在所者の観護処遇は、この章の定めるところにより行うものとする。
少年鑑別所法
第三章 在所者の観護処遇
第一節 通則
未決在所者の観護処遇に当たっては、未決の者としての地位を考慮し、その逃走 及び刑事事件に関する証拠の隠滅の防止 並びにその防御権の尊重に特に留意しなければならない。
在院中在所者の観護処遇に当たっては、矯正教育を受ける者としての地位を考慮し、その改善更生 及び円滑な社会復帰に資するよう留意しなければならない。
第二節 入所
少年鑑別所の長は、在所者に対し、その少年鑑別所への入所に際し、在所者としての地位に応じ、次に掲げる事項を告知しなければならない。
その少年鑑別所に収容されている在所者がその地位を異にするに至ったときも、同様とする。
書籍等(書籍、雑誌 その他の文書図画(信書 及び新聞紙を除く。)をいう。以下同じ。)及び新聞紙の閲覧に関する事項
第七十三条第一項に規定する遵守事項
第百九条 又は第百十条第一項の規定による申出に関する事項
前項の規定による告知は、法務省令で定めるところにより、平易な表現を用いて、書面で行う。
法務省令で定める少年鑑別所の職員(以下「指定職員」という。)は、在所者について、その少年鑑別所への入所に際し、その者の識別のため必要な限度で、その身体を検査することができる。
その後 必要が生じたときも、同様とする。
女子の在所者について前項の規定により検査を行う場合には、女子の指定職員がこれを行わなければならない。
ただし、女子の指定職員がその検査を行うことができない場合には、男子の指定職員が少年鑑別所の長の指名する女子の職員を指揮して、これを行うことができる。
第三節 観護処遇の態様等
在所者の観護処遇(運動、入浴 又は面会の場合 その他の法務省令で定める場合における観護処遇を除く。)は、居室外において行うことが適当と認める場合を除き、昼夜、居室において行う。
在所者の居室は、その観護処遇上 又は鑑別上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り、単独室とする。
前項の規定にかかわらず、被観護在所者 及び未決在所者について、その保護事件 又は刑事事件に関する証拠の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には、その居室は単独室としなければならない。
第四節 健全な育成のための支援
前項の場合において、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に定める義務教育を終了しない在所者に対しては、学習の機会が与えられるよう特に配慮しなければならない。
第五節 保健衛生及び医療
在所者には、日曜日 その他法務省令で定める日を除き、できる限り戸外で、その健全な心身の成長を図るため適切な運動を行う機会を与えなければならない。
ただし、審判期日 又は公判期日への出頭 その他の事情により少年鑑別所の執務時間内にその機会を与えることができないときは、この限りでない。
在所者は、身体、着衣 及び所持品 並びに居室 その他日常使用する場所を清潔にしなければならない。
少年鑑別所の長は、在所者に対し、その少年鑑別所への入所後速やかに、法務省令で定めるところにより、健康診断を行わなければならない。
少年鑑別所における保健衛生上必要があるときも、同様とする。
在所者は、前項の規定による健康診断を受けなければならない。
この場合においては、その健康診断の実施のため必要な限度内における採血、エックス線撮影 その他の医学的処置を拒むことはできない。
少年鑑別所の長は、在所者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、少年鑑別所の職員である医師等(医師 又は歯科医師をいう。以下 この項 及び次条において同じ。)又は少年鑑別所の長が委嘱する医師等による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。
ただし、第一号に該当する場合において、その者の心身に著しい障害が生じ、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。
少年鑑別所の長は、前項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ在所者を少年鑑別所の外の病院 又は診療所に通院させ、やむを得ないときは在所者を少年鑑別所の外の病院 又は診療所に入院させることができる。
少年鑑別所の長は、負傷し、又は疾病にかかっている在所者について、その者 又はその親権を行う者 若しくは未成年後見人(以下「親権を行う者等」という。)が、医師等(少年鑑別所の職員である医師等 及び少年鑑別所の長が委嘱する医師等を除く。)を指名して、その在所者がその診療を受けることを申請した場合において、傷病の種類 及び程度、入所前にその医師等による診療を受けていたこと その他の事情に照らして、その在所者の医療上適当であると認めるときは、少年鑑別所内において、その在所者が自弁によりその診療を受けることを許すことができる。
少年鑑別所の長は、前項の規定による診療を受けることを許す場合において、同項の診療を行う医師等(以下この条において「指名医」という。)の診療方法を確認するため、又はその後にその在所者に対して少年鑑別所において診療を行うため必要があるときは、少年鑑別所の職員をしてその診療に立ち会わせ、若しくはその診療に関して指名医に質問させ、又は診療録の写しその他のその診療に関する資料の提出を求めることができる。
指名医は、その診療に際し、少年鑑別所の長が法務省令で定めるところにより指示する事項を遵守しなければならない。
少年鑑別所の長は、第一項の規定による診療を受けることを許した場合において、その指名医が、第二項の規定により少年鑑別所の長が行う措置に従わないとき、前項の規定により少年鑑別所の長が指示する事項を遵守しないとき、その他その診療を継続することが不適当であるときは、これを中止し、以後、その指名医の診療を受けることを許さないことができる。
少年鑑別所の長は、負傷し、又は疾病にかかっている在所者が重態となり、又はそのおそれがあると認めるときは、直ちに、その旨をその保護者 その他相当と認める者に通知しなければならない。
少年鑑別所の長は、前項の規定により通知を受けた者から同項の在所者を看護したい旨の申出があった場合において、相当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、その在所者に対し、その看護を受けることを許すことができる。
少年鑑別所の長は、少年鑑別所内における感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要がある場合には、在所者に対し、第三十五条の規定による健康診断 又は第三十六条の規定による診療 その他必要な医療上の措置を執るほか、予防接種、当該疾病を感染させるおそれがなくなるまでの間の隔離 その他法務省令で定める措置を執るものとする。
少年鑑別所の長は、在所者が出産するときは、やむを得ない場合を除き、少年鑑別所の外の病院、診療所 又は助産所に入院させるものとする。
第六節 物品の貸与等及び自弁
在所者には、次に掲げる物品(書籍等 及び新聞紙を除く。以下 この節において同じ。)であって、少年鑑別所における日常生活に必要なもの(第四十三条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は支給する。
在所者には、前項に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、必要に応じ、室内装飾品 その他の少年鑑別所における日常生活に用いる物品(第四十三条第一項各号に掲げる物品を除く。)を貸与し、又は嗜好品(酒類 及びたばこを除く。次条第一項第四号において同じ。)を支給することができる。
少年鑑別所の長は、在院中在所者以外の在所者が、次に掲げる物品(次条第一項各号に掲げる物品を除く。次項において同じ。)について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合には、少年鑑別所の規律 及び秩序の維持 その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合 並びにその健全な育成を著しく妨げるおそれがある場合を除き、法務省令で定めるところにより、これを許すものとする。
少年鑑別所の長は、在院中在所者が、前項各号に掲げる物品について、自弁のものを使用し、又は摂取したい旨の申出をした場合において、その者の観護処遇上適当と認めるときは、法務省令で定めるところにより、これを許すことができる。
在所者には、次に掲げる物品については、少年鑑別所の規律 及び秩序の維持 その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合を除き、自弁のものを使用させるものとする。
前項各号に掲げる物品について、在所者が自弁のものを使用することができない場合であって、必要と認めるときは、その者にこれを貸与し、又は支給するものとする。
第四十一条 又は前条第二項の規定により貸与し、又は支給する物品は、在所者の健全な育成を図るのにふさわしく、かつ、国民生活の実情等を勘案し、在所者としての地位に照らして、適正と認められるものでなければならない。
第七節 金品の取扱い
在所者が在所中に取得した現金 及び物品(信書を除く。次号において同じ。)であって、同号に掲げる現金 及び物品以外のもの(少年鑑別所の長から支給された物品を除く。)
在所者に交付するため当該在所者以外の者が少年鑑別所に持参し、又は送付した現金 及び物品
少年鑑別所の長は、前条第一号 又は第二号に掲げる物品が次の各号のいずれかに該当するときは、在所者に対し、その物品について、その保護者等 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めるものとする。
前項の規定により物品の処分を求めた場合において、在所者が相当の期間内にその処分をしないときは、少年鑑別所の長は、これを売却してその代金を領置する。
ただし、売却することができないものは、廃棄することができる。
少年鑑別所の長は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が被観護在所者である場合であって、当該現金 若しくは物品が次の各号のいずれにも該当しないとき、又は当該物品が刑事訴訟法(少年法において準用する場合を含む。次項において同じ。)の定めるところにより被観護在所者が交付を受けることが許されないものであるときは、その現金 又は物品を持参し、又は送付した者(以下「差入人」という。)に対し、その引取りを求めるものとする。
前項の規定にかかわらず、少年鑑別所の長は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が被観護在所者である場合であって、当該現金 又は物品が同項各号のいずれにも該当しないときにおいて、健全な社会生活を営むために必要な援助を受けること その他被観護在所者がその交付を受けることを必要とする事情があり、かつ、次の各号(交付の相手方が鑑別対象者でない場合にあっては、第四号を除く。)のいずれにも該当すると認めるときは、同項の規定による引取りを求めないことができる。
ただし、当該物品が刑事訴訟法の定めるところにより被観護在所者が交付を受けることが許されないものであるときは、この限りでない。
第一項の規定による引取りを求めることとした現金 又は物品について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないときは、少年鑑別所の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
前項に規定する現金 又は物品について、第一項の規定による引取りを求め、又は前項の規定により公告した日から起算して六月を経過する日までに差入人がその現金 又は物品の引取りをしないときは、その現金 又は物品は、国庫に帰属する。
第三項に規定する物品であって、前条第一項各号のいずれかに該当するものについては、少年鑑別所の長は、前項の期間内でも、これを売却してその代金を保管することができる。
ただし、売却できないものは、廃棄することができる。
少年鑑別所の長は、第四十五条第三号に掲げる物品(前条第一項の規定による引取りを求めることとした物品を除く。)の交付の相手方が被観護在所者である場合であって、当該物品が次の各号のいずれかに該当するときは、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。
自弁により使用し、若しくは摂取することができることとされる物品 又は退所の際に必要と認められる物品(第五十五条 及び第六十条において「自弁物品等」という。)以外の物品であるとき。
第四十六条第一項各号のいずれかに該当する物品であるとき。
前項の規定による引取りを求めることとした物品について、差入人の所在が明らかでないため同項の規定による引取りを求めることができないとき、若しくはその引取りを求めることが相当でないとき、又は差入人がその引取りを拒んだときは、少年鑑別所の長は、被観護在所者に対し、その保護者等 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めるものとする。
第四十六条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。
少年鑑別所の長は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が被観護在所者である場合であって、第四十七条第一項 又は前条第一項の規定による引取りを求めないこととしたときにおいて、被観護在所者がその交付を受けることを拒んだときは、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。
この場合においては、第四十七条第三項 及び第四項の規定を準用する。
少年鑑別所の長は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が未決在所者(被観護在所者としての地位を有するものを除く。以下この条において同じ。)である場合であって、当該現金 又は物品が次の各号のいずれかに該当するときは、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。
交付(差入人が未決在所者の保護者等であるものを除く。第三号において同じ。)により、少年鑑別所の規律 及び秩序を害するおそれがあるものであるとき。
刑事訴訟法の定めるところにより未決在所者が交付を受けることが許されない物品であるとき。
前三条(第四十七条第一項 及び第二項を除く。)の規定は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が未決在所者である場合について準用する。
この場合において、
第四十七条第三項 及び第四項中
「第一項」とあり、
並びに第四十八条第一項中
「前条第一項」とあるのは
「第五十条第一項」と、
前条中
「第四十七条第一項」とあるのは
「次条第一項」と
読み替えるものとする。
少年鑑別所の長は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が在院中在所者である場合であって、当該現金 又は物品が次の各号のいずれにも該当しないときは、差入人に対し、その引取りを求めるものとする。
前項の規定にかかわらず、少年鑑別所の長は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が在院中在所者である場合であって、当該現金 又は物品が同項各号のいずれにも該当しないときにおいて、健全な社会生活を営むために必要な援助を受けること その他在院中在所者がその交付を受けることを必要とする事情があり、かつ、次の各号(交付の相手方が鑑別対象者でない場合にあっては、第三号を除く。)のいずれにも該当すると認めるときは、同項の規定による引取りを求めないことができる。
第四十七条から第四十九条まで(第四十七条第一項 及び第二項を除く。)の規定は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が在院中在所者である場合について準用する。
この場合において、
第四十七条第三項 及び第四項中
「第一項」とあり、
第四十八条第一項中
「前条第一項」とあり、
並びに第四十九条中
「第四十七条第一項」とあるのは、
「第五十一条第一項」と
読み替えるものとする。
第四十七条から第四十九条まで(第四十七条第二項ただし書 及び第二号を除く。)の規定は、第四十五条第三号に掲げる現金 又は物品の交付の相手方が各種在所者である場合について準用する。
この場合において、
第四十七条第一項中
「とき、又は当該物品が刑事訴訟法(少年法において準用する場合を含む。次項において同じ。)の定めるところにより被観護在所者が交付を受けることが許されないものであるとき」とあるのは、
「とき」と
読み替えるものとする。
第四十五条第一号 又は第二号に掲げる物品であって、第四十六条第一項各号のいずれにも該当しないもの
第四十五条第三号に掲げる物品であって、第四十七条第一項(前条において準用する場合を含む。)、第四十八条第一項(第五十条第二項、第五十一条第三項 及び前条において準用する場合を含む。)、第五十条第一項 又は第五十一条第一項の規定による引取りを求めないこととしたもの(在所者が交付を受けることを拒んだ物品を除く。)
第四十五条各号に掲げる現金であって、第四十七条第一項(前条において準用する場合を含む。)、第五十条第一項 又は第五十一条第一項の規定による引取りを求めないこととしたもの
少年鑑別所の長は、在所者について領置している物品(法務省令で定めるものを除く。)の総量(第五十五条第一号において「領置総量」という。)が領置限度量(在所者としての地位の別ごとに在所者一人当たりについて領置することができる物品の量として少年鑑別所の長が定める量をいう。同号において同じ。)を超えるときは、当該在所者に対し、その超過量に相当する量の物品について、その保護者等 その他相当と認める者への交付 その他相当の処分を求めることができる。
腐敗し、又は滅失するおそれが生じた物品についても、同様とする。
第四十六条第二項の規定は、前項の規定により処分を求めた場合について準用する。
少年鑑別所の長は、在所者について領置している物品のうち、この法律の規定により在所者が使用し、又は摂取することができるものについて、在所者がその引渡しを求めた場合には、法務省令で定めるところにより、これを引き渡すものとする。
ただし、その者が所持する物品の総量が次項の規定により所持することができる物品の量を超えることとなる場合は、この限りでない。
少年鑑別所の長は、法務省令で定めるところにより、前項本文の規定により在所者が引渡しを受けて所持する物品 及び在所者が受けた信書でその保管するものに関し、これらを所持し、又は保管する方法 並びに所持することができる物品の量 及び保管することができる信書の通数について、少年鑑別所の管理運営上必要な制限をすることができる。
少年鑑別所の長は、第一項本文の規定により在所者が引渡しを受けて所持する物品 又は在所者が受けた信書でその保管するものについて、その者が、少年鑑別所の長においてその物品の引渡しを受け、又はその信書を領置することを求めた場合には、その引渡しを受け、又は領置するものとする。
少年鑑別所の長は、第一項本文の規定により在所者が引渡しを受けて所持する物品 又は在所者が受けた信書でその保管するものについて、在所者が第二項の規定による制限に違反したときは、その物品を取り上げること 又はその信書を取り上げて領置することができる。
少年鑑別所の長は、在所者が、自弁物品等を購入し、又は少年鑑別所における日常生活上自ら負担すべき費用に充てるため、領置されている現金を使用することを申請した場合には、必要な金額の現金の使用を許すものとする。
ただし、自弁物品等を購入するための現金の使用については、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
在所者が被観護在所者 又は未決在所者である場合において、刑事訴訟法(少年法において準用する場合を含む。)の定めるところにより購入する自弁物品等の交付を受けることが許されないとき。
少年鑑別所の長は、被観護在所者が、領置されている金品(第九十八条に規定する文書図画に該当するものを除く。次項において同じ。)について、他の者(当該少年鑑別所に収容されている者を除く。同項 及び次条から第五十九条までにおいて同じ。)への交付(信書の発信に該当するものを除く。同項 及び次条から第五十九条までにおいて同じ。)を申請した場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、これを許すものとする。
ただし、当該物品が刑事訴訟法(少年法において準用する場合を含む。同項において同じ。)の定めるところにより交付が許されないものであるときは、この限りでない。
少年鑑別所の長は、被観護在所者が、領置されている金品について、他の者への交付を申請した場合であって、前項各号のいずれにも該当しないときにおいて、健全な社会生活を営むために必要な援助を受けること その他被観護在所者がその金品を交付することを必要とする事情があり、かつ、次の各号(被観護在所者が鑑別対象者でない場合にあっては、第四号を除く。)のいずれにも該当すると認めるときは、これを許すことができる。
ただし、当該物品が刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されないものであるときは、この限りでない。
少年鑑別所の長は、未決在所者(被観護在所者としての地位を有するものを除く。)が、領置されている金品(第九十九条において準用する第九十八条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について、他の者への交付を申請した場合には、次の各号のいずれかに該当するときを除き、これを許すものとする。
交付(その相手方が未決在所者の保護者等であるものを除く。第三号において同じ。)により、少年鑑別所の規律 及び秩序を害するおそれがあるとき。
刑事訴訟法の定めるところにより交付が許されない物品であるとき。
少年鑑別所の長は、在院中在所者が、領置されている金品(第百三条において準用する第九十八条に規定する文書図画に該当するものを除く。次項において同じ。)について、他の者への交付を申請した場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、これを許すものとする。
少年鑑別所の長は、在院中在所者が、領置されている金品について、他の者への交付を申請した場合であって、前項各号のいずれにも該当しないときにおいて、健全な社会生活を営むために必要な援助を受けること その他在院中在所者がその金品を交付することを必要とする事情があり、かつ、次の各号(在院中在所者が鑑別対象者でない場合にあっては、第三号を除く。)のいずれにも該当すると認めるときは、これを許すことができる。
第五十六条(第一項ただし書 並びに第二項ただし書 及び第二号を除く。)の規定は、各種在所者が領置されている金品(第百四条において準用する第九十八条に規定する文書図画に該当するものを除く。)について他の者への交付を申請した場合について準用する。
少年鑑別所の長は、この節に定めるもののほか、法務省令で定めるところにより、差入人による在所者に対する金品の交付 及び在所者による自弁物品等の購入について、少年鑑別所の管理運営上必要な制限をすることができる。
退所した在所者の遺留物(少年鑑別所に遺留した金品をいう。以下同じ。)は、その退所の日から起算して六月を経過する日までに、その者 又はその親権を行う者等からその引渡しを求める申出がなく、又はその引渡しに要する費用の提供がないときは、国庫に帰属する。
前項の期間内でも、少年鑑別所の長は、腐敗し、又は滅失するおそれが生じた遺留物は、廃棄することができる。
在所者が次の各号のいずれかに該当する場合において、当該各号に定める日から起算して六月を経過する日までに、その者 又はその親権を行う者等から引渡しを求める申出がなく、又は引渡しに要する費用の提供がないときは、その遺留物は、国庫に帰属する。
第七十九条第二項の規定により解放された場合において、同条第三項に規定する避難を必要とする状況がなくなった後速やかに同項に規定する場所に出頭しなかったとき避難を必要とする状況がなくなった日
前条第二項の規定は、前項の遺留物について準用する。
死亡した在所者の遺留物は、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族 その他の者をいう。以下同じ。)に対し、その申請に基づき、引き渡すものとする。
死亡した在所者の遺留物がある場合において、その遺族等の所在が明らかでないため第百二十九条の規定による通知をすることができないときは、少年鑑別所の長は、その旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
第一項の遺留物は、第百二十九条の規定による通知をし、又は前項の規定により公告をした日から起算して六月を経過する日までに第一項の申請がないときは、国庫に帰属する。
第六十二条第二項の規定は、第一項の遺留物について準用する。
第八節 書籍等の閲覧等
前項に規定する閲覧の方法は、少年鑑別所の長が定める。
在院中在所者以外の在所者が自弁の書籍等 及び新聞紙を閲覧することは、この条 及び第六十八条の規定による場合のほか、これを禁止し、又は制限してはならない。
少年鑑別所の長は、在院中在所者以外の在所者が自弁の書籍等 又は新聞紙を閲覧することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、その閲覧を禁止することができる。
在院中在所者以外の在所者が被観護在所者 又は未決在所者である場合において、その保護事件 又は刑事事件に関する証拠の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。
在院中在所者以外の在所者の健全な育成を著しく妨げるおそれがあるとき。
在院中在所者以外の在所者が鑑別対象者である場合において、その鑑別の適切な実施に支障を生ずるおそれがあるとき。
前項の規定により閲覧を禁止すべき事由の有無を確認するため自弁の書籍等 又は新聞紙の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、在院中在所者以外の在所者にその費用を負担させることができる。
この場合において、その者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を禁止する。
少年鑑別所の長は、在院中在所者が、自弁の書籍等 又は新聞紙を閲覧したい旨の申出をした場合において、次の各号(在院中在所者が鑑別対象者でない場合にあっては、第三号を除く。)のいずれにも該当すると認めるときは、これを許すことができる。
少年鑑別所の長は、前項の規定により閲覧を許すか否かを判断するに当たっては、書籍等 及び新聞紙の閲覧が、一般に、青少年の健全な育成に資するものであることに留意しなければならない。
第一項の規定により閲覧を許すか否かを判断するため自弁の書籍等 又は新聞紙の翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、在院中在所者にその費用を負担させることができる。
この場合において、その者が負担すべき費用を負担しないときは、その閲覧を許さない。
少年鑑別所の長は、法務省令で定めるところにより、在所者が取得することができる新聞紙の範囲 及び取得方法について、少年鑑別所の管理運営上必要な制限をすることができる。
少年鑑別所の長は、在所者に対し、日刊新聞紙の備付け、報道番組の放送 その他の方法により、できる限り、主要な時事の報道に接する機会を与えるように努めなければならない。
第九節 宗教上の行為等
在所者が一人で行う礼拝 その他の宗教上の行為は、これを禁止し、又は制限してはならない。
ただし、少年鑑別所の規律 及び秩序の維持 その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合は、この限りでない。
少年鑑別所の長は、在所者が宗教家(民間の篤志家に限る。以下 この項において同じ。)の行う宗教上の儀式行事に参加し、又は宗教家の行う宗教上の教誨を受けることができる機会を設けるように努めなければならない。
少年鑑別所の長は、少年鑑別所の規律 及び秩序の維持 その他管理運営上支障を生ずるおそれがある場合には、在所者に前項に規定する儀式行事に参加させず、又は同項に規定する教誨を受けさせないことができる。
第十節 規律及び秩序の維持
前項の目的を達成するため執る措置は、そのために必要な限度を超えてはならない。
少年鑑別所の長は、在所者が遵守すべき事項(次項において「遵守事項」という。)を定める。
前各号に掲げるもののほか、少年鑑別所の規律 及び秩序を維持するため必要な事項
前各号に掲げる事項について定めた遵守事項に違反する行為を企て、あおり、唆し、又は援助してはならないこと。
前二項のほか、少年鑑別所の長 又はその指定する職員は、少年鑑別所の規律 及び秩序を維持するため必要がある場合には、在所者に対し、その生活 及び行動について指示することができる。
第二十四条第二項の規定は、前項の規定による女子の在所者の身体 及び着衣の検査について準用する。
指定職員は、少年鑑別所の規律 及び秩序を維持するため必要がある場合には、少年鑑別所内において、在所者以外の者(弁護士である付添人 若しくは在所者 若しくはその保護者、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族 若しくは兄弟姉妹の依頼により付添人となろうとする弁護士 又は弁護人等(弁護人 又は刑事訴訟法第三十九条第一項に規定する弁護人となろうとする者をいう。以下同じ。)を除く。)の着衣 及び携帯品を検査し、並びにその者の携帯品を取り上げて一時保管することができる。
前項の検査は、文書図画の内容の検査に及んではならない。
指定職員は、在所者以外の者が次の各号のいずれかに該当する場合には、合理的に必要と判断される限度で、その行為を制止し、その行為をする者を拘束し、その他その行為を抑止するため必要な措置を執ることができる。
前二項の措置に必要な警備用具については、法務省令で定める。
指定職員は、在所者を護送するとき、又は在所者が次の各号のいずれかの行為をするおそれがある場合において、やむを得ないときは、少年鑑別所の長の命令により、法務省令で定めるところにより、手錠(手錠に附属するひもがある場合にはこれを含む。以下 この条 及び第百十条第一項第五号において同じ。)を使用することができる。
前項に規定する場合において、少年鑑別所の長の命令を待ついとまがないときは、指定職員は、その命令を待たないで、手錠を使用することができる。
この場合には、速やかに、その旨を少年鑑別所の長に報告しなければならない。
在所者を護送する際に手錠を使用するに当たっては、その名誉をいたずらに害することのないように配慮しなければならない。
指定職員は、在所者が次の各号のいずれかに該当する場合において、やむを得ないときは、少年鑑別所の長の命令により、その者を保護室に収容することができる。
次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、少年鑑別所の規律 及び秩序を維持するため特に必要があるとき。
前項に規定する場合において、少年鑑別所の長の命令を待ついとまがないときは、指定職員は、その命令を待たないで、その在所者を保護室に収容することができる。
この場合には、速やかに、その旨を少年鑑別所の長に報告しなければならない。
保護室への収容の期間は、七十二時間以内とする。
ただし、特に継続の必要がある場合には、少年鑑別所の長は、四十八時間ごとにこれを更新することができる。
少年鑑別所の長は、第三項の期間中であっても、保護室への収容の必要がなくなったときは、直ちにその収容を中止させなければならない。
指定職員は、在所者が逃走した場合には、これを連れ戻すことができる。
ただし、逃走の時から四十八時間を経過した後は、被観護措置者等(観護の措置(当該措置が少年法第四十三条第一項の規定による請求により執られたものである場合において、事件が家庭裁判所に送致されていないときを除く。)が執られて収容されている者、少年院法第二条第二号に規定する保護処分在院者としての地位を有する在所者 及び少年法第二十六条の二の規定により収容されている者をいう。以下 この項 及び次条第四項において同じ。)にあっては裁判官のあらかじめ発する連戻状によらなければ連戻しに着手することができず、被観護措置者等以外の在所者にあっては連戻しに着手することができない。
前項の規定による連戻しが困難である場合には、少年鑑別所の長は、警察官に対して連戻しのための援助を求めることができる。
この場合において、援助を求められた警察官については、同項の規定を準用する。
第一項ただし書(前項において準用する場合を含む。)の連戻状は、少年鑑別所の長の請求により、その少年鑑別所の所在地を管轄する家庭裁判所の裁判官が発する。
この場合においては、少年法第四条 及び第三十六条の規定を準用する。
少年鑑別所の長は、地震、火災 その他の災害に際し、少年鑑別所内において避難の方法がないときは、在所者を適当な場所に護送しなければならない。
前項の場合において、在所者を護送することができないときは、少年鑑別所の長は、その者を少年鑑別所から解放することができる。
地震、火災 その他の災害に際し、少年鑑別所の外にある在所者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。
前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなった後速やかに、少年鑑別所 又は少年鑑別所の長が指定した場所に出頭しなければならない。
指定職員は、第二項の規定により解放された被観護措置者等が前項の規定に違反して少年鑑別所 又は指定された場所に出頭しないときは、裁判官のあらかじめ発する連戻状により、その者を連れ戻すことができる。
前項の規定による連戻しが困難である場合には、少年鑑別所の長は、警察官に対して連戻しのための援助を求めることができる。
この場合において、援助を求められた警察官については、同項の規定を準用する。
前条第三項の規定は、第四項(前項において準用する場合を含む。)の連戻状について準用する。
第十一節 外部交通
⤏ 第一款 面会
⤏ 第一目 被観護在所者
少年鑑別所の長は、被観護在所者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百七条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。
ただし、刑事訴訟法(少年法において準用する場合を含む。次項において同じ。)の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。
少年鑑別所の長は、被観護在所者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、健全な社会生活を営むために必要な援助を受けること その他面会することを必要とする事情があり、かつ、次の各号(被観護在所者が鑑別対象者でない場合にあっては、第四号を除く。次条第一項において同じ。)のいずれにも該当すると認めるときは、これを許すことができる。
ただし、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。
少年鑑別所の長は、その指名する職員に、被観護在所者の面会(付添人等(付添人 又は在所者 若しくはその保護者、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族 若しくは兄弟姉妹の依頼により付添人となろうとする弁護士をいう。以下同じ。)又は弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。
ただし、前条第二項各号のいずれにも該当すると認めるときは、その立会い並びに録音 及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。
少年鑑別所の長は、前項の規定にかかわらず、被観護在所者の次に掲げる者との面会については、少年鑑別所の規律 及び秩序を害する結果 又は被観護在所者の保護事件 若しくは刑事事件に関する証拠の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。
自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が受けた観護処遇 又は鑑別に関し弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士
少年鑑別所の職員は、次の各号のいずれか(付添人等 又は弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロに限る。)に該当する場合には、その行為 若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。
この場合においては、面会の一時停止のため、被観護在所者 又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。
被観護在所者 又は面会の相手方が次のイ 又はロのいずれかに該当する行為をするとき。
次条第一項の規定による制限に違反する行為
被観護在所者 又は面会の相手方が次のイからトまでのいずれかに該当する内容の発言をするとき。
少年鑑別所の長は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。
少年鑑別所の長は、被観護在所者の面会(付添人等 又は弁護人等との面会を除く。)に関し、法務省令で定めるところにより、面会の相手方の人数、面会の場所、日 及び時間帯、面会の時間 及び回数 その他面会の態様について、少年鑑別所の規律 及び秩序の維持 その他管理運営上必要な制限をすることができる。
前項の規定により面会の回数について制限をするときは、その回数は、一日につき一回を下回ってはならない。
被観護在所者の付添人等 又は弁護人等との面会の日 及び時間帯は、日曜日 その他政令で定める日以外の日の少年鑑別所の執務時間内とする。
前項の面会の相手方の人数は、三人以内とする。
少年鑑別所の長は、付添人等 又は弁護人等から前二項の定めによらない面会の申出がある場合においても、少年鑑別所の管理運営上支障があるときを除き、これを許すものとする。
少年鑑別所の長は、第一項の面会に関し、法務省令で定めるところにより、面会の場所について、少年鑑別所の規律 及び秩序の維持 その他管理運営上必要な制限をすることができる。
⤏ 第二目 未決在所者
少年鑑別所の長は、未決在所者(被観護在所者としての地位を有するものを除く。以下 この目において同じ。)に対し、他の者から面会の申出があったときは、次項 又は第百七条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。
ただし、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されない場合は、この限りでない。
少年鑑別所の長は、犯罪性のある者 その他未決在所者が面会することにより、その健全な育成を著しく妨げるおそれがある者(未決在所者の保護者等を除く。)については、未決在所者がその者と面会することを禁止することができる。
ただし、付添人等 又は弁護人等と面会する場合 及び被告人 若しくは被疑者としての権利の保護 又は訴訟の準備 その他の権利の保護のために必要と認められる場合については、この限りでない。
少年鑑別所の長は、その指名する職員に、未決在所者の面会(付添人等 又は弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。
ただし、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、その立会い並びに録音 及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。
少年鑑別所の長は、前項の規定にかかわらず、未決在所者の次に掲げる者との面会については、少年鑑別所の規律 及び秩序を害する結果 又は未決在所者の刑事事件に関する証拠の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。
自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が受けた観護処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士
第八十二条から第八十四条まで(第八十二条第一項第二号ヘ 及びトを除く。)の規定は、未決在所者の面会について準用する。
この場合において、
同号ニ中
「保護事件 又は刑事事件」とあるのは、
「刑事事件」と
読み替えるものとする。
⤏ 第三目 在院中在所者
少年鑑別所の長は、在院中在所者に対し、次に掲げる者から面会の申出があったときは、第百七条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。
少年鑑別所の長は、在院中在所者に対し、前項各号に掲げる者以外の者から面会の申出があった場合において、健全な社会生活を営むために必要な援助を受けること その他面会することを必要とする事情があり、かつ、次の各号(在院中在所者が鑑別対象者でない場合にあっては、第三号を除く。次条第一項において同じ。)のいずれにも該当すると認めるときは、これを許すことができる。
少年鑑別所の長は、その指名する職員に、在院中在所者の面会(付添人等 又は弁護人等との面会を除く。)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。
ただし、前条第二項各号のいずれにも該当すると認めるときは、その立会い並びに録音 及び録画(次項において「立会い等」という。)をさせないことができる。
少年鑑別所の長は、前項の規定にかかわらず、在院中在所者の次に掲げる者との面会については、少年鑑別所の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、立会い等をさせてはならない。
自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が少年鑑別所において受けた観護処遇 若しくは鑑別 又は自己に対する少年院の長の措置 その他自己が少年院において受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士
第八十二条から第八十四条まで(第八十二条第一項第二号ニを除く。)の規定は、在院中在所者の面会について準用する。
この場合において、
同号ホ中
「健全な育成を著しく妨げる」とあるのは、
「改善更生に支障を生ずる」と
読み替えるものとする。
⤏ 第四目 各種在所者
第一目(第八十条第一項ただし書 並びに第二項ただし書 及び第二号 並びに第八十二条第一項第二号ニを除く。)の規定は、各種在所者の面会について準用する。
この場合において、
第八十一条第一項中
「前条第二項各号」とあるのは
「前条第二項各号(第二号を除く。)」と、
同条第二項中
「結果 又は被観護在所者の保護事件 若しくは刑事事件に関する証拠の隠滅の結果」とあるのは
「結果」と
読み替えるものとする。
⤏ 第二款 信書の発受
⤏ 第一目 被観護在所者
少年鑑別所の長は、被観護在所者に対し、この目 又は第百七条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。
ただし、刑事訴訟法(少年法において準用する場合を含む。)の定めるところにより信書の発受が許されない場合は、この限りでない。
次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。
ただし、第三号に掲げる信書について、少年鑑別所の規律 及び秩序を害する結果 又は被観護在所者の保護事件 若しくは刑事事件に関する証拠の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。
被観護在所者が自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が受けた観護処遇 又は鑑別に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人 及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下 この款において同じ。)から受ける信書
少年鑑別所の長は、少年鑑別所の規律 及び秩序を害する結果を生じ、又は被観護在所者の保護事件 若しくは刑事事件に関する証拠の隠滅の結果を生ずるおそれがないと認める場合には、前二項の規定にかかわらず、第一項の検査を行わせないことができる。
少年鑑別所の長は、前条の規定による検査の結果、被観護在所者が発受する信書について、その全部 又は一部が次の各号のいずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。
同条第二項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部 又は一部が次の各号のいずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。
前項の規定にかかわらず、被観護在所者が国 又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び被観護在所者が弁護士との間で発受する信書であってその被観護在所者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め 又はその事項に係る部分の削除 若しくは抹消は、その部分の全部 又は一部が前項第一号から第三号まで 又は第六号のいずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。
少年鑑別所の長は、法務省令で定めるところにより、被観護在所者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日 及び時間帯、被観護在所者が発信を申請する信書(付添人等 又は弁護人等に対して発するものを除く。)の通数 並びに被観護在所者の信書の発受の方法について、少年鑑別所の管理運営上必要な制限をすることができる。
前項の規定により被観護在所者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一日につき一通を下回ってはならない。
少年鑑別所の長は、第九十四条 又は第百七条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、第九十四条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。
少年鑑別所の長は、第九十四条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。
少年鑑別所の長は、被観護在所者の退所の際、前二項の規定により保管する信書の全部 若しくは一部 又は複製(以下「発受禁止信書等」という。)をその者 又はその親権を行う者等に引き渡すものとする。
前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより少年鑑別所の規律 及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。
次に掲げる場合において、その引渡しにより少年鑑別所の規律 及び秩序の維持に支障を生ずるおそれがあるときも、同様とする。
被観護在所者が第六十三条第一項各号のいずれかに該当する場合において、その被観護在所者 又はその親権を行う者等が、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。
第六十二条第一項、第六十三条第一項 並びに第六十四条第二項 及び第三項の規定は、被観護在所者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く。)について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「第一項の申請」とあるのは、
「第九十七条第四項の申請」と
読み替えるものとする。
第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、被観護在所者の退所 若しくは死亡の日 又は被観護在所者が第六十三条第一項各号のいずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。
少年鑑別所の長は、被観護在所者が、その作成した文書図画(信書を除く。)を他の者に交付することを申請した場合には、その交付につき、被観護在所者が発する信書に準じて検査 その他の措置を執ることができる。
⤏ 第二目 未決在所者
前目(第九十四条第一項第八号を除く。)の規定は、未決在所者(被観護在所者としての地位を有するものを除く。)が発受する信書について準用する。
この場合において、
第九十二条ただし書中
「刑事訴訟法(少年法において準用する場合を含む。)」とあるのは
「刑事訴訟法」と、
第九十三条第二項ただし書 及び第三項中
「保護事件 若しくは刑事事件」とあり、
並びに第九十四条第一項第六号中
「保護事件 又は刑事事件」とあるのは
「刑事事件」と、
第九十三条第二項第三号中
「観護処遇 又は鑑別」とあるのは
「観護処遇」と
読み替えるものとする。
⤏ 第三目 在院中在所者
少年鑑別所の長は、在院中在所者に対し、この目 又は第百七条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。
次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。
ただし、第四号に掲げる信書について、少年鑑別所の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。
在院中在所者が自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が少年鑑別所において受けた観護処遇 若しくは鑑別 又は自己に対する少年院の長の措置 その他自己が少年院において受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士との間で発受する信書
少年鑑別所の長は、少年鑑別所の規律 及び秩序を害する結果を生じ、又は在院中在所者の改善更生に支障を生ずるおそれがないと認める場合には、前二項の規定にかかわらず、第一項の検査を行わせないことができる。
少年鑑別所の長は、犯罪性のある者 その他在院中在所者が信書を発受することにより、少年鑑別所の規律 及び秩序を害し、又は在院中在所者の改善更生に支障を生ずるおそれがある者(在院中在所者の保護者等を除く。)については、在院中在所者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。
ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、修学 又は就業の準備 その他の在院中在所者の身分上、法律上、教育上 又は職業上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。
第九十四条から第九十八条まで(第九十四条第一項第六号を除く。)の規定は、在院中在所者が発受する信書について準用する。
この場合において、
同項中
「前条」とあるのは
「第百一条」と、
同項第七号中
「健全な育成を著しく妨げる」とあるのは
「改善更生に支障を生ずる」と、
第九十四条第二項中
「第三号まで 又は第六号」とあるのは
「第三号まで」と、
第九十七条第一項中
「又は第百七条第三項」とあるのは
「、第百二条 又は第百七条第三項」と、
同条第五項中
「生ずる」とあるのは
「生じ、又は在院中在所者の犯罪 若しくは非行を助長し、若しくは誘発する」と
読み替えるものとする。
⤏ 第四目 各種在所者
第九十二条本文、第九十四条から第九十八条まで(第九十四条第一項第六号を除く。)及び第百一条の規定は、各種在所者が発受する信書について準用する。
この場合において、
同項中
「前条」とあるのは
「第百四条において準用する第百一条」と、
第九十四条第二項中
「第三号まで 又は第六号」とあるのは
「第三号まで」と、
第百一条第二項第三号 及び第四号中
「若しくは鑑別 又は自己に対する少年院の長の措置 その他自己が少年院において受けた処遇」とあるのは
「又は鑑別」と、
同条第三項中
「結果を生じ、又は在院中在所者の改善更生に支障」とあるのは
「結果」と
読み替えるものとする。
⤏ 第三款 電話等による通信
少年鑑別所の長は、在院中在所者に対し、その改善更生 又は円滑な社会復帰に資すると認めるとき、その他相当と認めるときは、第八十八条第一項各号に掲げる者との間において、電話 その他政令で定める電気通信の方法による通信を行うことを許すことができる。
第九十六条の規定は、前項の通信について準用する。
少年鑑別所の長は、その指名する職員に、前条第一項の通信の内容を確認するため、その通信を受けさせ、又はその内容を記録させるものとする。
ただし、次の各号(在院中在所者が鑑別対象者でない場合にあっては、第三号を除く。)のいずれにも該当すると認めるときは、この限りでない。
第八十二条(第一項第一号イ 及び第二号ニを除く。)の規定は、在院中在所者による前条第一項の通信について準用する。
この場合において、
同号ホ中
「健全な育成を著しく妨げる」とあるのは、
「改善更生に支障を生ずる」と
読み替えるものとする。
⤏ 第四款 雑則
少年鑑別所の長は、在所者 又はその面会等(面会 又は第百五条第一項の通信をいう。以下この条において同じ。)の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会等を許すものとする。
この場合において、発言 又は通信の内容を確認するため通訳 又は翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その在所者にその費用を負担させることができる。
少年鑑別所の長は、在所者 又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合 その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。
この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、法務省令で定めるところにより、その在所者にその費用を負担させることができる。
在所者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会等 又は信書の発受を許さない。
この節に規定する面会 及び信書の発受に関する事項について条約に別段の定めがあるときは、その規定による。
第十二節 救済の申出等
⤏ 第一款 救済の申出
退所した者は、自己に対する第一号から第三号までに掲げる少年鑑別所の長の措置 又は自己に対する第四号から第六号までに掲げる少年鑑別所の職員による行為について苦情があるときは、書面で、法務大臣に対し、救済を求める申出をすることができる。
第六十六条第三項 又は第六十七条第三項の規定による費用を負担させる処分
第九十七条第五項前段(第九十九条、第百三条 及び第百四条において準用する場合を含む。第百十五条第一項第九号において同じ。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第九十七条第三項(第九十九条、第百三条 及び第百四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る。同号において同じ。)
第百七条第一項 又は第二項の規定による費用を負担させる処分
前項の規定による申出は、退所した日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
天災 その他前項の期間内に第一項の規定による申出をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、前項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、その申出をすることができる。
第百九条 又は前条第一項の規定による申出(以下「救済の申出」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。
少年鑑別所の長の指名を受けた少年鑑別所の職員(次項 及び第百二十条第一項において「相談員」という。)は、在所者に対し、救済の申出に関する相談に応じるものとする。
法務大臣は、前項の調査をするために必要があるときは、少年鑑別所の長に対し、報告 若しくは資料 その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、救済の申出をした者 その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。
法務大臣は、救済の申出の内容が、その申出をした者に対する第百十条第一項第四号から第六号までに掲げる少年鑑別所の職員による行為に係るものである場合にあってはできる限り六十日以内に、それら以外のものである場合にあってはできる限り九十日以内にその処理を終えるよう努めるものとする。
第三十七条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分 又は同条第四項の規定による診療の中止
第四十二条第一項の規定による自弁の物品の使用 又は摂取を許さない処分
第五十五条の規定による領置されている現金の使用 又は第五十六条(第五十九条において準用する場合を含む。)、第五十七条 若しくは第五十八条の規定による領置されている金品の交付を許さない処分
第六十六条第二項の規定による書籍等 又は新聞紙の閲覧の禁止
第六十六条第三項 又は第六十七条第三項の規定による費用を負担させる処分
第六十八条の規定による新聞紙の取得の制限
第七十条に規定する宗教上の行為の禁止 又は制限
第九十四条、第九十五条第一項 若しくは第九十八条(これらの規定を第九十九条、第百三条 及び第百四条において準用する場合を含む。)の規定 又は第百二条の規定による信書の発受 又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限
第九十七条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分
第百七条第一項 又は第二項の規定による費用を負担させる処分
法務大臣は、救済の申出の内容がその申出をした者に対する第百十条第一項第四号から第六号までに掲げる少年鑑別所の職員による行為に係るものであって、同項第四号に掲げる行為にあってはその行為が違法であることを、同項第五号 又は第六号に掲げる行為にあってはその行為が違法 又は不当であることを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置 その他の措置を執るものとする。
法務大臣は、第百十四条の規定による処理を終えたときは、速やかに、処理の結果(前条第一項の規定による法務大臣の措置を含む。)を救済の申出をした者に通知しなければならない。
ただし、在所者による救済の申出(第百十条第一項各号に掲げる少年鑑別所の長の措置 又は少年鑑別所の職員による行為に係る救済の申出を除く。)について、その在所者が退所したときは、この限りでない。
この款に定めるもののほか、救済の申出に関し必要な事項は、法務省令で定める。
⤏ 第二款 苦情の申出
在所者は、自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が受けた観護処遇 又は鑑別について、口頭 又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官(以下 この条 及び第百二十条第一項において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。
第百十一条の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
監査官は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。
ただし、その者が退所したときは、この限りでない。
第百十一条の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
在所者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、少年鑑別所の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。
前条第四項の規定は、少年鑑別所の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。
⤏ 第三款 雑則
少年鑑別所の長は、在所者が、救済の申出をし、又は監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を少年鑑別所の職員(当該救済の申出に関する相談に応じた相談員を除く。)に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。
第九十三条(第九十九条において準用する場合を含む。)及び第百一条(第百四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、救済の申出 又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。
第百十二条 及び前二条の規定は、在院中在所者が少年院法第百二十条の規定により法務大臣に対して救済を求める申出をする場合について準用する。
第十三節 仮収容
在所者を同行する場合(第七十八条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)又は第七十九条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により連れ戻す場合を含む。)において、やむを得ない事由があるときは、最寄りの少年鑑別所 若しくは少年院 又は刑事施設の特に区別した場所にその者を仮に収容することができる。
第十四節 退所
あらかじめ定められた収容の期間が満了したこと。
少年法第十八条、第二十三条第二項、第二十四条第一項、第六十四条第一項 若しくは第六十六条第一項の決定 又は更生保護法第七十一条の申請に対する決定により観護の措置が効力を失ったこと(当該決定が審判期日において告知された場合に限る。)。
刑事訴訟法第百六十七条第一項(同法第二百二十四条第二項において準ずる場合を含む。)の規定により留置されている者について、あらかじめ定められた留置の期間が満了したこと。
刑事訴訟法第三百四十五条の規定により勾留状が効力を失ったこと(同法の規定により勾留されている未決在所者が公判廷にある場合に限る。)。
前項の規定により少年鑑別所にとどまる者の観護処遇については、その性質に反しない限り、各種在所者に関する規定を準用する。
第十五節 死亡
少年鑑別所の長は、在所者が死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等に対し、その死亡の原因 及び日時 並びに交付すべき遺留物 又は発受禁止信書等があるときはその旨を速やかに通知しなければならない。
在所者が死亡した場合において、その死体の埋葬 又は火葬を行う者がないときは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)第九条の規定にかかわらず、その埋葬 又は火葬は、少年鑑別所の長が行うものとする。
前項に定めるもののほか、在所者の死体に関する措置については、法務省令で定める。