国税通則法

昭和三十七年法律第六十六号
分類 法律
カテゴリ   国税
@ 施行日 : 令和四年十一月一日 ( 2022年 11月1日 )
@ 最終更新 : 令和二年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2024年 03月22日 21時30分

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  • 第一章 総則

    • 第一節 通則
    • 第二節 国税の納付義務の承継等
    • 第三節 期間及び期限
    • 第四節 送達
  • 第二章 国税の納付義務の確定

    • 第一節 通則
    • 第二節 申告納税方式による国税に係る税額等の確定手続
      • 第一款 納税申告
      • 第二款 更正の請求
      • 第三款 更正又は決定
    • 第三節 賦課課税方式による国税に係る税額等の確定手続
  • 第三章 国税の納付及び徴収

    • 第一節 国税の納付
    • 第二節 国税の徴収
      • 第一款 納税の請求
      • 第二款 滞納処分
    • 第三節 雑則
  • 第四章 納税の猶予及び担保

    • 第一節 納税の猶予
    • 第二節 担保
  • 第五章 国税の還付及び還付加算金

  • 第六章 附帯税

    • 第一節 延滞税及び利子税
    • 第二節 加算税
  • 第七章 国税の更正、決定、徴収、還付等の期間制限

    • 第一節 国税の更正、決定等の期間制限
    • 第二節 国税の徴収権の消滅時効
    • 第三節 還付金等の消滅時効
  • 第七章の二 国税の調査

  • 第七章の三 行政手続法との関係

  • 第八章 不服審査及び訴訟

    • 第一節 不服審査
      • 第一款 総則
      • 第二款 再調査の請求
      • 第三款 審査請求
      • 第四款 雑則
    • 第二節 訴訟
  • 第九章 雑則

  • 第十章 罰則

  • 第十一章 犯則事件の調査及び処分

    • 第一節 犯則事件の調査
    • 第二節 犯則事件の処分

第一章 総則

第一節 通則

1項

この法律は、国税についての基本的な事項 及び共通的な事項を定め、税法の体系的な構成を整備し、 かつ、国税に関する法律関係を明確にするとともに、税務行政の公正な運営を図り、もつて国民の納税義務の適正かつ円滑な履行に資することを目的とする。

1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

国税

国が課する税のうち関税、とん税、特別とん税、森林環境税 及び特別法人事業税以外のものをいう。

二 号

源泉徴収等による国税

源泉徴収に係る所得税 及び国際観光旅客税法(平成三十年法律第十六号)第二条第一項第七号(定義)に規定する特別徴収に係る国際観光旅客税(これらの税に係る附帯税を除く)をいう。

三 号

消費税等

消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税 及び石油石炭税をいう。

四 号

附帯税

国税のうち延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税 及び重加算税をいう。

五 号

納税者

国税に関する法律の規定により国税(源泉徴収等による国税を除く)を納める義務がある者(国税徴収法昭和三十四年法律第百四十七号)に規定する第二次納税義務者 及び国税の保証人を除く)及び源泉徴収等による国税を徴収して国に納付しなければならない者をいう。

六 号

納税申告書

申告納税方式による国税に関し国税に関する法律の規定により次に掲げるいずれかの事項 その他 当該事項に関し必要な事項を記載した申告書をいい、国税に関する法律の規定による国税の還付金(以下「還付金」という。)の還付を受けるための申告書で これらのいずれかの事項を記載したものを含むものとする。

課税標準(国税に関する法律に課税標準額 又は課税標準数量の定めがある国税については、課税標準額 又は課税標準数量。以下同じ。

課税標準から控除する金額

次に掲げる金額(以下「純損失等の金額」という。

(1)

所得税法昭和四十年法律第三十三号)に規定する純損失の金額 又は雑損失の金額で その年以前において生じたもののうち、同法の規定により翌年以後の年分の所得の金額の計算上 順次繰り越して控除し、又は前年分の所得に係る還付金の額の計算の基礎とすることができるもの

(2)

法人税法(昭和四十年法律第三十四号)に規定する欠損金額でその事業年度以前において生じたもの(同法第五十七条第二項(欠損金の繰越し)の規定により欠損金額とみなされたものを含む。)のうち、同法の規定により翌事業年度以後の事業年度分の所得の金額の計算上順次繰り越して控除し、又は前事業年度以前の事業年度分の所得に係る還付金の額の計算の基礎とすることができるもの

(3)

相続税法昭和二十五年法律第七十三号第二十一条の十二相続時精算課税に係る贈与税の特別控除)の規定により同条の規定の適用を受けて控除した金額がある場合における当該金額の合計額を二千五百万円から控除した残額

納付すべき税額

還付金の額に相当する税額

の税額の計算上 控除する金額 又は還付金の額の計算の基礎となる税額

七 号

法定申告期限

国税に関する法律の規定により納税申告書を提出すべき期限をいう。

八 号

法定納期限

国税に関する法律の規定により国税を納付すべき期限(次に掲げる国税については、それぞれ次に定める期限 又は日)をいう。

第三十五条第二項申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき国税

その国税の額をその国税に係る期限内申告書に記載された納付すべき税額とみなして国税に関する法律の規定を適用した場合におけるその国税を納付すべき期限

国税に関する法律の規定により国税を納付すべき期限とされている日後に納税の告知がされた国税( 又はに掲げる国税に該当するものを除く

当該期限

国税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている賦課課税方式による国税

当該事実が生じた日

附帯税

その納付 又は徴収の基因となる国税を納付すべき期限(当該国税がイから ハまでに掲げる国税に該当する場合には、それぞれ当該国税に係るイから ハまでに掲げる期限(地価税に係る過少申告加算税、無申告加算税 及び第三十五条第三項に規定する重加算税については、先に到来する期限)又は日

九 号

課税期間

国税に関する法律の規定により国税の課税標準の計算の基礎となる期間(課税資産の譲渡等(消費税法昭和六十三年法律第百八号第二条第一項第九号定義)に規定する課税資産の譲渡等をいい、同項第八号の二に規定する特定資産の譲渡等に該当するものを除く第十五条第二項第七号納税義務の成立 及び その納付すべき税額の確定)において同じ。)及び特定課税仕入れ(同法第五条第一項納税義務者)に規定する特定課税仕入れをいう。同号において同じ。)に課される消費税(以下「課税資産の譲渡等に係る消費税」という。)については、同法第十九条課税期間)に規定する課税期間)をいう。

十 号

強制換価手続

滞納処分(その例による処分を含む。)、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行手続 及び破産手続をいう。

1項

法人でない社団 又は財団で代表者 又は管理人の定めがあるもの(以下「人格のない社団等」という。)は、法人とみなして、この法律の規定を適用する。

1項

この法律に規定する事項で他の国税に関する法律に別段の定めがあるものは、その定めるところによる。

第二節 国税の納付義務の承継等

1項

相続(包括遺贈を含む。以下同じ。)があつた場合には、相続人(包括受遺者を含む。以下同じ。)又は民法明治二十九年法律第八十九号第九百五十一条相続財産法人の成立)の法人は、その被相続人(包括遺贈者を含む。以下同じ。)に課されるべき、又は その被相続人が納付し、若しくは徴収されるべき国税(その滞納処分費を含む。次章第三章第一節国税の納付)、第六章附帯税)、第七章第一節国税の更正、決定等の期間制限)、第七章の二国税の調査)及び第十一章犯則事件の調査 及び処分)を除き、以下同じ。)を納める義務を承継する。


この場合において、相続人が限定承認をしたときは、その相続人は、相続によつて得た財産の限度においてのみ その国税を納付する責めに任ずる。

2項

前項前段の場合において、相続人が二人以上あるときは、各相続人が同項前段の規定により承継する国税の額は、同項の国税の額を民法第九百条から 第九百二条まで法定相続分・代襲相続人の相続分・遺言による相続分の指定)の規定によるその相続分により按分して計算した額とする。

3項

前項の場合において、 相続人のうちに相続によつて得た財産の価額が同項の規定により計算した国税の額を超える者があるときは、その相続人は、その超える価額を限度として、 他の相続人が前二項の規定により承継する国税を納付する責めに任ずる。

1項

法人が合併した場合には、合併後存続する法人 又は合併により設立した法人は、合併により消滅した法人(以下「被合併法人」という。)に課されるべき、又は被合併法人が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する。

1項

法人が人格のない社団等の財産に属する権利義務を包括して承継した場合には、その法人は、その人格のない社団等に課されるべき、又は その人格のない社団等が納付し、 若しくは徴収されるべき国税(その承継が権利義務の一部についてされたときは、その国税の額にその承継の時における人格のない社団等の財産のうちにその法人が承継した財産の占める割合を乗じて計算した額の国税)を納める義務を承継する。

1項

信託法平成十八年法律第百八号)第五十六条第一項各号(受託者の任務の終了事由)に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合において、新たな受託者(以下 この項 及び第六項において「新受託者」という。)が就任したときは、当該新受託者は当該受託者に課されるべき、又は当該受託者が納付し、若しくは徴収されるべき国税(その納める義務が信託財産責任負担債務(同法第二条第九項(定義)に規定する信託財産責任負担債務をいう。第三十八条第一項繰上請求)及び第五十七条第一項充当)において同じ。)となるものに限る。以下この条において同じ。)を納める義務を承継する。

2項

受託者が二人以上ある信託において、その一人の任務が信託法第五十六条第一項各号に掲げる事由により終了した場合には、前項の規定にかかわらず、他の受託者のうち、当該任務が終了した受託者(以下 この項 及び第五項において「任務終了受託者」という。)から信託事務の引継ぎを受けた受託者は、当該任務終了受託者に課されるべき、又は当該任務終了受託者が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する。

3項

信託法第五十六条第一項第一号に掲げる事由により受託者の任務が終了した場合には、同法第七十四条第一項(受託者の死亡により任務が終了した場合の信託財産の帰属等)に規定する法人は、 当該受託者に課されるべき、又は当該受託者が納付し、若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する。

4項

受託者である法人が分割をした場合における分割により受託者としての権利義務を承継した法人は、当該分割をした受託者である法人に課されるべき、又は当該分割をした受託者である法人が納付し、 若しくは徴収されるべき国税を納める義務を承継する。

5項

第一項 又は第二項の規定により国税を納める義務が承継された場合にも、第一項の受託者 又は任務終了受託者は、自己の固有財産をもつて、その承継された国税を納める義務を履行する責任を負う。


ただし、当該国税を納める義務について、信託法第二十一条第二項(信託財産責任負担債務の範囲)の規定により、信託財産に属する財産のみをもつて その履行の責任を負うときは、この限りでない。

6項

新受託者は、第一項の規定により国税を納める義務を承継した場合には、 信託財産に属する財産のみをもつて、その承継された国税を納める義務を履行する責任を負う。

1項

国税に関する法律の規定により国税を連帯して納付する義務については、民法第四百三十六条第四百三十七条 及び第四百四十一条から 第四百四十五条まで連帯債務の効力等)の規定を準用する。

1項

共有物、共同事業 又は当該事業に属する財産に係る国税は、その納税者が連帯して納付する義務を負う。

1項

合併 又は分割(以下この条において「合併等」という。)を無効とする判決が確定した場合には、当該合併等をした法人は、合併後存続する法人 若しくは合併により設立した法人 又は分割により事業を承継した法人の当該合併等の日以後に納税義務(第十五条第一項納税義務の成立 及び その納付すべき税額の確定)に規定する納税義務をいう。次条において同じ。)の成立した国税(その附帯税を含む。)について、連帯して納付する義務を負う。

1項

法人が分割(法人税法第二条第十二号の十(定義)に規定する分社型分割を除く。以下この条において同じ。)をした場合には、当該分割により事業を承継した法人は、当該分割をした法人の次に掲げる国税(その附帯税を含み、その納める義務が第七条の二第四項信託に係る国税の納付義務の承継)の規定により受託者としての権利義務を承継した法人に承継されたもの及び その納める義務が信託財産限定責任負担債務(信託法第百五十四条(信託の併合後の信託の信託財産責任負担債務の範囲等)に規定する信託財産限定責任負担債務をいう。第五十七条第一項充当)において同じ。)となるものを除く)について、連帯納付の責めに任ずる。


ただし、当該分割をした法人から承継した財産(当該分割をした法人から 承継した信託財産に属する財産を除く)の価額を限度とする。

一 号

分割の日前に納税義務の成立した国税(消費税等のうち保税地域(関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第二十九条(保税地域の種類)に規定する保税地域をいう。以下同じ。)からの引取りに係る消費税等 及び課税資産の譲渡等に係る消費税以外のもの(次号において「移出に係る酒税等」という。)並びに航空機燃料税を除く

二 号

分割の日の属する月の前月末日までに納税義務の成立した移出に係る酒税等 及び航空機燃料税

第三節 期間及び期限

1項

国税に関する法律において日、月 又は年をもつて定める期間の計算は、 次に定めるところによる。

一 号

期間の初日は、算入しない。


ただし、その期間が午前零時から始まるとき、又は国税に関する法律に別段の定めがあるときは、この限りでない。

二 号

期間を定めるのに月 又は年をもつてしたときは、暦に従う。

三 号

前号の場合において、月 又は年の始めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の月 又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。


ただし、最後の月にその応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

2項

国税に関する法律に定める申告、申請、請求、届出 その他書類の提出、通知、納付 又は徴収に関する期限(時をもつて定める期限 その他の政令で定める期限を除く)が日曜日、国民の祝日に関する法律昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日 その他一般の休日 又は政令で定める日に当たるときは、これらの日の翌日をもつて その期限とみなす。

1項

国税庁長官、国税不服審判所長、国税局長、税務署長 又は税関長は、災害 その他やむを得ない理由により、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出 その他書類の提出、納付 又は徴収に関する期限までにこれらの行為をすることができないと認めるときは、政令で定めるところにより、その理由のやんだ日から二月以内に限り、当該期限を延長することができる。

第四節 送達

1項

国税に関する法律の規定に基づいて税務署長 その他の行政機関の長 又は その職員が発する書類は、郵便 若しくは民間事業者による信書の送達に関する法律平成十四年法律第九十九号第二条第六項定義)に規定する一般信書便事業者 若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便(以下「信書便」という。)による送達 又は交付送達により、その送達を受けるべき者の住所 又は居所(事務所 及び事業所を含む。以下同じ。)に送達する。


ただし、その送達を受けるべき者に納税管理人があるときは、その住所 又は居所に送達する。

2項

通常の取扱いによる郵便 又は信書便によつて前項に規定する書類を発送した場合には、その郵便物 又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第三項定義)に規定する信書便物(以下「信書便物」という。)は、通常到達すべきであつた時に送達があつたものと推定する。

3項

税務署長 その他の行政機関の長は、前項に規定する場合には、 その書類の名称、その送達を受けるべき者(第一項ただし書の場合にあつては、納税管理人。以下 この節において同じ。)の氏名(法人については、名称。第十四条第二項公示送達)において同じ。)、あて先 及び発送の年月日を確認するに足りる記録を作成して置かなければならない。

4項

交付送達は、当該行政機関の職員が、第一項の規定により送達すべき場所において、その送達を受けるべき者に書類を交付して行なう。


ただし、その者に異議がないときは、その他の場所において交付することができる。

5項

次の各号の一に掲げる場合には、 交付送達は、前項の規定による交付に代え、当該各号に掲げる行為により行なうことができる。

一 号

送達すべき場所において書類の送達を受けるべき者に出会わない場合

その使用人 その他の従業者 又は同居の者で書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付すること。

二 号

書類の送達を受けるべき者 その他前号に規定する者が送達すべき場所にいない場合 又は これらの者が正当な理由がなく書類の受領を拒んだ場合

送達すべき場所に書類を差し置くこと。

1項

相続があつた場合において、相続人が二人以上あるときは、これらの相続人は、国税に関する法律の規定に基づいて税務署長 その他の行政機関の長(国税審判官を含む。)が発する書類(滞納処分(その例による処分を含む。)に関するものを除く)で被相続人の国税に関するものを受領する代表者をその相続人のうちから指定することができる。


この場合において、その指定に係る相続人は、その旨を当該税務署長 その他の行政機関の長(国税審判官の発する書類については、国税不服審判所長)に届け出なければならない。

2項

前項前段の場合において、相続人のうちにその氏名が明らかでないものがあり、かつ、相当の期間内に同項後段の届出がないときは、同項後段の税務署長 その他の行政機関の長は、相続人の一人を指定し、その者を同項に規定する代表者とすることができる。


この場合において、その指定をした税務署長 その他の行政機関の長は、その旨をその指定に係る相続人に通知しなければならない。

3項

前二項に定めるもののほか第一項に規定する代表者の指定に関し必要な事項は、政令で定める。

4項

被相続人の国税につき、その者の死亡後 その死亡を知らないで その者の名義でした国税に関する法律に基づく処分で書類の送達を要するものは、その相続人の一人にその書類が送達された場合には、当該国税につきすべての相続人に対してされたものとみなす。

1項

第十二条書類の送達)の規定により送達すべき書類について、その送達を受けるべき者の住所 及び居所が明らかでない場合 又は外国においてすべき送達につき困難な事情があると認められる場合には、税務署長 その他の行政機関の長は、その送達に代えて公示送達をすることができる。

2項

公示送達は、送達すべき書類の名称、その送達を受けるべき者の氏名 及び税務署長 その他の行政機関の長がその書類をいつでも送達を受けるべき者に交付する旨を当該行政機関の掲示場に掲示して行なう。

3項

前項の場合において、掲示を始めた日から起算して七日を経過したときは、 書類の送達があつたものとみなす。

第二章 国税の納付義務の確定

第一節 通則

1項

国税を納付する義務(源泉徴収等による国税については、これを徴収して国に納付する義務。以下「納税義務」という。)が成立する場合には、その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税を除き、国税に関する法律の定める手続により、その国税についての納付すべき税額が確定されるものとする。

2項

納税義務は、次の各号に掲げる国税(第一号から 第十三号までにおいて、附帯税を除く)については、当該各号に定める時(当該国税のうち政令で定めるものについては、政令で定める時)に成立する。

一 号

所得税(次号に掲げるものを除く

暦年の終了の時

二 号

源泉徴収による所得税

利子、配当、給与、報酬、料金 その他源泉徴収をすべきものとされている所得の支払の時

三 号

法人税 及び地方法人税

事業年度の終了の時

四 号

相続税

相続 又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)による財産の取得の時

五 号

贈与税

贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く)による財産の取得の時

六 号

地価税

課税時期(地価税法(平成三年法律第六十九号)第二条第四号(定義)に規定する課税時期をいう。

七 号

消費税等

課税資産の譲渡等 若しくは特定課税仕入れをした時 又は課税物件の製造場(石油ガス税については石油ガスの充塡場とし、石油石炭税については原油、ガス状炭化水素 又は石炭の採取場とする。)からの移出 若しくは保税地域からの引取りの時

八 号

航空機燃料税

航空機燃料の航空機への積込みの時

九 号

電源開発促進税

販売電気の料金の支払を受ける権利の確定の時

十 号

自動車重量税

自動車検査証の交付 若しくは返付の時 又は届出軽自動車についての車両番号の指定の時

十一 号

国際観光旅客税

本邦からの出国の時

十二 号

印紙税

課税文書の作成の時

十三 号

登録免許税

登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定 又は技能証明の時

十四 号

過少申告加算税、無申告加算税 又は第六十八条第一項第二項 若しくは第四項同条第一項 又は第二項の重加算税に係る部分に限る)(重加算税)の重加算税

法定申告期限の経過の時

十五 号

不納付加算税 又は第六十八条第三項 若しくは第四項同条第三項の重加算税に係る部分に限る)の重加算税

法定納期限の経過の時

3項

納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税は、 次に掲げる国税とする。

一 号

所得税法第二編第五章第一節予定納税)(同法第百六十六条申告、納付 及び還付)において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき所得税(以下「予定納税に係る所得税」という。

二 号

源泉徴収等による国税

三 号
自動車重量税
四 号

国際観光旅客税法第十八条第一項(国際観光旅客等による納付)の規定により納付すべき国際観光旅客税

五 号

印紙税(印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)第十一条(書式表示による申告 及び納付の特例)及び第十二条(預貯金通帳等に係る申告 及び納付等の特例)の規定の適用を受ける印紙税 及び過怠税を除く

六 号
登録免許税
七 号
延滞税 及び利子税
1項

国税についての納付すべき税額の確定の手続については、次の各号に掲げるいずれかの方式によるものとし、 これらの方式の内容は、当該各号に掲げるところによる。

一 号

申告納税方式

納付すべき税額が納税者のする申告により確定することを原則とし、その申告がない場合 又は その申告に係る税額の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつた場合 その他 当該税額が税務署長 又は税関長の調査したところと異なる場合に限り、税務署長 又は税関長の処分により確定する方式をいう。

二 号

賦課課税方式

納付すべき税額がもつぱら税務署長 又は税関長の処分により確定する方式をいう。

2項

国税(前条第三項各号に掲げるものを除く)についての納付すべき税額の確定が前項各号に掲げる方式のうちいずれの方式によりされるかは、次に定めるところによる。

一 号

納税義務が成立する場合において、 納税者が、国税に関する法律の規定により、納付すべき税額を申告すべきものとされている国税

申告納税方式

二 号

前号に掲げる国税以外の国税

賦課課税方式

第二節 申告納税方式による国税に係る税額等の確定手続

第一款 納税申告

1項

申告納税方式による国税の納税者は、国税に関する法律の定めるところにより、 納税申告書を法定申告期限までに税務署長に提出しなければならない。

2項

前項の規定により提出する納税申告書は、期限内申告書という。

1項

期限内申告書を提出すべきであつた者(所得税法第百二十三条第一項確定損失申告)、第百二十五条第三項年の中途で死亡した場合の確定損失申告)又は第百二十七条第三項年の中途で出国をする場合の確定損失申告)(これらの規定を同法第百六十六条非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の規定による申告書を提出することができる者で その提出期限内に当該申告書を提出しなかつたもの及び これらの者の相続人 その他 これらの者の財産に属する権利義務を包括して承継した者(法人が分割をした場合にあつては、第七条の二第四項信託に係る国税の納付義務の承継)の規定により当該分割をした法人の国税を納める義務を承継した法人に限る)を含む。)は、 その提出期限後においても、第二十五条決定)の規定による決定があるまでは、納税申告書を税務署長に提出することができる。

2項

前項の規定により提出する納税申告書は、期限後申告書という。

3項

期限後申告書には、その申告に係る国税の期限内申告書に記載すべきものとされている事項を記載し、 その期限内申告書に添付すべきものとされている書類があるときは当該書類を添付しなければならない。

1項

納税申告書を提出した者(その相続人 その他 当該提出した者の財産に属する権利義務を包括して承継した者(法人が分割をした場合にあつては、第七条の二第四項信託に係る国税の納付義務の承継)の規定により当該分割をした法人の国税を納める義務を承継した法人に限る)を含む。以下第二十三条第一項 及び第二項更正の請求)において同じ。)は、次の各号いずれかに該当する場合には、その申告について第二十四条更正)の規定による更正があるまでは、 その申告に係る課税標準等(第二条第六号イから ハまで定義)に掲げる事項をいう。以下同じ。)又は税額等(同号ニから ヘまでに掲げる事項をいう。以下同じ。)を修正する納税申告書を税務署長に提出することができる。

一 号

先の納税申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に不足額があるとき。

二 号

先の納税申告書に記載した純損失等の金額が過大であるとき。

三 号

先の納税申告書に記載した還付金の額に相当する税額が過大であるとき。

四 号

先の納税申告書に当該申告書の提出により納付すべき税額を記載しなかつた場合において、 その納付すべき税額があるとき。

2項

第二十四条から 第二十六条まで更正・決定)の規定による更正 又は決定を受けた者(その相続人 その他 当該更正 又は決定を受けた者の財産に属する権利義務を包括して承継した者(法人が分割をした場合にあつては、第七条の二第四項の規定により当該分割をした法人の国税を納める義務を承継した法人に限る)を含む。第二十三条第二項において同じ。)は、次の各号いずれかに該当する場合には、その更正 又は決定について第二十六条の規定による更正があるまでは、 その更正 又は決定に係る課税標準等 又は税額等を修正する納税申告書を税務署長に提出することができる。

一 号

その更正 又は決定により納付すべきものとしてその更正 又は決定に係る更正通知書 又は決定通知書に記載された税額に不足額があるとき。

二 号

その更正に係る更正通知書に記載された純損失等の金額が過大であるとき。

三 号

その更正 又は決定に係る更正通知書 又は決定通知書に記載された還付金の額に相当する税額が過大であるとき。

四 号

納付すべき税額がない旨の更正を受けた場合において、納付すべき税額があるとき。

3項

前二項の規定により提出する納税申告書は、修正申告書という。

4項

修正申告書には、次に掲げる事項を記載し、その申告に係る国税の期限内申告書に添付すべきものとされている書類があるときは当該書類に記載すべき事項のうちその申告に係るものを記載した書類を添付しなければならない。

一 号

その申告前の課税標準等 及び税額等

二 号

その申告後の課税標準等 及び税額等

三 号

その申告に係る次に掲げる金額

その申告前の納付すべき税額がその申告により増加するときは、その増加する部分の税額

その申告前の還付金の額に相当する税額がその申告により減少するときは、その減少する部分の税額

所得税法第百四十二条第二項純損失の繰戻しによる還付)(同法第百六十六条申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)又は法人税法第八十条第十項(欠損金の繰戻しによる還付)(同法第百四十四条の十三第十三項(欠損金の繰戻しによる還付)において準用する場合を含む。)若しくは地方法人税法平成二十六年法律第十一号)第二十三条第一項(欠損金の繰戻しによる法人税の還付があつた場合の還付)の規定により還付する金額(以下「純損失の繰戻し等による還付金額」という。)に係る第五十八条第一項還付加算金)に規定する還付加算金があるときは、その還付加算金のうちに掲げる税額に対応する部分の金額

四 号

前三号に掲げるもののほか、当該期限内申告書に記載すべきものとされている事項で その申告に係るものその他参考となるべき事項

1項

修正申告書で既に確定した納付すべき税額を増加させるものの提出は、 既に確定した納付すべき税額に係る部分の国税についての納税義務に影響を及ぼさない。

1項

納税申告書は、その提出の際におけるその国税の納税地(以下この条において「現在の納税地」という。)を所轄する税務署長に提出しなければならない。

2項

所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税 又は電源開発促進税に係る納税申告書については、当該申告書に係る課税期間が開始した時(課税期間のない国税については、その納税義務の成立の時)以後にその納税地に異動があつた場合において、納税者が当該異動に係る納税地を所轄する税務署長で現在の納税地を所轄する税務署長以外のものに対し当該申告書を提出したときは、その提出を受けた税務署長は、当該申告書を受理することができる。


この場合においては、当該申告書は、現在の納税地を所轄する税務署長に提出されたものとみなす。

3項

前項の納税申告書を受理した税務署長は、当該申告書を現在の納税地を所轄する税務署長に送付し、 かつ、その旨をその提出をした者に通知しなければならない。

4項

保税地域からの引取りに係る消費税等で申告納税方式によるもの(以下「輸入品に係る申告消費税等」という。)についての納税申告書は、第一項の規定にかかわらず、当該消費税等の納税地を所轄する税関長に提出しなければならない。


この場合においては、第十七条から 第十九条まで納税申告)の規定の適用については、

これらの規定中
税務署長」とあるのは、
「税関長」と

する。

1項

納税申告書(当該申告書に添付すべき書類 その他 当該申告書の提出に関連して提出するものとされている書類を含む。)その他国税庁長官が定める書類が郵便 又は信書便により提出された場合には、 その郵便物 又は信書便物の通信日付印により表示された日(その表示がないとき、又は その表示が明瞭でないときは、その郵便物 又は信書便物について通常要する送付日数を基準とした場合にその日に相当するものと認められる日)にその提出がされたものとみなす。

第二款 更正の請求

1項

納税申告書を提出した者は、次の各号いずれかに該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年第二号に掲げる場合のうち法人税に係る場合については、十年以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等 又は税額等(当該課税標準等 又は税額等に関し次条 又は第二十六条再更正)の規定による更正(以下この条において「更正」という。)があつた場合には、当該更正後の課税標準等 又は税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。

一 号

当該申告書に記載した課税標準等 若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと 又は当該計算に誤りがあつたことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。

二 号

前号に規定する理由により、当該申告書に記載した純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)が過少であるとき、 又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に純損失等の金額の記載がなかつたとき。

三 号

第一号に規定する理由により、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過少であるとき、 又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に還付金の額に相当する税額の記載がなかつたとき。

2項

納税申告書を提出した者 又は第二十五条決定)の規定による決定(以下 この項において「決定」という。)を受けた者は、次の各号いずれかに該当する場合(納税申告書を提出した者については、当該各号に定める期間の満了する日が前項に規定する期間の満了する日後に到来する場合に限る)には、同項の規定にかかわらず当該各号に定める期間において、その該当することを理由として同項の規定による更正の請求(以下「更正の請求」という。)をすることができる。

一 号

その申告、更正 又は決定に係る課税標準等 又は税額等の計算の基礎となつた事実に関する訴えについての判決(判決と同一の効力を有する和解 その他の行為を含む。)により、 その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したとき

その確定した日の翌日から起算して二月以内

二 号

その申告、更正 又は決定に係る課税標準等 又は税額等の計算に当たつて その申告をし、 又は決定を受けた者に帰属するものとされていた所得 その他課税物件が他の者に帰属するものとする当該 他の者に係る国税の更正 又は決定があつたとき

当該更正 又は決定があつた日の翌日から起算して二月以内

三 号

その他 当該国税の法定申告期限後に生じた前二号に類する政令で定めるやむを得ない理由があるとき

当該理由が生じた日の翌日から起算して二月以内

3項

更正の請求をしようとする者は、その請求に係る更正前の課税標準等 又は税額等、当該更正後の課税標準等 又は税額等、その更正の請求をする理由、当該請求をするに至つた事情の詳細 その他参考となるべき事項を記載した更正請求書を税務署長に提出しなければならない。

4項

税務署長は、更正の請求があつた場合には、その請求に係る課税標準等 又は税額等について調査し、更正をし、 又は更正をすべき理由がない旨をその請求をした者に通知する。

5項

更正の請求があつた場合においても、税務署長は、その請求に係る納付すべき国税(その滞納処分費を含む。以下 この項において同じ。)の徴収を猶予しない。


ただし、税務署長において相当の理由があると認めるときは、その国税の全部 又は一部の徴収を猶予することができる。

6項

輸入品に係る申告消費税等についての更正の請求は、第一項の規定にかかわらず、税関長に対し、するものとする。


この場合においては、 前三項の規定の適用については、

これらの規定中
税務署長」とあるのは、
「税関長」と

する。

7項

前二条の規定は、更正の請求について準用する。

第三款 更正又は決定

1項

税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等 又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、 その他 当該課税標準等 又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等 又は税額等を更正する。

1項

税務署長は、納税申告書を提出する義務があると認められる者が当該申告書を提出しなかつた場合には、その調査により、当該申告書に係る課税標準等 及び税額等を決定する。


ただし、決定により納付すべき税額 及び還付金の額に相当する税額が生じないときは、この限りでない。

1項

税務署長は、前二条 又は この条の規定による更正 又は決定をした後、 その更正 又は決定をした課税標準等 又は税額等が過大 又は過少であることを知つたときは、その調査により、当該更正 又は決定に係る課税標準等 又は税額等を更正する。

1項

前三条の場合において、国税庁 又は国税局の当該職員の調査があつたときは、 税務署長は、当該調査したところに基づき、これらの規定による更正 又は決定をすることができる。

1項

第二十四条から 第二十六条まで更正・決定)の規定による更正 又は決定(以下「更正 又は決定」という。)は、税務署長が更正通知書 又は決定通知書を送達して行なう。

2項

更正通知書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。


この場合において、その更正が前条の調査に基づくものであるときは、その旨を附記しなければならない。

一 号

その更正前の課税標準等 及び税額等

二 号

その更正後の課税標準等 及び税額等

三 号

その更正に係る次に掲げる金額

その更正前の納付すべき税額がその更正により増加するときは、その増加する部分の税額

その更正前の還付金の額に相当する税額がその更正により減少するときは、その減少する部分の税額

純損失の繰戻し等による還付金額に係る第五十八条第一項還付加算金)に規定する還付加算金があるときは、 その還付加算金のうちに掲げる税額に対応する部分の金額

その更正前の納付すべき税額がその更正により減少するときは、その減少する部分の税額

その更正前の還付金の額に相当する税額がその更正により増加するときは、その増加する部分の税額

3項

決定通知書には、その決定に係る課税標準等 及び税額等を記載しなければならない。


この場合において、その決定が前条の調査に基づくものであるときは、その旨を附記しなければならない。

1項

第二十四条更正)又は第二十六条再更正)の規定による更正(以下第七十二条国税の徴収権の消滅時効)までにおいて「更正」という。)で既に確定した納付すべき税額を増加させるものは、既に確定した納付すべき税額に係る部分の国税についての納税義務に影響を及ぼさない。

2項

既に確定した納付すべき税額を減少させる更正は、 その更正により減少した税額に係る部分以外の部分の国税についての納税義務に影響を及ぼさない。

3項

更正 又は決定を取り消す処分 又は判決は、 その処分 又は判決により減少した税額に係る部分以外の部分の国税についての納税義務に影響を及ぼさない。

1項

更正 又は決定は、これらの処分をする際におけるその国税の納税地(以下この条において「現在の納税地」という。)を所轄する税務署長が行う。

2項

所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税 又は電源開発促進税については、これらの国税の課税期間が開始した時(課税期間のない国税については、その納税義務の成立の時)以後にその納税地に異動があつた場合において、その異動に係る納税地で現在の納税地以外のもの(以下 この項において「旧納税地」という。)を所轄する税務署長においてその異動の事実が知れず、又は その異動後の納税地が判明せず、かつ、その知れないこと 又は判明しないことにつきやむを得ない事情があるときは、その旧納税地を所轄する税務署長は、前項の規定にかかわらず、これらの国税について更正 又は決定をすることができる。

3項

前二項に規定する税務署長は、更正 又は決定をした後、当該更正 又は決定に係る国税につき既に適法に、他の税務署長に対し納税申告書が提出され、 又は 他の税務署長が決定をしていたため、当該更正 又は決定をすべきでなかつたものであることを知つた場合には、遅滞なく、当該更正 又は決定を取り消さなければならない。

4項

輸入品に係る申告消費税等についての更正 又は決定は、第一項の規定にかかわらず、当該消費税等の納税地を所轄する税関長が行う。


この場合においては、第二十四条から 第二十六条まで更正・決定)又は第二十八条更正 又は決定の手続)の規定の適用については、

これらの規定中
税務署長」とあるのは、
「税関長」と

する。

第三節 賦課課税方式による国税に係る税額等の確定手続

1項

賦課課税方式による国税の納税者は、国税に関する法律の定めるところにより、 その国税の課税標準を記載した申告書をその提出期限までに税務署長に提出しなければならない。

2項

第二十一条第一項納税申告書の提出先)及び第二十二条郵送等に係る納税申告書等の提出時期)の規定は、前項の申告書(以下「課税標準申告書」という。)について準用する。

1項

税務署長は、賦課課税方式による国税については、その調査により、課税標準申告書を提出すべき期限(課税標準申告書の提出を要しない国税については、その納税義務の成立の時)後に、次の各号の区分に応じ、当該各号に掲げる事項を決定する。

一 号

課税標準申告書の提出があつた場合において、 当該申告書に記載された課税標準が税務署長の調査したところと同じであるとき。

納付すべき税額

二 号

課税標準申告書を提出すべきものとされている国税につき当該申告書の提出がないとき、 又は当該申告書の提出があつた場合において、当該申告書に記載された課税標準が税務署長の調査したところと異なるとき。

課税標準 及び納付すべき税額

三 号

課税標準申告書の提出を要しないとき。

税標準(第六十九条加算税の税目)に規定する加算税 及び過怠税については、その計算の基礎となる税額。以下この条において同じ。)及び納付すべき税額

2項

税務署長は、前項 又は この項の規定による決定をした後、 その決定をした課税標準(前項第一号に掲げる場合にあつては、同号の課税標準申告書に記載された課税標準)又は納付すべき税額が過大 又は過少であることを知つたときは、その調査により、当該決定に係る課税標準 及び納付すべき税額を変更する決定をする。

3項

第一項の規定による決定は、税務署長がその決定に係る課税標準 及び納付すべき税額を記載した賦課決定通知書(第一項第一号に掲げる場合にあつては、納税告知書)を送達して行なう。

4項

第二項の規定による決定は、 税務署長が次に掲げる事項を記載した賦課決定通知書を送達して行なう。

一 号

その決定前の課税標準 及び納付すべき税額

二 号

その決定後の課税標準 及び納付すべき税額

三 号

その決定前の納付すべき税額がその決定により増加し、又は減少するときは、 その増加し、又は減少する納付すべき税額

5項

第二十七条国税庁 又は国税局の職員の調査に基づく更正 又は決定)、第二十八条第三項後段(決定通知書の附記事項)及び第二十九条更正等の効力)の規定は、第一項 又は第二項の規定による決定(以下「賦課決定」という。)について準用する。

1項

賦課決定は、その賦課決定の際におけるその国税の納税地(以下この条において「現在の納税地」という。)を所轄する税務署長が行う。

2項

所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税、電源開発促進税 又は国際観光旅客税法第十六条第一項(国内事業者による特別徴収等)の規定により徴収して納付すべき国際観光旅客税に係る第六十九条加算税の税目)に規定する加算税については、次の各号いずれかに該当する場合には、当該各号に定める税務署長は、前項の規定にかかわらず当該各号に規定する更正 若しくは決定 若しくは期限後申告書 若しくは修正申告書の提出により納付すべき国税 又は源泉徴収等による国税に係る当該加算税についての賦課決定をすることができる。

一 号

第三十条第二項更正 又は決定の所轄庁)の更正 又は決定があつたとき

当該更正 又は決定をした税務署長

二 号

更正 若しくは第二十五条決定)の規定による決定で前号に規定するもの以外のもの若しくは期限後申告書 若しくは修正申告書の提出(第二十一条第二項納税申告書の提出先等)の規定に該当する場合にあつては、同条第三項の規定による当該申告書の送付)があつた後に当該国税の納税地に異動があつた場合又は源泉徴収等による国税につき納付すべき税額が確定した時以後に当該国税の納税地に異動があつた場合において、これらの異動に係る納税地で現在の納税地以外のもの(以下 この号において「旧納税地」という。)を所轄する税務署長においてその異動の事実が知れず、又は その異動後の納税地が判明せず、かつ、その知れないこと 又は判明しないことにつきやむを得ない事情があるとき

旧納税地を所轄する税務署長

3項

保税地域からの引取りに係る消費税等で賦課課税方式によるものその他税関長が徴収すべき消費税等 又は国際観光旅客税法第十七条第一項(国外事業者による特別徴収等)の規定により徴収して納付すべき国際観光旅客税に係る不納付加算税 若しくは第六十八条第三項 若しくは第四項同条第三項の重加算税に係る部分に限る)(重加算税)の重加算税についての賦課決定は、第一項の規定にかかわらず、これらの国税の納税地を所轄する税関長が行う。


この場合においては、前二条の規定の適用については、

これらの規定中
税務署長」とあるのは
「税関長」と、

前条第一項各号列記以外の部分中
課税標準申告書を提出すべき期限(課税標準申告書の提出を要しない国税については、その納税義務の成立の時)後に、次の」とあるのは
「次の」と、

同条第一項第二号 及び第三号第二項第三項 並びに第四項第一号 及び第二号
納付すべき税額」とあるのは
「税額等」と

する。

4項

前項の規定により税関長が賦課決定を行う場合において、当該賦課決定が消費税法第八条第三項輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税)の規定により直ちに徴収する消費税に係るものであるとき その他政令で定めるときは、前項の規定により読み替えて適用される前条第三項 又は第四項の規定による賦課決定通知書 又は納税告知書の送達に代え、当該職員に口頭で当該賦課決定の通知をさせることができる。

第三章 国税の納付及び徴収

第一節 国税の納付

1項

国税を納付しようとする者は、その税額に相当する金銭に納付書(納税告知書の送達を受けた場合には、納税告知書)を添えて、これを日本銀行(国税の収納を行う代理店を含む。)又は その国税の収納を行う税務署の職員に納付しなければならない。


ただし、証券をもつてする歳入納付に関する法律(大正五年法律第十号)の定めるところにより証券で納付すること 又は財務省令で定めるところによりあらかじめ 税務署長に届け出た場合に財務省令で定める方法により納付すること(自動車重量税(自動車重量税法昭和四十六年法律第八十九号第十四条税務署長による徴収)の規定により税務署長が徴収するものとされているものを除く)又は登録免許税(登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)第二十九条(税務署長による徴収)の規定により税務署長が徴収するものとされているものを除く)の納付にあつては、自動車重量税法第十条の二電子情報処理組織を使用する方法等による納付の特例)又は登録免許税法第二十四条の二(電子情報処理組織を使用する方法等による納付の特例)に規定する財務省令で定める方法により納付すること)を妨げない。

2項

印紙で納付すべきものとされている国税は、前項の規定にかかわらず、国税に関する法律の定めるところにより、その税額に相当する印紙を貼ることにより納付するものとする。


印紙で納付することができるものとされている国税を印紙で納付する場合も、また同様とする。

3項

物納の許可があつた国税は、第一項の規定にかかわらず、 国税に関する法律の定めるところにより、物納をすることができる。

4項

国税を納付しようとする者で この法律の施行地外の地域に住所 又は居所を有するもの(以下 この項において「国外納付者」という。)は、第一項の規定にかかわらず、財務省令で定めるところにより、金融機関の営業所、事務所 その他 これらに類するもの(この法律の施行地外の地域にあるものに限る。以下 この項において「国外営業所等」という。)を通じて その税額に相当する金銭をその国税の収納を行う税務署の職員の預金口座(国税の納付を受けるために開設されたものに限る)に対して払込みをすることにより納付することができる。


この場合において、その国税の納付は、当該国外納付者が当該金融機関の国外営業所等を通じて送金した日においてされたものとみなして、延納、物納 及び附帯税に関する規定を適用する。

1項

税務署長は、預金 又は貯金の払出しと その払い出した金銭による国税の納付をその預金口座 又は貯金口座のある金融機関に委託して行おうとする納税者から、 その納付に必要な事項の当該金融機関に対する通知で財務省令で定めるものの依頼があつた場合には、その納付が確実と認められ、かつ、その依頼を受けることが国税の徴収上有利と認められるときに限り、 その依頼を受けることができる。

2項

期限内申告書の提出により納付すべき税額の確定した国税で その提出期限と同時に納期限の到来するものが、前項の通知に基づき、政令で定める日までに納付された場合には、その納付の日が納期限後である場合においても、 その納付は納期限においてされたものとみなして、延納 及び延滞税に関する規定を適用する。

1項

国税を納付しようとする者は、その税額が財務省令で定める金額以下である場合であつて、次の各号いずれかに該当するときは、 納付受託者(次条第一項に規定する納付受託者をいう。以下この条において同じ。)に納付を委託することができる。

一 号

第三十四条第一項納付の手続)に規定する納付書で財務省令で定めるものに基づき納付しようとするとき。

二 号

電子情報処理組織を使用して行う納付受託者に対する通知で財務省令で定めるものに基づき納付しようとするとき。

2項

次の各号に掲げるときは、当該各号に定める日に当該各号に規定する国税の納付があつたものとみなして、 延納、物納 及び附帯税に関する規定を適用する。

一 号

国税を納付しようとする者が、前項第一号の納付書を添えて、 納付受託者に納付しようとする税額に相当する金銭の交付をしたとき

当該交付をした日

二 号

国税を納付しようとする者が前項第二号の通知に基づき当該国税を納付しようとする場合において、 納付受託者が当該国税を納付しようとする者の委託を受けたとき

当該委託を受けた日

1項

国税の納付に関する事務(以下 この項 及び第三十四条の六第一項納付受託者の帳簿保存等の義務)において「納付事務」という。)を適正かつ確実に実施することができると認められる者であり、かつ、政令で定める要件に該当する者として国税庁長官が指定するもの(以下第三十四条の六までにおいて「納付受託者」という。)は、国税を納付しようとする者の委託を受けて、納付事務を行うことができる。

2項

国税庁長官は、前項の規定による指定をしたときは、 納付受託者の名称、住所 又は事務所の所在地 その他財務省令で定める事項を公示しなければならない。

3項

納付受託者は、その名称、住所 又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を国税庁長官に届け出なければならない。

4項

国税庁長官は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。

1項

納付受託者は、次の各号いずれかに該当するときは、 政令で定める日までに当該各号に規定する委託を受けた国税を納付しなければならない。

一 号

第三十四条の三第一項第一号に係る部分に限る)(納付受託者に対する納付の委託)の規定により国税を納付しようとする者の委託に基づき当該国税の額に相当する金銭の交付を受けたとき。

二 号

第三十四条の三第一項第二号に係る部分に限る)の規定により国税を納付しようとする者の委託を受けたとき。

2項

納付受託者は、次の各号いずれかに該当するときは、遅滞なく、財務省令で定めるところにより、その旨 及び第一号の場合にあつては交付、第二号の場合にあつては委託を受けた年月日を国税庁長官に報告しなければならない。

一 号

第三十四条の三第一項第一号に係る部分に限る)の規定により国税を納付しようとする者の委託に基づき当該国税の額に相当する金銭の交付を受けたとき。

二 号

第三十四条の三第一項第二号に係る部分に限る)の規定により国税を納付しようとする者の委託を受けたとき。

3項

納付受託者が第一項の国税を同項に規定する政令で定める日までに完納しないときは、 納付受託者の住所 又は事務所の所在地を管轄する税務署長は、国税の保証人に関する徴収の例によりその国税を納付受託者から徴収する。

4項

税務署長は、第一項の規定により納付受託者が納付すべき国税については、当該納付受託者に対して第四十条滞納処分)の規定による処分をしても なお徴収すべき残余がある場合でなければ、 その残余の額について当該国税に係る納税者から徴収することができない

1項

納付受託者は、財務省令で定めるところにより、 帳簿を備え付け、これに納付事務に関する事項を記載し、及びこれを保存しなければならない。

2項

国税庁長官は、前二条 及び この条の規定を施行するため必要があると認めるときは、 その必要な限度で、財務省令で定めるところにより、納付受託者に対し、報告をさせることができる。

3項

国税庁長官は、前二条 及び この条の規定を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、納付受託者の事務所に立ち入り、 納付受託者の帳簿書類(その作成 又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成 又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。

4項

前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、 かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

5項

第三項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

6項

国税庁長官は、政令で定めるところにより、第三項に規定する権限を国税局長に委任することができる。

1項

国税庁長官は、第三十四条の四第一項納付受託者)の規定による指定を受けた者が次の各号いずれかに該当するときは、 その指定を取り消すことができる。

一 号

第三十四条の四第一項に規定する指定の要件に該当しなくなつたとき。

二 号

第三十四条の五第二項納付受託者の納付)又は前条第二項の規定による報告をせず、 又は虚偽の報告をしたとき。

三 号

前条第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、 若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

四 号

前条第三項の規定による立入り 若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、 又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。

2項

国税庁長官は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

1項

期限内申告書を提出した者は、 国税に関する法律に定めるところにより、当該申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に相当する国税をその法定納期限(延納に係る国税については、その延納に係る納期限)までに国に納付しなければならない。

2項

次の各号に掲げる金額に相当する国税の納税者は、その国税を当該各号に定める日(延納に係る国税 その他国税に関する法律に別段の納期限の定めがある国税については、当該法律に定める納期限)までに国に納付しなければならない。

一 号

期限後申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額又は修正申告書に記載した第十九条第四項第三号修正申告により納付すべき税額)に掲げる金額(その修正申告書の提出により納付すべき税額が新たにあることとなつた場合には、当該納付すべき税額

その期限後申告書 又は修正申告書を提出した日

二 号

更正通知書に記載された第二十八条第二項第三号イから ハまで更正により納付すべき税額)に掲げる金額(その更正により納付すべき税額が新たにあることとなつた場合には、当該納付すべき税額)又は決定通知書に記載された納付すべき税額

その更正通知書 又は決定通知書が発せられた日の翌日から起算して一月を経過する日

3項

過少申告加算税、無申告加算税 又は重加算税(第六十八条第一項第二項 又は第四項同条第一項 又は第二項の重加算税に係る部分に限る )(重加算税)の重加算税に限る。以下 この項において同じ。)に係る賦課決定通知書を受けた者は、当該通知書に記載された金額の過少申告加算税、 無申告加算税 又は重加算税を当該通知書が発せられた日の翌日から起算して一月を経過する日までに納付しなければならない。

第二節 国税の徴収

第一款 納税の請求

1項

税務署長は、国税に関する法律の規定により次に掲げる国税(その滞納処分費を除く次条において同じ。)を徴収しようとするときは、納税の告知をしなければならない。

一 号

賦課課税方式による国税(過少申告加算税、無申告加算税 及び前条第三項に規定する重加算税を除く

二 号

源泉徴収等による国税で その法定納期限までに納付されなかつたもの

三 号

自動車重量税で その法定納期限までに納付されなかつたもの

四 号

登録免許税で その法定納期限までに納付されなかつたもの

2項

前項の規定による納税の告知は、税務署長が、政令で定めるところにより、納付すべき税額、納期限 及び納付場所を記載した納税告知書を送達して行う。


ただし担保として提供された金銭をもつて消費税等を納付させる場合 その他政令で定める場合には、納税告知書の送達に代え、当該職員に口頭で当該告知をさせることができる。

1項

納税者がその国税を第三十五条申告納税方式による国税の納付)又は前条第二項の納期限(予定納税に係る所得税については、所得税法第百四条第一項第百七条第一項 又は第百十五条予定納税額の納付)(これらの規定を同法第百六十六条非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の納期限とし、延滞税 及び利子税については、その計算の基礎となる国税のこれらの納期限とする。以下「納期限」という。)までに完納しない場合には、税務署長は、その国税が次に掲げる国税である場合を除き、その納税者に対し、督促状により その納付を督促しなければならない。

一 号

次条第一項 若しくは第三項 又は国税徴収法第百五十九条保全差押)の規定の適用を受けた国税

二 号

国税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている国税

2項

前項の督促状は、国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、 その国税の納期限から五十日以内に発するものとする。

3項

第一項の督促をする場合において、 その督促に係る国税についての延滞税 又は利子税があるときは、その延滞税 又は利子税につき、あわせて督促しなければならない。

1項

税務署長は、次の各号いずれかに該当する場合において、 納付すべき税額の確定した国税(第三号に該当する場合においては、その納める義務が信託財産責任負担債務であるものを除く)で その納期限までに完納されないと認められるものがあるときは、その納期限を繰り上げ、その納付を請求することができる。

一 号

納税者の財産につき強制換価手続が開始されたとき(仮登記担保契約に関する法律昭和五十三年法律第七十八号第二条第一項所有権移転の効力の制限等)(同法第二十条土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)の規定による通知がされたときを含む。)。

二 号

納税者が死亡した場合において、その相続人が限定承認をしたとき。

三 号

法人である納税者が解散したとき。

四 号

その納める義務が信託財産責任負担債務である国税に係る信託が終了したとき(信託法第百六十三条第五号(信託の終了事由)に掲げる事由によつて終了したときを除く)。

五 号

納税者が納税管理人を定めないで この法律の施行地に住所 及び居所を有しないこととなるとき。

六 号

納税者が偽り その他不正の行為により国税を免れ、若しくは免れようとし、 若しくは国税の還付を受け、若しくは受けようとしたと認められるとき、又は納税者が国税の滞納処分の執行を免れ、若しくは免れようとしたと認められるとき。

2項

前項の規定による請求は、税務署長が、納付すべき税額、 その繰上げに係る期限 及び納付場所を記載した繰上請求書(源泉徴収等による国税で納税の告知がされていないものについて同項の規定による請求をする場合には、当該請求をする旨を付記した納税告知書)を送達して行う。

3項

第一項各号いずれかに該当する場合において、次に掲げる国税(納付すべき税額が確定したものを除く)で その確定後においては当該国税の徴収を確保することができないと認められるものがあるときは、税務署長は、その国税の法定申告期限(課税標準申告書の提出期限を含む。)前に、その確定すると見込まれる国税の金額のうちその徴収を確保するため、あらかじめ、滞納処分を執行することを要すると認める金額を決定することができる。


この場合においては、その税務署の当該職員は、その金額を限度として、直ちにその者の財産を差し押さえることができる。

一 号

納税義務の成立した国税(課税資産の譲渡等に係る消費税を除く

二 号

課税期間が経過した課税資産の譲渡等に係る消費税

三 号

納税義務の成立した消費税法第四十二条第一項第四項 又は第六項課税資産の譲渡等 及び特定課税仕入れについての中間申告)の規定による申告書に係る消費税

4項

国税徴収法第百五十九条第二項から 第十一項まで保全差押え)の規定は、前項の決定があつた場合について準用する。


この場合において、

同条第五項
六月」とあるのは、
十月」と

読み替えるものとする。

1項

税務署長は、消費税等(消費税を除く。以下この条において同じ。)の課される物品が強制換価手続により換価された場合において、 国税に関する法律の規定によりその物品につき消費税等(その滞納処分費を含む。以下 この項次項 及び第四十三条第一項国税の徴収の所轄庁)において同じ。)の納税義務が成立するときは、その売却代金のうちから その消費税等を徴収することができる。

2項

税務署長は、前項の規定により消費税等を徴収するときは、あらかじめ その執行機関(国税徴収法第二条用語の定義)に規定する執行機関をいう。以下同じ。)及び納税者に対し、同項の規定により徴収すべき税額 その他必要な事項を通知しなければならない。

3項

前項の通知があつた場合において、第一項の換価がされたときは、その納税者につきその通知に係る税額に相当する消費税等が第二十五条決定)の規定による決定により確定されたものとみなし、その執行機関に対する通知は、国税徴収法に規定する交付要求(以下「交付要求」という。)とみなす。

第二款 滞納処分

1項

税務署長は、第三十七条督促)の規定による督促に係る国税がその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納されない場合、第三十八条第一項繰上請求)の規定による請求に係る国税がその請求に係る期限までに完納されない場合 その他国税徴収法に定める場合には、同法 その他の法律の規定により滞納処分を行なう。

第三節 雑則

1項

国税は、これを納付すべき者のために第三者が納付することができる。

2項

国税の納付について正当な利益を有する第三者 又は国税を納付すべき者の同意を得た第三者が国税を納付すべき者に代わつてこれを納付した場合において、その国税を担保するため抵当権が設定されているときは、これらの者は、その納付により、その抵当権につき国に代位することができる。


ただし、その抵当権が根抵当である場合において、その担保すべき元本の確定前に納付があつたときは、この限りでない。

3項

前項の場合において、第三者が同項の国税の一部を納付したときは、 その残余の国税は、同項の規定による代位に係る第三者の債権に先だつて徴収する。

1項

民法第三編第一章第二節第二款債権者代位権)及び第三款(詐害行為取消権)の規定は、 国税の徴収に関して準用する。

1項

国税の徴収は、その徴収に係る処分の際におけるその国税の納税地(以下この条において「現在の納税地」という。)を所轄する税務署長が行う。


ただし、保税地域からの引取りに係る消費税等 その他税関長が課する消費税等 又は国際観光旅客税(国際観光旅客税法第十六条第一項(国内事業者による特別徴収等)の規定により徴収して納付すべきものを除き、その滞納処分費を含む。)については、これらの国税の納税地を所轄する税関長が行う。

2項

所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税、電源開発促進税 又は国際観光旅客税法第十六条第一項の規定により徴収して納付すべき国際観光旅客税については、次の各号いずれかに該当する場合には、当該各号に定める税務署長は、前項本文の規定にかかわらず当該各号に規定する国税について徴収に係る処分をすることができる。

一 号

第三十条第二項更正 又は決定の所轄庁)の更正 若しくは決定(当該更正 又は決定により納付すべき税額に係る第六十九条加算税の税目)に規定する加算税の賦課決定を含む。)又は第三十三条第二項第二号賦課決定の所轄庁等)の賦課決定があつた場合において、これらの処分に係る国税につき、これらの処分をした後においても引き続き これらの項に規定する事由があるとき

当該処分をした税務署長

二 号

これらの国税につき納付すべき税額が確定した時以後にその納税地に異動があつた場合において、その異動に係る納税地で現在の納税地以外のもの(以下 この号において「旧納税地」という。)を所轄する税務署長においてその異動の事実が知れず、又は その異動後の納税地が判明せず、かつ、その知れないこと 又は判明しないことにつきやむを得ない事情があるとき

旧納税地を所轄する税務署長

3項

国税局長は、必要があると認めるときは、 その管轄区域内の地域を所轄する税務署長から その徴収する国税について徴収の引継ぎを受けることができる。

4項

税務署長 又は税関長は、必要があると認めるときは、 その徴収する国税について他の税務署長 又は税関長に徴収の引継ぎをすることができる。

5項

前二項の規定により徴収の引継ぎがあつたときは、 その引継ぎを受けた国税局長、税務署長 又は税関長は、遅滞なく、その旨をその国税を納付すべき者に通知するものとする。

1項

株式会社、協同組織金融機関(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第二条第二項に規定する協同組織金融機関をいう。以下 この項において同じ。) 又は相互会社(同条第六項に規定する相互会社をいう。以下 この項において同じ。)について更生手続 又は企業担保権の実行手続の開始があつた場合には、当該会社、協同組織金融機関 又は相互会社の国税を徴収することができる国税局長、税務署長 又は税関長は、更生手続 又は企業担保権の実行手続が係属する地方裁判所の所在地を所轄する国税局長、税務署長 又は税関長に対し、 その徴収することができる国税の徴収の引継ぎをすることができる。

2項

前条第五項の規定は、前項の規定により徴収の引継ぎがあつた場合について準用する。

1項

第四十三条第一項ただし書(国税の徴収の所轄庁)の規定により税関長が徴収する場合 又は同条第四項若しくは前条第一項の規定により税関長が徴収の引継ぎを受けた場合におけるこの章第三十八条第三項繰上請求)、第三十九条強制換価の場合の消費税等の徴収の特例)及び この節除く。以下 この項において同じ。)の規定の適用については、

同章
税務署長」又は「税務署」とあるのは
税関長」又は「税関」と、

第三十六条第一項納税の告知)中
同じ。)」とあるのは
同じ。)又は国際観光旅客税法第十八条第一項(国際観光旅客等による納付)の規定により納付すべき国際観光旅客税で その法定納期限までに納付されなかつたもの」と

する。

2項

第四十三条第三項 又は前条第一項の規定により国税局長が徴収の引継ぎを受けた場合におけるこの章第三十四条の二口座振替納付に係る通知等)、第三十六条第三十八条第三項第三十九条 及び この節除く)の規定の適用については、

税務署長」又は「税務署」とあるのは、
「国税局長」又は「国税局」と

する。

第四章 納税の猶予及び担保

第一節 納税の猶予

1項

税務署長(第四十三条第一項ただし書、第三項 若しくは第四項国税の徴収の所轄庁)又は第四十四条第一項更生手続等が開始した場合の徴収の所轄庁の特例)の規定により税関長 又は国税局長が国税の徴収を行う場合には、その税関長 又は国税局長。以下この章において「税務署長等」という。)は、震災、風水害、落雷、火災 その他 これらに類する災害により納税者がその財産につき相当な損失を受けた場合において、その者がその損失を受けた日以後一年以内に納付すべき国税で次に掲げるものがあるときは、政令で定めるところにより、その災害のやんだ日から二月以内にされた その者の申請に基づき、その納期限(納税の告知がされていない源泉徴収等による国税については、その法定納期限)から 一年以内の期間(第三号に掲げる国税については、政令で定める期間)を限り、その国税の全部 又は一部の納税を猶予することができる。

一 号

次に掲げる国税の区分に応じ、それぞれ次に定める日以前に納税義務の成立した国税(消費税 及び政令で定めるものを除く)で、 納期限(納税の告知がされていない源泉徴収等による国税については、その法定納期限)がその損失を受けた日以後に到来するもののうち、その申請の日以前に納付すべき税額の確定したもの

源泉徴収等による国税 並びに申告納税方式による消費税等(保税地域からの引取りに係るものにあつては、石油石炭税法(昭和五十三年法律第二十五号)第十七条第三項(引取りに係る原油等についての石油石炭税の納付等)の規定により納付すべき石油石炭税に限る)、 航空機燃料税、電源開発促進税 及び印紙税

その災害のやんだ日の属する月の末日

に掲げる国税以外の国税

その災害のやんだ日

二 号

その災害のやんだ日以前に課税期間が経過した課税資産の譲渡等に係る消費税で その納期限がその損失を受けた日以後に到来するもののうちその申請の日以前に納付すべき税額の確定したもの

三 号

予定納税に係る所得税 その他 政令で定める国税で その納期限がその損失を受けた日以後に到来するもの

2項

税務署長等は、次の各号いずれかに該当する事実がある場合(前項の規定の適用を受ける場合を除く)において、その該当する事実に基づき、納税者がその国税を一時に納付することができないと認められるときは、その納付することができないと認められる金額を限度として、納税者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その納税を猶予することができる。


同項の規定による納税の猶予をした場合において、同項の災害を受けたことにより、その猶予期間内に猶予をした金額を納付することができないと認めるときも、同様とする。

一 号

納税者がその財産につき、震災、風水害、落雷、火災 その他の災害を受け、又は盗難にかかつたこと。

二 号

納税者 又は その者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと。

三 号

納税者がその事業を廃止し、又は休止したこと。

四 号

納税者がその事業につき著しい損失を受けたこと。

五 号

前各号いずれかに該当する事実に類する事実があつたこと。

3項

税務署長等は、次の各号に掲げる国税(延納に係る国税を除く)の納税者につき、当該各号に定める税額に相当する国税を一時に納付することができない理由があると認められる場合には、その納付することができないと認められる金額を限度として、 その国税の納期限内にされた その者の申請(税務署長等においてやむを得ない理由があると認める場合には、その国税の納期限後にされた申請を含む。)に基づき、その納期限から一年以内の期間を限り、その納税を猶予することができる。

一 号

申告納税方式による国税(その附帯税を含む。

その法定申告期限から一年を経過した日以後に納付すべき税額が確定した場合における当該確定した部分の税額

二 号

賦課課税方式による国税(その延滞税を含み、第六十九条加算税の税目)に規定する加算税 及び過怠税を除く

その課税標準申告書の提出期限(当該申告書の提出を要しない国税については、その納税義務の成立の日)から一年を経過した日以後に納付すべき税額が確定した場合における当該確定した部分の税額

三 号

源泉徴収等による国税(その附帯税を含む。

その法定納期限から一年を経過した日以後に納税告知書の送達があつた場合における当該告知書に記載された納付すべき税額

4項

税務署長等は、前二項の規定による納税の猶予をする場合には、その猶予に係る国税の納付については、その猶予をする期間内において、その猶予に係る金額をその者の財産の状況 その他の事情からみて合理的かつ妥当なものに分割して納付させることができる。


この場合においては、分割納付の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額を定めるものとする。

5項

税務署長等は、第二項 又は第三項の規定による納税の猶予をする場合には、その猶予に係る金額に相当する担保を徴さなければならない。


ただし、その猶予に係る税額が百万円以下である場合、その猶予の期間が三月以内である場合 又は担保を徴することができない特別の事情がある場合は、この限りでない。

6項

税務署長等は、前項の規定により担保を徴する場合において、 その猶予に係る国税につき滞納処分により差し押さえた財産(租税条約等(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)第二条第二号(定義)に規定する租税条約等をいう。以下 この項第六十三条第五項納税の猶予等の場合の延滞税の免除)及び第七十一条第一項第四号国税の更正、決定等の期間制限の特例)において同じ。)の規定に基づき当該租税条約等の相手国等(同法第二条第三号に規定する相手国等をいう。以下同じ。)に共助対象国税(同法第十一条の二第一項(国税の徴収の共助)に規定する共助対象国税をいう。以下 この項 及び第六十三条第五項において同じ。)の徴収の共助 又は徴収のための財産の保全の共助を要請した場合における当該相手国等が当該共助対象国税について当該相手国等の法令に基づき差押えに相当する処分をした財産 及び担保の提供を受けた財産を含む。)があるときは、その担保の額は、その猶予をする金額から その財産の価額を控除した額を限度とする。

7項

税務署長等は、第二項 又は第三項の規定により納税の猶予をした場合において、その猶予をした期間内にその猶予をした金額を納付することができないやむを得ない理由があると認めるときは、納税者の申請に基づき、その期間を延長することができる。


ただし、その期間は、既にその者につきこれらの規定により納税の猶予をした期間とあわせて二年を超えることができない

8項

第四項の規定は、税務署長等が、前項の規定により第二項 又は第三項の規定による納税の猶予をした期間を延長する場合について準用する。

9項

税務署長等は、第四項前項において準用する場合を含む。)の規定によりその猶予に係る金額を分割して納付させる場合において、納税者が第四十七条第一項納税の猶予の通知等)の規定により通知された分割納付の各納付期限ごとの納付金額をその納付期限までに納付することができないことにつきやむを得ない理由があると認めるとき 又は第四十九条第一項納税の猶予の取消し)の規定により猶予期間を短縮したときは、その分割納付の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額を変更することができる。

1項

前条第一項の規定による納税の猶予の申請をしようとする者は、同項の災害によりその者がその財産につき相当な損失を受けたことの事実の詳細、当該猶予を受けようとする金額 及び その期間 その他の政令で定める事項を記載した申請書に、当該事実を証するに足りる書類を添付し、これを税務署長等に提出しなければならない。

2項

前条第二項の規定による納税の猶予の申請をしようとする者は、同項各号いずれかに該当する事実があること 及び その該当する事実に基づきその国税を一時に納付することができない事情の詳細、当該猶予を受けようとする金額 及び その期間、分割納付の方法により納付を行うかどうか(分割納付の方法により納付を行う場合にあつては、分割納付の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額を含む。)その他の政令で定める事項を記載した申請書に、当該該当する事実を証するに足りる書類、財産目録、担保の提供に関する書類 その他の政令で定める書類を添付し、これを税務署長等に提出しなければならない。

3項

前条第三項の規定による納税の猶予の申請をしようとする者は、同項各号に定める税額に相当する国税を一時に納付することができない事情の詳細、当該猶予を受けようとする金額 及び その期間、分割納付の方法により納付を行うかどうか(分割納付の方法により納付を行う場合にあつては、分割納付の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額を含む。)その他の政令で定める事項を記載した申請書に、財産目録、担保の提供に関する書類 その他の政令で定める書類を添付し、これを税務署長等に提出しなければならない。

4項

前条第七項の規定による猶予の期間の延長を申請しようとする者は、猶予期間内にその猶予を受けた金額を納付することができないやむを得ない理由、猶予期間の延長を受けようとする期間、分割納付の方法により納付を行うかどうか(分割納付の方法により納付を行う場合にあつては、分割納付の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額を含む。)その他の政令で定める事項を記載した申請書に、財産目録、担保の提供に関する書類 その他の政令で定める書類を添付し、これを税務署長等に提出しなければならない。

5項

第一項第二項 又は前項の規定により添付すべき書類(政令で定める書類を除く)については、これらの規定にかかわらず前条第一項 若しくは第二項第一号第二号 又は第五号同項第一号 又は第二号に該当する事実に類する事実に係る部分に限る)に係る部分に限る)の規定による納税の猶予 又は その猶予の期間の延長をする場合において、 当該申請者が当該添付すべき書類を提出することが困難であると税務署長等が認めるときは、添付することを要しない。

6項

税務署長等は、第一項から 第四項までの規定による申請書の提出があつた場合には、当該申請に係る事項について調査を行い、前条の規定による納税の猶予 若しくは その猶予の期間の延長をし、 又は その納税の猶予 若しくは その猶予の延長を認めないものとする。

7項

税務署長等は、第一項から 第四項までの規定による申請書の提出があつた場合において、 これらの申請書についてその記載に不備があるとき 又は これらの申請書に添付すべき書類についてその記載に不備があるとき 若しくは その提出がないときは、当該申請者に対して当該申請書の訂正 又は当該添付すべき書類の訂正 若しくは提出を求めることができる。

8項

税務署長等は、前項の規定により申請書の訂正 又は添付すべき書類の訂正 若しくは提出を求める場合においては、 その旨 及び その理由を記載した書面により、これを当該申請者に通知する。

9項

第七項の規定により申請書の訂正 又は添付すべき書類の訂正 若しくは提出を求められた当該申請者は、前項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して二十日以内に当該申請書の訂正 又は当該添付すべき書類の訂正 若しくは提出をしなければならない。


この場合において、当該期間内に当該申請書の訂正 又は当該添付すべき書類の訂正 若しくは提出をしなかつたときは、当該申請者は、当該期間を経過した日において当該申請を取り下げたものとみなす。

10項

税務署長等は、第一項から 第四項までの規定による申請書の提出があつた場合において、 当該申請者について前条第一項から 第三項まで 又は第七項の規定に該当していると認められるときであつても、次の各号いずれかに該当するときは、同条の規定による納税の猶予 又は その猶予の延長を認めないことができる。

一 号

第四十九条第一項第一号納税の猶予の取消し)に掲げる場合に該当するとき。

二 号

当該申請者が、次項の規定による質問に対して答弁せず、 又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

三 号

不当な目的で前条の規定による納税の猶予 又は その猶予の期間の延長の申請がされたとき、 その他 その申請が誠実にされたものでないとき。

11項

税務署長等は、第六項の規定による調査をするため必要があると認めるときは、 その必要な限度で、その職員に、当該申請者に質問させ、又は その者の帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。

12項

前項の規定により質問 又は検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、 関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

13項

第十一項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

1項

税務署長等は、第四十六条納税の猶予の要件等)の規定による納税の猶予(以下「納税の猶予」という。)をし、又は その猶予の期間を延長したとき(同条第九項の規定により分割納付の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額を変更したときを含む。)は、その旨、猶予に係る金額、猶予期間、分割して納付させる場合の当該分割納付の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額(同項の規定による変更をした場合には、その変更後の各納付期限 及び各納付期限ごとの納付金額)その他必要な事項を納税者に通知しなければならない。

2項

税務署長等は、前条第一項から 第四項までの規定による申請書の提出があつた場合において、納税の猶予 又は その猶予の延長を認めないときは、その旨を納税者に通知しなければならない。

1項

税務署長等は、納税の猶予をしたときは、 その猶予期間内は、その猶予に係る金額に相当する国税につき、新たに督促 及び滞納処分交付要求を除く)をすることができない

2項

税務署長等は、納税の猶予をした場合において、 その猶予に係る国税につき既に滞納処分により差し押さえた財産があるときは、その猶予を受けた者の申請に基づき、その差押えを解除することができる。

3項

税務署長等は、納税の猶予をした場合において、その猶予に係る国税につき差し押さえた財産のうちに天然果実を生ずるもの又は有価証券、債権 若しくは国税徴収法第七十二条第一項特許権等の差押手続)に規定する無体財産権等があるときは、第一項の規定にかかわらず、その取得した天然果実 又は同法第二十四条第五項第二号譲渡担保権者の物的納税責任)に規定する第三債務者等から給付を受けた財産で金銭以外のものにつき滞納処分を執行し、その財産に係る同法第百二十九条第一項配当の原則)に規定する換価代金等をその猶予に係る国税に充てることができる。

4項

前項の場合において、同項の第三債務者等から給付を受けた財産のうちに金銭があるときは、第一項の規定にかかわらず、当該金銭をその猶予に係る国税に充てることができる。

1項

納税の猶予を受けた者が次の各号いずれかに該当する場合には、 税務署長等は、その猶予を取り消し、又は猶予期間を短縮することができる。

一 号

第三十八条第一項各号繰上請求)のいずれかに該当する事実がある場合において、 その者がその猶予に係る国税を猶予期間内に完納することができないと認められるとき。

二 号

第四十七条第一項納税の猶予の通知等)の規定により通知された分割納付の各納付期限ごとの納付金額をその納付期限までに納付しないとき(税務署長等がやむを得ない理由があると認めるときを除く)。

三 号

その猶予に係る国税につき提供された担保について税務署長等が第五十一条第一項担保の変更等)の規定によつてした命令に応じないとき。

四 号

新たにその猶予に係る国税以外の国税を滞納したとき(税務署長等がやむを得ない理由があると認めるときを除く)。

五 号

偽り その他不正な手段によりその猶予 又は その猶予の期間の延長の申請がされ、 その申請に基づきその猶予をし、又は その猶予期間の延長をしたことが判明したとき。

六 号

前各号に掲げる場合を除き、 その者の財産の状況 その他の事情の変化によりその猶予を継続することが適当でないと認められるとき。

2項

税務署長等は、前項の規定により納税の猶予を取り消し、又は猶予期間を短縮する場合には、第三十八条第一項各号いずれかに該当する事実があるときを除きあらかじめ、その猶予を受けた者の弁明を聞かなければならない。


ただし、その者が正当な理由がなく その弁明をしないときは、この限りでない。

3項

税務署長等は、第一項の規定により納税の猶予を取り消し、又は猶予期間を短縮したときは、 その旨を納税者に通知しなければならない。

第二節 担保

1項

国税に関する法律の規定により提供される担保の種類は、次に掲げるものとする。

一 号
国債 及び地方債
二 号

社債(特別の法律により設立された法人が発行する債券を含む。)その他の有価証券で 税務署長等(国税に関する法律の規定により国税庁長官 又は国税局長が担保を徴するものとされている場合には、国税庁長官 又は国税局長。以下 この条 及び次条において同じ。)が確実と認めるもの

三 号
土地
四 号

建物、立木 及び登記される船舶 並びに登録を受けた飛行機、 回転翼航空機 及び自動車 並びに登記を受けた建設機械で、保険に附したもの

五 号

鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団、港湾運送事業財団、道路交通事業財団 及び観光施設財団

六 号

税務署長等が確実と認める保証人の保証

七 号
金銭
1項

税務署長等は、国税につき担保の提供があつた場合において、その担保として提供された財産の価額 又は保証人の資力の減少 その他の理由によりその国税の納付を担保することができないと認めるときは、その担保を提供した者に対し、増担保の提供、保証人の変更 その他の担保を確保するため必要な行為をすべきことを命ずることができる。

2項

国税について担保を提供した者は、 税務署長等の承認を受けて、その担保を変更することができる。

3項

国税の担保として金銭を提供した者は、 政令で定めるところにより、その金銭をもつて その国税の納付に充てることができる。

1項

税務署長等は、担保の提供されている国税がその納期限(第三十八条第二項繰上請求)に規定する繰上げに係る期限 及び納税の猶予 又は徴収 若しくは滞納処分に関する猶予に係る期限を含む。以下次条 及び第六十三条第二項延滞税の免除)において同じ。)までに完納されないとき、 又は担保の提供がされている国税についての延納、納税の猶予 若しくは徴収 若しくは滞納処分に関する猶予を取り消したときは、その担保として提供された金銭をその国税に充て、 若しくは その提供された金銭以外の財産を滞納処分の例により処分してその国税 及び当該財産の処分費に充て、又は保証人にその国税を納付させる。

2項

税務署長等は、前項の規定により保証人に同項の国税を納付させる場合には、政令で定めるところにより、その者に対し、納付させる金額、納付の期限、納付場所 その他必要な事項を記載した納付通知書による告知をしなければならない。


この場合においては、その者の住所 又は居所の所在地を所轄する税務署長に対し、その旨を通知しなければならない。

3項

保証人がその国税を前項の納付の期限までに完納しない場合には、税務署長等は、第六項において準用する第三十八条第一項の規定により納付させる場合を除き、その者に対し、納付催告書によりその納付を督促しなければならない。


この場合においては、その納付催告書は、国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、その納付の期限から五十日以内に発するものとする。

4項

第一項の場合において、担保として提供された金銭 又は担保として提供された財産の処分の代金を同項の国税 及び処分費に充ててなお不足があると認めるときは、税務署長等は、当該担保を提供した者の他の財産について滞納処分を執行し、また、保証人がその納付すべき金額を完納せず、 かつ、当該担保を提供した者に対して滞納処分を執行しても なお不足があると認めるときは、保証人に対して滞納処分を執行する。

5項

前項の規定により保証人に対して滞納処分を執行する場合には、 税務署長等は、同項の担保を提供した者の財産を換価に付した後でなければ、その保証人の財産を換価に付することできない

6項

第三十八条第一項 及び第二項前節 並びに第五十五条納付委託)の規定は、 保証人に第一項の国税を納付させる場合について準用する。

1項

国税庁長官 又は国税局長は、国税に関する法律の規定により担保を徴した場合(第四十三条第三項 又は第四十四条第一項徴収の引継ぎ)の規定により徴収の引継ぎを受けた国税局長がその引継ぎに係る国税につき担保を徴した場合を除く)において、 その担保の提供されている国税がその納期限までに完納されないときは、政令で定める税務署長にその担保として提供された財産の処分 その他 前条に規定する処分を行なわせるものとする。

1項

この法律に定めるもののほか、 担保の提供の手続 その他担保に関し必要な手続については、政令で定める。

1項

納税者が次に掲げる国税を納付するため、国税の納付に使用することができる証券以外の有価証券を提供して、その証券の取立てと その取り立てた金銭による当該国税の納付を委託しようとする場合には、税務署(第四十三条第一項ただし書、第三項 若しくは第四項 又は第四十四条第一項国税の徴収の所轄庁)の規定により税関長 又は国税局長が国税の徴収を行う場合には、その税関 又は国税局。以下この条において同じ。)の当該職員は、その証券が最近において確実に取り立てることができるものであると認められるときに限り、その委託を受けることができる。


この場合において、その証券の取立てにつき費用を要するときは、その委託をしようとする者は、その費用の額に相当する金額をあわせて提供しなければならない。

一 号

納税の猶予 又は滞納処分に関する猶予に係る国税

二 号

納付の委託をしようとする有価証券の支払期日以後に納期限の到来する国税

三 号

前二号に掲げる国税のほか、滞納に係る国税で、その納付につき納税者が誠実な意思を有し、 かつ、その納付の委託を受けることが国税の徴収上有利と認められるもの

2項

税務署の当該職員は、前項の委託を受けたときは、納付受託証書を交付しなければならない。

3項

第一項の委託があつた場合において、必要があるときは、 税務署の当該職員は、確実と認める金融機関にその取立て 及び納付の再委託をすることができる。

4項

第一項の委託があつた場合において、 その委託に係る有価証券の提供により同項第一号に掲げる国税につき国税に関する法律の規定による担保の提供の必要がないと認められるに至つたときは、その認められる限度において当該担保の提供があつたものとすることができる。

第五章 国税の還付及び還付加算金

1項

国税局長、税務署長 又は税関長は、還付金 又は国税に係る過誤納金(以下「還付金等」という。)があるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。

2項

国税局長は、必要があると認めるときは、 その管轄区域内の地域を所轄する税務署長から その還付すべき還付金等について還付の引継ぎを受けることができる。

1項

国税局長、税務署長 又は税関長は、還付金等がある場合において、その還付を受けるべき者につき納付すべきこととなつている国税その納める義務が信託財産責任負担債務である国税に係る還付金等である場合には その納める義務が当該信託財産責任負担債務である国税に限るものとし、その納める義務が信託財産責任負担債務である国税に係る還付金等でない場合には その納める義務が信託財産限定責任負担債務である国税以外の国税に限る)があるときは、前条第一項の規定による還付に代えて、還付金等をその国税に充当しなければならない。


この場合において、その国税のうちに延滞税 又は利子税があるときは、その還付金等は、まず延滞税 又は利子税の計算の基礎となる国税に充当しなければならない。

2項

前項の規定による充当があつた場合には、 政令で定める充当をするのに適することとなつた時に、その充当をした還付金等に相当する額の国税の納付があつたものとみなす。

3項

国税局長、税務署長 又は税関長は、第一項の規定による充当をしたときは、 その旨をその充当に係る国税を納付すべき者に通知しなければならない。

1項

国税局長、税務署長 又は税関長は、還付金等を還付し、又は充当する場合には、次の各号に掲げる還付金等の区分に従い当該各号に定める日の翌日から その還付のための支払決定の日 又は その充当の日(同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日)までの期間(他の国税に関する法律に別段の定めがある場合には、その定める期間)の日数に応じ、その金額に年七・三パーセントの割合を乗じて計算した金額(以下「還付加算金」という。)をその還付し、又は充当すべき金額に加算しなければならない。

一 号

還付金 及び次に掲げる過納金

当該還付金 又は過納金に係る国税の納付があつた日(その日が当該国税の法定納期限前である場合には、当該法定納期限

更正 若しくは第二十五条決定)の規定による決定 又は賦課決定(以下「更正決定等」という。)により納付すべき税額が確定した国税(当該国税に係る延滞税 及び利子税を含む。)に係る過納金(次号に掲げるものを除く

納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税で 納税の告知があつたもの(当該国税に係る延滞税を含む。)に係る過納金

又はに掲げる過納金に類する国税に係る過納金として政令で定めるもの

二 号

更正の請求に基づく更正(当該請求に対する処分に係る不服申立て 又は訴えについての決定 若しくは裁決 又は判決を含む。)により納付すべき税額が減少した国税(当該国税に係る延滞税 及び利子税を含む。)に係る過納金

その更正の請求があつた日の翌日から起算して三月を経過する日と当該更正があつた日の翌日から起算して一月を経過する日とのいずれか早い日(その日が当該国税の法定納期限前である場合には、当該法定納期限

三 号

前二号に掲げる過納金以外の国税に係る過誤納金

その過誤納となつた日として政令で定める日の翌日から起算して一月を経過する日

2項

前項の場合において、次の各号いずれかに該当するときは、当該各号に定める期間を同項に規定する期間から控除する。

一 号

還付金等の請求権につき民事執行法昭和五十四年法律第四号)の規定による差押命令 又は差押処分が発せられたとき。

その差押命令 又は差押処分の送達を受けた日の翌日から七日を経過した日までの期間

二 号

還付金等の請求権につき仮差押えがされたとき。

その仮差押えがされている期間

3項

二回以上の分割納付に係る国税につき過誤納が生じた場合には、その過誤納金については、その過誤納の金額に達するまで、 納付の日の順序に従い最後に納付された金額から順次遡つて求めた金額の過誤納からなるものとみなして、第一項の規定を適用する。

4項

適法に納付された国税が、その適法な納付に影響を及ぼすことなく その納付すべき額を変更する法律の規定に基づき過納となつたときは、 その過納金については、これを第一項第三号に掲げる過誤納金とその過納となつた日を同号に掲げる日とそれぞれみなして、同項の規定を適用する。

5項

申告納税方式による国税の納付があつた場合において、その課税標準の計算の基礎となつた事実のうちに含まれていた無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われたこと、 当該事実のうちに含まれていた取り消しうべき行為が取り消されたこと その他 これらに準ずる政令で定める理由に基づきその国税について更正(更正の請求に基づく更正を除く)が行なわれたときは、その更正により過納となつた金額に相当する国税(その附帯税で当該更正に伴い過納となつたものを含む。)については、 その更正があつた日の翌日から起算して一月を経過する日を第一項各号に掲げる日とみなして、同項の規定を適用する。

1項

納税者は、次に掲げる国税として納付する旨を税務署長に申し出て納付した金額があるときは、 その還付を請求することができない

一 号

納付すべき税額の確定した国税で、その納期が到来していないもの

二 号

最近において納付すべき税額の確定することが確実であると認められる国税

2項

前項の規定に該当する納付があつた場合において、 その納付に係る国税の全部 又は一部につき国税に関する法律の改正 その他の理由によりその納付の必要がないこととなつたときは、その時に国税に係る過誤納があつたものとみなして、前三条の規定を適用する。

第六章 附帯税

第一節 延滞税及び利子税

1項

納税者は、次の各号いずれかに該当するときは、延滞税を納付しなければならない。

一 号

期限内申告書を提出した場合において、 当該申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき。

二 号

期限後申告書 若しくは修正申告書を提出し、又は更正 若しくは第二十五条決定)の規定による決定を受けた場合において、第三十五条第二項申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき国税があるとき。

三 号

納税の告知を受けた場合において、 当該告知により納付すべき国税(第五号に規定する国税、不納付加算税、重加算税 及び過怠税を除く)をその法定納期限後に納付するとき。

四 号

予定納税に係る所得税をその法定納期限までに完納しないとき。

五 号

源泉徴収等による国税をその法定納期限までに完納しないとき。

2項

延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限(純損失の繰戻し等による還付金額が過大であつたことにより納付すべきこととなつた国税、輸入の許可を受けて保税地域から 引き取られる物品に対する消費税等(石油石炭税法第十七条第三項(引取りに係る原油等についての石油石炭税の納付等)の規定により納付すべき石油石炭税を除く)その他政令で定める国税については、政令で定める日。次条第二項第一号において同じ。)の翌日から その国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納の税額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額とする。


ただし、納期限(延納 又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日。以下 この項 並びに第六十三条第一項第四項 及び第五項納税の猶予等の場合の延滞税の免除)において同じ。)までの期間 又は納期限の翌日から二月を経過する日までの期間については、その未納の税額に年七・三パーセントの割合を乗じて計算した額とする。

3項

第一項の納税者は、 延滞税をその額の計算の基礎となる国税にあわせて納付しなければならない。

4項

延滞税は、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする。

1項

修正申告書(偽り その他不正の行為により国税を免れ、又は国税の還付を受けた納税者が当該国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知して提出した当該申告書(次項において「特定修正申告書」という。)を除く)の提出 又は更正(偽り その他不正の行為により国税を免れ、又は国税の還付を受けた納税者についてされた当該国税に係る更正(同項において「特定更正」という。)を除く)があつた場合において、次の各号いずれかに該当するときは、当該申告書の提出 又は更正により納付すべき国税については、前条第二項に規定する期間から当該各号に定める期間を控除して、同項の規定を適用する。

一 号

その申告 又は更正に係る国税について期限内申告書が提出されている場合において、 その法定申告期限から一年を経過する日後に当該修正申告書が提出され、又は当該更正に係る更正通知書が発せられたとき

その法定申告期限から 一年を経過する日の翌日から当該修正申告書が提出され、又は当該更正に係る更正通知書が発せられた日までの期間

二 号

その申告 又は更正に係る国税について期限後申告書(還付金の還付を受けるための納税申告書で政令で定めるもの(以下「還付請求申告書」という。)を含む。以下 この号 及び次項において同じ。)が提出されている場合において、その期限後申告書の提出があつた日の翌日から起算して一年を経過する日後に当該修正申告書が提出され、又は当該更正に係る更正通知書が発せられたとき

その期限後申告書の提出があつた日の翌日から起算して一年を経過する日の翌日から 当該修正申告書が提出され、又は当該更正に係る更正通知書が発せられた日までの期間

2項

修正申告書の提出 又は納付すべき税額を増加させる更正(これに類するものとして政令で定める更正を含む。以下 この項において「増額更正」という。)があつた場合において、その申告 又は増額更正に係る国税について期限内申告書 又は期限後申告書が提出されており、かつ、当該期限内申告書 又は期限後申告書の提出により納付すべき税額を減少させる更正(これに類するものとして政令で定める更正を含む。以下 この項において「減額更正」という。)があつた後に当該修正申告書の提出 又は増額更正があつたときは、当該修正申告書の提出 又は増額更正により納付すべき国税(当該期限内申告書 又は期限後申告書に係る税額(還付金の額に相当する税額を含む。)に達するまでの部分として政令で定める国税に限る。以下 この項において同じ。)については、前項の規定にかかわらず前条第二項に規定する期間から 次に掲げる期間(特定修正申告書の提出 又は特定更正により納付すべき国税 その他の政令で定める国税にあつては、第一号に掲げる期間に限る)を控除して、同項の規定を適用する。

一 号

当該期限内申告書 又は期限後申告書の提出により納付すべき税額の納付があつた日(その日が当該国税の法定納期限前である場合には、当該法定納期限)の翌日から当該減額更正に係る更正通知書が発せられた日までの期間

二 号

当該減額更正に係る更正通知書が発せられた日(当該減額更正が更正の請求に基づく更正である場合には、同日の翌日から起算して一年を経過する日)の翌日から当該修正申告書が提出され、 又は当該増額更正に係る更正通知書が発せられた日までの期間

3項

源泉徴収等による国税で次の各号に掲げる国税のいずれかに該当するものについては、前条第二項に規定する期間から当該各号に定める期間を控除して、同項の規定を適用する。


ただし、その国税を法定納期限までに納付しなかつたことについて偽り その他不正の行為がある場合(第二号に掲げる国税については、当該国税についての調査があつたことにより当該国税について第三十六条第一項納税の告知)の規定による納税の告知があるべきことを予知して納付されたときに限る)は、この限りでない。

一 号

法定納期限から一年を経過する日後に納税告知書が発せられた国税

その法定納期限から一年を経過する日の翌日から当該告知書が発せられた日までの期間

二 号

前号に掲げるものを除き、法定納期限から一年を経過する日後に納付された国税

その法定納期限から一年を経過する日の翌日から当該納付の日までの期間

1項

延滞税の額の計算の基礎となる国税の一部が納付されたときは、 その納付の日の翌日以後の期間に係る延滞税の額の計算の基礎となる税額は、その納付された税額を控除した金額とする。

2項

第六十条第三項延滞税の納付)の規定により延滞税をあわせて納付すべき場合において、 納税者の納付した金額がその延滞税の額の計算の基礎となる国税の額に達するまでは、その納付した金額は、まずその計算の基礎となる国税に充てられたものとする。

1項

第四十六条第一項 若しくは第二項第一号第二号 若しくは第五号同項第一号 又は第二号に該当する事実に類する事実に係る部分に限る)(災害等による納税の猶予)の規定による納税の猶予(以下 この項において「災害等による納税の猶予」という。)若しくは国税徴収法第百五十三条第一項滞納処分の停止)の規定による滞納処分の執行の停止をした場合 又は第四十六条第二項第三号第四号 若しくは第五号同項第三号 又は第四号に該当する事実に類する事実に係る部分に限る)若しくは第三項の規定による納税の猶予(以下 この項において「事業の廃止等による納税の猶予」という。)若しくは同法第百五十一条第一項 若しくは第百五十一条の二第一項換価の猶予の要件等)の規定による換価の猶予をした場合には、その猶予 又は停止をした国税に係る延滞税のうち、それぞれ、その災害等による納税の猶予 若しくは当該執行の停止をした期間に対応する部分の金額に相当する金額 又は その事業の廃止等による納税の猶予 若しくは当該換価の猶予をした期間(当該国税の納期限の翌日から 二月を経過する日後の期間に限る)に対応する部分の金額の二分の一に相当する金額は、免除する。


ただし第四十九条第一項納税の猶予の取消し)(同法第百五十二条第三項 又は第四項換価の猶予に係る分割納付、通知等)において準用する場合を含む。)又は同法第百五十四条第一項滞納処分の停止の取消し)の規定による取消しの基因となるべき事実が生じた場合には、その生じた日以後の期間に対応する部分の金額については、国税局長、税務署長 又は税関長は、その免除をしないことができる。

2項

第十一条期限の延長)の規定により国税の納期限を延長した場合には、 その国税に係る延滞税のうちその延長をした期間に対応する部分の金額は、免除する。

3項

納税の猶予 又は国税徴収法第百五十一条第一項 若しくは第百五十一条の二第一項の規定による換価の猶予をした場合において、納税者が次の各号いずれかに該当するときは、国税局長、税務署長 又は税関長は、その猶予をした国税に係る延滞税(前二項の規定による免除に係る部分を除く。以下 この項において同じ。)につき、猶予をした期間(当該国税を当該期間内に納付しなかつたことについてやむを得ない理由があると国税局長、税務署長 又は税関長が認める場合には、猶予の期限の翌日から 当該やむを得ない理由がやんだ日までの期間を含む。)に対応する部分の金額で その納付が困難と認められるものを限度として、免除することができる。

一 号

納税者の財産の状況が著しく不良で、納期 又は弁済期の到来した地方税 若しくは公課 又は債務について軽減 又は免除しなければ、 その事業の継続 又は生活の維持が著しく困難になると認められる場合において、その軽減 又は免除がされたとき。

二 号

納税者の事業 又は生活の状況によりその延滞税の納付を困難とするやむを得ない理由があると認められるとき。

4項

第二十三条第五項ただし書(更正の請求と国税の徴収との関係)その他の国税に関する法律の規定により国税の徴収を猶予した場合には、 その猶予をした国税に係る延滞税につき、その猶予をした期間のうち当該国税の納期限の翌日から二月を経過する日後の期間(前三項の規定により延滞税の免除がされた場合には、当該免除に係る期間に該当する期間を除く)に対応する部分の金額の二分の一に相当する金額は、免除する。

5項

国税局長、税務署長 又は税関長は、滞納に係る国税の全額を徴収するために必要な財産につき差押え(租税条約等の規定に基づき当該租税条約等の相手国等に共助対象国税の徴収の共助 又は徴収のための財産の保全の共助を要請した場合における当該相手国等が当該共助対象国税について当該相手国等の法令に基づいて行う差押えに相当する処分を含む。以下 この項において同じ。)をし、 又は納付すべき税額に相当する担保の提供(租税条約等の規定に基づき当該租税条約等の相手国等に共助対象国税の徴収の共助 又は徴収のための財産の保全の共助を要請した場合における当該相手国等が当該共助対象国税について当該相手国等の法令に基づいて受ける担保の提供を含む。以下 この項において同じ。)を受けた場合には、その差押え 又は担保の提供に係る国税を計算の基礎とする延滞税につき、その差押え 又は担保の提供がされている期間のうち、 当該国税の納期限の翌日から 二月を経過する日後の期間(前各項の規定により延滞税の免除がされた場合には、当該免除に係る期間に該当する期間を除く)に対応する部分の金額の二分の一に相当する金額を限度として、免除することができる。

6項

国税局長、税務署長 又は税関長は、次の各号いずれかに該当する場合には、当該各号に規定する国税に係る延滞税(前各項の規定による免除に係る部分を除く)につき、当該各号に掲げる期間に対応する部分の金額を限度として、免除することができる。

一 号

第五十五条第三項納付委託)(第五十二条第六項保証人からの徴収)又は国税徴収法第三十二条第三項第二次納税義務者からの徴収)において準用する場合を含む。)の規定による有価証券の取立て 及び国税の納付の再委託を受けた金融機関が当該有価証券の取立てをすべき日後に当該国税の納付をした場合(同日後にその納付があつたことにつき当該有価証券の取立てを委託した者の責めに帰すべき事由がある場合を除く

同日の翌日から その納付があつた日までの期間

二 号

納税貯蓄組合法昭和二十六年法律第百四十五号)第六条第一項(租税納付の委託)の規定による国税の納付の委託を受けた同法第二条第二項(定義)に規定する指定金融機関(国税の収納をすることができるものを除く)がその委託を受けた日後に当該国税の納付をした場合(同日後にその納付があつたことにつき納税者の責めに帰すべき事由がある場合を除く

同日の翌日から その納付があつた日までの期間

三 号

震災、風水害、火災 その他 これらに類する災害により、国税を納付することができない事由が生じた場合

その事由が生じた日から その事由が消滅した日以後 七日を経過した日までの期間

四 号

前三号いずれかに該当する事実に類する事実が生じた場合で政令で定める場合

政令で定める期間

1項

延納 若しくは物納 又は納税申告書の提出期限の延長に係る国税の納税者は、 国税に関する法律の定めるところにより、当該国税にあわせて利子税を納付しなければならない。

2項

利子税の額の計算の基礎となる期間は、第六十条第二項延滞税)に規定する期間に算入しない。

3項

第六十条第四項第六十一条第二項延滞税の額の計算の基礎となる期間の特例)、第六十二条一部納付が行われた場合の延滞税の額の計算等)並びに前条第二項 及び第六項の規定は、利子税について準用する。


この場合において、

第六十一条第二項
前項の規定にかかわらず、前条第二項に規定する期間から 次に掲げる期間(特定修正申告書の提出 又は特定更正により納付すべき国税 その他の政令で定める国税にあつては、第一号に掲げる期間に限る。)」とあるのは、
「利子税の額の計算の基礎となる期間から 当該期限内申告書 又は期限後申告書の提出により納付すべき税額の納付があつた日(その日が第六十四条第一項利子税)の提出期限前である場合には、当該提出期限)の翌日から 法定申告期限までの期間」と

読み替えるものとする。

第二節 加算税

1項

期限内申告書(還付請求申告書を含む。第三項において同じ。)が提出された場合(期限後申告書が提出された場合において、次条第一項ただし書 又は第七項の規定の適用があるときを含む。)において、 修正申告書の提出 又は更正があつたときは、当該納税者に対し、その修正申告 又は更正に基づき第三十五条第二項期限後申告等による納付)の規定により納付すべき税額に百分の十の割合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の五の割合)を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する。

2項

前項の規定に該当する場合(第五項の規定の適用がある場合を除く)において、前項に規定する納付すべき税額(同項の修正申告 又は更正前に当該修正申告 又は更正に係る国税について修正申告書の提出 又は更正があつたときは、その国税に係る累積増差税額を加算した金額)がその国税に係る期限内申告税額に相当する金額と五十万円とのいずれか多い金額を超えるときは、同項の過少申告加算税の額は、同項の規定にかかわらず同項の規定により計算した金額に、その超える部分に相当する税額(同項に規定する納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは、当該納付すべき税額)に百分の五の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

3項

前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

累積増差税額

第一項の修正申告 又は更正前にされた その国税についての修正申告書の提出 又は更正に基づき第三十五条第二項の規定により納付すべき税額の合計額(当該国税について、当該納付すべき税額を減少させる更正 又は更正に係る不服申立て 若しくは訴えについての決定、裁決 若しくは判決による原処分の異動があつたときは これらにより減少した部分の税額に相当する金額を控除した金額とし、次項の規定の適用があつたときは同項の規定により控除すべきであつた金額を控除した金額とする。

二 号

期限内申告税額

期限内申告書(次条第一項ただし書 又は第七項の規定の適用がある場合には、期限後申告書を含む。次項第二号において同じ。)の提出に基づき第三十五条第一項 又は第二項の規定により納付すべき税額(これらの申告書に係る国税について、次に掲げる金額があるときは当該金額を加算した金額とし、所得税、法人税、地方法人税、相続税 又は消費税に係るこれらの申告書に記載された還付金の額に相当する税額があるときは当該税額を控除した金額とする。

所得税法第九十五条外国税額控除)若しくは第百六十五条の六非居住者に係る外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額、第一項の修正申告若しくは更正に係る同法第百二十条第一項第四号確定所得申告)(同法第百六十六条申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)に規定する源泉徴収税額に相当する金額、同法第百二十条第二項同法第百六十六条において準用する場合を含む。)に規定する予納税額又は災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律昭和二十二年法律第百七十五号)第二条(所得税の軽減又は免除)の規定により軽減若しくは免除を受けた所得税の額

法人税法第二条第三十八号(定義)に規定する中間納付額、同法第六十八条(所得税額の控除)(同法第百四十四条(外国法人に係る所得税額の控除)において準用する場合を含む。)、第六十九条(外国税額の控除)若しくは第百四十四条の二(外国法人に係る外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額又は同法第九十条(退職年金等積立金に係る中間申告による納付)(同法第百四十五条の五(申告及び納付)において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき法人税の額(その額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の法人税の額

地方法人税法第二条第十八号(定義)に規定する中間納付額、同法第十二条(外国税額の控除)の規定による控除をされるべき金額 又は同法第二十条第二項(中間申告による納付)の規定により納付すべき地方法人税の額(その額につき修正申告書の提出 又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の地方法人税の額

相続税法第二十条の二在外財産に対する相続税額の控除)、第二十一条の八在外財産に対する贈与税額の控除)、第二十一条の十五第三項 及び第二十一条の十六第四項相続時精算課税に係る相続税額)の規定による控除をされるべき金額

消費税法第二条第一項第二十号定義)に規定する中間納付額

4項

次の各号に掲げる場合には、第一項 又は第二項に規定する納付すべき税額から当該各号に定める税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して、これらの項の規定を適用する。

一 号

第一項 又は第二項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となつた事実のうちにその修正申告 又は更正前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかつたことについて正当な理由があると認められるものがある場合

その正当な理由があると認められる事実に基づく税額

二 号

第一項の修正申告 又は更正前に当該修正申告 又は更正に係る国税について期限内申告書の提出により納付すべき税額を減少させる更正 その他 これに類するものとして政令で定める更正(更正の請求に基づく更正を除く)があつた場合

当該期限内申告書に係る税額(還付金の額に相当する税額を含む。)に達するまでの税額

5項

第一項の規定は、修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査に係る第七十四条の九第一項第四号 及び第五号納税義務者に対する調査の事前通知等)に掲げる事項 その他政令で定める事項の通知(次条第六項において「調査通知」という。)がある前に行われたものであるときは、適用しない

1項

次の各号いずれかに該当する場合には、当該納税者に対し、当該各号に規定する申告、更正 又は決定に基づき第三十五条第二項期限後申告等による納付)の規定により納付すべき税額に百分の十五の割合(期限後申告書 又は第二号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正 又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、百分の十の割合)を乗じて計算した金額に相当する無申告加算税を課する。


ただし、期限内申告書の提出がなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。

一 号

期限後申告書の提出 又は第二十五条決定)の規定による決定があつた場合

二 号

期限後申告書の提出 又は第二十五条の規定による決定があつた後に修正申告書の提出 又は更正があつた場合

2項

前項の規定に該当する場合(同項ただし書 又は第七項の規定の適用がある場合を除く)において、前項に規定する納付すべき税額(同項第二号の修正申告書の提出 又は更正があつたときは、その国税に係る累積納付税額を加算した金額)が五十万円を超えるときは、同項の無申告加算税の額は、同項の規定にかかわらず同項の規定により計算した金額に、 その超える部分に相当する税額(同項に規定する納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは、当該納付すべき税額)に百分の五の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

3項

前項において、累積納付税額とは、第一項第二号の修正申告書の提出 又は更正前にされた その国税についての次に掲げる納付すべき税額の合計額(当該国税について、当該納付すべき税額を減少させる更正 又は更正 若しくは第二十五条の規定による決定に係る不服申立て 若しくは訴えについての決定、裁決 若しくは判決による原処分の異動があつたときは これらにより減少した部分の税額に相当する金額を控除した金額とし、第五項において準用する前条第四項第一号に係る部分に限る。以下 この項 及び第五項において同じ。)の規定の適用があつたときは同条第四項の規定により控除すべきであつた金額を控除した金額とする。)をいう。

一 号

期限後申告書の提出 又は第二十五条の規定による決定に基づき第三十五条第二項の規定により納付すべき税額

二 号

修正申告書の提出 又は更正に基づき第三十五条第二項の規定により納付すべき税額

4項

第一項の規定に該当する場合(同項ただし書 若しくは第七項の規定の適用がある場合 又は期限後申告書 若しくは第一項第二号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正 又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合を除く)において、その期限後申告書 若しくは修正申告書の提出 又は更正 若しくは決定があつた日の前日から起算して五年前の日までの間に、その申告 又は更正 若しくは決定に係る国税の属する税目について、無申告加算税(期限後申告書 又は同号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正 又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合において課されたものを除く)又は重加算税(第六十八条第四項重加算税)において「無申告加算税等」という。)を課されたことがあるときは、第一項の無申告加算税の額は、同項 及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、第一項に規定する納付すべき税額に百分の十の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

5項

前条第四項の規定は、第一項第二号の場合について準用する。

6項

期限後申告書 又は第一項第二号の修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正 又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合において、 その申告に係る国税についての調査通知がある前に行われたものであるときは、その申告に基づき第三十五条第二項の規定により納付すべき税額に係る第一項の無申告加算税の額は、同項 及び第二項の規定にかかわらず、当該納付すべき税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額とする。

7項

第一項の規定は、期限後申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について第二十五条の規定による決定があるべきことを予知してされたものでない場合において、期限内申告書を提出する意思があつたと認められる場合として政令で定める場合に該当してされたものであり、 かつ、法定申告期限から一月を経過する日までに行われたものであるときは、適用しない

1項

源泉徴収等による国税がその法定納期限までに完納されなかつた場合には、税務署長 又は税関長は、当該納税者から、納税の告知(第三十六条第一項納税の告知)の規定による納税の告知(同項第二号に係るものに限る)をいう。次項において同じ。)に係る税額 又は その法定納期限後に当該告知を受けることなく納付された税額に百分の十の割合を乗じて計算した金額に相当する不納付加算税を徴収する。


ただし、当該告知 又は納付に係る国税を法定納期限までに納付しなかつたことについて正当な理由があると認められる場合は、この限りでない。

2項

源泉徴収等による国税が納税の告知を受けることなく その法定納期限後に納付された場合において、 その納付が、当該国税についての調査があつたことにより当該国税について当該告知があるべきことを予知してされたものでないときは、その納付された税額に係る前項の不納付加算税の額は、同項の規定にかかわらず、当該納付された税額に百分の五の割合を乗じて計算した金額とする。

3項

第一項の規定は、前項の規定に該当する納付がされた場合において、その納付が法定納期限までに納付する意思があつたと認められる場合として政令で定める場合に該当してされたものであり、 かつ、当該納付に係る源泉徴収等による国税が法定納期限から一月を経過する日までに納付されたものであるときは、適用しない

1項

第六十五条第一項過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く)において、 納税者がその国税の課税標準等 又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部 又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、 当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。

2項

第六十六条第一項無申告加算税)の規定に該当する場合(同項ただし書 若しくは同条第七項の規定の適用がある場合 又は納税申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正 又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合を除く)において、納税者がその国税の課税標準等 又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部 又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、 又は仮装したところに基づき法定申告期限までに納税申告書を提出せず、又は 法定申告期限後に納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る無申告加算税に代え、 当該基礎となるべき税額に百分の四十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。

3項

前条第一項の規定に該当する場合(同項ただし書 又は同条第二項 若しくは第三項の規定の適用がある場合を除く)において、 納税者が事実の全部 又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づきその国税をその法定納期限までに納付しなかつたときは、税務署長 又は税関長は、当該納税者から、不納付加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る不納付加算税に代え、 当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を徴収する。

4項

前三項の規定に該当する場合において、これらの規定に規定する税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されたものに基づき期限後申告書 若しくは修正申告書の提出、更正 若しくは第二十五条決定)の規定による決定 又は納税の告知(第三十六条第一項納税の告知)の規定による納税の告知(同項第二号に係るものに限る)をいう。以下 この項において同じ。)若しくは納税の告知を受けることなくされた納付があつた日の前日から起算して五年前の日までの間に、 その申告、更正 若しくは決定 又は告知 若しくは納付に係る国税の属する税目について、無申告加算税等を課され、又は徴収されたことがあるときは、前三項の重加算税の額は、これらの規定にかかわらず、これらの規定により計算した金額に、これらの規定に規定する基礎となるべき税額に百分の十の割合を乗じて計算した金額を加算した金額とする。

1項

過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税 及び重加算税(以下「加算税」という。)は、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする。

第七章 国税の更正、決定、徴収、還付等の期間制限

第一節 国税の更正、決定等の期間制限

1項

次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限 又は日から五年第二号に規定する課税標準申告書の提出を要する国税で当該申告書の提出があつたものに係る賦課決定(納付すべき税額を減少させるものを除く)については、三年)を経過した日以後においては、することができない

一 号

更正 又は決定

その更正 又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については当該申告書を提出した日とし、還付請求申告書の提出がない場合にする決定 又は その決定後にする更正については政令で定める日とする。

二 号

課税標準申告書の提出を要する国税に係る賦課決定

当該申告書の提出期限

三 号

課税標準申告書の提出を要しない賦課課税方式による国税に係る賦課決定

その納税義務の成立の日

2項

法人税に係る純損失等の金額で当該課税期間において生じたものを増加させ、若しくは減少させる更正 又は当該金額があるものとする更正は、前項の規定にかかわらず同項第一号に定める期限から十年を経過する日まで、することができる。

3項

前二項の規定により更正をすることができないこととなる日前六月以内にされた更正の請求に係る更正 又は当該更正に伴つて行われることとなる加算税についてする賦課決定は、前二項の規定にかかわらず、当該更正の請求があつた日から六月を経過する日まで、することができる。

4項

第一項の規定により賦課決定をすることができないこととなる日前三月以内にされた納税申告書の提出(源泉徴収等による国税の納付を含む。以下 この項において同じ。)に伴つて行われることとなる無申告加算税(第六十六条第六項無申告加算税)の規定の適用があるものに限る) 又は不納付加算税(第六十七条第二項不納付加算税)の規定の適用があるものに限る)についてする賦課決定は、第一項の規定にかかわらず、当該納税申告書の提出があつた日から三月を経過する日まで、することができる。

5項

次の各号に掲げる更正決定等は、第一項 又は前二項の規定にかかわらず第一項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限 又は日から七年を経過する日まで、することができる。

一 号

偽り その他不正の行為によりその全部 若しくは一部の税額を免れ、 又は その全部 若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税 及び過怠税を含む。)についての更正決定等

二 号

偽り その他不正の行為により当該課税期間において生じた純損失等の金額が過大にあるものとする納税申告書を提出していた場合における当該申告書に記載された当該純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)についての更正(第二項 又は第三項の規定の適用を受ける法人税に係る純損失等の金額に係るものを除く

三 号

所得税法第六十条の二第一項から 第三項まで国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)又は第六十条の三第一項から 第三項まで贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用がある場合(第百十七条第二項納税管理人)の規定による納税管理人の届出 及び税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第三十条(税務代理の権限の明示)(同法第四十八条の十六(税理士の権利 及び義務等に関する規定の準用)において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出がある場合 その他の政令で定める場合を除く)の所得税(当該所得税に係る加算税を含む。第七十三条第三項時効の完成猶予 及び更新)において「国外転出等特例の適用がある場合の所得税」という。)についての更正決定等

1項

更正決定等で次の各号に掲げるものは、当該各号に定める期間の満了する日が前条の規定により更正決定等をすることができる期間の満了する日後に到来する場合には、同条の規定にかかわらず当該各号に定める期間においても、することができる。

一 号

更正決定等に係る不服申立て 若しくは訴えについての裁決、決定 若しくは判決(以下 この号において「裁決等」という。)による原処分の異動 又は更正の請求に基づく更正に伴つて課税標準等 又は税額等に異動を生ずべき国税(当該裁決等 又は更正に係る国税の属する税目に属するものに限る)で当該裁決等 又は更正を受けた者に係るものについての更正決定等

当該裁決等 又は更正があつた日から六月間

二 号

申告納税方式による国税につき、その課税標準の計算の基礎となつた事実のうちに含まれていた無効な行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われたこと、 当該事実のうちに含まれていた取り消しうべき行為が取り消されたこと その他 これらに準ずる政令で定める理由に基づいてする更正(納付すべき税額を減少させる更正 又は純損失等の金額で当該課税期間において生じたもの若しくは還付金の額を増加させる更正 若しくは これらの金額があるものとする更正に限る)又は当該更正に伴い当該国税に係る加算税についてする賦課決定

当該理由が生じた日から三年間

三 号

更正の請求をすることができる期限について第十条第二項期間の計算 及び期限の特例)又は第十一条災害等による期限の延長)の規定の適用がある場合における当該更正の請求に係る更正 又は当該更正に伴つて行われることとなる加算税についてする賦課決定

当該更正の請求があつた日から六月間

四 号

に掲げる事由が生じた場合において、に掲げる事由に基づいてする更正決定等

の租税条約等の相手国等に対しの要請に係る書面が発せられた日から三年間

国税庁、国税局 又は税務署の当該職員が納税者にその国税に係る国外取引(非居住者(所得税法第二条第一項第五号定義)に規定する非居住者をいう。において同じ。)若しくは外国法人(法人税法第二条第四号(定義)に規定する外国法人をいう。において同じ。)との間で行う資産の販売、資産の購入、役務の提供 その他の取引 又は非居住者 若しくは外国法人が提供する場を利用して行われる資産の販売、資産の購入、役務の提供 その他の取引をいう。)又は国外財産(相続税法第二十条の二在外財産に対する相続税額の控除)に規定する財産をいう。)に関する書類(その作成 又は保存に代えて電磁的記録の作成 又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)又はその写しの提示 又は提出を求めた場合において、その提示 又は提出を求めた日から六十日を超えない範囲内においてその準備に通常要する日数を勘案して当該職員が指定する日までにその提示 又は提出がなかつたこと(当該納税者の責めに帰すべき事由がない場合を除く)。

国税庁長官(その委任を受けた者を含む。)が租税条約等の規定に基づき当該租税条約等の相手国等にの国外取引 又は国外財産に関する情報の提供の要請をした場合(当該要請が前条の規定により更正決定等をすることができないこととなる日の六月前の日以後にされた場合を除くものとし、当該要請をした旨のの納税者への通知が当該要請をした日から三月以内にされた場合に限る)において、その国税に係る課税標準等 又は税額等に関し、当該相手国等から提供があつた情報に照らし非違があると認められること。

2項

前項第一号に規定する当該裁決等 又は更正を受けた者には、当該受けた者が分割等(分割、現物出資、法人税法第二条第十二号の五の二に規定する現物分配 又は同法第六十一条の十一第一項(完全支配関係がある法人の間の取引の損益)の規定の適用を受ける同項に規定する譲渡損益調整資産の譲渡をいう。以下 この項において同じ。)に係る分割法人等(同法第二条第十二号の二に規定する分割法人、同条第十二号の四に規定する現物出資法人、同条第十二号の五の二に規定する現物分配法人 又は同法第六十一条の十一第一項に規定する譲渡損益調整資産を譲渡した法人をいう。以下 この項において同じ。)である場合には当該分割等に係る分割承継法人等(同法第二条第十二号の三に規定する分割承継法人、同条第十二号の五に規定する被現物出資法人、同条第十二号の五の三に規定する被現物分配法人 又は同法第六十一条の十一第二項に規定する譲受法人をいう。以下 この項において同じ。)を含むものとし、当該受けた者が分割等に係る分割承継法人等である場合には当該分割等に係る分割法人等を含むものとし、当該受けた者が同法第二条第十二号の七の二に規定する通算法人(以下 この項 及び第七十四条の二第四項当該職員の所得税等に関する調査に係る質問検査権)において「通算法人」という。)である場合には 他の通算法人を含むものとする。

第二節 国税の徴収権の消滅時効

1項

国税の徴収を目的とする国の権利(以下 この節において「国税の徴収権」という。)は、その国税の法定納期限(第七十条第三項国税の更正、決定等の期間制限)の規定による更正 若しくは賦課決定、同条第四項の規定による賦課決定、前条第一項第一号の規定による更正決定等、同項第三号の規定による更正 若しくは賦課決定 又は同項第四号の規定による更正決定等により納付すべきものについては、第七十条第三項 若しくは前条第一項第一号 若しくは第三号に規定する更正、第七十条第四項に規定する賦課決定、前条第一項第一号に規定する裁決等 又は同項第四号に規定する更正決定等があつた日とし、還付請求申告書に係る還付金の額に相当する税額が過大であることにより納付すべきもの及び国税の滞納処分費については、これらにつき徴収権を行使することができる日とし、過怠税については、その納税義務の成立の日とする。次条第三項において同じ。)から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。

2項

国税の徴収権の時効については、 その援用を要せず、また、その利益を放棄することができないものとする。

3項

国税の徴収権の時効については、この節に別段の定めがあるものを除き民法の規定を準用する。

1項

国税の徴収権の時効は、次の各号に掲げる処分に係る部分の国税については、当該各号に定める期間は完成せず、 その期間を経過した時から新たにその進行を始める。

一 号

更正 又は決定

その更正 又は決定により納付すべき国税の第三十五条第二項第二号申告納税方式による国税等の納付)の規定による納期限までの期間

二 号

過少申告加算税、無申告加算税 又は重加算税(第六十八条第一項第二項 又は第四項同条第一項 又は第二項の重加算税に係る部分に限る)(重加算税)の重加算税に限る)に係る賦課決定

その賦課決定により納付すべき これらの国税の第三十五条第三項の規定による納期限までの期間

三 号

納税に関する告知(賦課決定通知書が発せられた国税に係るもの(賦課決定通知書の送達に代え、口頭で賦課決定の通知がされた国税に係るものを含む。)を除く

当該告知に係る納税告知書が発せられた日(当該告知が当該告知書の送達に代え、口頭でされた場合には、当該告知がされた日

四 号

督促

督促状 又は督促のための納付催告書を発した日から起算して十日を経過した日(同日前に国税徴収法第四十七条第二項差押えの要件)の規定により差押えがされた場合には、そのされた日)までの期間

五 号

交付要求

その交付要求がされている期間(国税徴収法第八十二条第二項交付要求の手続)の通知がされていない期間があるときは、その期間を除く

2項

前項第五号の交付要求に係る強制換価手続が取り消された場合においても、同項の規定による時効の完成猶予 及び更新は、その効力を妨げられない。

3項

国税の徴収権で、偽り その他不正の行為によりその全部 若しくは一部の税額を免れ、若しくは その全部 若しくは一部の税額の還付を受けた国税 又は国外転出等特例の適用がある場合の所得税に係るものの時効は、当該国税の法定納期限から二年間は、進行しない。


ただし、当該法定納期限の翌日から同日以後二年を経過する日までの期間内に次の各号に掲げる行為 又は処分があつた場合においては当該各号に掲げる行為 又は処分の区分に応じ当該行為 又は処分に係る部分の国税ごとに当該各号に定める日の翌日から、当該法定納期限までに当該行為 又は処分があつた場合においては当該行為 又は処分に係る部分の国税ごとに当該法定納期限の翌日から進行する。

一 号

納税申告書の提出

当該申告書が提出された日

二 号

更正決定等(加算税に係る賦課決定を除く

当該更正決定等に係る更正通知書 若しくは決定通知書 又は賦課決定通知書が発せられた日(当該更正決定等に係る賦課決定通知書の送達に代え、口頭で賦課決定の通知がされた場合には、当該賦課決定の通知がされた日

三 号

納税に関する告知(賦課決定通知書が発せられた国税に係るもの(賦課決定通知書の送達に代え、口頭で賦課決定の通知がされた国税に係るものを含む。)を除く

当該告知に係る納税告知書が発せられた日(当該告知が当該告知書の送達に代え、口頭でされた場合には、当該告知がされた日

四 号

納税の告知を受けることなくされた源泉徴収等による国税の納付

当該納付の日

4項

国税の徴収権の時効は、延納、納税の猶予 又は徴収 若しくは滞納処分に関する猶予に係る部分の国税(当該部分の国税に併せて納付すべき延滞税 及び利子税を含む。)につき、 その延納 又は猶予がされている期間内は、進行しない。

5項

国税(附帯税、過怠税 及び国税の滞納処分費を除く)についての国税の徴収権の時効が完成せず、又は新たにその進行を始めるときは、 その完成せず、又は新たにその進行を始める部分の国税に係る延滞税 又は利子税についての国税の徴収権の時効は、完成せず、又は新たにその進行を始める。

6項

国税(附帯税、過怠税 及び国税の滞納処分費を除く)が納付されたときは、 その納付された部分の国税に係る延滞税 又は利子税についての国税の徴収権の時効は、その納付の時から 新たにその進行を始める。

第三節 還付金等の消滅時効

1項

還付金等に係る国に対する請求権は、 その請求をすることができる日から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。

2項

第七十二条第二項 及び第三項国税の徴収権の消滅時効の絶対的効力等)の規定は、前項の場合について準用する。

第七章の二 国税の調査

1項

国税庁、国税局 若しくは税務署(以下「国税庁等」という。)又は税関の当該職員(税関の当該職員にあつては、消費税に関する調査(第百三十一条第一項質問、検査 又は領置等)に規定する犯則事件の調査を除く。以下この章において同じ。)を行う場合に限る)は、所得税、法人税、地方法人税 又は消費税に関する調査について必要があるときは、次の各号に掲げる調査の区分に応じ、当該各号に定める者に質問し、その者の事業に関する帳簿書類 その他の物件(税関の当該職員が行う調査にあつては、課税貨物(消費税法第二条第一項第十一号定義)に規定する課税貨物をいう。第四号イにおいて同じ。)若しくは輸出物品(同法第八条第一項輸出物品販売場における輸出物品の譲渡に係る免税)に規定する物品をいう。第四号イにおいて同じ。)又は これらの帳簿書類 その他の物件とする。)を検査し、又は当該物件(その写しを含む。次条から 第七十四条の六まで当該職員の質問検査権)において同じ。)の提示 若しくは提出を求めることができる。

一 号

所得税に関する調査

次に掲げる者

所得税法の規定による所得税の納税義務がある者 若しくは納税義務があると認められる者 又は同法第百二十三条第一項確定損失申告)、第百二十五条第三項年の中途で死亡した場合の確定申告)若しくは第百二十七条第三項年の中途で出国をする場合の確定申告)(これらの規定を同法第百六十六条申告、納付 及び還付)において準用する場合を含む。)の規定による申告書を提出した者

所得税法第二百二十五条第一項支払調書 及び支払通知書)に規定する調書、同法第二百二十六条第一項から 第三項まで源泉徴収票)に規定する源泉徴収票 又は同法第二百二十七条から 第二百二十八条の三の二まで信託の計算書等)に規定する計算書 若しくは調書を提出する義務がある者

に掲げる者に金銭 若しくは物品の給付をする義務があつたと認められる者 若しくは当該義務があると認められる者 又はに掲げる者から金銭 若しくは物品の給付を受ける権利があつたと認められる者 若しくは当該権利があると認められる者

二 号

法人税 又は地方法人税に関する調査

次に掲げる者

法人(法人税法第二条第二十九号の二(定義)に規定する法人課税信託の引受けを行う個人を含む。第四項において同じ。

に掲げる者に対し、金銭の支払 若しくは物品の譲渡をする義務があると認められる者 又は金銭の支払 若しくは物品の譲渡を受ける権利があると認められる者

三 号

消費税に関する調査(次号に掲げるものを除く

次に掲げる者

消費税法の規定による消費税の納税義務がある者 若しくは納税義務があると認められる者 又は同法第四十六条第一項還付を受けるための申告)の規定による申告書を提出した者

に掲げる者に金銭の支払 若しくは資産の譲渡等(消費税法第二条第一項第八号に規定する資産の譲渡等をいう。以下この条において同じ。)をする義務があると認められる者 又はに掲げる者から金銭の支払 若しくは資産の譲渡等を受ける権利があると認められる者

四 号

消費税に関する調査(税関の当該職員が行うものに限る

次に掲げる者

課税貨物を保税地域から引き取る者 又は輸出物品を消費税法第八条第一項に規定する方法により購入したと認められる者

に掲げる者に金銭の支払 若しくは資産の譲渡等をする義務があると認められる者 又はに掲げる者から金銭の支払 若しくは資産の譲渡等を受ける権利があると認められる者

2項

分割があつた場合の前項第二号の規定の適用については、分割法人(法人税法第二条第十二号の二に規定する分割法人をいう。次条第三項において同じ。)は前項第二号ロに規定する物品の譲渡をする義務があると認められる者に、 分割承継法人(同法第二条第十二号の三に規定する分割承継法人をいう。次条第三項において同じ。)は前項第二号ロに規定する物品の譲渡を受ける権利があると認められる者に、それぞれ含まれるものとする。

3項

分割があつた場合の第一項第三号 又は第四号の規定の適用については、消費税法第二条第一項第六号に規定する分割法人は第一項第三号ロ 又は第四号ロに規定する資産の譲渡等をする義務があると認められる者と、同条第一項第六号の二に規定する分割承継法人は第一項第三号ロ 又は第四号ロに規定する資産の譲渡等を受ける権利があると認められる者と、それぞれみなす。

4項

第一項に規定する国税庁等の当該職員のうち、国税局 又は税務署の当該職員は、法人税 又は地方法人税に関する調査にあつては 法人の納税地の所轄国税局 又は所轄税務署の当該職員(通算法人の各事業年度の所得に対する法人税 又は当該法人税に係る地方法人税に関する調査に係る他の通算法人に対する同項の規定による質問、検査 又は提示 若しくは提出の要求にあつては当該通算法人の納税地の所轄国税局 又は所轄税務署の当該職員を、納税地の所轄国税局 又は所轄税務署以外の国税局 又は税務署の所轄区域内に本店、支店、工場、営業所 その他 これらに準ずるものを有する法人に対する法人税 又は地方法人税に関する調査にあつては当該国税局 又は税務署の当該職員を、それぞれ含む。)に、消費税に関する調査にあつては消費税法第二条第一項第四号に規定する事業者の納税地の所轄国税局 又は所轄税務署の当該職員(納税地の所轄国税局 又は所轄税務署以外の国税局 又は税務署の所轄区域内に住所、居所、本店、支店、事務所、事業所 その他 これらに準ずるものを有する第一項第三号イに掲げる者に対する消費税に関する調査にあつては、当該国税局 又は税務署の当該職員を含む。)に、それぞれ限るものとする。

5項

法人税等(法人税、地方法人税 又は消費税をいう。以下 この項において同じ。)についての調査通知(第六十五条第五項過少申告加算税)に規定する調査通知をいう。以下 この項において同じ。)があつた後にその納税地に異動があつた場合において、その異動前の納税地(以下 この項において「旧納税地」という。)を所轄する国税局長 又は税務署長が必要があると認めるときは、旧納税地の所轄国税局 又は所轄税務署の当該職員は、その異動後の納税地の所轄国税局 又は所轄税務署の当該職員に代わり、当該法人税等に関する調査(当該調査通知に係るものに限る)に係る第一項第二号 又は第三号に定める者に対し、同項の規定による質問、検査 又は提示 若しくは提出の要求をすることができる。


この場合において、前項の規定の適用については、

同項
あつては法人の納税地」とあるのは
「あつては法人の旧納税地(次項に規定する旧納税地をいう。以下 この項において同じ。)」と、

同項」とあるのは
第一項」と、

通算法人の納税地」とあるのは
「通算法人の旧納税地」と、

、納税地」とあるのは
「、旧納税地」と、

事業者の納税地」とあるのは
「事業者の旧納税地」と、

(納税地」とあるのは
「(旧納税地」と

する。

1項

国税庁等の当該職員は、相続税 若しくは贈与税に関する調査 若しくは相続税 若しくは贈与税の徴収 又は地価税に関する調査について必要があるときは、次の各号に掲げる調査 又は徴収の区分に応じ、当該各号に定める者に質問し、第一号イに掲げる者の財産若しくは第二号イから ハまでに掲げる者の土地等(地価税法第二条第一号(定義)に規定する土地等をいう。以下この条において同じ。)若しくは当該財産 若しくは当該土地等に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めることができる。

一 号

相続税 若しくは贈与税に関する調査 又は相続税 若しくは贈与税の徴収

次に掲げる者

相続税法の規定による相続税 又は贈与税の納税義務がある者 又は納税義務があると認められる者(以下 この号 及び次項において「納税義務がある者等」という。

相続税法第五十九条調書の提出)に規定する調書を提出した者 又は その調書を提出する義務があると認められる者

納税義務がある者等に対し、債権 若しくは債務を有していたと認められる者 又は債権 若しくは債務を有すると認められる者

納税義務がある者等が株主 若しくは出資者であつたと認められる法人 又は株主 若しくは出資者であると認められる法人

納税義務がある者等に対し、財産を譲渡したと認められる者 又は財産を譲渡する義務があると認められる者

納税義務がある者等から、財産を譲り受けたと認められる者 又は財産を譲り受ける権利があると認められる者

納税義務がある者等の財産を保管したと認められる者 又は その財産を保管すると認められる者

二 号

地価税に関する調査

次に掲げる者

地価税法の規定による地価税の納税義務がある者 又は納税義務があると認められる者

に掲げる者に土地等の譲渡(地価税法第二条第二号に規定する借地権等の設定 その他 当該土地等の使用 又は収益をさせる行為を含む。において同じ。)をしたと認められる者 若しくはに掲げる者から土地等の譲渡を受けたと認められる者又は これらの譲渡の代理 若しくは媒介をしたと認められる者

に掲げる者の有する土地等を管理し、又は管理していたと認められる者

2項

国税庁等の当該職員は、納税義務がある者等に係る相続税 若しくは贈与税に関する調査 又は当該相続税 若しくは贈与税の徴収について必要があるときは、 公証人の作成した公正証書の原本のうち当該納税義務がある者等に関する部分の閲覧を求め、又は その内容について公証人に質問することができる。

3項

分割があつた場合の第一項第二号の規定の適用については、 分割法人は同号ロに規定する土地等の譲渡をしたと認められる者に、分割承継法人は同号ロに規定する土地等の譲渡を受けたと認められる者に、それぞれ含まれるものとする。

4項

第一項に規定する国税庁等の当該職員のうち、国税局 又は税務署の当該職員は、 地価税に関する調査にあつては、土地等を有する者の納税地の所轄国税局 又は所轄税務署の当該職員(納税地の所轄国税局 又は所轄税務署以外の国税局 又は税務署の所轄区域内に住所、居所、本店、支店、事務所、事業所 その他 これらに準ずるものを有する同項第二号イに掲げる者に対する地価税に関する調査にあつては、当該国税局 又は税務署の当該職員を含む。)に限るものとする。

1項

国税庁等 又は税関の当該職員(以下において「当該職員」という。)は、酒税に関する調査について必要があるときは、酒類製造者等(酒類製造者(酒税法(昭和二十八年法律第六号)第七条第一項(酒類の製造免許)に規定する酒類製造者をいう。以下この条において同じ。)、酒母(同法第三条第二十四号(その他の用語の定義)に規定する酒母をいう。以下この条において同じ。)若しくはもろみ(同法第三条第二十五号に規定するもろみをいう。以下この条において同じ。)の製造者、酒類(同法第二条第一項(酒類の定義 及び種類)に規定する酒類をいう。以下この条において同じ。)の販売業者 又は特例輸入者(同法第三十条の六第三項(納期限の延長)に規定する特例輸入者をいう。第四号において同じ。)をいう。第三項において同じ。)に対して質問し、これらの者について次に掲げる物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めることができる。

一 号

酒類製造者が所持する酒類、酒母、もろみ 又は酒類の製造の際生じた副産物

二 号

酒母の製造者が所持する酒母

三 号

もろみの製造者が所持する酒母 又はもろみ

四 号

酒類の販売業者 又は特例輸入者が所持する酒類

五 号

酒類、酒母 若しくはもろみの製造、貯蔵 若しくは販売又は酒類の保税地域からの引取りに関する一切の帳簿書類

六 号

酒類、酒母 又はもろみの製造、貯蔵又は販売上必要な建築物、 機械、器具、容器 又は原料その他の物件

2項

当該職員は、前項第一号から 第四号までに掲げる 物件又は その原料を検査するため必要があるときは、これらの物件 又は その原料について、必要最少限度の分量の見本を採取することができる。

3項

当該職員は、酒類製造者等に原料を譲渡する義務があると認められる者その他自己の事業に関し酒類製造者等と取引があると 認められる者に対して質問し、これらの者の業務に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めることができる。

4項

当該職員は、酒税の徴収上 必要があると認めるときは、酒類製造者又は酒税法第十条第二号(製造免許等の要件)に規定する酒類販売業者の組織する団体(当該団体をもつて組織する団体を含む。)に対してその団体員の酒類の製造 若しくは販売に関し 参考となるべき事項を質問し、当該団体の帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めることができる。

5項

国税庁等の当該職員は、検査のため必要があると認めるときは、酒類製造者 若しくは酒母 若しくはもろみの製造者の製造場にある酒類、酒母 若しくはもろみの移動を禁止し、又は取締り上必要があると認めるときは、酒類製造者の製造場にある次に掲げる物件に封を施すことができる。


ただし第二号の物件について封を施すことができる箇所は、政令で定める。

一 号

酒類の原料(原料用酒類を含む。)の容器

二 号

使用中の蒸留機(配管装置を含む。) 及び酒類の輸送管(流量計を含む。

三 号

酒類の製造 又は貯蔵に使用する機械、器具 又は容器で使用を休止しているもの

1項

国税庁等 又は税関の当該職員(税関の当該職員にあつては、印紙税に関する調査を行う場合を除く)は、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、 石油ガス税、石油石炭税、国際観光旅客税 又は印紙税に関する調査について必要があるときは、次の各号に掲げる 調査の区分に応じ、当該各号に定める 行為をすることができる。

一 号

たばこ税に関する調査

次に掲げる行為

たばこ税法昭和五十九年法律第七十二号) 第二十五条(記帳義務)に規定する者に対して質問し、これらの者の業務に関する製造たばこ(同法第三条(課税物件)に規定する製造たばこをいう。以下 この号において同じ。)若しくは帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

製造たばこを保税地域から 引き取る者に対して質問し、又は その引き取る 製造たばこを検査すること。

に規定する者の業務に関する製造たばこ又はに規定する製造たばこについて必要最少限度の分量の見本を採取すること。

又はに規定する者に原料を譲渡する義務があると認められる者その他自己の事業に関し 又はに規定する者と 取引があると認められる者に対して質問し、これらの者の業務に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

二 号

揮発油税 又は地方揮発油税に関する調査

次に掲げる行為

揮発油税法昭和三十二年法律第五十五号) 第二十四条(記帳義務)に規定する者に対して質問し、これらの者の業務に関する揮発油(同法第二条第一項(定義)に規定する揮発油(同法第六条(揮発油等とみなす場合)の規定により揮発油とみなされる物を含む。)をいう。以下 この号において同じ。)若しくは帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

揮発油を保税地域から 引き取る者に対して質問し、又は その引き取る揮発油を検査すること。

に規定する者の業務に関する揮発油又はに規定する揮発油について必要最少限度の分量の見本を採取すること。

又はに規定する者に原料を譲渡する義務があると認められる者その他自己の事業に関し 又はに規定する者と 取引があると認められる者に対して質問し、これらの者の業務に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

三 号

石油ガス税に関する調査

次に掲げる行為

石油ガス税法昭和四十年法律第百五十六号) 第二十四条(記帳義務)に規定する者に対して質問し、これらの者の業務に関する石油ガス(同法第二条第一号(定義)に規定する石油ガスをいう。以下 この号において同じ。)、石油ガスの容器 若しくは帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

課税石油ガス(石油ガス税法第三条(課税物件)に規定する課税石油ガスをいう。以下 この号において同じ。)を保税地域から 引き取る者に対して質問し、又は その引き取る課税石油ガス 及び自動車用の石油ガス容器(同法第二条第三号に規定する自動車用の石油ガス容器をいう。)を検査すること。

に規定する者の業務に関する石油ガス又はに規定する課税石油ガスについて必要最少限度の分量の見本を採取すること。

又はに規定する者に石油ガスを譲渡する義務があると認められる者その他自己の事業に関し 又はに規定する者と 取引があると認められる者に対して質問し、これらの者の業務に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

四 号

石油石炭税に関する調査

次に掲げる行為

石油石炭税法第二十一条(記帳義務)に規定する者に対して質問し、これらの者の業務に関する原油等(同法第四条第二項(納税義務者)に規定する原油等をいう。以下 この号において同じ。)若しくは帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

原油等を保税地域から 引き取る者(石油石炭税法第十五条第一項(引取りに係る原油等についての課税標準 及び税額の申告等の特例)の承認を受けている者を除く)に対して質問し、又は その引き取る原油等を検査すること。

に規定する者の業務に関する原油等 又はに規定する原油等について必要最少限度の分量の見本を採取すること。

又はに規定する者に原油等を譲渡する義務があると認められる者その他自己の事業に関し 又はに規定する者と 取引があると認められる者に対して質問し、これらの者の業務に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

五 号

国際観光旅客税に関する調査

次に掲げる行為

次に掲げる者に対して質問し、その者の業務に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

(1)

国際観光旅客税法の規定による国際観光旅客税の納税義務がある者又は納税義務があると認められる者

(2)

国際観光旅客税法 第十六条第一項(国内事業者による特別徴収等) 又は第十七条第一項(国外事業者による特別徴収等)の規定により国際観光旅客税を徴収して納付する義務がある者又は その義務があると認められる者

イ(2)に掲げる者の委託を受けて 運賃の領収を行う者その他自己の事業に関しに規定する者と 取引があると認められる者に対して質問し、これらの者の業務に関する帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

六 号

印紙税に関する調査

次に掲げる行為

印紙税法の規定による印紙税の納税義務がある者若しくは納税義務があると 認められる者に対して質問し、これらの者の業務に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

課税文書(印紙税法第三条第一項(納税義務者)に規定する課税文書をいう。において同じ。)の交付を受けた者 若しくは課税文書の交付を受けたと認められる者に対して質問し、当該課税文書を検査し、又は当該課税文書(その写しを含む。)の提示 若しくは提出を求めること。

印紙税法第十条第一項(印紙税納付計器の使用による納付の特例)に規定する印紙税納付計器の販売業者 若しくは同項に規定する納付印の製造業者 若しくは販売業者に対して質問し、これらの者の業務に関する帳簿書類 その他の物件を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めること。

1項

国税庁等の当該職員は、航空機燃料税 又は電源開発促進税に関する調査について必要があるときは、次の各号に掲げる調査の区分に応じ、当該各号に定める者に質問し、 その帳簿書類 その他の物件(第一号ロ 又は第二号ロに掲げる者に対する調査にあつては、その事業に関する帳簿書類 その他の物件に限る)を検査し、又は当該物件の提示 若しくは提出を求めることができる。

一 号

航空機燃料税に関する調査

次に掲げる者

航空機の所有者等(航空機燃料税法(昭和四十七年法律第七号)第十四条第一項(課税標準 及び税額の申告)に規定する航空機の所有者等をいう。次項において同じ。

に掲げる者に対し航空機燃料(航空機燃料税法第二条第二号(定義)に規定する航空機燃料をいう。 及び次項において同じ。)を譲渡する義務があると認められる者(その者の委託を受けて航空機燃料の貯蔵、運搬 又は積込みを行う者を含む。) その他自己の事業に関しに掲げる者と取引があると認められる者

二 号

電源開発促進税に関する調査

次に掲げる者

一般送配電事業者(電源開発促進税法(昭和四十九年法律第七十九号)第二条第二号(定義)に規定する一般送配電事業者をいう。次項において同じ。

一般送配電事業者等(電源開発促進税法(昭和四十九年法律第七十九号)第二条第二号(定義)に規定する一般送配電事業者等をいう。次項において同じ。

2項

前項に規定する国税庁等の当該職員のうち、国税局 又は税務署の当該職員は、航空機燃料税に関する調査にあつては 航空機の所有者等の納税地の所轄国税局 又は所轄税務署の当該職員(納税地の所轄国税局 又は所轄税務署以外の国税局 又は税務署の所轄区域内に、住所、居所、事務所、事業所、航空機燃料の保管場所 その他 これらに準ずるものを有する航空機の所有者等に対する航空機燃料税に関する調査にあつては、当該国税局 又は税務署の当該職員を含む。)に、電源開発促進税に関する調査にあつては 一般送配電事業者等の納税地の所轄国税局 又は所轄税務署の当該職員(納税地の所轄国税局 又は所轄税務署以外の国税局 又は税務署の所轄区域内に、営業所、事務所 その他の事業場 又は電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十八号(定義)に規定する電気工作物を有する一般送配電事業者等に対する電源開発促進税に関する調査にあつては、当該国税局 又は税務署の当該職員を含む。)に、それぞれ限るものとする。

1項

国税庁等 又は税関の当該職員は、国税の調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。

1項

所轄国税局長は、特定取引の相手方となり、又は特定取引の場を提供する事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)又は官公署(以下この条において「特定事業者等」という。)に、特定取引者に係る特定事項について、特定取引者の範囲を定め、六十日を超えない範囲内においてその準備に通常要する日数を勘案して定める日までに、報告することを求めることができる。

2項

前項の規定による処分は、国税に関する調査について必要がある場合において次の各号いずれかに 該当するときに限り、することができる。

一 号

当該特定取引者が行う特定取引と同種の取引を行う者に対する国税に関する過去の調査において、当該取引に係る所得の金額その他の特定の税目の課税標準が千万円を超える者のうち半数を超える数の者について、当該取引に係る当該税目の課税標準等 又は税額等につき更正決定等(第三十六条第一項第二号に係る部分に限る)(納税の告知)の規定による納税の告知を含む。)をすべきと認められている場合

二 号

当該特定取引者がその行う特定取引に係る物品 又は役務を用いることにより特定の税目の課税標準等 又は税額等について国税に関する法律の規定に違反する事実を生じさせることが推測される場合

三 号

当該特定取引者が行う 特定取引の態様が経済的必要性の観点から 通常の場合にはとられない 不合理なものであることから、当該特定取引者が当該特定取引に係る特定の税目の課税標準等 又は税額等について国税に関する法律の規定に違反する事実を生じさせることが推測される場合

3項

この条において、次の各号に掲げる 用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

所轄国税局長

特定事業者等の住所 又は居所の所在地を所轄する国税局長をいう。

二 号

特定取引

電子情報処理組織を使用して行われる事業者等(事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)又は官公署をいう。以下 この号において同じ。)との取引、事業者等が電子情報処理組織を使用して提供する場を利用して行われる取引 その他の取引のうち第一項の規定による処分によらなければ これらの取引を行う者を特定することが困難である取引をいう。

三 号

特定取引者

特定取引を行う者(特定事業者等を除き前項第一号に掲げる場合に該当する場合にあつては、特定の税目について千万円の課税標準を生じ得る取引金額を超える同号の特定取引を行う者に限る)をいう。

四 号

特定事項

次に掲げる事項をいう。

氏名(法人については、名称

住所 又は居所

番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第五項(定義)に規定する個人番号(第百二十四条(書類提出者の氏名、住所及び番号の記載)において「個人番号」という。)又は同法第二条第十五項に規定する法人番号をいう。以下同じ。

4項

所轄国税局長は、第一項の規定による処分をしようとする場合には、あらかじめ、国税庁長官の承認を受けなければならない。

5項

第一項の規定による処分は、所轄国税局長が、 特定事業者等に対し、同項に規定する特定取引者の範囲その他 同項の規定により報告を求める事項及び同項に規定する期日を書面で通知することにより行う。

6項

所轄国税局長は、第一項の規定による処分をするに当たつては、特定事業者等の事務負担に配慮しなければならない。

1項

第七十四条の二から 第七十四条の七まで当該職員の質問検査権等) 又は前条の規定による当該職員 又は国税局長の権限は、犯罪捜査のために認められたものと 解してはならない。

1項

税務署長等(国税庁長官、国税局長 若しくは税務署長 又は税関長をいう。以下第七十四条の十一調査の終了の際の手続)までにおいて同じ。)は、国税庁等 又は税関の当該職員(以下同条までにおいて「当該職員」という。)に納税義務者に対し実地の調査(税関の当該職員が行う調査にあつては、消費税等の課税物件の保税地域からの引取り後に行うもの又は国際観光旅客税について行うものに限る。以下同条までにおいて同じ。)において第七十四条の二から 第七十四条の六まで当該職員の質問検査権)の規定による質問、検査 又は提示 若しくは提出の要求(以下「質問検査等」という。)を行わせる場合には、あらかじめ、当該納税義務者(当該納税義務者について税務代理人がある場合には、当該税務代理人を含む。)に対し、その旨 及び次に掲げる事項を通知するものとする。

一 号

質問検査等を行う実地の調査(以下この条において単に「調査」という。)を開始する日時

二 号
調査を行う場所
三 号
調査の目的
四 号
調査の対象となる税目
五 号
調査の対象となる期間
六 号

調査の対象となる帳簿書類 その他の物件

七 号

その他調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項

2項

税務署長等は、前項の規定による通知を受けた納税義務者から 合理的な理由を付して同項第一号 又は第二号に掲げる 事項について変更するよう 求めがあつた場合には、当該事項について協議するよう努めるものとする。

3項

この条において、次の各号に掲げる 用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

納税義務者

第七十四条の二第一項第一号イ第二号イ第三号イ 及び第四号イ並びに第七十四条の三第一項第一号イ 及び第二号イに掲げる者、第七十四条の四第一項 並びに第七十四条の五第一号イ 及び第二号イ 及び第三号イ 及び第四号イ 及び第五号イ 並びに第六号イの規定により当該職員による質問検査等の対象となることとなる者 並びに第七十四条の六第一項第一号イ 及び第二号イに掲げる者

二 号

税務代理人

税理士法第三十条(税務代理の権限の明示)(同法第四十八条の十六(税理士の権利 及び義務等に関する規定の準用)において準用する場合を含む。)の書面を提出している税理士 若しくは税理士法人 又は同法第五十一条第一項(税理士業務を行う弁護士等)の規定による通知をした弁護士 若しくは同条第三項の規定による通知をした弁護士法人 若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人

4項

第一項の規定は、当該職員が、当該調査により当該調査に係る同項第三号から 第六号までに掲げる事項以外の事項について非違が疑われることとなつた場合において、当該事項に関し質問検査等を行うことを妨げるものではない。


この場合において、同項の規定は、当該事項に関する質問検査等については、適用しない

5項

納税義務者について税務代理人がある場合において、当該納税義務者の同意がある場合として財務省令で定める場合に該当するときは、当該納税義務者への第一項の規定による通知は、当該税務代理人に対してすれば足りる。

6項

納税義務者について税務代理人が数人ある場合において、当該納税義務者がこれらの税務代理人のうちから 代表する税務代理人を定めた場合として財務省令で定める場合に該当するときは、これらの税務代理人への第一項の規定による通知は、当該代表する税務代理人に対してすれば足りる。

1項

前条第一項の規定にかかわらず、税務署長等が調査の相手方である同条第三項第一号に掲げる納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の内容 又は その営む事業内容に関する情報 その他国税庁等若しくは税関が保有する情報に鑑み、 違法 又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等 又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、同条第一項の規定による通知を要しない。

1項

税務署長等は、国税に関する実地の調査を行つた結果、 更正決定等(第三十六条第一項第二号に係る部分に限る)(納税の告知)の規定による納税の告知を含む。以下この条において同じ。)をすべきと認められない場合には、納税義務者(第七十四条の九第三項第一号納税義務者に対する調査の事前通知等)に掲げる納税義務者をいう。以下この条において同じ。)であつて当該調査において質問検査等の相手方となつた者に対し、 その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を書面により通知するものとする。

2項

国税に関する調査の結果、更正決定等をすべきと認める場合には、 当該職員は、当該納税義務者に対し、その調査結果の内容(更正決定等をすべきと認めた額 及び その理由を含む。)を説明するものとする。

3項

前項の規定による説明をする場合において、当該職員は、当該納税義務者に対し修正申告 又は期限後申告を勧奨することができる。


この場合において、当該調査の結果に関し当該納税義務者が納税申告書を提出した場合には不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、その旨を記載した書面を交付しなければならない。

4項

実地の調査により質問検査等を行つた納税義務者について第七十四条の九第三項第二号に規定する税務代理人がある場合において、当該納税義務者の同意がある場合には、当該納税義務者への前三項に規定する通知、説明 又は交付(以下 この項において「通知等」という。)に代えて、当該税務代理人への通知等を行うことができる。

5項

第一項の通知をした後 又は第二項の調査(実地の調査に限る)の結果につき納税義務者から 修正申告書 若しくは期限後申告書の提出 若しくは源泉徴収等による国税の納付があつた後 若しくは更正決定等をした後においても、 当該職員は、新たに得られた情報に照らし非違があると認めるときは、第七十四条の二から 第七十四条の六まで当該職員の質問検査権)の規定に基づき、当該通知を受け、又は修正申告書 若しくは期限後申告書の提出 若しくは源泉徴収等による国税の納付をし、 若しくは更正決定等を受けた納税義務者に対し、質問検査等を行うことができる。

1項

国税庁等 又は税関の当該職員(税関の当該職員にあつては、消費税等 又は国際観光旅客税に関する調査を行う場合に限る)は、 国税に関する調査について必要があるときは、事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)又は官公署に、 当該調査に関し参考となるべき帳簿書類 その他の物件の閲覧 又は提供 その他の協力を求めることができる。

2項

国税庁等の当該職員は、酒税法第二章(酒類の製造免許 及び酒類の販売業免許等)の規定による免許に関する審査について必要があるときは、 官公署に、当該審査に関し参考となるべき帳簿書類 その他の物件の閲覧 又は提供 その他の協力を求めることができる。

1項

国税庁等 又は税関の当該職員は、第七十四条の二から 第七十四条の六まで当該職員の質問検査権)の規定による質問、検査、提示 若しくは提出の要求、閲覧の要求、採取、移動の禁止 若しくは封かんの実施をする場合又は前条の職務を執行する場合には、その身分を示す証明書を携帯し、 関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

1項

金融機関等(預金保険法(昭和四十六年法律第三十四号)第二条第一項各号(定義)に掲げる者 及び農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)第二条第一項(定義)に規定する農水産業協同組合をいう。以下この条において同じ。)は、政令で定めるところにより、預貯金者等情報(預貯金者等(預金保険法第二条第三項に規定する預金者等 及び農水産業協同組合貯金保険法第二条第三項に規定する貯金者等をいう。以下この条において同じ。)の氏名(法人については、名称。次条 及び第七十四条の十三の四第一項振替機関の加入者情報の管理等)において同じ。)及び住所 又は居所 その他預貯金等(預金保険法第二条第二項に規定する預金等 及び農水産業協同組合貯金保険法第二条第二項に規定する貯金等をいう。)の内容に関する事項であつて財務省令で定めるものをいう。)を当該金融機関等が保有する預貯金者等の番号により検索することができる状態で管理しなければならない。

1項

口座管理機関(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第四項(定義)に規定する口座管理機関(同法第四十四条第一項第十三号(口座管理機関の口座の開設)に掲げる者を除く)をいう。以下 この条 及び次条第二項において同じ。)は、政令で定めるところにより、 加入者情報(当該口座管理機関の加入者(同法第二条第三項に規定する加入者をいう。以下 この条 及び次条において同じ。)の氏名 及び住所 又は居所 その他社債等(同法第二条第一項に規定する社債等をいう。次条第一項において同じ。)の内容に関する事項であつて財務省令で定めるものをいう。)を当該口座管理機関が保有する当該加入者の番号により検索することができる状態で管理しなければならない。

1項

振替機関(社債、株式等の振替に関する法律第二条第二項(定義)に規定する振替機関をいう。以下この条において同じ。)は、政令で定めるところにより、加入者情報(当該振替機関 又は その下位機関(同法第二条第九項に規定する下位機関をいう。次項において同じ。)の加入者の氏名 及び住所 又は居所 その他株式等(社債等のうち財務省令で定めるものをいう。同項において同じ。)の内容に関する事項であつて財務省令で定めるものをいう。)を当該振替機関が保有する当該加入者の番号により検索することができる状態で管理しなければならない。

2項

振替機関は、国税に関する法律に基づき税務署長に調書を提出すべき者(株式等の発行者 又は口座管理機関に限る)から 当該振替機関 又は その下位機関の加入者(当該株式等についての権利を有する者 又は当該口座管理機関の加入者に限る。以下 この項において同じ。)の番号 その他財務省令で定める事項(以下 この項において「番号等」という。)の提供を求められたときは、政令で定めるところにより、当該調書を提出すべき者に対し、当該振替機関が保有する当該加入者の番号等を提供するものとする。

第七章の三 行政手続法との関係

1項

行政手続法平成五年法律第八十八号第三条第一項適用除外)に定めるもののほか、国税に関する法律に基づき行われる処分その他公権力の行使に当たる行為(酒税法第二章(酒類の製造免許 及び酒類の販売業免許等)の規定に基づくものを除く)については、行政手続法第二章申請に対する処分)(第八条理由の提示)を除く)及び第三章不利益処分)(第十四条不利益処分の理由の提示)を除く)の規定は、適用しない

2項

行政手続法第三条第一項第四条第一項 及び第三十五条第四項適用除外)に定めるもののほか、国税に関する法律に基づく納税義務の適正な実現を図るために行われる行政指導(同法第二条第六号定義)に規定する行政指導をいい、酒税法第二章 及び酒税の保全 及び酒類業組合等に関する法律(昭和二十八年法律第七号)に定める事項に関するものを除く)については、行政手続法第三十五条第三項行政指導に係る書面の交付)及び第三十六条複数の者を対象とする行政指導)の規定は、適用しない

3項

国税に関する法律に基づき国の機関以外の者が提出先とされている届出(行政手続法第二条第七号に規定する届出をいう。)については、同法第三十七条届出)の規定は、適用しない

第八章 不服審査及び訴訟

第一節 不服審査

第一款 総則

1項

国税に関する法律に基づく処分で次の各号に掲げるものに不服がある者は、当該各号に定める 不服申立てをすることができる。

一 号

税務署長、国税局長 又は税関長がした処分(次項に規定する処分を除く

次に掲げる不服申立てのうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立て

その処分をした 税務署長、国税局長又は税関長に対する再調査の請求

国税不服審判所長に対する審査請求

二 号

国税庁長官がした処分

国税庁長官に対する審査請求

三 号

国税庁、国税局、税務署 及び税関以外の行政機関の長又は その職員がした処分

国税不服審判所長に対する審査請求

2項

国税に関する法律に基づき税務署長がした処分で、その処分に係る事項に関する調査が次の各号に掲げる職員によつてされた旨の記載がある書面により通知されたものに不服がある者は、当該各号に定める国税局長 又は国税庁長官がその処分をしたものと それぞれみなして、国税局長がしたものと みなされた処分については当該国税局長に対する再調査の請求又は国税不服審判所長に対する審査請求のうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立てをし、国税庁長官がしたものと みなされた処分については国税庁長官に対する審査請求をすることができる。

一 号

国税局の当該職員

その処分をした税務署長の管轄区域を所轄する国税局長

二 号

国税庁の当該職員

国税庁長官

3項

第一項第一号イ 又は前項第一号に係る部分に限る)の規定による再調査の請求(法定の再調査の請求期間経過後にされたものその他 その請求が適法にされていないものを除く次項において同じ。)についての決定があつた場合において、当該再調査の請求をした者が当該決定を経た後の処分になお不服があるときは、その者は、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

4項

第一項第一号イ 又は第二項第一号に係る部分に限る)の規定による再調査の請求をしている者は、次の各号いずれかに 該当する場合には、当該再調査の請求に係る処分について、決定を経ないで、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。

一 号

再調査の請求をした日(第八十一条第三項再調査の請求書の記載事項等)の規定により不備を補正すべきことを求められた場合にあつては、当該不備を補正した日)の翌日から起算して三月を経過しても当該再調査の請求についての決定がない場合

二 号

その他再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合

5項

国税に関する法律に基づく処分で国税庁、国税局、税務署 又は税関の職員がしたものに不服がある場合には、それぞれ その職員の所属する国税庁、国税局、税務署 又は税関の長がその処分をしたものとみなして、第一項の規定を適用する。

1項

次に掲げる処分については、前条の規定は、適用しない

一 号

この節 又は行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号)の規定による処分 その他 前条の規定による不服申立て(第八十条第三項行政不服審査法との関係)を除き、以下「不服申立て」という。)についてした処分

二 号

行政不服審査法第七条第一項第七号適用除外)に掲げる処分

2項

この節の規定による処分 その他不服申立てについてする処分に係る不作為については、行政不服審査法第三条不作為についての審査請求)の規定は、適用しない

1項

不服申立て(第七十五条第三項 及び第四項再調査の請求後にする審査請求)の規定による審査請求を除く第三項において同じ。)は、処分があつたことを知つた日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない


ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

2項

第七十五条第三項の規定による審査請求は、第八十四条第十項決定の手続等)の規定による再調査決定書の謄本の送達があつた日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない


ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

3項

不服申立ては、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない


ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

4項

第二十二条郵送等に係る納税申告書等の提出時期)の規定は、不服申立てに係る再調査の請求書又は審査請求書について準用する。

1項

国税庁長官、 国税不服審判所長、国税局長、税務署長 又は税関長は、不服申立てがその事務所に到達してから当該不服申立てについての決定 又は裁決をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、その事務所における備付け その他の適当な方法により公にしておかなければならない。

1項

国税不服審判所は、国税に関する法律に基づく 処分についての審査請求(第七十五条第一項第二号 及び第二項第二号に係る部分に限る)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求を除く第三款審査請求)において同じ。)に対する裁決を行う機関とする。

2項

国税不服審判所の長は、 国税不服審判所長とし、国税庁長官が財務大臣の承認を受けて、任命する。

3項

国税不服審判所の事務の一部を取り扱わせるため、所要の地に支部を置く。

4項

前項の各支部に勤務する国税審判官のうち一人を首席国税審判官とする。


首席国税審判官は、当該支部の事務を総括する。

5項

国税不服審判所の組織 及び運営に関し必要な事項は政令で、支部の名称 及び位置は 財務省令で定める。

1項

国税不服審判所に国税審判官 及び国税副審判官を置く。

2項

国税審判官は、国税不服審判所長に対してされた審査請求に係る事件の調査 及び審理を行ない、国税副審判官は、 国税審判官の命を受け、その事務を整理する。

3項

国税副審判官のうち国税不服審判所長の指名する者は、国税審判官の職務を行なうことができる。


ただし、この法律において担当審判官の職務とされているものについては、この限りでない。

4項

国税審判官の資格は、 政令で定める。

1項

国税に関する法律に基づく 処分に対する不服申立て(次項に規定する審査請求を除く)については、この節 その他国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き行政不服審査法第二章 及び第三章不服申立てに係る手続)を除く)の定めるところによる。

2項

第七十五条第一項第二号 又は第二項第二号に係る部分に限る)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求については、この節次款 及び第三款審査請求)を除く)その他国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き行政不服審査法の定めるところによる。

3項

酒税法第二章(酒類の製造免許 及び酒類の販売業免許等)の規定による処分に対する不服申立てについては、行政不服審査法の定めるところによるものとし、この節の規定は、適用しない

第二款 再調査の請求

1項

再調査の請求は、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。

一 号

再調査の請求に係る処分の内容

二 号

再調査の請求に係る処分があつたことを知つた年月日(当該処分に係る通知を受けた場合には、その受けた年月日

三 号

再調査の請求の趣旨 及び理由

四 号
再調査の請求の年月日
2項

前項の書面(以下「再調査の請求書」という。)には、同項に規定する事項のほか、第七十七条第一項 又は第三項不服申立期間)に規定する期間の経過後に再調査の請求をする場合においては、同条第一項ただし書 又は第三項ただし書に規定する正当な理由を記載しなければならない。

3項

再調査の請求がされている税務署長 その他の行政機関の長(以下「再調査審理庁」という。)は、再調査の請求書が前二項 又は第百二十四条書類提出者の氏名、住所 及び番号の記載)の規定に違反する場合には、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを求めなければならない。


この場合において、不備が軽微なものであるときは、再調査審理庁は、職権で補正することができる。

4項

再調査の請求人は、前項の補正を求められた場合には、その再調査の請求に係る税務署 その他の行政機関に出頭して補正すべき事項について陳述し、その陳述の内容を当該行政機関の職員が録取した書面を確認することによつても、これをすることができる。

5項

第三項の場合において再調査の請求人が同項の期間内に不備を補正しないとき、又は再調査の請求が不適法であつて補正することができないことが明らかなときは、再調査審理庁は、第八十四条第一項から 第六項まで決定の手続等)に定める審理手続を経ないで、第八十三条第一項決定)の規定に基づき、決定で、当該再調査の請求を却下することができる。

1項

第七十五条第二項第一号に係る部分に限る)(国税局の職員の調査に係る処分についての再調査の請求)の規定による再調査の請求は、当該再調査の請求に係る処分をした税務署長を経由してすることもできる。


この場合において、再調査の請求人は、当該税務署長に再調査の請求書を提出してするものとする。

2項

前項の場合には、同項の税務署長は、直ちに、再調査の請求書を当該税務署長の管轄区域を所轄する国税局長に送付しなければならない。

3項

第一項の場合における再調査の請求期間の計算については、同項の税務署長に再調査の請求書が提出された時に再調査の請求がされたものとみなす。

1項

再調査の請求が法定の期間経過後にされたものである場合 その他不適法である場合には、再調査審理庁は、決定で、 当該再調査の請求を却下する。

2項

再調査の請求が理由がない場合には、再調査審理庁は、 決定で、当該再調査の請求を棄却する。

3項

再調査の請求が理由がある場合には、再調査審理庁は、決定で、当該再調査の請求に係る処分の全部 若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。


ただし、再調査の請求人の不利益に当該処分を変更することはできない

1項

再調査審理庁は、再調査の請求人 又は参加人(第百九条第三項参加人)に規定する参加人をいう。以下 この款 及び次款において同じ。)から申立てがあつた場合には、当該申立てをした者(以下この条において「申立人」という。)に口頭で再調査の請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。


ただし、当該申立人の所在 その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りでない。

2項

前項本文の規定による意見の陳述(以下この条において「口頭意見陳述」という。)は、再調査審理庁が期日 及び場所を指定し、再調査の請求人 及び参加人を招集してさせるものとする。

3項

口頭意見陳述において、申立人は、 再調査審理庁の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

4項

再調査審理庁は、 必要があると認める場合には、その行政機関の職員に口頭意見陳述を聴かせることができる。

5項

口頭意見陳述において、再調査審理庁 又は前項の職員は、 申立人のする陳述が事件に関係のない事項にわたる場合 その他相当でない場合には、これを制限することができる。

6項

再調査の請求人 又は参加人は、証拠書類 又は証拠物を提出することができる。


この場合において、再調査審理庁が、証拠書類 又は証拠物を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

7項

再調査の請求についての決定は、 主文 及び理由を記載し、再調査審理庁が記名押印した再調査決定書によりしなければならない。

8項

再調査の請求についての決定で当該再調査の請求に係る処分の全部 又は一部を維持する場合における前項に規定する理由においては、その維持される処分を正当とする理由が明らかにされていなければならない。

9項

再調査審理庁は、第七項の再調査決定書(再調査の請求に係る処分の全部を取り消す決定に係るものを除く)に、 再調査の請求に係る処分につき国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる旨(却下の決定である場合にあつては、当該却下の決定が違法な場合に限り審査請求をすることができる旨)及び審査請求期間を記載して、 これらを教示しなければならない。

10項

再調査の請求についての決定は、再調査の請求人(当該再調査の請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における前条第三項の規定による決定にあつては、再調査の請求人 及び処分の相手方)に再調査決定書の謄本が送達された時に、その効力を生ずる。

11項

再調査審理庁は、再調査決定書の謄本を参加人に送付しなければならない。

12項

再調査審理庁は、再調査の請求についての決定をしたときは、速やかに、第六項の規定により提出された証拠書類 又は証拠物をその提出人に返還しなければならない。

1項

所得税、法人税、地方法人税、相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税、電源開発促進税 又は国際観光旅客税(国際観光旅客税法第十八条第一項(国際観光旅客等による納付)の規定により納付すべきものを除く次条第一項において同じ。)に係る税務署長、国税局長 又は税関長(以下 この条 及び次条において「税務署長等」という。)の処分(国税の徴収に関する処分 及び滞納処分(その例による処分を含む。)を除く)又は第三十六条第一項納税の告知)の規定による納税の告知のうち同項第一号不納付加算税 及び第六十八条第三項 又は第四項同条第三項の重加算税に係る部分に限る)(重加算税)の重加算税に係る部分に限る)若しくは第二号に係るもの(以下 この条 及び次条第一項において単に「処分」という。)があつた時以後にその納税地に異動があつた場合において、その処分の際における納税地を所轄する税務署長等と当該処分について第七十五条第一項第一号イ 又は第二項第一号に係る部分に限る)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による再調査の請求をする際における納税地(以下この条において「現在の納税地」という。)を所轄する税務署長等とが異なることとなるときは、その再調査の請求は、これらの規定にかかわらず、現在の納税地を所轄する税務署長等に対してしなければならない。


この場合においては、その処分は、現在の納税地を所轄する税務署長等がしたものとみなす。

2項

前項の規定による再調査の請求をする者は、再調査の請求書にその処分に係る税務署、国税局 又は税関の名称を付記しなければならない。

3項

第一項の場合において、再調査の請求書がその処分に係る税務署長等に提出されたときは、当該税務署長等は、その再調査の請求書を受理することができる。


この場合においては、その再調査の請求書は、現在の納税地を所轄する税務署長等に提出されたものとみなす。

4項

前項の再調査の請求書を受理した税務署長等は、その再調査の請求書を現在の納税地を所轄する税務署長等に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない。

1項

所得税、法人税、地方法人税、 相続税、贈与税、地価税、課税資産の譲渡等に係る消費税、電源開発促進税又は国際観光旅客税に係る税務署長等の処分について再調査の請求がされている場合において、その処分に係る国税の納税地に異動があり、その再調査の請求がされている 税務署長等と異動後の納税地を所轄する税務署長等とが異なることとなるときは、当該再調査の請求がされている 税務署長等は、再調査の請求人の申立てにより、 又は職権で、当該再調査の請求に係る事件を異動後の納税地を所轄する税務署長等に移送することができる。

2項

前項の規定により再調査の請求に係る事件の移送があつたときは、その移送を受けた税務署長等に初めから 再調査の請求がされたものとみなし、当該税務署長等がその再調査の請求についての決定をする。

3項

第一項の規定により再調査の請求に係る事件を移送したときは、その移送をした税務署長等は、その再調査の請求に係る再調査の請求書 及び関係書類 その他の物件(以下「再調査の請求書等」という。)をその移送を受けた税務署長等に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人 及び参加人に通知しなければならない。

第三款 審査請求

1項

審査請求は、 政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。

一 号
審査請求に係る処分の内容
二 号

審査請求に係る処分があつたことを知つた年月日(当該処分に係る通知を受けた場合には その通知を受けた年月日とし、再調査の請求についての決定を経た後の処分について審査請求をする場合には再調査決定書の謄本の送達を受けた年月日とする。

三 号

審査請求の趣旨 及び理由

四 号
審査請求の年月日
2項

前項の書面(以下 この款において「審査請求書」という。)には、同項に規定する事項のほか、次の各号に掲げる場合においては、当該各号に定める事項を記載しなければならない。

一 号

第七十五条第四項第一号国税に関する処分についての不服申立て)の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合

再調査の請求をした年月日

二 号

第七十五条第四項第二号の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合

同号に規定する正当な理由

三 号

第七十七条第一項から第三項まで不服申立期間)に規定する期間の経過後において審査請求をする場合

これらの各項のただし書に規定する正当な理由

3項

第一項第三号に規定する趣旨は、処分の取消し 又は変更を求める範囲を明らかにするように記載するものとし、同号に規定する理由においては、処分に係る通知書 その他の書面により通知されている処分の理由に対する審査請求人の主張が明らかにされていなければ ならないものとする。

1項

審査請求は、審査請求に係る処分(当該処分に係る再調査の請求についての決定を含む。)をした行政機関の長を経由してすることもできる。


この場合において、審査請求人は、当該行政機関の長に審査請求書を提出してするものとする。

2項

前項の場合には、同項の行政機関の長は、 直ちに、審査請求書を国税不服審判所長に送付しなければならない。

3項

第一項の場合における審査請求期間の計算については、同項の行政機関の長に審査請求書が提出された時に審査請求がされたものとみなす。

1項

税務署長、国税局長 又は税関長に対して再調査の請求がされた場合において、当該税務署長、国税局長 又は税関長がその再調査の請求を審査請求として取り扱うことを適当と認めてその旨を再調査の請求人に通知し、かつ、当該再調査の請求人がこれに同意したときは、その同意があつた日に、 国税不服審判所長に対し、審査請求がされたものとみなす。

2項

前項の通知に係る書面には、再調査の請求に係る処分の理由が当該処分に係る通知書 その他の書面により処分の相手方に通知されている場合を除き、その処分の理由を付記しなければならない。

3項

第一項の規定に該当するときは、同項の再調査の請求がされている税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人 及び参加人に通知しなければならない。


この場合においては、その送付された再調査の請求書は、審査請求書とみなす。

1項

更正決定等(源泉徴収等による国税に係る納税の告知を含む。以下 この条第百四条併合審理等)及び第百十五条第一項第二号不服申立ての前置等)において同じ。)について審査請求がされている場合において、当該更正決定等に係る国税の課税標準等又は税額等(その国税に係る附帯税の額を含む。以下 この条第百四条 及び第百十五条第一項第二号において同じ。)についてされた 他の更正決定等について税務署長、国税局長 又は税関長に対し再調査の請求がされたときは、当該再調査の請求がされた 税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない。

2項

更正決定等について税務署長、国税局長 又は税関長に対し 再調査の請求がされている場合において、当該更正決定等に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた 他の更正決定等について審査請求がされたときは、当該再調査の請求がされている 税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人 及び参加人に通知しなければならない。

3項

前二項の規定により再調査の請求書等が国税不服審判所長に送付された場合には、その送付がされた日に、 国税不服審判所長に対し、当該再調査の請求に係る処分についての審査請求がされたものとみなす。

4項

前条第二項の規定は第一項 又は第二項の通知に係る書面について、同条第三項後段の規定は前項の場合について準用する。

1項

国税不服審判所長は、審査請求書が第八十七条審査請求書の記載事項等)又は第百二十四条書類提出者の氏名、住所 及び番号の記載)の規定に違反する場合には、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを求めなければならない。


この場合において、不備が軽微なものであるときは、国税不服審判所長は、職権で補正することができる。

2項

審査請求人は、前項の補正を求められた場合には、国税不服審判所に出頭して補正すべき事項について陳述し、その陳述の内容を国税不服審判所の職員が録取した 書面を確認することによつても、これをすることができる。

1項

前条第一項の場合において、審査請求人が同項の期間内に不備を補正しないときは、国税不服審判所長は、次条から 第九十七条の四まで担当審判官等の審理手続)に定める審理手続を経ないで、第九十八条第一項裁決)の規定に基づき、裁決で、当該審査請求を却下することができる。

2項

審査請求が不適法であつて補正することができないことが明らかなときも、前項と同様とする。

1項

審査請求人、参加人 及び次条第一項に規定する原処分庁(以下「審理関係人」という。)並びに担当審判官は、簡易迅速かつ公正な審理の実現のため、審理において、相互に協力するとともに、審理手続の計画的な進行を図らなければならない。

1項

国税不服審判所長は、審査請求書を受理したときは、その審査請求を第九十二条審理手続を経ないでする却下裁決)の規定により却下する場合を除き、相当の期間を定めて、審査請求の目的となつた処分に係る行政機関の長(第七十五条第二項第一号に係る部分に限る)(国税局の職員の調査に係る処分についての再調査の請求)に規定する処分にあつては、当該国税局長。以下「原処分庁」という。)から、答弁書を提出させるものとする。


この場合において、国税不服審判所長は、その受理した審査請求書を原処分庁に送付するものとする。

2項

前項の答弁書には、審査請求の趣旨 及び理由に対応して、原処分庁の主張を記載しなければならない。

3項

国税不服審判所長は、原処分庁から 答弁書が提出されたときは、これを審査請求人 及び参加人に送付しなければならない。

1項

国税不服審判所長は、審査請求に係る事件の調査 及び審理を行わせるため、担当審判官一名 及び参加審判官二名以上を指定する。

2項

国税不服審判所長が前項の規定により指定する者は、次に掲げる者以外の者で なければならない。

一 号

審査請求に係る処分又は当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者

二 号
審査請求人
三 号

審査請求人の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族

四 号
審査請求人の代理人
五 号

前二号に掲げる者であつた者

六 号

審査請求人の後見人、 後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人 又は補助監督人

七 号

第百九条第一項参加人)に規定する利害関係人

1項

審査請求人は、第九十三条第三項答弁書の送付)の規定により送付された答弁書に記載された事項に対する反論を記載した書面(以下 この条 及び第九十七条の四第二項第一号ロ審理手続の終結)において「反論書」という。)を提出することができる。


この場合において、担当審判官が、反論書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

2項

参加人は、審査請求に係る事件に関する意見を記載した書面(以下 この条 及び第九十七条の四第二項第一号ハにおいて「参加人意見書」という。)を提出することができる。


この場合において、担当審判官が、参加人意見書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

3項

担当審判官は、審査請求人から反論書の提出があつたときは これを参加人 及び原処分庁に、参加人から参加人意見書の提出があつたときは これを審査請求人 及び原処分庁に、それぞれ送付しなければならない。

1項

審査請求人 又は参加人の申立てがあつた場合には、担当審判官は、当該申立てをした者に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。

2項

前項の規定による意見の陳述(次項 及び第九十七条の四第二項第二号審理手続の終結)において「口頭意見陳述」という。)に際し、前項の申立てをした者は、担当審判官の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、原処分庁に対して、質問を発することができる。

3項

第八十四条第一項ただし書、第二項第三項 及び第五項決定の手続等)の規定は、第一項の口頭意見陳述について準用する。


この場合において、

同条第二項
再調査審理庁」とあるのは
「担当審判官」と、

再調査の請求人 及び参加人」とあるのは
全ての審理関係人」と、

同条第三項
再調査審理庁」とあるのは
「担当審判官」と、

同条第五項
再調査審理庁 又は前項の職員」とあるのは
「担当審判官」と、

それぞれ読み替えるものとする。

4項

参加審判官は、 担当審判官の命を受け、第二項の許可 及び前項において読み替えて準用する第八十四条第五項の行為をすることができる。

1項

審査請求人 又は参加人は、証拠書類 又は証拠物を提出することができる。

2項

原処分庁は、当該処分の理由となる事実を証する書類 その他の物件を提出することができる。

3項

前二項の場合において、担当審判官が、証拠書類 若しくは証拠物 又は書類その他の物件を提出すべき 相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

1項

担当審判官は、審理を行うため必要があるときは、審理関係人の申立てにより、 又は職権で、次に掲げる 行為をすることができる。

一 号

審査請求人若しくは原処分庁(第四項において「審査請求人等」という。)又は関係人 その他の参考人に質問すること。

二 号

前号に規定する者の帳簿書類 その他の物件につき、その所有者、所持者 若しくは保管者に対し、相当の期間を定めて、 当該物件の提出を求め、又は これらの者が提出した物件を留め置くこと。

三 号

第一号に規定する者の帳簿書類その他の物件を検査すること。

四 号
鑑定人に鑑定させること。
2項

国税審判官、 国税副審判官その他の国税不服審判所の職員は、担当審判官の嘱託により、 又は その命を受け、前項第一号 又は第三号に掲げる 行為をすることができる。

3項

国税審判官、国税副審判官 その他の国税不服審判所の職員は、第一項第一号 及び第三号に掲げる 行為をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、 関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

4項

国税不服審判所長は、審査請求人等(審査請求人と特殊な関係がある者で政令で定めるものを含む。)が、 正当な理由がなく、第一項第一号から 第三号まで 又は第二項の規定による質問、提出要求 又は検査に応じないため審査請求人等の主張の全部 又は一部についてその基礎を明らかにすることが著しく困難になつた場合には、その部分に係る審査請求人等の主張を採用しないことができる。

5項

第一項 又は第二項に規定する当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと 解してはならない。

1項

担当審判官は、審査請求に係る事件について、審理すべき事項が多数であり 又は錯綜しているなど 事件が複雑であることその他の事情により、 迅速かつ公正な審理を行うため、第九十五条の二から 前条第一項まで(口頭意見陳述等)に定める 審理手続を計画的に遂行する必要があると認める場合には、期日 及び場所を指定して、 審理関係人を招集し、あらかじめ、 これらの審理手続の申立てに関する意見の聴取を行うことができる。

2項

担当審判官は、審理関係人が遠隔の地に居住している場合 その他相当と認める場合には、政令で定めるところにより、 担当審判官 及び審理関係人が音声の送受信により通話をすることができる方法によつて、前項に規定する意見の聴取を行うことができる。

3項

担当審判官は、前二項の規定による意見の聴取を行つたときは、遅滞なく、第九十五条の二から 前条第一項までに定める審理手続の期日 及び場所 並びに第九十七条の四第一項審理手続の終結)の規定による審理手続の終結の予定時期を決定し、これらを審理関係人に通知するものとする。


当該予定時期を変更したときも、同様とする。

1項

審理関係人は、次条第一項 又は第二項の規定により審理手続が終結するまでの間、担当審判官に対し、第九十六条第一項 若しくは第二項証拠書類等の提出)又は第九十七条第一項第二号審理のための質問、検査等)の規定により提出された書類 その他の物件の閲覧(電磁的記録にあつては、記録された事項を財務省令で定めるところにより表示したものの閲覧)又は当該書類の写し 若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。


この場合において、担当審判官は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧 又は交付を拒むことができない

2項

担当審判官は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧 又は交付に係る書類 その他の物件の提出人の意見を聴かなければならない。


ただし、担当審判官が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

3項

担当審判官は、第一項の規定による閲覧について、日時 及び場所を指定することができる。

4項

第一項の規定による交付を受ける審査請求人 又は参加人は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。

5項

担当審判官は、経済的困難 その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、 又は免除することができる。

1項

担当審判官は、必要な審理を終えたと 認めるときは、審理手続を終結するものとする。

2項

前項に定めるもののほか、 担当審判官は、次の各号いずれかに 該当するときは、審理手続を終結することができる。

一 号

次のイから ホまでに掲げる規定の相当の期間内に、当該イから ホまでに定める 物件が提出されない場合において、更に一定の期間を示して、 当該物件の提出を求めたにもかかわらず、当該提出期間内に当該物件が提出されなかつたとき。

第九十三条第一項前段(答弁書の提出等

答弁書

第九十五条第一項後段(反論書等の提出

反論書

第九十五条第二項後段

参加人意見書

第九十六条第三項証拠書類等の提出

証拠書類 若しくは証拠物 又は書類 その他の物件

第九十七条第一項第二号審理のための質問、検査等

帳簿書類 その他の物件

二 号

第九十五条の二第一項口頭意見陳述)に規定する申立てをした 審査請求人 又は参加人が、正当な理由がなく、 口頭意見陳述に出頭しないとき。

3項

担当審判官が前二項の規定により審理手続を終結したときは、速やかに、 審理関係人に対し、審理手続を終結した旨を通知するものとする。

1項

審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合 その他不適法である場合には、国税不服審判所長は、 裁決で、当該審査請求を却下する。

2項

審査請求が理由がない場合には、国税不服審判所長は、 裁決で、当該審査請求を棄却する。

3項

審査請求が理由がある場合には、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求に係る処分の全部 若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。


ただし、審査請求人の不利益に当該処分を変更することはできない

4項

国税不服審判所長は、裁決をする場合(第九十二条審理手続を経ないでする却下裁決)の規定により当該審査請求を却下する場合を除く)には、担当審判官 及び参加審判官の議決に基づいて これをしなければならない。

1項

国税不服審判所長は、国税庁長官が発した通達に示されている 法令の解釈と異なる解釈により裁決をするとき、又は 他の国税に係る処分を行う際における法令の解釈の重要な先例となると 認められる裁決をするときは、あらかじめ その意見を国税庁長官に通知しなければならない。

2項

国税庁長官は、前項の通知があつた場合において、国税不服審判所長の意見が審査請求人の主張を認容するものであり、かつ、国税庁長官が当該意見を相当と認める場合を除き、国税不服審判所長と共同して当該意見について国税審議会に諮問しなければならない。

3項

国税不服審判所長は、前項の規定により国税庁長官と共同して国税審議会に諮問した場合には、当該国税審議会の議決に基づいて裁決をしなければならない。

1項

裁決は、次に掲げる事項を記載し、国税不服審判所長が記名押印した裁決書によりしなければならない。

一 号
主文
二 号
事案の概要
三 号
審理関係人の主張の要旨
四 号
理由
2項

第八十四条第八項決定の手続等)の規定は、前項の裁決について準用する。

3項

裁決は、審査請求人(当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第九十八条第三項裁決)の規定による裁決にあつては、審査請求人 及び処分の相手方)に裁決書の謄本が送達された時に、その効力を生ずる。

4項

国税不服審判所長は、裁決書の謄本を参加人 及び原処分庁(第七十五条第二項第一号に係る部分に限る)(国税に関する処分についての不服申立て)に規定する処分に係る審査請求にあつては、当該処分に係る税務署長を含む。)に送付しなければならない。

1項

裁決は、関係行政庁を拘束する。

2項

申請 若しくは請求に基づいてした処分が手続の違法 若しくは不当を理由として裁決で取り消され、又は申請 若しくは請求を却下し若しくは棄却した処分が裁決で取り消された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、 裁決の趣旨に従い、改めて申請 又は請求に対する処分をしなければならない。

3項

国税に関する法律に基づいて公示された処分が裁決で取り消され、 又は変更された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、当該処分が取り消され、 又は変更された旨を公示しなければならない。

4項

国税に関する法律に基づいて処分の相手方以外の第百九条第一項参加人)に規定する利害関係人に通知された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、 その通知を受けた者(審査請求人 及び参加人を除く)に、当該処分が取り消され、又は変更された旨を通知しなければならない。

1項

国税不服審判所長は、裁決をしたときは、速やかに、第九十六条第一項 又は第二項証拠書類等の提出)の規定により提出された証拠書類 若しくは証拠物 又は書類 その他の物件 及び第九十七条第一項第二号審理のための質問、検査等)の規定による提出要求に応じて提出された帳簿書類 その他の物件をその提出人に返還しなければならない。

第四款 雑則

1項

再調査審理庁 又は国税不服審判所長 若しくは国税庁長官(以下「国税不服審判所長等」という。)は、必要があると認める場合には、数個の不服申立てに係る審理手続を併合し、又は併合された数個の不服申立てに係る審理手続を分離することができる。

2項

更正決定等について不服申立てがされている場合において、当該更正決定等に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた 他の更正決定等があるときは、国税不服審判所長等は、前項の規定によるもののほか、当該 他の更正決定等について併せて審理することができる。


ただし、当該 他の更正決定等について不服申立ての決定 又は裁決がされているときは、この限りでない。

3項

前項の規定の適用がある場合には、国税不服審判所長等は、当該不服申立てについての決定 又は裁決において当該 他の更正決定等の全部 又は一部を取り消すことができる。

4項

前二項の規定は、更正の請求に対する処分について不服申立てがされている場合において、当該更正の請求に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた他の更正 又は決定があるときについて準用する。

1項

国税に関する法律に基づく処分に対する不服申立ては、その目的となつた処分の効力、処分の執行 又は手続の続行を妨げない。


ただし、その国税の徴収のため差し押さえた財産(国税徴収法第八十九条の二第四項参加差押えをした税務署長による換価)に規定する特定参加差押不動産を含む。)の滞納処分(その例による処分を含む。以下この条において同じ。)による換価は、その財産の価額が著しく減少するおそれがあるとき、又は不服申立人(不服申立人が処分の相手方でないときは、不服申立人 及び処分の相手方)から 別段の申出があるときを除き、その不服申立てについての決定 又は裁決があるまで、することができない

2項

再調査審理庁 又は国税庁長官は、必要があると認める場合には、再調査の請求人 又は第七十五条第一項第二号 若しくは第二項第二号に係る部分に限る)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求をした者(次項において「再調査の請求人等」という。)の申立てにより、又は職権で、不服申立ての目的となつた処分に係る国税の全部 若しくは一部の徴収を猶予し、若しくは滞納処分の続行を停止し、又はこれらを命ずることができる。

3項

再調査審理庁 又は国税庁長官は、再調査の請求人等が、担保を提供して、不服申立ての目的となつた処分に係る国税につき、滞納処分による差押えをしないこと 又は既にされている滞納処分による差押えを解除することを求めた場合において、相当と認めるときは、その差押えをせず、若しくは その差押えを解除し、又はこれらを命ずることができる。

4項

国税不服審判所長は、必要があると認める場合には、審査請求人の申立てにより、又は職権で、審査請求の目的となつた処分に係る国税につき、第四十三条国税の徴収の所轄庁)及び第四十四条更生手続等が開始した場合の徴収の所轄庁の特例)の規定により徴収の権限を有する国税局長、税務署長 又は税関長(以下この条において「徴収の所轄庁」という。)の意見を聴いた上、当該国税の全部 若しくは一部の徴収を猶予し、又は滞納処分の続行を停止することを徴収の所轄庁に求めることができる。

5項

国税不服審判所長は、審査請求人が、 徴収の所轄庁に担保を提供して、審査請求の目的となつた 処分に係る国税につき、滞納処分による差押えをしないこと又は既にされている 滞納処分による差押えを解除することを求めた場合において、相当と認めるときは、徴収の所轄庁に対し、その差押えをしないこと 又は その差押えを解除することを求めることができる。

6項

徴収の所轄庁は、国税不服審判所長から第四項の規定により徴収の猶予 若しくは滞納処分の続行の停止を求められ、又は前項の規定により差押えをしないこと若しくは その差押えを解除することを求められたときは、審査請求の目的となつた 処分に係る国税の全部 若しくは一部の徴収を猶予し、若しくは滞納処分の続行を停止し、又は その差押えをせず、若しくは その差押えを解除しなければならない。

7項

第四十九条第一項第一号 及び第三号第二項 並びに第三項納税の猶予の取消し)の規定は、第二項第三項 又は前項の規定に基づく処分の取消しについて準用する。


この場合において、同項の規定による処分の取消しについて同条第一項の規定を準用するときは、

同項
税務署長等は」とあるのは、
「徴収の所轄庁は、国税不服審判所長の同意を得て」と

読み替えるものとする。

8項

第七十五条第一項第二号 又は第二項第二号に係る部分に限る)の規定による審査請求に係る審理員(行政不服審査法第十一条第二項総代)に規定する審理員をいう。第百八条第五項総代)において同じ。)は、必要があると認める場合には、 国税庁長官に対し、第二項の規定に基づき徴収を猶予し、若しくは滞納処分の続行を停止すること又は第三項の規定に基づき差押えをせず、若しくは その差押えを解除することを徴収の所轄庁に命ずべき旨の意見書を提出することができる。

1項

不服申立人が死亡したときは、相続人(民法第九百五十一条相続財産法人の成立)の規定の適用がある場合には、同条の法人)は、不服申立人の地位を承継する。

2項

不服申立人について合併 又は分割(不服申立ての目的である処分に係る権利を承継させるものに限る)があつたときは、合併後存続する法人 若しくは合併により設立した法人 又は分割により当該権利を承継した法人は、不服申立人の地位を承継する。


不服申立人である人格のない社団等の財産に属する権利義務を包括して承継した法人についても、また同様とする。

3項

前二項の場合において、不服申立人の地位を承継した者は、書面で その旨を国税不服審判所長等に届け出なければならない。


この場合においては、届出書には、死亡 若しくは分割による権利の承継 又は合併の事実を証する書面を添附しなければならない。

4項

不服申立ての目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、国税不服審判所長等の許可を得て、不服申立人の地位を承継することができる。

1項

不服申立人は、弁護士、税理士 その他適当と認める者を代理人に選任することができる。

2項

前項の代理人は、各自、不服申立人のために、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができる。


ただし、不服申立ての取下げ 及び代理人の選任は、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。

3項

代理人の権限の行使に関し 必要な事項は、政令で定める。

1項

多数人が共同して不服申立てをするときは、三人を超えない総代を互選することができる。

2項

共同不服申立人が総代を互選しない場合において、必要があると認めるときは、国税不服審判所長等は、 総代の互選を命ずることができる。

3項

総代は、各自、他の共同不服申立人のために、 不服申立ての取下げを除き、当該不服申立てに関する一切の行為をすることができる。

4項

総代が選任されたときは、共同不服申立人は、 総代を通じてのみ前項の行為をすることができる。

5項

共同不服申立人に対する国税不服審判所長等(担当審判官 及び第七十五条第一項第二号 又は第二項第二号に係る部分に限る)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求に係る審理員を含む。)の通知 その他の行為は、二人以上の総代が選任されている場合においても、一人の総代に対してすれば足りる。

6項

共同不服申立人は、 必要があると認める場合には、総代を解任することができる。

7項

総代の権限の行使に関し 必要な事項は、政令で定める。

1項

利害関係人(不服申立人以外の者であつて不服申立てに係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者をいう。次項において同じ。)は、国税不服審判所長等の許可を得て、当該不服申立てに参加することができる。

2項

国税不服審判所長等は、 必要があると認める場合には、利害関係人に対し、当該不服申立てに参加することを求めることができる。

3項

第百七条代理人)の規定は、参加人(前二項の規定により当該不服申立てに参加する者をいう。)の不服申立てへの参加について準用する。

1項

不服申立人は、不服申立てについての決定 又は裁決があるまでは、いつでも、書面により当該不服申立てを取り下げることができる。

2項

第七十五条第四項再調査の請求についての決定を経ない審査請求)の規定による審査請求がされたときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める不服申立ては、 取り下げられたものとみなす。

一 号

再調査審理庁において当該審査請求がされた日以前に再調査の請求に係る処分の全部を取り消す旨の再調査決定書の謄本を発している場合

当該審査請求

二 号

再調査審理庁において当該審査請求がされた日以前に再調査の請求に係る処分の一部を取り消す旨の再調査決定書の謄本を発している場合

その部分についての審査請求

三 号

その他の場合

その決定を経ないで当該審査請求がされた再調査の請求

1項

再調査審理庁は、再調査の請求がされた日(第八十一条第三項再調査の請求書の記載事項等)の規定により不備を補正すべきことを求めた場合にあつては、当該不備が補正された日)の翌日から起算して三月を経過しても 当該再調査の請求が係属しているときは、遅滞なく、当該処分について直ちに国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる旨を書面で その再調査の請求人に教示しなければならない。

2項

第八十九条第二項処分の理由の付記)の規定は、前項の教示に係る書面について準用する。

1項

国税に関する法律に基づく 処分をした行政機関が、不服申立てをすべき 行政機関を教示する際に、誤つて当該行政機関でない 行政機関を教示した場合において、その教示された行政機関に対し 教示された不服申立てがされたときは、当該行政機関は、 速やかに、再調査の請求書 又は審査請求書を再調査の請求をすべき行政機関 又は国税不服審判所長 若しくは国税庁長官に送付し、かつ、その旨を不服申立人に通知しなければならない。

2項

国税に関する法律に基づく処分(再調査の請求をすることができる処分に限る次項において同じ。)をした行政機関が、誤つて再調査の請求をすることができる旨を教示しなかつた場合において、国税不服審判所長に審査請求がされた場合であつて、審査請求人から申立てがあつたときは、国税不服審判所長は、速やかに、審査請求書を再調査の請求をすべき行政機関に送付しなければならない。


ただし第九十三条第三項答弁書の提出等)の規定により審査請求人に答弁書を送付した後においては、この限りでない。

3項

国税に関する法律に基づく処分をした行政機関が、誤つて審査請求をすることができる旨を教示しなかつた場合において、税務署長、国税局長 又は税関長に対して再調査の請求がされた場合であつて、再調査の請求人から申立てがあつたときは、当該税務署長、国税局長 又は税関長は、速やかに、再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付しなければならない。

4項

前二項の規定により審査請求書 又は再調査の請求書等の送付を受けた行政機関 又は国税不服審判所長は、速やかに、その旨を不服申立人 及び参加人に通知しなければならない。

5項

第一項から 第三項までの規定により再調査の請求書 又は審査請求書が再調査の請求をすべき行政機関 又は国税不服審判所長 若しくは国税庁長官に送付されたときは、初めから再調査の請求をすべき行政機関に再調査の請求がされ、又は国税不服審判所長 若しくは国税庁長官に審査請求がされたものとみなす。

1項

この法律に基づく 国税不服審判所長の権限は、政令で定めるところにより、 その一部を首席国税審判官に委任することができる。

1項

第七十五条第一項第二号 又は第二項第二号に係る部分に限る)(国税に関する処分についての不服申立て)の規定による審査請求をする場合における行政不服審査法第十九条第二項審査請求書の提出)の規定の適用については、

同項第一号
及び住所 又は居所」とあるのは、
「、住所 又は居所 及び国税通則法昭和三十七年法律第六十六号第七十四条の七の二第三項第四号ハに規定する番号(当該番号を有しない者にあっては、その氏名 又は名称 及び住所 又は居所)」と

する。

2項

第七十五条第二項第二号に係る部分に限る)の規定による審査請求は、当該審査請求に係る処分をした税務署長を経由してすることもできる。


この場合において、審査請求人は、当該税務署長に審査請求書を提出してするものとする。

3項

前項の場合には、同項の税務署長は、直ちに、審査請求書を国税庁長官に送付しなければならない。

4項

第二項の場合における審査請求期間の計算については、同項の税務署長に審査請求書が提出された時に審査請求がされたものとみなす。

5項

国税庁長官は、第七十五条第二項第二号に係る部分に限る)の規定による審査請求についての裁決をした場合には、裁決書の謄本を、審査請求人のほか、参加人 及び当該審査請求に係る処分をした税務署長に送付しなければならない。

第二節 訴訟

1項

国税に関する法律に基づく 処分に関する訴訟については、この節 及び 他の国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き行政事件訴訟法昭和三十七年法律第百三十九号)その他の一般の行政事件訴訟に関する法律の定めるところによる。

1項

国税に関する法律に基づく処分(第八十条第三項行政不服審査法との関係)に規定する処分を除く。以下 この節において同じ。)で不服申立てをすることができるものの取消しを求める訴えは、審査請求についての裁決を経た後でなければ、提起することができない


ただし次の各号いずれかに該当するときは、この限りでない。

一 号

国税不服審判所長 又は国税庁長官に対して審査請求がされた日の翌日から起算して三月を経過しても裁決がないとき。

二 号

更正決定等の取消しを求める訴えを提起した者が、その訴訟の係属している間に当該更正決定等に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた他の更正決定等の取消しを求めようとするとき。

三 号

審査請求についての裁決を経ることにより生ずる 著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき、その他 その裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。

2項

国税に関する法律に基づく処分についてされた再調査の請求 又は審査請求について決定 又は裁決をした者は、その決定 又は裁決をした時にその処分についての訴訟が係属している場合には、その再調査決定書 又は裁決書の謄本をその訴訟が係属している裁判所に送付するものとする。

1項

国税に関する法律に基づく処分(更正決定等 及び納税の告知に限る。以下 この項において「課税処分」という。)に係る行政事件訴訟法第三条第二項処分の取消しの訴え)に規定する処分の取消しの訴えにおいては、その訴えを提起した者が必要経費 又は損金の額の存在 その他これに類する自己に有利な事実につき課税処分の基礎とされた事実と異なる旨を主張しようとするときは、相手方当事者である国が当該課税処分の基礎となつた事実を主張した日以後遅滞なく その異なる事実を具体的に主張し、併せて その事実を証明すべき証拠の申出をしなければならない。


ただし、当該訴えを提起した者が、その責めに帰することができない理由によりその主張 又は証拠の申出を遅滞なくすることができなかつたことを証明したときは、この限りでない。

2項

前項の訴えを提起した者が同項の規定に違反して行つた主張 又は証拠の申出は、民事訴訟法平成八年法律第百九号第百五十七条第一項時機に後れた攻撃防御方法の却下)の規定の適用に関しては、同項に規定する時機に後れて提出した攻撃 又は防御の方法とみなす。

第九章 雑則

1項

個人である納税者がこの法律の施行地に住所 及び居所(事務所 及び事業所を除く)を有せず、若しくは有しないこととなる場合又は この法律の施行地に本店 若しくは主たる事務所を有しない法人である納税者がこの法律の施行地にその事務所 及び事業所を有せず、 若しくは有しないこととなる場合において、納税申告書の提出 その他国税に関する事項を処理する必要があるときは、その者は、 当該事項を処理させるため、この法律の施行地に住所 又は居所を有する者で当該事項の処理につき便宜を有するもののうちから納税管理人を定めなければならない。

2項

納税者は、前項の規定により納税管理人を定めたときは、当該納税管理人に係る国税の納税地を所轄する税務署長(保税地域からの引取りに係る消費税等 又は国際観光旅客税(国際観光旅客税法第十六条第一項(国内事業者による特別徴収等)の規定により徴収して納付すべきものを除く)に関する事項のみを処理させるため、納税管理人を定めたときは、これらの国税の納税地を所轄する税関長)にその旨を届け出なければならない。


その納税管理人を解任したときも、同様とする。

1項

国税(印紙税 及び附帯税を除く。以下この条において同じ。)の課税標準(その税率の適用上課税標準から控除する金額があるときは、これを控除した金額。以下この条において同じ。)を計算する場合において、その額に千円未満の端数があるとき、又は その全額が千円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てる。

2項

政令で定める 国税の課税標準については、前項の規定にかかわらず、その課税標準に一円未満の端数があるとき、又は その全額が一円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てる。

3項

附帯税の額を計算する場合において、その計算の基礎となる税額に一万円未満の端数があるとき、又は その税額の全額が一万円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てる。

1項

国税(自動車重量税、印紙税 及び附帯税を除く。以下この条において同じ。)の確定金額に百円未満の端数があるとき、 又は その全額が百円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てる。

2項

政令で定める 国税の確定金額については、前項の規定にかかわらず、その確定金額に一円未満の端数があるとき、又は その全額が一円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てる。

3項

国税の確定金額を、二以上の納付の期限を定め、一定の金額に分割して納付することとされている場合において、その納付の期限ごとの分割金額に千円未満前項に規定する国税に係るものについては、一円未満)の端数があるときは、その端数金額は、すべて最初の納付の期限に係る分割金額に合算するものとする。

4項

附帯税の確定金額に百円未満の端数があるとき、又は その全額が千円未満加算税に係るものについては、五千円未満)で あるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てる。

1項

還付金等の額に一円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てる。

2項

還付金等の額が一円未満であるときは、その額を一円として計算する。

3項

還付加算金の確定金額に百円未満の端数があるとき、又は その全額が千円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てる。

4項

還付加算金の額を計算する場合において、その計算の基礎となる還付金等の額に一万円未満の端数があるとき、又は その還付金等の額の全額が一万円未満であるときは、その端数金額 又は その全額を切り捨てる。

1項

民法第四百九十四条供託並びに第四百九十五条第一項 及び第三項供託の方法)の規定は、国税に関する法律の規定により納税者 その他の者に金銭 その他の物件を交付し、又は引き渡すべき場合について準用する。

1項

国税と国に対する債権で金銭の給付を目的とするものとは、法律の別段の規定によらなければ、相殺することができない


還付金等に係る債権と国に対する債務で金銭の給付を目的とするものについても、また同様とする。

1項

国税局長、税務署長 又は税関長は、国税に関する事項のうち納付すべき税額その他政令で定めるものについての証明書の交付を請求する者があるときは、その者に関するものに限り、 政令で定めるところにより、これを交付しなければならない。

2項

前項の証明書の交付を請求する者は、政令で定めるところにより、証明書の枚数を基準として定められる手数料を納付しなければならない。

1項

国税に関する法律に基づき税務署長 その他の行政機関の長 又は その職員に申告書、申請書、届出書、調書 その他の書類(以下この条において「税務書類」という。)を提出する者は、当該税務書類にその氏名(法人については、名称。以下 この項において同じ。)、住所 又は居所 及び番号(番号を有しない者にあつては、その氏名 及び住所 又は居所とし、税務書類のうち個人番号の記載を要しない書類(納税申告書 及び調書を除く)として財務省令で定める書類については、当該書類を提出する者の氏名 及び住所 又は居所とする。)を記載しなければならない。


この場合において、その者が法人であるとき、納税管理人 若しくは代理人(代理の権限を有することを書面で証明した者に限る。以下この条において同じ。)によつて当該税務書類を提出するとき、又は不服申立人が総代を通じて当該税務書類を提出するときは、その代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)、納税管理人 若しくは代理人 又は総代の氏名 及び住所 又は居所をあわせて記載しなければならない。

1項

この法律に定めるもののほか、この法律の規定による通知に係る事項 及び納税の猶予に関する申請の手続 その他のこの法律の実施のための手続 その他その執行に関し必要な事項は、政令で定める。

第十章 罰則

1項

納税者がすべき国税の課税標準の申告(その修正申告を含む。以下この条において「申告」という。)をしないこと、虚偽の申告をすること 又は国税の徴収 若しくは納付をしないことを煽動した者は、三年以下の懲役 又は二十万円以下の罰金に処する。

2項

納税者がすべき申告をさせないため、虚偽の申告をさせるため、又は国税の徴収 若しくは納付をさせないために、暴行 又は脅迫を加えた者も、前項と同様とする。

1項

国税に関する調査(不服申立てに係る事件の審理のための調査 及び第百三十一条第一項質問、検査 又は領置等)に規定する犯則事件の調査を含む。)若しくは外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十四号)若しくは租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法 及び地方税法の特例等に関する法律の規定に基づいて行う情報の提供のための調査に関する事務 又は国税の徴収 若しくは同法の規定に基づいて行う相手国等の租税の徴収に関する事務に従事している者 又は従事していた者が、これらの事務に関して知ることのできた秘密を漏らし、又は盗用したときは、これを二年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

一 号

第二十三条第三項更正の請求)に規定する更正請求書に偽りの記載をして税務署長に提出した者

二 号

第七十四条の二第七十四条の三第二項を除く)若しくは第七十四条の四から第七十四条の六まで当該職員の質問検査権)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査、採取、移動の禁止 若しくは封かんの実施を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

三 号

第七十四条の二から第七十四条の六まで 又は第七十四条の七の二特定事業者等への報告の求め)の規定による物件の提示 若しくは提出 又は報告の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載 若しくは記録をした帳簿書類 その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出し、若しくは偽りの報告をした者

1項

第九十七条第一項第一号 若しくは第二項審理のための質問、検査等)の規定による質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又は同条第一項第三号 若しくは第二項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは当該検査に関し偽りの記載 若しくは記録をした帳簿書類を提示した者は、三十万円以下の罰金に処する。


ただし同条第四項に規定する審査請求人等は、この限りでない。

1項

法人の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務 又は財産に関して前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。

2項

人格のない社団等について前項の規定の適用がある場合には、その代表者 又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団等を代表するほか、法人を被告人 又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

第十一章 犯則事件の調査及び処分

第一節 犯則事件の調査

1項

国税庁等の当該職員(以下第百五十二条調書の作成)まで 及び第百五十五条間接国税以外の国税に関する犯則事件等についての告発)において「当該職員」という。)は、国税に関する犯則事件(第百三十五条現行犯事件の臨検、捜索 又は差押え)及び第百五十三条第二項調査の管轄 及び引継ぎ)を除き、以下 この節において「犯則事件」という。)を調査するため必要があるときは、犯則嫌疑者 若しくは参考人(以下 この項 及び次条第一項において「犯則嫌疑者等」という。)に対して出頭を求め、犯則嫌疑者等に対して質問し、犯則嫌疑者等が所持し、若しくは置き去つた物件を検査し、又は犯則嫌疑者等が任意に提出し、若しくは置き去つた物件を領置することができる。

2項

当該職員は、 犯則事件の調査について、官公署 又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

1項

当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、その所属官署の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、臨検、犯則嫌疑者等の身体、物件 若しくは住居 その他の場所の捜索、証拠物 若しくは没収すべき物件と思料するものの差押え 又は記録命令付差押え(電磁的記録を保管する者 その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう。以下同じ。)をすることができる。


ただし、参考人の身体、物件 又は住居 その他の場所については、差し押さえるべき物件の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、捜索をすることができる。

2項

差し押さえるべき物件が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成 若しくは変更をした電磁的記録 又は当該電子計算機で変更 若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機 又は 他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機 又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

3項

前二項の場合において、急速を要するときは、当該職員は、臨検すべき物件 若しくは場所、捜索すべき身体、物件 若しくは場所、差し押さえるべき物件 又は電磁的記録を記録させ、若しくは印刷させるべき者の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、前二項の処分をすることができる。

4項

当該職員は、第一項 又は前項の許可状(第百四十七条鑑定等の嘱託)を除き、以下「許可状」という。)を請求する場合においては、犯則事件が存在すると認められる資料を提供しなければならない。

5項

前項の規定による請求があつた場合においては、地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官は、犯則嫌疑者の氏名(法人については、名称)、罪名 並びに臨検すべき物件 若しくは場所、捜索すべき身体、物件 若しくは場所、差し押さえるべき物件 又は記録させ、若しくは印刷させるべき電磁的記録 及びこれを記録させ、若しくは印刷させるべき者 並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日 及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を当該職員に交付しなければならない。

6項

第二項の場合においては、許可状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。

7項

当該職員は、許可状を他の当該職員に交付して、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをさせることができる。

1項

当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、許可状の交付を受けて、犯則嫌疑者から発し、又は犯則嫌疑者に対して発した郵便物、信書便物 又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押さえることができる。

2項

当該職員は、前項の規定に該当しない郵便物、信書便物 又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものについては、犯則事件に関係があると認めるに足りる状況があるものに限り、許可状の交付を受けて、これを差し押さえることができる。

3項

当該職員は、前二項の規定による処分をした場合においては、その旨を発信人 又は受信人に通知しなければならない。


ただし、通知によつて犯則事件の調査が妨げられるおそれがある場合は、この限りでない。

1項

当該職員は、差押え 又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者 又は自己の業務のために不特定 若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時 その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。


この場合において、当該電磁的記録について差押え 又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。

2項

前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、三十日を超えない範囲内で延長することができる。


ただし、消去しないよう求める期間は、通じて六十日を超えることができない

3項

第一項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりに当該求めに関する事項を漏らさないよう求めることができる。

1項

当該職員は、間接国税(消費税法第四十七条第二項引取りに係る課税貨物についての課税標準額 及び税額の申告等)に規定する課税貨物に課される消費税 その他の政令で定める国税をいう。以下同じ。)に関する犯則事件について、現に犯則を行い、又は現に犯則を行い終わつた者がある場合において、その証拠となると認められるものを集取するため必要であつて、かつ、急速を要し、許可状の交付を受けることができないときは、その犯則の現場において第百三十二条第一項臨検、捜索 又は差押え等)の臨検、捜索 又は差押えをすることができる。

2項

当該職員は、間接国税に関する犯則事件について、現に犯則に供した物件 若しくは犯則により得た物件を所持し、又は顕著な犯則の跡があつて犯則を行つてから間がないと明らかに認められる者がある場合において、その証拠となると認められるものを集取するため必要であつて、かつ、急速を要し、許可状の交付を受けることができないときは、その者の所持する物件に対して第百三十二条第一項の臨検、捜索 又は差押えをすることができる。

1項

差し押さえるべき物件が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、当該職員は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。

一 号

差し押さえるべき記録媒体に記録された 電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、又は移転した上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

二 号

差押えを受ける者に差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ、印刷させ、又は移転させた上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

1項

当該職員は、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。

2項

前項の処分は、領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件についても、することができる。

1項

臨検すべき物件 又は差し押さえるべき物件が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、当該職員は、臨検 又は捜索 若しくは差押えを受ける者に対し、電子計算機の操作その他の必要な協力を求めることができる。

1項

臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えの許可状は、これらの処分を受ける者に提示しなければならない。

1項

当該職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

1項

当該職員は、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするに際し必要があるときは、警察官の援助を求めることができる。

1項

当該職員は、人の住居 又は人の看守する邸宅 若しくは建造物 その他の場所で臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするときは、その所有者 若しくは管理者(これらの者の代表者、代理人 その他これらの者に代わるべき者を含む。)又はこれらの者の使用人 若しくは同居の親族で成年に達した者を立ち会わせなければならない。

2項

前項の場合において、同項に規定する者を立ち会わせることができないときは、その隣人で成年に達した者 又はその地の警察官 若しくは地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。

3項

第百三十五条現行犯事件の臨検、捜索 又は差押え)の規定により臨検、捜索 又は差押えをする場合において、急速を要するときは、前二項の規定によることを要しない。

4項

女子の身体について捜索をするときは、成年の女子を立ち会わせなければならない。


ただし、急速を要する場合は、この限りでない。

1項

当該職員は、領置、差押え 又は記録命令付差押えをしたときは、その目録を作成し、領置物件、差押物件 若しくは記録命令付差押物件の所有者、所持者 若しくは保管者(第百三十六条電磁的記録に係る記録媒体の差押えに代わる処分)の規定による処分を受けた者を含む。)又はこれらの者に代わるべき者にその謄本を交付しなければならない。

1項

運搬 又は保管に不便な領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件は、その所有者 又は所持者 その他 当該職員が適当と認める者に、その承諾を得て、保管証を徴して保管させることができる。

2項

国税庁長官、国税局長 又は税務署長は、領置物件 又は差押物件が腐敗し、若しくは変質したとき、又は腐敗 若しくは変質のおそれがあるときは、政令で定めるところにより、公告した後これを公売に付し、その代金を供託することができる。

1項

当該職員は、領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件について留置の必要がなくなつたときは、その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならない。

2項

国税庁長官、国税局長 又は税務署長は、前項の領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件について、その返還を受けるべき者の住所 若しくは居所がわからないため、又は その他の事由によりこれを還付することができない場合においては、その旨を公告しなければならない。

3項

前項の公告に係る領置物件、差押物件又は記録命令付差押物件について公告の日から 六月を経過しても 還付の請求がないときは、これらの物件は、国庫に帰属する。

1項

当該職員は、第百三十六条電磁的記録に係る記録媒体の差押えに代わる処分)の規定により電磁的記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体について留置の必要がなくなつた場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者 又は保管者とが異なるときは、当該差押えを受けた者に対し、当該記録媒体を交付し、又は当該電磁的記録の複写を許さなければならない。

2項

前条第二項の規定は、前項の規定による交付 又は複写について準用する。

3項

前項において準用する前条第二項の規定による公告の日から 六月を経過しても前項の交付 又は複写の請求がないときは、その交付をし、又は複写をさせることを要しない。

1項

当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、学識経験を有する者に領置物件、差押物件 若しくは記録命令付差押物件についての鑑定を嘱託し、又は通訳 若しくは翻訳を嘱託することができる。

2項

前項の規定による鑑定の嘱託を受けた者(第四項 及び第五項において「鑑定人」という。)は、前項の当該職員の所属官署の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官の許可を受けて、当該鑑定に係る物件を破壊することができる。

3項

前項の許可の請求は、当該職員からこれをしなければならない。

4項

前項の請求があつた場合において、裁判官は、当該請求を相当と認めるときは、犯則嫌疑者の氏名(法人については、名称)、罪名、破壊すべき物件 及び鑑定人の氏名 並びに請求者の官職氏名、有効期間、その期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日 及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を当該職員に交付しなければならない。

5項

鑑定人は、第二項の処分を受ける者に前項の許可状を示さなければならない。

1項

臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えは、許可状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、日没から日出までの間には、してはならない。


ただし第百三十五条現行犯事件の臨検、捜索 又は差押え)の規定により処分をする場合 及び消費税法第二条第一項第十一号定義)に規定する課税貨物に課される消費税 その他の政令で定める国税について旅館、飲食店 その他夜間でも公衆が出入りすることができる場所でその公開した時間内にこれらの処分をする場合は、この限りでない。

2項

日没前に開始した臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えは、必要があると認めるときは、日没後まで継続することができる。

1項

当該職員は、この節の規定により質問、検査、領置、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをする間は、何人に対しても、許可を受けないで その場所に出入りすることを禁止することができる。

1項

臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えの許可状の執行を中止する場合において、必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。

1項

捜索をした場合において、証拠物 又は没収すべき物件がないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書を交付しなければならない。

1項

当該職員は、この節の規定により質問をしたときは、その調書を作成し、質問を受けた者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤りがないかどうかを問い、質問を受けた者が増減変更の申立てをしたときは、その陳述を調書に記載し、質問を受けた者とともにこれに署名押印しなければならない。


ただし、質問を受けた者が署名押印せず、又は署名押印することができないときは、その旨を付記すれば足りる。

2項

当該職員は、この節の規定により検査 又は領置をしたときは、その調書を作成し、これに署名押印しなければならない。

3項

当該職員は、この節の規定により臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをしたときは、その調書を作成し、立会人に示し、立会人とともにこれに署名押印しなければならない。


ただし、立会人が署名押印せず、又は署名押印することができないときは、その旨を付記すれば足りる。

1項

犯則事件の調査は、国税庁の当該職員又は事件発見地を所轄する国税局 若しくは税務署の当該職員が行う。

2項

国税庁の当該職員が集取した第百五十六条第一項間接国税に関する犯則事件についての報告等)に規定する間接国税に関する犯則事件の証拠で、重要な犯則事件に関するものは 所轄国税局の当該職員に、その他のものは 所轄税務署の当該職員に、それぞれ引き継がなければならない。

3項

国税局の当該職員が集取した犯則事件の証拠は、所轄税務署の当該職員に引き継がなければならない。


ただし、重要な犯則事件の証拠については、この限りでない。

4項

税務署の当該職員が集取した 重要な犯則事件の証拠は、所轄国税局の当該職員に引き継がなければならない。

5項

同一の犯則事件が二以上の場所において発見されたときは、各発見地において集取された証拠は、最初の発見地を所轄する税務署の当該職員に引き継がなければならない。


ただし、その証拠が重要な犯則事件の証拠であるときは、最初の発見地を所轄する国税局の当該職員に引き継がなければならない。

1項

国税局 又は税務署の当該職員は、犯則事件を調査するため必要があるときは、その所属する国税局 又は税務署の管轄区域外においてその職務を執行することができる。

2項

税務署長は、その管轄区域外において犯則事件の調査を必要とするときは、これをその地の税務署長に嘱託することができる。

3項

国税局長は、その管轄区域外において犯則事件の調査を必要とするときは、これをその地の国税局長 又は税務署長に嘱託することができる。

第二節 犯則事件の処分

1項

当該職員は、次に掲げる犯則事件の調査により犯則があると思料するときは、検察官に告発しなければならない。

一 号

間接国税以外の 国税に関する犯則事件

二 号

申告納税方式による間接国税に関する犯則事件(酒税法第五十五条第一項 又は第三項(罰則)の罪 その他の政令で定める罪に係る事件に限る

1項

国税局 又は税務署の当該職員は、間接国税に関する犯則事件(前条第二号に掲げる犯則事件を除く。以下同じ。)の調査を終えたときは、その調査の結果を所轄国税局長 又は所轄税務署長に報告しなければならない。


ただし次の各号いずれかに該当する場合においては、直ちに検察官に告発しなければならない。

一 号

犯則嫌疑者の居所が明らかでないとき。

二 号

犯則嫌疑者が逃走するおそれがあるとき。

三 号

証拠となると認められるものを隠滅するおそれがあるとき。

2項

国税庁の当該職員は、間接国税に関する犯則事件の調査を終えたときは、その調査の結果を所轄国税局長 又は所轄税務署長に通報しなければならない。


ただし前項各号いずれかに該当する場合においては、直ちに検察官に告発しなければならない。

1項

国税局長 又は税務署長は、間接国税に関する犯則事件の調査により犯則の心証を得たときは、その理由を明示し、罰金に相当する金額、没収に該当する物件、追徴金に相当する金額 並びに書類の送達 並びに差押物件 又は記録命令付差押物件の運搬 及び保管に要した費用を指定の場所に納付すべき旨を書面により通告しなければならない。


この場合において、没収に該当する物件については、納付の申出のみをすべき旨を通告することができる。

2項

前項の場合において、次の各号いずれかに 該当すると認めるときは、同項の規定にかかわらず、国税局長 又は税務署長は、直ちに検察官に告発しなければならない。

一 号

情状が懲役の刑に処すべきものであるとき。

二 号

犯則者が通告の旨を履行する資力がないとき。

3項

第一項の規定による通告に計算違い、誤記 その他これらに類する明白な誤りがあるときは、国税局長 又は税務署長は、犯則者が当該通告の旨を履行し、又は前項 若しくは次条の規定により告発するまでの間、職権で、当該通告を更正することができる。

4項

第一項の規定により通告があつたときは、公訴の時効は、その進行を停止し、犯則者が当該通告を受けた日の翌日から起算して二十日を経過した時からその進行を始める。

5項

犯則者は、第一項の通告の旨(第三項の規定による更正があつた場合には、当該更正後の通告の旨。次項 及び次条第一項において同じ。)を履行した場合においては、同一事件について公訴を提起されない。

6項

犯則者は、第一項後段の通告の旨を履行した場合において、没収に該当する物件を所持するときは、公売 その他の必要な処分がされるまで、これを保管する義務を負う。


ただし、その保管に要する費用は、請求することができない

1項

犯則者が前条第一項の通告(同条第三項の規定による更正があつた場合には、当該更正。以下この条において「通告等」という。)を受けた場合において、当該通告等を受けた日の翌日から起算して二十日以内に当該通告の旨を履行しないときは、国税局長 又は税務署長は、検察官に告発しなければならない。


ただし、当該期間を経過しても告発前に履行した場合は、この限りでない。

2項

犯則者の居所が明らかでないため、若しくは犯則者が通告等に係る書類の受領を拒んだため、又はその他の事由により通告等をすることができないときも、前項と同様とする。

1項

間接国税に関する犯則事件は、第百五十六条第一項ただし書(間接国税に関する犯則事件についての報告等)の規定による国税局 若しくは税務署の当該職員の告発、同条第二項ただし書の規定による国税庁の当該職員の告発 又は第百五十七条第二項間接国税に関する犯則事件についての通告処分等)若しくは前条の規定による国税局長 若しくは税務署長の告発を待つて論ずる。

2項

第百五十五条間接国税以外の国税に関する犯則事件等についての告発)の規定による告発 又は前項の告発は、書面をもつて行い、第百五十二条各項調書の作成)に規定する調書を添付し、領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件があるときは、これを領置目録、差押目録 又は記録命令付差押目録とともに検察官に引き継がなければならない。

3項

前項の領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件が第百四十四条第一項領置物件等の処置)の規定による保管に係るものである場合においては、同項の保管証をもつて引き継ぐとともに、その旨を同項の規定により当該物件を保管させた者に通知しなければならない。

4項

前二項の規定により領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件が引き継がれたときは、当該物件は、刑事訴訟法昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により検察官によつて押収されたものとみなす。

5項

第一項の告発は、取り消すことができない。

1項

国税局長 又は税務署長は、間接国税に関する犯則事件を調査し、犯則の心証を得ない場合においては、その旨を犯則嫌疑者に通知しなければならない。


この場合において、物件の領置、差押え 又は記録命令付差押えがあるときは、その解除を命じなければならない。