカ合衆国アラスカ州南東部 及びカナダブリティッシュ・コロンビア州の沿岸海域 並びにアラスカ湾の海域
太平洋の海域
マラッカ海峡、アンダマン海、ベンガル湾、ラッカディブ海、アラビア海、オマーン湾、ペルシャ湾、スエズ湾、アカバ湾、紅海、アデン湾、モザンビーク海峡 及びグレート・オーストラリア湾の海域
インド洋の海域
アゾフ海、黒海、マルマラ海、地中海、ビスケー湾、イギリス海峡、ブリストル湾、アイリッシュ海 及びセント・ジョージ海峡、スコットランド西部諸海、北海、スカゲラク海峡、カテガット海峡、バルト海、ノルウェー海、グリーンランド海、ラブラドル海、デービス海峡、バフィン湾、ハドソン海峡、ハドソン湾、セント・ローレンス湾、ファンディ湾、メキシコ湾、カリブ海、ラ・プラタ川河口部 並びにギニア湾の海域
大西洋の海域
第二章 大臣許可漁業
第一節 通則
漁業法(以下「法」という。)第三十六条第一項の農林水産省令で定める漁業は、次に掲げるものとする。
沖合底びき網漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において総トン数十五トン(別表第二の当該漁業の項の下欄に掲げる海域においてほたてがいをとることを目的とする場合にあっては、総トン数二十トン)以上の動力漁船(法第六十条第六項に規定する動力漁船をいう。以下同じ。)により底びき網を使用して行う漁業
以西底びき網漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において総トン数十五トン以上の動力漁船により底びき網を使用して行う漁業
遠洋底びき網漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において総トン数十五トン以上の動力漁船により底びき網を使用して行う漁業
東シナ海はえ縄漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において総トン数十トン以上の動力漁船によりはえ縄を使用して行う漁業(次に掲げるものを除く。)
第十二号に掲げるかつお・まぐろ漁業
第七十七条第一項第一号に掲げる沿岸まぐろはえ縄漁業
大西洋等はえ縄等漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において動力漁船によりはえ縄、底刺し網 又はかごを使用して行う漁業(第十二号に掲げるかつお・まぐろ漁業を除く。)
太平洋底刺し網等漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において動力漁船によりはえ縄 又は底刺し網を使用して行う漁業(次に掲げるものを除く。)
第十二号に掲げるかつお・まぐろ漁業
第十五号に掲げるずわいがに漁業
第七十七条第一項第一号に掲げる沿岸まぐろはえ縄漁業
大中型まき網漁業
総トン数四十トン(別表第二の当該漁業の項の下欄に掲げる海域にあっては、総トン数十五トン)以上の動力漁船によりまき網を使用して行う漁業
基地式捕鯨業
動力漁船によりもりづつを使用して鯨をとる漁業(次号に掲げるものを除く。)
母船式捕鯨業
製造設備、冷蔵設備 その他の処理設備を有する母船 及び独航船が一体となって行う漁業であって、もりづつを使用して鯨をとるもの
かじき等流し網漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において総トン数十トン以上の動力漁船により流し網を使用してかじき、かつお、まぐろ 又はさめをとることを目的とする漁業
東シナ海等かじき等流し網漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において総トン数十トン以上の動力漁船により流し網を使用してかじき、かつお 又はまぐろをとることを目的とする漁業
かつお・まぐろ漁業
総トン数十トン(別表第二の当該漁業の項の下欄に掲げる海域にあっては、総トン数二十トン)以上の動力漁船により、浮きはえ縄を使用して又は釣りによってかつお、まぐろ、かじき 又はさめをとることを目的とする漁業
中型さけ・ます流し網漁業
総トン数三十トン以上の動力漁船により流し網を使用してさけ 又はますをとることを目的とする漁業
北太平洋さんま漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域において総トン数十トン以上の動力漁船により棒受網を使用してさんまをとることを目的とする漁業
ずわいがに漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄各号に掲げる海域においてそれぞれ同表の下欄に掲げる期間に総トン数十トン以上の動力漁船によりずわいがにをとることを目的とする漁業(次に掲げるものを除く。)
第一号に掲げる沖合底びき網漁業
総トン数十五トン未満の動力漁船により底びき網を使用して行う漁業
別表第一のずわいがに漁業の項の中欄第三号 又は第四号に掲げる海域において動力漁船により固定式刺し網 又はかごを使用して行う漁業
日本海べにずわいがに漁業
別表第一の当該漁業の項の中欄に掲げる海域においてかごを使用してべにずわいがにをとることを目的とする漁業
いか釣り漁業
総トン数三十トン以上の動力漁船により釣りによっていかをとることを目的とする漁業
法第三十六条第一項の許可を受けようとする者は、大臣許可漁業ごと 及び船舶ごとに、別記様式第一号による申請書に次に掲げる書類を添え、農林水産大臣に提出しなければならない。
漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)による漁船の登録の謄本
船舶安全法(昭和八年法律第十一号)に基づく船舶検査証書の写し
申請に係る船舶を使用する権利が所有権以外の場合には、当該権利を有することを証する書面
申請者が法人である場合には定款、登記事項証明書(目的、名称、事務所(二以上ある場合には、主たる事務所)及び当該法人を代表すべき者の氏名に係る事項を証明した登記事項証明書とする。)並びに最近の貸借対照表、損益計算書 及び財産目録、法人以外の者である場合には最近の財産状態を明らかにする書類
二人以上が共同して申請する場合には、当該漁業に関する各共同者の権利義務の関係を記載した書面
法第四十一条第一項第二号から第四号までに掲げる者のいずれにも該当しないことを誓約する書面
申請に係る船舶が、法第四十一条第一項第五号の農林水産大臣の定める基準を満たす船舶であることを明らかにする書類
申請が法第四十五条の規定によってする許可に係るものである場合には、同条各号のいずれかに該当することを証する書面
農林水産大臣は、前項各号に掲げる書類のほか、許可をするかどうかの判断に関し必要と認める書類の提出を求めることができる。
許可を受けようとする者は、法第四十五条第一号に該当する場合は、従前の許可の有効期間の満了日の三月前から一月前までの間に、第一項の申請書を提出しなければならない。
法第三十八条の認可(以下この章において「起業の認可」という。)を受けようとする者は、大臣許可漁業ごと 及び船舶ごとに、別記様式第一号による申請書に次に掲げる書類を添え、農林水産大臣に提出しなければならない。
別記様式第二号による船舶件名書
前条第一項第四号から第六号までに掲げる書類
申請が法第四十五条の規定によってする起業の認可に係るものである場合には、同条各号のいずれかに該当することを証する書面
農林水産大臣は、前項各号に掲げる書類のほか、起業の認可をするかどうかの判断に関し必要と認める書類の提出を求めることができる。
前項の場合において、当該申請が法第四十二条第一項の申請すべき期間内にしたものであるときは、当該申請は、同項の規定による起業の認可の申請とみなす。
第一項の場合において、当該申請が法第四十五条第一号の規定によるものであるときは、当該申請は、同条第三号の規定による起業の認可の申請とみなす。
前項の規定にかかわらず、当該申請が法第四十五条第一号の規定によるものであって、当該申請をした者が、当該申請をした後に同条第三号の規定により他の船舶について許可の申請をしたときは、当該申請は、当該他の船舶についてしたものとみなす。
前項の場合において、当該申請は、法第四十五条第一号の規定の適用については、許可を受けた船舶と同一の船舶についてした申請とみなす。
許可 又は起業の認可の申請をした者が当該申請をした後に死亡し、又は合併により解散し、若しくは分割(当該申請に係る船舶を承継させるものに限る。)をしたときは、その相続人(相続人が二人以上ある場合において、その協議により当該申請をした者の地位を承継すべき者を定めたときは、その者)又は当該合併後存続する法人 若しくは当該合併によって成立した法人 若しくは当該分割によって当該船舶を承継した法人は、当該許可 又は起業の認可の申請をした者の地位を承継する。
前項の規定により許可 又は起業の認可の申請をした者の地位を承継した者は、その事実を証する書面を添え、承継の日から二月以内にその旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
法第四十二条第一項の農林水産省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
法第四十二条第二項ただし書の農林水産省令で定める緊急を要する特別の事情は、国際交渉との関係上船舶の隻数が定められることとなった大臣許可漁業について、三月以上の申請期間を定めて同条第一項の規定による公示をするとすれば当該大臣許可漁業の操業の時機を失し、当該大臣許可漁業を営む者の経営に著しい支障を及ぼすと認められる事情とする。
法第四十六条第一項の農林水産省令で定める期間は、五年とする。
法第四十七条の規定により変更の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を農林水産大臣に提出しなければならない。
申請者の氏名 及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名 及び主たる事務所の所在地)
法第三十六条第一項の許可に係る船舶の名称
法第三十六条第一項の許可を受けた年月日 及び許可番号
農林水産大臣は、前項の規定による申請があった場合において必要があるときは、変更の許可をするかどうかの判断に関し必要と認める書類の提出を求めることができる。
前条の規定は、前項の許可について準用する。
法第四十八条第一項の規定により許可 又は起業の認可を受けた者の地位を承継した者は、同条第二項の規定によりその旨を農林水産大臣に届け出るときは、相続 又は法人の合併 若しくは分割のあったことを証する書面を添えなければならない。
法第五十一条第一項の農林水産省令で定める期間は、許可を受けた日から一年間 又は引き続き二年間とする。
法第五十二条第一項の規定による報告は、次項各号に掲げる事項を記載した報告書を農林水産大臣に提出してしなければならない。
法第五十二条第一項の農林水産省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
許可を受けた者の氏名 及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名 及び主たる事務所の所在地)
第一項の報告書の提出期限 及び様式は、農林水産大臣が別に定めて告示する。
法第五十二条第二項の農林水産省令で定める電子機器は、衛星船位測定送信機(人工衛星を利用して船舶の位置の測定 及び送信を行う機器であって、次の各号に掲げる基準に適合するものをいう。以下この条において同じ。)とする。
前号に掲げる情報の改変を防止するための措置が講じられているものであること。
法第五十二条第二項の規定により衛星船位測定送信機を備え付けた船舶の船長は、衛星船位測定送信機が故障した場合には、速やかに農林水産大臣にその旨を報告し、その指示に従わなければならない。
法第五十六条第一項の規定により交付する許可証の様式は、別記様式第三号による。
許可を受けた者は、許可証の記載事項に変更が生じたとき(第十九条第二号から第六号までに掲げる場合を除く。)は、速やかに、農林水産大臣に許可証の書換え交付を申請しなければならない。
前項の申請が船名 又は船舶の総トン数の変更に係るものである場合には、漁船法による漁船の登録の謄本 又は船舶安全法に基づく船舶検査証書の写しを添えなければならない。
許可を受けた者は、許可証を亡失し、又は毀損したときは、速やかに、理由を付して農林水産大臣に許可証の再交付を申請しなければならない。
第十七条第一項の規定による書換え交付 又は前条の規定による再交付の申請があったとき。
法第四十四条第二項の規定により許可に条件を付け、又は同条第一項 若しくは第二項の規定により付けた条件を変更し、若しくは取り消したとき。
法第四十七条の許可(船舶の総トン数の変更に係る許可を除く。)をしたとき。
法第四十八条第二項の規定による届出があったとき。
法第五十四条第二項 又は第五十五条第一項の規定により許可を変更したとき。
この省令の規定によりその変更につき農林水産大臣の許可を要する事項が許可証の記載事項となつている場合において、当該許可をしたとき。
許可を受けた者は、当該許可がその効力を失い、又は取り消された場合には、速やかに、その許可証を農林水産大臣に返納しなければならない。
前条の規定により許可証の書換え交付 又は再交付を受けた場合における従前の許可証についても、同様とする。
前項の場合において、許可証を返納することができないときは、理由を付してその旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
許可を受けた者(母船式捕鯨業、かつお・まぐろ漁業 及び北太平洋さんま漁業の許可を受けた者を除く。次項において同じ。)は、当該許可に係る船舶の外部に別表第三に定めるところにより当該許可に係る許可番号を表示しなければ、当該船舶を当該漁業に使用してはならない。
許可を受けた者は、当該許可がその効力を失い、又は取り消された場合には、速やかに、前項の規定によりした表示を消さなければならない。
許可を受けた者は、別にこの省令で定める場合のほか、別表第四の上欄に掲げる大臣許可漁業に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる制限 又は禁止に違反して当該大臣許可漁業を営んではならない。
許可を受けた者は、漁業調整のため農林水産大臣が告示して当該大臣許可漁業の漁獲物 又はその製品(第四十七条の規定による許可を受けて輸送される漁獲物 又はその製品を含む。以下この条において「漁獲物等」という。)の陸揚港を指定し、又は当該告示において定める漁獲物等の陸揚港のうちの一 若しくは二以上を選定すべきことを定めた場合には、当該指定 又は選定に係る陸揚港以外の地に当該大臣許可漁業の漁獲物等の陸揚げをしてはならない。
ただし、あらかじめ農林水産大臣の許可を受けたとき、又は暴風雨 その他やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
許可を受けた者は、前項の規定により陸揚港の選定をしたときは、速やかに、農林水産大臣に届け出なければならない。
これを変更した場合も、同様とする。
許可に係る船舶の船長は、この省令に定めがある場合のほか、農林水産大臣が大臣許可漁業につき漁業調整のため必要と認めて報告すべき事項 及び方法を告示して定め、又は農林水産大臣 若しくは漁業監督官が、漁業調整上必要と認めてインターネットの利用 その他の適切な方法による報告を要求した場合には、当該定め又は要求に従って報告しなければならない。
許可に係る船舶の船長は、大臣許可漁業ごとに農林水産大臣が別に定めて告示する海域において操業するときは、当該船舶内に操業日誌を備え付け、農林水産大臣が別に定めて告示する事項を、当該告示で定めるところにより記録しなければならない。
大臣許可漁業(大中型まき網漁業 及びかつお・まぐろ漁業を除く。)の許可に係る船舶の船長は、前項の操業日誌をその最後の記載をした日から三年間当該船舶内に保存しなければならない。
大中型まき網漁業 及びかつお・まぐろ漁業の許可に係る船舶の船長は、第一項の規定により同項に規定する事項を記録した操業日誌を当該操業日誌に係る航海の終了後十五日以内に農林水産大臣に提出しなければならない。
第一項の操業日誌に第十四条第二項第一号から第六号までに掲げる事項が記載されている場合にあっては、当該事項については、当該操業日誌 又はその写しの提出をもって同条第一項の報告書を提出したものとみなす。
第一項の規定による備付け 及び記録は、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をもってしなければならない。
第三項の規定による提出は、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)により行わなければならない。
前二項の規定は、電子計算機の故障 その他やむを得ない事由があるときは、適用しない。
第二節 沖合底びき網漁業
沖合底びき網漁業の許可を受けた者は、次に掲げる場合を除き、当該漁業の漁獲物 又はその製品を、当該漁獲物を採捕し、又は当該製品を製造した船舶から他の船舶に転載してはならない。
日本国内の港(第二十四条第一項の規定により陸揚港が指定され、又は陸揚港の選定が定められている場合には、当該指定され又は選定した陸揚港に限る。)内において転載する場合
当該漁業の許可を受けた他の船舶に転載する場合(第二十四条第一項の規定により陸揚港が指定され、又は陸揚港の選定が定められている場合を除く。)
第三節 以西底びき網漁業
前条(第二号括弧書を除く。)の規定は、以西底びき網漁業について準用する。
第四節 遠洋底びき網漁業
遠洋底びき網漁業の許可を受けた者(以下「遠洋底びき網漁業者」という。)は、当該許可に係る船舶(以下この条 及び次条において「遠底船舶」という。)の船体の両げん側 及び甲板上に、一メートル四方以上の大きさの文字により信号符字を表示しなければ、当該遠底船舶を当該漁業に使用してはならない。
遠底船舶の船長は、外国の領海 又は排他的経済水域(ロシア連邦にあっては別表第五の九の項の上欄に掲げる区域、大韓民国にあっては同表の十一の項の上欄に掲げる区域、中華人民共和国にあっては同表の十二の項の上欄に掲げる区域。以下この条、第三十二条(第三十三条において準用する場合を含む。)及び第百六条において同じ。)を当該遠底船舶により航行する場合には、遠洋底びき網漁業の用に供されるものと認められる漁具 又は漁ろう装置を漁獲に容易に使用できないよう格納し、又は収納しなければならない。
ただし、いずれかの外国から漁獲のための許可を受けている遠底船舶により、当該許可に係る当該外国の領海 又は排他的経済水域を航行する場合は、この限りでない。
遠洋底びき網漁業者は、第二十七条各号のいずれかに該当する場合を除き、当該漁業の漁獲物 又はその製品(以下この条 及び次条において「漁獲物等」という。)を、当該漁獲物を採捕し、又は当該製品を製造した船舶(以下この条 及び次条において「遠底船舶等」という。)から他の船舶に転載してはならない。
ただし、別表第八の二の上欄に掲げる港内 又は海域において転載する場合であって、それぞれ同表の下欄に定めるところにより転載するときは、この限りでない。
遠洋底びき網漁業者は、北太平洋条約海域において、漁獲物等を、遠底船舶等から他の船舶に転載しようとするとき、又は北太平洋条約海域以外の海域において、北太平洋条約海域における漁獲物等を遠底船舶等から他の船舶に転載しようとするとき(いずれの場合においても、第二十七条各号のいずれかに該当する場合を除く。)は、当該転載を行う十日前までに、次に掲げる事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
遠洋底びき網漁業者は、前項各号に掲げる届出事項に変更を生じたときは、速やかにその旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
第五節 東シナ海はえ縄漁業
東シナ海はえ縄漁業の許可を受けた者は、当該許可に係る船舶に表示された漁船法による登録番号の下に二センチメートルの幅で黒色の横線を表示しなければ、当該船舶を当該漁業に使用してはならない。
第六節 大西洋等はえ縄等漁業
大西洋等はえ縄等漁業の許可に係る船舶(以下この条において「許可船舶」という。)の船長は、外国の領海 又は排他的経済水域を当該許可船舶により航行する場合には、当該漁業の用に供されるものと認められる漁具 又は漁ろう装置を漁獲に容易に使用できないよう格納し、又は収納しなければならない。
ただし、いずれかの外国から漁獲のための許可を受けている許可船舶により、当該許可に係る当該外国の領海 又は排他的経済水域を航行する場合は、この限りでない。
第七節 太平洋底刺し網等漁業
太平洋底刺し網等漁業の許可を受けた者は、北太平洋条約海域においては、当該許可に係る船舶の外部に別表第六に定めるところにより信号符字 又は漁船登録番号の前に「JP―」を付したもの(以下「信号符字等」という。)を表示しなければ、当該船舶を当該漁業に使用してはならない。
第三十条の二、第三十条の三 及び第三十二条の規定は、太平洋底刺し網等漁業について準用する。
第八節 大中型まき網漁業
大中型まき網漁業の許可を受けた者(以下「大中型まき網漁業者」という。)は、中西部太平洋条約海域のうち公海(我が国 及び外国の排他的経済水域を除く。以下同じ。)においては、国際海事機関が採択した国際信号書の最新のものの写しを当該許可に係る船舶、第四十条第一項の規定により届け出た運搬船 並びに第四十一条第一項の規定により届け出た火船 及び魚探船(以下「許可船舶等」という。)内に備え付けなければならない。
大中型まき網漁業者は、中西部太平洋条約海域のうち公海 及び北太平洋条約海域においては、許可船舶等の外部に別表第六に定めるところにより信号符字等を表示しなければ、当該許可船舶等を当該漁業に使用してはならない。
許可船舶等の船長は、中西部太平洋条約海域のうち公海においては常時二千百八十二キロヘルツ 又は百五十六・八メガヘルツの周波数で聴守をしなければならない。
許可船舶等の船長は、中西部太平洋条約海域のうち公海(大中型まき網漁業の許可に係る操業区域を除く。)又は中西部太平洋条約の締約国である外国(以下この条において「条約締約国」という。)の領海 若しくは排他的経済水域(大韓民国にあつては別表第五の十一の項の上欄に掲げる区域、中華人民共和国にあつては同表の十二の項の上欄に掲げる区域。以下この条において同じ。)を許可船舶等により航行する場合には、当該漁業の用に供されるものと認められる漁具 又は漁ろう装置を漁獲に容易に使用できないよう格納し、又は収納しなければならない。
ただし、いずれかの条約締約国から漁獲のための許可を受けている許可船舶等により、当該許可に係る当該条約締約国の領海 又は排他的経済水域を航行する場合は、この限りでない。
大中型まき網漁業者は、農林水産大臣が別に定めて告示する海域において操業する場合であつて、農林水産大臣が中西部太平洋条約を実施するため必要があると認めて中西部太平洋条約第二十八条4に規定するオブザーバー(以下この条において「中西部太平洋オブザーバー」という。)を当該許可に係る船舶に乗船させることを命じたときは、当該命令に従つて中西部太平洋オブザーバーを乗船させなければならない。
農林水産大臣は、前項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
第一項の規定による命令に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
中西部太平洋オブザーバーは、中西部太平洋条約で定める範囲内で、まぐろ類等地域漁業管理機関(まぐろ類等の保存のための地域的な漁業管理のための機関をいう。以下同じ。)であつて中西部太平洋条約海域を管轄するものにおいて取り決められた措置の実施の状況を監視すること その他の措置を行うものとする。
大中型まき網漁業者は、農林水産大臣が別に定めて告示する海域において、我が国が締結した漁業に関する条約 その他の国際約束を実施するために必要な漁具に関する制限として当該海域ごとに農林水産大臣が別に定めて告示するものに違反して操業してはならない。
大中型まき網漁業者は、当該漁業の漁獲物を、当該漁獲物を採捕した船舶以外の船舶(以下この項において「運搬船」という。)により輸送する場合には、あらかじめ、当該許可に係る船舶ごとに、別記様式第四号の運搬船届出書に次に掲げる書類を添え、農林水産大臣に届け出なければならない。
運搬船に係る漁船法による漁船の登録の謄本
大中型まき網漁業者は、前項の運搬船届出書の記載事項に変更を生じたときは、速やかに、当該変更に係る事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
大中型まき網漁業者は、当該漁業に火船 又は魚探船を使用する場合には、当該許可に係る船舶ごとに、あらかじめ、別記様式第五号の火船等届出書に次に掲げる書類を添え、農林水産大臣に届け出なければならない。
火船 又は魚探船に係る漁船法による漁船の登録の謄本
火船 又は魚探船を使用する権利が所有権以外の場合には、当該権利を有することを証する書面
大中型まき網漁業者は、前項の火船等届出書の記載事項に変更を生じたときは、速やかに、当該変更に係る事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
大中型まき網漁業者は、漁獲物 又はその製品を日本国外の地に陸揚げし、又は当該漁獲物を採捕し、若しくは当該製品を製造した船舶から他の船舶に転載しようとするとき(第二十七条第二号から第四号までのいずれかに該当する場合を除く。)は、当該陸揚げ 又は転載を行う十日前までに、次に掲げる事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
大中型まき網漁業者は、前項の届出事項に変更を生じたときは、速やかにその旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
大中型まき網漁業者は、中西部太平洋条約海域においてさめ(くろとがりざめ及びよごれに限る。以下この条において同じ。)を採捕し、インド洋協定海域において体長六十センチメートル未満のかじき(まかじき、しろかじき、にしくろかじき 及びばしょうかじきに限る。以下この条 及び別表第四のかつお・まぐろ漁業の項第十六号において同じ。)を採捕し、又は中西部太平洋条約海域 若しくはインド洋協定海域においていとまきえい科を採捕したときは、当該さめ、かじき 又はいとまきえい科を販売してはならない。
第三十条の二の規定は、大中型まき網漁業に準用する。
ただし、中西部太平洋条約第三条3の規定により同条約を適用することとされている魚種であって第九十五条第一項の規定に基づき、農林水産大臣が別に定めて告示するもののみを転載する場合は、この限りでない。
第九節 基地式捕鯨業
基地式捕鯨業の許可を受けた者(以下「基地式捕鯨業者」という。)は、乳飲み稚鯨 又は稚鯨(乳飲み稚鯨を含む。)を伴う雌鯨を捕獲してはならない。
基地式捕鯨業者は、当該基地式捕鯨業の許可に係る船舶ごとに、その使用する鯨体処理場について農林水産大臣の許可を受けなければならない。
これを変更する場合も、同様とする。
基地式捕鯨業者は、鯨を捕獲した船舶に係る鯨体処理場で前項の許可を受けたもの以外の場所に、当該鯨を陸揚げしてはならない。
基地式捕鯨業者は、第一項の許可を受けた鯨体処理場以外の場所において、捕獲した鯨を処理してはならない。
第一項の許可は、当該許可に係る船舶についての基地式捕鯨業の許可が効力を失ったときは、その効力を失う。
基地式捕鯨業に従事する船舶の船長は、鯨を捕獲したときは、その都度、当該鯨の尾羽にあらかじめ農林水産大臣に届け出た船名表示記号 及び捕獲の順序を示す番号を表示しなければならない。
基地式捕鯨業に従事する船舶の船長は、鯨を捕獲したときは、三時間以内に次の各号に掲げる事項を当該鯨を処理しようとする鯨体処理場の設置の許可を受けた者に報告しなければならない。
第十節 母船式捕鯨業
母船式捕鯨業の許可を受けた者(以下「母船式捕鯨業者」という。)は、当該母船式捕鯨業の許可に係る母船 及び独航船以外の船舶によって当該母船式捕鯨業の漁獲物 又はその製品を輸送する場合には、農林水産大臣の許可を受けなければならない。
母船式捕鯨業者は、乳飲み稚鯨 及び稚鯨(乳飲み稚鯨を含む。)を伴う雌鯨を捕獲してはならない。
母船式捕鯨業に従事する独航船の船長は、鯨を捕獲したときは、その都度、当該鯨の尾羽にあらかじめ農林水産大臣に届け出た船名表示記号 及び捕獲の順序を示す番号を表示しなければならない。
母船式捕鯨業に従事する独航船の船長は、鯨を捕獲したときは、三時間以内に次の各号に掲げる事項を当該独航船の属する船団の母船の船長に報告しなければならない。
母船式捕鯨業に従事する母船の船長は、前条第二項の規定による報告を受けたときは、速やかに、当該報告に係る事項を帳簿に記載し、かつ、当該鯨につき次に掲げる事項をその判明の都度、これに併記しなければならない。
前項第二号 及び第五号の規定において「体長」とは、鯨の甲板 及び鯨体(例外的な場合を除くほか、鯨体背部に沿うものとする。)に平行な上あごの先端(まっこう鯨にあっては、頭の最先端)から尾ひれの岐点までの直線の長さをいう。
第十一節 かじき等流し網漁業
かじき等流し網漁業の許可を受けた者(以下この節において「かじき等流し網漁業者」という。)は、当該許可に係る船舶の船橋の周囲を三十センチメートルの幅で帯状に黒色で塗装しなければ、当該船舶を当該漁業に使用してはならない。
かじき等流し網漁業者は、敷設した流し網の次の各号に掲げる浮標に、それぞれ当該各号に掲げる標識等を水面上一・五メートル(別記様式第六号による標識については、浮標の表面から二メートル)以上の高さに掲げなければならない。
両端部の浮標 昼間にあっては別記様式第六号による標識 及びレーダー反射板(金属製のものに限る。以下同じ。)、夜間にあっては白色の灯火 及びレーダー反射板
中間部のおおむね三キロメートルごとの浮標 昼間にあっては別記様式第六号による標識、夜間にあっては白色の灯火
前項各号の灯火は、夜間において視界が良好な場合に少なくとも二海里離れた所から視認されるものでなければならない。
かじき等流し網漁業者は、採捕したさめを所持したときは、次に掲げる行為をしなければならない。
ただし、当該かじき等流し網漁業者が日本国外で当該さめの一部を陸揚げした場合は、この限りでない。
当該さめの全ての部分(頭部、内臓 及び皮を除く。)を陸揚げまでの間、船上において所持すること。
当該さめを陸揚げするときに、前号の規定により所持したものを陸揚げすること。
かじき等流し網漁業者は、網目十五センチメートル以下の流し網を使用してはならない。
かじき等流し網漁業者は、当該漁業に使用するために当該漁業に係る船舶に流し網を積み込む場合には、その長さ(仕立上がりの状態における浮子綱の長さをいう。)の合計が当該船舶ごとに三十キロメートルを超えてはならない。
かじき等流し網漁業者は、二枚以上の網地を重ね合わせた流し網を使用してはならない。
第十二節 東シナ海等かじき等流し網漁業
第三十一条、第五十一条、第五十二条 及び前条の規定は、東シナ海等かじき等流し網漁業について準用する。
第十三節 かつお・まぐろ漁業
かつお・まぐろ漁業の許可を受けた者(以下「かつお・まぐろ漁業者」という。)は、当該許可に係る船舶の船橋を、別表第七の上欄に掲げる船舶の総トン数ごと 及び同表の中欄に掲げる海域ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる色(当該色の表示の方法が定められている場合にあっては、当該色 及びその方法)で塗装しなければ、当該船舶を当該漁業に使用してはならない。
かつお・まぐろ漁業者は、当該許可が効力を失い、又は取り消された場合には、速やかに、前項の規定によりした塗装を消さなければならない。
かつお・まぐろ漁業者(浮きはえ縄を使用する者に限る。)は、農林水産大臣が別に定めて告示する海域において、我が国が締結した漁業に関する条約 その他の国際約束を実施するために必要な漁具に関する制限として当該海域ごとに農林水産大臣が別に定めて告示するものに違反して操業してはならない。
かつお・まぐろ漁業者は、大西洋くろまぐろ(大西洋条約海域において採捕されるものに限る。以下同じ。)又はみなみまぐろを採捕したときは、その都度、当該大西洋くろまぐろ 又はみなみまぐろに当該採捕に係る船舶の信号符字 及び採捕の順序を示す番号を表示しなければならない。
かつお・まぐろ漁業者は、採捕した大西洋くろまぐろ 又はみなみまぐろを陸揚げするまでの間は、前項の規定により当該大西洋くろまぐろ 又はみなみまぐろに表示された信号符字 若しくは番号を抹消し、又は除去し、その他当該信号符字 若しくは番号の識別を困難にする行為をしてはならない。
かつお・まぐろ漁業者は、第二十七条各号(総トン数百二十トン未満の動力漁船を使用する者にあっては、第二号を除く。)のいずれかに該当する場合を除き、当該漁業の漁獲物 又はその製品を、当該漁獲物を採捕し、又は当該製品を製造した船舶から他の船舶に転載してはならない。
ただし、別表第八の上欄に掲げる港内 又は海域において転載する場合であって、それぞれ同表の下欄に定めるところにより転載するときは、この限りでない。
かつお・まぐろ漁業者は、当該漁業の漁獲物 又はその製品を日本国外の地に陸揚げしようとする場合において、漁業監督官から漁業取締り上必要な指示を受けたときは、これに従わなければならない。
かつお・まぐろ漁業者(総トン数百二十トン以上の動力漁船により、浮きはえ縄を使用する者に限る。以下この条において同じ。)は、漁獲物 又はその製品を日本国内 若しくは日本国外の地に陸揚げし、又は当該漁獲物を採捕し、若しくは当該製品を製造した船舶から他の船舶に転載しようとするとき(第二十七条各号のいずれかに該当する場合を除く。)は、当該陸揚げ 又は転載を行う十日前までに、次に掲げる事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
漁獲物 又はその製品の量(大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約の締結国たる外国等に対する割当てに係る当該外国等別の大西洋くろまぐろの量を含む。)
当該陸揚げ 又は転載を行う漁獲物 又はその製品がみなみまぐろの場合にあっては、次に掲げる事項
漁獲物 又はその製品の量(みなみまぐろの保存のための国際条約の締結国たる外国等に対する割当てに係る当該外国等別のみなみまぐろの量を含む。)
当該陸揚げ 又は転載を行う漁獲物が大西洋くろまぐろ 又はみなみまぐろ以外である場合にあっては、当該陸揚げ 又は転載を行う漁獲物 又はその製品の量
かつお・まぐろ漁業者は、前項各号に掲げる届出事項に変更を生じたときは、速やかにその旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
かつお・まぐろ漁業者は、採捕したさめを所持したときは、次に掲げる行為をしなければならない。
ただし、当該かつお・まぐろ漁業者が日本国外で当該さめの一部を陸揚げした場合は、この限りでない。
当該さめの全ての部分(頭部、内臓 及び皮を除く。)を陸揚げまでの間、船上において所持すること。
当該さめ(インド洋協定海域、中西部太平洋条約海域 及び東部太平洋条約海域において採捕したもの(インド洋協定海域においては、船上において冷凍保存するものを除く。)に限る。)を陸揚げまでの間、船上においてひれを切り離さずに所持すること。
ただし、農林水産大臣が別に定めて告示する場合は、この限りでない。
当該さめを陸揚げするときに、前二号の規定により所持したものを陸揚げすること。
第三十四条から第三十八条までの規定は、かつお・まぐろ漁業に準用する。
この場合において、
第三十四条中
「当該許可に係る船舶、第四十条第一項の規定により届け出た運搬船 並びに第四十一条第一項の規定により届け出た火船 及び魚探船(以下「許可船舶等」という。)」とあり、
及び第三十五条から第三十七条までの規定中
「許可船舶等」とあるのは、
「かつお・まぐろ漁業の許可に係る船舶」と
読み替えるものとする。
第十四節 中型さけ・ます流し網漁業
中型さけ・ます流し網漁業の許可を受けた者(以下「中型さけ・ます流し網漁業者」という。)であつて、太平洋の海域(日本海の海域を除く。)を当該許可において操業区域の全部 又は一部とするものは、当該許可に係る船舶の船橋(船橋楼がある場合には、船橋楼。以下この項において同じ。)及び船橋と同一の甲板上にあるげんしようの外面のうちその下端から五十センチメートル上方に至る帯状の部分を赤色で、その他の満載状態における喫水線上の船体の外面(甲板を除く。)を白色で塗装しなければ、当該船舶を当該漁業に使用してはならない。
第五十六条第二項の規定は、中型さけ・ます流し網漁業に準用する。
中型さけ・ます流し網漁業者は、その浮標に当該許可に係る許可番号を明瞭に表示した流し網以外の流し網を当該漁業に使用してはならない。
中型さけ・ます流し網漁業者は、当該漁業の漁獲物 又はその製品を、当該漁獲物を採捕し 又は当該製品を製造した船舶から他の船舶に転載してはならない。
ただし、船舶の損傷 その他やむを得ない事由がある場合は、この限りでない。
第十五節 北太平洋さんま漁業
第三十条の二、第三十条の三 及び第三十二条の二の規定は、北太平洋さんま漁業について準用する。
第十六節 日本海べにずわいがに漁業
日本海べにずわいがに漁業の許可を受けた者(以下「日本海べにずわいがに漁業者」という。)は、当該許可に係る船舶の船橋の周囲を各二十センチメートルの幅で帯状に赤色 及び青色で塗装しなければ、当該船舶を当該漁業に使用してはならない。
第五十六条第二項の規定は、日本海べにずわいがに漁業に準用する。
日本海べにずわいがに漁業者は、次に掲げる要件に適合する漁具以外の漁具を当該漁業に使用してはならない。
各連に装着する浮標のうち少なくとも一つに「べにずわい」の文字、当該許可に係る許可番号 及び当該各連に付した個別の番号(以下この条において「連番号」という。)を表示した縦十八センチメートル以上、横十三センチメートル以上の大きさの札を付けること。
第十七節 いか釣り漁業
第三十条の二、第三十条の三 及び第三十二条の二の規定は、いか釣り漁業について準用する。
第三章 知事許可漁業
第一節 総則
法第五十七条第一項の農林水産省令で定める漁業は、次に掲げるものとする。
中型まき網漁業
総トン数五トン以上四十トン未満の船舶によりまき網を使用して行う漁業
小型機船底びき網漁業
総トン数十五トン(別表第二の沖合底びき網漁業の項の下欄に掲げる海域においてほたてがいをとることを目的とする場合にあっては、総トン数二十トン)未満の動力漁船により底びき網を使用して行う漁業
瀬戸内海機船船びき網漁業
瀬戸内海(法第百五十二条第二項に規定する瀬戸内海をいう。)において総トン数五トン以上の動力漁船により船びき網を使用して行う漁業をいう。
小型さけ・ます流し網漁業
総トン数三十トン未満の動力漁船により流し網を使用してさけ 又はますをとることを目的とする漁業
法第五十七条第七項第三号の農林水産省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
第二節 小型機船底びき網漁業
第七十条第二号に掲げる小型機船底びき網漁業は、次のとおり区分する。
手繰第一種漁業
網口開口装置を有しない網具を使用して行う手繰漁業
手繰第二種漁業
ビームを有する網具を使用して行う手繰漁業
手繰第三種漁業
桁を有する網具を使用して行う手繰漁業
その他の小型機船底びき網漁業
前各号に掲げるもの以外の小型機船底びき網漁業
前項各号に掲げる小型機船底びき網漁業の地方名称を付する必要がある場合には、都道府県知事が指定する名称による。
小型機船底びき網漁業は、農林水産大臣が海域 又は期間を定めたときは、当該海域 又は期間内においては、営んではならない。
ただし、第一種共同漁業権 又は第三種区画漁業権の目的となっている水産動植物を当該共同漁業権 若しくは区画漁業権 又はこれらを目的とする入漁権に基づいて採捕する場合は、この限りでない。
農林水産大臣は、前項の規定により禁止海域 又は禁止期間を定めたときはこれを告示する。
前項の指定については、前条第二項の規定を準用する。
二そうびき小型機船底びき網漁業は、営んではならない。
ただし、農林水産大臣の指定するものについては、この限りでない。
小型機船底びき網漁業は、滑走装置を備えた桁 又は網口開口板を使用して営んではならない。
ただし、農林水産大臣が指定する小型機船底びき網漁業であってその指定する海域 及び期間内において営むものについては、この限りでない。
第一項ただし書 及び前項ただし書の指定については、第七十三条第二項の規定を準用する。
第三節 小型さけ・ます流し網漁業
第七十条第四号に掲げる小型さけ・ます流し網漁業のうちその操業区域の全部 又は一部が日本海の海域(北海道檜山郡と松前郡との最大高潮時海岸線における境界点から松前郡小島灯台中心点を経て青森県竜飛崎灯台中心点に至る線以東の津軽海峡の海域を除く。以下この条において同じ。)に係るものの許可を受けた者(次項において「日本海小型さけ・ます流し網漁業者」という。)は、毎年三月十日から六月二十五日まで(政府間の取決めを実施するため必要がある場合 その他特別の事由がある場合において、農林水産大臣が操業の最終日を定めて告示したときは、その日まで)の期間内でなければ、日本海の海域において、当該漁業を営んではならない。
日本海小型さけ・ます流し網漁業者は、日本海の海域において当該漁業を営むために流し網を敷設する場合には、海中におけるその長さの合計が当該許可に係る船舶ごとに十二キロメートルを超えないようにしなければならない。
第四章 届出漁業
次に掲げる漁業(以下「届出漁業」という。)を営もうとする者は、当該届出漁業の操業期間ごと 及び船舶ごとに、当該操業期間の最初の日の一月前までに、農林水産大臣が告示で定める様式による届出書を農林水産大臣に届け出なければならない。
沿岸まぐろはえ縄漁業
別表第九の当該漁業の項に掲げる海域において総トン数十トン以上二十トン未満の動力漁船により浮きはえ縄を使用してまぐろ、かじき 又はさめをとることを目的とする漁業
小型するめいか釣り漁業
別表第九の当該漁業の項に掲げる海域において総トン数五トン以上三十トン未満の動力漁船により釣りによってするめいかをとることを目的とする漁業
暫定措置水域沿岸漁業等
別表第九の当該漁業の項に掲げる海域において動力漁船により行う漁業(次に掲げるものを除く。)
第二条各号に掲げる大臣許可漁業
前二号に掲げる漁業
前項の規定による届出は、次に掲げる書類を添えてしなければならない。
届出に係る船舶を使用する権利が所有権以外の場合には、当該権利を有することを証する書面
第一項の規定による届出をした者は、届出書の記載事項に変更が生じたときは、速やかに、農林水産大臣に変更の届出をしなければならない。
この場合において、当該変更の届出が相続 又は法人の合併 若しくは分割に係るものであるときは、その事実を証する面を添えなければならない。
農林水産大臣は、第一項 又は前項の規定による届出をした者に対し、必要な事項に関し、書面 又は口頭による報告を求めることができる。
前条第一項の規定による届出をした者は、当該届出に係る漁業の漁獲成績報告書を、農林水産大臣に提出しなければならない。
前項の漁獲成績報告書の提出期限 及び様式は、農林水産大臣が別に定めて告示する。
別表第九の暫定措置水域沿岸漁業等の項の第三号に掲げる海域において届出漁業を営む者は、当該漁業に係る船舶に表示された漁船法による登録番号の下に二センチメートルの幅で黒色の横線を表示しなければ、当該船舶を当該漁業に使用してはならない。
沿岸まぐろはえ縄漁業を営む者は、我が国が締結した漁業に関する条約 その他の国際約束を実施するために必要な漁具に関する制限として農林水産大臣が別に定めて告示するものに違反して操業してはならない。
沿岸まぐろはえ縄漁業を営む者は、採捕したさめを所持したときは、次に掲げる行為をしなければならない。
ただし、当該沿岸まぐろはえ縄漁業を営む者が日本国外で当該さめの一部を陸揚げした場合は、この限りでない。
当該さめの全ての部分(頭部、内臓 及び皮を除く。)を陸揚げまでの間、船上において所持すること。
当該さめを陸揚げするときに、前号の規定により所持したものを陸揚げすること。
届出漁業を営む者は、別にこの省令で定める場合のほか、別表第十の上欄に掲げる届出漁業に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる制限 又は禁止に違反して当該届出漁業を営んではならない。
第五章 漁業調整に関するその他の措置
何人も、別表第十一に掲げる海域においては、総トン数十トン以上の動力漁船により流し網を使用してかじき、かつお、まぐろ 又はさめをとることを目的とする漁業を営んではならない。
何人も、赤道以北の太平洋の海域においては、総トン数十トン以上の動力漁船によりさけ 又はますをとることを目的とする漁業(中型さけ・ます流し網漁業 及び小型さけ・ます流し網漁業を除く。)を営んではならない。
ただし、漁業権 若しくは入漁権に基づいて営む場合 又はさけ 若しくはますをとることを目的とする漁業についての法第五十七条第一項 又は第百十九条第一項の規定による都道府県知事の許可を受けて営む場合は、この限りでない。
何人も、北緯三十四度五十四分六秒の線以北、東経百三十九度五十三分十八秒の線以東の太平洋の海域(オホーツク海 及び日本海の海域を除く。)においては、総トン数十トン以上の動力漁船によりさんまをとることを目的とする漁業(北太平洋さんま漁業を除く。)を営んではならない。
何人も、動力漁船により流し網を使用していかをとることを目的とする漁業を営んではならない。
何人も、別表第一の日本海べにずわいがに漁業の項の中欄に掲げる海域においては、動力漁船によりべにずわいがにをとることを目的とする漁業(日本海べにずわいがに漁業を除く。)を営んではならない。
何人も、別表第十二の上欄に掲げる水産動植物を、それぞれ同表の下欄に掲げる禁止区域においては、採捕してはならない。
前項の規定に違反して採捕された水産動植物は、所持し、又は販売してはならない。
中央北極海における規制されていない公海漁業を防止するための協定第一条(a)に規定する協定水域においては、魚、甲殻類 及び軟体動物の種に属する水産動物(海洋法に関する国際連合条約第七十七条4に規定する定着性の種族であって農林水産大臣が別に定めて告示するものを除く。)を採捕してはならない。
南緯六十度の線以南の海域においては、農林水産大臣が別に定めて告示するあざらし 及びおつとせいを猟獲してはならない。
ただし、農林水産大臣が南極のあざらしの保存に関する条約の実施上支障がないと認めて許可をした場合は、この限りでない。
基地式捕鯨業者 及び母船式捕鯨業者以外の者は、ひげ鯨 及びまっこう鯨(この条 及び次条において「ひげ鯨等」という。)を捕獲してはならない。
ただし、基地式捕鯨業 及び母船式捕鯨業以外の漁業であって農林水産大臣が別に定めて告示するものの操業中に混獲した場合 並びに座礁し、又は漂着したひげ鯨等であって農林水産大臣が別に定めて告示するものを捕獲した場合は、この限りでない。
前項ただし書の規定によりひげ鯨等を捕獲(混獲を含む。以下この項 及び次条において同じ。)した者は、遅滞なく、次に掲げる事項を農林水産大臣に報告しなければならない。
漁業の種類 及び免許番号 又は許可番号(ひげ鯨等を混獲した場合に限る。)
第一項の規定に違反してひげ鯨等を捕獲した者は、当該ひげ鯨等を販売し、又は販売の目的をもつて所持し、若しくは加工してはならない。
その情を知つてこれを譲り受けた者も、同様とする。
前条第一項ただし書の規定によりひげ鯨等を捕獲した者(以下この条において「ひげ鯨等を捕獲した者」という。)は、鯨体処理場、卸売市場 その他の水産動植物に有害な物が遺棄され、又は漏せつするおそれがない場所以外の場所において、当該ひげ鯨等を処理してはならない。
ひげ鯨等を捕獲した者は、当該ひげ鯨等の個体の識別に必要なDNA分析(DNAの塩基配列の解析であって、当該ひげ鯨等の個体を特定させるDNAの塩基配列の情報が取得できるものに限る。以下この条において同じ。)を行わなければならない。
ただし、当該ひげ鯨等(生きているものに限る。)を海に戻す場合 及び当該ひげ鯨等の全ての部分を埋却 又は焼却により処分する場合は、この限りでない。
ひげ鯨等を捕獲した者は、前項の規定によりDNA分析を行つたときは、農林水産大臣が別に定めて告示する様式により、遅滞なく、当該ひげ鯨等の処理状況を報告しなければならない。
前条第三項の規定は、第二項の規定に違反してDNA分析を行わなかった者について準用する。
この場合において、
同項中
「当該ひげ鯨等」とあるのは、
「第九十二条第二項の規定によるDNA分析を行っていない当該ひげ鯨等」と
読み替えるものとする。
基地式捕鯨業者以外の者は、歯鯨(まっこう鯨を除く。以下この条において同じ。)を捕獲してはならない。
ただし、歯鯨(いしいるか(りくぜんいるか型いしいるかを含む。)、かまいるか、すじいるか、はんどういるか(ばんどういるか)、まだらいるか(あらりいるか)、はなごんどう、こびれごんどう(まごんどう)、おきごんどう、しわはいるか 又はかずはごんどうに限る。)をとることを目的とする漁業についての法第五十七条第一項 又は第百十九条第一項の規定による都道府県知事の許可を受けて捕獲する場合は、この限りでない。
何人も、第九十一条第一項 及び前条の規定にかかわらず、別表第十三の上欄に掲げる鯨を、それぞれ同表の下欄に掲げる禁止区域においては、採捕してはならない。
前項の規定に違反して採捕された鯨は、所持し、又は販売してはならない。
中西部太平洋条約海域のうち公海においては、船舶により、中西部太平洋条約第三条3の規定により同条約を適用することとされている魚種であって農林水産大臣が別に定めて告示するもの(以下「高度回遊性魚類資源」という。)を採捕してはならない。
ただし、大中型まき網漁業 又はかつお・まぐろ漁業を営む者が採捕する場合は、この限りでない。
前項の規定に違反して高度回遊性魚類資源を採捕した者は、当該高度回遊性魚類資源 又はその製品を所持し、又は販売してはならない。
何人も、大西洋くろまぐろ 又はみなみまぐろを採捕してはならない。
前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約の締結国たる外国等に対する割当て又はみなみまぐろの保存のための条約の締結国たる外国等に対する割当てを受けて当該割当ての範囲内において採捕する場合
第二十四条第一項の規定に違反して陸揚げを行い、又は第一項の規定に違反して大西洋くろまぐろ 又はみなみまぐろを採捕した者は、当該大西洋くろまぐろ 又はみなみまぐろを販売し、又は販売の目的をもって所持し、若しくは加工してはならない。その情を知ってこれを譲り受けた者も、同様とする。
別表第八の上欄に掲げる港内 又は海域においてかつお・まぐろ漁業(総トン数百二十トン以上の動力漁船により、浮きはえ縄を使用するものに限る。)の漁獲物 又はその製品の転載を当該漁獲物を採捕し、又は当該製品を製造した船舶から受ける日本船舶(以下この項において「運搬船」という。)を運航する者は、あらかじめ、当該運搬船ごとに、別記様式第七号の運搬船届出書に次に掲げる書類を添え、農林水産大臣に届け出なければならない。
運搬船に係る漁船法による漁船の登録の謄本
運搬船を使用する権利が所有権以外の場合には、当該権利を有することを証する書面
前項の規定による届出をした者は、同項の運搬船届出書の記載事項に変更を生じたときは、速やかに、当該変更に係る事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
北太平洋条約海域において、遠洋底びき網漁業、太平洋底刺し網等漁業、大中型まき網漁業、北太平洋さんま漁業 及びいか釣り漁業の漁獲物 又はその製品の転載を、当該漁獲物を採捕し、又は当該製品を製造した船舶から受ける日本船舶(以下この項において「運搬船」という。)を運航する者は、あらかじめ、当該運搬船ごとに、別記様式第七号の二の運搬船届出書に次に掲げる書類を添え、農林水産大臣に届け出なければならない。
ただし、転載を受ける漁獲物 又はその製品の原料が、大中型まき網漁業の漁獲物であって、中西部太平洋条約第三条3の規定により同条約を適用することとされている魚種であり、かつ、第九十五条第一項の規定に基づき、農林水産大臣が別に定めて告示するものである場合は、この限りでない。
運搬船に係る漁船法による漁船の登録の謄本
前項の規定による届出をした者は、同項の運搬船届出書の記載事項に変更を生じたときは、速やかに当該変更に係る事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
南緯五十五度の線、西経百五十度の線、次に掲げる線から成る線 及び西経二十度の線により囲まれた海域 並びに大西洋条約海域においては、農林水産大臣が許可した場合を除き、日本船舶以外の船舶においてまぐろ 又はかじきの採捕に従事してはならない。
漁業を営む者は、政府間の取決めの実施のため農林水産大臣が中型さけ・ます流し網漁業の許可 又はさけ 若しくはますをとることを目的とする漁業についての法第五十七条第一項 若しくは第百十九条第一項の規定による都道府県知事の許可に係る船舶以外の船舶(以下「さけ・ます漁業に係る無許可船舶」という。)において専らさけ 又はますをとる流し網 又ははえ縄を所持することを禁止する区域 及び期間を定めて告示したときは、当該区域においては、当該期間中さけ・ます漁業に係る無許可船舶において、当該漁具を所持してはならない。
前項の区域 及び期間は、その施行期日を定め、その期日の二週間前までに官報に掲載してするものとする。
ただし、政府間の取決めの実施のため緊急を要する場合は、この限りでない。
赤道以北の太平洋の海域においては、農林水産大臣が許可した場合を除き、日本船舶以外の船舶においてさけ 又はますの採捕に従事してはならない。
別表第一のずわいがに漁業の項の中欄に掲げる海域においては、ずわいがにの未成熟がに(腹節の内側に卵を有しない雌がに及び甲幅九センチメートル(別表第十四の上欄に掲げるE海域にあっては、甲幅八センチメートル)未満の雄がにをいう。次項において同じ。)は、採捕してはならない。
別表第十四の上欄に掲げる海域においては、同表の中欄に掲げる区分ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる期間内は、ずわいがにの成熟がに(未成熟がに以外のかにをいう。)は、採捕してはならない。
漁業を営む者 又は水産動植物の販売 若しくは加工を業とする者は、第一項の規定に違反して採捕されたずわいがに又はその製品を所持し、販売し、又は加工してはならない。
雌 及び甲幅九センチメートル以下の雄のべにずわいがには、採捕してはならない。
漁業を営む者 又は水産動植物の販売 若しくは加工を業とする者は、前項の規定に違反して採捕されたべにずわいがに 又はその製品を所持し、販売し、又は加工してはならない。
第六章 雑則
漁業監督官は、法第百二十八条第三項の規定による検査 又は質問をするため必要があるときは、操船 又は漁ろうを指揮監督する者に対し、停船を命ずることができる。
前項の規定による停船命令は、法第百二十八条第三項の規定による検査 又は質問をする旨を告げ、又は表示し、かつ、国際海事機関が採択した国際信号書に規定する次に掲げる信号 その他の適切な手段により行うものとする。
別記様式第八号による信号旗Lを掲げること。
サイレン、汽笛 その他の音響信号によりLの信号(短音一回、長音一回、短音二回)を約七秒の間隔を置いて連続して行うこと。
投光器によりLの信号(短光一回、長光一回、短光二回)を約七秒の間隔を置いて連続して行うこと。
前項において、「長音」又は「長光」とは、約三秒間継続する吹鳴 又は投光をいい、「短音」又は「短光」とは、約一秒間継続する吹鳴 又は投光をいう。
農林水産大臣は、漁業者 その他水産動植物を採捕する者が漁業に関する法令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反する行為をしたと認めるときは、当該行為をした者が使用する船舶の船長、船長の職務を行う者 又は操業を指揮する者(基地式捕鯨業 又は母船式捕鯨業における砲手を含む。)に対し、当該違反に係る漁業 又は水産資源の採捕に係る船舶への乗組みを制限し、又は禁止することができる。
農林水産大臣は、前項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
第三十八条第三項の規定は、第一項の規定による命令に係る聴聞について準用する。
大臣許可漁業の許可を受けた者は、外国の領海 又は排他的経済水域において操業する場合には、漁業に関する法令に相当する当該外国の法令を遵守しなければならない。
別表第五の下欄に掲げる者(大臣許可漁業の許可を受けた者を除く。)は、それぞれ同表の上欄に掲げる区域において操業する場合には、漁業に関する法令に相当する当該区域を管轄する外国の法令を遵守しなければならない。
外国周辺の海域のうち別表第五の上欄に掲げる区域においては、漁業を営む者は、それぞれ同表の下欄に掲げる者を除き、漁業を営むために船舶により当該区域内に立ち入ってはならない。
農林水産大臣は、漁業者が前条の規定に違反して漁業を営んだ事実があると認めるときは、漁業取締りのため必要な限度において、当該漁業者 又は当該漁業者の使用に係る船舶の船長、船長の職務を行う者 若しくは操業を指揮する者に対し、当該違反に係る同条の区域の周辺の海域につき漁業を営み、又は漁業に従事することを禁止する区域 及び期間を指定して、漁業を営み、又は漁業に従事することを禁止することができる。
農林水産大臣は、前項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
第三十八条第三項の規定は、第一項の規定による命令に係る聴聞について準用する。
前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を農林水産大臣に提出して、同項の許可を申請しなければならない。
申請者の氏名 及び住所(法人にあっては、その名称 及び主たる事務所の所在地 並びに代表者の氏名)
第四十六条第二項の規定による報告を受ける連絡先
前項の申請書には、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める書類を添えなければならない。
第一項の許可を受けようとする者が個人である場合
次に掲げる書類
第一項の許可を受けようとする者が法人である場合
次に掲げる書類
前号ハからホまでに定める書類
第四十六条第二項の規定による報告を受けるために必要な体制を有すること。
農林水産大臣は、鯨体処理場が前条の条件を満たさなくなったときは、当該鯨体処理場の設置の許可を受けた者(以下「鯨体処理場設置者」という。)に対し、当該鯨体処理場の設備の変更を命じ、又はその使用を制限することができる。
農林水産大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、第百九条第一項の規定による許可を取り消し、又は鯨体処理場の使用の停止を命ずることができる。
当該許可の日から一年以内に鯨体処理場の設置 又はその設備の変更がないとき。
鯨体処理場が引き続き二年間使用されていないとき。
農林水産大臣は、前項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
第三十八条第三項の規定は、第一項の規定による処分に係る聴聞について準用する。
鯨体処理場設置者は、第四十六条第二項の規定による報告を受けたときは、速やかに、当該報告に係る事項を帳簿に記載し、かつ、当該鯨につき次に掲げる事項をその判明の都度これに併記しなければならない。
第五十条第二項の規定は、前項第二号 及び第五号の体長について準用する。
鯨体処理場設置者は、農林水産大臣が別に定めて告示する様式による毎年の鯨体処理状況報告書を、翌年の一月三十一日までに農林水産大臣に提出しなければならない。
前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る鯨体処理場の設置の許可は効力を失う。
この省令の規定により農林水産大臣に提出する書類であって次に掲げるものは、第一号から第十五号までに掲げるものにあっては住所地(二以上ある場合にあっては、主たる住所地)を、第十六号から第十八号までに掲げるものにあっては漁業根拠地(漁業を営む者がその営む漁業に使用する船舶により行う当該漁業の操業を管理する事務所の所在地をいい、二以上ある場合にあっては、主たる漁業根拠地をいう。)を管轄する都道府県知事を経由して提出しなければならない。
第六章の規定により鯨体処理場に関し農林水産大臣に提出する書類は、当該鯨体処理場の所在地を管轄する都道府県知事を経由して提出しなければならない。
第一項の規定にかかわらず、次に掲げる書類は、都道府県知事を経由せずに農林水産大臣に提出することができる。
第十四条第一項の規定による資源管理の状況等の報告に関するもの
第二十五条第二項の規定による位置等の報告に関するもの
第三十条の三(第三十三条、第六十六条の二 及び第六十九条の二において準用する場合を含む。)の規定による転載の届出 又は第四十二条 若しくは第六十一条の規定による陸揚げ 若しくは転載の届出に関するもの
第九十七条 及び第九十七条の二の規定による運搬船の届出に関するもの
第七章 罰則
次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役 若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第二十三条、第二十四条第一項、第二十七条(第二十八条において準用する場合を含む。)、第三十条の二(第三十三条、第四十三条の二、第六十六条の二 及び第六十九条の二において準用する場合を含む。)、第四十三条、第四十四条、第四十五条第二項、第四十七条、第四十八条、第五十九条、第六十条、第六十六条、第七十三条第一項、第七十四条第一項、第七十五条第一項 若しくは第二項、第七十六条、第八十二条、第八十八条から第九十条まで、第九十一条第一項、第九十三条から第九十五条まで、第九十六条第一項 若しくは第三項、第九十八条、第百条から第百二条まで、第百七条 又は第百九条第一項の規定に違反した者
第百四条第一項 又は第百八条第一項の規定による命令に違反した者
前項の場合においては、犯人が所有し、又は所持する漁獲物、その製品、漁船 又は漁具 その他水産動植物の採捕の用に供される物は、没収することができる。
ただし、犯人が所有していたこれらの物件の全部 又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。
第三十九条、第四十五条第一項 若しくは第三項、第五十三条、第五十四条(第五十五条において準用する場合を含む。)、第五十七条、第六十二条、第六十九条、第八十条、第八十一条、第九十一条第三項(第九十二条第四項において準用する場合を含む。)又は第九十九条第一項の規定に違反した者は、六月以下の懲役 又は三十万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
第二十一条、第二十二条、第二十九条、第三十一条(第五十五条において準用する場合を含む。)、第三十二条の二(第六十六条の二 及び第六十九条の二において準用する場合を含む。)、第三十五条(第六十三条において準用する場合を含む。)、第四十六条第一項、第四十九条第一項、第五十一条(第五十五条において準用する場合を含む。)、第五十二条第一項(第五十五条において準用する場合を含む。)、第五十六条第一項、第五十八条、第六十四条第一項、第六十五条、第六十七条第一項、第六十八条 又は第七十九条の規定に違反した者
第二十六条第一項の規定による操業日誌を備え付けず、又はこれに記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の事項を記載した者
第七十七条第一項 又は第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務 又は財産に関して、第百十七条第一項、第百十八条 又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。