戸籍に関する事務は、この法律に別段の定めがあるものを除き、市町村長がこれを管掌する。
戸籍法
第一章 総則
前項の規定により市町村長が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
市町村長は、自己 又はその配偶者、直系尊属 若しくは直系卑属に関する戸籍事件については、その職務を行うことができない。
法務大臣は、市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる。
市役所 又は町村役場の所在地を管轄する法務局 又は地方法務局の長(以下「管轄法務局長等」という。)は、戸籍事務の処理に関し必要があると認めるときは、市町村長に対し、報告を求め、又は助言 若しくは勧告をすることができる。
この場合において、戸籍事務の処理の適正を確保するため特に必要があると認めるときは、指示をすることができる。
管轄法務局長等は、市町村長から戸籍事務の取扱いに関する照会を受けたとき その他前項の規定による助言 若しくは勧告 又は指示をするために必要があると認めるときは、届出人、届出事件の本人 その他の関係者に対し、質問をし、又は必要な書類の提出を求めることができる。
戸籍事務については、地方自治法第二百四十五条の四、第二百四十五条の七第二項第一号、第三項 及び第四項、第二百四十五条の八第十二項 及び第十三項 並びに第二百四十五条の九第二項第一号、第三項 及び第四項の規定は、適用しない。
この法律中市、市長 及び市役所に関する規定は、特別区においては特別区、特別区の区長 及び特別区の区役所に、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市においては区 及び総合区、区長 及び総合区長 並びに区 及び総合区の区役所にこれを準用する。
第二章 戸籍簿
戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦 及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。
ただし、日本人でない者(以下「外国人」という。)と婚姻をした者 又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者 及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。
戸籍は、これをつづつて帳簿とする。
戸籍は、正本と副本を設ける。
正本は、これを市役所 又は町村役場に備え、副本は、管轄法務局 若しくは地方法務局 又はその支局がこれを保存する。
戸籍は、その筆頭に記載した者の氏名 及び本籍でこれを表示する。
その者が戸籍から除かれた後も、同様である。
戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者(その者に係る全部の記載が市町村長の過誤によつてされたものであつて、当該記載が第二十四条第二項の規定によつて訂正された場合におけるその者を除く。)を含む。)又はその配偶者、直系尊属 若しくは直系卑属は、その戸籍の謄本 若しくは抄本 又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍謄本等」という。)の交付の請求をすることができる。
市町村長は、前項の請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができる。
第一項の請求をしようとする者は、郵便 その他の法務省令で定める方法により、戸籍謄本等の送付を求めることができる。
前条第一項に規定する者以外の者は、次の各号に掲げる場合に限り、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。
この場合において、当該請求をする者は、それぞれ当該各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。
自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合
権利 又は義務の発生原因 及び内容 並びに当該権利を行使し、又は当該義務を履行するために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由
国 又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合
戸籍謄本等を提出すべき国 又は地方公共団体の機関 及び当該機関への提出を必要とする理由
前二号に掲げる場合のほか、戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合
戸籍の記載事項の利用の目的 及び方法 並びにその利用を必要とする事由
前項の規定にかかわらず、国 又は地方公共団体の機関は、法令の定める事務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。
この場合において、当該請求の任に当たる権限を有する職員は、その官職、当該事務の種類 及び根拠となる法令の条項 並びに戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならない。
第一項の規定にかかわらず、弁護士(弁護士法人 及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。次項において同じ。)、司法書士(司法書士法人を含む。次項において同じ。)、土地家屋調査士(土地家屋調査士法人を含む。次項において同じ。)、税理士(税理士法人を含む。次項において同じ。)、社会保険労務士(社会保険労務士法人を含む。次項において同じ。)、弁理士(弁理士法人を含む。次項において同じ。)、海事代理士 又は行政書士(行政書士法人を含む。)は、受任している事件 又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。
この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当該業務の種類、当該事件 又は事務の依頼者の氏名 又は名称 及び当該依頼者についての第一項各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。
第一項 及び前項の規定にかかわらず、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士 又は弁理士は、受任している事件について次に掲げる業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。
この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当該事件の種類、その業務として代理し 又は代理しようとする手続 及び戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならない。
弁護士にあつては、裁判手続 又は裁判外における民事上 若しくは行政上の紛争処理の手続についての代理業務(弁護士法人については弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の六第一項各号に規定する代理業務を除き、弁護士・外国法事務弁護士共同法人については外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)第八十条第一項において準用する弁護士法第三十条の六第一項各号に規定する代理業務を除く。)
司法書士にあつては、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第三条第一項第三号 及び第六号から第八号までに規定する代理業務(同項第七号 及び第八号に規定する相談業務 並びに司法書士法人については同項第六号に規定する代理業務を除く。)
土地家屋調査士にあつては、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第三条第一項第二号に規定する審査請求の手続についての代理業務 並びに同項第四号 及び第七号に規定する代理業務
税理士にあつては、税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第二条第一項第一号に規定する不服申立て及びこれに関する主張 又は陳述についての代理業務
社会保険労務士にあつては、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項第一号の三に規定する審査請求 及び再審査請求 並びにこれらに係る行政機関等の調査 又は処分に関し当該行政機関等に対してする主張 又は陳述についての代理業務並びに同項第一号の四から第一号の六までに規定する代理業務(同条第三項第一号に規定する相談業務を除く。)
弁理士にあつては、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第四条第一項に規定する特許庁における手続(不服申立てに限る。)、審査請求 及び裁定に関する経済産業大臣に対する手続(裁定の取消しに限る。)についての代理業務、同条第二項第一号に規定する税関長 又は財務大臣に対する手続(不服申立てに限る。)についての代理業務、同項第二号に規定する代理業務、同法第六条に規定する訴訟の手続についての代理業務 並びに同法第六条の二第一項に規定する特定侵害訴訟の手続についての代理業務(弁理士法人については同法第六条に規定する訴訟の手続についての代理業務 及び同項に規定する特定侵害訴訟の手続についての代理業務を除く。)
第一項 及び第三項の規定にかかわらず、弁護士は、刑事に関する事件における弁護人としての業務、少年の保護事件 若しくは心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)第三条に規定する処遇事件における付添人としての業務、逃亡犯罪人引渡審査請求事件における補佐人としての業務、人身保護法(昭和二十三年法律第百九十九号)第十四条第二項の規定により裁判所が選任した代理人としての業務、人事訴訟法(平成十五年法律第百九号)第十三条第二項 及び第三項の規定により裁判長が選任した訴訟代理人としての業務 又は民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第三十五条第一項に規定する特別代理人としての業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。
この場合において、当該請求をする者は、弁護士の資格、これらの業務の別 及び戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならない。
前条第三項の規定は、前各項の請求をしようとする者について準用する。
第十条第一項 又は前条第一項から第五項までの請求をする場合において、現に請求の任に当たつている者は、市町村長に対し、運転免許証を提示する方法 その他の法務省令で定める方法により、当該請求の任に当たつている者を特定するために必要な氏名 その他の法務省令で定める事項を明らかにしなければならない。
前項の場合において、現に請求の任に当たつている者が、当該請求をする者(前条第二項の請求にあつては、当該請求の任に当たる権限を有する職員。以下 この項 及び次条において「請求者」という。)の代理人であるときその他請求者と異なる者であるときは、当該請求の任に当たつている者は、市町村長に対し、法務省令で定める方法により、請求者の依頼 又は法令の規定により当該請求の任に当たるものであることを明らかにする書面を提供しなければならない。
市町村長は、第十条の二第一項から第五項までの請求がされた場合において、これらの規定により請求者が明らかにしなければならない事項が明らかにされていないと認めるときは、当該請求者に対し、必要な説明を求めることができる。
戸籍簿の全部 又は一部が、滅失したとき、又は滅失のおそれがあるときは、法務大臣は、その再製 又は補完について必要な処分を指示する。
この場合において、滅失したものであるときは、その旨を告示しなければならない。
虚偽の届出等(届出、報告、申請、請求 若しくは嘱託、証書 若しくは航海日誌の謄本 又は裁判をいう。以下 この項において同じ。)若しくは錯誤による届出等 又は市町村長の過誤によつて記載がされ、かつ、その記載につき第二十四条第二項、第百十三条、第百十四条 又は第百十六条の規定によつて訂正がされた戸籍について、当該戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者を含む。次項において同じ。)から、当該訂正に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があつたときは、法務大臣は、その再製について必要な処分を指示する。
ただし、再製によつて記載に錯誤 又は遺漏がある戸籍となるときは、この限りでない。
市町村長が記載をするに当たつて文字の訂正、追加 又は削除をした戸籍について、当該戸籍に記載されている者から、当該訂正、追加 又は削除に係る事項の記載のない戸籍の再製の申出があつたときも、前項本文と同様とする。
一戸籍内の全員をその戸籍から除いたときは、その戸籍は、これを戸籍簿から除いて別につづり、除籍簿として、これを保存する。
第九条、第十一条 及び前条の規定は、除籍簿 及び除かれた戸籍について準用する。
第十条から第十条の四までの規定は、除かれた戸籍の謄本 若しくは抄本 又は除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「除籍謄本等」という。)の交付の請求をする場合に準用する。
第三章 戸籍の記載
戸籍には、本籍の外、戸籍内の各人について、左の事項を記載しなければならない。
戸籍に入つた原因 及び年月日
実父母の氏名 及び実父母との続柄
養子であるときは、養親の氏名 及び養親との続柄
夫婦については、夫 又は妻である旨
他の戸籍から入つた者については、その戸籍の表示
その他法務省令で定める事項
氏名を記載するには、左の順序による。
子の間では、出生の前後による。
戸籍を編製した後にその戸籍に入るべき原因が生じた者については、戸籍の末尾にこれを記載する。
戸籍の記載は、届出、報告、申請、請求 若しくは嘱託、証書 若しくは航海日誌の謄本 又は裁判によつてこれをする。
婚姻の届出があつたときは、夫婦について新戸籍を編製する。
但し、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
前項但書の場合には、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る。
日本人と外国人との婚姻の届出があつたときは、その日本人について新戸籍を編製する。
ただし、その者が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
戸籍の筆頭に記載した者 及びその配偶者以外の者がこれと同一の氏を称する子 又は養子を有するに至つたときは、その者について新戸籍を編製する。
父母の氏を称する子は、父母の戸籍に入る。
前項の場合を除く外、父の氏を称する子は、父の戸籍に入り、母の氏を称する子は、母の戸籍に入る。
養子は、養親の戸籍に入る。
婚姻 又は養子縁組によつて氏を改めた者が、離婚、離縁 又は婚姻 若しくは縁組の取消によつて、婚姻 又は縁組前の氏に復するときは、婚姻 又は縁組前の戸籍に入る。
但し、その戸籍が既に除かれているとき、又はその者が新戸籍編製の申出をしたときは、新戸籍を編製する。
前項の規定は、民法第七百五十一条第一項の規定によつて婚姻前の氏に復する場合 及び同法第七百九十一条第四項の規定によつて従前の氏に復する場合にこれを準用する。
民法第七百六十七条第二項(同法第七百四十九条 及び第七百七十一条において準用する場合を含む。)又は同法第八百十六条第二項(同法第八百八条第二項において準用する場合を含む。)の規定によつて離婚 若しくは婚姻の取消し 又は離縁 若しくは縁組の取消しの際に称していた氏を称する旨の届出があつた場合において、その届出をした者を筆頭に記載した戸籍が編製されていないとき、又はその者を筆頭に記載した戸籍に在る者が他にあるときは、その届出をした者について新戸籍を編製する。
前二条の規定によつて他の戸籍に入るべき者に配偶者があるときは、前二条の規定にかかわらず、その夫婦について新戸籍を編製する。
第百七条第二項 又は第三項の規定によつて氏を変更する旨の届出があつた場合において、その届出をした者の戸籍に在る者が他にあるときは、その届出をした者について新戸籍を編製する。
第百七条第四項において準用する同条第一項の規定によつて氏を変更する旨の届出があつたときは、届出事件の本人について新戸籍を編製する。
第六十八条の二の規定によつて縁組の届出があつたときは、まず養子について新戸籍を編製する。
ただし、養子が養親の戸籍に在るときは、この限りでない。
第十四条第三項の規定は、前項ただし書の場合に準用する。
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)第三条第一項の規定による性別の取扱いの変更の審判があつた場合において、当該性別の取扱いの変更の審判を受けた者の戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者を含む。)が他にあるときは、当該性別の取扱いの変更の審判を受けた者について新戸籍を編製する。
成年に達した者は、分籍をすることができる。
但し、戸籍の筆頭に記載した者 及びその配偶者は、この限りでない。
分籍の届出があつたときは、新戸籍を編製する。
父 又は母の戸籍に入る者を除く外、戸籍に記載がない者についてあらたに戸籍の記載をすべきときは、新戸籍を編製する。
第十六条乃至第二十一条の規定によつて、新戸籍を編製され、又は他の戸籍に入る者は、従前の戸籍から除籍される。
死亡し、失踪の宣告を受け、又は国籍を失つた者も、同様である。
戸籍の記載が法律上許されないものであること 又はその記載に錯誤 若しくは遺漏があることを発見した場合には、市町村長は、遅滞なく届出人 又は届出事件の本人にその旨を通知しなければならない。
ただし、戸籍の記載、届書の記載 その他の書類から市町村長において訂正の内容 及び事由が明らかであると認めるときは、この限りでない。
前項ただし書の場合においては、市町村長は、管轄法務局長等の許可を得て、戸籍の訂正をすることができる。
前項の規定にかかわらず、戸籍の訂正の内容が軽微なものであつて、かつ、戸籍に記載されている者の身分関係についての記載に影響を及ぼさないものについては、同項の許可を要しない。
裁判所 その他の官庁、検察官 又は吏員がその職務上戸籍の記載が法律上許されないものであること 又はその記載に錯誤 若しくは遺漏があることを知つたときは、遅滞なく届出事件の本人の本籍地の市町村長にその旨を通知しなければならない。
第四章 届出
第一節 通則
届出は、届出事件の本人の本籍地 又は届出人の所在地でこれをしなければならない。
外国人に関する届出は、届出人の所在地でこれをしなければならない。
本籍が明かでない者 又は本籍がない者について、届出があつた後に、その者の本籍が明かになつたとき、又はその者が本籍を有するに至つたときは、届出人 又は届出事件の本人は、その事実を知つた日から十日以内に、届出事件を表示して、届出を受理した市町村長にその旨を届け出なければならない。
届出は、書面 又は口頭でこれをすることができる。
市町村長は、届出によつて効力を生ずべき認知、縁組、離縁、婚姻 又は離婚の届出(以下この条において「縁組等の届出」という。)が市役所 又は町村役場に出頭した者によつてされる場合には、当該出頭した者に対し、法務省令で定めるところにより、当該出頭した者が届出事件の本人(認知にあつては認知する者、民法第七百九十七条第一項に規定する縁組にあつては養親となる者 及び養子となる者の法定代理人、同法第八百十一条第二項に規定する離縁にあつては養親 及び養子の法定代理人となるべき者とする。次項 及び第三項において同じ。)であるかどうかの確認をするため、当該出頭した者を特定するために必要な氏名 その他の法務省令で定める事項を示す運転免許証 その他の資料の提供 又はこれらの事項についての説明を求めるものとする。
市町村長は、縁組等の届出があつた場合において、届出事件の本人のうちに、前項の規定による措置によつては市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを確認することができない者があるときは、当該縁組等の届出を受理した後 遅滞なく、その者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出を受理したことを通知しなければならない。
何人も、その本籍地の市町村長に対し、あらかじめ、法務省令で定める方法により、自らを届出事件の本人とする縁組等の届出がされた場合であつても、自らが市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができないときは当該縁組等の届出を受理しないよう申し出ることができる。
市町村長は、前項の規定による申出に係る縁組等の届出があつた場合において、当該申出をした者が市役所 又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができなかつたときは、当該縁組等の届出を受理することができない。
市町村長は、前項の規定により縁組等の届出を受理することができなかつた場合は、遅滞なく、第三項の規定による申出をした者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出があつたことを通知しなければならない。
市町村長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、届出人、届出事件の本人 その他の関係者に対し、質問をし、又は必要な書類の提出を求めることができる。
届出の受理に際し、この法律の規定により届出人が明らかにすべき事項が明らかにされていないとき。
その他戸籍の記載のために必要があるとき。
法務大臣は、事件の種類によつて、届書の様式を定めることができる。
前項の場合には、その事件の届出は、当該様式によつてこれをしなければならない。
但し、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
届書には、次の事項を記載し、届出人が、これに署名しなければならない。
届出人の出生の年月日、住所 及び戸籍の表示
届出人と届出事件の本人と異なるときは、届出事件の本人の氏名、出生の年月日、住所、戸籍の表示 及び届出人の資格
届出事件によつて、届出人 又は届出事件の本人が他の戸籍に入るべきときは、その戸籍の表示を、その者が従前の戸籍から除かれるべきときは、従前の戸籍の表示を、その者について新戸籍を編製すべきときは、その旨、新戸籍編製の原因 及び新本籍を、届書に記載しなければならない。
届出事件によつて、届出人 若しくは届出事件の本人でない者が他の戸籍に入り、又はその者について新戸籍を編製すべきときは、届書にその者の氏名、出生の年月日 及び住所を記載する外、その者が他の戸籍に入るか 又はその者について新戸籍を編製するかの区別に従つて、前項に掲げる事項を記載しなければならない。
届出人でない者について新戸籍を編製すべきときは、その者の従前の本籍と同一の場所を新本籍と定めたものとみなす。
届出をすべき者が未成年者 又は成年被後見人であるときは、親権を行う者 又は後見人を届出義務者とする。
ただし、未成年者 又は成年被後見人が届出をすることを妨げない。
親権を行う者 又は後見人が届出をする場合には、届書に次に掲げる事項を記載しなければならない。
届出をすべき者の氏名、出生の年月日 及び本籍
届出人が親権を行う者 又は後見人である旨
未成年者 又は成年被後見人がその法定代理人の同意を得ないですることができる行為については、未成年者 又は成年被後見人が、これを届け出なければならない。
証人を必要とする事件の届出については、証人は、届書に出生の年月日、住所 及び本籍を記載して署名しなければならない。
届書に記載すべき事項であつて、存しないもの 又は知れないものがあるときは、その旨を記載しなければならない。
市町村長は、特に重要であると認める事項を記載しない届書を受理することができない。
届書には、この法律 その他の法令に定める事項の外、戸籍に記載すべき事項を明かにするために必要であるものは、これを記載しなければならない。
二箇所以上の市役所 又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合には、市役所 又は町村役場の数と同数の届書を提出しなければならない。
本籍地外で届出をするときは、前項の規定によるものの外、なお、一通の届書を提出しなければならない。
前二項の場合に、相当と認めるときは、市町村長は、届書の謄本を作り、これを届書に代えることができる。
口頭で届出をするには、届出人は、市役所 又は町村役場に出頭し、届書に記載すべき事項を陳述しなければならない。
市町村長は、届出人の陳述を筆記し、届出の年月日を記載して、これを届出人に読み聞かせ、かつ、届出人に、その書面に署名させなければならない。
届出人が疾病 その他の事故によつて出頭することができないときは、代理人によつて届出をすることができる。
ただし、第六十条、第六十一条、第六十六条、第六十八条、第七十条から第七十二条まで、第七十四条 及び第七十六条の届出については、この限りでない。
届出事件について父母 その他の者の同意 又は承諾を必要とするときは、届書にその同意 又は承諾を証する書面を添付しなければならない。
ただし、同意 又は承諾をした者に、届書にその旨を付記させて、署名させるだけで足りる。
届出事件について裁判 又は官庁の許可を必要とするときは、届書に裁判 又は許可書の謄本を添付しなければならない。
届書に関する規定は、第三十七条第二項 及び前条第一項の書面にこれを準用する。
外国に在る日本人は、この法律の規定に従つて、その国に駐在する日本の大使、公使 又は領事に届出をすることができる。
外国に在る日本人が、その国の方式に従つて、届出事件に関する証書を作らせたときは、三箇月以内にその国に駐在する日本の大使、公使 又は領事にその証書の謄本を提出しなければならない。
大使、公使 又は領事がその国に駐在しないときは、三箇月以内に本籍地の市町村長に証書の謄本を発送しなければならない。
大使、公使 又は領事は、前二条の規定によつて書類を受理したときは、遅滞なく、外務大臣を経由してこれを本人の本籍地の市町村長に送付しなければならない。
届出期間は、届出事件発生の日からこれを起算する。
裁判が確定した日から期間を起算すべき場合に、裁判が送達 又は交付前に確定したときは、その送達 又は交付の日からこれを起算する。
市町村長は、届出を怠つた者があることを知つたときは、相当の期間を定めて、届出義務者に対し、その期間内に届出をすべき旨を催告しなければならない。
届出義務者が前項の期間内に届出をしなかつたときは、市町村長は、更に相当の期間を定めて、催告をすることができる。
前二項の催告をすることができないとき、又は催告をしても届出がないときは、市町村長は、管轄法務局長等の許可を得て、戸籍の記載をすることができる。
第二十四条第四項の規定は、裁判所 その他の官庁、検察官 又は吏員がその職務上 届出を怠つた者があることを知つた場合にこれを準用する。
市町村長は、届出を受理した場合に、届書に不備があるため戸籍の記載をすることができないときは、届出人に、その追完をさせなければならない。
この場合には、前条の規定を準用する。
届出期間が経過した後の届出であつても、市町村長は、これを受理しなければならない。
市町村長は、届出人がその生存中に郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者 若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便によつて発送した届書については、当該届出人の死亡後であつても、これを受理しなければならない。
前項の規定によつて届書が受理されたときは、届出人の死亡の時に届出があつたものとみなす。
届出人は、届出の受理 又は不受理の証明書を請求することができる。
利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、届書 その他市町村長の受理した書類の閲覧を請求し、又はその書類に記載した事項について証明書を請求することができる。
第十条第三項 及び第十条の三の規定は、前二項の場合に準用する。
第二節 出生
出生の届出は、十四日以内(国外で出生があつたときは、三箇月以内)にこれをしなければならない。
届書には、次の事項を記載しなければならない。
子の男女の別 及び嫡出子 又は嫡出でない子の別
出生の年月日時分 及び場所
父母の氏名 及び本籍、父 又は母が外国人であるときは、その氏名 及び国籍
その他法務省令で定める事項
医師、助産師 又はその他の者が出産に立ち会つた場合には、医師、助産師、その他の者の順序に従つてそのうちの一人が法務省令・厚生労働省令の定めるところによつて作成する出生証明書を届書に添付しなければならない。
ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。
出生の届出は、出生地でこれをすることができる。
汽車 その他の交通機関(船舶を除く。以下同じ。)の中で出生があつたときは母がその交通機関から降りた地で、航海日誌を備えない船舶の中で出生があつたときはその船舶が最初に入港した地で、出生の届出をすることができる。
嫡出子出生の届出は、父 又は母がこれをし、子の出生前に父母が離婚をした場合には、母がこれをしなければならない。
嫡出でない子の出生の届出は、母がこれをしなければならない。
前二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には、左の者は、その順序に従つて、届出をしなければならない。
第一項 又は第二項の規定によつて届出をすべき者が届出をすることができない場合には、その者以外の法定代理人も、届出をすることができる。
嫡出子否認の訴を提起したときであつても、出生の届出をしなければならない。
民法第七百七十三条の規定によつて裁判所が父を定むべきときは、出生の届出は、母がこれをしなければならない。
この場合には、届書に、父が未定である事由を記載しなければならない。
第五十二条第三項 及び第四項の規定は、前項の場合にこれを準用する。
航海中に出生があつたときは、船長は、二十四時間以内に、第四十九条第二項に掲げる事項を航海日誌に記載して、署名しなければならない。
前項の手続をした後に、船舶が日本の港に到着したときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその地の市町村長に送付しなければならない。
船舶が外国の港に到着したときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその国に駐在する日本の大使、公使 又は領事に送付し、大使、公使 又は領事は、遅滞なく外務大臣を経由してこれを本籍地の市町村長に送付しなければならない。
病院、刑事施設 その他の公設所で出生があつた場合に、父母が共に届出をすることができないときは、公設所の長 又は管理人が、届出をしなければならない。
棄児を発見した者 又は棄児発見の申告を受けた警察官は、二十四時間以内にその旨を市町村長に申し出なければならない。
前項の申出があつたときは、市町村長は、氏名をつけ、本籍を定め、且つ、附属品、発見の場所、年月日時 その他の状況 並びに氏名、男女の別、出生の推定年月日 及び本籍を調書に記載しなければならない。
その調書は、これを届書とみなす。
前条第一項に規定する手続をする前に、棄児が死亡したときは、死亡の届出とともにその手続をしなければならない。
父 又は母は、棄児を引き取つたときは、その日から一箇月以内に、出生の届出をし、且つ、戸籍の訂正を申請しなければならない。
第三節 認知
認知をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
父が認知をする場合には、母の氏名 及び本籍
死亡した子を認知する場合には、死亡の年月日 並びにその直系卑属の氏名、出生の年月日 及び本籍
胎内に在る子を認知する場合には、届書にその旨、母の氏名 及び本籍を記載し、母の本籍地でこれを届け出なければならない。
民法第七百八十九条第二項の規定によつて嫡出子となるべき者について、父母が嫡出子出生の届出をしたときは、その届出は、認知の届出の効力を有する。
認知の裁判が確定したときは、訴を提起した者は、裁判が確定した日から十日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければならない。
その届書には、裁判が確定した日を記載しなければならない。
訴えを提起した者が前項の規定による届出をしないときは、その相手方は、裁判の謄本を添付して、認知の裁判が確定した旨を届け出ることができる。
この場合には、同項後段の規定を準用する。
遺言による認知の場合には、遺言執行者は、その就職の日から十日以内に、認知に関する遺言の謄本を添附して、第六十条 又は第六十一条の規定に従つて、その届出をしなければならない。
認知された胎児が死体で生まれたときは、出生届出義務者は、その事実を知つた日から十四日以内に、認知の届出地で、その旨を届け出なければならない。
但し、遺言執行者が前条の届出をした場合には、遺言執行者が、その届出をしなければならない。
第四節 養子縁組
縁組をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
民法第七百九十七条の規定によつて縁組の承諾をする場合には、届出は、その承諾をする者がこれをしなければならない。
第六十三条第一項の規定は、縁組の裁判が確定した場合に準用する。
第六十三条の規定は、縁組取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
第七十三条の二の規定は、民法第八百八条第二項において準用する同法第八百十六条第二項の規定によつて縁組の取消しの際に称していた氏を称しようとする場合に準用する。
第五節 養子離縁
離縁をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
民法第八百十一条第二項の規定によつて協議上の離縁をする場合には、届出は、その協議をする者がこれをしなければならない。
民法第八百十一条第六項の規定によつて離縁をする場合には、生存当事者だけで、その届出をすることができる。
第六十三条の規定は、離縁 又は離縁取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
第七十五条第二項の規定は、検察官が離縁の裁判を請求した場合に準用する。
民法第八百十六条第二項の規定によつて離縁の際に称していた氏を称しようとする者は、離縁の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第六節 婚姻
婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
その他法務省令で定める事項
第六十三条の規定は、婚姻取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
検察官が訴を提起した場合には、裁判が確定した後に、遅滞なく戸籍記載の請求をしなければならない。
第七十七条の二の規定は、民法第七百四十九条において準用する同法第七百六十七条第二項の規定によつて婚姻の取消しの際に称していた氏を称しようとする場合に準用する。
第七節 離婚
離婚をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
親権者と定められる当事者の氏名 及びその親権に服する子の氏名
その他法務省令で定める事項
第六十三条の規定は、離婚 又は離婚取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
前項に規定する離婚の届書には、左の事項をも記載しなければならない。
親権者と定められた当事者の氏名 及びその親権に服する子の氏名
その他法務省令で定める事項
民法第七百六十七条第二項(同法第七百七十一条において準用する場合を含む。)の規定によつて離婚の際に称していた氏を称しようとする者は、離婚の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第八節 親権及び未成年者の後見
民法第八百十九条第三項但書 又は第四項の規定によつて協議で親権者を定めようとする者は、その旨を届け出なければならない。
第六十三条第一項の規定は、民法第八百十九条第三項ただし書 若しくは第四項の協議に代わる審判が確定し、又は親権者変更の裁判が確定した場合において親権者に、親権喪失、親権停止 又は管理権喪失の審判の取消しの裁判が確定した場合においてその裁判を請求した者について準用する。
親権 若しくは管理権を辞し、又はこれを回復しようとする者は、その旨を届け出なければならない。
民法第八百三十八条第一号に規定する場合に開始する後見(以下「未成年者の後見」という。)の開始の届出は、同法第八百三十九条の規定による指定をされた未成年後見人が、その就職の日から十日以内に、これをしなければならない。
届書には、次に掲げる事項を記載し、未成年後見人の指定に関する遺言の謄本を添付しなければならない。
後見開始の原因 及び年月日
未成年後見人が就職した年月日
未成年後見人が死亡し、又は民法第八百四十七条第二号から第五号までに掲げる者に該当することとなつたことによりその地位を失つたことによつて未成年後見人が欠けたときは、後任者は、就職の日から十日以内に、未成年後見人が地位を失つた旨の届出をしなければならない。
数人の未成年後見人の一部の者が死亡し、又は民法第八百四十七条第二号から第五号までに掲げる者に該当することとなつたことによりその地位を失つたときは、他の未成年後見人は、その事実を知つた日から十日以内に、未成年後見人が地位を失つた旨の届出をしなければならない。
未成年者、その親族 又は未成年後見監督人は、前二項の届出をすることができる。
届書には、未成年後見人がその地位を失つた原因 及び年月日を記載しなければならない。
未成年者の後見の終了の届出は、未成年後見人が、十日以内に、これをしなければならない。
その届書には、未成年者の後見の終了の原因 及び年月日を記載しなければならない。
未成年後見人に関するこの節の規定は、未成年後見監督人について準用する。
第九節 死亡及び失踪
死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内(国外で死亡があつたときは、その事実を知つた日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
届書には、次の事項を記載し、診断書 又は検案書を添付しなければならない。
死亡の年月日時分 及び場所
その他法務省令で定める事項
やむを得ない事由によつて診断書 又は検案書を得ることができないときは、死亡の事実を証すべき書面を以てこれに代えることができる。
この場合には、届書に診断書 又は検案書を得ることができない事由を記載しなければならない。
次の者は、その順序に従つて、死亡の届出をしなければならない。
ただし、順序にかかわらず届出をすることができる。
死亡の届出は、同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人 及び任意後見受任者も、これをすることができる。
死亡の届出は、死亡地でこれをすることができる。
死亡地が明らかでないときは死体が最初に発見された地で、汽車 その他の交通機関の中で死亡があつたときは死体をその交通機関から降ろした地で、航海日誌を備えない船舶の中で死亡があつたときはその船舶が最初に入港した地で、死亡の届出をすることができる。
水難、火災 その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁 又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
但し、外国 又は法務省令で定める地域で死亡があつたときは、死亡者の本籍地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
死刑の執行があつたときは、刑事施設の長は、遅滞なく刑事施設の所在地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
前項の規定は、刑事施設に収容中 死亡した者の引取人がない場合にこれを準用する。
この場合には、報告書に診断書 又は検案書を添付しなければならない。
前二条に規定する報告書には、第八十六条第二項に掲げる事項を記載しなければならない。
死亡者の本籍が明かでない場合 又は死亡者を認識することができない場合には、警察官は、検視調書を作り、これを添附して、遅滞なく 死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
死亡者の本籍が明かになり、又は死亡者を認識することができるに至つたときは、警察官は、遅滞なく その旨を報告しなければならない。
第一項の報告があつた後に、第八十七条第一項第一号 又は第二号に掲げる者が、死亡者を認識したときは、その日から十日以内に、死亡の届出をしなければならない。
第五十五条 及び第五十六条の規定は、死亡の届出にこれを準用する。
第六十三条第一項の規定は、失踪宣告 又は失踪宣告取消の裁判が確定した場合においてその裁判を請求した者にこれを準用する。
この場合には、失踪宣告の届書に民法第三十一条の規定によつて死亡したとみなされる日をも記載しなければならない。
第十節 生存配偶者の復氏及び姻族関係の終了
民法第七百五十一条第一項の規定によつて婚姻前の氏に復しようとする者は、その旨を届け出なければならない。
民法第七百二十八条第二項の規定によつて姻族関係を終了させる意思を表示しようとする者は、死亡した配偶者の氏名、本籍 及び死亡の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
第十一節 推定相続人の廃除
第六十三条第一項の規定は、推定相続人の廃除 又は廃除取消の裁判が確定した場合において、その裁判を請求した者にこれを準用する。
第十二節 入籍
民法第七百九十一条第一項から第三項までの規定によつて父 又は母の氏を称しようとする者は、その父 又は母の氏名 及び本籍を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
民法第七百九十一条第二項の規定によつて父母の氏を称しようとする者に配偶者がある場合には、配偶者とともに届け出なければならない。
民法第七百九十一条第四項の規定によつて従前の氏に復しようとする者は、同条第一項から第三項までの規定によつて氏を改めた年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
前項の者に配偶者がある場合には、配偶者とともに届け出なければならない。
第十三節 分籍
分籍をしようとする者は、その旨を届け出なければならない。
他の市町村に新本籍を定める場合には、戸籍の謄本を届書に添附しなければならない。
分籍の届出は、分籍地でこれをすることができる。
第十四節 国籍の得喪
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第三条第一項 又は第十七条第一項 若しくは第二項の規定によつて国籍を取得した場合の国籍取得の届出は、国籍を取得した者が、その取得の日から一箇月以内(その者がその日に国外に在るときは、三箇月以内)に、これをしなければならない。
届書には、次の事項を記載し、国籍取得を証すべき書面を添付しなければならない。
国籍取得の際に有していた外国の国籍
父母の氏名 及び本籍、父 又は母が外国人であるときは、その氏名 及び国籍
配偶者の氏名 及び本籍、配偶者が外国人であるときは、その氏名 及び国籍
その他法務省令で定める事項
帰化の届出は、帰化した者が、告示の日から一箇月以内に、これをしなければならない。
この場合における届書の記載事項については、前条第二項の規定を準用する。
国籍喪失の届出は、届出事件の本人、配偶者 又は四親等内の親族が、国籍喪失の事実を知つた日から一箇月以内(届出をすべき者がその事実を知つた日に国外に在るときは、その日から三箇月以内)に、これをしなければならない。
届書には、次の事項を記載し、国籍喪失を証すべき書面を添付しなければならない。
国籍喪失の原因 及び年月日
新たに外国の国籍を取得したときは、その国籍
国籍法第十二条に規定する国籍の留保の意思の表示は、出生の届出をすることができる者(第五十二条第三項の規定によつて届出をすべき者を除く。)が、出生の日から三箇月以内に、日本の国籍を留保する旨を届け出ることによつて、これをしなければならない。
前項の届出は、出生の届出とともにこれをしなければならない。
天災 その他第一項に規定する者の責めに帰することができない事由によつて同項の期間内に届出をすることができないときは、その期間は、届出をすることができるに至つた時から十四日とする。
国籍法第十四条第二項の規定による日本の国籍の選択の宣言は、その宣言をしようとする者が、その旨を届け出ることによつて、これをしなければならない。
届書には、その者が有する外国の国籍を記載しなければならない。
市町村長は、戸籍事務の処理に際し、国籍法第十四条第一項の規定により国籍の選択をすべき者が同項に定める期限内にその選択をしていないと思料するときは、その者の氏名、本籍 その他法務省令で定める事項を管轄法務局長等に通知しなければならない。
官庁 又は公署がその職務上国籍を喪失した者があることを知つたときは、遅滞なく 本籍地の市町村長に、国籍喪失を証すべき書面を添附して、国籍喪失の報告をしなければならない。
報告書には、第百三条第二項に掲げる事項を記載しなければならない。
外国の国籍を有する日本人がその外国の国籍を喪失したときは、その者は、その喪失の事実を知つた日から一箇月以内(その者がその事実を知つた日に国外に在るときは、その日から三箇月以内)に、その旨を届け出なければならない。
届書には、外国の国籍の喪失の原因 及び年月日を記載し、その喪失を証すべき書面を添付しなければならない。
第十五節 氏名の変更
やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者 及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
外国人と婚姻をした者がその氏を配偶者の称している氏に変更しようとするときは、その者は、その婚姻の日から六箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
前項の規定によつて氏を変更した者が離婚、婚姻の取消し又は配偶者の死亡の日以後にその氏を変更の際に称していた氏に変更しようとするときは、その者は、その日から三箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
第一項の規定は、父 又は母が外国人である者(戸籍の筆頭に記載した者 又はその配偶者を除く。)でその氏をその父 又は母の称している氏に変更しようとするものに準用する。
正当な事由によつて名を変更しようとする者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
第十六節 転籍及び就籍
転籍をしようとするときは、新本籍を届書に記載して、戸籍の筆頭に記載した者 及びその配偶者が、その旨を届け出なければならない。
他の市町村に転籍をする場合には、戸籍の謄本を届書に添附しなければならない。
転籍の届出は、転籍地でこれをすることができる。
本籍を有しない者は、家庭裁判所の許可を得て、許可の日から十日以内に就籍の届出をしなければならない。
届書には、第十三条に掲げる事項の外、就籍許可の年月日を記載しなければならない。
前条の規定は、確定判決によつて就籍の届出をすべき場合にこれを準用する。
この場合には、判決の謄本を届書に添附しなければならない。
就籍の届出は、就籍地でこれをすることができる。
第五章 戸籍の訂正
戸籍の記載が法律上許されないものであること 又はその記載に錯誤 若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。
届出によつて効力を生ずべき行為(第六十条、第六十一条、第六十六条、第六十八条、第七十条から第七十二条まで、第七十四条 及び第七十六条の規定によりする届出に係る行為を除く。)について戸籍の記載をした後に、その行為が無効であることを発見したときは、届出人 又は届出事件の本人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。
前二条の許可の裁判があつたときは、一箇月以内に、その謄本を添附して、戸籍の訂正を申請しなければならない。
確定判決によつて戸籍の訂正をすべきときは、訴を提起した者は、判決が確定した日から一箇月以内に、判決の謄本を添附して、戸籍の訂正を申請しなければならない。
検察官が訴を提起した場合には、判決が確定した後に、遅滞なく戸籍の訂正を請求しなければならない。
第二十五条第一項、第二十七条から第三十二条まで、第三十四条から第三十九条まで、第四十三条から第四十八条まで、及び第六十三条第二項前段の規定は、戸籍訂正の申請に準用する。
第六章 電子情報処理組織による戸籍事務の取扱いに関する特例等
法務大臣の指定する市町村長は、法務省令で定めるところにより戸籍事務を電子情報処理組織(法務大臣の使用に係る電子計算機(磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)及び入出力装置を含む。以下同じ。)と市町村長の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。以下同じ。)によつて取り扱うものとする。
ただし、電子情報処理組織によつて取り扱うことが相当でない戸籍 又は除かれた戸籍として法務省令で定めるものに係る戸籍事務については、この限りでない。
前項の規定による指定は、市町村長の申出に基づき、告示してしなければならない。
前条第一項の場合においては、戸籍は、磁気ディスクに記録し、これをもつて調製する。
前項の場合においては、磁気ディスクをもつて調製された戸籍を蓄積して戸籍簿とし、磁気ディスクをもつて調製された除かれた戸籍を蓄積して除籍簿とする。
前条の規定により磁気ディスクをもつて調製された戸籍 又は除かれた戸籍の副本は、第八条第二項の規定にかかわらず、法務大臣が保存する。
第百十九条の規定により戸籍 又は除かれた戸籍が磁気ディスクをもつて調製されているときは、第十条第一項 又は第十条の二第一項から第五項まで(これらの規定を第十二条の二において準用する場合を含む。)の請求は、戸籍謄本等 又は除籍謄本等に代えて、磁気ディスクをもつて調製された戸籍に記録されている事項の全部 若しくは一部を証明した書面(以下「戸籍証明書」という。)又は磁気ディスクをもつて調製された除かれた戸籍に記録されている事項の全部 若しくは一部を証明した書面(以下「除籍証明書」という。)についてすることができる。
戸籍証明書 又は除籍証明書は、第百条第二項 及び第百八条第二項の規定並びに旅券法(昭和二十六年法律第二百六十七号) その他の法令の規定の適用については、戸籍 又は除かれた戸籍の謄本 又は抄本とみなす。
第百十九条の規定により戸籍 又は除かれた戸籍が磁気ディスクをもつて調製されているときは、次の各号に掲げる請求は、当該各号に定める者に対してもすることができる。
第十条第一項(第十二条の二において準用する場合を含む。次項 及び次条(第三項を除く。)において同じ。)の請求
指定市町村長(第百十八条第一項の規定による指定を受けている市町村長をいう。以下同じ。)のうちいずれかの者
第十条の二第二項(第十二条の二において準用する場合を含む。次条(第三項を除く。)において同じ。)の請求(市町村の機関がするものに限る。)
当該市町村の長(指定市町村長に限る。)
前項の規定によりする第十条第一項の請求(本籍地の市町村長以外の指定市町村長に対してするものに限る。)については、同条第三項 及び第十条の三第二項の規定は適用せず、
同条第一項中
「現に請求の任に当たつている者」とあり、及び「当該請求の任に当たつている者」とあるのは、
「当該請求をする者」と
する。
前条第一項の規定によりする第十条第一項の請求 又は前条第一項の規定によりする第十条の二第二項の請求(法務省令で定める事務を遂行するために必要がある場合における当該請求に限る。以下 この条(第三項を除く。)において同じ。)は、戸籍電子証明書(第百十九条の規定により磁気ディスクをもつて調製された戸籍に記録された事項の全部 又は一部を証明した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)又は除籍電子証明書(第百十九条の規定により磁気ディスクをもつて調製された除かれた戸籍に記録された事項の全部 又は一部を証明した電磁的記録をいう。以下同じ。)についてもすることができる。
前項の規定によりする第十条第一項 又は第十条の二第二項の請求があつたときは、指定市町村長は、当該請求をした者に対し、戸籍電子証明書提供用識別符号(当該請求に係る戸籍電子証明書を識別することができるように付される符号であつて、法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)又は除籍電子証明書提供用識別符号(当該請求に係る除籍電子証明書を識別することができるように付される符号であつて、法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)を発行するものとする。
指定市町村長は、行政機関等(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第三条第二号に規定する行政機関等 その他の法務省令で定める者をいう。)から、法務省令で定めるところにより、前項の規定により発行された戸籍電子証明書提供用識別符号 又は除籍電子証明書提供用識別符号を示して戸籍電子証明書 又は除籍電子証明書の提供を求められたときは、法務省令で定めるところにより、当該戸籍電子証明書提供用識別符号に対応する戸籍電子証明書 又は当該除籍電子証明書提供用識別符号に対応する除籍電子証明書を提供するものとする。
第一項の規定によりする第十条第一項 及び第十条の二第二項の請求については、
これらの規定中
「交付」とあるのは、
「第百二十条の三第三項の規定により同項に規定する行政機関等に提供すること」とし、
第一項の規定によりする第十条第一項の請求(本籍地の市町村長以外の指定市町村長に対してするものに限る。)については、同条第三項 及び第十条の三第二項の規定は適用せず、
同条第一項中
「現に請求の任に当たつている者」とあり、及び「当該請求の任に当たつている者」とあるのは、
「当該請求をする者」と
する。
指定市町村長は、この法律の規定により提出すべきものとされている届書 若しくは申請書 又はその他の書類で戸籍の記載をするために必要なものとして法務省令で定めるもの(以下 この項において「届書等」という。)を受理した場合には、法務省令で定めるところにより、当該届書等の画像情報(以下「届書等情報」という。)を作成し、これを電子情報処理組織を使用して、法務大臣に提供するものとする。
前項の規定により届書等情報の提供を受けた法務大臣は、これを磁気ディスクに記録するものとする。
二箇所以上の市役所 又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合において、届出 又は申請を受理した市町村長が指定市町村長であり、かつ、当該届出 又は申請により戸籍の記載をすべき市町村長(当該届出 又は申請を受理した市町村長を除く。)のうち指定市町村長であるもの(以下 この項において「戸籍記載指定市町村長」という。)があるときは、法務大臣は、戸籍記載指定市町村長に対し、前条第一項の提供を受けた旨を通知するものとする。
前項の場合においては、第三十六条第一項 及び第二項(これらの規定を第百十七条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、提出すべき届書 又は申請書の数は、戸籍の記載をすべき市町村長の数から当該市町村長のうち指定市町村長であるものの数を減じた数に一を加えた数とする。
本籍地外で届出 又は申請をする場合(二箇所以上の市役所 又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合を除く。)であつて、届出 又は申請を受理した市町村長 及び当該届出 又は申請により戸籍の記載をすべき市町村長がいずれも指定市町村長であるときは、法務大臣は、当該戸籍の記載をすべき指定市町村長に対し、前条第一項の提供を受けた旨を通知するものとする。
前項の場合においては、第三十六条第二項(第百十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
第十条第三項 及び第十条の三の規定は、前項の場合に準用する。
第百条第二項の規定は、第百十九条の規定により届出事件の本人の戸籍が磁気ディスクをもつて調製されている場合において、届出地 及び分籍地の市町村長がいずれも指定市町村長であるときは、適用しない。
第百八条第二項の規定は、第百十九条の規定により届出事件の本人の戸籍が磁気ディスクをもつて調製されている場合において、届出地 及び転籍地の市町村長がいずれも指定市町村長であるときは、適用しない。
法務大臣 及び指定市町村長は、電子情報処理組織の構築 及び維持管理 並びに運用に係る事務に関する秘密について、その漏えいの防止 その他の適切な管理のために、電子情報処理組織の安全性 及び信頼性を確保すること その他の必要な措置を講じなければならない。
電子情報処理組織の構築 及び維持管理 並びに運用に係る事務に従事する者 又は従事していた者は、その業務に関して知り得た当該事務に関する秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
法務大臣は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第十九条第八号 又は第九号の規定による提供の用に供する戸籍関係情報(同法第九条第三項に規定する戸籍関係情報をいう。)を作成するため、第百十九条の規定により磁気ディスクをもつて調製された戸籍 又は除かれた戸籍の副本に記録されている情報を利用することができる。
第七章 不服申立て
戸籍事件(第百二十四条に規定する請求に係るものを除く。)について、市町村長の処分を不当とする者は、家庭裁判所に不服の申立てをすることができる。
戸籍事件(次条に規定する請求に係るものを除く。)に関する市町村長の処分 又はその不作為については、審査請求をすることができない。
第十条第一項 又は第十条の二第一項から第五項まで(これらの規定を第十二条の二において準用する場合を含む。)、第四十八条第二項、第百二十条第一項、第百二十条の二第一項、第百二十条の三第一項 及び第百二十条の六第一項の規定によりする請求について市町村長が行う処分 又はその不作為に不服がある者は、管轄法務局長等に審査請求をすることができる。
第八章 雑則
市町村長 又は法務局 若しくは地方法務局の長は、法務省令で定める基準 及び手続により、統計の作成 又は学術研究であつて、公益性が高く、かつ、その目的を達成するために戸籍 若しくは除かれた戸籍に記載した事項 又は届書 その他市町村長の受理した書類に記載した事項に係る情報を利用する必要があると認められるもののため、その必要の限度において、これらの情報を提供することができる。
戸籍事件に関する市町村長の処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章の規定は、適用しない。
戸籍 及び除かれた戸籍の副本 並びに第四十八条第二項に規定する書類 並びに届書等情報については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
戸籍 及び除かれた戸籍の正本 及び副本、第四十八条第二項に規定する書類 並びに届書等情報に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。
情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第六条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用してする届出の届出地 及び同項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用してする申請の申請地については、第四章 及び第五章の規定にかかわらず、法務省令で定めるところによる。
第四十七条の規定は、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第六条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用してした届出 及び申請について準用する。
この法律に定めるもののほか、届書 その他戸籍事務の処理に関し必要な事項は、法務省令で定める。
第九章 罰則
第百二十一条の二の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、二年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。
戸籍に関する事務に従事する市町村の職員 若しくは職員であつた者 又は市町村長の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて行う戸籍に関する事務の処理に従事している者 若しくは従事していた者が、その事務に関して知り得た事項を自己 若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
戸籍の記載 又は記録を要しない事項について虚偽の届出をした者は、一年以下の懲役 又は二十万円以下の罰金に処する。
外国人に関する事項について虚偽の届出をした者も、同様とする。
偽り その他不正の手段により、第十条第一項 若しくは第十条の二第一項から第五項までの規定による戸籍謄本等の交付、第十二条の二の規定による除籍謄本等の交付 若しくは第百二十条第一項の規定による戸籍証明書 若しくは除籍証明書の交付を受けた者、第百二十条の三第二項の規定による戸籍電子証明書提供用識別符号 若しくは除籍電子証明書提供用識別符号の発行を受けた者 又は同条第三項の規定による戸籍電子証明書 若しくは除籍電子証明書の提供を受けた者は、三十万円以下の罰金に処する。
偽り その他不正の手段により、第四十八条第二項(第百十七条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による閲覧をし、若しくは同項の規定による証明書の交付を受けた者 又は第百二十条の六第一項の規定による閲覧をし、若しくは同条の規定による証明書の交付を受けた者は、十万円以下の過料に処する。
正当な理由がなくて期間内にすべき届出 又は申請をしない者は、五万円以下の過料に処する。
市町村長が、第四十四条第一項 又は第二項(これらの規定を第百十七条において準用する場合を含む。)の規定によつて、期間を定めて届出 又は申請の催告をした場合に、正当な理由がなくてその期間内に届出 又は申請をしない者は、十万円以下の過料に処する。
次の場合には、市町村長を十万円以下の過料に処する。
正当な理由がなくて届出 又は申請を受理しないとき。
戸籍の記載 又は記録をすることを怠つたとき。
正当な理由がなくて、届書 その他受理した書類の閲覧を拒んだとき、又は第百二十条の六第一項の規定による請求を拒んだとき。
正当な理由がなくて、戸籍謄本等、除籍謄本等、第四十八条第一項 若しくは第二項(これらの規定を第百十七条において準用する場合を含む。)の証明書、戸籍証明書 若しくは除籍証明書を交付しないとき、戸籍電子証明書提供用識別符号 若しくは除籍電子証明書提供用識別符号の発行をしないとき、又は戸籍電子証明書 若しくは除籍電子証明書を提供しないとき。
その他戸籍事件について職務を怠つたとき。
過料についての裁判は、簡易裁判所がする。